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2021/10/09

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  • コメント返信9

    雑記へのコメント返信m様ありがとうございます。そのようにコメントを頂戴しホッとしております。出来るだけ週1くらいで更新していきたいなと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。コメントをありがとうございました。RedoingLove2へのコメント返信クラゲ様こんばんは。ワクワクして頂けました?過去の話なのに、そのようにコメントを頂戴して嬉しく思っております。私も海ちゃん、大嫌いなんです。でも、こんな子、学生時代から常にいましたよね。お弁当の作り主に、司くんが気付く日(笑)楽しみに待っていてくださいね。不定期更新なので、時々遊びに来て下さい。コメントをありがとうございました。RedoingLove1へのコメント返信しろ様始まりました。長い間、待っていただき申し訳ございませんでした。切ないですよ...コメント返信9

  • Redoing Love

    港での事件以来、体が思うように動かねー。松葉つえ使いながら─────。俺は、階段を1段、1段と、イライラしながら屋上を目指した。屋上までのエレベーターがねーことも、思うように動かねー体のことも、松葉つえがねーと、何一つ出来ねーことも、頭に靄がかかっているみてーで、スゲーイライラする。イライラしながら、屋上へ出て見ると─────。秋の爽やかな風が、俺を待っていたかのように通り抜けて行く。・・・・・。俺、今までに、季節のことなんて気にしたことあったか?こんなことを、頭の片隅で思ったりしたが…。あいつらが俺に『大切なモノを忘れている。』って言っていたことを思い出した。季節のことを感じたのも、その忘れた記憶の一部分なのかもしんねー。穏やかな気持ちになったのも一瞬─────。再び、俺は訳の分からねー怒りに支配された...RedoingLove

  • 雑記 1

    おはようございます暖かくなったかと思えば、寒さが戻り。こうして少しずつ春に近づいているんだなと感じるようになってきましたね。もうすぐ、春の花が一斉に咲きだすなと楽しみにしております。さて、私のブログですが─────。原作者様が長い年月をかけてお作りになられたイメージを崩してしまうと思うと申し訳ないとの思いから、色々としてみたのですが、結局は皆様にパスワードで負担を掛けすぎていると知り、引っ越しを始めたものの…。数日で不正アクセスされてしまいました(泣)本当に、どうして私のブログは不正アクセスされやすいのか?そんなに大した話なんてないのに…。と、いつも悔しい思いでいっぱいです。皆様にも、パスワードから始まり、新しいブログと対応していただき本当にご迷惑とご心配をお掛けし申し訳ございませんでした。本当に毎回、ブ...雑記1

  • コメント返信8

    お知らせへのコメント返信M○○ko様数日間お世話になったところでも、コメントを頂戴していたのに申し訳ございません。本当に暇な人がいますよね。私のブログに不正アクセスして何をしたいんだろ?と思います。大した話も書いてないのにっ!と、本当に『けったくそ悪っ』の気分です。でも、こうなってしまったので、こちらのグーブログさんでパスワード無しでお世話になりなさいということなんだと思っています(笑)一人の時に読んで下さっているんですねー。私としては、楽しみに読んでもらえるのも嬉しいですが、笑ってもらえるのはもっと嬉しいです。せっかく最初から読み直して頂いていたのに、申し訳ございません。更新はバラバラになってしまうのですが、また遊びに来ていただけると嬉しいです。コメントをありがとうございました。お知らせへのコメント返信...コメント返信8

  • Redoing Love 1

    どうして?どうして、こんなことになったの?どうして?どうして、あたしだけを忘れてしまったの?どうして?どうして、こんなことが起こってしまったの?目の前の二人を見ながら、何度、問いかけたんだろう?何回、同じことを思ったんだろう…。道明寺が悪いんじゃない。犯人が悪いんじゃない。あたしが悪いんじゃない。誰が悪いんでもない!でも─────。わかっていても、辛くて悲しい。どうして、あたしだけを忘れてしまったの?あたしのこと忘れるだけじゃなく…。どうして、道明寺の隣に海ちゃんがいるの?どうして、海ちゃんと一緒に笑っているの?そこは、今まで─────。あたしの場所だったのに。あたしだけの場所だと信じていたのに…。あたしと一緒に過ごした時間は、なんだったの?思い出して…。あたしを見つけて…。あの時。神様に何度もお願いした...RedoingLove1

  • ブログについて

    このブログについて当ブログは、花より男子の二次小説となっております。原作者並びに、出版者様とは無関係です。原作者様のお作りになられたイメージを損なっていることに対し、大変申し訳ないと思っております。ですが、こちらの著作権は管理人にあります。当ブログ内の話を、無断転載などはお断りしております。写真はクリエーター様よりお借りしているものです。無断使用は絶対にしないで下さい。私の話を、不快に感じられたり、受け付けられないと思う時があるかもしれません。素人が書いた話だと、頭の片隅に置きながら読んで頂けるとありがたいと思っております更新日時特に決めていません。準備が整い次第、随時『おしらせ』にて連絡させて頂きます。お知らせの記事何かありましたら、こちらと同じカテゴリの『お知らせ』より随時報告させて頂きます。尚、『お...ブログについて

  • お知らせ

    皆様、こんばんはブログの引っ越し先では、なんとかパスワードで迷惑をかけることなく安心していたのですが…。数日前より管理画面に到達できず困っておりました。何度もチャレンジしログインしていましたが、本当に大変で(汗)今日、偶然入れた所から履歴が見ることが出来たのでチェックすると、私以外からのログインが確認されました。もう…本当にショックです。不正アクセスされた日と、私がログイン出来なくなった日が合うのでこれが原因だったと思います。私の個人情報もですが、私に繋がる方の個人情報等を守るため、申し訳ございませんが新しいブログのアカントは削除させてもらいます。私がアカント削除できたら良かったのですが、管理画面に到達することが出来ないのでアカント削除を依頼しています。数日内には『はなび』のブログは削除されます。よろしく...お知らせ

  • 最初にお読みください

    はじめましてまぁこと申しますこちらのブログは、私が趣味で書いているある話の二次小説です。素人が暇な時間に書き散らかしたものですので、興味がある方のみお入りください。全ての記事にパスワードがついていますので、『パスワードについて』の記事を読んでからお入りください。なお、パスワードについてのクレームは受けておりませんのでご了承ください。初めての方は、同じカテゴリ内の『ブログについて』の記事を先に読んで下さい。2024.02.12この記事に関しては、線より上が固定です。下の部分は、必要な連絡などの為にその都度、変更させてもらう予定です。最新記事になっていた時は、お読みいただけるとありがたいです。こんばんは。パスワードの件では皆様に迷惑を掛けてしまい申し訳ございません。今日、頂いたコメントで一話ずつパスワードを入...最初にお読みください

  • まやかし婚 おまけ

    ~秘書西田の草も生えない1日後~道明寺ホールディングス日本支社の最上階。私はいつものように、目の前の上司に「おはようございます。こちらの書類にも目を通し、押印をお願い致します。」と、書類を渡しました。書類を受け取った我が上司は、不服そうです。『脱ハンコはどこにいったんだよ?』このような言葉が、飛び出すのかと思いきや────。目の前の上司から返ってきた言葉は「つくしはまだか?」でした。はい、出ました。ポンコツ上司による、仕事依頼の無視。でも大丈夫です。このくらいでは、西田のメンタルはびくともしません。私が『書類に目を通し押印』をお願いしたにも関わらず、無視した上司は、先程から両耳を澄まし、廊下から聞こえるつくし様の足音を今か今かと待ちわびているのです。こちらのフロアは、毛の長い絨毯が敷いているというのに…。...まやかし婚おまけ

  • まやかし婚 おまけ

    ~秘書西田の草も生えない1日前~皆様、お久しぶりでございます。お元気でいらっしゃいますか?画面の向こうの皆様が会いたいと熱望していた貴女『まやかしの(司様限定で口と性格の悪い)西田』が、元気に帰ってまいりました。反対に、他の書き手様が書いてくださっているような有能な秘書:西田の方が良いと思われた貴女。確かに…。どのような話でも、私は有能な秘書として書いてもらえるとばかり思っていました。ですが、人生とは思うようにいかないのです。それは二次元の中でも同じなのです。有能な秘書の西田は、貴女をクスっと笑わせることが出来るだけですが、人間味溢れる西田は、貴女を笑顔にすることが出来ますので、しばらくお付き合いください。さて、今回の話は─────どうでもいい我が上司と牧野さんのあの結婚式から、約1年後。少し題名が気にな...まやかし婚おまけ

  • 更新情報

    いつも遊びにきていただきありがとうございますパスワードの件では皆様に迷惑をお掛けしておりますそのパスワードのために、更新しても最新記事としてでないことがわかりまして(汗)この記事でその都度連絡させてもらうことにしました更新情報2/5から頂戴していたコメントの返信を更新させてもらいました。司くんの誕生日とバレンタインには間に合わなかったのですが…すみません。まやかし婚のおまけ話を2/14と2/16で更新させてもらいます。お暇なときにでも、遊びに来てくださいね。よろしくお願いいたします。更新情報

  • コメント返信 7

    パスワードについてへのコメント返信springstom様そちらの力を借りてまで、パスワードを解いていただきありがとうございます。謎解きのようで楽しかったですか?そう仰っていただけてホッとしています。パスワード、定期的に変えないといけないみたいで…。次はこのジャンル希望などありましたら、教えて下さい。きっと新しいパスワードでも扉も開くはずです(笑)いつもコメントをありがとうございます。無記名の方へ私の設定したパスワードにうんざりしたのなら、読まなかったら良かったと思います。それに、わざわざコメントを送ってくる必要も無いと思います。私は、考えに考えブログをこのようにしました。それが嫌なら、読んでもらいたいと思っていません。これから私の書いた話は、『またここの書き手、変なパスワード考えてるわ』と笑いながら読んで...コメント返信7

  • パスワードについて

    カテゴリを選んでいただくとパスワードの入力画面となりますので、パスワードを入力してください。尚、パスワードはカテゴリ毎に違いますし、定期的に変更させて頂きますのでよろしくお願いいたします。○はじめましてこちらのカテゴリには、パスワードはありません○パスワードについていずれパスワードを設定します○必ずお読みください江戸時代『天下の台所』と呼ばれた大坂は、時代が移り変わっても私たちの食欲を満たしてくれています。その今の大阪のことを『○○○○○の街』と呼びます。このひらがな5文字をローマ字の小文字で入力してください。○Preciousname牛若丸と弁慶が出会ったとされる『五条大橋』ですが…。ここでは無く、実は『○○○○橋』だったとも言われています。このひらがな4文字をローマ字の小文字で入力してください。○Co...パスワードについて

  • 新年の挨拶

    この度の能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表すると共に、被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。皆様、お元気でいらっしゃいますでしょうか?新年より、能登半島の地震。翌日には、飛行機事故。時間と共に悲惨な状況を知ることとなり…。新年の挨拶の準備をしていたのですが、あまりに年末の私の感覚とは違う為、書き直しをしていた為、遅くなり申し訳ございません。皆様はご無事でしたでしょうか?私の住む関西でも、かなりの長い時間の揺れがありました。能登に住まわれている方が、長時間の大きな揺れにどれだけの恐怖を抱いたかと思うと、本当に言葉が見つかりません。今直ぐにでも余震が止まり、一日でも早くライフラインが、元の生活へ戻ることを祈っています。そして、その非常時に付け込むとんでもない人間というのはいます...新年の挨拶

