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  • 『尚食』その9

    鑑賞完了しました。 やはり本作においての初代皇帝が一番好きだったなあ。 所作が素晴らしかった。 『瓔珞<エイラク>』のスタッフキャストが再集結という触れ込みでの本作でした。 この製作陣の作品はとても興味深いのですが最初最高に面白くて中盤から面白さが減っていく、という癖があると思うのです。 本作もその例を守って最初痛快半ばに至って面白さが薄れ終わりはかなり侘しいものとなりました。 それが何故なのかはわかりませんが残念ではあります。 それでもかなり見ごたえあるドラマだったのは確かです。 ドラマの主題だったはずの「美味しい食事」は最後あたりはすっかり消えてしまいました。それはさすがに貫徹すべきだった…

  • 『OVERMANキングゲイナー』富野由悠季 その5

    鑑賞完了しました。 良いなあこの世界観。もっと観ていたかったです。 惜しむらくはやはり長さというか作品回数が圧倒的に足りない。この倍あってもよさそうです。 設定説明も足りないしオーバーマン説明も足りないし主旨も解り難い。 結局はいつもの富野主張。 「馬鹿な大人たちの愚かな行為で子どもたちは苦しむ」ということでしょう。 今回はその子どもの代表である主人公ゲイナーをゲームオタクとして登場させ最初は大人たちの望む戦いに参加したものの途中(というか最後だけど)で迷いが生まれ闇に取り込まれてしまう。 そこから救ってくれたのは人生の先輩と言える男性ゲインの呼びかける声だった。 本作は前回観た『機動戦士ガン…

  • 『OVERMANキングゲイナー』富野由悠季 その4

    後半になってますますわけが分からなくなってきますがそこが良い。 ネタバレしますのでご注意を。 しかし親の代から洗脳されて戦闘人間にされてしまった少女の苦悩から救おうという題材はずっと続いているわけです。 ところでミイヤの劇中歌でふと『竜とそばかすの姫』での劇中歌を思い出しました。 『そばかすの姫』の歌が世界から愛されるというのが私には同意できませんでした(実際まったく売れなかったし)むしろミイヤのようなちょっと不思議な土着的な囃子歌的なもののほうが人の共感を得られる気がします。なんかつい口ずさんでしまいそうじゃないですか。「ほんとうかいほんとうかい」みたいな。 別に物凄い歌唱力が必要とされるわ…

  • 『OVERMANキングゲイナー』富野由悠季その3

    『キングゲイナー』はお姫様もとても良い。三匹も。 ネタバレしますのでご注意を。 このシベリアの旅、実際であれば居心地の良いものではなさそうだけど惹かれてしまうなあ。 富野作品が複雑なのは周知ですが本作の雑多性はなかなか一筋縄ではいかない。そこが面白いのだけども。 楽しくて笑いが多いから誤魔化されてしまうのですが本質はとてもシリアスで難しい。 まずは「移動都市」の内容。もう少し移動都市説明箇所が多いとそこだけでも話題になったと思うのですが勿体ないのですよね。 「エクソダス」の説明も物語の中で少しずつされていくという高度なスタイルなのですがやはりそれだと「この人たちなにやってんの?」とわかりづらい…

  • 『OVERMANキングゲイナー』富野由悠季その2

    観ていくほど面白いのですがこのアニメ作品、話題にならなさすぎな気がします。 富野作品で好きなのの一つはキャラの多様性。 老若男女が偏りなく登場するのが落ち着きます。 もちろん富野流の偏見というか「いつものやつ」というのがあるのも好きです。 特におかしいのはいわゆる「イケメンキャラ」がギャグ的に配置されるところ。 上のゲインにしてもやっぱりちょっとかっこよすぎて笑えるんですよね。この感覚が好きです。 そして登場するアスハム君。 なんなんでしょうね。この富野イケメンキャラへのふざけ方w もちろんいつも主人公が好きです。 OPでかっこよく銃を構えるシーンがまったくカッコよくないのが凄く良い。でもフィ…

  • 『OVERMANキングゲイナー』富野由悠季

    バンダイチャンネルで『ZZ』観たので未鑑賞作品を観るべきなのですがどうしても本作を観たくなってちょいと覗こうかと思ったのですがあまりに面白くてもう離れることができなくなってしまいました。 正直言ってガンダムシリーズより面白いような気もします。 ネタバレしますのでご注意を。 最初っからぶっ飛ばしで面白い。こんな突入型には普段逆に醒めてしまうのですが富野アニメだとすんなり入ってしまうのはよほど相性が良いということでしょうか。 素直にゲインがかっこいいしゲイナー可愛い。 なによりOP好きだし姫様も可愛い。 しかも大吹雪からの導入なので現在の大寒波とこれもリンクしてつい共鳴してしまいます。 「イケメン…

