今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
昨日からの続き。なぜ近年、不登校児は増えているのか?昨日、「いじめ」「厳しい校則」「発達障害」「Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子(HSC)」などに原因を求める論説に疑念を呈した上で、時期を考えれば共働き世帯の増加は関係している可能性があるが、核家族化やスマホの普及が大きな要素とも考えにくいのでは? と書いた。今日はその考察を続けたい。そもそもいつから不登校はいつから問題視されるようにな...
なぜ不登校は増え続けているのだろうか? 自分の頭で考えてみる。
今年度も終わろうとしている。3人の息子たちを育てていて気になることのひとつが不登校児の多さだ。僕からみていて感じがよかったり、優秀だと感じていた子が学校に通えていないと聞き、驚くこともしばしば。なぜこんなことになっているのだろう?ググってみたところ、自ら不登校を経験し、不登校新聞なるものを編集している石井志昂氏の記事がみつかった。“学校へ行けない人はなぜ増えた? 不登校の歴史20年間をふり返る”https://...
我ながら貧乏性だなあ。~ 高価なお皿を譲り受けたのはいいが、使うたびに緊張して困っている。
我が家のある日の食卓。なんとも豪華に見えないだろうか?数年前、妻が通っている料理教室の先生が、収納場所が限界であることを理由にいくつかの食器を手放すことになり、一部を妻が譲り受けることになった。高級なものばかりなのに値段は格安。妻は大喜びだ。我が家は客も多くないので、大事に取っておいてもしかたがないということで、日常的に使うことにした。もちろん僕だってうれしい。見た目が素敵なのは気分がいいし、料理...
自著 “幸せの確率 あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” は以下の文章で始まる。リンク想像してごらん 仕事なんかしなくてもいいのだと。ほら、簡単だろう?気が向けば働けばいいし、遊んで暮らしたってかまわない。自分の時間を犠牲にすることなんてないんだ。想像してごらん 束縛なんかないのだと。そんなに難しくないだろう?好きな土地に住もう。田舎でも、都会でも。旅するように移り住むのもいいし、リゾート暮ら...
マンションと一軒家、あなたならどっち!? ~ 僕はマンション派です!
今さらながら何だが、我が家は核家族で、僕、少し年下の妻、高1、中2の息子2人とマンションで暮らしている。結婚当初は戸建て住宅に興味があったが、夫婦としてのライフスタイルが固まっていくにつれ、どうやら僕らにはマンション暮らしが向いているようだと考えが変わった。まず町内会というのが面倒そうだ。役員や、ゴミ置き場清掃が順番で回ってくるらしい。このようなシステムは世界的にも珍しいのではないか?行政任せにでき...
せっかくアーリーリタイアしたんだから、茶髪にグラサンで、チャラーく日常を過ごしてみようか!?
自由さの象徴として、アーリーリタイア直後に試してみたファッションが3つある。茶髪、コンタクトレンズ、そして3つめは、「日常的にサングラスで過ごす」というものだ。僕は高校時代バンドをやっていたので、ロン毛だったことがある。しかも後ろ髪だけを伸ばし、他はパンクっぽくツンツンに立てるという、今思えば相当「痛い」ヘアスタイルであった。中年になった今、その自分史が恥ずかしいかと聞かれれば、実はそうでもない。...
お金持ちの生活はとても質素 ~ ベストセラー “となりの億万長者” から学ぶ3
前回まで、「となりの億万長者(早川書房)」で書かれている、子供に対する接し方について書いてきた。もちろん僕が意図的にその部分を切り取ってまとめただけで、この本は育児本・教育本ではない。様々なデータをもとに「金持ちとはどんな人たちなのか」を浮き彫りにする目的で書かれている。今日はこの本のメインテーマに触れたい。結論は「金持ちは意外と質素なくらしをしている」というものだ。逆に言えば、だからこそお金が貯...
