6月23日に、下記にブログを引っ越しました。★楽天ブログ(河内のおっさんのブログ)※一行分かち書きしていた過去記事を散文に改め、写真は必要最低限に書き直して、毎日、一記事をアップしています。https://plaza.rakuten.co.jp/ottusanlando/★はてなブログ「河内国覚書帖」※gooブログの記事を、そのまま引っ越しました。新規の記事更新は、こちらでしています。https://f62xyq39w.hatenablog.com/ブログを引っ越ししました
「百姓が花粉症になるはずが無いやろ!」花粉症で鼻をズルズルさせている友人に豪語していた。だのに、三年前に花粉症になった。年末ころから、朝起きると鼻水がとまらない。目ヤニがたまる。ああ、また酒の飲みすぎか。耳掃除していて、プチッと傷つけた。すぐに治るだろうと安易に構えていたがじゅくじゅくしてくる。鼻水が止まらない、目ヤニがたまる、耳が痛い。一ヶ月ほど辛抱して、我慢できずに掛かりつけ医に行く。「それ、花粉症やろ!」「百姓が花粉症になるはずは無いやろ!」と思いつつ、寝る前にもらった薬を飲む。次の日、すべてが治っていた。以来、この季節になると花粉情報が気になる。今年は2月の中旬頃から。ところが、年末から鼻水が出る。目ヤニがたまる、耳がかゆい。おまけに「じ病」が痛い。へんな時に下痢になる。「花粉はまだ飛んでないやろ...茶話111/ハナの季節
春やんがよく言っていた。「歴史というのは年表を覚えるのと違う。年表の裏にあることを語る、喋らんとあかん!歴史みたいなもん語ってなんぼや!喋ったもの勝ちや!」学問としての歴史学は、古文書・記録・史書などの文献史料を読んで、一つの歴史像を構成することにある。春やんは、文献資料など関係なしに、一つの歴史像を構成してしまう。それが出来たのは、喜志村という舞台があったからだ。「ええか、歴史というのは、その当時の地理を頭に入れて考えんとあかん」喜志村という地理を舞台にして、楠正成を、吉田松陰を、関係する人々を動かす演出家、監督だったのだ。学校で習う日本史は政治史の色合いが濃い。そのため、庶民が出てくることは少ないし、文化や信仰は貴族や武士、僧侶のものだ。庶民の文化や信仰に光があてられたのは、1914年(大正3)に柳田...歴史37/あとがき……
孫に会うために田舎から東京に出て来たお婆さん。土産を持って行ってやろうと、駅前のミスタードーナッツへ入った。ショーケースを指さしながら「これと、これと……」店員が「名前をお願いします」「はい、山田ヨネです!」「お婆さんの名前ではなく、ドーナッツの名前をお願いします」「ええっとー、オールドファッション……」「おいくつですか?」「はい、100歳です!」「おもしろい」を漢字で「面白い」と書くのは当て字だと思っていた。しかし、ちゃんとした意味のある漢字だった。日本神話の「天岩戸隠れ」で、天照大神を天岩戸から引っ張り出して、世界に再び明かりが戻った時、八百万の神々が喜びの声をあげて舞い踊る。あはれあなおもしろあなたのしあなさやけおけおけ漢字にして意味を補う。天晴れあな面白あな手伸しあな清け飫け飫け(天が晴れたああ皆...畑128/面白
ワープロを使いだしたのは四十数年前の1980年頃。当時は5.25インチフロッピー(1.6MB)という直径13センチほどの丸い板に記憶させていた。それが、3.5インチフロッピーへ置き換わったころからワープロ専用機を使いだした。1995年にWindows95のパソコンが出てからはOfficeのワードになった。この四十数年間、自慢ではないが、ずうっと「かな入力」を使っている。ある調査では日本人の約90%がローマ字入力、かな入力はわずか約10%だという。なんとも嘆かわしいことだ。英語ならローマ字入力の方が速いのが当然だ。「goodmorning」はそのまんまローマ字で打てばいい。だから、日本人は、日本語の「おはよう」を、そのまんま平仮名4文字で打てばいいのだ。だのになぜ「ohayou」と6文字のローマ字にしてしま...茶話110/ああ……
考物(こうぶつ=なぞなぞ)にこんなのがある。問:大酒飲みの息子を親父が呼んだ。【魚の種類を五つ答えよ】答えは「さけ、さめ、たら、こち、こい」となる。ああ、なるほどと感心しているうちに、五匹の魚を漢字で書けるかと、新たな疑問がおこる。日頃、ワープロで文章を打っていると漢字をどんどん忘れる。インターネットでイチゴについてを調べていると、こんなのに出くわした。「サクラと同様に、リンゴとレモンもバラ科だ」さて、カタカナを漢字で書けるか?サクラの旧字体を「二貝の女が木にかかる=櫻」と分解して覚えたのと同様にして、学生時代は覚えていた。しかし、今はそれすら忘れてしまった。学生時代に「俺は、ユウウツのウツを漢字で書けるんやぞ!」と自慢する奴がいた。誰彼構わずに、やたら自慢する本当に嫌な奴だった。そして、こうして覚えるの...茶話109/漢字
もう三週間ほど、畑作業は冬休み状態。土をいじっていると、手袋をしていても爪の中に土が入る。タワシや歯ブラシでゴシゴシするが、今はその必要がない。一年で最も爪が綺麗な時期だ。そのせいか、あるいは歳のせいか、爪がよく伸びる。一般的には、一日で約0.1mm、一ヵ月で約3.0~4.0mmほど成長するらしいが、その倍以上の速さで伸びているように感じる>「苦髪楽爪(くがみらくづめ)」という言葉がある。苦労しているときには頭髪がよく伸び、楽をしているときには爪がよく伸びるという意味。やはり、楽をしているから爪が速く伸びるのか・・・、いや、それにしても髪が伸びない。逆の「苦爪楽髪(くづめらくがみ)」という言葉もある。苦労が多い時は爪がよく伸び、楽な時は髪の毛がよく伸びるという意味。しかし、これもあてはまらない。つまりは、...茶話108/爪
「俄」は、地域共同体のメンバーが他のメンバーを相手に、地域共同体の皆に演じる祝福芸である。俄の面白さは〈素人性〉と〈方言性〉という〈土着性〉にある。A:おい、八兵衛!B:なんじゃい?A:われとこの嫁はんのお六さん、このごろ太ったんとちゃうか!B:ええ?さよか?A:ええもんばっかし食わしてたらあかんで!B:ええもんみたい食わしとるかい!A:せやけど、腹がえらい膨れてきよったと、ここらのもんが言うとるで!B:ちゃうがな、子ぉーでけたんや。A:ええ、どこでこーろげたんや?B:転ろげたんやなしに、子が出来よったんやがな。A:ええ、八とお六がエエことしてお三(産)かいな!B:ややこしものの言いよさらすな!A:ややこしいけど、ややこ欲しいやろ!B:またニワカ(駄洒落)かい!A:ええもん食わしたり。B:われ、先っきええ...俄35/聖なる俄
