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論文の紹介や日々感じたことをつづります
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2020/03/20
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sakaetanさんの新着記事

1件〜30件

  • 現在の危機的状況を乗り切るために

    新型コロナウイルス感染症も第5波になって様相が変わってきたようです。東京都では感染拡大に歯止めがかからず、重症患者であっても入院調整に困難をきたすケースが増加しています。感染患者が増えれば、当然比例して重症患者の数も増えるのですが、重症化には発症後1-2週を要することを考えると、今後さらに重症患者は増加することが予想されます。「重症患者用の病床(コロナ患者用のICU病床)の数を増やせばよい」という議論もありますが、これは思っているほど簡単ではありません。一人の重症コロナ患者の治療には多くの人手がかかるため、重症コロナ患者の病床を増やすためには、その3倍の通常病床を削る必要がある(通常の医療をかなり制限する必要がある)、ウイルスの感染力が高いため、多くの場合個室管理が必要(個室の数によって入院患者は制約される)、...現在の危機的状況を乗り切るために

  • 高齢マウスの骨格幹細胞の骨形成低下はCSF-1高発現に起因する

    2015年に骨格幹細胞SkeletalStemCells(SSCs)の同定をCELL誌(Cell.2015Jan15;160(1-2):285-98)に発表したStanford大学のCharlesChan,MichaelTLongakerらの報告です。彼らは以前に骨芽細胞、軟骨細胞、間質細胞には分化するが、脂肪細胞には分化しない多能性細胞であるSSCsを同定しました。この細胞を免疫不全マウス(NSGマウス)に移植すると骨組織が誘導されます。このとき高齢マウス(12カ月齢)から得たSSCsを移植すると、若年マウス(2カ月齢)SSCsを移植したときよりもできる骨組織が小さくなりました。これは高齢マウスでは骨折治癒過程における仮骨形成が減弱していることと一致します。興味深いことに併体結合によって若年マウスと高齢マウス...高齢マウスの骨格幹細胞の骨形成低下はCSF-1高発現に起因する

  • 変異型ウイルスによる最後の審判

    最新号のNewsweek誌(最近dマガジンで読めるようになりました)に、"TheDoomsdayVariant(変異型ウイルスによる最後の審判)"というタイトルで、変異型コロナウイルスについての記事が載っています。現在日本でもデルタ変異型ウイルスが猛威を振るう中で、どうしてパンデミック当初は科学者の中でも変異型ウイルス登場の可能性が軽視されていたか?について、「コロナウイルス自体は遺伝子変異頻度が低いため、理論的には変異型ウイルス登場の可能性は低いものの、あまりに大規模な感染拡大のために変異型ウイルスが出現するチャンスが増えてしまったのだろう」と述べられています。またインドでは4つの変異株が登場したが、結果として「免疫回避能が最も低い」デルタ株が爆発的に増加することになった、など、大変興味深い内容が述べられてい...変異型ウイルスによる最後の審判

  • 科学否定論者と議論することは無駄ではない

    Wikipediaによればアメリカでは米国で「進化論」を信じる人は39%にとどまり、全く信じない人が25%なのだそうです。昨今の新型コロナウイルスの議論の中でも「新型コロナウイルスなんて存在しない」というような極端なsciencedeniers,sceptics(科学否定論者、懐疑論者)の意見を聞くと、絶望的な気持ちになり、「このような人々と議論しても考えを変えることはできない」と思ってしまいます。しかし筆者はそのような態度は「事実としても倫理的にも誤りである」と指摘します。ほとんどの科学否定論者は情報ではなく、信頼が不足しているのであって、忍耐、尊敬、共感を持って、信頼を築くことで考えを変えることは可能である。そのための技術として、まず彼らの話を十分に聞き、対話が始まったら説得ではなく質問を続ける。議論に反論...科学否定論者と議論することは無駄ではない