しつけのガイドライン ~ ベストセラー“となりの億万長者”から学ぶ 2
前回紹介した「となりの億万長者(早川書房)」で書かれている、親に対する教訓が中々おもしろいので、今回も続ける。(前回記事;子供のためにお金を使い過ぎてはいけない! ~ ベストセラー“となりの億万長者”から学ぶ 1)社会人になっても親から経済的援助をうけていると聞くと、あなたはどんなイメージを浮かべるだろうか?さしずめ、学校を中退した失業者、といったところかもしれない。ところが実際には、高い教育を受け、...
子供のためにお金を使い過ぎてはいけない! ~ ベストセラー“となりの億万長者”から学ぶ 1
自著 “幸せの確率” の中で、僕は子供にはお金を使い過ぎるべきではないと書いている。子供にお金を使い過ぎれば、いつまでたっても経済的独立を果たすことができないし、第一子供の幸せにつながらないからだ。なぜか? 主な理由を3つ挙げるとこうなる1.自分の子供時代のベストメモリーを書きだせば、お金で買えた幸せはほとんど入ってこないはずだ(ゆえに子供にお金を使っても、子供の幸せにはつながらない)2.現に欲しいも...
「お金がない」なんて全然恥ずかしくない! 「あるけどもったいない」のほうが、よほどミットモナくない?
以前、ネット記事を読んでいたら、「お金がないと言って断るのは恥ずかしいので、そういう時はどうやって断れば……」という内容のものがあり、いささか驚いた。「今は金がない」でいいではないか、と。僕自身はずっと、開業医として逆の経験をしてきた。たとえば友人たちと食事に行き、さて2次会はとなったときに、クラブに行こうと誰かが言い出したとする(若者が大音量の中踊るところではなく、女性がお酌をしてくれるほうのクラ...
「つらい体験も『被害者ではなく体験者だ』と捉えることによって乗り切れる」……厳しいけど、納得。
今週紹介しているのは村上春樹著「村上さんのところ(新潮文庫)」で、今日が最終回。リンクp536~「被害者でなく体験者として生きる」(前略)『アンダーグラウンド』に書かれていた、ある駅員さんの話の中に、自分はサリン事件の被害者ではなく、体験者だと思うようにしている、というようなことをお話されていた方がいらっしゃいました。私も学生の頃、ついこの間まで友達だと思っていた人に「早く死んで欲しい」とか言われてず...
「つらい体験したときには即効的な解決策を求めない方がいい」……深い
今週紹介しているのは村上春樹著「村上さんのところ(新潮文庫)」。寄せられたメールでの相談に村上春樹氏が次々と回答していくという、考えようによってはかなり贅沢な造りの本で、すっかりはまってしまった。僕はいわゆるハルキストでも、ましてや村上原理主義者でもないが、この本を読んでいると、村上氏の優しさや言葉選びの真摯さにぐいぐいと引き込まれていく。リンクまずは「ヘイトスピーチ」について。p457(前略)いち...
「どんな雲の裏地も明るく輝いている(Every cloud has a silver lining)」っていい言葉だなあ
今週紹介しているのは村上春樹著「村上さんのところ(新潮文庫)」。寄せられたメールでの相談に村上春樹氏が次々と回答していくという、考えようによってはかなり贅沢な造りの本で、すっかりはまってしまった。僕はいわゆるハルキストでも、ましてや村上原理主義者でもないが、この本を読んでいると、村上氏の優しさや言葉選びの真摯さにぐいぐいと引き込まれていく。リンク今日紹介する質問は「落ち込んだ時のマントラは?」とい...
「生産性の高いものばかり追求していると人間がだんだん薄くなる」説に大いに同意。
今週紹介しているのは村上春樹著「村上さんのところ(新潮文庫)」。寄せられたメールでの相談に村上春樹氏が次々と回答していくという、考えようによってはかなり贅沢な造りの本で、すっかりはまってしまった。僕はいわゆるハルキストでも、ましてや村上原理主義者でもないが、この本を読んでいると、村上氏の優しさや言葉選びの真摯さにぐいぐいと引き込まれていく。リンク今日の質問、ひとつめは「小説は生産性が低いと貶されま...