楠木正成が、多くの人々に親しまれるようになったのは、江戸時代初期、南北朝の争乱を描いた『太平記』の注釈書『太平記評判秘伝理尽紗』が成立してからだ。大名・武士・儒学者にとって正成は、理想の政治家・指導者、兵学者だった。やがて、この『太平記評判秘伝理尽砂』を台本にした「太平記読み」が民衆にも広まり、17世紀後半には講談に発展する。民衆にとっての正成は、天皇に尽くす忠臣ではなく、権力に対して反逆し、強きをくじき弱気を助ける正義の味方だった。反体制のシンボルとして、由比正雪や大石内蔵助は楠木正成の生まれ変わりとして歌舞伎や浄瑠璃の題材にもなった。この楠公像が一転したのは、『大日本史』を編集した徳川光圀が、1692年、湊川に「嗚呼忠臣楠子之墓」を建立してからだ。その後、水戸藩士の会沢正志斎が『新論』を著し、万世一系...俄34/大楠公
明治時代の下水分社(美具久留御魂神社)氏子町関連の年表である。明治元年(1868)神仏分離令廃仏毀釈明治5年(1872)富田林尋常小学校(興正寺別院)明治6年(1873)新堂尋常小学校・富田林に芝居小屋明治8年(1875)喜志尋常小学校開校(明尊寺」明治22年(1889)河南橋架設美原太子線開通明治22年町村制の施行=富田林村・新堂村・喜志村(単独村制)明治27年(1894)日清戦争明治31年(1898)河陽鉄道開通道明寺-富田林、国道170号線・楠公道路開通・高野鉄道堺東-長野間開通明治35年(1902)河南鉄道長野線開業明治37年(1904)日露戦争明治39年(1906)神社合祀下水分は40年合祀鉄道と道路の開通は富田林を大きく変えていく。駅前が繁華街になり、新しい道路にそって家が建っていった。上の地...俄33/神社合祀
「歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ」で使われた俄です。[番場の忠太郎・小浜(母)・お登世(妹)](下手から忠太郎が登場)忠太郎母の面影瞼の裏に、描きつづけて旅から旅へ。昨日は東と訊いたけど、今日は西だと風便り。縞の合羽が涙に濡れて、母は俺らをどうして捨てた。恨む心と恋しい想い。宿無し鴉の見る夢は、覚めて悲しい幕切れさ。生れ故郷も遥かに遠い、母恋い番場のこの俺さ。もしやもしやと逢う度毎に、尋ね尋ねてやって来た。此処はお江戸の柳橋、人に知られた水熊よ。ご免めんなすって、おかみさん。(上手から小浜が登場)小浜中へ入って、用があるんならさっさと言っておくれ。わたしゃ忙しいんだから。忠太郎ご免こうむります。(敷居を越えて下手に坐り、しばらく何も言えずにいる)小浜何とか云わないのかい。用があって来たんだろう。忠太郎おかみ...俄32/瞼の母
以下の文章とスケッチは、川面出身の鶴島輝雄さん(故人)がかかれたものである。戦争が終わって軍国色が一掃されると、それまで自粛を強制されていた盆踊りや祭りが爆発的な勢いで復活した。この絵は昭和二十二年頃(一九四七)の、秋祭りにおけるだんじりの宮入りを示している。この当時、二〇台に近いだんじりが繰り出した。青年団が祭りを取り仕切り、九月中旬から〈にわか〉の練習に励んで、十月十八日の本祭りの日、神社の境内で〈にわか〉を奉納した。だんじりの周りには〈にわか〉を見る人で溢れていた。昭和十年刊の喜志尋常高等小学校〔現代の中学1・2年〕『学びの栞』の中に次の記事がある(国立国会図書館デジタルより)。(十月)十七日神嘗祭(かんなめさい)この日初穂を皇太神宮にお供へになり、勅使が立たれます。宮中でも、賢所でおごそかな祭典を...歴史36/祭りじゃ俄じゃ補筆
※連載ものです。①から順にお読みください。大歓声、大爆笑の中で、ハプニングがおこった。娘のお登勢(ミッツォはん)が母親の小浜(彦やん)に、なぜ兄を引き止めなかったのかと言い諭す場面だ。台本では「それでもあなたは母ですか」という一言なのだが、ここが見せ場だとミッツォはんもセリフを増やしていた。「それでもあなたは母ですか。子を持つ親というものは、そんな邪険なものでない。母に捨てられ父には死なれ、広い世間にただ一人、そんな兄さんを一人で返す親はない。たった一人の兄さんとともに涙を流したい」冬の場面設定に加えて、生娘なので付け下げを隙間なく着こんでいる。きりりとした顔で母を見つめて「それでもあなたは母ですか」まではよかった。ところが、西日がまともにあたって暑い。たらりと汗が流れる。「子を持つ親というものは・・・」...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑨
※連載ものです。①から順にお読みください。南河内に心地よい秋風が吹きだした。稲穂がそよいで金色に揺れる中を、十年ぶりに太鼓の音が響く。今の地車囃子には小太鼓と摺鉦(すりがね)が入るが、昔は大太鼓だけだった。揃いの法被も無く、各自が自由の服装でよかった。当時の秋祭りは曜日に関係なく10月16日(宵宮・試験曳)、17日(本宮・渡御)、18日(後宴祭・地車宮入り)の三日間と決まっていた。天候にも恵まれ、宮さん(美具久留御魂神社)の境内は、富田林中の人々が集まったのではないかと思うほど、秋祭りを心待ちにしていた人々でうまった。楠公崇拝の神社で戦中の風が残っているのか紋付袴の人もいる。女性はモンペ姿ではなく、着物を着た中にスカート姿が目立つ。終戦まで宮さんは高等小学校だったので、下拝殿の前は運動場として整地されてい...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑧
※連載ものです。①から順にお読みください。徳ちゃんが一週間かけて読んだ台本を皆が書き写し、それを照らし合わせて一つの台本が完成した。コピーなんぞは無かった時代。完成した台本を順ぐりに一人ずつ書き写す。一回りした頃には、誰もがすべてのセリフを覚えていた。田んぼの真ん中で「母の面影瞼の裏に、描きつづけて旅から旅へ。昨日は東、今日は西、尋ね尋ねてやって来た・・・」と一人芝居をやっている。見回すとあっちでもこっちでもやっているものだから、負けてはならぬと余計に練習に熱が入る。いよいよ配役を決めることになった。希望など採るまでもなく、全員が主人公の番場の忠太郎だった。我々子どものヒーローがウルトラマンなら、春やんたちのヒーローは、番場の忠太郎であり中乗り新三だった。祭事で内輪もめはよくないというので、徳ちゃんに決め...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ➆
※連載ものです。①から順にお読みください。徳ちゃんのオッチャンから台本を見せてもらったが、達筆すぎて読めない。それで、徳ちゃんに読んでもらったのを皆で紙に書き写すことになった。晩飯を食べて会所に集まる。本来ならば縄を編んだりして夜なべの作業をしなければならないのだが、「俄の稽古に行ってくるわ」と言うと、親たちも快く許してくれた。この時点では、まだ配役は決まっていない。祭の花形である奉納俄がしたくて、我こそが主人公の番場の忠太郎だと意気込んでいる者が十人ほど集まった。一杯機嫌の徳ちゃんがやって来て講義を始めた。「ええか、忠太郎が別れた母親に会いに来る、料亭水熊の場や!」昔は、誰もが映画や浪曲で見たり聞いたりしていたから、あらすじどころか結末までわかっていた。「口に出して覚えながら書きや。母の面影瞼の裏にや」...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑥
