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2021/10/09

1件〜100件

  • 転校生つくしちゃん10

      ※1話目の注意書をよくお読みください。  帰り際。つくしを送る時も、俺も一緒に車に乗り込んだ。運転手だろうが、男なんだ。つくしと二人きりになんてさせられねー。 車に乗っても、ニコニコと話しているこいつ。「大きい車やなぁ。」「ピカピカやん。」 それなのに、数分もしねーのに急に静かになった。俺の部屋で2時間も寝たっつーのに、つくしは気持ちよさそうな顔をして寝ていた。 どれだけ寝るんだ?車から伝わる小さな揺れに合わすかのように、つくしは体を揺らす。俺は、そんなつくしの頭を、自分の肩にもたれさせた。 しばらくすると、完全に寝入っているつくしは─────。俺の肩から胸に、そして、そのまま俺の大腿までズレてきた。つくしの真っ白い肩が、俺の目を刺激する。 目に毒だ。なんて思いながらも、俺はこいつの肩から目が離せなか...転校生つくしちゃん10

  • まやかし婚185

      ~西田side~皆様、覚えていらっしゃいますでしょうか?私が粗大ごみを引き上げた時です。正確に申し上げますと、日本に帰国した翌朝だというのに、私は司様に呼び出されました。(詳しくは7~8話をお読みください。あの当時の司様が、人としても上司としてもクズだったのかがよくわかります。) あの時の話をすると、司様は珍しく反省されたように見えました。これが演技なのか、はたまた、クルクル上司の作戦なのか?間違いなく司様は単純なので、少しは反省したはずです。 ですが…。『恋人たちの貴重な時間を潰した罰です。司様の脱童貞の邪魔をすることが出来て、西田としましては最高に幸せです。いやー。まさか、脱童貞は昨日に済ませているとばかり思っていたので…。今日はタイミングを見計らって、司様のイきそびれを狙ったつもりだったのですが...まやかし婚185

  • コメント返信 まやかし婚

      まやかし婚184へのコメント返信はるとも様毎朝の楽しみにして下さっているのですね。ありがとうございます。でも、まだまだ十分な復活ではなんです。すみません。なんとか更新ストップしないように頑張りますね。コメントをありがとうございました。  まやかし婚184話へのコメント返信春の嵐様西田さん『い.け.ず』でしたか(笑)司くんより経験はあるだろうから、仕返しとしてはこの辺りかな~なんて思ったのですが…。西田さんのイメージ、大切にしないといけないですね。コメントをありがとうございました。  まやかし婚182話へのコメント返信きな粉様お邪魔虫(笑)は、誰でしょうか?隔日なので、誰なのかは少し待っていただかないといけないので申し訳ないのですが、24日のお楽しみにしていてくださいね。コメントをありがとうございました...コメント返信まやかし婚

  • 転校生つくしちゃん9

      「しかも、発音ぜんぜんちゃうしな。」キスの後だっつーのに、関西弁には厳しいこいつ。 そして、文句を言いながら、俺の胸を押してくる。「名前で呼んだら、離してくれる言うたのに…。もう、離して。」 そんな力じゃ、ビクともしねーよ。 「離さねぇ。」俺の言葉に、 つくしは困った顔をしながら─────。上目使いで俺を見上げてきたんだ。 !!!うぉっ。お前、今、俺の胸の中にいるんだぞ!そんな可愛い顔で見上げてきたら、ムチャクチャにしたくなるじゃねーかっ! そして、言ってきたんだ。「うち、ほんま恥ずかしいねん。離してよぉ。道明寺は、いけずや。」 こいつの上目使いに『離してよぉ』に『いけずや』だぞ!!牧野のあまりの可愛らしさに、俺の腕は一瞬緩んでしまった。  あの後、直ぐにプールから出た俺たち。こいつの可愛らしさに、俺...転校生つくしちゃん9

  • コメント返信 転校生つくしちゃん

      転校生つくしちゃん8話へのコメント返信ボルドー様関西弁のつくしちゃん、可愛いですか?関東の方には受け入れてもらいにくい作品だろうと思っていたので、このようなコメントを頂いて嬉しいです。そして、まやかし婚の西田さん(笑)本当に性格悪いですよね。口も悪いし…。でも、こんな人間味溢れた西田さんを書くことが、私は一番楽しいです。あとですね、Rですね…。これはネタバレになってはいけないので、またいつか書きますね。楽しいコメントをありがとうございました。  転校生つくしちゃん4へのコメント返信springstom様うわ~、気付いていただきありがとうございます。そうなんです。今回、アップするにあたり修正していたら司くんの気持ちが少ないな…なんて思いまして色々と書き足しております。そのことで、二度美味しく楽しんでもら...コメント返信転校生つくしちゃん

  • まやかし婚184

      やっと脱童貞っつー時に、なんで邪魔が入るんだよっ!しかも、シンガポールに出張ってなんだよっ!! 「行ってくる。」。不機嫌全開の俺の声に、つくしが顔を曇らせた。 つくしが悪いんじゃねー。こんなヘビの生コロガシなんてねーだろっ!! そんな態度の俺を気にしながらも、つくしは外を確認した。西田が先に行ったことを気にしてるのか?あいつのことなんて心配いらねー。寒い中、いつまでも俺を待ってろっつーんだ。 つくしは、俺を見上げ言ってきた。「行ってらっしゃい。気を付けてね。」 『あぁ。』って返事は出なかった。俺から出た言葉は、まさかの「おわっ。」だった。つくしが、ネクタイを思いっきり引っ張ってきたからだ。 思わず、前かがみになってしまう俺。この瞬間─────。俺の唇にやわらけーモノが触れた。 つくしからのキスっつーの...まやかし婚184

  • 転校生つくしちゃん8

      ※1話目の注意書きをよくお読みください。  「アカンって!そんなん水着なんてよう見せへん。はずいし無理。道明寺にだけは絶対無理。」牧野は必死になって言ってきた。 はずいのも、無理っつーのもマダわかる。俺にだけは絶対無理っつーのは、どういうことだっ! 『なんで俺だけは無理なんだんよ?』俺が聞こうとした瞬間─────。大きく息を吸い込んだ牧野が、プールの中へ潜りこんだ。 俺も直ぐに潜りこむ。潜りこんだ俺の姿を見た牧野は、焦ったように水中を泳ぎだした。 俺が牧野の細腰を捕え、水面に上がるまで時間は掛からなかった。水面に上がると、このプールで1番深い所─────。 当然、背の低いこいつは足が足りねー。牧野の浮き輪も、遠くで水面をユラユラと浮かんでいる。 俺から必死に逃げた牧野は、俺の胸に体を預け大きく酸素を求...転校生つくしちゃん8

  • まやかし婚183

      俺が初めて目にする─────。女の顔をしたつくしに、俺は何度もキスをした。 ぎこちないながらも応えてくれるつくしが、スゲー可愛い。キスを深めようって時に、リビングのインターホンが鳴り響いた。 俺たちの初めて(俺の脱童貞)が、いよいよ始まるって時に誰だよ!?無視だ。一切無視だ。 これからって時に、誰だよっ!邪魔すんじゃねー!!しらけるじゃねーかっ!!! つくしも気になるようで、視線は完全にリビングだ。この時、再び、インターホンが鳴り響いた。『ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン』 誰だよっ!!イライラしながら俺がモニターを確認すると─────。そこには、今までにも数回、インターホンを鳴らしたことがある唯一の男の姿が映っていた。 「なんだよ?」最大級の不機嫌な声を出してみる。 【お迎えに参りました。】こんな...まやかし婚183

  • 転校生つくしちゃん7

      怒りで体が震えだす。 そんな俺の耳に届いたのは、牧野の呑気な声。「やっぱし痒いわー。熱持ってるし。私、ちっこい頃から虫に弱くて、噛まれたら直ぐ、こんな風に腫れてくんねんよなー。」 あ"?こいつ、今なんつった?ちっこい虫に弱い? 俺は、一番重要なことを聞いてみた。「お前、類に噛まれたっつーたよな?」 「なんでやねんっ!類が噛むわけないやろ。類の部屋で、虫に噛まれれたんや。」こんなことを、俺をバカにしたかのように言ってくる牧野。 「虫は刺されるとか、食われるだろ?」「蜂は刺されるやけど、蚊は噛まれるやろ。」 牧野は、当然のように言ってきたが─────。紛らわしい事を言うんじゃねー!だから、俺が勘違いしたんだっ!! そうだよな。類が俺を裏切るわけねーよな。一瞬にして体の力が抜けていく。 俺は壁に寄りかかり、...転校生つくしちゃん7

  • まやかし婚182

      道明寺からプレゼントしてもらった星座の腕時計は…。まるで道明寺の腕時計のミニチュア。そして、文字盤のキラキラしているのはダイヤモンド。いつだったか「カッコいい時計だね。」って言った記憶がある。 だから、道明寺はいつもこの時計をしていたの?ププっ。道明寺って可愛らしすぎでしょ。自分の頬が緩んでくるのがわかる。 大切に使う。この時計は一生モノなはず。 「一生モノだね。ありがと。大切に使うね。でも、こんなに高いの…。気、使わせちゃったね。」私の言葉に、道明寺は首を傾げた。 そうだった。道明寺は私の腕時計が壊れたことを、知らなかったんだ。 「あんたってバカ力だよね。私の腕時計、握力だけで壊してしまうんだもん。時計屋のおじさんも驚いていたよ。」この私の話に、一瞬だけ道明寺の動きが止まった。 もしかして、自分じゃ...まやかし婚182

  • 転校生つくしちゃん6

      ※1話目の注意書をよくお読みください。  邸で牧野の到着を、エントランスホールでウロウロしながら待った。仕方ねーだろっ!気になって仕方ねーんだ。 俺が送るっつーのを断ってきたのも、どこに寄るのかも気になって仕方ねー。こうして俺が待っている間に、あいつが男に会いに寄っているかもしんねーなんて思うとイライラが最高潮になる。 イライラがマックスになって、エントランスホールでの俺のウロウロが高速ウロウロになりだした時─────。あきらと人妻。総二郎と、明らかに頭も股の締まりも悪そうな女がやって来た。 なんでどうでもいい奴らが来て、牧野が来ねーんだ?心配とイライラのループを何度か繰り返した後に、牧野がやっと邸に到着した。 私服の牧野、スゲー可愛い。残暑の厳しさからか、オフホワイトでノースリーブのマキシ丈ワンピー...転校生つくしちゃん6

  • まやかし婚 181

      英徳の客員教授の任命書。これを嬉しそうに見ているつくし。 こいつに振り向いてもらう為に…。俺は赤札を貼った方への謝罪と、教師になることを始めた。今から思うと、謝罪はして当然だ。教師になるのは、少しでもつくしに男として見てもらいたかったからだ。 が、これは西田によって却下される。「牧野さんの為に教師になりたいのですか?そんな不純な動機で、教師になってもらっては困ります。そもそも、その性格の司様が先生ですか?ご自分の学生時代を思い出して下さい。あれだけのことをしていて、先生になるのは無理かと…。反面教師になら、既になっておられます。」っつーのが西田の意見だった。 確かに、学生時代のことを考えると無理だ。あれだけのことをしていた中学や高校の教師になんてなれねー。学生時代の俺、なんてことしてたんだよっ!自分で...まやかし婚181

