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  • 畑176 / ひねくれ者

    台風がやってくると、まず、しなければならないのはビニールハウスのビニールを剥がすことだ。さて、側面だけにしようか……、天井も剥がそうか……?迷った末に、備えあれば憂い無し!天井のビニールも剥がした。それから二日。台風は未だに紀伊半島の先っぽ。風は無いが雨が続く……。天井を剝がさなければよかった……悔やんだとて仕様がない。なにしろ相手は、とびっきりひねくれた台風なのだから。周りの人に否定ばかりされると自己肯定感が低くなって、性格がひねくれてくるのださいう。素直に自分を表現できなくなる。台風も高気圧に頭を押さえつけられると、ひねっくれてコースをかえてしまう。近畿直撃が四国直撃となって、結果、九州をぐるっと回って、四国を横断して、近畿を縦断してしまう。なんとも困った台風である。ひねくれ者が去る間は秋野菜の種まき...畑176/ひねくれ者

  • 畑175 / 朗らか

    朝の5時半ごろに畑に着いた。ちょうど日の出。山の端の東雲(しののめ)の空が、ほがらほがらと明けてゆく。猛暑続きだが、この時間帯は、さすがに涼しい。「春はあけぼの」だが、夏のあけぼのも捨てたものではない。どっかりと椅子に座って、しばしは夏の曙を楽しむ。の出は、その日のスタートだが、平安時代の女性にとっては、切ない時間帯でもあった。しののめのほがらほがらと明けゆけばおのが後朝 (きぬぎぬ) なるぞ悲しき/古今集・恋三平安時代の貴族は「通い婚」。夫婦は同居せずに、男が女の実家に通う。一夜を共にする前に、互いの下着(襦袢・じゅばん)を重ねてコトに入る。コトが終わった明け方、男は出勤するために帰るのだが、昨夜に重ねていた下着(衣・きぬ)を交換して帰る。女にとっては、男が次も私の所へ来てくれるだろうかと、悩ましい「衣...畑175/朗らか

  • 畑174 / リフレッシュ

    朝、目覚めると、ガレージのトタン屋根を打つ雨音。もう少し眠ろう……。ほぼ一ヶ月ぶりだろうか。朝方に、まとまった雨が降った。小止みの雨の中、畑へ行くと、久々に土は真っ黒。ゲリラ豪雨は困りものだが、これっくらいの雨なら、毎日でもいいから降って欲しい。オモダカに留まっているシオカラに吹くのは秋の風。今日は、のんびり過ごすとするか。23日は旧の地蔵盆。「そろそろ、大根でも植えようか」地蔵盆が過ぎると秋の農事の始り。今年は、待ちきれなくて、育苗に30日かかるキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーだけ、種を蒔いた。16日の一粒万倍日に蒔種して、ぼちぼち芽が出だした。夏場の育苗は、ここからがたいへん。双葉の間に陽をよく当ててやらないと、ひょろひょろと茎が伸びてしまう。太陽の様子をみながら、半日陰から出したり入れたりしなければ...畑174/リフレッシュ

  • 茶話143 / 涼っしーい!

    暑いときに、熱いうどんを食べれば、さぞかし暑いだろうと思っていたら、今日の昼食は熱いうどん。まちがいなく暑かった。外に出れば、四川風の味付けで中華鍋で炒められているような暑さ。噴出さんばかりの汗。そのせいかクーラーの効きも悪い。涼し気な音楽はないかと探すと、「ジャングルの朝」というヒーリング音楽があった。ギャーギャーと鳥が泣き叫び、キーキーと猿が木々を渡る。余計に暑くなった。暑さで、久しく遠出をしていなかったので、どこか涼しい所へ旅に出よう!海辺は年寄りにはハイテンポなので、山あいの静かな村の旅館を予約した。黒鉄も溶けよと照り付ける下を、フェラーリのクーラーをがんがんに効かして車は走る。どこにもありそうな麓の街で昼食をとって、夏木立に囲まれてほの暗い舗道へと入って行く。もはや、クーラーは必要なかろうと、車...茶話143/涼っしーい!

  • 茶話142 / つき草

    えっ!今頃、咲くのか!その花の名前から梅雨の時期に咲くのかと思っていたので意外だった。俳句でも秋の季語になっている。露草も露のちからの花ひらく/飯田龍太「畑141/春の日」で書いた露草。なんとも清らかな青い花を、雑草の中に咲かせるのはもったいない。そう思って、畑の畔に芽を出していたのを、家に持って帰って鉢に植えた。畑でしょっちゅう見ている花だが、育ててみると意外なことだらけの植物だ。横に根を伸ばすのかと思っていたが、直根で地中深くに根を伸ばす。最初は小さな鉢に植えていたのを大きな鉢に植え替えた。茎が土に触れると、あっという間に根を出す。そこからまた茎を伸ばす。綺麗な花を咲かせなければ、ずいぶんと厄介な雑草だ。黄緑色した包葉(ほうよう)という、二枚貝のような変形した葉の中から花を咲かせる。強い日光に当たると...茶話142/つき草

