旧友を酒に誘い、夕方から早めに出かけました。会社を離れて田舎に引っ込むと、街中に行く機会があまりありません。約束の時間まで、久しぶりに駅前の大型書店とBook・offをはしごして、荷物にならないよう1冊だけ買い、<スタバ読書>で時間を潰そうという魂胆でした。 川端康成の「山の音」を選んだのは、未読だったから。加えて、騒がしい店で飲む前に、川端の静かに張りつめた文章を読むのは、なんとなく合っているようにも思えました。 魅力を伝えようとして、どうにも伝えることが難しい作家がいます。わたしにとって川端康成はそんな一人です。以前、このブログで「雪国」について書きましたが、あのときも書き手の感触として消…