  • 転校生つくしちゃん5

      ※1話目の注意書をよくお読みください。  『むっちゃ好きな人』物音一つしねー世界で、牧野の声だけ俺の中で何度も繰り返す。お前のむっちゃ好きな奴って誰なんだよ。 「おっ!つくしの好きな奴?誰だよ?お兄さん達に言ってみなさい。」このあきらの声に─────。俺の中で止まっていた世界が動き出す。 牧野の好きな奴。一体どんな奴なんだ? 俺じゃねーのかよ?俺って言えよ。俺だって言ってくれ。 こんなことを願っていると、一瞬だけ。いや、一瞬以下だったかもしれねー。俺の願望かも知れねーけど、ほんの一瞬牧野と目線が合ったような気がした。 そんな俺の淡い期待も虚しく…。少し照れたような顔をした牧野は、その顔を隠すように俯き加減に言ってきたんだ。「いつかの話や!いつか、むっちゃ好きになった人とな。高校生とかじゃなくって、大人...転校生つくしちゃん5

  • まやかし婚 180

      デパ地下のケーキ売り場で思ったことを─────。私は、なんとなく恥ずかしい思いをしながら話した。いつも私のどうでもいい話なんて、追究なんてしないのに…。どうして、今夜に限って聞いてくるかなー? しかも、この話。私たちの間に、家族が増えることだよ。赤ちゃんが産まれることなんだよ。その行為をこれから初めてしますって時に、こんなこと言わされるなんて…。 恥ずかしいっ。『やる気満々!』とか『誘ってる。』なんて思われてないかな? やる気が無いわけでないけど…。だからといって、誘っているわけでもない。 正直…。私、耳にキュウリも、鼻にナスも無理―。そもそも、あんな大きいのが入るわけなんて無いじゃないっ!!絶対に、体、壊れるし裂ける。 それに…。道明寺の今までの女の人と比べられたりするのも嫌だな。あいつの歴代の女の...まやかし婚180

  • 転校生つくしちゃん4

      ※1話目の注意書をよくお読みください。 「デケーのがあるんだよな、これが。」こんな総二郎の声が、急に俺たちの後ろから聞こえた。 「司とつくしが見えたから、車から降りてきたんだ。」あきらが説明してっけど…。 俺と牧野が見えたっつーんなら!!気を利かせて、そのまま学校まで車で行けっつーんだ。邸のプールに誘う、タイミングを逃したじゃねーかっ! そんな俺の気持ちなんて全く気付いてねー牧野が、ニコって笑いながら挨拶をする。「総ちゃん、あきらくん、おはよー。」 「つくしが司にお願いしたら、邸の庭に流れるプールでもデケー滑り台付のプールでも直ぐに作ってくれるんじゃね?」こんなムチャクチャなことを言ってるあきら。 つくしは「そんなアホな。」なんて軽く交わしながら─────。 「冗談で聞いたのに、道明寺ん家ってホンマに...転校生つくしちゃん4

  • まやかし婚 179

      俺が欲しかった以上の言葉を、恥ずかしそうにつくしは言ってきた。 これ以上の我慢なんて無理だ。今直ぐ、つくしを寝室に連れ込むっ!ガタン!!俺は席を立った。 が、次の瞬間。俺の動きは、完全に止まった。俺の気付かねー間に(ベッドに連れ込むことばかり考えていたからか?)何故か、つくしが隣に来ていた。 そして、満面の笑みで言ってきたんだ。「ね、道明寺。ケーキ、食べよ。」 なんでこの流れでケーキになるんだ?絡まり合いながらベッドに移動だとか(お互い初心者だから無理か?)お姫様抱っこっつーのでベッドに移動するのがフツーだろ! 忌々しい気持ちで、テーブルに視線を落とすと─────。デザートプレートには、つくしの片手くれーの小さなホールケーキと、フォークが2つ。ナイフや、ホールケーキを分けて入れる皿がねー。 「ケーキ、...まやかし婚179

  • 転校生つくしちゃん3

      ※1話目の注意書をよくお読みください。 夏休みに入って数日─────。俺は、どうしたら牧野と会えるのかってことばかり考えていた。 やっぱデート…だよな。なんて言って誘ったらいいんだよっ! そもそも、なんで夏休みがあるんだよっ!それ自体が間違いだっ!! 俺は、らしくねーのもわかっていながら─────。スマホをタップしては戻すっつーことばかり繰り返していた。 そのタイミングで俺のスマホからコールが響き渡った。うぉっ!クソ忙しい時だっつーのに、誰だよ? こんなことを思いながら、スマホの画面を見てみると─────。うぉっ!!俺の心臓が跳ねあがる。 スマホの画面には間違いなく【牧野つくし】の文字。 どうしたらいいんだ?バクバクしながらも、直ぐに出ると待っていたみたいか?なんて思いながらも、俺はスマホをタップした...転校生つくしちゃん3

  • まやかし婚 178

      クソ西田から解放されたのは、意外に早く夕方だった。まだ仕事が残っているっつーのにも関わらず、解放になったのは─────。 「クリスマスですし。司様も、牧野さん…いや、つくし様が待っておられますよ。」っつー、ことらしい。 西田が『つくし様』呼びしても、今の俺には気にならねー。これが旦那の余裕っつーんだな! そんなことより!いよいよ、今夜だ!!俺の脱童貞っ!本当の旦那になるっ!!もうこれ以上、待てねーっつーんだよっ! 俺がリビングに入ると、つくしはふわって微笑んで「おかえりなさい。」って、迎えてくれた。 このつくしの微笑みがマズかった。この時点で─────。俺の『これ以上、待てねー。』が限界に達し『常時、戦闘態勢』になってしまった。 そんな大変な状態に全く気付かねーつくしは、いつもと同じようにメシを食べ始...まやかし婚178

  • まやかし婚 177

      少し前に道明寺から言われたことが、頭の中でグルグル回る。道明寺の名字で私が仕事をする。 私は、すごく困った顔をしていたのかもしれない。そんな私に、少しだけ困ったような顔をした道明寺は言ってきてくれた。「心配いらねーから。お前が困るようなことはしねー。」 いやいや、心配でしょ?心配いらねーことなんてないから。困るようなことって、困ることだらけじゃないの? 私が、こんな風に思っているのに─────。「俺が、心配いらねーっつーてるだろ。」キッパリ言った。 道明寺のことを、疑っているわけじゃない。でも…。私が納得して、道明寺姓を名乗るんならまだしも…。今の私は、まだそんな風には思えない。 一年って期限付きの契約結婚だったからなのかな?直ぐに『牧野つくし』に戻るって思い込んでいたし、仕事でもずっと『牧野』だった...まやかし婚177

  • まやかし婚 176

      ~西田side~でもですね…。私が、いくら司様の不幸を願っていたとしても─────。若い男女が一緒に住んでいるのです。司様にとっては、至福の時というのが何度かは訪れるのかと思っていました。 ですがっ!!一発もっ!失礼いたしました。これは、私のイメージではありませんね。全く何も無いことに、私は呆れてしまいました。 規則正しく、共同生活。これは、違いますね。清く正しく、共同生活。どこかの学生寮の理念かと思うような生活を、お二人はしていたのです。 信じられますか?お二人とも健全な20代ですよ。それなのに、まるで老夫婦のような生活。 司様は日々の欲求不満でイライラしだし─────。なんでも、自身の寝室のゴミ箱にすらゴミを入れられない生活を強いられていたようです。西田に八つ当たりする日が増えました。 でも、大丈...まやかし婚176

  • まやかし婚 175

      ~西田side~さて、昨日に引き続き本日も準主役であります西田の心のつぶやきをお楽しみ下さい。その前に、私自身の話を少しさせて頂きます。  私は司様とは違い、愛ある結婚をし幸せに過ごす予定でした。が、どうして、女というのは結婚前後であのように豹変してしまうのでしょうか?結婚式の日の可愛い妻は、今となれば夢。今の妻は別人のようになりました。 『おかえり。』と笑顔で出迎えてくれたのは、最初の数日だけ。今となれば『おかえり。』は、スマホ越しとなりました。なんでも、『(スマホをいじるのに)忙しい。』だそうです。 そうです。私の妻も皆様と同じように、二次の世界へ入ってしまったのです。原因は私ではありません。学生時代から大好きだったマンガの二次の存在を知ってしまったのです。そして、今となれば、妻にとって二次めぐり...まやかし婚175

  • まやかし婚 174

      ~西田side~司様と牧野さんの契約が始まった途端─────。西田sideの話が完全に止まっておりましたが、皆様、お元気でいらっしゃいますでしょうか?お久しぶりでございます。準主役の西田でございます!! 準主役!?と画面の向こうで思われた方っ!私は間違いなく、この話の準主役でございます。間違ってもモブではございません!!この話は、西田の存在あってこそ!なのです!! そして、『口の悪い西田』と思われた方!西田は口が悪いのではありません。性格が悪いわけでもなく、根性が悪いわけでもありません。司様のそのままのお姿を、素直に述べているだけです。 認めたくありませんが、私の上司(=ボンクラ)も少しだけ仕事が出来るようになってきました。ま、出来るようになったと言っても、マダマダ少しだけです。少しだけ出来るようにな...まやかし婚174

  • まやかし婚 173

      静かに屋上のドアが閉まった。天草主任に、何とも申し訳ないって思いでいっぱいになりながらも…。それよりも、今はこの道明寺との微妙な空気が気になる。チラって見上げて見ると、明らかにムスってした顔の道明寺。 そんな道明寺は、私と目が合うと矢継ぎ早に言ってきた。「勝手に男と二人になってんじゃねーよ。俺以外の男と二人きりになるなっ!しかも、お前が呼び出すんじゃねー!この淫売女。」 道明寺の言葉にムカついた私から出たのが…。「なんで淫売女まで言われないといけないのよっ!このクルクルバカっ!」これだった。 「誰がクルクルバカなんだ?」「やっぱりバカ。クルクルバカなんて、あんたしかいないでしょ。」 「俺はクルクルバカじゃねー!この淫乱め。」「あんた、変なんじゃない?何が淫乱よっ!私が天草主任と二人きりになったのは、す...まやかし婚173

  • まやかし婚 172

      クソから逃亡したところで、仕事は終わらねー。仕方ねー、仕事に戻るか。 俺が執務室に戻ろうとした時─────。屋上へ通じる階段を上がって行く天草の姿が見えた。 なんとなく嫌な予感がした俺は、ジャケットのポケットの中のスマホに手を伸ばした。が、そこには、スマホは入っていなかった。クソっ!執務室に置いてきてしまった。 俺は、天草の後を追うように屋上へ向かった。そっと、屋上への扉を開いた瞬間─────。 !!!俺の視界に飛び込んできた、牧野と天草の二人。牧野は今朝、俺が選んだ服を着たままだ。なんで屋上で二人きりで会ってんだ? 当然のように、天草が牧野の髪に手を伸ばした。牧野の髪に触るんじゃねー!あいつに触れていいのは俺だけだっ!こう判断した俺は、天草からの視線から牧野を守るように、胸の中に牧野を閉じ込めた。 ...まやかし婚172

  • まやかし婚 171

      鬼、いや鬼畜か?鬼畜っつーのも『鬼』があるな。俺は西田の新しい名前を考えながら、いつの間にか車内をウロウロしていた。 妖怪だとタマとかぶる。悪魔、怪物、悪党、性悪、曲者、へそ曲がり、根性悪…。西田にピッタリな言葉はっつーのは、スゲーたくさんあるんじゃね? ま、単純にクソにしておくか…。ババアと一緒っつーのも問題か?でも、あいつらはクソ同士だから調度いいのか? あのクソ、ありえねーだろ!俺と牧野の気持ちが通じたっつーのに、仕事ってなんなんだよ。 しかも!俺は一睡もしてねーから眠いんだよ。好きな女と─────。ようやく気持ちが通じた牧野と、一緒のベッドに入って寝るっつーのは、スゲー幸せなことだった。 ただ、これには大問題が生じたんだ。気持ちがいくら満たされてもだな…。俺の体の一点が、満たされなかったんだ。...まやかし婚171