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』その8

    『機動戦士ガンダムZZ』全話鑑賞完了。 この調子で行けば確かに『ガンダム』は永久に続けられそうです。なにせ人間たちは未だにニュータイプでもなければ戦争もやめようとはしていないからですね。 ネタバレしますのでご注意を。 なんといってもリィナが助かっていたのは心底ほっとしました。しかも助けたのがセイラさんだったという仕組みはなかなかです。 ZZ「見なくてよい」「黒歴史」と聞いていたのですがそんなことはないと思います。 ただ描かれた内容が戦争の視点でいえばⅠⅡの繰り返しで新しい何かはほとんどなかったのは確かです。 とはいえ権力の無い子どもたち特にZZでは貧しく身寄りもない子どもたち(戦災孤児と言って…

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』その7

    プル・プルツーはさすがにやりすぎ。しかし現実にすでにあるのが悲しい。 ネタバレしますのでご注意を。 完全なガンダムスタイル。戦いながらキャラクターを描いていく。 こうして観ているとやはりハマーンとミネバだけが異常なほどキャラ立ちしてるのが見える。ミネバは思い込みかもだけど。 マシュマーの死。 ガンダムは人がどんどん死んで(殺されて)いくから嫌いだと言われるがZZ観ていて確かにと思ってしまいました。 ストーリーが面白くて引き込まれているとそれを感じにくいけどはまっていないと逆に解りやすいということですね。

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』その6

    ネタバレしますのでご注意を。 第34話からカミーユが再登場してきて急に面白くなってきました。 もしかしたらダブルゼータ始まってすぐにこの道に入ってもよかったというか入った方が盛り上がったのでは?時代の空気があるからよくわからないけれども。 もしかして私はカミーユがとても好きかもしれないw特に苦しんでいるカミーユはとても良い。ひとりで世界を救おうともがく姿が悲しい。 「空が落ちてくる」インパクトのある言葉です。 コロニー落としの中で「これで人口減らしをすることができた」「それは言ってはいけない台詞」というのがあってえげつないなと思いました。 コロナ禍も少子化も政府がいまいち本気にならないのはむし…

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』その5

    第30・31話『青の部隊』ほんとにこのあたり、子供向けに面白いのかなと思いつつなかなか見ごたえあります。 ネタバレしますのでご注意を。 しかしなんといってもキャラクター造形がⅠⅡに比べいまいちなのが辛いところです。 ルー・ルカにしてもグレミーにしてもプルにしても零点じゃないにしてもこれまでのガンダムそして他のガンダムと比べても弱いと感じてしまいます。 ジュドーの男らしさは確かに魅力ありますが主人公としてはやはり古臭いのは否めない。どうしてもアムロとカミーユのふたりの印象が強いので「違うタイプ」ということで無理に作った感があります。 とはいえさすがにまだロラン・セアックの登場には早すぎるのでしょ…

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』その4

    マシュマーほどじゃないけどグレミー・トトもかなりおかしい。しかも名前がもう完全に雑魚クラス。変に美形キャラになってるのが虚しい。 ネタバレしまうのでご注意を。 観続けていると確かにⅠやⅡで感じた物語の新しい感覚が薄れ二番煎じに思えてしまうところはある。特に『泣き虫セシリア』は明らかにⅠにおけるミハル・ラトキエ物語の焼き直しだけど劣化してしまっているのは否めない。 『南海に咲く兄妹愛』は『ククルス・ドアン』の変形判でしょうか。 プルとジュドーの関係はロザミアとカミーユと重なりますがこれは良い方向に進むことを祈ります。 そしてハマーン様の髪形がすぐ元に戻りました。あれはいったいなんだったのか。 も…

