吊り橋のワイヤーが刻む夕焼け み
そっちへ行けば嵐山。二月果つ み
紅梅は遅咲きか、今朝の雨雲 み
衿(えり)もとの釦(ぼたん)を留める春の風 み
春の夜やそれを粗大ゴミで出すか み
梅が咲き山全体が低くなる み
餡入りの草餅は焼き網の痕 み
風の丘を登れば焼野(やけの)の匂い み
大根の半分なら『しっぽ』を買う み
子犬よ子犬 グルグルと 遅き春 み
寝返れば寒の戻りを握りしめ み
芍薬(しゃくやく)の浴衣も湯ざめして嚏(くしゃみ) み
新刊がざらついている春の塵(はるのちり) み
継母の不機嫌にして布団干す み
好きなネタは鳥貝と言うは難し み
非難をものともせず毛皮で歩く み
いづれの蕾(つぼみ)もいずれは開(ひら)く、春 み
完璧な舗装道路だが薄氷(うすらい) み
堅雪の二の丸通りを自転車 み
春寒き東京は敗者らの宿 み
春浅し年(ねん)に数回父を見る み
むささびは飛ぶか落ちるか暗き森 み
造花と判る造花の埃に咳く み
ノンアルコールでも飲めば寒明ける み
ゴジラの吐息にダイヤモンドダスト み
イタイ!何それ? 静電気の実験 が
「諏訪は寒い」と昔の恋人から み
「止(や)めろ!」 「そっちこそ止(や)めろよ!」 鬼は外 み
宇治に来て雪時雨(ゆきしぐれ)なら喫茶店 み
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吊り橋のワイヤーが刻む夕焼け み
街灯が点(つ)くをためらう夏夕べ み
夏富士に その軽装? そうなんです み
居酒屋でウミガメのタマゴを食べた み
「扉を閉めて」と鳴くのか冷蔵庫 み
夏布団を蹴り上げ、くるっと回す み
ただ、氷河時代の終わりが来ている み
グローブのクリームパンの雲の峰 み
船乗りの歌は夏風、重い明日 み
ハイビスカスの庭にジープを停める み
水牛の背が臭う、ブーゲンビリア み
夏の雨にテールランプの点描 み
ハンゲショウの花が「ここよ」と誘惑 み
解剖医もカーボーイも玉の汗 み
蝸牛(かたつむり)は平和になっては困る み
蛙が鳴いている夢。ここはどこだ み
新橋のこの位置は弱冷房車 み
籐枕(とうまくら)に鋏まれて抜けた白髪 み
仏法僧(ぶっぽうそう)と鳴くは木葉木菟(このはづく)なり み
クリーム色の電車で菖蒲園へ み
三角のスイカにおまじないの塩 み
隣席の扇子、汗の臭いを撒く み
百日紅(さるすべり)は庭箒(にわぼうき)もピンク色 み
夏負けに鏡は「どちらさま?」と問う み
湯畑の煙が竦(すく)む炎天下 み
フェラーリもオーバーヒート気味に灼く み
野外授業に固執し熱中症 み
強引に雨の季節に七夕よ み
日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)が欲しい小暑 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
鮎釣りの前泊の夜半(よわ)、雨催い み
雨傘よりも日傘が相合傘 み
「もう帰るわ」という目で団扇(うちわ)を置く み
黒百合よ市民らとリスクを語れ み
毒々しき色の蛙もケロケロ み
幕電(まくでん)か、暗雲が金塊と化す み
しゃぶしゃぶという食べ物があったよね み
バニラ、ラムレーズン、ミントチョコチップ み
氷雨ボソボソ、コンバーチブルの屋根 み
ラムネの栓がプラスチックの無粋 み