復活祭の卵の形のチョコレート割れば生まれぬ今日の私が香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 「復活祭の卵の形のチョコレート」とは、イースターエッグの形をしたチョコレートの
日本の伝統詩型である「短歌」。五七五七七の三十一音からなるこの詩型は実に魅力にあふれています。 短歌のある日々は実に豊かで、その魅力を広く発信したいです!
観覧車は二粒ずつの豆の莢春たかき陽に触れては透けり杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』 杉﨑恒夫の第二歌集『パン屋のパンセ』(2010年)に収められた一首です。 観覧車のゴンドラひとつひとつを「豆の莢」に喩えた歌ですが、その発想が独特で、遊具としての
自販機のタバコを取りにかがむときあはれそびらのさらすかずかず小笠原和幸『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載) 小笠原和幸の第三歌集『春秋雑記』(2000年)の改稿版『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載
平和へいわとは平和ピンフだ それは「基本」だが平和ピンフでできる役満は無い松木秀『RERA』 松木秀の第二歌集『RERA』(2010年)に収められた一首です。 麻雀の基本的な役「平和ピンフ」と、戦争や紛争がなく穏やかな状態を意味する「平和へ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈畳まれた【 ① 】はたぶん比喩でしょう頑張れないまま死ぬことだとかの〉 (九螺ささら) A. 帽子 B. タオル C. 浮き輪 D. テント 答えを表示する 解答 -
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈明滅をやめたひかりの【 ① 】揺れぬひかりはただの照明〉 (勺禰子) A. 飾らなさ B. 頼りなさ C. 他愛なさ D. 色気なさ 答えを表示する 解答 - Ans
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈疲れとは【 ① 】に似たりあつき湯につかりて今日の二つをはらふ〉 (小笠原和幸) A. 怒り B. 穢れ C. 病ひ D. 借入れ 答えを表示する 解答 - Answ
「わたしそこはこだはつてないから」と言ふときのこだはりをこそ恐怖と思へ勺禰子『月に射されたままのからだで』 勺禰子しゃくねこの第一歌集『月に射されたままのからだで』(2017年)に収められた一首です。 "こだわる"というとき、いい意味で使わ
ガーナチョコひと区画ずつ折りながら桜の下に月の出を待つ笹本碧『ここはたしかに 完全版』 笹本碧の遺歌集『ここはたしかに 完全版』(2020年)に収められた一首です。 「ガーナチョコ」とは、ロッテのガーナミルクチョコレートを指しているでしょう
問題 - Question 2024年度は、坂井修一「鷗外守」と山田富士郎「UFO」のダブル受賞となった、2024年で第60回を迎える短歌賞は何? A. 短歌研究賞 B. 迢空賞 C. 若山牧水賞 D. 現代歌人協会賞 答えを表示す
風景のやうに己れの一生をながめてはならぬとかくは思へど小笠原和幸『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載) 小笠原和幸の第三歌集『春秋雑記』(2000年)の改稿版『定本 春秋雑記』(セレクション歌人『小笠原和幸集』掲載)(2
竹やぶなれば成人誌などは棄ててあり目に沁みて裸体の下着くれなゐ川本浩美『起伏と遠景』 川本浩美の第一歌集『起伏と遠景』(2013年)に収められた一首です。 「竹やぶ」の緑に対して、「下着くれなゐ」の赤が対照的に映ります。 情報化社会の今、遊
吾のごとき沙よりちさきいきものも空白感は鯨のみこむ渡辺松男『雨る』 渡辺松男の第九歌集『雨ふる』(2016年)に収められた一首です。 ここで登場するのは「沙よりちさきいきもの」と「鯨」です。 「沙よりちさきいきもの」とは何でしょうか。「鯨」
畑道のトマトの膚はだは日を浴びてみどりと赤のまじり合うころ吉川宏志『鳥の見しもの』 吉川宏志の第七歌集『鳥の見しもの』(2016年)に収められた一首です。 畑道はたみちとは、畑の間を通っている道、または畑の傍を通っている道を指す言葉です。
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復活祭の卵の形のチョコレート割れば生まれぬ今日の私が香川ヒサ『ヤマト・アライバル』 香川ヒサの第八歌集『ヤマト・アライバル』(2015年)に収められた一首です。 「復活祭の卵の形のチョコレート」とは、イースターエッグの形をしたチョコレートの
緑より朱あけへと実りゆく柿のおもてに錆のいろは浮きそむ大辻隆弘『汀暮抄』 大辻隆弘の第七歌集『汀暮抄』(2012年)に収められた一首です。 柿の実が緑色からきれいな朱色へと移行していく長い時間経過を詠っています。 主体は、柿の実の色の移り変
ポータブル将棋で昼を賭けながら土曜出社に慣れていきなよ小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』 小俵鱚太の第一歌集『レテ/移動祝祭日』(2024年)に収められた一首です。 最近はスマホでも将棋ゲームができるため、外で実際の将棋盤を囲むという機会は、以前
