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ウルソの読書記録 https://ursusvirtus.hatenablog.com/

素人が暇潰しに読んだ本などの感想と紹介を書いていくブログです

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2024/04/09

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  • 338冊目『急に具合が悪くなる』宮野真生子・磯野真穂

    急に具合が悪くなる 作者:宮野真生子,磯野真穂 晶文社 Amazon 末期がん患者の哲学者と、健康な人類学者の対話書簡集 たしかに、私は自分が他人の物語に巻き込まれたり、自分の物語に他者を巻き込んだりすることを嫌っていますし、それを怖れます。でも、それは「一方的に」巻き込む/巻き込まれることへの拒否であって、自己が他者と出会い、その出会いから、それぞれが自らの物語をどう立ち上げていくのか、そこからどんなふうに各自がラインを引いてゆくのか、それこそが大事であり、その立ち上がりが見たいのだと強く願っています。 なぜなら、そうやって引かれたラインにつながると感じられたとき、私たちは生きて行く力を受け…

  • 337冊目『火明かり ゲド戦記別冊』アーシュラ・K.ル=グウィン

    リンク 個人的評価★★★☆☆ なぜならば、言うまでもなくファンタジーは真実だからです。事実ではありません。でも真実なのです。子どもたちはそのことを知っています。大人たちだって知ってはいる。知っているからこそ、彼らの多くはファンタジーをおそれるのです。(火明り P136) ゲド戦記別冊で、短編と著者の講演録が載っている。 最初の三部作と後半との間の著者の考え方の深化、葛藤、抑圧が描かれていて興味深い。 アーシュラはフェミニズムの考え方に協調し、既存の男性中心主義的なヒロイズムや人種差別(なぜ、主人公たちを褐色の肌としているのにホワイトウォッシュされた表紙にされるのか!)、物語上の役割の転換を図る…

  • 336冊目『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ

    イン・ザ・メガチャーチ (日本経済新聞出版) 作者:朝井リョウ 日経BP Amazon 個人的評価★★★★★ 何かを学んで視野が拡がった後はいつだって、視野が拡がったという満足感を味わいながら、拡がってしまった視野を元に戻す作業が必要になる。視野を拡げたことで見つけた正解はあまりに正解すぎて実践し続けることが難しいので、知ることが大事、まずは知ることからと唱え続けることで不正解を馴染ませる準備運動を始めなければいけなくなる。(P121~ 物語に没入するというのは、視野が狭まる、ということでもあります。P183~ 第23回本屋大賞受賞作。らしい。 僕は基本的に読書家ぶって最近の小説をあまり読まな…

  • 335冊目『供述によるとペレイラは・・・・・・』アントニオ・タブッキ

    供述によるとペレイラは… (白水Uブックス 134 海外小説の誘惑) 作者:アントニオ タブッキ 白水社 Amazon 個人的評価★★★★★ 供述によると、ペレイラは、題もついていないその記事をなに気なく読みはじめたのだったが、無意識のままもういちど読みなおし、一部を書き写した。どうしてそんなことをしたのか。それについて、ペレイラはちゃんとした返事ができない。たぶん、カトリック急進派のその雑誌がなんとなくいやだったからではなかったか。P5~ 供述によるとペレイラは・・・のタイトルどおり、ペレイラへの聴取した内容を記載していく体裁で展開していく小説。 そのため、人物描写や展開描写、ペレイラの心情…

  • 334冊目『「エプスタイン文書」解読』ジェイソン・モーガン

    「エプスタイン文書」解読 作者:ジェイソン・モーガン ビジネス社 Amazon 日本の読者にとって理解の助けとなるのは、米エリート社会が分野横断的に高度にネットワーク化されているという点だ。政治、学術、金融、メディアが私的な関係を通じて緊密に結びついている。官庁中心の官僚機構が影響力の軸となりやすい日本とは異なり、米国では私的機関と社交ネットワークが権力の回路を形づくることが多い。P26~ 日本のグローバリズム論争はしばしば、移民、文化、主権に集中する。しかしエプスタイン事件が示す別の次元がある。すなわちエリート権力の統治である。寄付者を誰が監視するのか。慈善的影響をだれが寄生するのか。企業・…

  • 333冊目『あなたの人生の物語』テッド・チャン

    あなたの人生の物語 作者:テッド チャン 早川書房 Amazon 自由意志の存在は、われわれには未来は知りえないことを意味する。そしてわれわれはその直接的経験があるからということで、自由意志は存在するだろうと確信している。 意志作用は意識の本質的要素なのだと。 いや、そうなのだろうか?もし、未来を知るという経験がひとを変えるのだとしたら?それは切迫感を、自分はこうなると知ったとおりの行動をすべきだという義務感を呼び覚ますのだとしたら?P252~ なんかかっけえタイトルだな!ということで書店で購入~✨ エイリアンの言語『ヘプタボットB』を習得したルイーズは、それによって未来を知ることになる。 ヘ…

  • 332冊目『疑似科学から科学をみる』マイケル・D.ゴーディン

    疑似科学から科学をみる 作者:マイケル D.ゴーディン 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★☆ 第一に、かつては「正統」だったが、いまや時代遅れとなった科学に基づく痕跡科学、第二に、政治的イデオロギーに支配されている御用科学、第三に、主流科学の社会学的構造を模倣する反体制科学、第四に、精神の超常的な力を仮定した理論の系譜(心霊科学)である。(P17~) それでも彼らが活動を続けるのは、主流のコンセンサスが間違った前提、金銭的な利害、虚栄心、あるいは明らかに真理の探求とは無関係な悪徳によって支えられているため間違っている、と信じているからだ。彼らにいわせれば、実際に「本物の科学」を行ってい…

  • 331冊目『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』ミック・ジャクソン

    こうしてイギリスから熊がいなくなりました (創元推理文庫) 作者:ミック・ジャクソン 東京創元社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 死者への供物を食べさせられる(食べるではない)熊や、悪魔として恐れられていた時代の熊、潜水夫やサーカスでの曲芸、下水掃除に使われる熊など、イギリスでの架空の熊たちの物語。 最終的に偉大なる熊によってイギリスから熊たちは方舟よろしく脱出するんだけれど、読中・読後となんともいえない独特な味わいが拡がる本だった✨ 後書きをみていると、実際にイギリスには熊が(かつては存在したが)今は存在しないらしい。原因は別に熊たちが方舟で脱出したからではなく、乱獲などが原因みたい。 …

  • 330冊目『最後の魔法』駄犬

    最後の魔法(新潮文庫nex) 作者:駄犬 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 「誰が勇者を殺したか」のライトノベルシリーズの駄犬さんの最新刊✨ 基本的に最近の作家さんの本はあまり読まないんだけれども、作品出ると基本的には購入してる作家さんの1人。 個人的には「死霊魔術の容疑者」や「悪の令嬢と十二の瞳」も好きなんだけれども、今作も面白かった✨ が、物語の構成の仕方がパターン化してきているというか、デビュー作から大きく変わらないというのもあって、著者の作品を幾つか読んでいると途中で何となく結末が分かってきてしまう点もある(それでも面白いんだけどね) 作家さんはどうしても、デビュー作やヒット…

  • 329冊目『タイムトラベル基礎講座 時間のしくみからタイムリープの実現性まで』ブライアン・クレッグ

    タイムトラベル基礎講座: 時間のしくみからタイムリープの実現性まで 作者:ブライアン・クレッグ 原書房 Amazon 個人的評価★★★☆☆ タイムトラベルについて、数式とか使わずわかりやすく(?)基礎的なことを解説してくれている本 まあタイムトラベル系の解説本を読むとやはり量子力学(個人的にはコペンハーゲン解釈より多世界解釈が好きです)や、相対性理論の話になってきたりはする。 とはいえクライオニクス(冷凍保存的なやつ)だったり色々な方法で『時を超える』ことも説明してくれていたりして面白い✨ けれども、基本的には未来へ行くタイムトラベルの話であって、過去へのタイムトラベルはやはり不可能なのだろう…

  • 328冊目『NHK100分de名著 般若心経 「見えない力」を味方にする』佐々木閑

    NHK「100分de名著」ブックス 般若心経 作者:佐々木 閑 NHK出版 Amazon 個人的評価★★★★☆ 連続でNHK100分de名著シリーズの1冊を読了✨ 佐々木閑先生も仏教を分かりやすく解説した書籍を刊行しており、何冊か読んだことある先生である! 仏教の本を読んで行くと、おおもとの(といっても口伝というか、書物としてまとまったのはアショーカ王時代とされているから厳密には分からない面もあるんだろうけれど)ブッダの教えと、現在日本での仏教の教えってだいぶ違うよなあという感じはあり、佐々木先生は他の本でもそのあたりうまいこと両方に配慮した感じで解説してくれている。 本書は、大乗仏教の教典で…

  • 327冊目『NHK100分de名著 フランケンシュタイン メアリ・シェリー』廣野由美子

    単行本小説・イ 海外文学 NHK100分de名著ブックス メアリ・シェリー フランケンシュタイン~本当の怪物は、誰なのか/廣野由美子 ノーブランド品 Amazon 個人的評価★★★★★ 100分de名著シリーズ自体、入門に良い本になってるけど、単行本になってる本はさらに出来が良いなあ~という印象がある。 というわけでフランケンシュタインの巻! フランケンシュタインは怪物の名前じゃなくて怪物を作った人(ヴィクター・フランケンシュタイン)なんだけど、ゼルダの伝説みたいに勘違いされている感がある名前の一つといえるw 個人的には、屍者の帝国のザ・ワンて呼び方が好きだったりする。 この巻の著者の廣野由美…