何もつくり出さずに批判だけする側に回るより、何かをつくり出して批判される側でいたい
今週紹介しているのは村上春樹著「村上さんのところ(新潮文庫)」。寄せられたメールでの相談に村上春樹氏が次々と回答していくという、考えようによってはかなり贅沢な造りの本で、すっかりはまってしまった。僕はいわゆるハルキストでも、ましてや村上原理主義者でもないが、この本を読んでいると、村上氏の優しさや言葉選びの真摯さにぐいぐいと引き込まれていく。リンク今日の質問、ひとつめは「批判に対する心構えとは」p11...
村上春樹氏の「自分の年収がいくらあるのかも知りません」に、うむむっ…
「村上さんのところ」という本がある。内容はアマゾンの商品説明から。春樹さん、こんなことも聞いていいですか?世界中から集まった質問は何と3万7465通。恋愛・人間関係・仕事など悩ましい人生のモンダイから小説の書き方、音楽や映画、社会問題、猫やスワローズまで、怒涛のメール問答は119日間、閲覧数1億PVに及んだ。可愛くてちょっとシュールなフジモトマサルのイラストマンガを多数加え、笑って泣いて励まされる選りすぐりの...
そのセリフ、恋愛チートの教祖に言われたくないw ~ 藤沢数希著「コスパで考える学歴攻略法」を読んで3
藤沢数希著「コスパで考える学歴攻略法 (新潮新書)」の紹介。今日が最終回。1回目はこの本のいいところを引用し、2回目はいささか強引とも思える資料の出し方について苦言を呈した。3回目の今日は、この本で一番おもしろかったところを紹介したい。リンク名門公立高校に進学するための、内申点対策について。p160~英語や数学や国語などの内申点は、中学の定期試験で決まってくるのだとしたら、当然だが定期試験で高得点を取るた...
そのデータで「医師は無茶苦茶高収入」って主張するのは、さすがに無理があると思うよ ~ 藤沢数希著「コスパで考える学歴攻略法」を読んで2
昨日から紹介しているのは藤沢数希著「コスパで考える学歴攻略法 (新潮新書)」。リンクこの中に「理系は医学部に行くべきか」という項があり、元(笑)医師として興味深く読んだ。p190~結論から言えば、日本では医者になる方が得である。第1章で挙げたデータを見返してみてほしい。卒業大学の偏差値が高いほど平均年収も高い、ということを書いた。しかし、その頂点の東大卒であっても日本のサラリーマンの平均年収は700万円程度...
「いい大学に入るメリットは有名企業の面接に呼んでもらえる可能性が高まる点」に納得。藤沢数希著「コスパで考える学歴攻略法」を読んで
藤沢数希著「コスパで考える学歴攻略法 (新潮新書)」のご紹介。リンクまずはアマゾンでの解説。子供の教育には多大な費用と時間を割かねばならない。家庭の限られたリソースを使って、いかに効果的に果実を得るか。中学受験と高校受験ではどちらがコストパフォーマンスがいいのか。身も蓋もないが、子供にはできれば一流大学を卒業し、高い年収を得られるやりがいのある仕事に就いてほしい。そんな親心に応えるべく膨大なリサーチ...
思い立ったらすぐに旅立つことは誰にでもできるって、んなわけ、ない!
ドミニック・ローホー著「シンプルだから、贅沢(講談社)」の4回目。著者は物を減らすミニマリストとはちょっと違う、いわばシンプルライフの提唱者で、フランスと日本を往復しながら暮らしているフランス人女性だ。前回と同様、今日はこの本の、ちょっと「お茶目」なところを紹介したい。思い立ったらすぐに旅立つと心が前向きになれる、という記事の冒頭。p189“思い立ったらすぐに、翌日にでも荷物をまとめて10日間程度、どこ...
今日はドミニック・ローホー著「シンプルだから、贅沢(講談社)」の3回目。前回までとは違い、ちょっと首を傾げてしまう個所を紹介したい。p72“ある日、ポイントカードをしきりに勧めるコンビニの店員に聞いてみたのです。「100万円の買い物をしたらどれだけのポイントになるの?」と。するとその店員の答えが0.5パーセント、お金に換算すると5000円。なんとなくバカバカしくなり、それ以来、私はポイントカードを廃止することに...
