急いで乗り込んだ電車は、満員電車だった。扉が閉まる。ぼんやり窓の外の景色を眺めていたら─────。扉の窓ガラスに写っている自分の顔に驚いた。酷い顔。あたしって、こんなに酷い顔をしていたんだ…。まだ高校生なのに、こんなに疲れた顔だったんだ。天真爛漫の海ちゃんと比べると…。道明寺じゃなくても、男の人なら誰でも、あたしじゃなく海ちゃんを選ぶ。道明寺の香りを思い出した瞬間─────。窓ガラスに写っているあたしの頬に、涙が伝いだした。周りの人に気付かれないように、そっと涙を拭った。無意識のうちに電車を降り、家まで歩いていた。気付くと、あたしは家の前にいた。深く深呼吸して、鍵を開ける。そして、いつものように「ただいまっ。」って、元気に玄関のドアを開けた。「姉ちゃん、おかえり。ご飯だけセットしといたよ。」進の声に、ホッ...RedoingLove6