  • 可溶型VEGFR1の産生亢進が血管老化に関与する

    「血管年齢」という言葉もありますが、加齢による変化で最も目立つものの一つが動脈硬化などの血管の障害です。血管の老化と一口に言っても様々な側面がありますが、十分な微小血管密度(microvasculardensity)の維持ができなくなるのは加齢の一つの特徴です。この論文は、加齢に伴う微小血管の希薄化がVEGF(Vascularendothelialgrowthfactor;血管内皮細胞増殖因子)の機能障害に起因する可能性を報告したものです。VEGFは多くの組織で血管上皮細胞や非血管細胞において産生され、その結果VEGF受容体(VEGR)シグナルは恒常的に活性化された状態になっています。マウスにおいて全身や局所のVEGFは加齢による変化をあまり受けませんが、受容体シグナルの恒常的活性化は抑制されています。この理由...可溶型VEGFR1の産生亢進が血管老化に関与する

  • 血清中ビタミンD濃度の骨折に対する影響は季節で異なる

    「ビタミンDが骨の健康に重要」というのはビタミンDが欠乏するとクル病・骨軟化症になることを考えれば当然のように思えます。しかしある程度充足している場合にビタミンD投与が骨粗鬆症や骨折発生に予防的に作用するか?というと、これはそれほど自明なことではありません。「ビタミンDを投与したけど骨密度変わりませんでした」とか「骨折減りませんでした」という論文は山ほどあります。この理由の一つとして、血清ビタミンD濃度が季節(日照時間)や体脂肪の影響を強く受けることが挙げられます。特にスウェーデンなどの北欧の国では冬季には日照時間がきわめて短いため、季節による影響は大きいと考えられます。この研究はSwedishMammographyCohortの5000名のデータを用いてビタミンDの充足状態を反映する血清25-ヒドロキシビタミ...血清中ビタミンD濃度の骨折に対する影響は季節で異なる

  • 寄生細菌を用いたデング熱の制圧

    Wolbachiapipientisは蚊に感染する細菌ですが、この細菌に感染した蚊はデング熱ウイルスへの感染抵抗性であることが明らかになっています。Utariniらはデング熱ウイルスを媒介するネッタイシマカに感染し、蚊の寿命には影響しないWolbachia株を樹立しました。この細菌を感染させたネッタイシマカをデング熱流行地域に放出することによって、デング熱ウイルスを保持するネッタイシマカが減少し、対照群と比べてデング熱の発生が77%抑制されました。一方で殺虫剤を使用した場合にはこのような感染減少はみられませんでした。これは20年以上という長い年月にわたる根気強い研究が結実したもので、殺虫剤のように環境汚染を生じることなく感染を制御する画期的な研究成果です。NEnglJMed2021;384:2177-2186....寄生細菌を用いたデング熱の制圧

  • 老化細胞除去によってCOVID-19の重症化が抑制される可能性

    細胞老化(cellularsenescence)とはDNA損傷、がん遺伝子の活性化、ストレスなどで誘導される持続的な細胞増殖の停止を表す現象として、LeonardHayflick博士によって提唱された概念です(ちなみにHayflick博士は様々なワクチン産生に使用された正常ヒト細胞株WI-38細胞を樹立した人でもあります)。細胞老化は必ずしも生体の老化と一致するわけではありませんが、老化細胞(senescentcells,SnC)は細胞老化関連分泌形質(senescence-associatedsecretoryphenotype,SASP)を産生することで炎症慢性疾患、年齢に関連した機能不全などに関与する可能性が示唆されており、最近では東京大学医科学研究所の中西真教授らがGLS1阻害薬が選択的に老化細胞を除去...老化細胞除去によってCOVID-19の重症化が抑制される可能性