  • コメント返信 あの夏の島後

      きな粉様そのようなコメントを頂戴すると安心します。とはいえ、過去の話ばかりで申し訳ない思いは消えません。出来るだけ早くまやかしや新しい話をアップしたいなと思っております。書きたい話は色々あるのですが、なにかとバタバタして時間が足りていません。なんとか、まやかしだけでも再開したいなと思っておりますので、もうしばらくお待ちくださいね。いつもコメントをありがとうございます。  コメント返信あの夏の島後

  • あの夏の島 後

      不動産のリストも膨大。あの島は?島、島っ!目を左右に動かし、冊子にしてくれている紙をめくり続ける。 !!!あった。これだ。この島だ。記憶にあるままの建物の写真が目に入った。 あの島の資料に目を通す。私が真剣になって島の不動産を見ていたからか─────。 執事先生が、声を掛けてきてくれた。「ご存知でしたか?その島から戻られた後に、この明時代の壺を、木端微塵にされました。イライラされていたんでしょうね。この頃は『道明寺財団法人文化財建造物保存技術班』は、『司様に八つ当たりされた物品修復班』という不名誉な名前で呼ばれていました。」 すみません…。胸が痛い。 「あの、そのっ。」なんて言ったらいいんだろ? 壺は元に戻りますか?南の島はどうなりますか?いや違う。私が知りたいことは、ただ一つ。 「あのっ。この南の島...あの夏の島後

  • あの夏の島 前

      私が大学4年生の夏休み。正式に道明寺の婚約者になった。 そして、この日。道明寺家の執事さんが、私のアパートまでわざわざ来てくれて、魔女から課題表を渡してくれた。一瞬、果たし状に見えたのは秘密。 その課題表には─────。直ぐに道明寺邸に移り、花嫁修業に取り掛かること定期的に、授業の内容を魔女へメールで送ること。実技は、先生とタマさんの両方から合格が出るまで続けること。こんなことが10項目くらい書かれてあった。ご丁寧に、就職までの年間スケジュールまで作られていた。 私の意見とか気持ちは、一切無視されているんだよね。さすが、魔女。 英語、フランス語、中国語とかの語学の勉強はわかるの。ダンスにお茶、着付けにお花って。私の苦手分野がズラリと並び。他にも、歴史に経済・株・道明寺の家に関しての授業まである。 あー...あの夏の島前

  • 転校生つくしちゃん2

      ※このシリーズは、つくしちゃんが関西弁で話します。それでも大丈夫な方だけお読みください。文章のミスは承りますが、関西弁へのクレーム、文化の否定は一切受け付けませんのでご了承ください。   俺が牧野をガードしていると─────。見たこともねー親父が近寄ってきた。 「牧忠のいとさんか?久しぶりやな。」お目付け役らしいオヤジが、牧野に声を掛けてきた。 いとさんって誰だ?こいつの名前はつくしだぞ。 「おっちゃん。お久しぶりです。」にこやかに返事をする牧野。 「いとさんって誰だ?このオヤジ、お前の名前、間違ってねぇか?」俺は体を屈ませ、牧野の耳元で囁いた。 俺が体を屈ませたからか!?目の前にある、牧野の耳から首─────。そして、肩まで続く真っ白なラインに目を奪われる。このやわらかそうな牧野の肌に、咬みつきたく...転校生つくしちゃん2

  • 転校生つくしちゃん

      ※つくしちゃんが関西弁で話します。それでも大丈夫な方だけお読みください。文章のミスは承りますが、関西弁へのクレーム、文化の否定は一切受け付けませんのでご了承ください。   高校1年の夏。もう数日もしたら夏休み日になる時、突然、大阪から転校生が来た。 この転校生は、スゲー可愛く笑いながら、「初めまして、牧野つくしです。よろしくお願いします。」関西人独特の口調で挨拶してきた。 この笑顔に、俺たちクラスの男子の視線は一瞬にして釘付けにされた。勿論、俺も釘付けにされた一人。 牧忠商事の社長令嬢:牧野つくし。牧忠は、東京の俺たちでも知っている関西の有名商社。 どこかのパーティーで、牧野の親と会った記憶がある。父親が超のつくほどの胴長短足で、母親がオカッパ頭で機関銃のように喋るババアだ。 そして、その娘のつくし。...転校生つくしちゃん

  • 紫陽花だけが…

      梅雨になる直前。「梅雨になったら毎日使えよ。」こんな風に言って、嬉しそうに笑いながら道明寺がプレゼントしてくれた傘。 これが、すっごーく可愛くないっ!!濃紺なの。ほら、サラリーマンのおじさん達が使っている、あの可愛くない色と同じ。色が濃いんだよね。朝や昼に使っていると、傘を差しても光って入って来るでしょ。この傘は、完全に光が入ってこないの。まるで日傘だよ。 その上、何故か大きいの。私の傘より一回り?二回りくらい大きいと思う。色が可愛くない上に、大きいから重たい。学校の傘置き場で、この傘だけがピョーンって大きいの。男子の傘より、少しだけ大きい傘って…。 こんな傘、要らいない!!って、思ったんだけど…。 嬉しそうに渡してくれた道明寺に悪いなって思ってしまって…。だから、梅雨に入ってから、私は律儀に毎朝この...紫陽花だけが…

  • コメント返信 Passengerseat

      もも母様この話も過去の話だったのですが、少しでも優しく感じて頂けたり、ほっとして頂けたのなら嬉しいです。本当にコメントに書いてくださっているように、悲しいニュースが多いですね。私は、海外の報道が一番辛いです。またホッとしていただけるような作品が書けると良いなと思いました。コメントをありがとうございました。 aru様ほっこりして頂けましたか?過去の作品ばかりですみません。まやかしも少しずつストックできてきておりますので、また、近い内にお会いできるように頑張りますね。こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。コメントをありがとうございました。 は〇様実はこの話で使わせて頂く写真を選んでいた時や、話の修正をしていた時に、『この話をアップした時、は〇様からコメント頂いたな~。』なんて思い出していました。(煙突...コメント返信Passengerseat

  • Passenger seat

      旦那のエスコートで、助手席に座るなんて何年ぶり?助手席に座るって忘れてしまっていた。旦那に気付かれないように、こっそり運転席を見上げる。いつ見てもムカつくほどのキレイな横顔を盗み見る。 助手席に久しぶりに乗る妻。助手席に座りシートベルトをする妻を見つめる。出会って20年経ても俺の嫁への気持ちは変わらない。それどころかますます強くなる。   初めて男の人の車に乗ったのは高校2年生。1つ上のあいつは、無免許なのに誕生日に貰った外車に私を乗せてぶっ飛ばした。 あの頃の俺に、運転に自信があったとしても『自分の命より大事な女を、無免許で車に乗せんな。』って怒鳴りてー。こいつを家まで送れたのは奇跡だ。   道明寺が大学生になる直前。免許を取ると、約束通り1番に私を助手席に乗せてくれた。約束の日は、道明寺からプレゼントし...Passengerseat

  • コメント返信 二次への思い

     virgo様私も初めて二次の世界を知った時は、こんなに楽しい世界があるのか!とたくさんのサイト様にお邪魔させてもらっておりました。そして、ある方に話のリクエストをした時に書くことを勧められて今に至ります。今も、私は書くより読む方が好きなので、書き手の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。そして、私がvirgo様の中のその一名に入っているのは嬉しいです。今の時点で、私が辞めるとかは全く考えておりません。コメントの返信ばかりでお話の更新が止まっていて申し訳ございません。もうしばらくお待ちくださいね。いつも気を使っていただきありがとうございます。  ゆめ様私は法律の専門家ではありません。二次が違法と断言したことに問題がありましたでしょうか?書いてくださっていたように、違法と認定されるには色々な条件があるのかもしれませ...コメント返信二次への思い

  • コメント返信 今後のお知らせ2022.3.28分

      まめ様まやかしの更新が止まって、耐えて頂き本当にすみません。私も毎日更新を目指していたので本当に残念です。頑張っていますので、もうしばらくお待ちくださいね。コメントの返信が遅くなり申し訳ございません。そして、ありがとうございました。 ささちゃん様楽しく読んで頂き、そして、応援をありがとうございます。過去の小話ばかりのアップでしたが、少しでも楽しんで頂けると嬉しいです。今、まやかしを頑張っておりますのでもうしばらくお待ちください。コメントの返信が遅くなってしまい申し訳ございません。そして、ありがとうございました。  コメント返信今後のお知らせ2022.3.28分

  • 二次への思い

      二次小説についてこの記事では、私が二次小説を書くようになり、今までに何度も考えたことを書かせて頂きますので、少し長いですが、是非お読みください。 皆様もご存じの通り、二次的著作物(二次小説)は違法です。原作者様には不快な思いをさせていることだろうと思っております。申し訳ないなと思っております。 『それなのに、どうして私は書いている?』と、何度も思いました。今までにも、オリジナルの作品に切り替えていくということも何度も考えました。ですが、私の妄想は司くんとつくしちゃんでないと働いてくれませんでした。多くの漫画家さんいて、たくさんの作品に出会っても、この話以上に好きになれる話、そして、この二人以上に好きなキャラはいませんでした。 『だから、書いている!』では、いつか問題が出てくると思います。実際、国の方でも話合...二次への思い

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      このブログについて遊びに来ていただきありがとうございます。 更新時間朝8時を予定しております。その日のうちに、別の話をアップする場合は18時の予定です。但し、お知らせ等の追記につきましては時間に関係なく更新します。 コメントこちらのブログではコメントの非表示がありません。まぁこ以外の人にも読んでもらっても大丈夫と思われる方は、そのままお送りください。但し、私の話を既に知ってくださっている方と初めて読まれる方がいらっしゃいますのでコメントは承認制です。他の人に読まれるのに抵抗のある方は、『非公開希望』と必ず明記してください。よろしくお願い致します。コメントへの返信は、カテゴリの《コメント返信》に書かせて頂きます(2022.04.~)最新記事に《コメント返信》がありましたら、お暇な時に目を通して頂けたらと思って...このブログについて

  • 動き出す時

      道明寺、元気?あんたが私のことだけを忘れてから、もう5年が経ったよ。 私のことを忘れて、私以外の女の子をそばに置いて。あの時は…。ホントにきつかったな。 それだけじゃなくって、あいつは────。いつの間にかニューヨークに行ってしまった。 私に何も言わないで。私にだけ何も言わないで、黙ってアメリカに行ってしまった。 あれから5年。ねぇ、道明寺。覚えてる? あんたのお邸に、私がほふく前進して行った日のこと。超オクテだった私が、怖くなって泣いてしまった日のこと。 あの日から、今日で5年。私は、あんたの記憶が戻るかもしれない────。私を思い出すかもしれないって、私は今日まで待つって決めていた。 あんたは信じないかもしれないけど…。これでも高校時代も大学生になってからも、それなりにモテたんだよ。『付き合ってください...動き出す時