※連載ものです。①から順にお読みください。川面に新しい地車がやって来た昭和22年という年は、5月3日に日本国憲法が施行された年だ。5月20日の第1特別国会で、吉田茂内閣が総辞職して、23日に社会党の片山哲が内閣総理大臣になった。農村の川面は、前の年から実施された農地改革で、大地主の農地の大半が政府に買収され、それが安い価格で小作に売却され、悲喜こもごもながらも、民主主義、平等、自由が感じられるた。物資はまだまだ不足していたが、出生267万8792人,出生率3.43,昭和最高のベビー・ブームとなった。新しい日本の歯車が回り出した年だった。春やんたちの円陣は俄の話になっていた。相も変わらず、学芸会のセリフ回しで、まどろっこしいのでまとめて記す。昔は「祭=地車=俄」で、喜志の宮さん(美具久留御魂神社)で地車の上...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑤
※連載ものです。①から順にお読みください。三十代半ばくらいのミッツォはん(満男さん)が、「新しい地車(だんじり)を買うたんは何時でしたかいな?」と皆に尋ねた。会所の南側の地車小屋にある地車のことで、我々が物心着いた頃にはもう曳いていなかった。それからは放ったらかしで、入口に閂(かんぬき=鍵)があるのだが、周りの壁のあちこちに穴が空いていて出入り自由で、我々の秘密基地になっていた。四十歳くらいのトタさん(藤太郎さん)が「覚えてないんかいな!おまえが初めて俄したときやないかい!終戦の20年やがな!」と言った。同じ四十歳くらいのノブさん(伸雄さん)が「ちゃうちゃう、終戦の年に祭する余裕みたいあるかい!次の年の昭和21年やがな!」と言う。四十代半ばくらいの彦やん(彦一さん)が「あんだら、次の年も引き上げ(本土帰還...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ④
※連載ものです。①から順にお読みください。春やんが立ち上がり、大きな紙袋を持って我々の円陣に来て、紙袋の中身をドカっとぶっちゃけた。畳の上に色とりどりのお菓子が広がった。「さあ、好きな物を食べ。そや、辛いお菓子は残しといてや。後でオッチャンらの酒のアテにするさかい!」消防団の屯所の清掃整備当番の帰りで、そのお下がりのお菓子だという。春やんたちは、竹寿司の握りをアテに酒を飲んでいる。我々も説教されずにすんだという安堵感で、お菓子をほおばった。「ところで、最前におまえらが科学特捜隊やら宇宙警備隊やら言うてたけど、何のこっちゃ?」と春やんが訊いてきた。「悪い怪獣から世界を守る地球防衛隊や!」「わしがいた特設警備工兵隊みたいなもんやなあ」「オッチャン、そら何やねん?」「悪い奴から日本を守る本土防衛隊や!」春やんは...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ③
※連載ものです。①から順にお読みください。小学校の高学年ともなると、少し大人になるのか、体温調節機能が少しずつなくなって寒い。そこで、金剛山が白くなるような日は、町内の集会所で遊ぼうということになる。集会所といっても、木造平屋・瓦ぶきの建物で、暖房も無いから気温は外とさほど変わらない。ただ、雨風はしのげるので寒い日の格好の遊び場になっていた。当時は、どこの家も戸の鍵を締めなかったから、会所も鍵がかかってなくて出入りは自由にできた。20畳ほどの広間があるだけで、これといった遊び道具は無かったが、何十枚とある座布団をビー玉に見立てて陣取りしたり、瓦に見立てて瓦当てしたり、座布団で三角ベースをつくってピンポン玉を打って野球をしたり、無いなら無いなりに遊びを考えた。一通りで遊んで、最後は必ず座布団投げになった。一...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ➁
夜中に寒さで目が覚めた。トイレへ行って、コーヒーでも飲むかと、台所の椅子に座ってポットのスイッチをいれる。ぶるっと寒気がして「おおさぶ~」と思わずつぶやく。それが懐かしい節になっていたので、ふと思い出した。♪おおさむこさむ~山から小僧が飛んでてきた♪同じフレーズを何度か繰り返すが、次が出てこない。「次の文句(歌詞)は、なんあったかいな?」と独りツッコミ。その「なんあった」で思い出した。♪なんといって飛んできた~なんといって飛んできた~寒いといって飛んできた~おおさむこさむ~山から小僧が飛んできた♪寒い冬の戸外で遊んで、みんなで家に帰るときのテーマソングだった。永遠に続くのだが、各自の家に来るごとに、一人減り、二人減りして、ようやく終わる。ポットのお湯がシュンシュンと湧きだす。昔、火鉢の五徳にかけられた鍋の...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ①
前の記事で明治5年12月3日(=明治6年1月1日)の御改暦について書いた。旧暦から新暦に暦が改められるのだが、同時にもう一つ、時間についても不定時法を廃止して定時法が採用されている。採用以前は、日の出から日没までを昼、日没から日の出までを夜とし、それぞれを6等分して十二の刻(とき)に区切っていた。真夜中の0時を九つとし、ほぼ二時間おきに八つ、七つ・・・四つ、次の12時から再び九つ、八つ・・・。そして、夜明けと日暮れの「六つ」を「明け六つ」「暮れ六つ」と呼んでいた。この数字の数だけ寺の鐘が鳴って時刻が知らされる。近松門左衛門の浄瑠璃『曾根崎心中』のお初・徳兵衛の道行の場。この世のなごり夜もなごり、死にに行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜、ひと脚あしずつに消えてゆく、夢の夢こそ哀れなれ。あれ数ぞうれば暁の...茶話107/時
正月なのだが、太陽暦(新暦)の正月は違和感がある。初春のお慶びを申し上げますと言っても真冬。元旦にお出でになる歳神様もさぞ寒かろう。梅の花が咲いて松竹梅がそろう太陰暦(旧暦)の正月がやはりぴったりする。少し春めいて歳神様もうきうきとして福徳を運んで来やすいに違いない。今年の旧暦の元日(一月一日)は、二月十日(月の満ち欠けの新月)。中国をはじめアジアの多くの国は春節を祝って祝日にしている。日本はアジア圏で、旧正月を祝わない数少ない国の一つだ。祝うとすれば中華街か、我が家くらい。かといって大々的にするのは小恥ずかしいので、餅をついて雑煮を食べるだけ。幸か不幸か気温がよくなかったのか、畑の雑煮大根と金時人参の出来が良くなかった。旧正月にはちょうどいい大きさになっているだろう。明治5年は12月2日の翌日が明治6年...畑127/暦