  • 人工関節感染手術後の抗菌薬投与は12週間が適切

    人工股関節または人工膝関節の(菌が検出された)感染症例に対してデブリードマン、1期的再置換、2期的再置換などの外科治療を行った後に抗菌薬投与6週間群、12週間群にランダムに割り付けて、抗菌薬投与終了後2年までフォローした非盲検無作為化対照非劣性試験。結果としては感染の持続が6週間投与群の35/193(18.1%)、12週間投与群の18/191(9.4%)(riskdifference,8.7percentagepoints;95%confidenceinterval,1.8to15.6)に認められ、非劣性は証明されなかった(12週間投与のほうが良好な成績であった)。様々なsubgroup解析の結果も12週投与群が良好な成績を示した。Bernardetal.,AntibioticTherapyfor6or12We...人工関節感染手術後の抗菌薬投与は12週間が適切

  • COVID-19患者における自己抗体

    だまだ多くの犠牲者が出ている中で不謹慎とは思いつつも、COVID-19パンデミックの中で様々なtechnologyの開発が進んでいることには感動していまいます。COVID-19患者、特に重症患者では様々な自己抗体が出現することが知られています。例えば抗リン脂質抗体症候群で見られる抗カルジオリピン抗体が出現することが報告されており、COVID-19患者における凝固異常との関係性が指摘されています。この論文で著者らはRapidExtracellularAntigenProfiline(REAP)というバーコードをつけた2770のヒト細胞外タンパを酵母の表面に発現させ、抗原-抗体反応をシーケンスデータとして定量する方法を開発し、COVID-19患者に出現する自己抗体を網羅的に解析しました。その結果、健常者と比較してC...COVID-19患者における自己抗体

  • 正常・病的組織からの線維芽細胞アトラスの作成

    近年多くの組織におけるsinglecellRNAsequencing(scRNA-seq)データが蓄積され、組織特異的な、あるいは疾患特異的な細胞clusterが明らかにされています。この論文で著者らは組織線維芽細胞(fibroblasts,FB)にもいくつかのsubsetsがあり、病的な状態において特異的に活性化されるFBclustersが存在する可能性を報告しています。著者らはまず非造血細胞のscRNA-seqdatasetsを用いて、16正常組織についてのマウスFB特異的なsingle-cellatlasを作成しました。このatlasを用いて、200以上のdifferentiallyexpressedgenes(DEGs)を同定し、10個のFBclustersに分類しました(代表的な発現遺伝子からPi16...正常・病的組織からの線維芽細胞アトラスの作成

  • アセチル化tauが脳損傷後の認知機能低下に関与する

    脳外傷(traumaticbraininjury,TBI)にともなって神経変性が進行し、Alzheimer病(AD)のリスクが高まることは以前から知られています(Johnsonetal.,Nat.Rev.Neurosci.2010;11:361-370)。またNFLプレイヤーやサッカー選手のように頭部にダメージが加わるリスクの高いスポーツ選手においても認知機能低下が見られます(Mackayetal.,NEnglJMed.2019Nov7;381(19):1801-1808)。病理組織の検討などからこのメカニズムとしてTBI後のtauタンパクのK274,K281アセチル化の関与が指摘されています(Lucke-Woldetal.,JNeurolNeurosurg.2017;4(2):140)。この論文で著者らは、T...アセチル化tauが脳損傷後の認知機能低下に関与する

  • 一流打者はスピードボールをどうやって打つか?

    ピッチャープレートからホームベースまでの距離は18.44mなので、150km/h以上のボールを投げる投手の場合、単純に計算してもボールが届くまでの距離は0.4秒程度です。心理学者によると、人間は刺激が加わってから反応するまでに、何をするかわかっている場合でも少なくとも0.25秒かかり、どのような動きをするかを決定しなければならない場合には反応時間は2倍になるそうなので、理論的には投手の手を離れてから反応するのでは、ボールを打つのは不可能です。という訳で、一流打者は投手の体幹や腕などの動きである程度ボールが来る場所を予測してバッティング動作を始めているそうです。確かにバドミントンの国際大会などを観ていても、レシーバーはスマッシュが打たれる前に移動を始めているように見えます。最近ではバーチャルリアリティ(VR)を使...一流打者はスピードボールをどうやって打つか?

