小川洋子『海』 今日は読書の話題です。最近読んだ本3冊の感想。 1冊目は小川洋子の『海』。160ページほどの中に、掌編も含めた短編小説が7編収録されている。20年くらい前の短編集だ。 巻末に収録されている作者のインタビューがよかった。小川洋子という作家を理解する上で、なるほどと思われることが多かった。例えば小説を書くのは妄想にひたっているようなもので、長編は「長い妄想」で短編は「短い妄想」といったこと。また、求めている文体は「むかし誰かから聞いた話を読んでいるような錯覚を起こさせる文体」といったことなど。各作品の登場人物に関する作者自身のコメントもおもしろかった。それから、千野帽子さんの解説も…