  • 星に願いを…下

      俺は何度も会おうとしたが、牧野は一切譲らなかった。当日も翌日も、その翌日も。 執事を脅しても無理だった。部屋に閉じ籠っている牧野は、運動不足だと毎日繰り返す。 俺たちが会話するのはテラス越し。シェイクスピアのあの戯曲よりマシなのか? 「ニューヨークのお邸もすごいね。」「何がだよ?」俺は、牧野とテラス越しにしか会えねーことに限界だった。 それなのに、牧野はガキの頃の話を始めだした。「進とケンカすると、ママに怒られて。私は隣の部屋に、移動だったんだ。さっきまで喧嘩していたのに、直ぐに進むと話したくなって…。でね、『宿題終わった?』の合図は壁を1回ノックしてたんだ。返事もノック。『はい。』だと、1回ノック。『いいえ。』だと、2回ノックするのが約束だったの。」 「『お腹空いたね。』は2回。『ママ、まだ怒っているかな...星に願いを…下

  • 星に願いを…上

    ※この話は2020年コロナウィルスによる緊急事態宣言が日本で初めて発令された時にアップした話です。  約束の4年後。牧野を迎えに行くと、スゲー綺麗になっていた。こんなに綺麗になっていく間を、なんで俺は見ることができなかったんだ? これからは、絶対に離れねぇ。明日にでも結婚すると、俺はその場で決めた。 っつーのに、この女は「私も社会に出たい。」なんて言い出した。 平行線の俺たちだったが…。数日後に控えた俺の日本支社長着任と同時に、牧野の名前を伏せて婚約。牧野が道明寺ホールディングスで2年働いた後に、結婚するっつー事になった。  2020年新型ウィルスによる世界経済の大打撃。道明寺ホールディングスの被害が最小に抑えられたのは、先行きを見越したババアが可能な限りテレワークに切り替えたからだ。 牧野の大学の卒業式に会い...星に願いを…上

  • まやかし婚170

      2021.12.25朝ご飯を道明寺と二人で、ダイニングで食べていると、西田さんが道明寺を迎えに来てくれた。わざわざ西田さんがお迎えに来てくれたっていうのに、道明寺は悪態つき放題。 「西田!お前、今日が何の日が知っているのか?」「今日は、2021年12月25日土曜日ですね。」いつものような二人の会話が始まった。 「クリスマスだぞっ!しかも、それも土曜だっつーのに、なんで俺だけ仕事なんだよ。」すごく嫌そうな道明寺の声に、なんとなく可哀想だなって思ってしまう。 でも、西田さんは、そんな道明寺に慣れているみたい。「お言葉ですが、司様の仕事の為に、私まで出勤となっているのです。クリスマスで土曜日と言うのは、私が言いたい台詞です。」なんて言い返されて────。 「しかも、道明寺家はクリスチャンではありません。お寺のよう...まやかし婚170

  • まやかし婚169

      「ちょっと、触らないでよっ!」「触らせろっ!」 「ダメ!」「いいだろ。ケチケチすんなっ!」 「なに言ってんのよっ!私からケチを取ってどうするの?」「お前、マジに返答するな。」こんな色気のねー会話をしているのは、やっと気持ちが通じ合った俺と牧野。 今、俺たちは同じベッドにいる。同じベッドでいるだけで、俺は愛妻の体にすら十分に触らせてもらえてねー。  気持ちを確認し合った後、「一緒にシャワーするか?」っつー俺の提案を、 「イヤ!絶対、無理。」っつー、たった3つの言葉で、牧野は却下してきた。 その上、シャワーの後の「一緒のベッドで寝る。」っつー俺の提案を、 こいつは、「却下。」それこそ、言葉通り一言で却下してきた。 それこそ俺が却下するっつーんだ!!湯上りのスゲー良い香りの牧野なんだぞ!なんで別々に寝る必要がある...まやかし婚169

  • 今後の予定 2022.03.28

      いつも遊びに来て下さりありがとうございます。そして、たくさんの応援をありがとうございます。 皆様のお住まいの地域でも桜の花が咲きだしましたでしょうか?私は、日に日に膨らんでくるつぼみを見上げております。とはいえ、今年の桜は昨年と同じような気持ちでは楽しめていません。同じ空の下では、どれだけ多くの人が涙を流しているのか思うと、辛くて仕方ありません。楽しみに待っていた、春の訪れも色褪せてしまっています。これ以上、酷い事態になりませんようにと心から祈っております。 そして、日本各地で起こっている地震。皆様のところは、大丈夫でしょうか?大きな地震が頻繁に起こっているのが気になっております。 さて、皆様。いつも読んで頂いているまやかし婚のストックがいよいよ無くなってしまいました。170話目でしばらく更新をストップさせ...今後の予定2022.03.28

  • まやかし婚168

      「ムシャクシャしていたからって、そんなの引き受けないでよっ!私がどれだけ辛かったと思ってんのよっ!!道明寺のバカっ!」俺の胸をドンっと叩きながら、牧野が言ってきた言葉。 おい…。こいつ、今、なんつった? 「お前、今、なんつった?」「道明寺のバカ。」 「ちげーよ。その前だ。」「ムシャクシャしていたからって、引き受けないで?」 「それとバカの間だっ!!」この言葉に、こいつは困ったように俯いた。 !!!今日の夕方、執務室で急に湧いてきた疑問。あの時、微かに感じた期待が俺の中でデカくなる。 いつの日か聞いた、こいつの好きな男。それは、『公務員でも教師でも無い』奴だった。 先週の夜────。天草の親父のパーティーの日、俺は滋のパートナーをしていた。あの日、牧野が俺に言ってきたことが…。『私が好きだった人ね…、素敵な人...まやかし婚168

  • まやかし婚167

      「それでは、お休みなさいませ。」こう言ってきた、タマさんに案内されたのは、東棟の一番端の部屋。 なぜか、道明寺も当然のように一緒に入って来る。どうして、一緒の部屋!?なんて思わなくもないんだけど…。 道明寺は、タマさんにだけ私のことを『嫁』って紹介した。タマさんからしたら、道明寺と私のことを夫婦って思ってくれているだけのこと何だろうけど…。 えっ、道明寺と一緒の部屋?どうしたらいいの? 今さっきまで、私たちは道明寺邸の大広間で、ディナーをよばれていた。お姉さんは、私と一緒にお酒を飲むのを楽しみにしてくれていたみたいなんだけど…。私がお酒に弱いからって、道明寺が断ってくれたんだ。私の代りに、道明寺がたくさん飲むことになってしまったの。お酒を飲んだから運転が出来ないからって、急にお邸に泊まらせてもらうことになっ...まやかし婚167

  • まやかし婚166

      緊張の食事も、後はデザートだけになった。食事中の会話は、もっぱら仕事のことばかりだった。 私がここまで失敗しなかったのは…。私が困った時に、何気に道明寺がサインを出してきてくれたお蔭。 お酒もね、道明寺が「こいつ、弱いから。」って言ってくれて、ミネラルウォーターに変えてくれたの。これがお気に召さなかったお姉さんは、道明寺にたくさん飲ませていた。 運ばれてきたデザートはケーキ!イチゴがたっぷりのっていて、まつぼっくりまでのっている!!しかも、このまつぼっくり、チョコレートだぁ。 目の前のケーキに、うわーってなった時に、会長が道明寺に話しかけた。「司。あの時に、私が指示したことは、きちんとしたんだろうな?」 「これからだ。」マズイって声が含まれたような、道明寺の返事。 そんな道明寺の返事に、会長はキッパリ言って...まやかし婚166

  • まやかし婚165

      私が道明寺家の家紋に気付いて驚いていると…。そのタイミングで、会長と社長が大広間に入ってきた。 挨拶をして、それぞれが席に移動する。移動中も、私の頭の中は道明寺のことでいっぱい。 先週に言われた『好きだ。』って言葉にキス。着物の家紋。土星のネックレスにボールペン。 そして、この一年での色々なこと─────。道明寺に言われた『好きだ。』って言葉が、嘘も偽りも無い言葉なんだって思えてくる。 私、今まで何も気付かなかったよ。鈍感だったのかな? いやいや、あんな報道見たら、誰もが道明寺と大河原さんが付き合っているって思うでしょ!?実際、私もそう思っていた。嘘なら、あの報道の時に言ってくれたら良かったのに…。なんで言ってくれなかったの? でも、まだ、大河原さんとの報道の話を聞いてないしっ!!大河原さんの話を聞いたら─...まやかし婚165

  • まやかし婚164

      やっとだ。やっと、牧野が道明寺家の家紋に気付くって時に…。 広間の扉をバーンってスゲー音を立てながら、入ってきた姉ちゃん。弟の俺を完全に無視し、牧野に一直線に進みデケー声で話し出した。 「つくしちゃん。久しぶりっ!元気だった?少し痩せたんじゃない?今夜は、つくしちゃんが初めて邸に来てくれるからって、厨房のスタッフが張り切っていたわ!今夜はたくさん食べて、たくさん飲みましょ!もちろん、たくさん話すわよー!!」スゲー勢いの姉ちゃんに、牧野は引き気味になりながらもコクコク頷いている。 牧野が引いてるっつーのに、全く気付いてねー姉ちゃんは、「司にいじめられてない?大丈夫?この子、難しいでしょ。変なことですぐ拗ねるし。」っつー、余計な事を言いだした。 俺は、こいつをいじめてねーし、難しくもねーよ。しかも、すぐ拗ねるっ...まやかし婚164

  • まやかし婚163

      カラン薪の割れる音が聞こえた。 その音に引き寄せられるように、暖炉まで歩き出す牧野。よほど暖炉が珍しいのか、パチパチと燃える火をジッと見つめだした。 そして、ニコって笑いながら「私、こんな外国のお城にあるような暖炉のある家って初めて。あんたんちってスゴイね。」なんてことを言ってきた。 そして、暖炉の上部のマントルピースに飾られている写真に視線を移した。俺は、思わず心の中でガッツポーズ。 飾られている写真を、一枚、一枚、嬉しそうに見だす牧野。俺も、あの写真に気付けっつー念力を送る。 俺とあいつらの幼稚舎の写真を見ながら、喜ぶ牧野。「うわっ。みんな小さいー。可愛い。フフっ。みんな、今のミニチュアだね。」なんて楽しそうに言いだした。 そして────。「みんなにも、素直で可愛い時があったんだね。」だとか、 「あんた...まやかし婚163

  • まやかし婚162

      道明寺にエスコートされて、入った部屋は─────。大広間?って、くらいの広い部屋だった。 個人の家なのに、広い上に天井もすごく高いの。ペントハウスもすごいと思っていたけど、このお邸は桁違い。すごいスゴイだらけだよ。個人の家自体が、美術館や博物館って本当に桁違い。 その上、暖炉もあって本当に火がくべられていた。パチパチって小さな音が聞こえてくる。 私が、この大広間の厳かな雰囲気に圧倒されていると────。道明寺から手渡されたロイヤルブルーの小箱。 「なに、これ?」「開けてみろよ。」 私が、この小箱を開けると─────。そこには、私が初めて目にするネックレス。土星の形のペンダントトップのあるネックレスが、キラキラした光を放っていた。 ケースをテーブルに置き、土星のネックレスをゆっくり手に取る。「綺麗。」綺麗すぎ...まやかし婚162

  • まやかし婚161

      タマさんの杖で叩かれている道明寺を呆気に取られながら見ていると────。 メイドさんが入ってきて、「準備が出来ました。」って、私を案内してくれたの。 案内しながらメイドさんは、タマさんと道明寺のことを「いつものことです。しばらく続くので、どうぞこちらに。」なんて、教えてくれたの。 しばらく続いて大丈夫なのかな?なんて思っている私が、次に入った部屋が…。何故か個人の家なのに美容室。 ここで髪をセットしてもらって、着替えるらしい。個人の家なのに、有名な絵画に、後漢時代の壺。そして、美容室…。 お金持ちの考えていることってわからないって思いながら…。美容師さんに「お願いします。」と声を掛けた。 シャワーを浴びた後、準備された下着とガウンに着替える。って、まさか…。この可愛らしすぎる下着まで、道明寺が準備をしたんじ...まやかし婚161