  • AIを用いた適格基準拡大の試み

    治療薬などの臨床試験では、通常厳密な組み入れ基準(適格基準eligibilitycriteria)が決められているので、その薬が実際に使われるようになっても、臨床試験の適格基準から外れた患者は治療適応にならないことがしばしばあります。例えばeGFR<30の患者は通常骨粗鬆症の臨床試験から除外されるので、実臨床でそのような患者に対してどのような治療を行うかは悩むところです。この論文では肺小細胞癌に対する過去の臨床研究データを用いて、適格基準を緩和した時にどのような効果が得られるかをAI(TrialPathfinder)を用いてシミュレートしたというものです。その結果適格とされる患者プールは平均で2倍以上になり、全生存期間のハザード比は平均0.05減少しました。適応を拡大するために臨床試験を行うことについてはお金も...AIを用いた適格基準拡大の試み

  • COVID-19の重症炎症に対する治療標的としてのTOP1

    新型コロナウイルス感染症に対して、ワクチンの有効性は間違いなさそうですが、1年以上が過ぎようとしているのに治療薬としてはステロイド、レムデシビル、トシリズマブくらいしか有効性が示されておらず、特に初期のウイルス血症後に生じる致死的な全身炎症に対しては中々有効な治療法が出てきません。血中IL-6濃度高値が予後不良因子であることから、抗IL-6受容体抗体であるアクテムラには重症化予防効果が期待されていますが、これまでの臨床試験の結果は劇的な効果とは言いがたいものです。この理由としては、IL-6pathway以外のシグナル系も重症化に関与していることが考えられます。この論文ではウイルス感染によって生じる「感染誘発遺伝子プログラムinfection-inducedgeneprogram」に注目し、クロマチン構造の変化の...COVID-19の重症炎症に対する治療標的としてのTOP1

  • 現代人はみずから家畜化を選んだ?

    会社に過度な忠誠心をもつヒトのことを社畜と呼んだり、「最近の若いもんは飼いならされている」などと言ったりしますが、実はヒトは自ら家畜化への道を選択したのかもしれません。野生の動物が家畜化されると、小さな歯と頭蓋骨などの顔貌の変化が生じますが、これはneuralcreststemcell(神経堤幹細胞)を失うことで生じる変化です。ヒトの遺伝病であるWilliams-Beurensyndromeは「妖精様顔貌」と呼ばれる親しみやすい顔貌を特徴とする遺伝性疾患で、BAZ1Bというチロシンキナーゼ遺伝子の機能障害が見られます。ミラノ大学のGiuseppeTestaらは、BAZ1Bは顔面および頭蓋の発達を制御する多くの遺伝子発現に関与しており、ネアンデルタール人やデニソワ人などと比べて現代人ではBAZ1B遺伝子の変異が蓄...現代人はみずから家畜化を選んだ?

  • ストレスによる脱毛のメカニズムが解明された

    長期間のストレスにさらされると脱毛が生じることが知られており、新型コロナウイルス感染症患者の1/4に脱毛が見られることが報告されています。この論文で著者らは、ストレスによって副腎皮質から分泌されるコルチコステロンが毛乳頭細胞(dermalpapillacell)に発現するグルココルチコイド受容体に作用し、細胞増殖因子GAS(Growtharrest-specific)6の分泌を抑制することで毛包幹細胞(hairfolliclestemcell,HFSC)の増殖を抑制するとともに休止期(telogen)のHFSCを増加させ、毛の脱落を促進させることを報告しています。アデノ随伴ウイルスベクターによるGAS6発現によってストレスによってHFSCの増殖が促進することも明らかになりました。GAS6投与がストレスによる脱毛...ストレスによる脱毛のメカニズムが解明された