  • 326冊目『ロボット(R.U.R)』チャペック

    ロボット(R.U.R) (岩波文庫 赤 774-2) 作者:カレル・チャペック 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★☆ 二号ロボット われわれは機械でした、先生。でも恐怖と痛みから別なものになったのです。P173~ 人造人間(ロボット)の製造販売を一手に賄っていた工場(ロッスムのユニーバーサルロボット社:R.U.R)で、ロボット達への人道を説いた女性の影響からロボットの設計をしていた博士は製造されるロボットに特殊な加工を施す。 数年後、人間は子を産まなくなり、ロボットは団結して人間に反旗を翻す。 しかし、ロボットの製造の秘密は失われており、人間が滅びたあと、ロボットたちも滅び去る運命とな…

  • 325冊目『タタール人の砂漠』ディーノ・ブッツアーティ

    タタール人の砂漠 (岩波文庫) 作者:ブッツァーティ 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★★ ブッツアーティは、『神を見た犬』という短編が大変面白かった印象があり、ネットで話題になっていたのもあり購入✨ その時期、ドローゴは、人間というものは、いかに愛し合っていても、たがいに離ればなれの存在なのだということに気づいた。ある人間の苦しみはまったくその人間だけのものであり、ほかの者は誰ひとりいささかもそれを我が事とは受け取らないのだ、ある人間が苦しみ悩んでいても、そのためにほかの者がつらい思いをすることはないのだ、たとえそれがいかに愛する相手であっても。そしてそこに人生の孤独感が生じるのだ。…

  • 324冊目『思考・論理・分析 「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践』波頭亮

    思考・論理・分析―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践 作者:波頭 亮 産業能率大学出版部 Amazon ★★★★☆ ネット上で、論理的思考を鍛える本としておススメに上がっていたので購入したけれど、その後SNS上で論理性の欠片も感じられないポストをしてる人もおススメしているのを見かけて「この本大丈夫か?」と思いながら読んだ本(笑 帰納法や演繹法、分析方法等についての解説も分かりやすいけれど、もっとも印象に残ったのは、「論理的である」ということは、形式的論理要件を満たすことだけではなく、「主張の意味内容が現実的に妥当」であるという納得性も満たさなければ、日常的な用法での論理性は満たされな…

  • 323冊目『すごい古典入門 レイチェル・カーソン『沈黙の春』 』中村桂子

    すごい古典入門 レイチェル・カーソン『沈黙の春』 科学に「いのち」は見えてるの? 作者:中村桂子 中央公論新社 Amazon 『すごい古典入門』シリーズ、最近刊行されはじめたシリーズだけどNHKの100分de名著とはまた違った感じの切り口で、古典入門として面白くてちょっとずつ集めている✨ 「沈黙の春」は、DDT等の殺虫剤や農薬などの科学物質の危険性を啓発した本 当時、「生態系」の概念はあまり一般的ではなく、自然は科学技術の発達によって克服されるものだったそう。 DDTも、当初は人体には無害な農薬的な感じで扱われていたけれど、虫だけでなく鳥や他の生物、最終的には人体へも悪影響があった。 時期的に…

  • 322冊目『「偶然」はどのようにあなたをつくるのか』ブライアン・クラース

    「偶然」はどのようにあなたをつくるのか: すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味 作者:ブライアン・クラース 東洋経済新報社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 一連のそれなりに類似した出来事全般で見られるパターンから特定の一回の結果を推測しようとすることに伴うこの問題は、『生態学的誤謬』と呼ばれる。P155 私たちの脳は物語に素晴らしく適応しているため、断片的な情報をつなぎ合わせて物語にまとめ上げる。本当は、それらの情報がつながっていないときにさえ、そうする。これを『ナラティブバイアス』という。P172 バーンはこうした虚言によって、物事が絡み合っているという現実の本質を覆い隠し…

  • 321冊目『鼻行類 新しく発見された哺乳類の構造と生活』ハラルト・シュテュンプケ

    鼻行類 (平凡社ライブラリー) 作者:ハラルト シュテュンプケ 平凡社 Amazon 個人的評価★★★★★ 1941年に南海の日本軍捕虜収容施設から脱走したスウェーデン人のエイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストが偶然漂着したハイアイアイ群島で発見した『鼻で歩く哺乳類』の生態についての学術書 ハイアイアイ群島とか鼻行類とか聞いたことないよという人もいるかもしれないけれど、それもそのはず、本書が発刊されれる直前に南海で行われた核実験の影響でハイアイアイ群島の地殻が変動してハイアイアイ群島は全て沈んでしまったのだそうである。 しかも、調査のために群島を訪れていた研究者たちとともに・・・ この本の…

  • 320冊目『中世モンスターのはなし 装飾写本でたどる』ダミアン・ケンプ&マリア

    中世モンスターのはなし 装飾写本でたどる 作者:ダミアン・ケンプ,マリア・L.ギルバート 美術出版社 Amazon 中世ヨーロッパで製作された装飾写本に描かれているモンスターたちの絵や、そのモンスターたちについてのエピソードを紹介した本 『ドロルリー(人体と動植物を合体させたものなどの空想的で滑稽味のあるモチーフ)』とか知らなかったことも書いてあって面白かった✨ ドロルリーは解説だけ見ると、なんとなくヴォイニッチ写本を思い出すよね。 というわけで、定番のドラゴンの他に『パノティティ(耳がでかい人間)』、『ブレムミュアエ(頭が無く、目や口が腹についてる人間)』その他もろもろ、未開の地にいるとされ…

  • 319冊目『からだの病いとこころの痛み 苦しみを巡る精神分析的アプローチ』村井雅美

    からだの病いとこころの痛み: 苦しみをめぐる精神分析的アプローチ 作者:村井 雅美 木立の文庫 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 病気や、病気の治療での痛みによってQOL下がっている人への精神面で助けられるアプローチとか書いてある本かな?と思って(Amazonなので中身みず)買ったけれど、だいぶ違った笑 乳幼児期の病気によって親とのコミュニケーション不全や、病気の後遺障害によって周りとの関係性をうまく構築できていない子どもへの精神分析的アプローチ法という感じの本。 この本単体で言えば面白かったし勉強になる点もあったけれど、本来の目的とはズレているので★★★でw

  • 307冊目~318冊目『色々読んだけど記録書ききれないからとりあえずタイトルとかだけ書いてく』

    307冊目『外国語独習法』大山祐亮 ★★★☆☆ 308冊目『ドマ家の悪魔』枝豆ずんだ★★★★☆ →よくある復讐ものかと思ってたら予想外の展開で面白かった✨ 309冊目『考察する若者たち』三宅香帆★★★☆☆ 310冊目『叡智の図書館と十の謎』多崎礼★★★★☆ 311冊目『加速主義』木澤佐登志★★★☆☆ 312冊目『英文学のわからない言葉』金原瑞人★★★☆☆ →ターキッシュデライトとマントルピース、ワードローブはナルニア国で学んだ(きりっ) 313冊目『何が投票率を高めるのか』松林哲也★★★★☆ 314冊目『すごい古典入門アーレント『人間の条件』』戸谷洋志★★★★☆ 315冊目『嫌われる勇気』岸見…

  • 306冊目『すごい古典入門 ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の基本』古田徹也

    すごい古典入門 ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』の基本 言語化できないことに意味はないの? 作者:古田徹也 中央公論新社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 最近新しいシリーズとして始まったのかな?「すごい古典入門」シリーズ 書店で、ハンナ・アレントの『人間の条件』とルソーの『社会契約論』とこの本が並んでて購入✨ 入門の入門みたいな感じでかなり分かりやすく書かれている(印象としてはNHKの100分de名著シリーズに近い) ウィトゲンシュタインは大学生の頃に論理哲学論考とか、関連の解説書読んだりしたけど久しく読んでないな~久々に読みたいけど、最近の良い本とかないかな~と思っていたら、巻末に文…

  • 304、305冊目『プロジェクトヘイルメアリー(上・下)』アンディ・ウィアー

    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 謎の空間で目を覚ました主人公。記憶を取り戻していくうちに、地球が滅亡の危機にあること、自分が地球の救済計画「プロジェクトヘイルメアリ―」の一員であることを思い出していく。 地球を救うかもしれない現象が起きている別の惑星へ到達したとき、主人公は別の惑星からの宇宙船と出会う・・・ というわけで現代科学の延長戦上っぽい感じにありながら、太陽エネルギーを喰らうアストロファージという概念を挿入することによって宇宙の旅を現実化し、なんか良い感じに仕上がっているSF作品 古典的S…

  • 303冊目『私たちはなぜ法に従うのか』白田秀彰

    私たちはなぜ法に従うのか――法と「正しさ」をめぐる3000年の世界史 作者:白田秀彰 亜紀書房 Amazon 個人的評価★★★☆☆ もともとラテン語では、法と法律を分けて呼んでいました。法は「ユス」(IUS)と呼ばれ、「権利」とか「正しさ」という意味を含んでいました。つまり、法は「正しさ」そのものとして観念されていたわけです。 一方、法律は「レクス」(LEX)と呼ばれました。これは人間が作り出した「決まり」のことを指していました。このように、ユスとレクスが違う水準のものだと考えれば、ユスに背くレクスもありうることになります。 すなわち、「悪い法律は法ではない」と言い切れることになります。そして…

  • 302冊目『1月の本』西崎憲 編

    リンク 個人的評価★★★☆☆ <ひと月>をテーマに古今東西の文学作品を集めた12カ月のアンソロジー!の1月版! 個人的には1月はあまり心に刺さる作品無かったかな~(正月の話が多かったからか?) とはいえ、今まであまり読まなかったような作家さんの短編とかをたくさん読めるので良きシリーズと言えます。 今巻の収録作品中では『羊飼いとその恋人』エリザベス・グージがお気に入り。 アンソロジーの良いところはやっぱりたくさんの作品の中から自分の波長にあった作品が見つかったときの喜びにあるよね いちおう、3月の本まで発刊されていて、12カ月全部出版は終わったみたいだけれど、まだ半分くらいしか持ってないので、徐…

