水色の日傘--47
皆ゾロゾロとかき氷の売り場の周りに集まってきた。私は篠田の近くに歩み寄りママさんにコックリと頭を下げた。ママさんは、きょうもやはり大人しい女の子に寄り添うように植え込みの縁に座っていた。 「聞いてるよ、二人で色々やってくれたんやね、ようけ集まってくれておおきに」 私は篠田の顔を横目でちろっと見た。言わぬでも良いのにママさんに手柄話をしたようだ。篠田はえっへっへと頭を掻いた。 女子たちの中にはとっくに食べている者や既に食べ終わった者も居る気配だった。 私は篠田に小声で訊いた。 「いくつ売れたんや」 「五つくらいやな」 しかし氷はまだたっぷりある。これが溶けぬうちに売ってしまわねば。 篠田はここと…
2023/07/04 01:48