  • 2030年におけるPrecision Medicineの未来像

    2015年1月20日に当時アメリカ大統領であったオバマ氏が個々の患者に対応した医療という意味で、personalizedmedicineを一歩進めたものとして”precisionmedicine”という言葉を発表し、PrecisionMedicineInitiativeという医療政策を推進することを宣言しました。Precisionmedicineについてはいまだに良い日本語訳がありませんが(精密医療とか個別化医療等とも訳されますが、きちんとしたニュアンスは伝わらないように思います)、個人のゲノム情報など様々な情報を使用することで、より進んだ個別医療を目ざすということかと思います。このCommentaryはNIHのJoshuaDenny,FrancisCollinsによる2030年におけるprecisionmed...2030年におけるPrecisionMedicineの未来像

  • ジクロフェナク・ヒアルロン酸の合剤は変形性膝関節症に対して有効

    変形性膝関節症(kneeosteoarthritis,KOA)に対する薬物療法としては、NSAIDの外用薬、NSAIDsやCOX2inhibitorの内服薬、デュロキセチン(SNRI)、ステロイド関節注射に加えてヒアルロン酸の関節注射(IAHA)が日本ではしばしば行われています。IAHAについては最新のOARSIガイドラインでは推奨していますが、ガイドラインによっては推奨していないものもあり、必ずしも評価は一定していません。この論文は生化学工業が開発したDicrofenacとHAを共有結合させた合剤(DF-HA)のKOAに対する有効性、安全性を検証した第3相臨床試験(RCT)で、筆頭著者は名古屋大学の西田佳弘先生です。KLgradeII,IIIのKOA患者に対して、プラセボあるいはDF-HAを4週ごとに6回投与...ジクロフェナク・ヒアルロン酸の合剤は変形性膝関節症に対して有効

  • リウマチ足趾に対する骨頭温存手術の成績は良好

    少し前まではリウマチ足趾の手術というと、切除関節形成術resectionarthroplastyがほとんどだったように思いますが、疾患活動性コントロール改善とともに、中足骨頭を温存した短縮骨切り術が(少なくとも日本では)主流となってきました。東京女子医科大学の矢野紘一郎先生らは、関節リウマチ53足に行った骨頭温存型手術の成績を後方視的に検討し、Self-AdministeredFootEvaluationQuestionnaire(SAFE-Q)の5subscalesいずれも有意な改善が見られ、7年後の生存率(再手術不要)は89.5%という良好な成績を示したことを報告しています。創治癒遅延(すべて治癒)が20.0%、外反母趾再発が10.5%、内反母趾変形が3.8%、lesserMTPJの脱臼再発が7.7%に見ら...リウマチ足趾に対する骨頭温存手術の成績は良好

  • Ligand-receptor interactomeを用いた疼痛誘導メカニズムの解明

    近年データベースに大量に蓄積されつつあるゲノムデータやsinglecellRNAsequencing(scRNA-seq)から得られた遺伝子発現データなどを駆使して色々と推論を進めていく、というバイオインフォ―マティクスの手法は、conventionalなcellbiologyになじんできた私には何やら具体性に欠けるような気がして、どうもとっつきにくい感が拭えないのですが、そもそもが複雑系である生体のダイナミズムを総合的に把握するにはこのようなアプローチがふさわしいのかも、と考えています。この論文は、様々な臓器や細胞と、脊髄後根神経節(DRG)の遺伝子発現プロファイルを用いたligand-receptorinteractomeから、主として疼痛の伝達に関与する分子機構を解析したものです。例えば関節リウマチ(RA...Ligand-receptorinteractomeを用いた疼痛誘導メカニズムの解明

  • TNFαの破骨細胞前駆細胞に対する作用はepigenetic statusによって変化する

    関節リウマチ(RA)におけるTNFα阻害療法の有効性、特に関節破壊抑制効果は臨床的に確立されているため、TNFαが破骨細胞分化を促進することは自明だと考えている人が多いかもしれませんし、そのような先入観に沿った結果を報告している論文は山ほどあります。しかしこれはそれほど自明のことではなく、例えばRANKLおよびM-CSF(CSF-1)による骨髄マクロファージから破骨細胞への分化系にTNFαを添加すると多くの場合は抑制的に作用します。このメカニズムについてはこれまでに多くの研究が行われています。例えばBrendanBoyceらはTNFαがTRAF3の活性化を介して細胞内のNF-kappaBp100蓄積を誘導することが破骨細胞分化を抑制する可能性を報告しています(Yaoetal.,JClinInvest.2009O...TNFαの破骨細胞前駆細胞に対する作用はepigeneticstatusによって変化する