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』その3

    16話。ブライトさんもいろいろあったんだ・・・・。 ネタバレしますのでご注意を。 この楽しさはなんというべきか。 このふざけた感じ、嫌いではない。 ガンダムZの続きと思わなければとても面白いです。 (さすがにあのZのすぐ後には観れないだろうて) ファースト世代ですがZZは完全未鑑賞なので。 観てなくてよかった。今観て正解。 しかしブライトさんだけはしっかりとファースト・Zを引き継いでいる感じがします。それがまたとても良いです。ガンダム信奉者がブライトさん好きなのは当然ですね。 ジュドーの妹思いはZでカミーユがロザミアを守り切れなかった後悔から生まれたのだろうなと思う。 しかしその妹がなかなか思…

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』富野由悠季

    『ガンダムシリーズ』ⅠⅡアムロ・カミーユが続けていじけひねくれキャラだったのがⅢのジュドーで男の子らしい前向きキャラになったわけです。 妹思いで生活力があってきっぱりした主人公で作品も今のところ明るく楽し気に進んでいきます。 35年以上も経ってから初めて観てみればなかなか面白いのですがガンダムⅠⅡから続けて観ていたらこれまでとのあまりの違いに戸惑っていたでしょう。 特にゼータはファーストより深刻に暗かったのが反動で明るくというよりギャグに走っている感が強くて笑ってしまいます。 しかしこの笑い感もやはり富野節の一つとは思うのですよね。 思えば『Gレコ』にもそのギャグ感はしっかり続いていたではない…

  • 『機動戦士ガンダムΖΖ』富野由悠季

    ついに観始めました。ダブルゼータ。これだけはなかなか普通に配信されてないのでバンダイチャンネルにて鑑賞です。 もっとヘンテコなアニメかと思っていたら想像以上にちゃんとした作品で驚いています。主人公ジュドーは明るく活動的で「2023年の今」ではほとんどいないタイプだと思われます。 というか戦争孤児そのものといったキャラ設定なので80年代に受けたのかどうか?よくわかりません。性格が明るいのは時代的なものを感じますが。 同時代のアニメを検索すると『聖闘士星矢』『ドラゴンボール』『タッチ』などが並んでいます。私自身はそろそろ気持ちがアニメから離れ始めていて本作『ダブルゼータ』は完全に観ていませんでした…

  • 『火狩りの王』その2

    最近には珍しく続けて再鑑賞しています。 まだよくわからないけど期待してしまっているのかもしれません。 ねたばれしますのでご注意を。 再鑑賞の理由のひとつは昨日も書きましたが本作がきわめて女性的な作品なのではないかと思ったことです。 とはいえ現在のアニメ界の実情で映像作品に関わったメインスタッフを見てもほとんど男性ですから女性作品とは言い難いのかもしれません。なにしろ監督も脚本もキャラデザインも美術監督も編集も音楽も男性なのですから。 原作者が女性だというだけです。 ここで考えてしまうのは以前であればもっとアクション的な構成に変えられていたかもしれない、とも思えます。つまり本作で言えば冒頭でヒロ…

  • 『火狩りの王』西村純二

    原作:日向理恵子 構成/脚本:押井 守 キャラクター原案:山田章博 wowowオリジナルアニメ作品です。日本製でオリジナル作品、と聞くとどういうものか価値が上がるというより逆に「おもしろくないのでは」とつい思ってしまいます。 特にwowowオリジナルはつい先だってそれこそ押井監督の仲間内である神山監督(『攻殻機動隊』において)のオリジナルアニメ『永遠の831』に完全にがっくりさせられたので今回も疑惑を持ってしまうのは仕方ないと思いつつ少し期待していました。 さて私はwowowオンデマンドでの鑑賞で3話まで観ました。 なのでその分のネタバレをしてしまいますのでご注意ください。 内容はまったく知ら…

  • 『カモンカモン』マイク・ミルズ

    ホアキン・フェニックス主演で観始めたのですが今一番気になっている「疑似家族」ものだったので座りなおして鑑賞しました。 かつて家族映画は多くありその中で「仕事をして稼ぐ強い父親・食事を用意し掃除洗濯をする優しい母親・父を尊敬し母の愛情に感謝する子ども」という姿が描かれてきました。 が、その理想の家族像は虚偽でしかないことに気づき始めた人々は家族物語から離れ描いても権威主義の父親・絶望する母親・反抗する子どもたちという姿を表現しました。 家族の姿をまったく描かない、という手法も最近は多くなっていました。 その中で少しずつ新しい形の家族物語が描かれてきています。 その形はもうかつての一組の男女が結婚…