  • 301冊目『歴史のなかの奇妙な仕事』二コラ・メラ

    リンク 個人的評価★★★☆☆ 主にヨーロッパ中世くらいまでに存在した、現代からすると一見奇妙な仕事についてのカタログ集みたいな感じの本 吸血鬼ハンターとか悪魔祓い、錬金術師などの有名どころのほか、コーヒー嗅ぎ、国王のトイレ係(割と重要な仕事だったらしいw)、ヒル釣り師など、なんでそんな仕事あんの?wという謎の仕事もあり、息抜きに読んでて面白かったw いまから見れば意味不明な仕事でも、当時の社会的背景や文化に照らせば存在しててもおかしくないものはたくさんあるよね。 未来からみたら現代の主要な職業だって謎職業と思われる可能性もあるわけだし。 歴史のなかの奇妙な仕事 作者:ニコラ・メラ 原書房 Am…

  • 300冊目『ナルニア国物語7 さいごの戦い』C.S.ルイス

    ナルニア国物語7 さいごの戦い (新潮文庫 ル 6-7) 作者:C・S・ルイス 新潮社 Amazon 個人的評価★★★★★ 『あらゆる世界は終わりを迎えること、気高い死はどんなに貧しい者でもあがなえる宝であることを、お忘れになりますな』P128 ナルニア国物語の最終巻。物語を読み終えるのがもったいなくて、6巻読了以降結構時間が経ってしまったw ナルニア国に偽のアスランが現れ、ナルニアの生き物たちは奴隷の如く扱われていく。 さらに敵国カロールメンの侵略も重なり、ナルニア国は終焉の危機に陥る。 そのなかで、かつてナルニア国を訪れた、ユースティスやジル、ルーシー達が再び駆け付け、ナルニア国のさいごの…

  • 299冊目『屍者の帝国』伊藤計劃×円城塔

    屍者の帝国 (河出文庫) 作者:伊藤計劃,円城塔 河出書房新社 Amazon 個人的評価★★★★☆ その視点は屍者と同じだ。わたしたちは個別に物語を保持し、自分の意思と信じるものに従って行動している。意思を信じるとさえ感じる必要がないほどに。科学は確かに「何故」を問うことはないわけだが、わたしたちは屍者とは異なる。わたしたちは物理的な現象だが、同時に意味を上書きしながら生きている。ほんの二十一グラムほどの魂が、そんな上書き機能を担う。物語による意味づけを拒絶したなら、わたしたちは屍者と変わるところがなくなるだろう。(P96~ 虐殺器官・ハーモニーに続くゼロ年代最高の日本SF作家の1人、伊藤計劃…

  • 298冊目『印象派の誕生 混沌からの出発と豊穣なる遺産』安井裕雄

    印象派の誕生: 混沌からの出発と豊穣なる遺産 (創元美術史ライブラリー) 作者:安井裕雄 創元社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 「ジャポニスム」はまず、日本の版画や骨董品の流行、または熱狂を指すが、ほかの単語として、時に趣味の悪さを皮肉る「ジャポネズリー」という語もあった。「ジャポヌリ」もまた、悪趣味であるという含意があるが、モネはあえて自作品に「ジャポヌリ」という語をあて、ジャポニスムの流行に飛びつく同業者への皮肉をこめていた。(P218~ オルセー美術館展(印象派展)に行くに当たり予習で読んだ本 まあまさしく印象派の歴史という感じの本で、はじまりから衰退(次の世代へ)までのながれが当…

  • 297冊目『爆発物処理班の遭遇したスピン』佐藤究

    爆発物処理班の遭遇したスピン (講談社文庫) 作者:佐藤究 講談社 Amazon 個人的評価★★★★★ 佐藤究の短編集。佐藤究といえばテスカトリポカが面白かったね! 短編集好きとしてはとりあえず買ってみるか!ということで購入した本✨ 収録作は 1爆発物処理班の遭遇したスピン 2ジェリーウォーカー 3シヴィル・ライツ 4猿人マグラ 5スマイルヘッズ 6ボイルド・オクトパス 7九三式 8くぎ の8つ! 個人的には「猿人マグラ」(タイトルから分かるように、ドグラマグラが関連している)、「くぎ」がお気に入りかな! とはいえ全体的に水準が高く、どれを読んでも満足できるので素晴らしい短編集といえる。 それ…

  • 296冊目『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』ラス・ハリス

    幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本) 作者:ラス ハリス 筑摩書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ 副題、「マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」 あと数カ月しか生きられない時に考えるべきことは「自分はいかにその時間を使いたいか?」だろう。あなたが残りの時間でやっておきたいことは何だろう?何がしたいか、誰に会いたいか? ~中略~ だが、思考に取りつかれ、頭の中で繰り返してしまう場合はどうだろう?自分の最後の数週間を、愛する人々に囲まれて過ごす代わりに、一日中「もうすぐ死ぬんだ」という思考に囚われるのは有益な行…

  • 295冊目『The Indifference Engine』伊藤計劃

    The Indifference Engine 作者:伊藤 計劃 早川書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ 彼女が死んでいく間、私は彼女に誓った。そうするよ、天国とまではいわないけれど、できるかぎりここを、この場所を良くしてみせるよ、と。彼女はそれを聞くと、にっこり微笑んだ。そうね、天国とはいわないけれど、天国の隅っこまでくらいはたどり着きたいわね、と。それが彼女の最後の言葉だった。(P156 伊藤計劃の遺稿集から捜索に当たるものを抜粋・再編集した短編集。 本書に収録された屍者の帝国の冒頭部分を元に、円城塔が続きを書き上げ、作品が完成している。もちろんその作品は、伊藤計劃の虐殺器官やハーモ…

  • 294冊目『中世トラベルガイド ヨーロッパから世界の果てまで』アンソニー・ベイル

    中世トラベルガイド ヨーロッパから世界の果てまで 作者:アンソニー・ベイル 河出書房新社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ カリクストゥス写本(1138~45年頃)は確認されている限り最古の旅行案内書であり、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼のためのアドバイスが豊富に掲載されている。 ~中略~ 1200年頃には、旅行案内は書きものとしてヨーロッパに定着し、1350年頃からは巡礼が普及するに従って、アルス・アポデミカ(旅行助言書)とも呼ばれ、好奇心旺盛な「私」を語る際の代表的記述法となった。中世の旅行書は、書き手の「私」が出現する場の一つであり、世界への好奇心が、目にした場所や個人的体験とい…

  • 293冊目『エーミールと探偵たち』エーリヒ・ケストナー

    エーミールと探偵たち (岩波少年文庫) 作者:エーリヒ ケストナー 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★★ 「あなたは、エーミール・ティッシュバインくんのお母さんでいらっしゃる?いやあ、じつに見上げた少年ですなあ。脱帽だ、ティッシュバイン夫人。脱帽するしかありませんよ!」 「まあまあ、どうか帽子はそのままになさってくださいな」(P208~ おばあちゃんを訪ねる列車のなかで同席した怪しげな男に、寝てる間にお金を盗まれたエーミールがベルリンの街で知り合った子供たちと協力して犯人を捕まえる児童小説✨ いやー、ケストナーはやっぱりいいなあ~。飛ぶ教室もすきだけれど、この、エーミールと探偵たちも好…

  • 292冊目『語れるようになる西洋絵画のみかた』岡部昌幸監修

    西洋絵画のみかた 成美堂出版 Amazon 個人的評価★★★★☆ 西洋絵画を・・・語れるように・・・なりたいんや!!!! というわけで西洋絵画を語れるようになるために本屋で見かけてかった本 最近だと山田五郎さん?の絵の紹介本みたいなのが書店で平積みされていて(あれはあれで読んでみたいけれど)、平積み作品は基本的に敬遠するマンとしては他の本を探していて見つけた本なのである。 類似の本は他にもあるので他でも良いのかもしれないけれど、この本は全ページカラーなのである。 そして絵の写真?もたくさん載っているうえに、古代から現代までの絵画の流れが分かる作りになっていて思いの外買って良かった感がある本✨ …

  • 291冊目『多忙感 「成果」と「余裕」を同時に手に入れるタスクまみれ解消術』菅原洋平

    多忙感 作者:菅原 洋平 サンマーク出版 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 久々の自己啓発系の本。 いや、職場変わって最近まさしく多忙感に包まれているのよ・・・ というわけで書店で見かけて、なんか対策的なこと載ってないかな~と購入した本 まあ読んで思ったのは、僕の現状はまさしく多忙なのであって、多忙感ではないなとのことw効率を上げたり、無駄を省くと良いのかもしれないけれど、効率はともかく、無駄と思われるもの(丁寧な回答だったり、案内だったりね)を省き過ぎると、今の仕事付いた理由が薄れていくので難しいところ・・・ 多忙なのは、面倒な案件が立て込んだときだけなので、やがて平準化されて行くことでし…

  • 290冊目『反出生主義入門』小島和男

    反出生主義入門:「生まれてこないほうが良かった」とはどういうことか 作者:小島 和男 青土社 Amazon 個人的評価★★★★★ ここで注意しておきたいのが、実際もう生まれて人生を始めてしまっている私たちにとっては、良いことが多くなるように行動した方が勿論良いということだ。そもそも反出生主義は、「生まれてこないほうが良かったなぁ」と嘆くための思想ではない。私も常々嘆いてしまいはするが、そういう時は落ち着いて考えてみた方が良い。今更嘆いたってしょうがないし、そもそも自分ではどうしようもなかったことだ。そうではなくて「子どもを作ることは間違っている」という思想なのである。(P89~ ベネターの反出…