  • まやかし婚160

      『服だけじゃねーな。モノも許さねーから。』低い道明寺の声が聞こえた。 えっ?それって、捨てられたヒールと同じってこと?天草主任にもらったモノだから、ダメってことなの? 「ボールペンだよ?あの子、可愛らしかったのに…。」思わず出てしまっていた私の言葉。 「ボールペンでもダメだ。お前のことを好きな奴からのプレゼントなんて、絶対に許せねー。」語気を強め、きっぱりと言ってきた道明寺。 使えるモノまで捨ててしまうの?勿体ないよ…。 でも、なんて返事をしていいのかわからない。しかも、今さっきの言い方は少し怒っていたように思う。 黙り込んだ私の頬を、突然、道明寺が触りだした。指先で優しく撫でるように触られて、ドキドキしていたら─────。両頬をプニって摘まれた。 「にゃによ(なによ)、もう!!」こんな私の言葉に 道明寺は...まやかし婚160

  • まやかし婚159

      車が建物の正面玄関に着いた。立派な門から何メートルあったんだろう?いつものように、先に降りた道明寺が私に手を差し出してくれる。 いつもなら「自分で降りる。」なんて可愛くないことが口から出てしまう私も、目の前の豪華絢爛な建物に圧倒されて何も言えないまま、道明寺が差し出してくれた手に自分の手を重ねた。 庭の広さに圧倒された次は、建物に圧倒されてしまう。明治や大正時代の建造物のような趣のある西洋の建築様式。 行ったことないけど、まるで外国のお城のよう。執事さんみたいな人が挨拶をしてくれて、玄関のドアを開けてくれた。 この時、道明寺が私の手を握り直し、自分の腕に添わすようにしてきたんだ。ドキドキした私から出たのは、可愛くない言葉。「ちょっと、なに?」 「なにじゃねー。エスコートだ。」「エスコートって、私、会社の制服...まやかし婚159

  • まやかし婚158

      会社の地下駐車場から、道明寺の車に乗る。今日の車は、外車のド派手なスポーツカーじゃなかった。 私がよく見かける形で、国産でSUVっていうタイプらしい。真っ白でピカピカの車。車の中もすごく綺麗。そして、車の中も、やっぱり道明寺の香りがする。 道明寺の運転する車は、静かに公道に出た。いつも、二人で車に乗っている時って、何を話していたのかな?結構、楽しく話していた記憶があるのに…。今日は、なにをどう話していいのかわからないー! 沈黙が重い…。お邸ってどこにあったんだった?契約が始まる前に、近くまで行ったけど覚えてない。 何分、掛かるんだろ?なにか話そう、話そうとしても、なにを話していいのかわからない。 この沈黙から抜け出したいって思いから出た言葉が…。「派手じゃない車にも、乗るんだね。」だったの。 ぎゃー!こんな...まやかし婚158

  • まやかし婚157

      あんなに可愛くない私の言葉だったのに…。道明寺から返ってきた返事が、「俺が笑うのも、キレてワインかけるのも、全部お前次第だよ。」だったの。 私はこっそり道明寺を盗み見た。道明寺にワインをかけられた直前────。私は、天草主任に告白された。 しかも、結婚前提でなんて言われて…。人生初のプロポーズにビックリしていた時に、ワインをかけられたんだった。 道明寺が笑うのも、キレるのも私次第って…。今までの道明寺との生活を思い出す。お鍋の日やお好み焼きの日は、嬉しそうに笑っていたよね。織部くんと飲みに行って遅くなった時は、怒っていた。 大河原さんとの嘘とかも、訳がわかんないし…。じゃ、あのあと無断外泊したのは何でって思うし…。パーティーのパートナーは結婚前提なのに、道明寺と大河原さんはパートナーだったのって思うし…。 ...まやかし婚157

  • まやかし婚156

      私の席の内線が鳴った。「はい。庶務、牧野です。」【俺。】 受話器を通して伝わってくる、道明寺のバリトンボイス。俺って言われて、なんて返事したらいいのかわからない私は「はい。」とだけ答えた。 【お前、今日の仕事が終わったら、俺の執務室に来い。】え?まさか、道明寺や西田さんの仕事のお手伝い?仕事が終わってから、また仕事? こんなことを思った私は…。思わず「終わりません。」なんて答えてしまった。 【てめっー!定時に終わらせろ。終わらすんだ。わかったなっ!終わったら、直ぐ来い。】ドスの効いた道明寺の声。 黙っている私に、道明寺は命令してきた。【クリボッチ合コンになんか行くじゃねーぞ!わかったな。】 えっ!?なんで道明寺が、クリボッチ企画を知っているの?誰が企画者なのか知らないけど、あの道明寺に合コンのメールを送るな...まやかし婚156

  • まやかし婚155

      牧野が寝坊した日。あいつは、初めてパジャマで俺を起こしに来た。 昨日、牧野にキスしてから─────。俺の中で目覚めた男の部分が止まらねー。 俺のムスコを蹴り上げられるっつーアクシデントもあったが、機能は回復!いや、回復どころじゃねー。牧野をベッドに連れ込みてーって思いと比例して、俺の角度も絶好調だ。 が、鬼西田からの「この週末もいつも通りに出社してください。それが無理でしたら、来週のイブに行われる邸でのパーティーには欠席して頂きます。」っつー言葉を覚えていた俺は─────。牧野に絶好調な角度がバレねーように、ウォークインクローゼットに移動した。  西田の言葉の通り、週末も通常出勤したっつーのに!!全く仕事は追いつかねー。 西田が言うには…。「仕方ありません。今まで仕事をサボっていたのが原因ですね。段取りが悪...まやかし婚155

  • まやかし婚154

      道明寺は、私に軽くチュッとキスをして、「シャワー行ってくる。」って、言葉を残して、リビングを出て行った。 ギャー!またキスされたのっ!? 私って隙だらけ?いやいや、そんなことない。今まで誰にも、キスされたことなんてなかったもん。ってことは、道明寺がキスに慣れているってこと? あれ?そうじゃない。キスの前に道明寺が言っていた言葉。『お前が好きだっつーただろ。』 えー!!!ドキドキドキと動き出す心臓。 頭がグルグルしている。好き?ってなに!? しかも…。『確かめるのは次として。今夜、俺が言ったことは忘れるなよ!』って、確かめるってナニを確かめるつもりだったの?ギャー!! ちょっと待って!!一番肝心なこと─────。大河原さんとの報道は嘘って、なに? 道明寺と大河原さんは、美男美女ですごくお似合いだったよ。それに...まやかし婚154

  • まやかし婚153

      おいっ!その上目使いやめろっ!そして、こいつからする湯上りの良い香り。なんでこいつはこんなに無防備なんだ? ダメだぞ、俺。余計な動きをしちゃいけねー。なんつったって、あの衝撃の後だ。 「あぁ…。スゲー痛かったけどな。」「やっぱり、痛かったんだよね。本当にごめんね。」スゲー申し訳なさそうに言ってくる牧野。 俺は、こいつの腕を持ち上げて、「冷えるだろ。」こう言いながら、ソファーの俺の隣に座らせた。   床に座っていると…。冷えるからって、私の腕を持ち上げてソファーに座らせてくれた道明寺。 あんなことしでかした私なのに…。道明寺の優しさに、本当に申し訳なくってごめんねって思う。 だから、私は、ずっと気になっていたことを言ってみた。「本当に大丈夫?心配だし…。病院に行こうか?」 病院に行ったところで、どこの科で診察...まやかし婚153

  • まやかし婚152

      道明寺に強く引っ張られる私の両手首。このままだと、また道明寺の胸の中に入ってしまう。 手は使えない。私は道明寺のお腹を目がけて足を蹴り上げた。 ズキン!片足に体重が集中したからか、足の裏に痛みが走る。あっ!私の足、今、ボロボロだったんだ。 同時に視界に入る、ベージュ色のスカート。ふんわり舞うスカートの裾から、私の太ももがっ!!これ以上、振り上げたらパンツが見えちゃう!   俺が好きだって気持ちだけは、信じてもらいてー。滋と紀明のことも、まだ一言も伝えられてねーんだ。俺は、牧野の両手首を強く引き寄せた。 この時、俺の視界に入ってきた────。ふわって舞い上がるベージュ色のスカート。こいつの真っ白でやわらかそうな太もも。 俺は、自分の目が見開いたのがわかった。牧野の太ももばかりを見ていたんだろう。だから、見えて...まやかし婚152

  • まやかし婚151

      なんでっ!?キス…? 私、道明寺にキスされている…。嘘でしょ。 私、ファーストキスなんだよ。ファーストキスって、こんな突然なの? しかも、好きってなに?あんたには、付き合っている大河原さんがいるじゃないっ! 私は腕を突っ張った。でも、全く意味が無い。私を抱きかかえているに、なんて力なの? 私を押さえ付けている力はすごくて抗えない。それなのに、キスはすごく優しくって…。 このまま、キスを受け入れてしまいそうになる。応えてしまいそうになる…。 私の頭の片隅で、忘れることができなかったあの残像が蘇る。道明寺と大河原さんのキス。思いっきり、私は両手に力を入れた。   好きな女との初めてのキス。驚くほどやわらかく、甘い。 やべー。俺の中での男の部分が止まらなくなる。 あの事件があったんだ。怖がらせるな。だとか、滋との...まやかし婚151

  • まやかし婚150

      俺はアルコーブに着くと、今まで担いでいた牧野を抱き直し、俺と同じ目線にした。両腕でこいつの細い、細すぎる腰を支える。 キョトンとしている牧野に、俺は絶対にこれだけは譲られねーことを口にした。「俺以外の男からもらった服で、二度と家に帰ってくるんじゃねーぞ。今日だけだぞ!次からは、絶対に許さねーからな!」 この言葉を言った後、俺はカードキーでロックを解除し、家の中に入った。そうだ。こいつが失恋しようが、天草にプロポーズされようが、こいつの旦那は俺なんだ。俺の妻が、俺以外の男の用意した服で帰宅するなんてありえねーんだ。 こう思いながら─────。こいつに振り向いてもらえねーのに、俺は何を言っているんだ?なんてことを思ったりもしたが…。俺が離婚に応じない限り、こいつと俺は夫婦なんだって思うことにした。来月の俺の誕生...まやかし婚150

  • まやかし婚149

      寒すぎて、エントランスまで走ろうとしたんだけど…。慣れない高いヒールとこの寒さに、私の足は限界。 足全体がジンジンしている。つま先は冷たくって感覚が無いし、見なくとも足の甲と踵は絶対に靴擦れになっているのがわかる。 ズキン、ズキン。一歩進むごとに、私の足が悲鳴をあげて泣いている。いつもは何とも思わない小さな段差も、今の私にとっては苦痛以外の何物でもない。 エントランスまでの距離が長すぎるっ!なんて心の中で悪態をついた時────。今さっきまで私の後ろに歩いていた道明寺が、私の目の前に立っていた。 ヌリカベのような道明寺を見上げた瞬間!道明寺は両手で、私の両腰を掴んできたの。えっ、なに?って、思った時には、私の体は宙を浮いていた。 「足、痛いんだろ?」道明寺の声が聞こえてきた時には、私の体は道明寺の左肩に担がれ...まやかし婚149