耳朶みみたぶをさわられているただじっとこの子が眠るまでの生いけ贄にえ山添聖子・山添葵・山添聡介『じゃんけんできめる』 山添聖子・山添葵・山添聡介の第一歌集『じゃんけんできめる』(2022年)に収められた一首です。 母と2人の子の合わせて3人
夕雲のひびき寄るとき垂直にして一切の窓は耐えをり小池光『バルサの翼』 小池光の第一歌集『バルサの翼』(1978年)に収められた一首です。 何かただならぬ予感を湛えているように感じます。 まず朝の雲ではなく夕雲という時点で、何かしら退廃や凋落
かがやける花、花、花、野、黄金の家への道は無数にひとつ早坂類『黄金の虎ゴールデン・タイガー』 早坂類の歌集『黄金の虎ゴールデン・タイガー』(2009年)に収められた一首です。 「黄金の家」を文字通り受け取れば、金色に輝く高価な家のようなイメ
先輩の家で麻雀した朝のだるい四人はロの字にねむる小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』 小俵鱚太の第一歌集『レテ/移動祝祭日』(2024年)に収められた一首です。 昔は麻雀と聞くとどちらかというと薄暗いイメージをもっていましたが、2018年7月からは
人あまた乗り合ふ夕べのエレヴェーター桝目の中の鬱の字ほどに香川ヒサ『テクネー』 (『香川ヒサ作品集』より) 香川ヒサの第一歌集『テクネー』(1990年)に収められた一首です。 エレベーターの箱の内部は限られた空間であるため、積載可能重量や可
エレベーターの人数が奇数になって空に向かっていく晴れた日の朝フラワーしげる『ビットとデシベル』 フラワーしげるの第一歌集『ビットとデシベル』(2015年)に収められた一首です。 何気ない日常の場面を切り取った歌ですが、何となく不思議な感じの
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】してわずかに世界とずれている奥歯で貝の砂を噛みたり〉 (駒田晶子) A. くしゃみ B. あくび C. げっぷ D. からぜき 答えを表示する 解答 - A
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】してわずかに世界とずれている奥歯で貝の砂を噛みたり〉 (駒田晶子) A. くしゃみ B. あくび C. げっぷ D. からぜき 答えを表示する 解答 - A
ひとりなり。一夏の読点として階段にひいやりと座れば駒田晶子『銀河の水』 駒田晶子の第一歌集『銀河の水』(2008年)に収められた一首です。 「ひとり」を最も感じるときは、どんなときでしょうか。 掲出歌は初句でいきなり「ひとりなり。」と句点で
きみをなす無数の問いに眼をこらす素足にたまごのからふみしめて柳澤美晴『一匙の海』 柳澤美晴の第一歌集『一匙の海』(2011年)に収められた一首です。 「きみをなす無数の問いに眼をこらす」とは、中々意味が取りづらいところはありますが、「きみ」
ほのぐらき水族館に浮かびゐる無数の貌のなかのわが貌小島ゆかり『憂春』 小島ゆかりの第七歌集『憂春』(2005年)に収められた一首です。 普段生活している中で、自分の顔を見つめる時間は一体どれくらいあるでしょうか。 朝起きて洗面台の鏡で見る、
海上にかろき頭痛を運びつつ無数の波の襞を見下ろす大辻隆弘『汀暮抄』 大辻隆弘の第七歌集『汀暮抄』(2012年)に収められた一首です。 船に乗っている場面でしょうか。 かすかに頭痛がするのは、船に乗っているからでしょうか、それとも船とは直接関
ちょっと良いポン酢を買えば良い帰路で春の宵など俯瞰しながら小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』 小俵鱚太の第一歌集『レテ/移動祝祭日』(2024年)に収められた一首です。 季節は春。休みの日に外出した帰りでしょうか、それとも仕事帰りでしょうか。 陽
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈ほそながい【 ① 】だと渡されるわずかに湿る線香花火〉 (小俵鱚太) A. 栞紐 B. 常備薬 C. 熱帯魚 D. 未来予想図 答えを表示する 解答 - Answer
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈【 ① 】のご褒美としていいだらう大人は毎日電車に乗れる〉 (山木礼子) A. 昇進 B. 深考 C. 早起き D. 長生き 答えを表示する 解答 - Answer
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈いつせいに【 ① 】ひらかれて風ふく朝の野をおもひたり〉 (大辻隆弘) A. 解答用紙 B. 回転扉 C. 千羽折鶴 D. 白色織布 答えを表示する 解答 - Ans
したいことたくさんあるけどわたしって「したいね」「したいね」でいいみたい伊藤紺『気がする朝』 伊藤紺の第三歌集『気がする朝』(2023年)に収められた一首です。 "死ぬまでにやりたいことリスト100"みたいなものをつくるとよいといった話もよ
散らかしたまま書いている人生に誤字も脱字もそのままにある小川佳世子『水が見ていた』 小川佳世子の第一歌集『水が見ていた』(2007年)に収められた一首です。 日記でしょうか、それとも依頼を受けた原稿の下書きなどでしょうか。 「散らかしたまま