  • お菓子の行方

    ※司くん高校2年生片思い中のお話です。年に2回、この学園が甘ったるい香りで充満する時がある。2月のバレンタインと数日後に控えたハロウィンの日だ。バレンタインの友チョコと同じように、友達同士で「TrickorTreat」って言い合ってお菓子を交換するらしい。なかには、バレンタインと同じように告白する奴もいるとかどうとか?20年ほど前に、英徳で始まった行事。バレンタインまで待ちきれなかった女子が、ハロウィンのお菓子を渡して告白した。その後、そいつらは学生時代の恋を実らせ結婚したっつーのが言い伝えとして残っている。その言い伝えが気になる訳じゃねーけど。俺は、牧野の手作りのお菓子が欲しい。他の奴からなんていらねー。そんなの食いたくねー。あいつが作ったのだけが欲しい。出来れば俺だけの為に作ってくれたらっつー思いもあ...お菓子の行方

  • ネクタイ

      「あっちに行ったぞっ。」「いや、体育館の裏だっ。」 今日の放課後も、英徳学園の高等部では、牧野つくし狩りが行われている。俺が直接手を下すことも無く、暇な奴らが牧野を追っている。 最近では、牧野の幼なじみの青池和也も赤札対象っつーのもあり、ボンビー牧野と成金青池は、必死で学園内を走り回っている。 そんな様子を、俺は複雑な気持ちで見ていた。俺に逆らう奴なんて、赤札を貼られて当然だっつー思いと、関係ねー奴らが、牧野を追っているのが気にくわねーっつーのと…。なぜか、牧野が青池と一緒にいるっつーことが、どうしても気になった。昇降口へ向かっている途中。逃げ回っている牧野と青池を見つけた。 必死になって走っているからなのか、牧野の顔は真っ赤になっていて、汗だくなのがわかる。校舎の角を曲がった牧野が、苦しそうに肩で息...ネクタイ

  • 120minutes あとがき

      空が高くなり爽やかな秋が、少しずつ感じられるようになってきましたね。皆様、お元気でいらっしゃいますでしょうか? 120minutesにお付き合いいただきありがとうございました。この話は、今の私の状態から、思いついた話です。 私の頭の中に、話は色々と浮かぶのですが、それを文字にするのって難しいんです。しかも、話がいつの間にか逸れてしまっていたり…。ゆっくり考えたくても、なかなか時間をゆっくり取るのが難しく。 なので、書く時間が毎日2時間あればなーなんて思うのですが…。私にも自由な時間が欲しいと思ったところから、つかつくの2人ならどうする?って浮かんできた話でした。 どれだけお金を持っていても時間だけは、みんな平等なので苦労するのは司くんにしました。でも、苦労ばかりも可哀想なので、比較的自由な大学生の設定...120minutesあとがき

  • 120minutes22

      あたしの背後にある、図書館の扉がギィ…って開く。と、同時に聞き慣れた声。「髪の毛サラサラのイケメン、いませんでしたね。」「ガセだったのかなー?」 道明寺くんの髪の毛を拭いているあたしと、図書館から出てきた滋さんと桜子の目が合う。あたしもだけど、滋さんも桜子も驚いているのがわかる。 「えっ。つくし?」あたしがいることに、ただ驚いている滋さんの声に、 「そちらの方って、道明寺さんじゃ…?」って、目敏い桜子の声。 ど、どうしよう…。なんて説明したらいいんだろ。 焦っているのに─────。道明寺くんは、あたしの腕を掴んで引き寄せて「お前らが思っている通りだ。」なんて、言ったの。 えっ!?なんでそんなこと言うのっ?誤解されてしまうじゃないっ。 あたしが必死になって、頭をブンブン振りながら「違う。」「そんなことな...120minutes22

  • 120minutes21

      「なんで嘘ついたの?」っつー牧野の質問に、 俺は正直に答えた。「俺は、嘘をつきたかったんじゃねー。俺は、牧野の理想になりたかったんだ。」 この俺の言葉に、牧野は、眉を顰め、首を傾げた。 おい…。まさか、こいつ…。自分で言ったこと覚えてねーのか? 「覚えてねーのか?」俺が聞くと、案の定、「…うん。」っつー返事。 「9月の末の履修登録の日に、聞いたんだよ。」「何を聞いたの?」 「カフェで話していただろ。滋と三条と一緒に、理想の男の話。」この俺の言葉に、思い出したような顔をする牧野。 「それを偶然、聞いたんだよ。」っつー俺の言葉に、 牧野は、当然のように、「だからって、偽名を使うこと無いでしょ。」この言葉を返してきた。 「あぁ。スゲー後悔した。」「ねぇ、なんで偽名を使ったの?」 「滋や三条に知られたくなかっ...120minutes21

  • 120minutes20

      殆ど眠れず朝を迎えた。今朝の天気は、どんよりとした雲が広がっている。いつ雨が降り出してもおかしくない。 こう思ったあたしは、駅から急ぎ足で大学に向かった。そして、図書館を目指す。 あっ。図書館は工事していたはず…。でも、キョロキョロ見渡してみると、どうやら工事は終わっていた。 見た目には何も変わってない。でも、毎日来ていたあたしには、どこが工事されたのかが直ぐにわかった。 どうして、こんな工事をしたのかな?ゆっくり扉を開け、あたしは図書館の新聞コーナーへ向かった。 経済系の新聞を手に取る。そして、震える指先で新聞をめくり出した。 昨日、滋さんの言っていた『F4』って言葉。あの時は、何も思わなかったけど…。 高校時代、優紀が『私、F4なら西門くんが一番カッコいいと思う。お茶でも習いに行こうかな。』って、...120minutes20

  • 120minutes19

    あたしの心に出来た小さな黒い影。綺麗な水の中に、墨汁を一滴垂らしたみたいに、じわじわとあたしの心の中に広がった。なんとなく嫌な気分のまま、図書館へ向かう。綺麗に磨かれた石の階段の前には、黄色と黒のロープ。そして、ロープの向こう側には、ヘルメットを被った数人の男性。えっ、工事?なんで?そんなの聞いてないっ!近くの張り紙を見ると─────。急な工事のため、明日まで閉館って、小さな字で書いている。昨日も図書館に来たのに…。どうして、司書のおじさんたちは、教えてくれなかったのかな。『また、明日も来まーす。』って言ったのにな。あたししか来ないからって、酷くない?急な工事って書いてあるから、本当に急だったのかもしれないな…。気を取り直して、元来た道を歩き出す。でも、さっきまでは素敵に見えた銀杏の木も綺麗な空にも、全く...120minutes19

  • 120minutes18

    「勝手に決定してんじゃねー。俺は留年もしねーし、見合いもしねー。好きな女じゃねーと、結婚もしねー。これは、俺の中での決定事項だ。」こう言いきった俺に、ババアは、薄気味悪く微笑んできた。このババアの顔で─────。俺は、ババアの逆鱗に触れたっつーことだけは、直感でわかった。だからといって、俺は絶対に、見合いなんてしねー。烏丸がどんな奴だろうと、俺にとっての一番は牧野なんだ。まだ、付き合ってねーし…。返事ももらってねーけど、俺は牧野以外の女と付き合う気は無い。ババアに、啖呵を切ったからには─────。絶対に、留年だけは出来ねー。それだけは、絶対に避けねーといけねー。ババアと話した翌日から、俺は真面目に授業に出るようになった。全ての授業に出て、わかったことがある。授業の内容が、全くわかんねー。その上、最低限は出...120minutes18

  • 120minutes17

    次のデートで、絶対に言う!何があっても、絶対に言う!そして、返事を聞く。こう決めている俺。でも、牧野となかなか日が合わねー。っつーより、全く日が合わねー。理由は、牧野のバイトが基本週末は出るってことになっているっつーので、休めねーっつーのと…。今月に入った途端、牧野のゼミがフィールドワークを増やしたのが原因だ。一体、いつデート出来るんだ?図書館では、司書のジジイがウロウロしているっつーのもあって、髪のことは話せねー。俺は、早く本当のことを話したいんだっ!こんなことを思い、邸の自分の部屋で悶々と過ごしていると─────。タマが部屋にやってきて「坊ちゃん、奥様が書斎でお待ちです。」なんて言ってきたんだ。あ?ババアの奴、日本にいたのか?ババアの書斎に行き、目も合わせずソファーに座ると─────。「誰が座って良い...120minutes17

  • 120minutes16

    今日こそ、牧野に話すと決めていた俺だったが─────。コーヒーショップに入る直前、牧野の弟から、信じられねー連絡が入った。牧野の弟は、自分の家の鍵を忘れてしまったみてーで、家に入れねーなんてことを言ってきたんだ。しかも、腹が減ってペコペコだとか、牧野に早く帰って来いだとか…。こんなふざけたことを、言ってきたんだ。牧野の弟…。お前、高校生なんだろ。家の鍵の管理くらい自分でしろっ。俺たちの初めてのデートの邪魔すんじゃねー。なんの部活しているのか知らねーけど、腹が減っているんなら、何か食うことくらいしろっ。なんてことが頭に過ぎった─────。が、牧野が家族のことを大切に思っているっつーのは、今まで図書館で一緒に過ごした俺は十分に知っていた。仕方ねー。今日は、ここまでだな。ふと、時計を見ると─────。やべっ。あ...120minutes16

  • 120minutes15

    あたしが観たいなって思う映画は、いつもハラハラドキドキ系。恋愛映画より、間に合うか、間に合わないかって、ドキドキする映画の方が好きなんだよね。そして、そんな風にドキドキハラハラしながら、ポップコーンを頬張って観るのって最高だと思うんだよね。でも、よく考えたら…。って、よく考えなくても今日はデート。しかも、初めてのデート。大好きなドキドキ系の映画だったのに─────。きちんと見ていたのは、最初の方だけ。途中からは、隣の宝山くんにドキドキするばかりで、殆ど観られなかった。『ポップコーン、食べた?』って、宝山くんに聞いただけだったのにっ!宝山くんは口をあーんって、開けてきたのっ。指先までドキドキと緊張しているあたし。宝山くんの口にポップコーンを入れて、ホッと一息ついていたら─────。こんな風に、思っているあた...120minutes15

  • 120minutes14

    宝山くんが買ってくれていた席は─────。ソファータイプでひじ掛けが無い、カップルシートだった。カップルって…。あたし、まだ返事もしてないのにっ。どうして、普通の席にしてくれなかったの?図書館の隣同士なら、まだ何とかなるけど…。こんなの緊張して、映画どころじゃないじゃないっ。しかも、しかもっ!宝山くんとあたしの手は繋がれたまま。先に座った宝山くんは、あたしの手をクイって引っ張った。引っ張られるなんて、思いもしなかったあたしは─────。宝山くんに、くっつくようにして座ってしまった。ぎゃおっ!あたしの肩や腕がっ!宝山くんの腕にくっついているー!!これ以上無理ってくらい、あたしはドキドキしてるのにっ!宝山くんは、あたしを覗き込むように見てきて、ククッて小さく笑いながらジュースを渡してきたの。ジュースを受け取っ...120minutes14

