向田邦子は、やさしくて、よく気がついて それでいてシンの強い、昔、沢山いた日本の女 良妻賢母、阿弥陀如来、調教師のような女を描いた 他方で「破壊の神」としての女も描いていた 喪服を着てみたいとウズウズする女 自分に近い人の葬儀に髪を完璧にセットして椅子に座る女を捉えて 「女とは何と度しがたい業を持っているのだろうと思った」と記した エッセイ「隣の神様」 美貌の妻に一生嫉妬で苦しんだ父親の二の舞になりたくなくて 地味な女を妻にしたものの 結局、妻と若先生との関係に嫉妬し苦悩するオレを描いた 短編小説「はめ殺し窓」 「女は阿修羅だよ、外っ側は、仁義礼智信を標榜してるんだが、気が強くて、ひとの悪口を…