迷いたるわれの耳へと風の吹く正しいことを選ぶのではない江戸雪『駒鳥ロビン』 江戸雪の第四歌集『駒鳥ロビン』(2009年)に収められた一首です。 生きているとさまざまな悩みや迷いがあります。 その度にすっと答えが出ればいいのですが、簡単には解
あてもなく歩く二人に観覧車 一度も乗らなかった観覧車岡本真帆『水上バス浅草行き』 岡本真帆の第一歌集『水上バス浅草行き』(2022年)に収められた一首です。 遊園地でしょうか、あるいは大きな観覧車があるハイウェイオアシスや、街中の人気スポッ
頂上で乗って頂上で降りるならいいよふたりきりの観覧車鈴木晴香『心がめあて』 鈴木晴香の第二歌集『心がめあて』(2021年)に収められた一首です。 通常、観覧車は一番低い位置に乗り場が設けられており、そこから乗って、またその一番低い位置で降り
長生きができたらいいな ひまわりの黄は漆黒しつこくにあんがい似てるね早坂類『風の吹く日にベランダにいる』 早坂類の第一歌集『風の吹く日にベランダにいる』(1993年)に収められた一首です。 人は何歳くらい生きれば「長生き」といえるのでしょう
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈座っても立っても春で【 ① 】のような卵焼き巻く〉 (江戸雪) A. 大男の手首 B. 赤鬼の眉毛 C. 怪物の踝くるぶし D. 妖怪の喉のみど 答えを表示する 解答
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日ひとひ我には一生ひとよ栗木京子『水惑星』 栗木京子の第一歌集『水惑星』(1984年)に収められた一首です。 観覧車と恋といえば、この一首といってもいいほどの代表歌です。 まず主体の位置を確認しておきたいと思
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈プリントの花柄模様にうずもれて【 ① 】になりたい真昼〉 (早坂類) A. 綺麗な蝶 B. 静かな露 C. 些細な風 D. 邪悪な虫 答えを表示する 解答 - Ans
白き霧ながるる夜の草の園に自転車はほそきつばさ濡れたり高野公彦『汽水の光』 高野公彦の第一歌集『汽水の光』(1976年)に収められた一首です。 時間帯は夜、場所は公園かどこかでしょうか。公園といっても区画整備されたきれいな公園ではなく、「草
勝ち負けを決めないことも負けかもと思う あなたの下着を吊るす岡崎裕美子『わたくしが樹木であれば』 岡崎裕美子の第二歌集『わたくしが樹木であれば』(2017年)に収められた一首です。 "勝つことはいいことだ"、"負けるよりも勝ちなさい"。 そ
問題 - Question 次の歌の【 ① 】に入る言葉は何? 〈月末の終業時間のオフィスに【 ① 】のような拍手が上がる〉 (ユキノ進) A. 小雨 B. 花火 C. ノイズ D. 寝息 答えを表示する 解答 - Answer
三十分ゴルフの話ばかりして三十分減るおれの人生ユキノ進『冒険者たち』 ユキノ進の第一歌集『冒険者たち』(2018年)に収められた一首です。 人生は有限です。「三十分」を何に使うかは各人の自由ですが、その三十分が自分にとって有意義な時間なのか
おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃって生きてたらはちゃめちゃに光ってる夏の海青松輝『4』 青松輝あきらの第一歌集『4』(2023年)に収められた一首です。 "あなたはどのように生きていますか? あなたの生き方をオノマトペで30文字以内で表
チョコレートはとけるとき悲鳴あげるから警察にだってとどけていい我妻俊樹『カメラは光ることをやめて触った』 我妻俊樹の第一歌集『カメラは光ることをやめて触った』(2023年)に収められた一首です。 正直、この歌をどのように読んでいいのか、なか
チョコレートアイスを落とした跡がある頁とばして次の章まで安田茜『結晶質』 安田茜の第一歌集『結晶質』(2023年)に収められた一首です。 本を読んでいる場面でしょう。 この本は、自分の本でしょうか、それとも誰かから借りた本でしょうか、図書館
ストローをせり上がりくるコーヒーの見えざる黒きストローなれば染野太朗『初恋』 染野太朗の第三歌集『初恋』(2023年)に収められた一首です。 ストローを使って飲んでいるところから想像すると、アイスコーヒーでしょうか。 ストローは白ではなく黒
生くるとは慣れぬことがらに出会ふこと熟こなしていくこと羊雲みあぐ秋山佐和子『豊旗雲』 秋山佐和子の第八歌集『豊旗雲』(2020年)に収められた一首です。 生きるということのある定義が示された歌で、この歌では二つが並列されています。 ひとつは
もう若くないと思えど死には若き齢よわいを生きて朝鵙あさもずに遇う吉川宏志『鳥の見しもの』 吉川宏志の第七歌集『鳥の見しもの』(2016年)に収められた一首です。 人はいつまでを若いと思い、いつからを若くないと感じるのでしょうか。 掲出歌は「
ノー・ウンチ、ノー・ライフ、ああ、この先の百年をウンチせよかし、おまへ大松達知『ゆりかごのうた』 大松達知の第四歌集『ゆりかごのうた』(2014年)に収められた一首です。 「おまへ」とは自分の子どものことを指しており、この歌が収められた一連