  • 表皮プロテインC受容体が抗リン脂質抗体症候群の病態に関与する

    抗カルジオリピン抗体(aCL)や抗β2GPI抗体などの抗リン脂質抗体(aPLs)の出現を特徴とする抗リン脂質抗体症候群(APS)患者は、臨床的に動・静脈の血栓症、血小板減少症、習慣流産・死産・子宮内胎児死亡などを呈する難病で、原発性APSとともに、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患にしばしば合併することが知られています。APSにおける凝固亢進のメカニズムには不明な点が多く、aPLsがどのような抗原を認識するのかについての理解も進んでいないことが、APS治療法開発が進まない原因となっています。この論文で著者らは、endothelialproteinCreceptor(EPCR)がaPLsの標的となり、APSの病態に重要な役割を果たすことを明らかにしました。EPCRは内皮細胞、骨髄細胞、胎盤のtro...表皮プロテインC受容体が抗リン脂質抗体症候群の病態に関与する

  • 前十字靭帯急性損傷に対しては早期手術の成績が良好

    前十字靭帯(ACL)損傷は最も一般的なスポーツ外傷の一つで、その頻度は49ー75/100,000人・年とされています。過去には外科的治療と非手術療法を比較した臨床試験(KANONtrial)が行われ、運動療法と組み合わせた保存的治療が良好な成績を示すことが示されています(Frobelletal.,NEnglJMed2010;363:331-42;Frobelletal.,BMJ2013;346:f232)。しかしこの結果出てからもACL損傷に対する手術は年々増加しています。これはKANONtrialでは少なくとも半数の患者で再建術が不要であったためではないかと考えられています。今回のConservativeversusOperativeMethodsforPatientswithACLRuptureEvalua...前十字靭帯急性損傷に対しては早期手術の成績が良好

  • 頚椎症性脊髄症に対する前方手術vs後方手術

    頚椎症性脊髄症患者(cervicalmyelopathy,CSM)に対する手術療法において、前方手術が良いか?後方手術が良いか?という議論は神学論争的な趣きもあり、中々決着がつきません。これまでにいくつかの前向き研究は行われており、わが国でも東京医科歯科大学から両者を比較した優れた前向き試験が報告されていますし(Hiraietal.,Spine.2011;36(23):1940-7;Hiraietal.,JOrthopSci.2018;23(1):32-38)、海外からも本論文の著者らの報告を含めていくつかの研究が発表されています(Ghogawalaetal.,Neurosurgery.2011;68(3):622-630;Kingetal.,Neurosurgery.2009;65(6):1011-1022)...頚椎症性脊髄症に対する前方手術vs後方手術

  • 腹腔内のGATA6+が組織修復および癒着に関与する

    体腔coelomiccavityが存在する無脊椎動物(例えばウニなどの後生動物metazoansなど)では、体腔の損傷が生じると食作用を有する免疫細胞である体腔細胞coelomocytesが速やかに損傷部位に集積して損傷修復を行うことが知られています。このような細胞集積は極めて速やかに生じ、哺乳類における血小板凝集による止血反応に類似した過程です。哺乳類にも腹腔や胸腔、心嚢などの体腔が存在しますが、その損傷もやはり速やかに修復されます。一方腹腔内の手術後には約66%の患者で無菌的な癒着が生じ、これがイレウスの原因になるなど、様々な問題を起こすことが知られています。この論文で著者らは腹腔内のGATA6陽性マクロファージ(GATA6+Mφ)が、腹膜損傷の修復に関与するとともに術後の癒着にも関与することを明らかにしま...腹腔内のGATA6+が組織修復および癒着に関与する