  • 120minutes13

    映画のタイムスケジュールをモニターで確認すると、映画の開始時刻まで後10分。急いでチケットを買おうとすると、「あたしの分は、あたしが出す。」なんてことを、牧野が言い出した。「このくらい奢らせろ。」っつーて、俺が買うと「じゃ、ポップコーンはあたしが買うね。」なんてことを言い出した。なんでも、牧野は「普段はあまりポップコーンなんて食べないのに、映画館に入った途端、この匂いに負けてしまうんだよね。絶対に食べたいって思ってしまう。」なんて言い出した。確かに、言われてみれば、ポップコーンの匂いが充満している。「塩とキャラメルのハーフで。」なんて言いながら頼んでいる牧野の横顔は、スゲー嬉しそうだ。図書館で過ごしている時とは、また違う顔。これは、ポップコーンを楽しみにしている顔なんだな。もしかすると、牧野は食うことが好...120minutes13

  • 120minutes12

    宝山くんと連絡先を交換した夜─────。【デートどこに行きたい?】こんなメッセージが、宝山くんから届いた。デートって文字に、なんとなく照れてしまう。宝山くんは、どこに行きたいのかな?初めてのデートってどこに行くんだろ?遊園地、水族館、動物園、公園…。みんなは、どこに行くのかな?宝山くんとあたしは、毎日って言っていいほど会っているけど…。そんなに長い時間を、一緒に過ごしているわけじゃないんだよね。一番長い時で2時間くらい?それなのにデートとかして大丈夫かな?あたし、絶対に緊張してしまうよ。この前みたいにドキドキとうるさい心臓の音が、宝山くんまで聞こえそうになったりしたらどうしよう。図書館みたいに静かな所は、ダメだよね。俺たちの初めてのデートは、映画を観ることになった。俺には、全く意味が分からなかったが…。牧...120minutes12

  • 120minutes11

      「俺、牧野が好きだ。俺と付き合って欲しい。」俺の言葉に、牧野はデケー目をますますデカくさせた。 でも、仕方ねー。『どんな髪型でも、宝山くんは宝山くんでしょ。宝山くんの気に入っている髪型にするのが、一番だと思うよ。』この牧野の言葉が、嬉し過ぎたんだ。 サラサラのストレートじゃなくても─────。もしかすると、俺自身を見てもらえるかもしんねーんだ。 気付いたら、俺は告ってた。牧野は、まだデケー目のまま。 そうだよな。牧野にとって、俺は─────。大学の図書館でよく会う、1つ年上の男なだけなんだ。 しかも、俺は─────。髪の毛を騙している上に、本名も明かさず、ババアの旧姓まで使っている。 「図書館だけで会っているだけの男に、告られても困るよな。でも、俺のことを知ってもらいたいんだ。返事は、それからでいい。...120minutes11

  • 120minutes10

      「なぁ。俺の髪がサラサラじゃなかったら…。牧野はどう思う?」思わず、聞いてしまったこの言葉。 そんな俺に、「宝山くんの髪?パーマでもかけるの?短くするの?」こう言って、牧野は首を傾げた。 パーマなんてかけねー。そんなのかける必要もねー。2時間経ったら、俺の髪は自然に戻る。っつーことを、言うのが正しいのか、正しくねーのか? 悩んでいる俺に、牧野が言ってきた言葉。「今のツーブロックも、涼しそうで良いと思うけど…。マッシュにでもするの?」 あ?マッシュが好きなのか?っつーか、牧野が好きなのはサラサラのストレートの男なんだよな?俺の髪型でマッシュに出来るのか? こんなことを、思いながら─────。「マッシュが好きなのか?」聞いてみると、 「うーん。マッシュを、好きとか嫌いで見たことが無い。」なんてことを、牧野...120minutes10

  • 120minutes9

      本の話ばかりしていた俺たちも─────。いつの間にか、自分たちの話をするようになった。どんな授業を、受けているだとか…。 そして、いつの間にか─────。家族のことや、友達。好きな食べ物、休日は何をしているのかってことまで、話をするようになっていた。 こんな風になってからは─────。図書館で過ごすときの俺たちの席は、お互いの隣になった。 牧野の隣の椅子を俺が引くと─────。こいつが俺を見上げて、ニコって笑ってくるのがスゲー可愛い。 つられて俺まで笑ってしまう。目を合わせて笑い合うだけで、スゲー嬉しい気持ちになるんだな。 出来れば、この牧野の笑顔を俺だけのモノにしたい。いや、絶対にすると心に誓う。 ただこれには、大きな問題が出てきた。俺が牧野と一緒に過ごすことが出来る時間が、たった2時間しかねーって...120minutes9

  • 120minutes8

      あの日を境に、俺たちは図書館で毎日会うようになった。とはいっても、それは偶然じゃない。俺がこいつの時間割と休講を考え、髪をストレートにしているからだ。なんていっても貴重な2時間だからな。 半月もすると─────。「おはよう。今日も来てたんだ。」「おう。俺、今日は2限からなんだ。」「ふーん。あたし、火曜日はどうしても虫食いになってしまうから、今の内にレポートをまとめようと思って…。」こんな会話をするようになった。 普通なら、図書館で話すなんてことは禁止なんだろうが…。俺と牧野の貸し切りっつーのもあって、話をしていても誰からも注意されねー。 そして、いつものように、牧野は直ぐに本を読みだした。が、一時間程すると、本を閉じ─────。俺を見て、嬉しそうに笑ってきたんだ。 そんな牧野を見て、思わず聞いてみる。...120minutes8

  • 120minutes7

      欲しい本に手が届かないらしい、牧野に声を掛けると…。こいつは、思いっきり俺を見上げてきた。 そして、驚いたような顔をして─────。直ぐに、体を反転させてきたんだ。 バレたか、なんて思ったが…。「ありがとうございます。助かりました。」ニコって笑いながら、礼を言ってくる牧野。 「あぁ。」って、出来るだけフツーに返事をしながら…。初めて牧野と言葉を交わしたことに、俺は心の中でガッツポーズ。 俺が喜びに浸っている間に、ペコって頭を下げた牧野は─────。ここから一番近いデケー机に座り、さっきの本を広げ読みだした。適当な本を選んだ俺も、牧野と少し離れて座った。さっきの背の高い髪の毛のサラサラの人に、取ってもらった本。この本を受け取ったあたしは、ここから一番近くの大きな机に向かった。 この大きな机は、いつもあた...120minutes7

  • 120minutes6

      翌日。牧野の時間割を記憶している俺は─────。牧野が図書館にくるだろう時間を逆算し、図書館へ移動した。 前回と同じように、学生は誰もいねー。話し声どころか、物音1つしねー。こんなに誰もいねー図書館も珍しい。 今日も図書館のホールは、ステンドグラスからの光で溢れているが─────。前回のようなイレギュラーなこともある。俺は、ホールを横切りトイレに入った。 スプレーの効果は、たったの2時間。一秒たりとも、無駄には出来ねー。 腕時計を見ると────。牧野が図書館へ来るまで、あと5分もねー。 自分で緊張しているのがわかった。俺は、大きく息を吐きだし─────。このバカらしいネーミングのスプレーを、髪全体に振った。 俺の髪が、サラサラのストレートになっていく。シャワーを浴びたわけでもねーのに、スルスルと瞬時に...120minutes6

  • 120minutes5

      翌朝。俺は早くから大学へ行き、牧野の行動を調べまくった。 牧野の家族構成。住んでいる所。大学までの通学ルート。ちなみに、牧野は実家暮らしで、大学には一時間ほど掛けて通っていた。 これ以外にも、大学での時間割、担当の教授。授業態度は優秀で、無遅刻無欠席だった。空き時間や放課後は、キャンパスに併設された図書館で、一人で過ごすことが多いこと。昼飯は、自分で作った弁当を持参していること。週末は、高校の頃からずっと同じ和菓子屋でバイトをしていること…。 今日の午前中、牧野はずっと授業だ。鉢合わせる心配は無い。こう思った俺は─────。牧野がよく過ごす図書館へと、足を向けた。 英徳学園内にある建物は、比較的新しい建物が多い。が、大学の図書館だけは、スゲー古い。英徳学園が創設された当時からある、歴史的価値のある建物...120minutes5

  • 120minutes4

      美容部隊と入れ違いで、俺の部屋に入ってきたのは…。幼なじみのあきら・総二郎・類の3人。 こいつらは入って来るなり、俺が手にしていた『司様の超猛烈くせ毛でもなんとかストレートに!』のスプレーを見て爆笑した。 「司の超猛烈くせ毛でもなんとかストレートに!だって。」「司専用の商品ってことか?」「すげーな。道明寺の美容部隊は、そんな研究もしているのか?」こんなことを口々に話した後─────。 ニヤニヤした顔の総二郎が、聞いてきたんだ。「なんで司くんは、ストレートになろうとしたのかな?」 この総二郎の言葉で─────。俺は、牧野のことから全てを白状した。 「牧野っていったら、滋や桜子とよく一緒にいる子だろ。」英徳大学の女子の殆どを知っていると豪語するだけあって、あきらは牧野のことが直ぐにわかったらしい。 しかも...120minutes4

  • 120minutes3

      牧野の理想を聞いた俺は、急いで邸に戻り美容部員を集め言った。「俺の髪の毛を、ストレートのサラサラにしろ。」 俺の言葉に─────。美容部員たちが顔を見合わせ、明らかに困った顔をし、口々に話し出した。 「司様のあの髪の毛を、ストレートのサラサラにですか?」「それは、不可能じゃないですか?」「かなり難しいですよね。」 俺の髪の毛は、かなりの癖毛っつーこともあり…。この会話までは、俺も納得した。 が、ここからが問題だった。「ゴキブリをコオロギにする方が、簡単じゃないですか?」「私の姪っ子、私の家に来て『おばちゃんちのクワガタ大きいね。』なんて言ってきました。」 ゴキブリは、コオロギにならねーよっ。っつーか、お前の姪っ子は、ゴキブリとクワガタの違いも知らねーのか? イライラしているのに、こいつらは、ますますイ...120minutes3

  • 120minutes2

      あたし、牧野つくし。英徳大学1年生。 英徳は、有名なセレブ大学なの。幼稚舎から大学までエスカレーター式の学校。 外部生なんて、ほんの一握り。でも、そこに運良く、あたしは特待生(授業料免除)として、合格してしまったの。 入学した時は─────。エスカレーター式の学校な上に、外部生で尚且つ庶民のあたしに、お友達とか出来るのかなって心配していたんだけど…。 あたしの心配は、驚くことに不要だったの。色んな人が、気さくに声を掛けて来てくれるんだよね。 特に、1つ上の大学2年生の大河原滋さんと、1つ下の高校3年生の三条桜子。この二人は、もう親友って言っても過言じゃないと思う。毎日のように会って話して、家に帰っても通話やメールする程の仲なの。 この二人もお嬢様なんだけど、何故か不思議と合うんだよね。滋さんは大河原財...120minutes2

  • 120minutes1

      俺は、今、偶然聞いてしまった。好きな女の『理想の男』っつーのを─────。 俺、英徳大学経営学部に通う道明寺司。大学2年生。言わずと知れた、道明寺グループの御曹司。 この日は─────。後期の授業の選択があり、長い夏休みが終わる直前っつーのに、久しぶりに大学に来ていた。 そして、俺は…。高校時代からの腐れ縁である大河原滋を探し、学内をウロウロしていた。俺と滋のバカ親たちの暴走で、俺たちは高校時代の一時婚約していた仲だったが、お互い全く興味も無く友人となり、婚約はいつの間にか解消していた。 永林高等学校に通っていた滋は、大学から英徳に通い出した。もちろん俺の為じゃねー。その当時、滋が好きになった男が英徳の理工学部に通っていたからだ。 俺が探しているっつーのに、滋は呑気にカフェにいた。なんで優雅にカフェな...120minutes1