冬の畑は平らかで一面を見渡すことができる。夏の畑のナスやトマト、キュウリのような背の高いものがない。みんな地に這いつくばるようにして、じっと寒さに耐えて春を待っている。荒涼として殺風景だが、なぜかん平穏で心が安らぐ。虚心坦懐(きょしんたんかい)。「心を虚(むな)しうして坦懐なり」とでも訓読するのだろうか。「虚」は〈空っぽ〉、平坦の「坦」は〈平らか〉、「懐」は〈思い・心〉の意。心にわだかまりがなく落ち着いた平穏な心。心にわだかまりがないのだから、理にかなわない無理なことはしない。他から見れば愚弛ら(ぐうたら)かもしれないが、無理をしないのだから楽だ。「江戸いろはかるた」の「ら」の札は「楽あれば苦あり」。「上方」では「楽して楽知しらず」。どちらも「楽ばかり求めるといずれ苦労をする」「苦労しないと、将来、楽な生...茶話106/愚弛ら
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6月23日に、下記にブログを引っ越しました。★楽天ブログ(河内のおっさんのブログ)※一行分かち書きしていた過去記事を散文に改め、写真は必要最低限に書き直して、毎日、一記事をアップしています。https://plaza.rakuten.co.jp/ottusanlando/★はてなブログ「河内国覚書帖」※gooブログの記事を、そのまま引っ越しました。新規の記事更新は、こちらでしています。https://f62xyq39w.hatenablog.com/ブログを引っ越ししました
「茶話135/野の花」で書いたネジバナ(モジズリ)が咲きだした。螺旋状にねじれて咲く、珍しい花だ。きれいなピンクの花を下から順に咲かせていくので花期が長い。右側は野朝顔。あまり大きくならないので、狭い我が家にはちょうどいい。左側はサツキ。本来なら、もう散っているのだが、まだ咲いている。春と夏が混在ししている。温暖化の影響で季節が揺らいでいる。花や野菜の旬がずれてきている。梅雨入りして一週間雨が続いたが、その後は連日の猛暑。朝の5時半に畑に行って、7時を過ぎると気温は30度近くになっている。これ以上は危険な状態。早々に帰って涼しいとこでじっとしているほかはない。とはいえ、何もしないのは勿体ないのでプログの引っ越し作業。◇すでに、ライブドアと楽天に引っ越し中だが、どうもしっくりこない。マンガ(コミック)や芸能...茶話208/まだまだ引っ越し中
去年の秋に植えて冬を越したエンドウ・玉ネギ・ニンニクの収穫。春先に植えたジャガイモ・キャベツ・レタスの収穫。ナス・トマト・オクラ・スイカなどの夏野菜の植え付け。里芋・薩摩芋・落花生などの秋野菜の植え付け。春の農事は春夏秋冬が一度にくる。なんとも忙しかったが、それもそろそろ終盤。梅雨入りまでに全て終えてしまおうと、四月から芽出しさせていたサツマイモを植えて終了。落花生の草抜きをしていると、雨がぽつぽつと降りだした。タマネギ・ニンニク干場で雨宿りしていると、ラジオで近畿・東海地方の梅雨入りのニュースが流れる。帰り支度してから、春の農事の名残を味わおうと畑を一周する。雑草捨て場の片隅に咲く朝顔。土手に咲いていたのを採取してきたもので、朝顔が野生化した野朝顔。500円玉ほどの花をつける。園芸種のような派手さはない...畑207/愛しき花たちよ
今日、六月九日は、旧暦の五月十三日。四百年余り前のこの日、平泉の金色堂(光堂)に拝観した松尾芭蕉が詠んだ句が、五月雨の降りのこしてや光堂五月雨(さみだれ)は、今時分に降る雨だから梅雨のことだ.。五月雨や上野の山も見あきたり/正岡子規明治三十四年、正岡子規の死の前年の作。身動きもままならない病床にあった子規は、降り続く五月雨と上野の山を毎日見て、うんざりとしていた。それだけに、五月雨の合間の五月晴れは嬉しかったのだろう。五月晴れを詠んだ句が実に多い。五月晴や窓をひらけば上野山見えそめて青雲うれし五月晴雨には、涙・別れ・災いというマイナスのイメージがつきまとう。しかし、心の中までじめじめしていたのでは身体のためにはよくない。心だけでも五月晴れでありたい。雨の中で唄ってる雨の中でひたすら唄う気分はもう最高さまた...茶話183/五月雨
ブログの引っ越しを取り合えず終えたが、レイアウトが思い通りにならないやら、タグ付けまで引き継いてくれないなど、どうもしっくりこない。gooブログは「誰でも簡単」が売り物だったが、その通り簡単だったとつくづく思う。そこで、ライブドアに加えて、もう一つ楽天にもブログを開いた。こちらは、引っ越しではなく、過去の記事のリメイク版にした。過去の記事を見直しして、一日一つを公開していく計画だ。gooに500以上の記事があるから、一年半ほどで完了させる計画だ。◇せっかくだから、一行分かち書き(一文一行)をやめて、普通の散文にした。一行分かち書きは、文のつながりが多少飛躍しても意味が解るという利点がある。そのかわり段落が定かでなくなるという欠点がある。それを補うために、写真を挿入していた。しかし、散文にすると段落が明確に...只今、ブログの引っ越し中
雨をはさんで8日間、実質作業6日間かけて600個のニンニクを収穫した。ニンニクは掘ってお終いではなく、根を切って、皮を剥いて、根の付け根を平らにしなければならない。ハサミやカッターナイフを使うのだが、毎日100個ともなると手が痛い。ニンニクのうま味成分といえばアリシンだが、アリシンには非常に強い殺菌力があり、皮膚の潤いを保つアミノ酸を破壊する。すると、皮膚の細胞が壊れて、火傷と同じような症状を起こしてしまうのだ。作業を終えて、家に帰ってオロナイン塗って、風呂に入ってからハンドクリームを塗っての毎日。ようやく、収穫し終えた。これでお終いというわけにはいかない。4個ずつ束ねて、紐で縛って、吊って、干して、乾燥させなければならない。そのためには、新しいビニールハウスを建てたので、要らなくなった古いハウスを干場に...畑206/至福のグルメ
ニンニクの葉がだいぶんと黄色くなってきた。さて、今日は、のんびりと気楽にニンニクを掘るとするか。去年、種ニンニクが安い所をネットで見つけたので買った。一袋(1K)が1100円。4袋セットだと3200円。歳をとっても貧乏根性の治らないジジイだから、必然的に4袋セットを買った。一袋に10個入っているから、一個で10片取れるとして……、一袋で100片の種が取れる。4袋だから、しめて400個で、ちょうどいい数になる。そう思っていたら、届いてびっくり下谷(したや)の広徳寺で、一袋に15個入っていたつまり、4袋で600個……。どうしよう?貧乏根性の抜けないジジイは、600個を植えたのである。ビニールマルチが剥がしやすいように、葉っぱの下で茎を切る。マルチを剥がして、しばらく土を乾かす。土が白くなってきたら、シャベルを...畑205/貧乏爺(ジジイ)
我が町会の地車(だんじり)が、9・10日に2025大阪・関西万博に出展された。その間、出演者連絡用のライングループに楽しそうな写真が投稿されてくる。本来なら、新しく買ったカメラで、自分も投稿していたのに……。神経痛で行くことができなくなった。YouTubeでも、今回の万博で目玉の総木造造りの大屋根リング(外径675m・高さ12m)の中を、賑やかに曳行されていく地車が投稿される。本来なら、その中に自分がいたのに……。見るまいとするのだが、自分が、その中にいるような気がして、ついつい見てしまう。神経痛の痛みをかばいながら、ひょっこりひょっこり歩いている自分が居りはしないかと……。ひょっとしたら、地車の上で、「河内俄の口上」を上げている自分が居りはしまいかと……。しかしである。その間、くよくよ、いじいじしていた...畑204/2025万博