  • 畑173 / 盆からさ~きゃ2

    アライグマの撃退法をネットで調べていたら、トウガラシ液があった。強い刺激臭が苦手らしい。イノシシやヌートリアなどの害獣にも効果があるという。そういえば、五年ほど前に農薬替わりにしようと思って、トウガラシ液を作ったことがある。農小屋の中を探してみると、有った有った!完全に熟成した五年モノのトウガラシ液(左の黄色の蓋)。蓋を開けると強烈な匂い。なるほど、こりゃ効きそうだ。焼酎にトウガラシを入れて漬け込むだけ。お好みで酢やニンニクをトッピングする。二週間ほど熟成させると完成。ろ過して二百倍ほどに薄めて使う。無害だし自然に優しい。それに、農薬は一日で使い切らなければならないけど、こいつは作り置きが可能だ。ただし、風向きを考えて散布しないと、目に入ったらたいへんなことになる。使わずに五年も放ったらかしにしていたのは...畑173/盆からさ~きゃ2

  • 畑171 / 盆からさ~きゃ

    明日からお盆。だからといって、分家なので、殊更になにもない。でも、お盆が過ぎると秋野菜の作付けスタート。さあ、なに植えようか?まずは、余っている種を確認して、自作の「栽培暦」とにらめっこ。植える野菜が決まると、次は場所割り。さあ、どこに植えようか?連作障害を防ぐために、エクセルで「輪作表」を作り、畝ごとに何を植えたのか記録している。黒い部分は休耕中。年々、黒が増えていくのは歳のせいで仕様がない。考えているうちに、去年のことを思い出した。苗を作ったものの、九月になっても猛暑が続き、定植できなかった。おそらく、いや、きっと、今年も暑いにちがいない。寒冷紗で遮光して、保護してやる必要がある。ならばというので、去年に少しだけやった「多種類混合植え」をすることにした。アブラナ科の野菜8種類を一つの畝に植えるのだ。長...畑171/盆からさ~きゃ

  • 畑171 / ピントが合わない!

    カラスの襲撃が一段落ついたと思ったら、今度はアライグマが落花生にちょっかいを出してきた。囲ってある網に4、5センチでも隙間があると、そこから手を突っ込んで土をほじくる。インターネットでで退治法を調べると、アライグマは嗅覚が鋭く、強いニオイを嫌う……とある。そんなら……というので、ペットボトルに庇(ひさし)を二カ所開けて、100均で買って来た野良犬猫の忌避剤とナフタリンを入れて仕掛けた。ニ、三日経過したが、どうやら効果があったのか、やって来なくなった。その代わりに珍しいのが現れた。夕方の5時ころ、まだ暑いが、雲が出てきたので畑へ。すると、里芋の通路に動くもの。足の長い茶色い鳥が歩いている。今までの記憶から判断してケリ!?ケリという変わった名をした凶暴な鳥で、巣に近づくと、親がキーキーと大きな声で鳴きながら突...畑171/ピントが合わない!

  • 茶話141 / 杞憂

    地球は丸いというのは常識だが、古代中国では「天円地方」、天は円(まる)く、地は方形であると考えられていた。これを聞いた「杞」という国の男が、それなら、いつか天が落ちてきて、地が崩れてしまうのではと心配して、夜も眠れず、食事も喉を通らなくなった。それを見かねた人が、「天は大気で覆われているから落ちないし、地は頑丈な土の塊だから崩れることはない」と説得した。それを聞いて、杞の国の男は、無用の心配して憂えていただけかと、ようやく安心した。中国の古典『列子(れっし)』の中にある「杞憂(きゆう=杞の憂え)」というお話。明日何が起きるのかは誰にも分からないのだから、それを心配してもどうしようもないしかし、何が起こるか分からないという危険に、無防備でいるのは無謀だ。天地が崩壊することには対処のしようがないが、地震や台風...茶話141/杞憂

  • 茶話140 / 四季

    こぼれ種で畑のあちこちに生えている松葉牡丹。「畑タコ」で書いた雑草のスベリヒユの仲間だから、この暑さの中でも剛健に育つ。写真には写っていないが何十匹ものミツバチが飛んでいる。近くに寄っても刺してこない。クマのプーサンになった気分。みんな、後ろ足にコロッコロにした花粉を抱えている。野生化して、どこかに巣をつくって蜂蜜をいっぱい蓄えているのだろう。そういえば、今日は8月3日……はちみつの日。明日4日は新月。ということは、旧暦の7月1日(朔日)。旧暦では1月、2月、3月が春で、4月、5月、6月が夏。秋は7月、8月、9月で冬が10月、11月、12月となる。今年は、少し遅れて7日が立秋。とはいえ、季節なんぞはゆっくりと移ろうもので、少しずつ秋が感じられますよ……というのが立秋。四季があることは味わいがある。日本だけ...茶話140/四季

  • 茶話139 / よどむ

    晴天が続いて畑に田んぼの水を入れた。野菜はさることながら、雑草も待ってましたとばかりに息を吹き返す。焼けつくような陽射しにもめげることなく、植物はぐんぐんと大きなる。植物が我が物顔にはびこっているのに、逆に、人はぐったりとしなびている。炎暑の昼は、クーラーを利かした暗い部屋でじっと淀む(澱む)しかない。夏の炎天下に虚しく過ごす時間の何んと長いことか。生ぬるい水の底に沈む泥のように澱んでいる。よどむ……。川の流れの滞る場所を意味する「よど(淀・澱)」に、動作を表す「-む」がついて「よどむ(滞る・沈む)」という動詞ができた。洗ひ衣(きぬ)取替川(とりかいがわ)の川淀(かわよど)の淀まむ心思ひかねつも/万葉集(洗いたての着物に着替えるかのように、他の女に乗り替えでもしたのかしら……。だから、私の所へ通うのをため...茶話139/よどむ

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