  • 289冊目『100分de名著 死ぬ瞬間 E・キューブラー・ロス』島薗進

    NHK 100分 de 名著 E・キューブラー・ロス 『死ぬ瞬間』 2025年 12月 [雑誌] (NHKテキスト) NHK出版 Amazon 個人的評価★★★★☆ なんかちょっとまえに100de名著シリーズに関してネット上で荒れてた気がするけど、このシリーズはまさしく入門的な感じで解説してくれるからその本への導入にとても良いと個人的には思う次第。 みずからの死が近いと知って悲嘆し、苦悩する人々に対して、私たちは何ができるのでしょうか。死にゆく人々は、日々何を感じ、考え、求めているのか。医療はどうあるべきなのか。こうしたことを、二百人を超える終末期患者との会話を通して考え、問題提起した書が『死…

  • 288冊目『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』V・E・フランクル

    リンク 個人的評価★★★★★ 言わずとしてた、フランクルの名作。旧訳と新訳があるけれど、個人的には表紙含め旧訳のほうが好き✨ 「私はもはや人生から期待すべき何ものも持っていないのだ。」これに対して人は如何に答えるべきであろうか。 ここで必要なのは生命の意味についての問いの観点変更なのである。すなわち人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。そのことをわれわれは学ばねばならず、また絶望している人間に教えなければならないのである。 ~中略~ 人生というのは結局、人生の意味の問題に正しく答えること、人生が各人に課する使命を…

  • 287冊目『世界のいまを伝えたい』久保田弘信

    世界のいまを伝えたい フォトジャーナリスト久保田弘信 作者:久保田 弘信 汐文社 Amazon 戦いの前線にも、笑顔は、ある。 前線で戦う兵士はどんな顔をしているのか。多分、多くの人は、「前線の兵士はめを三角につり上げ、口を一文字にギュッと結び、緊張感にあふれた表情をしている」とおもっているのではないだろうか。しかし、戦いの前線にいる兵士たちだって、笑顔を見せるのだ。 この作戦に限らず、僕は、前線で、兵士の笑顔をたくさん見てきた。それは死を覚悟しているからこその笑顔。前線の兵士たちは、自分が数時間後、いや数分後には生きているかどうかわからないことを知っている。だからこそ、今、この瞬間に生きてい…

  • 286冊目『この会社は実在しません』ヨシモトミネ

    リンク 個人的評価★★★★☆ いわゆるモキュメンタリ―ホラー的な小説。 ※モキュメンタリー=フィクションを、ドキュメンタリー映像のように見せかけて演出する表現手法(Wikipediaより) ある日、勤め先の書庫で資料整理をしていた私は、奇妙な段ボールの箱を発見しました。 しっかりとガムテープで封をされており、赤字で「開封厳禁」と書かれたコピー用紙が何枚も貼りつけられています。埃の積もり方からして、そんなに古いものではなさそうでした。(P4~) という感じで物語は始まり、最初は段ボールの中にあったUSBに記録されている書面や動画、記録などを語り手が要約した内容が叙述されていく。 その内容は、一見…

  • 285冊目『後方腕組転生者、うっかり勇者に拍手を送ったら、黒幕扱いされる。(ライトノベル)』森空亭

    ただの後方腕組転生者、うっかり勇者に拍手を送ったら黒幕扱いされる。 (角川スニーカー文庫) 作者:森空亭 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★★☆☆ 勇者の大ファンの主人公は、勇者たちが魔王を倒す瞬間に(隠密スキルを使って)立会い、感動と感謝で拍手して声をかけるが、糸目の怪しげな容貌で誤解を招く言動も相俟って、人と争うことを良しとしていなかった(が、戦わざるを得なかった)魔王を支配していた黒幕として誤解され、指名手配を受け逃亡生活を送ることになる。 その過程で、封印されていたり、隠れていた悪役たち(ゲームでいえば隠しボスみたいなやつら)や、勇者によっては救われなかった者たちを仲間にし…

  • 284冊目『むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。』青柳碧人

    むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。 むかしむかしあるところに、死体がありました。 (双葉文庫) 作者:青柳碧人 双葉社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 『赤ずきん、~で死体と出会う。』などの赤ずきんシリーズの著者の日本昔話ミステリー✨笑 ursusvirtus.hatenablog.com 相変わらず表紙の絵が良いw 赤ずきんは赤ずきんで面白かったけど、日本昔話を下敷きにしたミステリーだとどんな感じなのかな~と思いながら読んだけれど、(設定は日本昔話なのはともかく)思いのほかちゃんとミステリー仕立てで面白かった✨ 対象となった昔話は、『こぶとりじいさん』、『耳なし芳…

  • 283冊目『おまえレベルの話はしてない』芦沢央

    おまえレベルの話はしてない 作者:芦沢央 河出書房新社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 将棋のプロ棋士の芝と、奨励会で夢破れ、弁護士になった大島を中心に展開される話。 芝はプロ棋士になったものの、成績は低迷し、肥大したプライドと行動できない現実と、奨励会で切磋琢磨していた仲間が成績を伸ばして行くことへの焦りとも諦めともつかない状況に追い込まれ、『なんか適応障害とか鬱とかそういう病名付くんじゃね?』という印象を受ける状態 大島は、プロ棋士になることをあきらめ、東大を卒業し弁護士となり、世間的には成功したように見えるが、その裏にはプロ棋士になった芝への劣等感と優越感がごちゃまぜになったような感…

  • 282冊目『シリア・レバノンを知るための64章』黒木英充編

    リンク 個人的評価★★★★★ 1月半ばに中東で取材とかしてる戦場ジャーナリストの方の講演会に行くので、予習兼ねて購入✨ エリアスタディーズシリーズは何となく敬遠して読んでなかったんだけれど、いざ読んでみるととても分かりやすい&地域の歴史から現在の状況、地政学や宗教・政治など幅広い事柄を簡潔に説明してくれていて分かりやすい。 とくに、レバノンやシリアは政治制度や宗教状況が意味不明だったんだけれど、結構すっきりしたかもしれない(何度か読むとより良いのかも?) 気になる地域があれば、他の地域のものも買ってみようかな~

  • 281冊目『フランスの高校生が学んでいる哲学の教科書』シャルル・ぺパン

    フランスの高校生が学んでいる哲学の教科書 作者:シャルル・ペパン 草思社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 哲学が人生に意味を与えることなどありえない。神父は日曜日、ミサにやってきた信徒に生きる「意味」を授ける。時流に敏感なオフィスで働くビジネスマンは、時代の動きに意味を与えようとする。広告会社のクリエイターはブランドの宣伝のために特定のイメージや言葉に意味を持たせようとする。 哲学は人生に意味を与えようとしない。思考のメソッドを教え、問いかける姿勢を説くだけで、人生の意味や特別な能力を与えるわけではない。人生の意味は各人が自分で探すべきものなのだ。というのも、そこには私たちの自由や自立とい…

  • 280冊目『哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで』斎藤哲也編

    哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで NHK出版新書 作者:古田 徹也,児玉 聡,神島 裕子,立花 幸司 NHK出版 Amazon 個人的評価★★★☆☆ ケアの倫理は、支配的な社会構造のなかでかき消されてきた声に耳を傾けることから始まる。それは、喜びであると同時に苦しみでもあるというケアの経験がもつ複雑さ、そして、そうした経験を「個人的なこと」として女性に押し付けてきた社会の「不正義」を告発する、ラディカルな可能性を秘めているのだ。(P223~) なんか去年か一昨年くらいに新書や哲学界隈で話題になっていた本の第4巻。 今巻は哲学というより倫理学系統のはなしがメイン。 前巻までと比較…

  • 279冊目『シートン動物戦記』芝村裕吏

    シートン動物戦記 作者:芝村 裕吏 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★★☆☆ シートン動物記の新装版でたん?でもここライトノベルコーナーだしなんかアニメ的な表紙? と思いきやシートン動物戦記という戦争もののライトノベル(笑 著者はマージナルオペレーションシリーズの芝村裕吏✨ マージナルオペレーション好きだったので購入! 獣人が差別視されている王国の貴族(獣人好きの噂を自ら立てて、家督を継がず軍人となった)が主人公の物語。 獣人はそれぞれその性質に合わせた特異性があるけれど、人間に合わせた軍律のため十分に力を発揮できず雑な扱いをされている。 そんな中、獣人の特質を理解し、その特質に合…

  • 278冊目『モモ』ミヒャエル・エンデ

    モモ (岩波少年文庫) 作者:ミヒャエル・エンデ,大島 かおり 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★★ 時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、だれひとり気がついていないようでした。じぶんたちの生活が日ごとにまずしくなり、日ごとに画一的になり、日ごとに冷たくなっていることを、だれひとりとめようとはしませんでした。 でも、それをはっきり感じはじめていたのは、子どもたちでした。というのは、子どもにかまってくれる時間のあるおとなが、もうひとりもいなくなってしまったからです。 けれど時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは…

  • 277冊目『イスラエル・パレスチナ紛争をゼロから理解する』イラン・パぺ

    リンク 個人的評価★★★★☆ イスラエル生まれのユダヤ系イスラエル人の現代史家によるイスラエル史の新書。 と聞くとイスラエル寄りの見解なのかな(別にそれ自体は悪いことではない)と思いきや、イスラエル出禁になっている人物らしいw つまりはイスラエルの見解と違うことを書きまくってたんだろう。ということで興味を持って購入✨ プロパガンダばりばりだったらちょっとあれかなと思いながら紐解いたけれど、中身はしっかりとした歴史の新書。 パレスチナ寄りは今回の紛争をイスラエル建国以前の経緯から考えるのに対して、イスラエル寄りの意見は、2023年10月のハマスからの奇襲(テロ?)を起点に考えてる印象あるよね。 …