  • コメント返信 あれから30年

      クラゲ様そうなんですよー。30年なんですって。時が経つのは早いです。年をとるはずですよね(汗) 二人の子供がオタ活とは意外でしたか?なんとなく『いい子なんだけど、ちょっと問題アリ』みたいな子供がいいなーって思ったところから、この『れんげちゃん』視線の話が出来ました。そして、こうしている私たちも立派なオタ活ですよね(笑)出来ることなら、まだまだこのオタ活を、私は皆様と一緒に楽しみたいなーと思っています。コメントをありがとうございました。コメント返信あれから30年

  • あれから30年

      30年前、皆様は何をしていらっしゃいましたか?私は、制服を着て学校へ通っていました。あれから30年。制服を着ていた女の子は、今も花より男子が大好きです。 ~あれから30年~ あたし、道明寺れんげ。パパは道明寺司、ママは道明寺つくしの第一子。 あたしの『れんげ』って名前は、ママを溺愛しすぎている、パパが考えてくれた。 でも、この名前が原因で─────。小学部の入学式の日。『道明寺の子供の名前が、まさかの雑草。』って言われて、悲しくて泣いてしまったんだよね。 お式が終わった後。一面にレンゲの花が咲いている田んぼに、パパとママが連れて行ってくれたのを覚えている。すごく綺麗で可愛くって、それ以来、あたしは自分の名前が大好きになった。 そんなあたしも、英徳大学の経済学部に通う大学三年生。ピチピチのJDなんだけど...あれから30年

  • コメント返信 夜更けには別の顔

      夜更けには別の顔あとがきへの返信きな粉様暑いの嫌ですよねー。黒びかりする虫(笑)我が家にも住みついています。共存共栄は無理なので、出てきたら仕留めるを目標にしています。そして、リクエストの件ですが…。少し前にある方からも、その話のリクエストを頂戴していて…。今の私に書けるのかどうかが不安なのですが、頑張ってみようかなと思っています。また、その時は連絡させてもらいますね。コメントをありがとうございました。 m様楽しく読んで頂けて何よりです。新しい話も楽しく読んで頂けると嬉しいなと思っています。コメントをありがとうございます。 まりん様引越し前にも読んで下さっていたんですね。ありがとうございます。探して頂いたようで、本当にありがとうございます。そして、まりん様から頂戴したように、この話は続きがありました。...コメント返信夜更けには別の顔

  • 夜更けには別の顔 あとがき

      いつも遊びに来ていただきありがとうございます。そして、たくさんの応援をありがとうございます。フォローして下さっている方、いつもありがとうございます。 夏、真っ盛りですが、皆様、お元気でいらっしゃいますか?本当に暑いですよね。私は暑いのが苦手です。暑いと腹が立ってくるのですが…。ここ数年の暑さは、腹も立ちません。なんか完敗って感じで、シュンとなってしまっています。 そのような中、夜更けには別の顔に、お付き合いいただきありがとうございました。この話も、過去の作品で、今回引越しをさせて頂きました。その際に、話の一部を変えています。新しくなった話を、楽しんで頂けたのなら嬉しいですし、ジェンダーの方のことを少しでも知りたいなとか、調べてみようかなと思って頂けると、もっと嬉しいです。 この話は、今はお休みされてい...夜更けには別の顔あとがき

  • 夜更けには別の顔おまけ

      ~side雪之丞~こうして─────。甥っ子と親友に振り回された坊ちゃんと、鈍感つくしちゃんのお付き合いが始まった。 内緒だけど…。坊ちゃんの送迎と、仮眠室の掃除をつくしちゃんに頼まなかった理由は、『ダメだ。どっちも密室だ。俺、牧野を押し倒す自信しかねー。』こんなことを坊ちゃんが宣言したから、つくしちゃんには頼めなかったの。 今?あの坊ちゃんだから、まだ押し倒しては無いみたい。でも、坊ちゃんは、常につくしちゃんとイチャイチャしたいみたい。だから、つくしちゃんに仮眠室の掃除を頼むと、最低でも2人は半時間出てこないの。 社会人としてどうかと思うんだけど…。つくしちゃんとイチャイチャすると、坊ちゃんの仕事がはかどるの。 そうなると、西田としては、つくしちゃんを生贄として差し出すしかないでしょ。それが、道明寺...夜更けには別の顔おまけ

  • 夜更けには別の顔16

      牧野の言葉に、俺は言葉を失った。こいつは、何を誤解しているんだ? 「俺は誰とも付き合ってねー。」「えっ。じゃ、雪ちゃんは…。」 俺の言葉に、この牧野の返事。まさかだろ?でも、メシに誘っても『行ってらっしゃいませ。』なんて言ってくる奴だ。 「俺は、雪と付き合ってなんかいねー。」っつー俺の言葉に─────。 「でも、雪ちゃんの家の合鍵、持っていましたよね?」「あぁ。仕事でな。俺が住んでいる鍵も、雪が持っている。」 牧野の顔を見ると、全く納得してねーのがわかる。 「俺と付き合ってるとか、雪が言ったのか?」「えっ?雪ちゃんは、そんなこと言ってないです。」 そして、牧野はブツブツと「そうだよ。雪ちゃんは、そんなこと言ってなかった。えっ!?あれ?雪ちゃんってか、西田さんが言っていたことって、もしかして…。」なんて...夜更けには別の顔16

  • 夜更けには別の顔15

      待機させていた邸の車。後部座席にそっと牧野を下ろし、俺も牧野の隣に座る。 困惑している牧野は「えっと…。迷惑かけてしまってすみません。」なんて言い出した。が、頭を下げた途端、気持ち悪くなったらしい。 「ゆったりしろ。気分が悪くなったら言えよ。」こう言いながら、俺は座席のシートを倒した。 よっぽど辛かったのか、車が動き出すと直ぐ、牧野は船を漕ぎだした。初めて見る牧野の寝顔。仕事をしているときより、幼く見える。 ウィスキー1口で爆睡って、どうなってんだよ…。俺以外の奴と一緒の時には、二度と酒を飲んでもらいたくねー。それを言える立場にならねーと。 邸に着くと─────。牧野が目を覚ました。 さっきより、顔に赤みが戻ってきたみたいだ。抱きかかえようとする俺を止め、自分で歩くっつー事を伝えてきた。 俺と牧野が、...夜更けには別の顔15

  • 夜更けには別の顔14

      雪ちゃんの恋人は、どんな人?気になった私が、ゆっくり振り向くと─────。そこには、道明寺専務が立っていた。 えっ…。雪ちゃんの恋人は、道明寺専務だったの? 失恋したショックからなのか?上司が恋人だったことに、衝撃を受けているのか?声にならない声が出そうになった私は、思わず口元を押さえた。 そんな私に、「大丈夫か?」なんて、心配そうに声を掛けて来てくれる道明寺専務。 「大丈夫です。」なんて、返事をしたものの…。その私の声は、大丈夫じゃなさそうな声だった。 「つくしちゃん、大丈夫?」雪ちゃんがお水の入ったグラスを、私に渡しながら聞いてきた。 「うん。大丈夫。」なんて返事をしたものの…。上司である西田さんに、敬語を使わないで良いのかどうかってことが気になった。 私がお水を飲んでいる間に─────。専務が雪...夜更けには別の顔14

  • 夜更けには別の顔13

      雪ちゃんは、何を言ったの?『つくしちゃん』って呼んでくれていたのに、『牧野さん』って…?しかも、その声って─────。 坊ちゃんって、誰?頑張っているって、何を?もう少しわかってあげてもって、誰の何をわかれっていうの? でも、私は頭の隅っこでピピピって、何かをキャッチした。雪ちゃんの瞳。この瞳を、私は知っている。 仕事中、不安だなって思った時。どうしようかなって思った時。いつも相談してきた上司の瞳と同じ。 そう。今さっきの話し方も口調も、シャキンとした背筋も…。私の素敵な上司と同じ。 そして、素敵な上司は雪ちゃんの姿をしながら言ってきたの。「牧野さんは、素直で素敵な女性だと思います。ですが、どうしてそこまで鈍感なのですか?」 へっ!?私、鈍感なの? そして、西田さんは話し出す。「あなたが大学生の頃から...夜更けには別の顔13

  • 夜更けには別の顔12

      今日の18時から、専務は美作商事の美作様とプライベートも兼ねた会食。美作商事の美作様は、専務の幼なじみで仲が良いみたいなんだけど…。 専務は、すごく不服そうに執務室から出て行った。なんとなく、拗ねたような顔をしているように見えたような気がした。見間違いだったのかなぁ? あの日を境に、専務は、私と目を合わせてくれるようになった。目が合うと、笑ってくれるんだよ。それだけじゃなくって、きちんと名前で呼んでもらえるようになって…。本当に嬉しいなって思っているの。 専務が出掛けたので、西田さんと私は、久しぶりに早い時間帯で帰ることが出来る。しかも、今日は金曜日。得した気分。 私は西田さんと一緒に秘書室を出て、エレベーターに乗る。普通なら、私が部下だから、エレベーターを呼んだりしなくちゃいけないんだけど…。 西田...夜更けには別の顔12

  • 夜更けには別の顔11

      あの日を境に、俺と牧野との距離が少しだけ近くなった。と、思っている。 目が合うとふわって笑う牧野が、スゲー可愛い。ここが執務室だってことを、忘れてしまうくらいだ。 牧野が隣の秘書室へ戻った後。牧野がまとめてくれた資料に目を通す。西田に言われた通り期日まで指定すると、今まで以上に丁寧で、俺が知りたいポイントを抑えた書類となってきた。正直、西田に頼んだ書類に近い出来だ。 マジで、牧野はスゲー。可愛くて仕事も出来る牧野。今さっきの牧野の可愛い顔を思い出しながら、俺は幸せに浸っていた。 それなのに、「坊ちゃん、気持ち悪いです。その伸びきった顔はお止め下さい。」こんな余計なことを言ってくる、第一秘書の西田。しかも、坊ちゃん呼びだ。 「やっと、牧野と目線を合わせて話せるようになったんだぞ!幸せに浸って何が悪ぃーん...夜更けには別の顔11

  • 夜更けには別の顔10

      営業会議が終了したのは、18時半を回っていた。内勤の牧野は、いつもこのくらいの時間に退社する。俺は、会議が終わるとダッシュで秘書室へ向かった。 秘書室のドアを開けると─────。秘書室には、牧野が一人。デスクのパソコンを見ながらも、両サイドに広げた資料を広げている。 俺と目が合うと、牧野は困ったような顔を浮かべた。それを見て、俺もいつものように目を逸らしそうになったが─────。目線は逸らさず、声を掛けた。「牧野…。悪かった。スゲー量だろ。俺も今から手伝う。」 俺の言葉に、牧野はデケー目を、ますますデカくさせた。これは、牧野なりに驚いているってことなんだろう。そうだよな。俺が牧野のことを名前で呼んだのも、普通に声を掛けたのも初めてだ。 牧野は、「大丈夫です。」なんて言ったが…。俺は牧野の隣の席に座り、...夜更けには別の顔10

