門井慶喜『銀河鉄道の父』 今日は読書の話題です。最近読んだ本2冊について。 1冊目は、門井慶喜の『銀河鉄道の父』。7年前の直木賞受賞作で、去年映画にもなった。映画を先に観るのは好きでないので、まだ観ていない。門井慶喜の作品を読むのは初めてだった。 この小説は、宮沢賢治の生涯を、その父政次郎の目を通して描いた作品だ。宮沢賢治といえば詩人、童話作家として異才を発揮した人物。私も子どもの頃に童話集を読み、学生時代に、文学部の演習の授業で、『春の修羅』の中の詩の解釈をやった記憶がある。その時の印象は、ローマ字や擬音、波形にうねった字下げなどを駆使した不思議な詩ということだった。こんな詩は「変な奴」にし…