我が町会の地車(だんじり)が、富田林を代表して、今日9日からから11日まで万博の「大阪の祭り」に出演する。本当は、今日、それに付いて行って、今頃はその記事を書いている予定だった。しかし、前回書いた「爺の悲劇」に見舞われたので欠席にした。万博会場には、ゆっくりと休憩できる場所が少ないそうだ。痛みはだいぶん楽になったが、まだ軽く咳をするだけで痛みが背中を走る。万博のガイドブックを買ったのに……。背中に神経痛を抱えた人間が行ったのでは、みんなに迷惑をかけるだけだ。新しいカメラを買ったのに……。行ったところで、自分だって苦痛だし面白くない。若いときだったら、「これくらいの痛みは酒を飲んだらなおるわい」という気概が有った。今でも、そんな気概は有る。しかし、体力が無いので、気概が長続きしなくなった。すぐに、なよなよと...茶話182/おいおい
玄関先に、鉢に植えたクサフジがきれいな花を咲かせている〈茶話137/藤の花〉。どこにでも見かける雑草だが、クサフジの紫の花と、傍にあるオレンジのメダカと一緒に写真を撮れば、ブログの記事になりそうだ。クサフジの鉢をメダカの水槽の前に持ってきてパチリ!おお、こりゃ、いい写真が撮れたわい!爺(じじい)が、一人で悦にいっている。しかし、これが爺の悲劇の始まりだった。爺の足下に、薩摩芋にカビが生えたのを干しているのが有った。爺はその存在を忘れていたのだ。爺が立ち上がって右足を一歩進めた所に有った薩摩芋を踏んでしまった。芋はコロコロと前に転げる。その上にある爺の右足も、どんどんと前に進む。しかし、爺の上半身は後ろに取り残されたたままだ。オイオイ!マテマテ!爺は、必然的に後ろに倒れてしまった。ギャアッッッッ!爺の左の背...茶話181/爺の悲劇
前回書いたごとく、例年より10日ほど早く周囲で田植えが始まった。持ち主が水稲栽培業者に委託している田んぼだ。我が家が貸している隣の田んぼにも水が張られた。これで東西南北四方を水で囲まれたことになる。どこからでも水を汲むことができるので水やりが楽になった。ナス・トマト・キュウリ・ピーマン・トウガラシ・スイカの夏野菜の苗を定植する。畝の準備はすでに完了しているし、自家消費用で四、五株ずつだから、たいして時間をとらない。♪夏も近づく八十八夜野にも山にも若葉が茂る♪日向の作業で少し汗ばむ。若葉は茂っているが、季節はすでに夏!人参の間引き菜と食べられそうな豌豆を少し持って帰る。今日の昼食はかき揚げ丼に決まる。我が相方が「薩摩芋まだある?」と訊いてくる。それで、保存用のハッポースチロールの箱の蓋を久々に開けた。包んで...畑203/夏を待つ
この時期、週にニ、三回、総会屋やら会議やら行事やらがあって、畑仕事もままならない。それでも、夕方には畑へ行く。作業をしにいくのではなく、日に日にあふれていく緑を見に行くのだ。見に行くといっても、なんらかの意思がはたらいているのではなく、なんとなく出かけて、なんとなく眺めて、ぼぉーっとしているだけ。殊にこの季節の緑は気持ちが安らぐ。黄緑、萌黄、ライムグリーン。夏の濃い緑とは違って明るい緑。調和・平和・自然・安息・新鮮・健康・生命力……。心も体もポジティブにしてくれる。まだ四月だというのに、周りで田植えが始まった。例年より十日ほど早い。八月の下旬に稲刈りをして、刈り取った株から出た穂をもう一度刈り取って、二回採りするのだという。これも温暖化の影響なのだろう。春が短くなり、夏が長くなった。近くを通りかかった百姓...畑181/八十八夜の別れ霜
今までに三回、引っ越しをしている。一回目は24歳の時で、兄が結婚するというので実家を離れた。駅前にあるアパートで、憧れの独り暮らしが出来るというので嬉しかった。ところが、二年ほどして父が亡くなり、母屋には祖母と母の女二人なので、不用心だから実家に戻ることになった。独り暮らしを謳歌していたのに……ちょっと寂しい二回目の引っ越しだった。三回目は今住んでいる家に引っ越した。まだ結婚していなかったので、再びの独り暮らしで嬉しかった。医療費の負担が3割から2割になる歳になって、次に引っ越すのはあの世に逝くときだと思っていたら、ひょんなことから引っ越しをするはめになった。と言っても家を引っ越すのではない。ブログの引っ越しだ。gooブログが11月で閉鎖になる。半年後だから、ゆっくりと考えようと思っている時に、gooより...茶話180/お引越し
桜が咲いた。じゃが芋の芽も出そろった。Springhascomeである。大地の底で目覚まし時計が鳴ったかのように、草木が一斉に眠りから覚める。映像を早送りしたかのように、草木は日に日に緑を増していく。ようこそ春よWelcome。命の息吹く春がきた。この三日間、歩いた動いた働いた。表彰台の上で金メダルを歯で噛みたいほどに働いた。三月に芽出ししたトマトにナスにブロッコリー、レタスにピーマンを大きなポットに植え替えた。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。夏野菜の種も蒔いた。芽が出て育った夏野菜の苗を植える畝も立てた。さあさ、いつでもWelcome!植えるcomeの春がきた。畑201/Welcome
昨日3日は、一粒の種が万倍に育つという「一粒万倍日」。加えて、黄金色の毛が金運をもたすという「寅の日」。もえ一つおまけに、太陽が隅々まで明るく照らしてくれて、すべての物事がうまくいくという「大明日」。こんな大吉日に、じっとしていては運を逃す。朝の早から畑へ行って、蒔いた蒔いた蒔きました。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。縁起担いで、ソーリャソラソラお祭りだ!数日前に70歳をむかえた。「人生七十古来稀なり」。中国は盛唐期の詩人、杜甫の漢詩「曲江」の中の一句が「古希」の出典となった。朝(ちょう)より回(かへ)りて日日(ひび)春衣(しゅんい)を典(てん)し毎日江頭(こうとう)に酔いを尽くして帰る酒債は尋常行く処に有り人生七十古来稀(まれ)なり花を穿(うが)つ蝶々は深深(し...畑200/種まき
※①~③のつづきです。旅17から読んでください。備前の旅も四日目、大阪に帰る日だ。昼前に出ようと友人が言うので、それまで周匝の町をぶらぶらしてくるとウォーキングに出た。山沿いに町まで向かう。途中、道の真ん中に大きな樹がある。石碑があって、髭が生えたような文字から「南無妙法蓮華経」だと読み取れる。なにを祀っているのだろう?近くで80歳くらいのお爺さんが竹ほうきで落ち葉を掃除している。尋ねてみようと「おはようございます」と声をかける。「でぇれぇ、さみーに、どけーいなれる?」なんとなく解ったので、「町まで散歩です」と応える。「ほーけ。わちゃー、歳とって、なーんもできん厄っけー者じゃーと、みながそげーなことゆーて、えれーいらまかしょる。せーじゃけー、厄っけー者じゃー言われんよーに、ちーたー掃除ぐれえーしよお思ーち...旅20/老いの小文六の④