  • 夜更けには別の顔9

      『もっといるのか?』この俺の言葉で─────。牧野は悲しそうな目をし、執務室から出て行ってしまった。 あ?なんでだよ。間違ったのか? 昨日の夜。いつものようにメープルで、俺は幼なじみのあきら、総二郎、類の3人に牧野のことを相談した。 その時に、総二郎が『基本、女の『いや』と『ダメ』と『無理』は、『もっと』だから、覚えておけよ。』って、言っていたはずだ。 何が間違ったんだ。牧野は、確かに『いや、いや…。えっと、ダメっていうか…。無理っていうか…。』って言っていた。 呆然とする俺に、完全にキレた西田の声。「坊ちゃん!」 やべー。仕事中に西田が坊ちゃん呼びするっつーのは、俺の私生活に関してのことだ。 「どうして牧野さんにあのような事を、言われたのです?」これから始まった西田の説教。 俺が素直に、総二郎に言わ...夜更けには別の顔9

  • 夜更けには別の顔8

    ~西田side~ 皆様、おはようございます。私、道明寺ホールディングス東京支店の道明寺専務付き秘書の西田と申します。 色恋沙汰に全く縁の無かった道明寺専務が、恋に落ちた。お相手は、弊社に入社してきたばかりの牧野つくしさん。 どうやら、専務は一目惚れをしたらしく─────。秘書課に引っ張ってきただけではなく、ご自分の第二秘書にされました。 ここまでは、『坊ちゃんもやるな。』と思っていたのですが…。問題はここからでした。 坊ちゃんとは、道明寺専務のことでございます。私が道明寺専務に初めて会ったのは、専務が反抗期真っ只中の中学生の頃でした。あれから約10年。仕事中は専務で統一させて頂いておりますが、プライベートなことになると、どうしても『坊ちゃん』呼びとなってしまいます。 正直に言います。うちの坊ちゃんは、恋愛...夜更けには別の顔8

  • 夜更けには別の顔7

      専務の第二秘書になって、約一か月。西田さんや秘書課の人に、色々と教えてもらって仕事自体は楽しいと思う。 私のしている仕事は、専務のお仕事の事務的なサポート。専務の会議で必要な書類や資料を準備したり、お礼状を書いたりかなぁ…。 あと、私がしていてすごく大変なだって思うのが、専務の予定の調整。これは、大まかに西田さんが組んでくれているんだけど…。何故か、どんどん予定が増えてくるんだよね。分刻みって言葉が、正にピッタリなスケジュールを調整するのって本当に大変なんだ。 そして、これが私にとって、かなり辛い仕事になっている。大変なのが辛いんじゃない。専務の予定を調整するってことは、専務の私生活の一部を知ってしまうってことなんだよね。 基本、専務はこの会社の近くのマンションに住んでいるらしい…。でも、時々あるんだ...夜更けには別の顔7

  • 夜更けには別の顔6

      やべー。間違いなく、この女は双子の可愛いレベルに達している。 双子まで急ぐ俺。この時、女のスカートがフワリと舞い上がり────。 「「すかーとめくりっ!!」」クソガキたちの声が、響いたと同時に─────。 俺は、それぞれの手でこいつらの目を押さえた。スゲー勢いでバシンっ!っつー音がしたが…。こいつらなら、心配も無ければ問題も無い。それより、このクソガキどもに、俺が初めて好きになった女のパンツなんて見せられねー。 ガキたちの目線を遮る為に────。こいつらの頭ばかり見ていた俺は、決定的な瞬間を目にすることは出来なかった。 良かったのか悪かったのかは、わからねーが…。視界の端に、柔らかそうな真っ白い太ももが入ってきた。思わず手を伸ばしたくなるような、綺麗な太ももだった。この白くて綺麗な太ももは、俺の頭に残...夜更けには別の顔6

  • 夜更けには別の顔5

      秘書課に、新入社員の牧野つくしが配属された。これは、もちろん俺の希望。そして、牧野が俺の第二秘書になったのも、俺の希望。 実は、俺は牧野つくしのことを知っている。牧野が俺のことを覚えているかと聞かれると、これは、正直不安だ。 そもそも、俺たちの出会いは─────。ちょうど一年ほど前。 ロスに住んでいる姉ちゃんがガキを連れて、日本に帰ってきた。このタイミングで、マイク・ホールが来日するっつーので、親善試合に行きたいと姉ちゃんの双子のガキが騒ぎ出した。 姉ちゃんには、双子のガキの叶と望と、桜がいる。双子たちの名前を決めたのは、姉ちゃんだ。何でも『望めば叶う』から付けたらしい。 姉ちゃんがガキを連れて日本に滞在している間は、俺にとってかなりの苦痛。桜は大声で泣く。双子たちは、ルールっつーのを知らねー。 双子...夜更けには別の顔5

  • 夜更けには別の顔4

      《snow》に着くと直ぐ、私たちの近況報告が始まった。私たちっていうのは…。もちろん、雪ちゃん、滋さん、私の3人。 滋さんは、圭吾さんも誘ったみたいなんだけど…。「兄貴の家の炊飯器のタイマーと換気扇を連動させる方法を、考えるから無理。」って断られたんだって。 圭吾さんのお兄さんの奥さんが、妊娠したらしい。悪阻で苦しんでいるんだけど、一番辛いのがご飯を炊く時の匂いがダメになってしまったんだって。 それで、起きる前に炊き上がるように炊飯器をセットしても、キッチンに入った途端、どうしても匂いが残っているのが苦しいんだって。 お兄さんの家のキッチンの換気扇は、タイマーなんてついてないらしくって…。ちなみに、私の家も実家にも、換気扇にタイマーは付いてない。 換気扇をつけっぱなしにしたり、窓を開けっ放しにするって...夜更けには別の顔4

  • 夜更けには別の顔3

      えっ…?可愛い声で『すかーとめくりっ』なんて言われたけど…。 スカートめくりって!?私の視界一面に広がる赤い生地。 ギャー!!咄嗟に手で押さえる。 こんな本格的にスカートをめくられるスカートめくりなんて初めて。ってか、大人になってから、そんなイタズラに合ったことなんてなかったから、対応が遅れてしまった。 こんな時、どうしたらいいんだろ。『めっ!』って怒るべき? バイト研修でセクハラ対応はあったけど、小さい子のスカートめくりなんてなかった。小さい子のイタズラだけど、パンツを見られるなんて恥ずかしい。恥ずかしくって、思わずスカートの裾を押さえる。 綺麗なママが「叶!望っ!」って双子ちゃん達を怒鳴った後─────。「ごめんなさい。この子達がなんてことを…。本当にごめんなさいね。」って、直ぐに私に謝ってきてく...夜更けには別の顔3

  • 夜更けには別の顔2

      道明寺ホールディングスを志望した動機が、動機だったから…。正直、内定すらもらえないって思っていたの。だから、道明寺ホールディングスから内々定をもらった時は嬉しかったな。 一目惚れの人って呼ぶのは、少し気恥ずかしいんだけどね。その人は、雲の上のような人なの。なんていっても、道明寺ホールディングス東京支社の最上階で仕事をしている人なの。 その雲の上のような人の名前は、道明寺司さん。役職は、道明寺ホールディングス代表取締役専務。名前からもわかるように、創業者一族どころか直系の人なんだ。 それだけでもすごいのに!!その人は、背が高くてカッコいいの。 スーツ姿が素敵なんだ。って、私はスーツ姿しか見たことないんだけどね。 でも、私服姿も、きっとカッコいいと思う。一度でいいから見てみたいなって思う。 ここまできたら...夜更けには別の顔2

  • 夜更けには別の顔1

      私、牧野つくし。ごくごく普通の超々一般人。この春、永林大学卒業して、道明寺ホールディングスに就職したばかりなの。 今日は、待ちに待った金曜日。明日は仕事がお休みだから、久しぶりに大学で仲良くなった友達に会うの。学生の頃は何も思わなかったけど、社会人になると休日の前日が一番楽しいなって思うんだ。それに、今日は特に聞いてもらいたいことがあるんだ。 今から私が会うお友達を紹介するね。名前は、大河原滋さん。 名前だけだと男性って思うかもしれないけど、女性なの。ジェンダーレスネームになるのかな?男の子でも女の子でも使える名前って、素敵だよね。 大河原の名前でピンときた人もいるかもだけど…。そう。あの大河原コンツェルンの一人娘なの。 ショートヘアが似合っていて、すごく可愛いの。スタイルも良くって、成績も優秀でスポ...夜更けには別の顔1

  • 転校生つくしちゃん16

      昇降口へ行くと、帰り出そうとしているつくし。その近くには、つくしと一緒に帰ろうと、ウロウロしている数名の男子生徒。 そいつらに牽制するかのように、つくしの肩に腕を回す。つくしの肩がビクンと跳ね、俺を見上げてきた。 「帰るぞ。」俺の言葉に、つくしはそっぽを向いた。 俺が勇気を出した言葉を、無視するんじゃねー。なんてことも思ったが、つくしの肩に回した俺の腕は拒否されていねー。 お互い無言のまま、校門を出た途端。俺の腕から逃れようと、つくしは身を捩らせ、俺の腕を叩きながら言ってきた。「ちょっと、腕。離して。」 「肩くらいいいだろ。」「やーめーて。」 「なんだよ。さっきまでは、何も言わなかっただろ。」「さっきまでは、あの子らがいてたからや。」 久しぶりのつくしの関西弁にホッとする。完全に閉ざされていたつくしの...転校生つくしちゃん16

  • 転校生つくしちゃん15

      翌日から俺とつくしの関係は、完全なるクラスメイト。いや、元カレ・元カノのような状態だ。 いつもの通り、俺はつくしを迎えに行ったが…。つくしは、既に登校していた。 「先に行くなら、連絡くらいしろ。心配するだろ。」っつー俺の言葉に、 つくしは、目線も合わせもしねーで「おはよう、道明寺くん。私たちって、一緒に来る約束なんて、していなかったと思うんだけどな。」こんなことを標準語で返してきた。こんな状態が一週間。俺とつくしが別れた、なんて許しがたいデマまで流れ出した。 そして、この状況を笑っているのが、俺の幼なじみの三人。いつものサロンのソファーに座るなり、こいつらは口々に話し出した。 「何シて、つくしを怒らせたんだよ、司くん。」「童貞捨てるのに、焦ったんだろ?」「司とつくしが別れるんなら、俺が付き合おうかな。...転校生つくしちゃん15

  • 転校生つくしちゃん14

      ため息の後、つくしは怒りながら話し出した。「わかった。道明寺の考え方は、そうやねんな。でも、うちは違うねん。」 なんで怒るんだ?避妊しねーなんてことは、言ってねーぞ。正直なところ生でシたいっつーのを、避妊するって言ってんだ。100歩どころか200歩以上、俺は譲歩している。 「あんたのその顔。全く分かってへんな。」完全に呆れ顔で、つくしは俺を見ながら溜息をついた。 そして、この後、つくしは自分の思っていることを話してきた。避妊をしても100%じゃないっつーこと。妊娠するのも、堕ろすのもつくしだっつーこと。肉体的にも精神的にも、傷付くのは女だってこと…。 『産めばいいだろ。』っつー言葉は─────。社会にも出てねー、働いたことすらねー高校生の俺が、言うべきじゃねーってのだけはわかった。それに、つくしの体は...転校生つくしちゃん14