  • 276冊目『呪文の言語学 ルーマニアの魔女に耳をすませて』角悠介

    リンク 個人的評価★★★★☆ ルーマニアの大学に留学し、東欧に20年以上在住している著者によるルーマニアの呪文や民間伝承、実際のルーマニアの人たちとの交流から呪文について考えていく言語学的エッセイ 巻末に、現存するルーマニアの魔女へのインタビューがあると記載があり、惹かれて購入✨ ルーマニアにおいてクレント(空気の流れ)信仰は邪視と同じくらい、いや、下手するとそれ以上に根強い。風の流れに身をさらすとルーマニア人の多くは本当に体調を崩す。 ~中略~ これを説明してくれた寮の受付の女性は文学部の博士課程の学生で、何を聞いても論理的・学術的に答えてくれた。そんな彼女ですらクレントの魔の手からは逃れら…

  • 275冊目『分析哲学入門』青山拓央

    分析哲学講義 (ちくま新書) 作者:青山拓央 筑摩書房 Amazon 個人的評価★★★☆☆ (分析哲学に興味があるなら、もっと評価高くなると思う) では、分析哲学の手法―今後は「分析的手法」と略します―の独自性はどこにあるのでしょうか。それは、言語を基礎的で自律的なものと見なし、言語の機構(メカニズム)を何か別の機構のもとで説明するよりも、逆に、言語の機構の解明によって他の機構を説明していくところにあります。分析哲学史における「言語論的転回」と呼ばれるのは、この逆転的な発想です。(P14~) いや~、分析哲学考え方自体は面白いと思うし、もとになってる論理実証主義的な考え方も理解できないではない…

  • 274冊目『【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派』池内恵

    【中東大混迷を解く】 シーア派とスンニ派(新潮選書) 作者:池内恵 新潮社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 【中東大混迷を解く】シリーズの第2巻。 ちなみに1巻目はサイクス=ピコ協定に関するものである。(内容はもう覚えてないw) ursusvirtus.hatenablog.com 「中東の問題は宗派対立なんでしょう?」「シーア派とスンニ派の紛争についてぜひ話してください」。ちかごろ、このように問いかけられたり求められたりすることが多い。(P21~) からの、中東の現在の状況は、シーア派とスンニ派の対立といった単純な事象に区分けできるものではないよ!という内容になっている。(前巻のサイクス…

  • 273冊目『絵のない絵本』アンデルセン

    リンク 個人的評価★★★★★ 「人魚姫」、「みにくいアヒルの子」、「マッチ売りの少女」等で有名なアンデルセンによる絵のない絵本✨ 貧しい絵描きのもとにやってくる月が、今まで見た光景を語ってくれる物語(全33夜) 哀しさと喜びと、人生や世界の様々な側面を、月がみた光景を元に切り取った美しい物語集。 個人的には、新潮文庫版がおすすめ。 そして、第5夜『フランスの玉座の上の貧しい男の子』の話が特に好き✨ あと、最後の33夜の終わり方がホントに大好きで(語彙力不足w)、なんども読み返している本。 童話や絵本とバカにするなかれ。そこには真実が含まれている場合もあるのだ。 『あら、それは何なの?』母親はこ…

  • 272冊目『科学的に証明されたすごい習慣大百科』堀田秀吾

    ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科 人生が変わるテクニック112個集めました 作者:堀田 秀吾 SBクリエイティブ Amazon 個人的評価★★★☆☆ 科学的に証明された(らしい)、良い生活・学習・運動などの習慣テクニックを集めた本。なんかキテレツ大百科みたいなタイトルだな・・・と思い購入! 112個の習慣が記載されているので、その中から自分の興味があるものや、出来そうなものを生活の中に取り入れてみると良いのではないだろうか。 ダニエル・カーネマンのプロスペクト理論の紹介がされていたり、ほかにも聞いたことあるけど詳しくは知らなかった習慣(技法)…

  • 271冊目『山のバルナボ』ディーノ・ブッツァーティ

    山のバルナボ (岩波少年文庫 629) 作者:ディーノ・ブッツァーティ 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★☆☆ すべてが、時の流れとともに消え去る。愚かしい恥の意識も、カラスも、ベルサーリオも、ベルトンの旅立ちも。そして毎朝、日はのぼり、岩壁を照らす。秋が来て、雪が降り、やがて春の歌が聞こえるだろう。P176~ 年末にXの読書アカウント界隈でプチバズってた「タタール人の砂漠」の著者、ディーノ・ブッツァーティのデビュー作。 若き森林警備隊員バルナボは、山の火薬庫が盗賊に襲われたとき、怖気づいて逃げ隠れてしまう・・・・・・。峰々のそそり立つ美しい大自然を舞台に、恥の意識にとらわれる苦悩と心の…

  • 270冊目『新装版 ピーターの法則』ローレンス・J・ピーター

    [新装版]ピーターの法則――「階層社会学」が暴く会社に無能があふれる理由 作者:ローレンス・J・ピーター,レイモンド・ハル ダイヤモンド社 Amazon 副題:「階層社会学」が暴く会社に無能があふれる理由 階層社会学ってあんまり聞いたことないけれど、どんな社会学なんだろうか?という感じでタイトル買いした本 レイモンド・ハルというジャーナリスト?による怪しげな自己啓発本みたいなはしがきから本書は始まる。 なんかめちゃめちゃ胡散臭そうな本だな・・・けど本文は違う感じなんだろう! という予想を裏切り、本文も胡散臭い印象の本だった(それなりに面白いけどねw) ピーターの法則とは 「階層社会では、すべて…

  • 269冊目『きつねのはなし』森見登美彦

    きつねのはなし(新潮文庫) 作者:森見 登美彦 新潮社 Amazon 転職してから中々読書時間取れないけれど、先日文学フリマ東京41に行って来て読書欲かなり高まってきたのでちょいちょい読書するようにしている。 自分が何を優先して生活したいのか考えるの大切だよね。 というわけで269冊目は森見登美彦の『きつねのはなし』。 かなり昔に読んだことあって面白かった印象あるのだけれど、書店で見かけたとき、帯に『京都地方のある場所についてのはなし』という最近映画化もされてた『近畿地方の~』に思いっきりのっかる帯が書かれてて再読したくなり購入✨ 森見登美彦は、『夜を短し歩けよ乙女』など腐れ大学生の生活をベー…

  • 268冊目『幸福と人生の意味の哲学』山口尚

    幸福と人生の意味の哲学 作者:山口尚 トランスビュー Amazon あらかじめ一般的なことを述べれば、「幸福とは何か」に関する主義主張について、<どれが正しいのか>という観点から各々の立場の長所や短所を吟味する、というのは幸福の論じ方として歪んでいる、ということ。それでは魂がまったく震えません。もちろん、魂が震えるかどうかなどどうでもいいと考えているひとが、あの種の議論を楽しむわけなのですが、本書は「それでは駄目だ」と明示的に主張します。P20~ 絶望や耐えがたい苦しみの中にいるとき、生きている意味はあるのか?それは生きているといえるのか?幸福はどこにあるのか? それでも生きていたいし、もう楽…

  • 267冊目『死ぬのが怖くてたまらない。だから、その正体が知りたかった。』浦出美緒

    死ぬのが怖くてたまらない。だから、その正体が知りたかった。 (SB新書) 作者:浦出 美緒 SBクリエイティブ Amazon 死んだら、そこで私は終了。その方がごく自然に感じられる。だが、その結論が怖い。私という意識が永遠になくなることが耐えられない。次があるなら死は怖くない。次がないと思ってしまうから死が怖い。P18~ タナトフォビア(死恐怖症)の著者が、死の概念を考えるために医者、宗教社会学者、脳科学者、哲学者、作家に問いかけていく。 それぞれの専門的視点から死について述べられていくけれど、医学などの科学的視点ではタナトフォビアの人の根源的恐怖は理解しえないし解決しえない。 宗教的視点では…

  • 266冊目『時をかけるゆとり』朝井リョウ

    時をかけるゆとり (文春文庫) 作者:朝井リョウ 文藝春秋 Amazon 『桐島部活やめるってよ』の著者朝井リョウのエッセイ集。 朝井リョウといえば、個人的には一般的な(常識的な)集団の中で行きながらも、精神的に孤立している人(集団の中での孤独)について書くのが旨いなあという印象を持っている作家さんなんだけれども、 エッセイは作品の印象とは全く違って面白いw 物凄く行動的だし、これだけ見るとかなり陽キャな人種としてみえるけれど、その一方で何か闇を抱えているんだろうかw ちょっと前にゆとりシリーズ3部作で(一応?)完結したっぽいので3作とも読みたい✨

  • 265冊目『ナルニア国物語6 魔術師のおい』C.S.ルイス

    ナルニア国物語6 魔術師のおい(新潮文庫) 作者:C・S・ルイス 新潮社 Amazon ナルニア国物語の第6巻!は、ナルニア国物語の始まりの物語。 ロンドンに住むディゴリーとポリーは魔術研究をしているアンドリュー伯父により異世界へと飛ばされ、滅びの都チャーンの女王を目覚めさせてしまった。 ロンドンまでついてきた彼女をもとの世界に戻そうと奮闘するふたりが迷い込んだのは、また別の世界。そこでは一頭のライオンが新しい国を想像しようとしていた。(裏表紙から抜粋) まずアンドリュー伯父がクソ野郎なんだけれども、女王(=1巻に出てくる氷の女王)に振り回されて散々な目に合うのでスカッとざまあ系でもあり面白い…