※①~②のつづきです。茶話179から読んでください。岡山県は、瀬戸内海と中国山地に囲まれ、温暖で晴れの日が多いことから「晴れの国」をキャッチフレーズにしている。なのだが、過去5度来たうちの半分以上が、晴れるはずなのに雨だった。だから、「晴れの国」ではなく「ハズの国」だと愚痴っていた。そこで、昨年の秋の旅からは天気予報に合わせて日程を組むことにした。今回も同様に日程を組んだので、見事な晴れの国の三日目となった。午前中は、昨日立てた畝に、私が持って来た里芋と菊芋を植えた。秋に来た時の楽しみにするためである。農作業を早々に切り上げて早い昼食をとる。スーパーで買った100円ラーメン。オジン二人の食事は実に質素だ。酒の肴を含めても、三日分でしめて3000円。しかし、なににも勝るご馳走である。昼食を終えて、すぐに家を...茶話181/老いの小文六の③
※①のつづきです。茶話179から読んでください。川岸に植えられているソメイヨシノはまだ蕾だが、家々の庭に植えられている他の品種は花を付けている。そんな桜を車窓から追いながら、和気から吉井川沿いを走り、4時頃に備前の国の友人宅に着く。荷物を下ろして庭に出る。半年ぶりに見る懐かしい山々。山際の冬木立が老人のハゲた頭の産毛のようで、山の端と空の境が定かではない。山桜が咲いているのだろうが、冬木と同化してよくわからない。少し歩くとサクランボの花が満開。これも桜に違いないと写真を撮る。ひゅーっと風が吹いて、ぶるっと震えたので家に戻る。我が嫁はんへの「到着こメール」に、さっきのサクランボの写真を添えて送る。友人と無事到着の乾杯をし、そのままオジン二人の家飲みの宴となる。翌朝、家々に引かれた防災無線の音楽で目が覚める。...茶話180/老いの小文六の②
今年こそ満開の桜を観に来いよと、備前の国に家を持つ友人が誘ってくれた。予報では26日が開花で、満開は四月の上旬。だが、四月は何かと所用があり日程が合わない。ならば、満開の桜は諦めて、せめて天気の良い日にと思い、三月の下旬に備前の旅に出ることになった。弥生も末の七日。昼前に、友人が堺の実家から車で迎えに来てくれた。備前の土産にと用意していたキャベツやレタスの苗を積み、いつも通り西国街道(山陽路)をひた走る。途中、明石の宿で弁当を買おうとするも、昼遅く、お握り二個と沢庵の入った弁当しかない。まあ、播磨の国の美味しい米を食すのも悪くはあるまいと購入する。ベンチに座って弁当に張られたシールを見る。播磨の米のはずだと思って買ったのに、製造は「京都府城陽市」とある。備前の旅は「~のはずなのに」が、なぜかよくある。桜が...茶話179/老いの小文六-①
南と西の田んぼの田植が終わった。これで東西南北を稲田に囲まれた「ぽつんと一軒畑」になる。なんとなく寂しいが、これでカラスがいなくなってくれればと期待している。逆に、我が畑に集中攻撃をかけてくるかもしれない。だが、畑全体に防鳥糸やネットを既に張り巡らせている。来るなら来てみろだ!田植がされている間は、農道を車が頻繁に移動するので、邪魔をしてはと畑に行くのを控える。その間は、我が0円花壇の手入れで暇をつぶす。写真の前列左から、去年作ったコケ玉(62/しのぶ)。コケだけでは殺風景なので、庭の片隅に生えていたウンランをトッピングしている。前列真ん中は道端にあったのを引っこ抜いてきたスミレ(畑158/アレする)。根っこだけでも芽を出す植物なので、すぐに定着した。前列右は庭の片隅に生えていたミツバ。マクドのコーラーの...畑164/喜びの共有
先週あたりから30度超えの日が続いて、畑活は朝夕の夏勤務。6時頃に畑へ。カラスのために余計なことをしなければならない。畑の四方と上に、防鳥糸を張り巡らせた。身長よりも低い所に糸が張ってあるので、頭が糸に引っかかる。畑に入る時は、麦わら帽子を脱いで、頭を下げなければならない。なんとも礼儀正しい畑である。実りだしたキュウリは、慇懃無礼なカラスの被害にはあっていないので、糸の効果はあるのだろう。8時に、近くの工場の始業のサイレンが鳴ると、我が畑活は終了。今年からの帰宅の儀式の始まり……。パーン!カラスを追い払うために、ロケット花火を一発撃ちあげる。パン、パン!百均で買った玩具のピストルを二発ぶっぱなす。高圧電線に留まって、「あのオッサン、早く帰らんのかな」と眺めている奴らが一斉に飛び立つ。ざまあみろ!青田を背景...畑163/めぐる季節の中で
カラスに全滅にされた落花生の種の蒔き直し。小さなトンネルを作って防鳥ネットで囲ったうえに、雨除けと保温のためのビニール。これだけ頑丈にすればカラスも手が出せまい。朝早くにビニールをめくって風通しを良くしてやる。家に帰って朝食して、再び畑へ行く。トンネルの辺りから二羽のカラスが飛び立つ。まさかと思って見ると、やられた!ええ?ここから口ばしを突っ込んだの?と疑うほどの隙間しかない。一羽がネットを持ち上げ、もう一羽が首を突っ込んで取り出したとしか考えられない。なんともエゲツナイカラスの学習能力!人間虐待!こうなりゃ最後の手段!家に帰って食パンを一枚取って来る。小さく切って、竹櫛に刺して、ハイどうぞ!君たちには、もうかなわないから仲よくしよう!中生(なかて)の玉ネギを抜いて乾かしておいて家に帰った。昼食終えて、畑...畑162/カッテにしやがれ!
例年なら、この時期はのんびりとしているのだが、落花生の苗200株全滅(前の記事)から、何かと仕事が増えて二週間休みなし。今日は、午前中に草抜きして、昼から小雨模様なので、やっとのんびり。白菜一玉800円から、ようやく価格が安くなってきた。そんな時期になって、ようやく我が家の白菜が食べごろに。これから、せっせと食べていかないと、この時期の白菜はすぐに花芽が出てくる(とう立ち)。だいたいにおいて、この時期、白菜はあまり食べないから、半分は友人にあげている。一方、こっちは、わざととう立ちさせた玉ネギ。普通なら、失敗作を人に見せたくないので引き抜いてしまう。だから、一度玉ネギの花を見たことがないので放ったらかしにしておいた。ネギ坊主のような花を咲かすのは想像できたが、1メートルほどの高さになるのは意外だ。ついてだ...畑161/楽しみの種を蒔く
落花生の発芽が悪く、根を傷めまいと、発芽前に200株を定植するという、苦肉の策の九二九作戦(畑159)。いつものように畝の左右にカラスの嫌がる防鳥糸を張る。自然相手の農作業は、人間の意思ではどうにもならないことが起こる。しかし、その都度、創意工夫して苦難を乗り越えて来た。それが、農耕民族であった日本人の勤勉、緻密さ、信頼感」、専門性などの世界に誇れる日本人の魅力になってきた。農民根性が大和魂になってきたのだ。次の日、いくつかは青々とした本葉を出しているはずだと、朝、意気揚々と畑へ。玉砕!やられた。全滅!カラスに……!引っこ抜いて豆の部分だけが食われている。防鳥糸が効かない!大和魂がくじけてくる。写真を撮ろうにも落花生の姿は無いし、撮る気力も無い。ナミダすら出無い!五種類を植えているので、残った種を数えて、...畑160/遂に8K88作戦!