  • まやかし婚148

      「あいつ…天草のことどうすんだ?好きなのか?結婚前提で付き合うのか?」突然の道明寺の質問に、なにをどう答えていいのかわからない。 そもそも…。学生時代からパパの借金に振り回されていた私は、とてもじゃないけど恋愛にまで手が回らなかった。もちろん、社会人になってからもパパの借金地獄は続いていたから、恋愛なんて二の次・三の次どころじゃなくて…。 それこそ、恋愛なんてずっとしていなかったから…。道明寺を好きって気付いたのも、大河原さんとの報道で気付いたくらいだったんだもん。 「うーん。わかんない。私、天草主任をそんな風に見たことが無かったから…。きちんと考える…。」今の私が答えられる最大限の返事。 だったんだけど…。道明寺は、お気に召さなかったみたい。 「わかんないって、自分のことだろっ!今すぐ考えろっ!前に言って...まやかし婚148

  • まやかし婚147

      「なんで天草のパートナーになったんだ?」「頼まれたから。」俺の質問に、牧野は愛想もクソもねー返事をしてきた。 「頼まれたら、お前は何でも引き受けるのか?」「そんなんじゃない。天草主任には、すごく辛くて苦しかった時に助けてもらったんだ。だから、その恩返し。」 「恩返し?なんだよ、それ。」俺の質問に牧野が返事してきたことが、去年の秋の話。牧野の親父さんがトイチに手を出して落ち込んでいた時に、天草が差し入れをしたらしい。 「かぼちゃタルトは甘くて、抹茶ラテはほろ苦いの。それが合うんだよねー。きっと、あの時以上の美味しい抹茶ラテとかぼちゃタルトは無いよ!」嬉しそうな牧野の声。 天草の差し入れ以上のモノが無いだと…?俺が世界中を探して、その抹茶ラテやかぼちゃタルト以上に美味いのを食わしてやる! 「その時にね、パパのこ...まやかし婚147

  • まやかし婚146

      パシャン!!この音と同時に、冷たいって感じた。 冷たい感触の元を見てみると、右胸の辺りに濃い紫色のシミ。どんどん大きく広がってくるがわかる。アルコールの香り…。これ、きっとワインだ。 ワインが飛んできた方を振り返ると、そこには…。見たことも無いほど冷たい顔をした道明寺がいた。なんで道明寺がワインをかけてきたの? あまりの出来ことに声も出ない私に「来いっ!」とだけ言った道明寺は、私の左手首をぐっと握って会場の出口を目指した。 この会場に入って直ぐの所にあったビュッフェコーナーから、出口までは直ぐ。 この突然の出来事に────。訳がわからない私は、道明寺に腕を引かれていた。 ワインを掛けてきた時の道明寺の顔も冷たかったけど…。私の腕を引いて急ぎ足で歩いている、道明寺の顔も氷のように冷たい顔だ。目が本当に冷たい。...まやかし婚146

  • まやかし婚145

      『誤解されて困るような奴がいるのか?』だって…。冷たい言い方。私が誰とどうなっても関係ないって、言われているような言葉だったな。 あの場にいるのは精神的に辛かったから…。花沢さんが、ビュッフェコーナーに誘ってくれたのは助かった。 あっ!私、道明寺への想いを完全に手離そうって決めたのに!ダメ、凹んだりしている場合じゃないよ!!失恋直後の食事がホテルのビュッフェだよ。とりあえず、ヤケ食いよね! 私がスゴイ勢いで食べていたら、「皿ってそんなにたくさんのるんだ。」って、花沢さんは肩を震わせて笑ってきた。 失恋直後の乙女を笑うなって感じでしょ。まぁ…。夏からずっと失恋を引き摺ってしまっているんだけどね。 天草主任がこっちに向かって歩いてきた。そのタイミングで、花沢さんが秘書の人に呼ばれたの。 でもね、花沢さんは完全に...まやかし婚145

  • まやかし婚144

     どうしよう…。どこでサインを読み間違えたんだろ?なんで道明寺は、そんなに怒っているんだろ? それなのに、西門さんはいつもの口調で「つくしちゃーん。俺にまで『初めまして』はねーだろ?俺とつくしちゃんとの仲だぜ。」なんて言いだしてきた。 ぎゃー!!なんてことを言うのっ!この二人は、バカバカバカバカ!この場を上手く丸める方法とか考えないのっ? どうしようかと焦っている私に、西門さんは追い討ちをかけてくる。「何回もヤッた仲だっつーのに、『初めまして』はねーだろ?」 「西門さん!そんな誤解されるようなこと、言わないでっ!」私は、当然だと思って言ったのに!! 「誤解されて困るような奴がいるのか?」なんて道明寺が言い出すから、ますます訳がわからない。 誤解されて困るとかじゃなくって!そんな風に思われるのって、私は困るし嫌な...まやかし婚144

  • まやかし婚143

      天草が牧野をエスコートしながら、こっちへ向かって歩いてくる。牧野の細腕が、天草の腕に絡まっている。その姿を見ているだけで、心臓が止まりそうになる。 あきらと総二郎の「堪えろ。」「問題を起こすな。」っつー小さな声が聞こえてきた。 類に至っては「今日は西田がいないからね。」だった。西田は俺の問題処理担当じゃねーよ。 その時、天草の腕に添わしてる牧野の手を、天草が反対側の手で包み込んだ。驚いた牧野が天草を見上げる。まるで見つめ合っているような天草と牧野の二人。 まさか、この二人、付き合っているとかじゃねーよな。俺の足が一歩前に出た。そんな俺をいち早く察知したあきらが、俺の前に立ちはだかる。 その時、唖然とした滋から発せられた。「まさかっ!司が不毛な恋愛?」 少し前の俺なら、「俺には毛がある!」なんて言っていたとこ...まやかし婚143

  • まやかし婚142

      滋が男を探しに行った途端────。集まってきたいつものメンバー。 「司、どうなってんだよ?」「なんで、牧野と清之介が一緒なんだ?」あきらと総二郎からのキツイ口調。 俺が知りてぇよ。なんでこんなことになっているんだよ。なんで牧野が天草と一緒にこの会場にいるんだよ? イライラしながらスマホを確認するとSPからの大量の着信とメッセージ。メッセージには…。仕事中に、天草が牧野に接近していたこと。終業すると玄関で待ち合わせていたらしい二人が、タクシーに乗り込んだこと。そのタクシーがこのホテルに向かったこと。 おそらく、天草の父親のこのパーティーに参加するだろうってこと。こんなことが、逐一報告されていた。 クソっ!今日は西田が定時上がりで、スマホをチェックしていなかった。 「牧野、可愛いね。」「あのワンピース、似合って...まやかし婚142

  • まやかし婚141

      天草主任に連れられ入った会場。マスコミの人がたくさんいたロビーとは全く違う。広くて天井も高くって、今さっきまでのロビーと全く違う別世界。 マスコミの人たちからの、フラッシュと質問攻撃から逃れられた安心感。そして、天草主任からパーティーとかパートナーって聞いた時はどうなるかと思ったけど、周りの人を見る限り、私と同じような服装の人が多くって少し安心した。 少し前までの私が、一番心配だったことにホッとして安心しているのに…。もう、今はもっと大きな不安が私の心に大きく影を落としてきた。 私の胸は苦しくって辛くって、今にも泣きだしたいくらい。道明寺と一緒にいた女の人。あの報道の大河原財閥の一人娘、大河原滋さんだった。 何度も忘れようとしたし、記憶を消そうとした、あのキス直前の写真。キス直前の道明寺と大河原さんの二人が...まやかし婚141

  • まやかし婚140

      西田の言っていた微妙なパートナーは滋だった。なんで西田だけが、今日を謳歌しているんだ? 俺の大きな溜息に、全く気付かねー滋が笑顔で言ってきた。「司、ありがとー。後、少しだから世間を騙し続けよーね。」 今日の滋は、派手なワインレッドのドレス。肩や背中が大きく開いている。今日のドレスコードは、平服だ!政治家のパーティーだぞ。主役より目立ってどうするんだ? ロビーに入ると、滋は俺の腕に自分の腕を添わしてきた。会場内はマスコミをシャットアウトしているが、ロビーはフリーだ。 俺と滋が一緒の所を、また報道されるのか?牧野になんて言うんだよ?滋のことはまだ何も伝えてねーんだぞ。なんで俺は、こんなに段取りが悪いんだ? 一刻も早く、あいつに話さねーといけねー。これ以上、滋のことを誤解されたままじゃいけねーんだ。いつも話そうと...まやかし婚140

  • まやかし婚139

      12月でみんなが忙しい時期。クリスマス前でカップルは盛り上がっているだろうし、明日香や美玖なんて、クリスマスまでに彼氏を見つけようと毎日合コンって気合いが入っていた。 だから、天草主任は、暇そうで彼氏もいない私に頼んできたんだろうな。彼氏はいません。でも、内緒ですが、期間限定の旦那様ならいるんですって感じだよ。 あれ?いつか道明寺から、勝手にメシに行くの禁止令みたいなの出されたような気が…。 でも、ご飯食べに行くでもないし。天草主任は厳禁令も出てたような気がするけど、パーティーだから二人じゃないし。 道明寺はうるさすぎるんだよ。あいつには大河原さんがいるんだから、私にまで指図するなっつーの。 あっ、忘れてた!道明寺の夜ご飯っ! でも、道明寺は今夜も遅くなるって言っていたよね。じゃあ、私が帰った後で道明寺の晩...まやかし婚139

  • まやかし婚138

      いよいよ来週がクリスマスイブ。同期の明日香と美玖が焦りだした。 「やばいよー。クリスマスなのに、彼氏がいないー!!」「この私が、クリボッチなんてありえないー。」 「「つくしと同じ!?」」「なんで、そこで私なのよっ?なんで、そこだけ二人の声が揃うのよっ!」なんて、一年前と同じ会話で笑っている私たち。 「私、今日から毎日合コン行くわ。」「来週までになんとか彼氏を見つけよーね!」「つくしも、たまには一緒に行こう!」明日香が声を掛けてきてくれたけど、私は静かに首を左右に振った。 お昼からの仕事も忙しくって、慌ただしく時間が過ぎていった。私もいつものように、海外事業部や営業部へ行ったり来たり。エレベーターを待つ時間も勿体無い! 階段で移動していたら、営業部のフロアから天草主任が突然出てきて─────。「つくしにお願い...まやかし婚138

  • まやかし婚137

      クリスマスが近づくにつれ、街中が綺麗にライトアップされだした。そして、幸せそうな家族連れやカップルで溢れるようになった。 小さな溜息が出てしまう。ライトアップされた綺麗な景色も、一緒に見る人がいないのって寂しい。その上、家族連れやカップルばかりで孤独感が増長される。 西門さんが用意してくれたと思っていた、あの濃紅梅の色無地。あの背中にある1つ紋は、梅の花をモチーフにしたものだった。 どこかで見たと思った。どこかで見たっていうより、よく目にしているような気がした。 少しだけ期待を込めて、道明寺家の家紋なのかなって思ったりもして…。お昼休みや仕事が終わった後に資料室に入って、何年も前に遡って社報や社内報まで目を通してみたんだけど、収穫はゼロだった。 でも、これはわからない方が良かったのかもしれない。仮に道明寺家...まやかし婚137