  • TNF-αは静脈内皮細胞におけるClaudin-11低下を介して静脈からのChloride漏出を誘導する

    この論文で著者らはTNF-αが静脈特異的にChlorideイオンの漏出を促進し、その過程にはTNF-αによる細胞間tightjunctionタンパクClaudin-11の低下が関与していることを明らかにしました。TNF-αの下流ではPanx1channel活性化→TRPV4Ca++channelの活性化が生じ、これがATPの細胞外への放出を誘導します。放出されたATPはendonucleotideaseCD39によってadenosineへと加水分解を受け、A2Aadenosine受容体の活性化を誘導し、結果として静脈内皮細胞におけるClaudin-11の低下と漏出増加をきたします。著者らはこれが敗血症におけるTNF-αの病態形成メカニズムの一つではないかとしています。関節リウマチの病態においてもTNF-αによる...TNF-αは静脈内皮細胞におけるClaudin-11低下を介して静脈からのChloride漏出を誘導する

  • TNF阻害薬不応例に対するrituximab vs tocilizumab: a biopsy-driven study

    RituximabはB細胞の表面抗原であるCD20に対する抗体で、海外では関節リウマチ(RA)の治療薬として承認されています。しかしrituximabについては患者によって有効性に差が見られることが報告されています。またtocilizumabは抗sIL-6受容体抗体であり、日本でもRA治療薬として多くの患者さんに用いられています。この研究では従来型の抗リウマチ薬(conventionalsyntheticDMARD)および(rituximabおよびtocilizumabを除く)少なくとも1種類の生物学的製剤に抵抗性のRA患者に対するこれらの薬剤の有効性を検討してものですが、治療前に滑膜バイオプシーを行い、滑膜の組織型によって①B-cellrich,②B-cellpoor,さらに③germinalcenterpo...TNF阻害薬不応例に対するrituximabvstocilizumab:abiopsy-drivenstudy

  • 破骨細胞の分裂(fission)によるosteomorphs形成

    数年前のANZBMS(TheAustralianandNewZealandBoneandMineralSociety)で破骨細胞のfissionの演題発表を聴いたときに、大変美しい動画と詳細な解析に驚いた記憶があります。中々論文にならないなーと思っていたのですが、満を持してCELL誌に論文が発表されました。著者を見ると、オーストラリアの骨代謝関係者が多数名前を連ねており、オーストラリアの破骨細胞オタク(osteoclasters)が総力をあげて取り組んだ研究であることがわかります。ご存知のように破骨細胞は単球・マクロファージ系の前駆細胞に由来する骨吸収細胞です。その分化にはRANKL(およびM-CSF)の存在が必須で、RANKLは破骨細胞分化のみならず、活性化にも関与していることが明らかになっています。著者らは...破骨細胞の分裂(fission)によるosteomorphs形成

  • 骨髄Osteolectin陽性細胞は運動負荷によって増加しリンパ球造血を制御する

    Leptin受容体陽性(LepR+)細胞は、骨髄nicheにおいて造血幹細胞維持に重要な役割をすることが知られています。骨髄におけるLepR+細胞は小動脈arteriolesおよび洞様毛細血管sinusoidsという2種類の血管に隣接して存在しますが、この論文では、LepR+細胞の16%程度が著者らが報告していたC-typelectindomainを有する骨形成性増殖因子osteolectin(Clec11a)(Yueetal.,Elife.2016Dec13;5:e18782)陽性であり、小動脈周囲にのみ存在することを明らかにしました。Osteolectin陽性(Oln+)細胞は骨芽細胞へ分化しますが、脂肪細胞へは分化しないosteogenicprogenitorであることも示されました。Oln+細胞において...骨髄Osteolectin陽性細胞は運動負荷によって増加しリンパ球造血を制御する

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