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弌矢
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2020/09/14

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  • 陸影を浮かべ

    対岸に浮かぶ陸影をながめていた。あの向こうには光彩陸離な繁華街があって、この刻限、彼女は誰かとすごしているに違いない。 この夜を誰かとたゆたう彼女、そうかんがえるだけで胸が苦しくなる。一日何も食べていない。 失恋と呼べるだろうか。告白もしていない。気持ちがつたわっているかさえ定かでない。よもや、これが本物の恋といえるのかすら定かでない。いまさらそんな。 定かなのは、彼女のアカウントがこの手にひかっていること、そしてそれを過剰に意識していること、消して忘れることは不可能だ。彼女のアカウントは彼女の名前だった。 記憶が憔悴に鞭を打つ。恋だろうが同僚だろうが知ったことじゃねえ、と身を

  • 原体験、公衆電話

    スモッグに瞬く星月のもと、住宅地の角の三角公園、その入口にともる電話ボックス、週末のあかり 右手にはテレフォンカード、左手のなかの錠剤デパス、その従姉妹はサイレース、憂いの係り 通話の際には飲み干している、急激な害はno problem、だとしても電話掛けて人に依存、その果てには願掛ける神に依存、か 受話器を片手に立ち尽くす、具合の加減に酔い痴れる、打ち捨てられたようなボックスのなかのこと、暮れ果てた空にはなお星月が いまだ作用しているドラッグの酔い、まるで周波数あうトラックのよう、鉄骨のジャングルジム、てっぺんでジャンケンした記憶 テレフォンカードをテレカと呼んでいた、

  • 移動のジャンクション

    首都高速都心環状線、こじあける炭酸水の栓、ジャンクションを進めば目的は果たせると、ちゃんとした推進は目的を果たすのだと、安心に乾杯するボトル、湾曲に気泡が昇る、星の数、時は昼 携帯のことさえ忘れる不可思議な恋人たち、倦怠期なんてとうそぶく二人の道、渋滞知らずの対話の流れ、停滞しているカーブの外れ、操作をするそなえつけの円盤、交差しては錯綜する電波 抑揚のないラジオの乱れた交通情報、北米のナイアガラを思わせるホワイトノイズ、Vaporwave流す車内は進むのもルーズ、ペアルック着流すのは二人のルール、むつまじく、道を行く ハンドルは代わるがわる担当、スピードはオービスの影響、降りる

  • 信じない

    右翼を信じない。 左翼を信じない。 資本主義を信じない。 共産主義を信じない。 本居宣長を信じない。 小林秀雄を信じない。 吉本隆明を信じない。 柄谷行人を信じない。 過去を尊敬せずに未来をリスペクトしようとする人を信じない。 文学を信じない。 ジミ・ヘンドリックスを信じない。 ジョン・レノンを信じない。 THA BLUE HERBを信じない。 ケンドリック・ラマーを信じない。 マイルス・デイビスを信じない。 地震を信じない。 ドラッグを信じない。 神を信じない。 信じない。 信じられない。 信じないを信じない。

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