  • まやかし婚136

      2021.12とうとう12月に入ってしまった。仕事が忙しくって帰ってくるとクタクタ。道明寺なんて、帰ってくるのがすごく遅い日がある。 遅くても、絶対に帰ってきてくれる。実は、私の中でこれがすごく微妙。帰ってきてくれるのは嬉しいんだよ。 『契約なんだから、無理して帰って来なくてもいいんだよ。』とか 『あんたも大河原さんに会いたいでしょ。』って言ってあげたい。 でも、言えない…。だって、言えないよ。 道明寺が無断外泊した日のような思いをしたくない。眠れないまま朝を迎えるのは辛い。 遅くなる日が多くなるにつれ、道明寺の目の下にはうっすらクマが出来だした。疲れているんだよね。 契約が始まった頃、2・6・2の法則で、良くない方の2なんて言って悪かったなって思う。私が気付かなかっただけで、あんたは頑張って仕事していたん...まやかし婚136

  • まやかし婚135

      道明寺達の学生時代を思い出して、すっかり忘れていたけど!足が痺れてきたー。 きゃー、ビリビリっ!!本当は、寝転んで足を伸ばしたい。そして、バタバタさせたい。 でも、私は今、西門さんが用意してくれた色無地を着ている。そんなことしたら!!『立ち居振る舞いはどうした!』悪魔の顔をした西門さんが綺麗に笑いながら、私の足をツンツンしそうだし。 ビリビリビリっ!!ぎゃー!限界!無理!もう、泣きそう。 足が痛くて、顔が歪んでくるのがわかる。これ、なんとかしないとっ!私の痺れなんて、西門さんには直ぐにばれてしまう。   毎週土曜恒例の牧野の勉強会。今日は、総二郎の茶室で行われる。 この茶室─────。ガキの頃は忍者屋敷とか言って遊んでいた。大人になった今は、この躙り口が小さすぎるのがスゲー不便。 総二郎の牧野が慣れてきたっ...まやかし婚135

  • まやかし婚134

      女の人にいい加減な西門さんなのに、お茶に関しては厳しい先生だった。西門さんはお茶を教えてくれるのと同時に、着物のことを教えてくれるようになったんだけど…。 それは、お茶と着物は切っても切れない関係だったんだ。和の文化は、全てが根底で強く結ばれているって思う。 だから、覚えることが多くて大変!茶室にしても、躙り口が小さい理由だとか、お客様が座る側の天井が高い理由だとか…。 美作さんから教えてもらっているマナーも大変だけど、西門さんから教えてもらうのはもっと大変だった。 こんな私でも、西門さんの勉強会の日は、日本の文化に触れているなって気になるくらい。自分が日本人って意識したことってあまりなかったけど、私って日本人なんだなって思えてくる。 お茶席では、着物を着る。最初の頃は、服でもOKだった。でも、回数を重ねる...まやかし婚134

  • まやかし婚133

      道明寺からもらった土星のボールペン。綺麗なブルーで、書きやすくって気に入った。 でも…。仕事で使うにはもったいないなって思った私は、スケジュール帳で使うことにした。 でも、これが道明寺には気に入らなかったみたい。「なんで天草の変なボールペンは使っているのに、俺のは使わないんだ!?」なんて平気で聞いてくるの。 天草主任のボールペンは変じゃないから…。確かに、あの道明寺にゆるキャラの可愛らしさを理解するのは無理よね。 ボールペンは値段じゃなく、使い心地が大切だって思っている。でも、仕事で道明寺がくれたボールペンは少し高価な気がするんだよね。それに、せっかく道明寺からもらった物なんだから大切に使いたいでしょ。 だからと言って、天草主任からもらったボールペンなら粗略に扱って大丈夫なんて思っているわけじゃないんだよ!...まやかし婚133

  • まやかし婚132

      「総二郎。牧野は社交ダンスを習っているんだよな?ベリーダンスは、お前の一期一会の女たちに頼め。」美作さんの家のリビングに入って来るなり、響いた道明寺の低い声。 えっ?今日は絶対に来ないと思っていたのに、なんで来たの?道明寺と私の間に流れる微妙な空気。 そんなことなんてお構いなしの西門さんは、笑いながら言ってきたの。「なに、怒ってるんだよ!司。つくしちゃんがベリーダンスの衣装着たところで、どこを見るんだよ?見るところねーだろ?」 えっ?それは、さすがに酷いでしょ? 見せられる体なんかじゃないこと知っているし、見てもらいたいわけじゃないけど…。どこ見るんだよ?は無いでしょ。 思わず西門さんに反撃しようとしたのに…。「そうだ!司がつくしちゃんと一緒に踊れ。」なんてことを西門さんが道明寺に言ったの。 えっ?西門さん...まやかし婚132

  • まやかし婚131

      「…。私が誰を好きでも、道明寺に関係ない。」俺の耳に届いた牧野の声。 好きな奴がいるってことか?誰なんだ? 部屋に戻ろうとする牧野を止め、俺は真剣に聞いてみた。「天草なのかって聞いてるだろっ!」 「もう!うるさい!!怒鳴らないでっ。天草主任じゃない。」「天草じゃねーんなら、誰なんだよ?」 ───バカじゃないの?言えるわけないじゃない。 「今さっき言ったでしょ。関係ないって。私のプライベートに口出ししないで。」「関係ないことねーだろ。俺たちは、夫婦なんだぞ!」 ───なに真剣になってるの?私たちは、夫婦って言っても契約じゃない。 「そいつ、公務員なのか?どこの教師だ?」もしかすると、俺の知らねー所で教師に出会っていたのか?俺は、緊張しながらこいつの返事を待った。 「公務員でも教師でもない。」床を向きながら言っ...まやかし婚131

  • まやかし婚130

      天草主任とランチ。仕事でサポートについた人とランチに行くなんて、今まで無かったから楽しみ。しかも、私が行きたいなって思っていたお店だったから二重で嬉しい。 お店に着くまでに、天草主任から「つくし、いつも弁当用意してたよな?」なんて聞かれたけど…。 「今日は持ってきてなかったので、大丈夫です!」って元気に答えた。 実は私の作ったお弁当は、西田さんに託したの。西田さん、「(ボンクラの)お昼を準備していなかったので助かります。」なんて言ってくれて、ほんと神! お店に入ると少しだけ段差があって躓いてしまったんだけど、サッと天草主任が支えてくれたんだ。しかも、「大丈夫か?」なんて声を掛けてきてくれたんだよ。本当に優しい! 道明寺ホールディングス女子社員の憧れってのに納得。その上、仕事の打ち合わせだからって奥の個室を予...まやかし婚130

  • まやかし婚129

      牧野の自宅療養が終わる共に、俺と西田も出社するようになった。牧野のいねーペントハウスで仕事をしても仕方ねーからな。 あいつが同じ空間でいる所で仕事をするは良かった。ま、西田が四六時中出入りしたお蔭で、俺と牧野は仕事に追われた上に、俺は滋の話すら出来なかった。 俺がこんなことを思っていると…。「司様と二人きりで執務室に籠るのは、非常に気分が萎えますね。」大きな溜息と同時に、西田がディスってきた。 おい…。俺が先に思っていたんだっ!同じ台詞を、お前にそっくりそのまま返すっつーんだ!! この後も西田は話続け…。「牧野さんの補佐は常に欲しいですね。」 確かにな。俺も西田より牧野と仕事をしてー。 「契約が終わってから、秘書課に異動してもらいましょうか?」わざわざ契約の事を言わなくてもいいんだ!ムカつく奴だ。 「牧野さ...まやかし婚129

  • まやかし婚128

      食中毒と偽って自宅休養している間に、11月に入ってしまった。今日は、仕事復帰一日目。 久しぶりに出社すると、街路樹の木々が少しずつ緑から黄色や紅に変わりだしていた。この明るい色の葉が落ちたら一気に冬がやって来る。そうして忙しい年末が過ぎると、年が明け、その月末が契約終了…。 私の机の上には、小さなお菓子が並んでいた。私が休んでいた間の配られたらしい、差し入れとお土産。 《庶務伊藤さんの差し入れ》《いつもの文房具屋さんからの御裾分け》《営業部川添さんの青森出張のお土産》《海外事業部山本さんのオーストラリア出張のお土産》なんて付箋が付いている。 その横に『食べ過ぎ注意!』『一人だけで美味しい物食べるから、お腹が痛くなるんだぞー。』『もっと元気になったらランチに行くよ~』『無理したらダメだよ~』なんてメモまで、明...まやかし婚128

  • まやかし婚127

      2011.11牧野の退院した日。 家に帰ってきた俺は、牧野をソファーに座らせ話をした。俺としてはマジで言った言葉も────。 「私は地獄になんて行かないの。あんたなら…。地獄行きっていうより、地獄に住めそうだね。」こんな風に笑われてしまった。 しかも、牧野は訳のわかんねーことを言ってきた。「ねぇ。契約は来年の1月末だけど、私はそれまでここに住んでいいの?」 俺の中では、こんな契約なんて無効なんだ!それに、俺はどこまでも追いかけるって言ったばかりだろ! 牧野がこんな風に言ってくるのも、全て滋との報道があるからだ。こう思った俺は、あの日、滋に頼まれたことを話そうとした。 が、俺が口を開こうとした直前に、「ごめん。ちょっと疲れたみたい。病院だったから、ゆっくり寝られなかったしね。だから、少し部屋でゆっくりしてきて...まやかし婚127

  • 一緒に過ごす初めてのバレンタイン 後

      道明寺が私のマンションにやって来た。あいつは、私の髪の毛が濡れているのを見て、急いでシャワーを浴びに行った。 そして、私は…。今、このローテーブルに置かれた、ピンク色の紙袋に釘付けだ。 今夕、道明寺はKB商事の社長さんと会食だった。その場にKB商事のお嬢さんが来ていたんだろう。 道明寺ホールディングスの秘書課に勤めている私だから…。KB商事のお嬢さんを、見たことも話したこともある。目鼻立ちがくっきりしていて綺麗な女性だった。そんな人からもらったバレンタインのチョコレート。  あいつって、学生時代。こんなのは一切、受け取らなかったよね?大人になったってことかな?仕事だから、受け取ったのかな? このもらったチョコ、どうするのかな?道明寺のことだから、食べるってことはないだろうけど…。なんとなく、モヤモヤする。 ...一緒に過ごす初めてのバレンタイン後

  • まやかし婚126

      道明寺の車に乗っても、私は一言も話さなかった。この無神経バカバカ男となんて絶対に喋らないんだからっ!このバカを一瞬でも優しいなんて思った私がバカだった。 常識的に考えて、彼女と会う為の部屋に他の女の人を入れる?信じられないっ!無神経にも程があるっ!! ペントハウスに帰ると、たった二日離れただけなのに久しぶりに感じた。帰って来たってホッとした。 あと3か月もしたら出て行く家なのに、久しぶりに思っても仕方ないのに…。もしかしたら、3か月もしないうちに出て行くかもしれないのにね。 邪魔ものが居なくなった道明寺は、綺麗な大河原さんと幸せに暮らすんだろうな。フン。どうせ私は綺麗でも可愛くもないですよー。 ・・・。こんな風に思うのは止めよう。なんかどんどん性格が歪んでくるような気がする。 色んな事が起こって、さすがに私...まやかし婚126

  • 一緒に過ごす初めてのバレンタイン 前

      4年後、必ず迎えに行くと約束したっつーのに、俺が帰国することが出来たのは、それから2年も経ってからだった。 6年もの長い間、東京とニューヨークで遠距離をした俺は…。帰国後直ぐ《牧野と一緒に住む》ことを提案した。 あれを溜めすぎると、精神衛生上。いや身体能力的にも非常に良くないことが、遠距離中に嫌ってほど身をもってわかったからだ。 が、ソッコーで却下された。「何考えているの?結婚もしてない男女が、一緒に住むなんてっ!」 こんな昭和時代のようなことを言いだした牧野。頑固な牧野は、一度言い出すと俺の意見なんて全く聞く耳を持ってくれねー。牧野の一言により、一緒に住むことは却下されてしまった。 ま、それでも。愛し合っている男と女。週末や記念日やイベントは、お互いの家に行ったり来たりしている。もちろん、お互いのマンショ...一緒に過ごす初めてのバレンタイン前