  • 264冊目『<私>をめぐる対決 — 独在性を哲学する』永井均、森岡正博

    〈私〉をめぐる対決――独在性を哲学する (現代哲学ラボ・シリーズ) 作者:永井 均,森岡 正博 明石書店 Amazon 現代哲学ラボ・シリーズの第2巻 『日本トップの哲学者が集い、議論のレベルを落とすことなく、しかしできるだけわかりやすい言葉で、次世代に哲学を伝えることを目的として始まった「現代哲学ラボ」』での講演・討論に追補し書籍化されたもの。 全4巻の予定らしいけれど、2021年に本書が出た後は続刊が出ていない。 なんか事情があるんだろうか・・・・・・ このシリーズの特徴は、哲学関係の本によくある西洋哲学者の解釈論ではなく、日本の哲学者が、自身の研究している哲学を、日本の言語で展開していく…

  • 263冊目『兄の終い』村井理子

    兄の終い 作者:村井理子 CEメディアハウス Amazon 本屋さんの店頭で見つけて何となく購入した本(映画化されるらしい) 疎遠だった兄が、多賀城(仙台)のアパートで死亡した。兄は小学生の息子と同居していて、息子が学校から帰ったときには元気だったけれど、遊びに行って帰宅したら倒れて亡くなっていたらしい 兄と離婚した元妻と娘と共に、著者は兄の死の後片付けをするため多賀城へ向かう。 という感じで進んでいく本。 最初フィクションなのかなあと思っていたら、著者に実際に起こったことということでびっくり。 兄との確執や、家族の知らない一面、兄は何を考え、どう生きていたのか。 死が全てを清算するではないけ…

  • 262冊目『嘆きの亡霊は引退したい 13(ライトノベル)』槻影

    嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 13 (GCノベルズ) 作者:槻影,チーコ マイクロマガジン社 Amazon 仕事と、仕事関連の勉強が忙しすぎて全然読書できない(泣)が、ちょいちょい積読本を増やしつつ読書もしているところ 「嘆きの亡霊は引退したい」シリーズの第13巻目 13巻目ともなると、まあ基本的には既存の読者以外にはとっつきにくいものになってくるだろうけれど、勘違いコメディというジャンルなのもあって前提知識なくても割とよめるかも? 今巻は、内容的にはWeb版と大きく違うところはないので、アニメ2期も放映開始されたのでそれに合わせての刊行なのかな?(著者さん…

  • 261冊目『ナルニア国物語5 馬と少年』C.S.ルイス

    リンク ナルニア国物語の第5巻! これまでは少年少女たちがナルニア国に何らかの形で行くことになり、そこで冒険が・・・!という感じだったけれど、今巻は打って変わってナルニア国のある世界の内部で完結する。 ルーシー達4人が統治するナルニア国の黄金時代にカロールメン国の少年シャスタ(貧民)が、しゃべる雄馬ブリー、少女アラヴィス(貴族)、雌馬フィンとともにナルニア国を目指して旅する物語 舞台や設定は違えど、やはり旅と成長というテーマは共通している感じ。また、世界観や登場人物の描写がこれまでより丁寧な感じになっている?印象で、単独でファンタジーとして読んでも面白い作品だった✨ これでナルニア国物語は残り…

  • 260冊目『シルビオ・ゲゼル入門 減価する貨幣とは何か』廣田裕之

    リンク シルビオ・ゲゼルは、他の商品と違ってお金は価値が減らないので、お金を持っているほうが商品を持っているよりも有利な状況が発生し、そのために金利が発生するのだと考えました。 たとえば昨日の新聞や腐った魚、三カ月前の牛乳などは誰も買わないために商品価値が無く、これらの商品の売り手は価値がなくなる前に売りさばかなければならないのに対し、お金の場合にはインフレ(物価上昇)が起こらない限り、5年や10年タンス預金していても全然価値がへることはありません。まえがきより ゲゼル・セレクションの別冊で、シルビオ・ゲゼルの理論についての解説本 内容としては、前に読んだ『エンデの遺言』よりももっと詳しくゲゼ…

  • 259冊目『人生の意味の哲学入門』森岡正博、蔵田伸雄 編

    リンク この本は「人生の意味の哲学」についての「入門書」である。しかし自分の人生には意味がないのではないかと悩んでいて、「自分の人生に意味があるかどうか知りたい」と思っている人が、この本を手にとったとしても、多分失望することになるだけだろう。 中略 この本は、「人生の意味について問う」ということ自体がどのようなことなのかを、哲学的に考察した結果を示すことを目的としている。 まえがきより 人生の意味について分析哲学的手法を用いた研究についての入門書 英米の主流である分析哲学では実存の問題は扱えないのではないかと言われてきたけれど、新しい潮流としてベネターなどを軸に研究されてきているとのこと 宇宙…

  • 258冊目『斯くして彼は異能となった(ライトノベル)』後藤秀之真

    リンク ネット小説発のライトノベル(ホラー系) 印象としては、ホラーゲーム×無双系(寺生まれのTさん的なw) もともとネット小説で読んでいた作品だったので書籍化して大変嬉しい✨ 内容としては、行った人が戻ってこないと言われている富田村跡地に友人と(半分)肝試し的な感じで行った主人公達は、なぞの怪物に襲われて逃走するが、その途中で友人に裏切られて取り残され・・・ という感じで始まるホラーゲーム的展開! 時間軸の違う富田村で生き延び、怪物たちを倒すことによって強くなっていく主人公。 ネット小説版から、どのように強くなっていったかの増補がされて分かりやすくなっている。 個人的には、それによって分かり…

  • 257冊目『8月の本』西崎憲 編

    リンク 国書刊行会から発売されている12か月の本の8月バージョン! 各月に、その月をテーマにした古今東西の小説・短歌、詩などを編纂したアンソロジー ursusvirtus.hatenablog.com 8月の本は、全体を通して、夏の終わりの予兆とお盆の日本独特の雰囲気を感じさせてくれる構成になっている。そういったこともあってか、今巻は日本の作家さんの作品が大半という構成。 まあなんというか、お盆からお盆の終わりの感覚は割と日本独特のものがあるように個人的には思うので、海外作家が少ないのもしょうがないかなという感じはある。 そして、8月は本の装丁が個人的にめっちゃ良い✨装丁だけでも楽しめるくらい…

  • 256冊目『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』河邑厚徳+グループ現代

    リンク NHKのミヒャエル・エンデについての同名のドキュメンタリーを元にした書籍 ミヒャエル・エンデの傑作のひとつ『モモ』に出てくる時間泥棒の本質を貨幣の問題として捉え、そこから現代資本主義の問題点と解決の糸口の事例について書かれている。 マルクスは金利を労働価値説から説明したけれども、マルクス主義(共産主義)は少なくとも現実世界では失敗したとされている。(もちろん、現在のマルクス主義者からは、歴史上現出した共産主義国家は、マルクスの考えていたものではないという反論はある) エンデは、シュタイナーやシルビオ・ゲゼルの理論をもとに、お金の本質から考え、金利が資本主義社会において成功の理由であると…

  • 255冊目『中論講義(上)』立川武蔵

    中論講義 上 作者:立川武蔵 法蔵館 Amazon 滅することなく、生ずることなく、断なることなく、常なることなく、 同一のものなく[あるいは同一のものでなく]、異なるものなく[あるいは、異なるものでなく]、来ることなく、行くことなき、 戯論(言語の多元性)の止滅した、吉祥なる縁起を説いた正覚者、 もろもろの説法者中、最も優れた人にわたしは敬礼する。 P5帰敬偈 2世紀頃のインドの仏教僧:龍樹(ナーガールジュナ)の中論についての講義書の上巻! 龍樹といえば、中観派の祖でアビダルマ教説への批判や『空の思想』の大成者としても有名。 龍樹は中論において、言葉の世界を問題としている。 世界の構造を言語…

  • 254冊目『少女は、なぜフランスを救えたのか』池上俊一

    世界史のリテラシー 少女は、なぜフランスを救えたのか: ジャンヌ・ダルクのオルレアン解放 (教養・文化シリーズ) 作者:池上 俊一 NHK出版 Amazon NHK出版の世界史のリテラシーシリーズの一冊。 このシリーズは、その分野の第一人者が特定のテーマについて解説していく本 今冊のテーマは『ジャンヌ・ダルク』! なぜ、一人の少女があれほどの壮挙を成しえたのか、その出生から行跡と、オルレアン解放後の失墜、後世への影響まで含めて概説してくれている本 農家の娘といっても、出生地ドンレミ村の立地の特殊性やジャンヌへの教育、生い立ちから『なぜあれほどのカリスマ性を持ったのか』を読み解き、時代背景からそ…

  • 253冊目『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ

    リンク 何かに心をとらえられ、たちまち熱中してしまうのは、謎にみちた不思議なことだが、それは子どももおとなと変わらない。そういう情熱のとりこになってしまった者にはどうしてなのか説明することができないし、そういう経験をしたことのない者には理解することができない。 山の頂きを征服することに命を賭ける者がいるが、なぜそんなことをするのか、だれ一人、その当人さえもほんとうに説明することはできないものだ。P17 ファンタジー文学の傑作のひとつ、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を単行本版で読了! 「はてしない物語」については、エンデ好きからはよく『豪華版(単行本版)』で読んだ方が良いと言われる。 と…

  • 252冊目『煌夜祭』多崎礼

    煌夜祭 作者:多崎礼 中央公論新社 Amazon レーエンデ国物語シリーズの作者、多崎礼のデビュー作らしい。 本書自体は2006年に発売されたものだけれども、外伝短編を加えて2023年に改めて単行本として出版された本✨ ursusvirtus.hatenablog.com 個人的にはレーエンデ国物語はファンタジー小説の中で好きなシリーズの最上位帯に入ってくる本なのでそのデビュー作となると面白いであろうと期待して購入 あらすじとしては、冬至の夜に仮面をつけた語り部が、人と魔物の物語を語っていくなかで、舞台となっている18諸島のなかでの人と魔物の紡いでいく物語、魔物の存在意義が明らかになっていく。…