5月8日に落花生を100個ほどビニールポットに種蒔きして今日で14日目。7~10日で発芽して出そろう予定が、本葉が出たのは一割ほど。一気に定植するのは辛どいので、日にち差をつけて一週間後に植えた100個は沈黙したまま。落花生は発芽に加湿を嫌うので水やりしなくとも発芽したが、二週間で発芽しないと、さすがにカラッカラ。そこで一発勝負の水やりをしたが、どうも芳しくない。胚軸(双葉の下の茎)と一本の本根は出ているはずだが、地温が上がらないために細い根が張ってくれななんで?こんなん初めて!一日の気温を1時間ごと測定気した気温を平均したものが平均気温。単純にいえば、最低気温と最高気温を+して2で÷ればいい。温暖化だ、夏日だと囃されているが、この時期は大陸からの冷気も入ってきて最低気温が低い。そこへきて、雨や曇りが多い...畑159/九二九作戦発令!
朝6時に目が覚めて畑へ。落花生はというと10個ほど本葉を出している。まあええかと少しだけ納得して、あとはひたすら草抜き。一昨日に雨が降って、今日あたりが抜きやすい。8時過ぎに家に帰って朝食。もう一度畑へ行こうと玄関に出て、ふと思い出した。そうだアレをしなければ。春先に、家の近くの道路の脇でアレを見つけた。なかなか綺麗な花をつけている。調べてみるとアリアケスミレらしい。5月になったら種を採取して、庭に蒔いてやろうと決めていた。見に行くと、すでに種を飛ばしているのもある。だが、大半の実はまだ下を向いている。実が上を向いているのが成熟している証拠。ばかーっと三つに割れて種を遠くへ飛ばす準備をしているやつだ。そいつを見つけて封筒に入れておく。今日中に割れて、一粒で30個ぐらいの種が採れる。割れるのを待っている間、...畑158/アレする!
落花生の種を蒔いて、三日ほどで胚軸(双葉から下の茎)が出て、その拍子に種が土をぷっくりと盛り上げた。いい調子、いい調子。胚軸から根が伸びてから、種が二つに割れて本葉が一斉に出る。種を蒔いて発芽がそろうと実に嬉しくなる……。……はずだったが、一週間経っても種が割れない。ここしばらく肌寒くて、平年気温より1℃ほど低い。そのために地温が上がらず、根が成長していないのだ。厄介なことになった。出来るだけ水やりはしたくなかったが、土がカラカラに乾いているので、少し湿らせないといけない。やむを得ず、指で土をちょいちょいと取って豆を露出させ、蒸れないようにして水をかけるしかない。それで一気に発芽してくれればよいが、落花生は、水分が多すぎると発芽を止めてしまうことがある。さあ、どうしよう?雨の日が多く、気温の変化が大きいた...畑157/勝負や!
見ているだけで腹が立ってくるので、エンドウを早々に撤去した。いつもならネットごと刈り取って、新しいネットに張り替える。しかし、カラスが枝をボキボキにして、まったく成長していないので、エンドウをネットから取り外して、ネットは再利用することにした。すっきりとした畑を見て、気持ちもすっきり。それに、今日は、カラスもどこかへ行ったのか、やけに少ない。なんとも気ままなカラスだと思っていると、隣の畑の方から、周波数の合っていないラジオのような音がする。なるほど、うちと同じように枝をボキボキにやられたので、カラス除けの超音波機かなにかを買ったのに違いない。どんなものかと、帰り際に見に行くと、ラジオのようなではなく、ラジオだった。わざと周波数をはずして鳴らしていたのだ。砂嵐の音の間にピーとかヒューとかの音が交じる。住宅地...畑156/音
負けた。カラスにエンドウを襲われて、防鳥糸を張ったが全く効果がない。カラスではなくハトだと思って、黒マルチの幟を立てて百姓一揆を起こした。しかし、効果があったのは最初だけで、ニ、三日するとエンドウの上に下りて、枝をボキボキにされた。近くの畑も同様の被害にあっていると言う。仲間と話をしているうちに、やはりカラスの仕業だという結論になった。カラスの脳の重さは鳥類の中でもずば抜けて重く、人間の7歳程度の知能があるという。人間の顔や服装も識別できる。近くの農小屋の屋根にカラスが留まっているのを見て、「あいつら何を考えとんやろか」と人間は思う。しかし、奴らは、じーっとこっちを見て、逆に人間を観察しているのだ。「このオジン、いつ帰るねん!帰ったらエンドウを喰いにいったるのに!」なんとも小癪な奴だ。そうこうしているうち...畑155/カラスの勝手
連休中に農水路の共同清掃(井路掘り)があった。昔は、田植えや害虫防除、稲刈りや脱穀など、仲間と共同ですることがたくさんあった。村のほとんどが専業百姓だから、仲間意識、ムラ意識があって運命共同体が形成されていた。今はもう、職業がてんでばらばらになって、井路掘りだけが残っているだけだ。利害が一致していれば運命共同体が形成されるが、利害がばらばらになっているのが現状だから、少しずつ井路掘りの参加者も減っていくだろう。井路掘りが終わると水の準備は完了、田植えが始まる。畑の周りもあっという間に水田に変わった。これでしばらくは水の心配をせずに済む。さあ、落花生の種を蒔くとするか。今年は、里芋の出荷をやめて、落花生が唯一の現金収入。いわば、命の落花生だ。ビニールポットに一粒ずつ蒔く。まずは100株蒔いて、あとの50株は...畑154/落花生
山々に立ち込めた薄絹の朝霞が少しずつ晴れ渡る。星の雫かと思うような露が草葉の上で朝陽に光る。ここちよい風が胸を撫でると、露の玉が地に落ちて、鈴々と楽の音を奏でて土に入っていく。なんともすがすがしい皐月の朝。名も知らぬ野の草が風に揺れる。現役時代は、五月の連休中も働いていた。こんな爽やかな季節こそ、畑でのんびりと野良仕事がしたい。それが理由で、定年前に仕事を辞めた。どうせ70歳くらいまでしか生きないのだから、年金なんて早くもらう方がいい。なんとも我がままだが、正解だったと思う。蜜柑の花が満開。ほんのりとジャスミンのような甘美な香りがただよってくる。16aある土地の3aほどで畑をしていたが、リタイアする前の年から畑を倍の6aにした。残りは業者に委託して稲作をしてもらっている。仕事を辞める時に、業者の社長に「米...畑153/立夏
今年、チャレンジする野菜は、岡山の友人からもらってきた山わさび。清流で栽培される「わさび(本わさび)」は、日本独特の食材だから英語でも「Wasabi」。畑で栽培される「山わさび(西洋わさび)」は、フィンランド原産で英語名は「Horseradish」。粉わさびやチューブのわさびは、ほとんど山わさびからつくられている。山わさびは本わさびより1.5倍も辛い。本わさびのような辛さの中に甘味はないが、舌がしびれるような刺激的な辛さが好みの人にはむいている。寒さには強いので鉢植えにして外に置いていたら、春になって虫食いだらけ。見るとアオムシがいっぱいついている。調べると、キャベツや白菜と同じアブラナ科だった。手で捕殺して、根を大きくするために露地植えにする。もう一つのチャレンジは「おくら」。なんとも日本語らしい名前だ...畑152/ひ弱に