  • 転校生つくしちゃん13

      「もういい。うち、帰る。」つくしから出た言葉に、頭の中が真っ白になる。 もういいってなんだよ。何がいいんだよ。それは、完全に拒否の言葉だろ。 「なにがいいんだっ!よくねーだろっ!」俺の怒鳴り声にも─────。怯みもしねーで、睨み返してくる。 俺の怒鳴り声に怯まない上に、睨み返してくる奴なんて、姉ちゃんとタマくらいだぞ…。もしかすると、つくしはスゲー根性の持ち主なのかもしんねー。 なんで睨まれているんだ?っつーか、拒否されて思うことは─────。「付き合う前。お前は『むっちゃ好きな人とでないと無理』って言ったよな。あの言葉は、嘘だったのか?それとも、俺のことはむっちゃ好きじゃねーってことなのか?」これだった。 俺が話している間も、睨んでいたつくしは─────。サッと視線を逸らし、下を向きながらボソって呟...転校生つくしちゃん13

  • コメント返信 転校生つくしちゃん

      転校生つくしちゃん11話のコメント返信springstom様そうなんです。こちらのつくしちゃんは、ネジ工場の優しくて素直なつくしちゃんとは少し違うイメージです。それこそ、springstom様が書いてくださったようなイメージで描けていると良いなと思っています。この章までは、過去の話の引越しです。手直しもしていますが、懐かしく読んで頂くことが出来たらいいなと思っています。いつもコメントをありがとうございます。 virgo様お久しぶりです。お元気でいらっしゃいますか?関西弁を使った話なので、関東の方に読んで頂けられるのはすごく嬉しいです。私も、お金持ちのお嬢さんでも関西弁を話していても、自分を持っている芯のある『つくしちゃん』をイメージしながら書いています。少しでも伝わっていれば嬉しいです。こちらこそ、い...コメント返信転校生つくしちゃん

  • 転校生つくしちゃん12

      つくしとの付き合いは順調。何度もキスをした俺としては、次のステップへ移動したい。 中間テスト前ってこともあり、今日は邸の俺の部屋で二人きりの勉強会。ソファーの俺の隣には、つくしが座っている。 学校のどうでもいい教育より、違う勉強を始めたいリアル性教育の時間だろ。 やっぱ、最初はイチャイチャだよな。とはいっても、つくしは真剣に勉強をしている。しかも、つくしの右手には、凶器にもなるシャーペンが握られているから要注意だ。 手始めに、俺はつくしの髪に手を伸ばした。俺と全く違う髪。軽くてサラサラで、髪を梳かすたびに、スゲーいい香りがする。 ワークから目を離しもしねーで、つくしは俺の手を叩いてきた。「道明寺、髪の毛いろわんといて。」 いろわん?ってなんだ?この流れで考えると、触るなってことになる。 そして、こんな...転校生つくしちゃん12

  • コメント返信 ~動き出す時~

      は○様お久しぶりです。暑くなりましたが、お元気でいらっしゃいますか?そうです。このお話は、もともと小話だった『動き出す時』をアップした時に、は○様から頂戴した『題名の後ろに数字が付いたら…』のコメントから出来た話です。ようやく話となりました。長いことお待ちいただき、本当に申し訳ございません。そして、今回頂戴したコメント、申し訳ないくらい褒めて頂きありがとうございます。そんな素晴らしい文章では無いのですが、やはり褒めて頂くと嬉しいです。単純なので『また頑張ろう』なんて思えてきました。いつも私が元気になるコメントを本当にありがとうございます。  はるとも様おはようございます。暑くなりましたね。お元気でいらっしゃいますか?私も他の方のお話が終わる時は、はるとも様と同じように寂しく感じます。なので、私の作品で...コメント返信~動き出す時~

  • 転校生つくしちゃん11

      ※つくしちゃんが関西弁で話します。それでも大丈夫な方だけお読みください。文章のミスは承りますが、関西弁へのクレーム、文化の否定は一切受け付けませんのでご了承ください。  あのサボった日の翌朝。いつものように、駅から一緒に歩いて登校する俺たち。恥ずかしそうな顔をしたつくしが、上目使いをしながら言ってきた。「もう知ってると思うんやけどな…。うち、道明寺が好きやねん…。」 うおっ!恥ずかしそうな顔で上目使いとか、堪らねー。その顔、俺以外、絶対に誰にも見せるなよ! 期待していた『むっちゃ好きやねん。』では無かった。でも、『道明寺が好きやねん…。』にもグッときた。このつくしの言葉から、俺たちは付き合うことになった。 その場で直ぐ、俺がつくしに聞いたことが…。「プールで俺が告った時に、なんで言わなかったんだ?」っ...転校生つくしちゃん11

  • 動き出す時 後

      ぎゃっ!ヤバイっ!感傷に浸り過ぎていた。 英徳の事務担当の人との約束の時間まで、あと10分。英徳学園の事務室は、この塀の向こう。校門まで行っていたら、遠回りになる。 どうしよう…。いつも10分前行動を心掛けているのに…。 私は、辺りをキョロキョロと見回した。そして、英徳学園の外壁に沿って、植え込まれている紫陽花を跨いだ。 確か、この辺りに─────。あった!この英徳学園の外壁には、唯一ここに小さな穴がある。男の人だと無理だけど、女の人なら十分に通ることが出来る。今日の配達が、タッチペンだけで良かった。 フフっ。道明寺たちF4に貼られてしまった赤札のお蔭で、学園中を走り回ったから、こんなことまで知っているんだよね。 ・・・・・。また忘れようと決めた道明寺のことを、思い出してしまった。道明寺って、強烈だっ...動き出す時後

  • Coincidence あとがき

      儚い光が美しいホタルの時期になりました。皆様お元気でいらっしゃいますか?いつも遊びに来ていただきありがとうございます。そして、たくさんの応援をありがとうございます。 地震に大雨と、皆様の所は大丈夫でしたか?梅雨入りもしましたし、自然災害は防ぎようがありませんが、備えることは出来ます。何事も無いのが一番ですが、何かあった時の為に、身の回りのことを確認して頂ければと思います。 さて、過去の話のCoinにお付き合いいただきありがとうございました。ラストは少し変えてしまいましたが、懐かしく読んで頂けたら何よりです。この話を公開して直ぐに頂戴したコメントに、私は皆様の記憶力の良さに驚いてしまいました。細かいところまで覚えてくださっているのに感動しました。何度も読んで下さったのかなと、嬉しく思うと同時に、関西弁だ...Coincidenceあとがき

  • Coincidence おまけ

      秘書課に異動してバタバタしている、牧野つくしです。先月に行く予定だった、ニューヨーク出張は無くなって…。代わりに、支社長のご両親とお姉さんが帰国してくれたの。 道明寺ホールディングスの会長と社長ってだけでも緊張なのに…。その人たちが、支社長のご両親。本当に緊張したんだけど、お二人とも喜んでくれて本当に良かった。お姉さんなんて号泣で、支社長も家族に愛されているんだなって思ったんだ。パパの工場の借金は、先日に全て完済しました。パパは嫌がったんだけど…。私の今までの貯金の一部と、ママのへそくりを返済に回したの。進も協力してくれたの。 もう直ぐ結婚で家を出てしまう、私からの最後の親孝行。そのつもりでしたんだけど、これに支社長が大喜びした。 私は、全く知らなかったんだけど…。私との結婚は、私が少しでも肩身の狭い...Coincidenceおまけ

  • コメント返信 ~Coincidence No.2~

      Coincidence71へのコメント返信springstom様緊張して頂き申し訳ないのですが…。私なのでダメですよー(笑)お待ちかねされても、ご期待に応えられないんです…。Coinも予想以上に長い話となりました。明日のおまけ話、少しでも楽しんで頂けると嬉しく思います。最後までお付き合いいただきありがとうございました。 きな粉様できたら詳しく…ですか?ププっ。無理です(笑)書けるなら書いてみたいんですけどねー。言い訳ですが、一応こんな本を書いている人っていないかなとか、私の好きな作家さんとかで書いてないかなって調べたんですけど、わかりませんでした。初心な二人もどうなりますか…。そもそも私が私なので(汗)こんな書き手の話をいつも応援して下さる皆様に感謝です。いつもコメントをありがとうございます。  Co...コメント返信~CoincidenceNo.2~

  • Coincidence72

      私たちの約束だった『次』は、支社長の「限界。」って声から始まった。 私、初めてだったから、どうしらいいのか全く分からないし…。支社長は、私が初めてなのを喜んでくれていたけど…。 支社長の初めてはいつだったのかな?胸が苦しくなる。 この時、支社長から「力を抜け。」って声。でも、緊張しすぎている身体から、力を抜くのなんて無理。 好きな人の前で、裸になるのはすごく恥ずかしかった。しかも、支社長は『熱い。』って言葉だけで、掛布団を蹴り落としてしまったの。私は、ドラマや映画みたいに、ベッドの中でこっそりするものだと思っていたから、ここからはますます緊張してしまって大変だったの。 でも、お布団が蹴り飛ばされたことなんて─────。それから始まったことと比べると、たいしたことなんてなかった。 ママに言われた『お互い...Coincidence72

  • Coincidence71

      助手席の牧野から、伝わってくる異常な程の緊張感。そして、俺もかなりの緊張。 好きな女とのハジメテっつーのと、脱童貞。緊張するのは当然だ。 ペントハウスの地下の駐車場に入り、いつもの場所に車を止める。エンジンを停止した途端、「ここって…、どこなの?」っつー、牧野の遠慮がちな声。 「俺の家。」「…うん。」この返事までが、遠慮がちな声だ。 どうしたんだ?邸の方が良かったのか?いや、ハジメテっつったらホテルか?っつーことは、今からメープルに移動だな。こんなことが、頭を過ぎった時─────。 申し訳なさそうな牧野の声が聞こえてきた。「あのね…。私、支社長のお家に連れてきてもらうなんて思って無くて…。お土産を用意してないの…。家族の人もいるよね。気が利かなくて、ごめんなさい。」 そんなことを気にしていたのか?「こ...Coincidence71

  • Coincidence70

      土曜日の昼下がり。午前中と同じように、私もパパの工場でお手伝い。とはいっても、西田さんからの紹介で入ってくれた人たちのお蔭で、落ち着いている。 さすが、西田さんの紹介してくれた人たちって感じなの。すごく明るくて、気の利く女性陣が来てくれているんだ。パパもママも楽しそう。もちろん、私と進も、直ぐに仲良くなった。 そんな中、支社長からのメールが届く。【夕方から休みになった。会えるか?】 うわー。支社長と二人で会えるのなんて、久しぶり。すごく嬉しい。一瞬で、自分の顔が綻ぶのがわかった。 【もちろん大丈夫。会えるの楽しみ。】なんて返事をしたら─────。 直ぐに支社長からの着信。急いでタップして出ると、【明日も休みになった。急でわりぃ。約束の次、今夜でも大丈夫か?】支社長の言葉に、私の心臓がドキンと跳ねた。 ...Coincidence70

