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  • 現在の危機的状況を乗り切るために

    新型コロナウイルス感染症も第5波になって様相が変わってきたようです。東京都では感染拡大に歯止めがかからず、重症患者であっても入院調整に困難をきたすケースが増加しています。感染患者が増えれば、当然比例して重症患者の数も増えるのですが、重症化には発症後1-2週を要することを考えると、今後さらに重症患者は増加することが予想されます。「重症患者用の病床(コロナ患者用のICU病床)の数を増やせばよい」という議論もありますが、これは思っているほど簡単ではありません。一人の重症コロナ患者の治療には多くの人手がかかるため、重症コロナ患者の病床を増やすためには、その3倍の通常病床を削る必要がある(通常の医療をかなり制限する必要がある)、ウイルスの感染力が高いため、多くの場合個室管理が必要(個室の数によって入院患者は制約される)、...現在の危機的状況を乗り切るために

  • 高齢マウスの骨格幹細胞の骨形成低下はCSF-1高発現に起因する

    2015年に骨格幹細胞SkeletalStemCells(SSCs)の同定をCELL誌(Cell.2015Jan15;160(1-2):285-98)に発表したStanford大学のCharlesChan,MichaelTLongakerらの報告です。彼らは以前に骨芽細胞、軟骨細胞、間質細胞には分化するが、脂肪細胞には分化しない多能性細胞であるSSCsを同定しました。この細胞を免疫不全マウス(NSGマウス)に移植すると骨組織が誘導されます。このとき高齢マウス(12カ月齢)から得たSSCsを移植すると、若年マウス(2カ月齢)SSCsを移植したときよりもできる骨組織が小さくなりました。これは高齢マウスでは骨折治癒過程における仮骨形成が減弱していることと一致します。興味深いことに併体結合によって若年マウスと高齢マウス...高齢マウスの骨格幹細胞の骨形成低下はCSF-1高発現に起因する

  • 変異型ウイルスによる最後の審判

    最新号のNewsweek誌(最近dマガジンで読めるようになりました)に、"TheDoomsdayVariant(変異型ウイルスによる最後の審判)"というタイトルで、変異型コロナウイルスについての記事が載っています。現在日本でもデルタ変異型ウイルスが猛威を振るう中で、どうしてパンデミック当初は科学者の中でも変異型ウイルス登場の可能性が軽視されていたか?について、「コロナウイルス自体は遺伝子変異頻度が低いため、理論的には変異型ウイルス登場の可能性は低いものの、あまりに大規模な感染拡大のために変異型ウイルスが出現するチャンスが増えてしまったのだろう」と述べられています。またインドでは4つの変異株が登場したが、結果として「免疫回避能が最も低い」デルタ株が爆発的に増加することになった、など、大変興味深い内容が述べられてい...変異型ウイルスによる最後の審判

  • 科学否定論者と議論することは無駄ではない

    Wikipediaによればアメリカでは米国で「進化論」を信じる人は39%にとどまり、全く信じない人が25%なのだそうです。昨今の新型コロナウイルスの議論の中でも「新型コロナウイルスなんて存在しない」というような極端なsciencedeniers,sceptics(科学否定論者、懐疑論者)の意見を聞くと、絶望的な気持ちになり、「このような人々と議論しても考えを変えることはできない」と思ってしまいます。しかし筆者はそのような態度は「事実としても倫理的にも誤りである」と指摘します。ほとんどの科学否定論者は情報ではなく、信頼が不足しているのであって、忍耐、尊敬、共感を持って、信頼を築くことで考えを変えることは可能である。そのための技術として、まず彼らの話を十分に聞き、対話が始まったら説得ではなく質問を続ける。議論に反論...科学否定論者と議論することは無駄ではない

  • 可溶型VEGFR1の産生亢進が血管老化に関与する

    「血管年齢」という言葉もありますが、加齢による変化で最も目立つものの一つが動脈硬化などの血管の障害です。血管の老化と一口に言っても様々な側面がありますが、十分な微小血管密度(microvasculardensity)の維持ができなくなるのは加齢の一つの特徴です。この論文は、加齢に伴う微小血管の希薄化がVEGF(Vascularendothelialgrowthfactor;血管内皮細胞増殖因子)の機能障害に起因する可能性を報告したものです。VEGFは多くの組織で血管上皮細胞や非血管細胞において産生され、その結果VEGF受容体(VEGR)シグナルは恒常的に活性化された状態になっています。マウスにおいて全身や局所のVEGFは加齢による変化をあまり受けませんが、受容体シグナルの恒常的活性化は抑制されています。この理由...可溶型VEGFR1の産生亢進が血管老化に関与する

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