今日は「夏も近づく八十八夜♪」。よくご存じの唱歌『茶つみ』だが、よくご存じでない二番の歌詞。♪日和つづきの今日此の頃を心のどかに摘みつつ歌ふ摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ摘まにゃ日本の茶にならぬ♪末広がりの八が二つ重なる八十八夜に摘んだお茶は、不老長寿の縁起物として好まれる。縁起のいいのはお茶だけではない。「八」「十」「八」の3つの字を組み合わせると「米」という字になるため、百姓にとっても大切な日だった。この頃から田植えが、ぼちぼち始まる。そのために、農水路をきれいにして、川の水を流す準備をする。全国的に農水路を井手というようだが、我が村では井路(いじ)とよび、村中から人が集まり井路を掃除するのを「井路掘り」とよんでいる。今はコンクリートで固められているが、昔は、文字通りに井路を掘っていたのだ。今日は、その...畑151/88
ブドウがつぼみを着けだした。花が咲くのは中旬頃。それまでに、枝の先っぽのつぼみは摘んで、枝元のつぼみ一つ残す。咲きだした頃に、ジベレリンという植物ホルモン液に漬けると種無しブドウになる。孫に食べさせてやろうと、去年、初めてジベレリンに漬けた。みごと種無しになった。しかし、実も無くなった。花がすべて枯れてしまったのだ。だいたい、野菜や果物には種ができるものだ。それを無理やり薬で種を無くすのは、自然の摂理から外れるし、神への冒涜だ。ブドウたけでなく、種無しピーマンやスイカとかも出だしたが、野菜や果物は種があるから美味しい。種の有るブドウなんて、スーパーでは売っていない貴重品なのだ。だから、今年はジベレリン処理をしない。種のある大人の味を楽しむ。河川敷で掘り上げて来たネヂモジが大きくなった(茶話135/野の花)...畑150/種のネタ
朝方に雨が降った。五月は半分の日が雨だった。日月曜の連休の間に、頑張って夏野菜の畝立てを終えて正解だった。雨上がりのうちに畑へ。昨日植えた赤シソは、水を吸って元気だ。それはそうと、ハトに襲われたエンドウを守るための「百姓一揆」の結末を確かめなければ……。うーん?手薄だった東西の端がやられた。スナップはもはや全滅状態。うーん?思案の末に黒ビニールの幟(のぼり)を増やした。30年ほどエンドウを作っているが、こんなの初めて……。黒いビニールが立ち並ぶ、情けない情景を呆然と眺める……。遠くの山々が白いベールに覆われだしている。こんな時は雨になる。泣きたいのは、こつちやがな……。……思っているうちにポツリポツリと降り出した。ビニールトンネルの中に慌てて入って、椅子に座ってぼんやり……。羅生門の下で、一人で雨やみを待...畑149/雲外蒼天
昨日、夏野菜の畝を立て終えて、今日はゆっくり8時に畑へ。相方の梅干し作りのために、畔際に生えた赤シソの植え付け。「こぼれ種」で生えたのだが、わざとこぼれ種にしたので「意図的こぼれ種」。種を買って植えると案外失敗する。こぼれ種は確実に芽が出る。スコップで掘りあげて、植える予定の畝へ。さて、植えようと目の前のエンドウを見ると様子がおかしい。昨日、株の下の方になっていた実を何者かに食べられた。おそらくカラスだろうと思って防鳥糸を張った。カラスは羽が何かに触れるのを極端に嫌がるので、糸が最も効果的だ。なのに?そばに行ってみると、やられた!ぼこぼこに!それも株の上に乗って枝を折って食べている。「おいおい、ちょっとだけなら共存共生してやってもええけど、枝を折ったらアカンやろ!殺生やがな!」なんでやねん?糸は、ちゃんと...畑148/一揆だ!
連休に入ったが何とも忙しい。朝の6時から老人会の墓掃除。「四月の6時からというのは早すぎるのとちゃうか!」と文句言いながら一時間ほど草抜き。終わると、そのまんま畑へ行って、三畝ほどの畝を立ててマルチを張る。10時前に家に帰る。二月の半ばから、知り合いの頼みで、ある薬草の苗を預かっていた。三月の中旬くらいまで頼むが、四月の上旬になり、それがやっと今日になった。桜が咲きだした頃から急激に成長した。大きくなりすぎて引き取りに来た車に乗せきれない。手土産にワッフルをもらったから、「ええよ、俺の車でも運んだるわ!」家に帰ると昼前。なにげなく家のガレージに置いていたが、実は一株千円近い貴重な薬草。それが大小200株ほど……。すっきりとしたガレージを見て、何となく寂しくなる……。カップラーメンを食べてから、競馬の天皇賞...畑147/連休
三日続けて夜に雨が降って畑に入れない。仕方ないのでビニールトンネルの中で苗の手入れやら種まき。電熱ヒーターで芽を出させたキュウリやスイカはまだ双葉で、外に出すのはかわいそうだから、今のうちに少し大きめのポットに植え替える。トマトとナスはかなり大きくなったので定植できなくはないが、畝の準備が出来ていない。彼らも大きめのポットに植え替えてやろうかと思ったが置き場所がない。鬱蒼と茂った絹さやの花が終わったので、あと一回収穫して撤去する時に植え替えるとするか。次はアスパラの種まき。一昨年まで畑の隅っこに植えていたが、古くなったので片づけてしまった。チンアナゴのようににょきっと頭をもたげる奴がいないと、なんとなく寂しいので種まき。発芽まで20~30日もかかるうえに、収穫できる株になるまで二年かかるというのんびり屋さ...畑146/癒やしの野菜
月、火に雨が降るパターンが続く。そこへ、金土あたりに雨が降ると、一週間たいしたことができない。4月はそれが続いて、半分は畑仕事ができない。家やビニールトンネルの中で、連休用の苗作り。かなり溜まってきて置き場がなくなってきた。苗の中にひとき可愛く咲くのはイワカラ草。30年ほど前に山野草に凝ったときがあって、その時に買った花。アルプス原産だが、30年も作っていると、もはや南河内産。地面に広がった葉から花茎が出て草の姿勢が、ハイジ―のようにけなげな花だ。だが、去年の暑さで枯れてしまって、一つ残った貴重な株。なんとか種を採取して、地植えにして、来年は一面に咲かすのが楽しみ。今日は、夜に雨が降ったので昼から畑へ。庭のツツジを挿し木して植えたのが咲きだした。畑も我が家のようなものだから彩ってやらなければ……。春になり...畑145/日々是好日