  • Coincidence69

      牧野と一緒に住むことを許してくれねー親父さんに、正直ムカついた。でも、牧野の親父さんの話を聞いている内に────。いつの日か、俺と牧野に女のガキが産まれ、そいつが成長した時。『好きな男と結婚するから、今日から一緒に住みたい。』なんて言ってきて、俺は即諾できるのかって自問した。 間違いなく、俺の答えは否だ。牧野そっくりな娘が、知らねー男に盗られたりしたら…。間違いなく俺は、その男を瞬殺するだろう。一緒に住むことも、結婚すら許せねー。 それなのに、牧野の親父さんは、俺と牧野の結婚は許してくれた。いつか、俺にも─────。牧野の親父さんのように、思える日が来るのか…?こんなことがあった翌週から、牧野が秘書課へ異動してきた。これで、いつでも毎日でも牧野に会える。と思ったが、仕事が忙しすぎた。 四六時中、俺と共...Coincidence69

  • Coincidence68

      ~西田side~牧野社長が開発された、新しい材質のネジ。これはネジ業界にとって画期的なネジでした。 牧野社長自身も、すごい発明をしたと思われていましたが…。残念ながら、それを売り込む営業力をお持ちではありませんでした。ネジに詳しくとも、インターネット類は苦手だったらしく、ネット広告なども一切使ったことが無かったようです。もしかすると、牧野社長のような人が、身近にたくさんいるのかもしれません。 偶然にも弊社社長が、未来型科学館の為のネジを探したことがきっかけとなり、牧野ネジ工場の稼働率は凄まじいことになっております。人を雇いたくとも、面接する時間がないとのことでしたので、私の方より数人紹介させて頂きました。 牧野社長の開発されたネジは、何百年も間、腐食せず使える夢のネジです。そして、非常に軽いネジとなっ...Coincidence68

  • Coincidence67

      「でも、結婚式までに一緒に住むのは許さないよ。」パパの言葉に、支社長と私の顔は一瞬で固まった。 えっ…。どういうこと…?今、パパは何を言ったの?きっと、支社長も同じことを思っているはず。支社長の顔が、目が、そう語っている。 私たちは、お互いを見つめた。私、スゴイ顔をしていると思う。 私たちの顔を見たパパは、軽く笑いながら話してきた。「二人の結婚を反対しているとかじゃないんだ。道明寺さんは、つくしと結婚したら、それからは、ずっと一緒だ。でも、パパたちが、つくしと一緒に家族として過ごす時間は、とても少ないってことに、気付いたんだ。今までのパパは、ネジばかりだったから家族の時間を大切にしたい。」最後の言葉は、少し前にママにガツンと言われたからかもしれない。 少し残念なような、ホッとしたような複雑な気持ちで、...Coincidence67

  • Coincidence66

      和やかな雰囲気の中、親父さんが俺に語りかけてきた。「道明寺さん。私は、つくしはどこに出しても、誰と結婚しても恥ずかしくない良い子に育ってくれたと思っています。」 親父さんの言葉に、俺は素直に頷いた。さっきの親父さんと牧野の会話は、これだ。 「だから、あなたのような立派に会社を経営している人が、つくしを選んでくれたことはすごく嬉しい。本当に、つくしのことを全力で守ってくれますか?」親父さんから、俺への問い掛け。 『立派な会社を経営している』では無く、『立派に会社を経営している』って言葉。 これは、似ているようで全く違う意味を持つ言葉だ。親父さんは、山坂や自分のことも考えて、敢えてこの言い方を選んだんだろう。 『必ず守ると、約束します。』俺が返事をしようとした直前─────。 牧野が、親父さんに話し出した...Coincidence66

  • Coincidence65

      「私、喪女なんかじゃないっ!」「でも、ねえちゃんは、万年喪女だっただろー。」この牧野と弟の会話も、もじょがわからねー俺。 そんな時、弟が気になることを口にした。「でも、姉ちゃんって、実際モテなかったわけじゃなかったんだよな…。」 モテなかったわけじゃない?っつーか、モテない女のことを、もじょって言うのか?それより、牧野はモテていたのか? 「姉ちゃんは、他人の恋愛感情には気付くのに、自分に対しての恋愛感情には全く気付かなかったんだよな…。」やや呆れたような弟の口ぶりに、俺は妙に納得してしまった。 そして、弟は、続けて話しだした。「でも、実際。姉ちゃんが付き合ったのは、道明寺さんが初めてだろ?」 おっ…。弟の言葉に、俺は食い入るように牧野を見つめる。そんな俺の行動を知ってか知らずか、牧野はコクンと頷いた。...Coincidence65

  • Coincidence64

      親父さんの表情で、道明寺の提案した商談は成立した。牧野ネジ工場の立場的に、後には引けねーっつーのもあったんだろうが…。それは、道明寺ホールディングスも同じだ。 それ以上に、ババアの痛烈な皮肉を耳にするまでに、間に合ったのが奇跡だ。アメリカのババアへ連絡すると、西田は社へ戻って行った。 今から俺は、さっきの商談よりもっと難しい商談に入る。牧野の存在だけでは無く、これからの牧野の人生まで預かる話。 どんな商談より、牧野に告った時より、牧野からの返事を聞く時より緊張する。そんな俺を、心配そうに見つめてくる牧野。 俺が口を開こうとした瞬間─────。「ただいまー。」声の持ち主は、ドタドタって足音を響かせながらこっちへ向かってくる。 「うちの前に止めている車、見た?あれ、スゲーんだ。俺の中では、世界で一番の究極...Coincidence64

  • Coincidence63

      パパ、山坂銀行に1千万円以上の借金をしていたの?金額の大きさに、血の気が引いて行くのがわかる。 そんな大金、どうするの?しかも、まだ借りようとしていたの? 西田さんも、酷い!そんな大金を、パパの工場が一年で返せるわけ無いじゃない! そんな私の心の叫びを聞いたかのように、西田さんは話し出した。「大丈夫です。明日からでも、道明寺との取引を始めます。次世代に繋がるネジを大量に生産してください。間違いなく、1年で山坂に返済できます。」 西田さんの言葉に、私は絶望した。西田さんは、大企業の秘書としては有能なんだろうけど…。小さなネジ工場のことなんて知らないもんね。ネジの単価なんて、絶対に知らない。 パパが不眠不休で働いて、私のお給料の殆どを返済に充てたとしても、1年で1千万は不可能だよ…。やっぱり、支社長と結婚...Coincidence63

  • Coincidence62

      髪に手を当てたまま完全に動きを止めた親父さんに、座るように牧野が促した。親父さんの隣に牧野の母親、その正面に、俺と牧野が座った。 まずは挨拶と思い口を開くも、親父さんは心ここにあらずで、聞いてもなさそうだ。 こんな状態の親父さんに話をして大丈夫なのか?これから、牧野との結婚に同棲の話をするんだぞ。こんなことを悩んでいると…。 どこからかメモを取りだした親父さんは、スゲー勢いで何かを書きだした。アルファベットを書きだしたかと思いきや、数ページ前の殴り書きを見直した。 アルファベットと思っていたのは、元素記号らしい。元素記号は、いつの間にか化学式へと変わりだした。 そんな親父さんに、牧野の母親が怒りだした。「あなたっ!いい加減にして!いつもネジのことばかり!」 親父さんは手を止め、突然怒り出した牧野の母親...Coincidence62

  • Coincidence61

      「つくしー。そろそろツカサさんと下りて来てー。」ママの声に、そろそろと起き上がる。 顔が熱い。きっと、頬も耳まで真っ赤になっているはず…。 本当に恥ずかしいっ。どうして、私は、支社長と付き合ってもないのに、下着を買いに行ったんだろう。いくら進が彼女とお泊りしたからって、私まで買いに行く必要なんてなかったのにぃ。 ヤル気、満々みたいじゃないのっー。初めてなのにっ…。どうしよう…。 恥ずかしい気持ちのまま、支社長を見上げてみると…。支社長は、すごく嬉しそうな顔をしている。 どうしよう…。変に期待されてしたら困る。 私、初めてなので何もわかりません!期待してもらっても無駄です!絶対に、無理―!心の中で、必死になって呟いた。俺の目が、牧野の女らしい体のラインに釘付けになっていると─────。盛り塩も十分に作れ...Coincidence61

  • コメント返信 ~Coincidence~

      Coincidence60へのコメント返信無記名様返事をするべきかどうかと思いましたが…。私の話をじれったく思われるのであれば、じれったくない書き手様のお話をお読みになられるか、無記名様がじれったくないお話をご自分でお書きになられたら良いかと思います。私は無記名様の為に書いているのでは無く、じれったい話でも余計なコメントをせず読んでくださる方々と自分の楽しみの為に書いています。このようなコメントは、不快になるだけなので送らないでください。他の書き手様には、絶対に送らないでください。  Coincidence53へのコメント返信はるとも様ドキドキして頂けているようで良かったです。私は頭の中がパンクしそうです(汗)長ーく連載のお願いは、ごめんなさい。この話、もう直ぐで終わってしまうんです…。この話、結構削...コメント返信~Coincidence~

  • Coincidence60

      山坂のことを、牧野は正直に話してきた。それは、俺にとってムカつく話となった。聞けば聞く程、ムカついた。 なんで、付き合っている俺より、山坂のクソ野郎が先に牧野の家に入っているんだ?この部屋に入ったことが無いっつーのは─────。こいつが知らねーだけで、もしかすると、山坂の野郎が勝手に入っていたかもしんねーってことだろ? だからといって、こんなこと口が裂けても言いたくねー。しかも、山坂と一緒にメシを食いに行った日の記憶が曖昧だった。 「あれ?山坂さんと、一緒にご飯を食べた時って…。」この牧野の言葉に、俺はジト目で睨んだ。 「あっ、えっと…。山坂さんと、パパと私の3人で食べたんだった。」この牧野の言葉にも、俺はジト目で睨んだ。 「あー。えっと…。パパは遅れて来たんだけど…。山坂さんとパパと私でお食事をした...Coincidence60

  • Coincidence59

      可愛すぎる牧野を胸に閉じ込め、こいつの唇に俺の唇を重ねる。キスの合間に─────。 「お前が好きなのは、俺の髪だけか?」なんて聞いてみれば、 「ちっ、違う。支社長が…、好きっ。」こんなスゲー嬉しい返事をしてくる。 恥ずかしがりの牧野は、なかなか自分から好きなんてことは言わない。スゲー嬉しくて、俺は再び牧野の唇を塞いだ。 牧野が酸素を求め、俺たちの唇がはなれた時────。「じゃ、なんで見合いなんてしてんだよ?」さっきの車の中で牧野母親が話していて知っていたが、俺はワザと聞いてみた。 「はっ、はっ…。お見合いは…、直ぐに断ったの…。はっ…。支社長が…、す、…好きだから、お見合いなんて…しない。」俺の胸の中でくったりしている牧野は、息も絶え絶えになりながらも答えてきた。 この短時間に、牧野からの2回目の好き...Coincidence59

  • Coincidence58

      菖蒲の間からは、まだヒステリックな叫び声が聞こえてきた。いつまでも廊下にいると、いつ山坂さん親子が出てくるかもわからないからって、私たち4人は移動することになった。 このホテルにあるラウンジも、山坂さん親子が入って来ないとは限らない。だから、ここから近くにある私の家に向かうことになった。 運転するのは、もちろん支社長。助手席に私。後ろには、パパとママが座る。 車に乗った瞬間、私たち4人は、同時に口を開いた。「シートベルトしてください。」「パパ、ママ。ごめんね。大丈夫だった?」「ママが、あんな人でなくて良かったよ。」「つくしの彼、カッコいいじゃない!お名前は、ツカサさんで良かったのよね?」 次の瞬間も、私たちは同時に口を開いた。「はい。司です。」「パパ、銀行以外からもお金を借りていたの?」「シートベルト...Coincidence58