  • まやかし婚125

      「妻がお世話になりました。」俺の言葉に、隣の牧野のデケー目が一瞬にしてますますデカくなった。  えっ?道明寺。なんて言ったの?『妻がお世話になりました。』とか言わなかった?? なんでっ?どうしてっ?あんた、私と結婚しているなんてバレたら大変なことになるんだよ! 大河原さんになんて言うのよっ!私は自分の目が、一瞬にして大きくなるのがわかった。  そうだよな。こいつは最初から、この結婚が外部に漏れることを心配していた。 俺にとってあの契約は意味なんて無くなってしまったが…。こいつにとっては、未来の本当の旦那の為に大切なモノなんだろう。 それでも俺は残された3か月を必死に使うって決めたんだ。俺はこいつの背中にそっと手を回して「帰るぞ。」と伝えた。  ぎゃー!道明寺の手が!道明寺の手が、私の肩から背中にかけて回って...まやかし婚125

  • まやかし婚124

      仕事中に牧野からのメール。【お疲れ様です。明日、退院になりました。】相変わらず色気のねーメール。 絵文字すら全くない。予定通り明日の退院報告。それでも、あいつからのメールってことに顔が綻ぶ。 仕事を終え、俺は昨日の出張の因島の土産。牧野の好きそうな菓子と、花を用意した。   明日退院すると連絡したのにも関わらず、私が夕食を食べ終わる頃に、道明寺は病室にやって来た。その時の道明寺の荷物の多さに、私はビックリしてしまった。 私の好きな焼き菓子のセットに、道明寺が昨日出張で行った因島のお土産。そして、可愛い花束を持ってきてくれたんだ。 こんなにたくさんって思う。明日で退院だよとも思う。 でも、これはきっと…。昨日の事件で私がショックを受けているとか、道明寺なりに気を使ってくれたんだろうな。 「ありがと。すごく嬉し...まやかし婚124

  • まやかし婚123

      私が男たちに連れ去られそうになった翌朝。道明寺は「仕事帰りにまた来る。」とだけ言って、会社に行った。 道明寺は、昨日のあの男たちをボコボコにしたらしい。それが、あまりに酷い状態だったので近くの人が通報したんだって。どのくらいボコボコになったのかは聞いてないんだけど…。 あの通りは、パトカーが出動、救急車も来てって一時大変だったらしい。なんでも、最初は道明寺が加害者だと思い込まれていたっていうから、きっとあの男の人たちは道明寺にボコボコにされたんだろうな。 私を連れ去ろうとした男たちに、道明寺は当然のように「裁判なしでムショ送り。」なんて言っていたけど…。道明寺が言うと、本当にそうなりそうなのがちょっと気になる。 あの闇金業者は、警察もマークしていた超悪徳闇金業者だったらしい。被害に遭った女の人たちが、どのく...まやかし婚123

  • まやかし婚122

      あいつが男に連れ去られそうになったのを見た時。俺の中で、昔の俺が、本来の俺が戻ってきたのがわかった。 間に合わねー!牧野が車に押し込まれる!! あきらが言った言葉が響く。『ヤられるか、殺られるか。』 あの時のあきらは言わなかったが、一番最悪な場合…。俺はこの一番最悪な場合を避ける為、全力で走った。 この時、牧野が最後の抵抗を見せた。その抵抗に腹が立ったのか、男は牧野の腹を蹴り頬を叩いた。これを見た瞬間、俺の中で確実に殺意を抱いた。 なんとか、車に押し込まれる直前に牧野を救出した。その途端、牧野を連れ去ろうとした男が俺に殴りかかってきた。こんな奴、俺の敵にもならねー。 俺がこの男をボコボコにしだすと、運転席の男は仲間の男を助けようともしなかった。あろうことか、気を失っている牧野を車に連れ去ろうとした。それを見...まやかし婚122

  • まやかし婚121

      痛っ!体中の痛みで目が覚めた。 私は、どこかのベッドで寝ていた。薄暗い部屋。私しかいない。私の知らない場所。ここどこ?私、どうして?今、何時くらい?窓から見える空は真っ暗だ。 一瞬にして恐怖が押し寄せてくる。体がガタガタ震えだした。声が出そうになる。怖い、怖い、怖い。私、どうして?ここにいるの?私は、あの男たちに連れ去られたの? あの時。みぞおちを思いっきり蹴り上げられた後、頬をぶたれた。あまりの痛さに、私の目の前は真っ暗になった。あの時、私は脳震盪を起こしたんだ。 えっ?私が意識を失っている間に!!!最悪の事態を覚悟した。焦った私は、急いで体を起こそうとした。 でも…。動かすと同時に、体中からの叫び。猛烈な痛みが走る。腕を少しでも動かすと、チクって痛みがくる。体を少し動かすと、腹部が痛い。足も、痛い。手首...まやかし婚121

  • まやかし婚120

      この男の前では、私の力なんて無意味だった。引き摺られるように、私は歩かされる。まるで家畜のような扱い。私は、このまま…。女をモノ程度に思っている、この男に犯される。 いやっ!初めてなのに。レイプなんて絶対にイヤ!怖くて怖くて、目に涙が溢れそうになる。無理だよ。好きでもない人となんて。 途中で抵抗すると、向こう脛を思いっきり蹴り上げられた。弁慶の泣き所─────。本当に、涙が出るほど痛い。この人たちって、人の弱点のプロなんだ。 あの取り立てに来た日を思い出す。私たち家族をモノのように扱ったことを。そして、私を完全に性の対象として見ていたことを。私のお尻も、嫌な触り方をしていたのを覚えている。 この男は、私が誰かの愛人と思い込んでいる。しかも、あんな高そうなマンションに私を囲うことが出来る人の─────。そして...まやかし婚120

  • まやかし婚119

      因島で、俺は西田に指示されるがまま土産を買った。人生初の女への土産。 「女性へのお土産は、お菓子。そして、既婚者なら、プラスで夜ご飯に使えるものが喜ばれます。」既婚者。妙に、この言葉が俺をくすぐる。この西田の言葉を信じた俺は、素直に片っ端から牧野の好きそうなものを探す。好き嫌いのねー牧野なら全部喜ぶと判断した俺は、店主に全て一点ずつと伝えた。 それを見た西田に一喝される。「なんでも買えばいいってものじゃないのです。たくさんある中から、悩みながら選んでくれた。だから、これが一番おいしいと思われるのが大切です。」 だから、一点っつーただろって思いながらも…。が、確かに。あの《勿体無い》が口癖の牧野だ。西田の言うことも一理あると思った俺は、かなり悩みながら数点選ぶことにした。 これがスゲー難しかった。牧野が喜んで...まやかし婚119

  • まやかし婚118

      今月に入って、会社からの帰り道。私を、時々つけていたこの男。 勇気を出して、振り返ると─────。この男が目の前にいた。 パパがトイチでお金を借りた時に、牧野の家に土足で上がり込んできた。人の家に土足で入るって、どれだけ失礼なことなのか知っているの?窃盗犯と同レベル。人権無視も甚だしい。でも、本当は、お金を借りたパパが悪い。 私は、パパがまた借金を作ったと思った。でも、目の前の男は、私が想像していた言葉と全く違う言葉を言いだした。 「あんたさ、毎月いくら手当もらっているんだ?」「は?手当?」「あんな高そうなマンションに囲われているんだ。毎月、いくらでヤらせてる?」「どうせ腹の出たオッサンの相手をしているんだろ?」 え?なに言ってるの?あんな高そうなマンション?囲われている?毎月、いくら?ヤらせてる?腹の出た...まやかし婚118

  • まやかし婚117

      帰路、内海独特の穏やかさが緊張していた俺の心を和ませた。牧野をここに連れてくることが出来たら?アイツなら自然豊かな因島にスゲー喜んで、自転車で島一周しそうだなんて思えてくる。 そう言えば…。ここ数日、俺は因島への出張を日帰りにしたのもあって家にも仕事を持ち帰った。パソコンばかり見ていたが、牧野がなにかを隠しているような気がした。隠しているというか、不安そうに感じた。あいつは何を隠していた? 俺も、滋とのウソの報道を話さねーとな。この話をするタイミングを何度も逃しているような気がするのは気のせいか?話そうとすると、今さっきまでテレビを見ていた牧野がバタバタと忙しそうに家事をしだす。もしくは、西田から連絡が入ったりで、滋とのことをゆっくり話す時間が取れねー。    今日は、道明寺の帰宅が遅くなる予定。なんでも、...まやかし婚117

  • まやかし婚116

      俺は因島まで西田と出張に行くことになった。当初、西田は一泊でスケジュールを組んできた。無断外泊したあの日と違うってわかっていても、俺は断固拒否した。これには西田も引かなかった。 「仕事は勿論ですが。今回の因島出張には、赤札を貼った最後の方への謝罪があるのです。」「しかも、その方の内臓を破裂させているのですよ。」「一瞬の謝罪で済むとお思いですか?」こんなことを言われ続けた。 高校時代の俺を、締め殺したい。マジでバカだ。学生時代の牧野が、俺のことを嫌っていたのに納得してしまう。 こんなことを思いながら、今の自分もあまり成長していないことに気付く。牧野にヤキモチ妬いてもらいてーからって、あいつらの作戦にのってしまった。結局、諦めることなんてできねーのに、酒の力でなんとかしようとして挙句の果てに無断外泊。 俺が溜息...まやかし婚116

  • まやかし婚115

      2021.10暑かった夏が終わり、季節は秋へ移り変わりだしていた。日中は暑いくらいなのに、朝晩が急に寒く感じるようになった。 実は…。今月に入ったくらいから、すごく気になりだしたことがある。もしかすると、私が気付かなかっただけで先月からだったのかもしれない。 会社から帰る時、つけられていると思う。私の歩調に合せて歩いている足音が後ろから聞こえてくる。最初は、気のせいかなって思った。高層ビルに囲まれたこの区画。だから、音が反響してそんな風に聞こえているんだって思っていた。 でも、そうじゃなかったの。私はコツコツってゆっくり歩いているのを、コッコッって早歩きに変えてみた。後ろ側の人も、同じように歩調を変えてくるのがわかる。私はショルダーバックのショルダー部分をギュッと握りしめた。 怖くて後ろを振り返ったことはな...まやかし婚115

  • まやかし婚114

      あの日、一緒のベッドで寝てしまった私は…。道明寺の寝顔を見ながら、また寝てしまったの。私も、好きな男の人と一緒なのに寝てしまうってどうなのって思ったんだよ。でも!言い訳かもだけど、あいつってポカポカしていて温かくって、気付いたら寝てしまっていたの!! 目が覚めたのは髪の毛に感じた違和感。そう…。私が感じた違和感は、道明寺が私の髪をサラサラと梳いていたの。しかも、なぜかすごく優しそうな顔をして…。 なんで道明寺はこんな優しそうな顔しているの?あまりに優しい顔をしている道明寺に、私は恥ずかしくなってしまって思わず顔を下げてしまった。 「わりぃ。起こしてしまったか?」「おっ、お、おはよう。えっ…。えっと、お、お邪魔しています?」 道明寺は普通に言ってくれたけど、ドキドキしている私は何を言っていいのかわからない。っ...まやかし婚114

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