  • 251冊目『自己決定の落とし穴』石田光規

    自己決定の落とし穴 (ちくまプリマー新書) 作者:石田光規 筑摩書房 Amazon 自己決定は良いものであるとされる。 他人や集団の論理によって決定されたものに従うよりも、自己が決定した事柄に沿って行動した方が良いと思うのは、自由主義的な現代に生きる僕らにとっては当たり前のように感じる。 けれども、自分が決めたことであるはずなのに、息苦しさや重圧を感じることもある。 また、自己決定論は自己責任論にもつながりやすく、決定し行動した結果に対しての責任追及が行われる場合もある(外務省の渡航禁止命令に反して紛争地域に行って拘束された民間人の例など) 本当に自己決定は自己決定であり、絶対的に良いものであ…

  • 250冊目『はるかなる黄金帝国(絶版)』やなぎやけいこ

    はるかなる黄金帝国 (旺文社文庫 212-1) 作者:やなぎや けいこ 旺文社 Amazon インカ帝国を舞台にしたやなぎやけいこの児童文学 続編に『幻の都のインカたち』がある。 小学校低学年のころに学級文庫にあり、何度も読みふけった本✨ ずっと探していたけれど中々古本屋では見つからず、(児童文学は廃棄されやすく、中古市場には図書館の処分本以外ではなかなか出回りにくい) かといってネットで探すとプレミアム価格が付いていてかなり高い(最近Amazonでみたら続編と合わせて8万円!・・・10年位前にみたときは2冊で3万くらいだったかな?) が、最近京都で開催された下鴨納涼古本まつりに行った際に発見…

  • 249冊目『飛行の古代史(たぶん絶版)』ベルトルト・ラウファー

    飛行の古代史 (Documenta Historiae Naturalium) 作者:ベルトルト ラウファー 博品社 Amazon 京都の糺の森で開催された下鴨納涼古本まつりで購入した本✨ タイトルのとおり飛行に関する古代史なんだけれども、西欧の学者さんだからライト兄弟とか古代ギリシア・ローマとかを記述していくのかなと思いきや、 半分以上が古代中国など東洋の飛行に関する考え方や歴史が記述されている。(仙人が飛んでるのも飛行と捉えて描かれているw) そして、後半はヨーロッパになったなと思ったら伝書鳩の歴史となるw ということである意味ではかなり異色な本。 伝書鳩が今後も有用であるというような展望…

  • 248冊目『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』青柳碧人

    赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。 作者:青柳碧人 双葉社 Amazon 赤ずきんマーダーミステリーシリーズの第4弾の舞台はイソップ童話 前作のアラビアンナイトの世界から帰還する途中に指輪の魔人の体調不良でイソップ童話の国に落下した赤ずきん。 指輪はリスに奪われ路頭に迷うなど、相変わらず散々な旅である。 酸っぱいブドウのキツネと出会い、キツネの住む村へ向かうがそこでまたしても殺人(?)事件に遭遇し、、、という話 イソップ童話がもはや良く分からないミステリーになっているけれど、これはこれで面白い・・・のかなw 道徳的に生きないとイソップに凍らされる世界で、たくましく生きている人々が描かれてい…

  • 247冊目『思考の技法 直観ポンプと77の思考術』ダニエル・C・デネット

    思考の技法 -直観ポンプと77の思考術- 作者:ダニエル・C・デネット 青土社 Amazon 理解力が存在しうるのに先立って、理解力なき有能性が存在するのでなければならない。P171 アメリカの哲学者、ダニエル・C・デネットの思考術の本・・・ と思いきや、一般的にイメージする思考術(自己啓発本の延長的なやつね)は全630ページくらいのうちの100ページくらいで終わり、あとはデネット哲学入門という感じの内容になっている。 直観ポンプとは、デネットいわく「うん、もちろんそうだ。そうに決まっている」という直観を引き起こすようにデザインされた思考実験のことを指す。 オッカムの剃刀や、スタージョンの法則…

  • 246冊目『ないもの、あります』クラフト・エヴィング商會

    ないもの、あります (ちくま文庫 く 21-5) 作者:クラフト・エヴィング商會 筑摩書房 Amazon よく耳にはするけれど、一度としてその現物を見たことがない。 そういうものが、この世にはあります。 たとえば、<転ばぬ先の杖>。 中略 この世のさまざまなる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せまして、読者の皆様のお手元までお届けいたします。まずは、目録をご覧下さい。P5 というかんじで、「ないもの」の目録集 掲載されている商品(?)は下記のとおり 堪忍袋の緒/舌鼓/左うちわ/相槌/口車/先輩風/地獄耳/一本槍/自分を上げる棚/針千本/思う壺/捕らぬ狸の皮ジャンパー/語り草/鬼に金棒/助け…

  • 245冊目『ゆる古代ギリシア哲学入門 クセつよ逸話で学ぶ31人』ネオ高等遊民

    ゆる古代ギリシア哲学入門 クセつよ逸話で学ぶ31人 (中公新書ラクレ) 作者:ネオ高等遊民 中央公論新社 Amazon エピクロスが求めたのは、質素な生き方によって死による喪失の対象を減らし、日ごろの学びを通じて死の正体を冷静に認識することでした。そうして彼は、死を特別な現象ではなく、(本当のところ私たちとは無関係な)自然現象と理解しました。 死はもちろん怖い虫と違って、経験できません。それでも、エピクロスは質素な暮らしで学問に励むという生き方によって、恐怖から自由になれる可能性を人々に示したのです。P282 『一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書』の著者(哲学youtuber)ネオ高等遊民…

  • 244冊目『意思決定理論入門』イツァーク・ギルボア

    意思決定理論入門 作者:イツァーク・ギルボア NTT出版 Amazon 何が「より良い選択」なのか?また、何が良い意思決定であるかを判定する権威を持っているのはいったい誰か?その答えは自明ではない。わたしは、意思決定の結果がどうであったかは、分析の最終段階においては、意思決定者自身の判断によって決められるべきであるという見方を採用している。 つまり、「良い」あるいは「より良い」意思決定とは、その決定を行った人によってそう判断されるべきものである。ということである。 ~中略~ もし意思決定理論家がある種の決定の仕方を説教する際に、その仕方が「正しい」ものであると意思決定者に納得してもらえないなら…

  • 244冊目『100分de名著 ダーウィン 種の起源』長谷川眞理子

    NHK「100分de名著」ブックス ダーウィン 種の起源 未来へつづく進化論 作者:長谷川 眞理子 NHK出版 Amazon 生き物には高等も下等もなく、すべての生き物は横並びにあるということです。人間もサルもミミズも、サクラもタンポポも菌類も、現在この世で生きているあらゆる生き物は、進化の最前線に立っている、と彼は考えたのです。P94 生物学の新しい扉を開いたダーウィンの種の起源。現在では心理学や遺伝学、生態学その他多くの領域に影響を与え、生物学の基礎にもなっている。 けれど、進化論という名称が誤解され、時によっては都合よく使われ、「弱肉強食」的思想といわれたり「優性思想」と結び付けられたり…

  • 243冊目『はじめてのスピノザ』國分功一朗

    はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書) 作者:國分功一郎 講談社 Amazon 神は絶対的な存在であるはずです。ならば、神が無限でないはずがない。そして神が無限ならば、神には外部がないはずだから、したがって、すべては神の中にあるということになります。これが「汎神論」と呼ばれるスピノザ哲学の根本部分にある考え方です。P36 スピノザ入門書の読了2冊目! こちらの本が、上野修先生のスピノザ入門書と違う点は、上野先生の本だと不気味な感じがした神の概念がなんか分かりやすいというか比較的安心的な印象を受けるところ ursusvirtus.hatenablog.com もともとNHK100…

  • 242冊目『スピノザの自然主義プログラム』木島泰三

    スピノザの自然主義プログラム 自由意志も目的論もない力の形而上学 作者:木島 泰三 春秋社 Amazon 「神」とは、伝統的な人格ある超越的な存在ではなく、近代科学が明らかにしつつあった、厳密な数学的法則に従って運行する、無限で永遠な「自然」なのだ。 スピノザの決定論や自由意志の否定に惹かれてスピノザの関連の本をちょいちょい読み始めたけれど、本書は著者の博士論文を元にした本だけあって大変難しい(というか、僕の前提知識が足りなさすぎて何言ってるか全然わからない点が多いw) 目的論も自由意志も否定し、決定論をとったときに行為主体である僕らの存在意義は? というのは進化心理学や分析哲学、原子論を読ん…

  • 241冊目『ナルニア国物語3 夜明けの冒険号の航海』C.S.ルイス

    ナルニア国物語3 夜明けのぼうけん号の航海(新潮文庫) 作者:C・S・ルイス,小澤身和子 新潮社 Amazon ぺベンシー家の子どもたちが前回の二度目の訪問でナルニア国に戻ったことは、(ナルニアの人々にとっては)まるでアーサー王が現代のイギリスに戻ってきたかのような出来事だった。 なかにはほんとうにアーサー王が戻ってくると信じている者もいるし、かくいう私も、そんな日が訪れるのは早ければ早いほどいいと思っている。P25 というわけでぺベンシー家の子どもたちが3たび戻ってきたナルニア国物語シリーズの3作目! 今作は、エドマンド・ルーシーと、いとこのユースティスがナルニア国へ。 どんな感じでナルニア…