今日は前回に続き、ドミニック・ローホー著「シンプルだから、贅沢(講談社)」。ちなみに著者は物を減らすミニマリストとはちょっと違う、いわばシンプルライフの提唱者。フランスと日本を往復しながら暮らしているフランス人女性だ。p216“贅沢とは、「幸せになるために、ものはほとんどいらない」と納得することかもしれません。大きな家、一流シェフ並みのキッチンセット、映画スターのような衣装一式などを揃えても幸せになる...
今日紹介するのはドミニック・ローホー著「シンプルだから、贅沢(講談社)」。著者はミニマリストとはちょっと違い、シンプルライフの提唱者。フランスと日本を往復しながら暮らしているフランス人女性だ。読んでいて、いいなと思える箇所がいくつもあった。p70“贅沢とは、お金の奴隷にならないこと、借金を作らないこと、そして必要最低限の生活が保障された老後(安心のない幸福はあり得ない)、お財布の中身を気にせずにとき...
前回記したとおり、このたび悟りを開いた証として、道号「不覚」を授与された(フカクではなくフガクなので、念のためw)。今回は僕が修行している臨済宗系在家禅団体「人間禅」を紹介したい。設立は大正4年と歴史は長く、決して最近できたような怪しい団体ではない。北海道から九州まで、全国に31の道場をもつ大組織だから、あなたが住むエリアにもある可能性が高い。僕が通っているのは「人間禅・新潟禅会」で、場所は秋葉区、...
昨年、2024年11月に行われた、臨済宗在家禅「人間禅」摂心会(座禅合宿)にて、仰月庵呼龍老師より「見性を得た」、すなわち「悟りを開いた」と認められたことは以前、報告した。ついに「仏」になりました「人間禅」では見性を得ると、その証として道号(仏道を修行する上での名前)が授与される。というワケで去る2025年2月27日、新潟禅会秋葉禅道場において、仰月庵老師の下、道号授与の儀を執り行って頂いた。道号は「不覚(ふ...
カクテルを家庭で楽しもうとする際、ジントニックやキューバンリブレといったロングカクテルならともかく、ショートカクテルは難易度が高い印象があると思う。今回、誰でも簡単につくれる方法を発案したので紹介したい。本記事で例示するのは「カクテルの王様」ことマティーニ。バーテンダーの実力がもっとも問われるこのカクテルを、素人が簡単につくることができるのである。まずは本来の作り方。① ミキシンググラス(大きなグラ...
アーリーリタイアして気づいたことのひとつ。それは通勤時間のもったいなさ、だ。僕は地方都市に住んでいて、現役医師時代、クリニックへの通勤は車で片道20分程度だった。その頃は、「通勤が20分ですむなんてラッキーだよな。首都圏じゃこうはいかないはず」あるいは、「20分くらいは音楽を聴きながら運転するのもいいな」などと思っていたのだが、アーリーリタイアした今となっては、「よく毎日40分も通勤に使っていたよな」とい...
マーク・トウェイン “やったことは、たとえ失敗しても、20年後には笑い話にできる。しかし、やらなかったことは、20年後には後悔するだけだ”
今日は、「トム・ソーヤの冒険」の著者として有名な作家、マーク・トウェイン(1835年 - 1910年)の言葉。“やったことは、たとえ失敗しても、20年後には笑い話にできる。しかし、やらなかったことは、20年後には後悔するだけだ”これには異論もあると思う。人間はうまくいったことよりうまくいかなかったことの方をよく覚えている傾向があり、「ツァイガニクル効果」と呼ばれている。何かを達成しなくてはならないとき、人は緊張状...
マサイ族の遊牧民は、先進国の大富豪と同じくらい幸せだって知ってた?