  • Coincidence57

      俺が力いっぱい牧野を抱きしめると─────。「えっ?えっ?」なんて言い出した牧野は、困ったようにジタバタと動きだす。 俺が力を緩めた隙に、牧野は体をクルンと反転させて…。俺を見上げて、ホッとしたような顔をしながら言ってきた。「あー、良かった。支社長だった…。誰かと思った。」 が、直ぐに悲壮な顔をしながら「って!キャッ!支社長じゃないっ!離してっ!!」なんて言ってきたんだ。 再びジタバタと動き出した牧野に、「牧野。俺だ。」と声を掛けると、 「ふぇっ…。やっぱり支社長、なの?本当?」なんて、上目遣いをしながら言ってくる。 「間違ってねー。俺だ。」こう返事をしている時も、牧野の視線は─────。俺の顔でも目でも無く、その上の俺の髪の毛を見ていた。 おいっ!お前は俺の判断基準は、髪の毛なのかっ!?思わず突っ込...Coincidence57

  • Coincidence56

      次から次へと溢れてくる涙が止まったのは─────。菖蒲の間から、聞こえてきた金切り声。【牧野さんっ!つくしさんが来られないって、どういうことっ!】【当の本人が来ないなんてっ!】 思わず首をすくめて、耳も押さえたくなるような声が聞こえてきたからなの。そんな声に驚いてしまった私の涙は、一瞬にして止まった。 なんで?どうして、パパとママを責めるの?お見合いを断りたいって言ったのは、私なのにっ…。 思わず菖蒲の間に、手を伸ばしてしまう。私の伸ばした手が、虚しく空を切った。 【借金だらけの牧野さんから、断られるなんて思ってもいなかったわっ!】【ご自分の立場ってものを、わかっていらっしゃらないようね…。】 菖蒲の間からだけ、こんな嫌な声が聞こえてくる。他の部屋の前にも、菖蒲の間と同じように靴があるのに…。声が聞こ...Coincidence56

  • Coincidence55

      【どうやら資材関係の会社の方には、駅前の再開発と牧野ネジ工場に関しての注文は、後回しにと命令していたようです。】この西田の言葉に、俺の時は止まった。その間、瞬きもせず、呼吸すらしていたのかどうかすらわからねー。 ────────。何秒経ったのか、何十秒経ったのか?もしかすると、一分くらい経っていたのかもしんねー。 鳥の羽ばたく音により、俺の頭が急速に覚醒した。駅前の再開発と牧野ネジ工場に関しての注文は、後回しってなんだよ。 駅前の再開発だぞ。どれだけ多くの人間が、係わっていると思ってんだ?多くの者が、必死で走り回っているのか知っているのか?『誰の所為でも無い。時代の流れ。』と諦めにも似た気持ちに、何度負けそうになったと思ってんだ。 しかも、牧野の親父さんのネジ工場にも、同じことをしていたって何だよ…。...Coincidence55

  • Coincidence54

      ママが襖を開けた。ママの動きと同じようにしようと、私はママの動きを覚えた。 ママの次にパパが入って行く。パパの後に、私も続こう。こう思い、私はパパの後ろについた。 私が和室の入り口の前に立った時。パパが何も言わず片手を出して、私の動きを止めてきた。 『えっ?』って思ったけど、私は声を出さなかった。パパが目で合図をしてきたから…。 パパは無言のまま、こちらからは四角になるだろう廊下の端に視線を走らせた。そして、私を優しい目で見てきて─────。パパは、サッと襖を閉めた。 えっ!?どういうことっ!?私、締め出されてしまったのっ? ・・・・・。襖を閉める直前。パパは、廊下の端に目を走らせた。ってことは、私にそこで待っていなさいってこと? パパに言われた廊下の端に移動しながら、私の目からは涙が溢れてきた。パパ...Coincidence54

  • Coincidence53

      ~西田side~ 本日、司様は英徳のチャリティーゴルフへ参加されています。本来なら私も一緒に参加する予定でしたが、気になることがあり一人出勤することになりました。 気になること、とは─────。それは、昨夜、美作商事の社長様から得た情報です。 山坂銀行の頭取のご令息でいらっしゃる洋一様が、明日の日曜にお見合いをなさるそうです。それだけなら、よくある話なのですが…。洋一様のお見合い相手が、どう考えても牧野さんなのです。 これは、一体どうしたことでしょうか。牧野さんは司様と、順調にお付き合いされていたはずです。 順調と言うよりは─────。かなりゆっくりのんびり…。遠くから見守っていても、近くから見守っていてもイライラする程ゆっくりなお付き合いをされていると表現する方が良いのかもしれません。同じ男性として...Coincidence53

  • Coincidence52

      『すごく優しくて、素敵な人。付き合っているけど、その人と結婚するのは無理なんだよね。でも、その日が来るまで、ずっと一緒にいたい。』この私の言葉に、パパは一気に10歳も歳を取ったように見えた。 それもそのはず。パパは、何故か…。私の付き合っている人に、奥さんのいるって勘違いしたの。 確かに、結婚するのは無理って言ったけど…。別れの日が来るまで、ずっと一緒にいたいって言ったけど…。どうして、そんな勘違いをするのかなぁ…って感じ。 私は、パパに支社長のことを説明した。こんな時に、支社長と一緒に撮った写真があれば、見てもらうことも出来たんだけど…。写真嫌いの支社長と私の写真は、残念ながら一枚も無い。 そして、『道明寺ホールディングスの支社長と、付き合っている。』なんて言うのは、言い難かったから─────。「名...Coincidence52

  • Coincidence51

      あの日、パパからお見合いの話を聞いた後─────。自分の部屋に入った途端、私は床に寝転んだ。 何分、そうしていたのだろう。何十分…。何時間しても、私に起き上がる気力が湧いてくることは無かった。 疲れているんじゃない。心が疲れ切ってしまった。 それなのに、私の頭は冴えわたっていた。その証拠に、この夜。私は一睡もしないで、朝を迎えてしまった。 真っ暗だった窓が、時間と共に白くなってくるのをずっと見ていた。そして、ずっと、ずっと考えた。 今までも、自分の人生で何度も考えて悩んだこともあったけど…。それの殆どが、自分の進路だった。どの高校を受験するのか、どの大学を目指すのか…。 今日ほど、自分の心の深淵まで覗き込んだことは無かった。私の結論は─────。自分の人生だけじゃなく、家族の人生まで決めてしまうことに...Coincidence51

  • Coincidence50

      あきらの言葉に、俺の体が一瞬で凍りついた。コーヒーカップに伸ばそうとしていた手が、動かねー。 それでも、頭だけは冴えわたっていた。どういうことだ…?あきらはなんて言ったんだ…? 『借金だらけのネジ工場』『無利息無利子で大金を貸す』『相手の女は、司の会社に勤めているらしい』 道明寺の女子社員なんて、何百人といる。その何百人の中で─────。父親が借金だらけのネジ工場を経営している奴は、牧野しかいねーだろ。 落ち着け。あきらと総二郎の話が全て本当だとは限らねーし、俺は牧野から何も聞いていない。それでも、コーヒーカップに伸ばした俺の手の震えは止まらねー。 そんな俺に気付かない、こいつらは話を続けた。「その人。借金だらけなら、諦めたらいいのに。」類の言葉に、あきらと総二郎が頷いた。 いや、違う。牧野の親父さん...Coincidence50

  • Coincidence49

      ムカつくほどの良い天気の日曜日。本来なら久しぶりの休日で、牧野に会えるはずだったかもしんねーのに…。それこそ『次』になる、可能性があったかもしんねー休日だっつーのに…。俺は朝早くから神奈川県にある道明寺カントリークラブに向かっている。 牧野に会いたい気持ちばかりの俺が、ここに来た理由は…。どうしても仕事を進めたいからだ。 今日、道明寺カントリークラブで開催されるのは、英徳学園によるチャリティーゴルフ。ババアが英徳の理事のメンバーだっつーのもあり、俺も毎年参加している。今日、参加したのはただ一つ。資材不足で遅れている、駅前の再開発を何としてでも進めたいからだ。 駅前の再開発が思うように進まなくなり、1か月と少しが経ってしまった。つまり、それは…。牧野と会えなくなって、1か月以上になるってことだ。 同じ会...Coincidence49

  • Coincidence48

      仕事で近所の山坂銀行の本店へ行った日。あの日は、前日から弱い雨が降っていた。 山坂銀行の本店の床は、ツルツルと光っているタイルの床だった。だから、照明で光っているのか、雨で濡れているのかが、歩くまでわからなかったんだ。 残念ながら、山坂銀行の本店の床は、雨で濡れていた。銀行に来た人が、滑って転んでしまうかもしれないのに…。ここの銀行の人は、濡れている床を拭くことすらしないんだなって、嫌な気持ちで番号札を取ったのを覚えている。 私が椅子に座っていると、杖をついたお爺さんが銀行に入ってきた。あっ!って、思った時には遅くって…。入って直ぐの所で、お爺さんは滑って杖を落としてしまった。 私でも、歩くまで雨なのか光なのかを、判断しにくかったから…。年をとっているお爺さんなら、尚更だよね。 そんな濡れた床に落ちた...Coincidence48

  • Coincidence47

      「つくしのことを、気に入ってくれている人がいてね。お見合いしてみないか?」パパからの突然の言葉。 えっ…。全く予期していなかった言葉に、私の頭は真っ白になった。 私のことを気に入ってくれているって、なに?その人とお見合い? 私、支社長と付き合っているんだよ。お見合いなんて、出来ない…。 パパとママに、支社長と付き合っていることを言った方がいいかな。でも、道明寺ホールディングス東京支社の支社長と自分の娘が付き合っているなんて、そんなこと、信じてもらえないよね…。 パパとママに、どう伝えるべきなのか─────。私が考えている間にも、パパとママは私に話しかけてくる。 「つくし。好きな人も、素敵だなって思っている人もいないって言っていたでしょ。」ママの言葉に、確かにそんなことを言ったことを思い出した。 あの時...Coincidence47

  • Coincidence46

      初めて一日デートした日に、支社長にした私の宣言。「次、私も楽しみにしてる。」恥ずかしくて、顔から火が出そうなくらいの気持ちで言った言葉。だから、言って直ぐに家の中に逃げ入ったほど…。 これ以上ないってくらい、恥ずかしい気持ちで言ったのに…。約束の《次》は、なかなかやってこない。 理由はすごく簡単で、支社長と私の仕事が忙しくなったからなの。支社長に比べると、私の忙しさなんて大したことなんて無いんだけど…。それでも、私の秘書課への異動が決まったってのもあって、いつもの通常の仕事をしながら、私が担当していた仕事の引き継ぎに追われた。新入社員の私で、これだけ大変なんだから、ベテランの人の異動はもっと大変なんだろうな。 支社長が忙しいのは、一年中らしい。それでも、今は同時に色んな事が発生しているって言っていた。...Coincidence46

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