  • 240冊目『物の本質について(岩波文庫版)』ルクレティウス

    物の本質について (岩波文庫 青 605-1) 作者:ルクレーティウス 岩波書店 Amazon ローマの詩人哲学者ルクレティウスによる、エピクロスの原子論的自然観を詩の形式で詳述した書籍。漫画の『チ。』にも出てくるし、『1417年、その一冊がすべてを変えた』という本で中世で発見された書物でもある✨ ursusvirtus.hatenablog.com そういえば、エピクロスというと快楽主義(エピキュリアン)的な通俗的な誤解があったけど、最近見直されてきてるよね 岩波文庫版は、詩の形式だったものを散文にしているみたいで比較的読みやすい。 知らなかったんだけど、最近ちくま学芸文庫でも新訳が出ていた…

  • 239冊目『中世を旅する人々 ヨーロッパ庶民生活点描』阿部謹也

    中世を旅する人びと: ヨ-ロッパ庶民生活点描 (ちくま学芸文庫 ア 25-3) 作者:阿部 謹也 筑摩書房 Amazon 中世の生活を描いた作品としては、ハインリヒ・プレティヒャの『中世への旅』シリーズが個人的には好き✨ 中世への旅シリーズは、騎士と城、都市と庶民、傭兵と戦争など全般的に扱っているが、この本は庶民の生活(さらに、都市よりも農村に重きがある印象)に絞って描写されているのが特徴 Ⅰ 道・川・橋 Ⅱ 旅と定住の間に →居酒屋や旅籠、渡し守など Ⅲ 定住者の世界 →農民、水車小屋、パン職人など Ⅳ 遍歴と定住の交わり →羊飼い、肉屋など Ⅴ ジプシーと放浪者の世界 Ⅵ 遍歴の世界 とい…

  • 238冊目『お許しいただければ―続イギリス・コラム傑作選』行方昭夫編訳

    お許しいただければ──続イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫 赤N201-2) 岩波書店 Amazon 人が客観的でなく主観的に見る対象は、見えるはずのものでなく、自分が見うるもののみである。それ故、あのさまざまな色彩を放つ『真実というもの』について、人が多くの誤った推測をするのは無理からぬことである。P42 イギリスの代表的エッセイスト4人(ガードナー、ルーカス、リンド、ミルン)のエッセイを編んだ本 本書は以前出版された『たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選』の続編らしい。 イギリスのエッセイは、20世紀初頭から第一次世界大戦前後に全盛期を迎えたらしく、本書の4人もその時代の作家さん…

  • 237冊目『利己的な遺伝子』リチャード・ドーキンス

    利己的な遺伝子 40周年記念版 作者:リチャード・ドーキンス 紀伊國屋書店 Amazon すべての生物は、遺伝子を運ぶための生存機械である。 という世界に多大な影響を与えたリチャード・ドーキンスの名著(らしい) 僕たちが有している感情や直感は、遺伝子の生き延びようとする性質から生まれたものであるし、親の子に対する愛情は、ESS(進化的に安定な戦略)に基づくものである。 という感じで、人間の尊厳や自由意志、感情など、人間が長年信じてた考えを打ち砕く一冊 また、自分の遺伝子を後の世に繋ぐ(ために結婚し、子を産み、育み・・・)という概念もその意味は窮極的には否定される。 私たちの遺伝子自体は不滅かも…

  • 236冊目『スピノザの世界 神あるいは自然』上野修

    スピノザの世界 (講談社現代新書) 作者:上野修 講談社 Amazon 木島泰三先生の『スピノザの自然主義プログラム』という本を読もうとしたら、そもそもスピノザ理解が無さすぎてチンプンカンプンだったのでまずは入門的な新書から・・・というわけで購入した本✨笑 僕のスピノザ理解のレベルの低さは1冊読んだからと言ってどうにかなるものではないけれど、使われる用語の感覚がある程度つかめ、一つ理解の基準らしきものができれば何となく理解は進むのである スピノザの神は人間を見ていない。というかそもそも僕らの想像するような神ではない。機械論的な神なのである。 すべて在るものは神の内に在る、そして神なしには何もの…

  • 235冊目『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるのか』酒井隆史

    ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか (講談社現代新書) 作者:酒井隆史 講談社 Amazon 人類学者のデヴィッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』の入門的な本(著者は同書の翻訳者) BSJ(ブルシット・ジョブ)とは、被雇用者本人さえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でさえある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、被雇用者は、そうではないととりつくろわねばならないと感じている P66 BSJの典型としては5つ分類されている 1.取り巻き(フランキー)→マンションやホテルのドアマン、受付嬢、お…

  • 234冊目『ナルニア国物語2 カスピアン王子と魔法の角笛』C.S.ルイス

    ナルニア国物語2 カスピアン王子と魔法の角笛(新潮文庫) 作者:C・S・ルイス 新潮社 Amazon 個人的評価★★★★☆ ナルニア国物語シリーズの第2巻! ナルニア国から現実世界(?)へ帰還してから1年。寄宿学校へ向かう途中のルーシー達は、不思議な角笛の力によってナルニア国に呼び出された! が、そこはルーシー達が立ち去ってから1300年後のナルニア国だった! ルーシー達の帰還後、ナルニア国は衰退し、異国に侵略され、そして正統な王の血を引くカスピアン王子は、伯父によって王位を簒奪され、追われていた・・・ ナルニア国を復活させ、平和を取り戻すためにルーシー達が立ち上がる! というような感じのあら…

  • 232・233冊目『ご冗談でしょう、ファイマンさん(上・下)』R.P.ファイマン

    ご冗談でしょう、ファインマンさん(上) (岩波現代文庫) 作者:R.P.ファインマン 岩波書店 Amazon 別に知る必要などありはしない。何が起こるのか未知のことを期待する方が、よっぽど愉快だ。これこそ冒険というものじゃないか。上巻P42 僕たちは「できるけどやらないだけのことさ」といつも自分に言いきかせているわけだが、これは「できない」というのを別な言葉で言っているだけのことなのだ。上巻P109 ノーベル賞受賞学者、ファイマンの半自伝的なエッセイ 少年期からノーベル賞の受賞後まで、各時代の思い出等が描かれている。 少年期の頃から、自分の頭で考え、技術による刷新(効率化など)を考え、様々なこ…

  • 231冊目『仏教の思想3 空の論理<中観>』梶山雄一・上山春平

    仏教の思想 3 空の論理<中観> (角川ソフィア文庫) 作者:梶山 雄一,上山 春平 KADOKAWA Amazon 自我意識・所有意識を離れた人、解脱の主体そのものも存在するのではない。解脱の主体としての絶対の自己というようなものも、なお自我意識の対象にほかならない。どこまで後退しても、自我をたてようとする人間の根本的な執着を離れてはじめて、人は輪廻から自由になる。P71 色即是空とか空の思想とかは良く聞くことばではある(ゲームとか漫画でキーワードみたいに出てくることもあるしね)が、その内容は何となくしか知らなかったりする。 空の考え方は般若経典(般若心経とかが有名)もあるが、大乗仏教の大家…

  • 230冊目『無人島のふたり 120日以上いきなくちゃ日記』山本文緒

    無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫) 作者:山本文緒 新潮社 Amazon 2021年4月に膵臓がん(ステージ4)で余命4~6カ月を宣告され、10月に5歳でお亡くなりになられた作家、山本文緒さんの日記。 宣告後、抗がん剤治療を1クール行うけれど副作用が激烈で、抗がん剤治療を行わず緩和ケアを選択している。 抗がん剤が効いたとしても余命は9カ月という記述に、膵臓がんの過酷さが出ていると思う。 抗がん剤副作用きつくても、耐えてる人も沢山いるんだし・・・と思う人もいるかもしれないけれど、誤解なきようにいうと抗がん剤の副作用はホントに人によって千差万別で、同じくすりでもそこまで副作…

  • 228冊目・229冊目『街とその不確かな壁(上・下)』村上春樹

    街とその不確かな壁(上下)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹の最新作の文庫版~✨ 何気に村上春樹の長編ちゃんと読むのは1Q84依頼? 思春期に出会った少女(恋人)から聞いた、影の無い街の話と少女の喪失、中年になってなぜか街に入り、現実と街の2場面で展開されていく物語 村上春樹っぽいなあと思いつつ、文体の微妙な変化(なんか人間味出てきた?)もあって面白かった✨ 個人的には、村上春樹の長編は、どれも何か同じものに焦がれて、追い求めているように感じる(そして1Q84を境に求めたものの充足らしきものがあった?) ほか、読書中の個人的な考察としては、影がない=死者の世界の…

  • 227冊目『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

    たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫 SF 739) 作者:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 早川書房 Amazon 知ってるわよ、あたしだって。あの大きな黄色の太陽がかなり熱く明るくなったのはね。でも、心配しないで。あのそばを通過すると、旅がまう一行程も短縮できるの。これがたったひとつの冴えたやり方。P112 SF作家ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの作品の中では最も読まれているであろう小説。タイトルがとても良いよねw 本名はアリス・シェルドンで、寝たきりの夫を射殺したあと同じベッド上で自殺というなんとも衝撃的な亡くなり方をした作家さん。 原題は『STARRY RIFT』で、表題…

  • 226冊目『行動経済学が最強の学問である』相良奈美香

    行動経済学が最強の学問である 作者:相良 奈美香 SBクリエイティブ Amazon 個人的評価★★★☆☆ そういえば結構前に『統計学が最強の学問である』って本流行らなかったっけ? そのシリーズなのかな?ということで購入 個人的には行動経済学自体は10年位前?から流行りはじめた印象がある。 内容としては、学問としての歴史が短いことから秩序立てて論じられてこなかった行動経済学の各概念を著者なりに区分けして『主要理論を初めて整理・体系化』した本らしい(どう感じるかは読者次第だとは思うけれど・・・) 最近認知心理学や進化心理学の本をちょいちょい読んでる身としては、これほぼ認知心理学じゃない?という印象…

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