ちょっと古い本だが、橘玲著「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法(幻冬舎文化)」を紹介したい。リンク橘氏の著書は以前も紹介しているが、この本もなかなか興味深い。一部を引用してみる。p249-250“ある調査によれば、人生の満足度を7点満点とすると、アメリカのビジネス誌「フォーブス」に載った大富豪たちの満足度の平均は5.8だった。彼らは資本主義社会の頂点に立つ成功者で、豪邸やプライベートジェットなど、望むも...
昨年、2024年11月6日から10日までの日程で行われた、臨済宗在家禅「人間禅」摂心会(座禅合宿)にて、仰月庵呼龍老師より「見性を得た」、すなわち「悟りを開いた」と認められたことは以前、報告した。ついに「仏」になりました「人間禅」では見性を得ると、道号(仏道を修行する上での名前)が授与される。というワケで去る2025年2月27日、新潟禅会秋葉禅道場に於いて、仰月庵老師の下、道号授与の儀を執り行って頂いた。道号は「...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。**...
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今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
今回で最終回、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容なのだが、これに対するAmazonでのカスタマーレビューが興味深かった。半分近くが星5つなのだが、低評価のレビューもちらほら。その中でも星1つをつ...
前回に引き続き、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容だ。僕は以前から幸福学やポジティブ心理学に興味があって、多くの知見に納得してきたのだが、どうにも腑に落ちないデータもいくつかある。その代...
今日から数回にわたり「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」のご紹介(集英社インターナショナル)。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくというもの。発想と行動力に興味を抱いて手にとったところ、なかなかおもしろい内容だった。ちなみに幸福度調査トップのコスタリカでは、平均で8.5...
自著「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」から、余暇の過ごし方、お金、そして幸せについて書いている部分を抜粋する。遊びへの出費が減らせずに困っているひとには、ぜひ読んでほしい一文だ。“「お仕着せのレジャーはほどほどに ~自由な余暇を創造しよう」いつの間にか、ちょっとした休みを利用して、他県にまで足を伸ばすのが当たり前のような風潮ができてきましたが、そこまで余暇をア...
少し前のベストセラーではあるが、今日引用して紹介するのは「ライフシフト(東洋経済新報社)」。この本からきた「人生100年時代」という言葉は、その年の流行語大賞候補に挙げられている。現在まで人類の平均寿命は伸び続けてきており、データ上はそれが頭打ちになる兆しはない(つまり、伸び率の鈍化がみられない)。このまま寿命が伸び続けるとすると、現在50歳未満で先進国に住む人は100歳くらいまで生きる公算が高くなるのだ...
今日は文豪、トルストイ(1828年 - 1910年)のあの名言。“幸福な家庭の顔はお互い似かよっているが、 不幸な家庭の顔はどれもこれも違っている。”有名なものなので知っている人が多いことと思う。幸せの本質を見事に表した名言で、なるほどと唸らされる。でも冷静に考えると、ちょっと不思議な点も出てくる。「不幸な家庭の顔が違っている」これに関しては異論はないだろう。貧乏だから不幸。金持ちだけど病気がちだから不幸。健康...
池谷裕二監修「勉強脳の作り方」(日本図書センター)。大体知っている内容ではあったが、知見が濃厚に詰まっていて役に立った。備忘録として個人的に重要と考えた個所をまとめておく(自分用というより、主に子供たちの学習用)。・ストレスによって脳の機能は低下し、記憶力や学習能力が落ちる。・平均的なペースは40分勉強したら5~10分休憩(自分にあったタイミングで)。・休憩時間にはなにもしないこと(ゲームはもちろん、...
前回、より多くの幸福を感じるためには増やすのではなく、今現在「ゼロ」のことを始めたり、新たに獲得したりすることが大切だと書いた。今回はどのような活動や趣味が喜びに繋がりやすいのかについて、データを元に書いてみたい。幸福学における研究により、能動的な趣味の方が受動的なものよりも幸福度を上げることがわかっている。例えばテレビを見る、映画を見る、買い物をするといった娯楽は受動的趣味にあたり、あまり幸福度...
