人生の蛮勇とは何だろう 〜「バルセロナで豆腐屋になった」清水建宇
2月も下旬に入ったというのに、景色を白く埋めて今も降り続ける雪を、窓の外に見ながら思いました。蛮勇とは何か。 一か八かのギャンブルは、勇気でなく弱さの裏返しというのはよくある話。あるいは窮鼠が猫を噛む開き直りだけれど、開き直ったネズミがネコに勝った話なんて聞いたことがありません。 本物の勇気というのは、案外難しい。しかもとびっきりのやつとなると、とびっきりに。蛮勇を実現する本人は、いちいち勇気とは何かなんて考えていないのだろうけれど。 「バルセロナで豆腐屋になった」(清水建宇)は、岩波新書の新刊。体験談、ノンフィクションです。清水さんは、定年退職後にスペインのバルセロナに住みたいと思っていまし…
2025/02/20 20:03