前回の記事では自由時間を有意義に過ごすための実践的なテクニックを書いた。今日はそれを補足する。幸福度を高めるためには今あるものを増やすより、ないものを得ることの方が重要であることが研究によりわかっている。例えば僕ら夫婦でいえば、長男が生まれてから三男が幼稚園に入るまでの10年近くの間、夫婦で外食をする機会はほとんどなかった。常に最低1人はまだ幼稚園にも行かない、幼い子供が家にいるわけだから、夫婦で出...
アーリー/セミリタイアブログをみていると、リタイアしたら時間を持て余して困る、あるいは、そうなるんじゃないだろうかと不安だ、という文章が散見される。それについて何回かに分けて私見を述べたい。僕は「人生」とは「時間」だと思っている。時間がなくなるときが、死、すなわち、人生の終わりだからだ。なので時間を持て余すなどと聞くと、その人の生きて行く意義ってなんだろうと首を傾げたくなってしまう(失礼)。子供の...
今日は3大幸福論のひとつを著したフランスの哲学者、アラン(1868年 - 1951年)は、による言葉。“幸福だから笑うわけではない。 むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい。”まったくその通りだと思う。このところ、セロトニンという言葉をよく耳にするようになった。これは神経伝達物質と呼ばれるものの1種で、腸や血液中の他、一部は脳内に存在し、頭をすっきりさせたり、心のバランスを整えポジティブで安定した状態に保ったりす...
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、経済的自立と早期退職を意味します。FIREを目指す人は、投資や節約で資産を増やし、4%ルールを守って運用することで、毎年生活費の4%に相当する不労所得を得られる状態を目指します。この状態になれば、フルタイムの仕事に就かなくても生活費を賄うことができ、早期退職が可能になります。FIREは近年注目を集めているライフスタイルの一つですが、メリッ...
今日は作詞家、音楽プロデューサー、秋元康(1958-)の言葉。“自分の幸せが定義付けできない人は、何も手に入らない。大事なのは、自分にとって何が幸せなのか、どうすればドキドキできるのかを、しっかり理解しておくことです。”本当に、そうだろうか?僕はちょっと懐疑的だ。たとえば、ある人がギャンブルこそが自分の幸せと信じているとする。それが一番ドキドキする、と。であればどんどんギャンブルをしなさい、とは普通はな...
今日のテーマは、労働の歴史。そもそも人間は、いつから「生涯の大半を労働に捧げる」ことが普通だとされるようになったのか?実はそれほど昔の話ではなく、産業革命以来であると考えられてる。古代ギリシャ人にとって働くことは卑俗なことであり、自由時間を得るために仕方なくやっているだけで、そこに何ら意味を見出したりはしなかったそうだ。現に哲学者・アリストテレスは、「賃金が支払われる仕事はすべて、精神を奪い、弱め...
昨日に続きメジャーリーガー大谷翔平の愛読書でもある、中村天風の著書「運命を拓く(講談社文庫)」の紹介。リンク今日は僕が好きな個所を少し長めに引用する。p235~三年四年経った人が私にお礼をいうとき、この人は、本当に私のいうことを聞いていたな、と私が思うようなお礼をいう人は、まあ十人に一人いるか、どうかである。たいていの人は、「(前略)尊いことを教えていただいたお陰で、この頃は、弱かった体も、すっかり...
中村天風(敬称略)という人物がいる。以下は中村天風財団HPより。https://www.tempukai.or.jp/know/footprint中村天風(なかむらてんぷう)明治9(1876)年生まれ。日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなったことから人生を深く考え、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にも...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
今日はビル・ゲイツ氏ら絶賛の話題作、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)を紹介する。まずはAmazonから。経済格差、人種、国家間対立…。今ほど「分断」が強調される時代はない。だがちょっと待ってほしい。こうした分断はなぜ起こるのだろう?それは進化の過程で、私たちが「仲間」を愛し、尊重する能力を身につけたからだ。この能力こそが、世界の命運...
今日は古代ギリシャの哲学者、アンティステネス(紀元前444年 - 紀元前365年)による言葉。“「人間最高の幸福とは何か」「幸せに死ぬことだ」”ありきたりと言えばありきたりなセリフであり、すっと聞き流すこともできる。でもこれって案外、深い言葉かもしれない。幸せに死ぬためには、死ぬときに幸せに感じられるようなコンディションづくりが必要になる。では、どのような行いが死ぬときの幸せに通じるだろうか?「たくさん金儲...
「4週間で幸せになる方法」という本を出しているのもあり、本ブログでは幸福に関する名言を紹介している。皆さんは読むことによって幸せになるだけではなく、ちょっとした雑学も身につくことになる。もし気に入ったものがあったら、何かの折に友人にも披露して、ぜひ周囲も幸せにしてあげてほしい。リンク今日は、ユダヤのことわざ。他人を幸福にするのは香水をふりかけるようなものだ。 ふりかけるとき自分にも数滴はかかる。この...
今日は、G・W・カーチスによる言葉。ちなみに僕はこの人について、この言葉の他には何も知らないし、ネットで探しても情報はない。以前紹介したダンデミス同様、名言界隈(?)のみで有名という人が実はポツポツいるらしい。なんとも不思議な話だ。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-223.htmlしかもカーチス氏の場合はその名言もしょぼい。“幸福はまず何より健康のなかにある。”いかにもありがちな健康第一説だが、せっかく...
ちょっと古い本だが、橘玲著「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法(幻冬舎文化)」を紹介したい。リンク橘氏の著書は以前も紹介しているが、この本もなかなか興味深い。一部を引用してみる。p249-250“ある調査によれば、人生の満足度を7点満点とすると、アメリカのビジネス誌「フォーブス」に載った大富豪たちの満足度の平均は5.8だった。彼らは資本主義社会の頂点に立つ成功者で、豪邸やプライベートジェットなど、望むも...
池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」を紹介してきたが、今日が最終回。リンクタイトルは「あがり症の人は不安を書き出すこと」。あがり症の人にとって朗報となる研究が、2011年1月の『サイエンス』誌に掲載されました。シカゴ大学のベイロック博士の論文です。(中略)ベイロック博士は、「高等学校の生徒106名に対して、期末試験でこの事実を確認しました。テスト直前に10分の時間を与え、次の試験科目のどの部分がど...
昨日に引き続き、池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」からの紹介。リンク今日は「イメージトレーニングはダイエットにも効果的!?」から。イメージトレーニングは、スポーツのみならず、ダイエットにも効果があるらしいというから驚きです。2010年12月の『サイエンス』誌に掲載されたカーネギーメロン大学のモアウェッジ博士の研究です。あたかも食べたかのようにイメージするだけで、食べたいという欲求が減るといいま...
今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
昨日に続きメジャーリーガー大谷翔平の愛読書でもある、中村天風の著書「運命を拓く(講談社文庫)」の紹介。リンク今日は僕が好きな個所を少し長めに引用する。p235~三年四年経った人が私にお礼をいうとき、この人は、本当に私のいうことを聞いていたな、と私が思うようなお礼をいう人は、まあ十人に一人いるか、どうかである。たいていの人は、「(前略)尊いことを教えていただいたお陰で、この頃は、弱かった体も、すっかり...
中村天風(敬称略)という人物がいる。以下は中村天風財団HPより。https://www.tempukai.or.jp/know/footprint中村天風(なかむらてんぷう)明治9(1876)年生まれ。日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなったことから人生を深く考え、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にも...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
昨日の予告通り、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。今日は上巻から。アマゾン川流域などでは、子供には複数の父親がいると信じられている地域が多く点在するそうだ。分割できる父性を信じている文化では、子づくりにおける女性の役割はたいてい否定され、女性は「容れ物」にすぎないとみなされている。一部の...
今日はビル・ゲイツ氏ら絶賛の話題作、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)を紹介する。まずはAmazonから。経済格差、人種、国家間対立…。今ほど「分断」が強調される時代はない。だがちょっと待ってほしい。こうした分断はなぜ起こるのだろう?それは進化の過程で、私たちが「仲間」を愛し、尊重する能力を身につけたからだ。この能力こそが、世界の命運...
今日は、ダライ・ラマ14世の言葉。“他の人々に幸せになってもらいたければ、思いやりを実行に移すこと。自分が幸せになりたければ、思いやりを実行に移すこと。“無粋と知った上でわかりやすくすれば、「思いやりの行動は相手だけでなく自分をも幸せにする」ということ。実はインド独立の父、マハトマ・ガンディーも、「報いを求めない奉仕はひとを幸福にするだけでなく、わたしたち自身をも幸福にする」と同じような言葉を残してい...
一昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。昨日は「心地よさ」や「快適さ」の度合いでしかなく、究極的には「好きか嫌いか」の問題に帰着するとの一節を紹介した。たとえば、「君の態度は間違っている」と自信満々に怒る人がいるが、「君の態度は嫌いだ」と言い換えても意味は変わらないことになる。今日紹介するテーマも僕らが自分自身に...
昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。今日はシマウマについての問題。p273キャンパスに描くシマウマのシマ模様について聞きました。どちらの答えが多いでしょう。① 白地に黒シマ模様② 黒地に白シマ模様今日も本書へのリンクの下に正答を掲載する。リンク答え ① 白地に黒シマ模様自分の世界こそ自分のすべてです。いや、厳密に言えば、...
池谷裕二氏による名著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」を今日から数回にわたり紹介する。とはいえ僕の本音は、「僕のブログで抜粋を読んでいる暇があったら、さっさと本を買って読んでほしい」というところ。そのくらいお薦めだ。p156地上より永遠に友達の顔を思い浮かべてみてください。何人思い浮かびましたか。そこで二つの質問をします。質問A―その友達のうち10年...
FIRE生活での資金繰りにおいて、今月、我が家に明るいニュースがあった。「プルデンシャル米国ドル建リタイアメント・インカム」という、ドル建ての年金の受給が開始されたのだ。そもそも加入したのはいまから20年も前の2005年。当時、アメリカの長期金利が今同様に5%近くあったため、この保険も利率4.5%と非常に高いレベルで設定されていた。加入時の為替は1ドル105円。今とは逆に、為替は上がり下がりを繰り返しながらも、じり...
昨日書いた通り、このGWはベトナムのリゾート、ニャチャンにあるヴィンパールに滞在した。ベトナムについて一番痛烈に感じたのは、やはりまだまだ遅れているということ。宿泊は一応は五つ星ホテル(ヴィンパール リゾート & スパ ニャチャン ベイ)だったのだが、到着してすぐ、僕と妻の部屋の冷房の機器が悪いことに気づいた。そこで部屋の電話からトラブル時に指定された番号に連絡を試みるも、何度ダイヤルしても返答がない。し...
昨日書いた通り、ゴールデンウィークの後半に家族でベトナムに行ってきた。そもそも次男がこの春から高校に進学したため、学校での日程がどのように組み込まれるのか見当がつかず、ゴールデンウィークには何も予定を入れられないでいたのだが、入学後に配られた工程表を見る限り、連休は丸々空いている様子。ならば旅行にでも行きたいね、という話になり、ネットでチェックしたのだが、4月中旬では時すでに遅く、めぼしい宿はすで...
去年の春、家族で沖縄旅行に行った顛末を昨春に記した。僕にとって人生初のパッケージツアーだった。その時の記事から引用する。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1108.htmlパッケージツアーなるものを自分で利用したことは、今までに一度もない。若い頃はいわゆる「バックパッカー」で、いろいろな国をゆっくり、低予算で回るのが好きだったから、パッケージツアーのようなお仕着せのやり方を馬鹿にしているところがあっ...
いとうせいこう氏と精神科医・星野概念氏との対談、“ラブという薬” という楽しい本のご紹介。リンク特に興味深かったのが星野氏によるふたつの発言。人の話を聞くことについて。“p43今、聞いていて思ったんですけど、やっぱり傾聴するってこと自体が、「YESの姿勢」っていうか、相手を論破しようとしていないんですよね。でも、今ってなんとなく論破しないとカッコつかない感じになってきてるんじゃないですか。ツイッターとか...