  • 『尚食』その8

    人間は食べなくては生きていけないので食の話は重要なのですよ。 例えば幼児期に読む絵本や童話でも「食べ物」が出てくるお話はどれよりも記憶に残りやすいのではないでしょうか。 日本で人気の『ぐりとぐら』のパンケーキ『白雪姫』の毒リンゴ『ヘンゼルとグレーテル』のお菓子の家などなど。 それが美味しいものでも毒のはいった怖ろしい食べ物でも危険へと誘われる罠であっても食べ物が出てくると俄然興味が出てくるものです。 本作では最初は様々なご馳走として登場し暗殺目的の毒入り食事がありそして飢饉や戦争で追われた民衆への炊き出しが描かれます。ドラマの始まりでも戦い終わった兵士たちへの炊き出しのエピソードがありましたね…

  • 『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』大森立嗣

    ただただ幸せな映画だった。 だってケンタとジュンは相思相愛でずっと一緒に旅をしているだけなんだから幸せ以外のなにものでもない。 ネタバレしますのでご注意を。 正直カヨちゃんはふたりにとってはちょっと邪魔者で、と思っていたら案外早く置いてけぼりにしてしまって結局ふたりきりで旅してるという幸せ感。 これ以上何を望むことがあるの? 大好きな人といられないのなら悲しい映画だけどずっと仲良くいられて幸せなまま終わってのだからこれ以上幸せな物語はないのじゃないかな。 例え二人が別の人生であっても出会えないままだったのなら不幸だし馬鹿でもなんでもいいから好きな人といられるのならそれでいいのだと思う。 おまけ…

  • 『リスペクト』リーズル・トミー

    アレサ・フランクリンの生涯を描いた伝記映画といえる映画作品です。 と言っても私は彼女のことを何も知らなったのですが、それだけに観ていていろいろと衝撃を受けました。 ネタバレしますのでご注意を。 ひとつはもちろんアレサの歌唱力と魅力です。本作を観てYouTubeで本人の歌声を聞いて人々がどんなに酔いしれたかと想像するのも楽しいことでした。 またひとつ美しいものを知りました。 もうひとつは怖ろしいものです。 黒人への人種差別は周知ですがその黒人の中でも女性差別が酷いという事実も聞いてはきました。 しかし単なるフィクションではない本作のような伝記映画で女性に対する男性の考えというのがどんなものだった…

  • 『ドッペルゲンガー』黒沢清

    面白く鑑賞しました。 ドッペルゲンガーというか普通にもう一つの人格と思えました。 女性の方は弟の厳格を見、主人公は自分の欲望からもう一つの人格を出してしまったというわりにストレートな見方でよろしいのではないでしょうか。 主人公は才能はあるのかもしれませんが傲慢な人間です。自分ではそれを押さえているつもりでいるのだけどそうではない。 ほんとうに自分の姿を見ているようで痛い気持ちになりました。いや、才能がある、というのも思い込みのようにも見えますしね。 つまり映画の中でドッペルゲンガーを観ているつもりでいたら自分のドッペルゲンガーを映画の中に観てしまったというわけです。 永作博美演じる女性もなんか…

  • 『水星の魔女』第一期12話まで

    やってくれましたなガンダム『水星の魔女』 ほんわかスレッタぬでここまで引っ張ってきておいての第一期ラストこれ。 いやほんとうこれで第二期まで待たされるとは。 ネタバレしますのでご注意を。 「逃げればひとつ進めばふたつ」 なんだか怖い童謡の一節のようです。 スレッタはどうなってしまったのでしょうか。 そしてどうなってしまうのでしょうか。 ここまでイケイケのミオリネといじけおどおど狸スレッタの対比を見せつけていきなりの逆転劇。 いろいろな小競り合いはありながらもなんとかみんなと仲間になりたい一心で頑張ってきたスレッタ。でもなかなかうまくいかなくてそれがここにきてタガが外れたかのように。 どうなるの…

  • 『尚食』その7

    ほんとうつかみどころのないドラマです。 ヒロイン姚子衿は正直そんなに美女でも可愛いというほどでもないように見えます。この3人でも右側二人が美人さんではないですか。特に皇后はやんわりと優しくて文句なしのように日本人的には思えるのですが中国ヒロインはびしっと仕事ができて「仁義礼智信忠孝悌」を遵守する女性でないと務まらないのですね。 姚子衿はまさしくそのような女性でありその清々しさに皇帝は惚れ込んでいる気がします。 他のふたりは容姿も才能もあるのですがそうした徳に欠けているのです。 よく考えたら母上(皇太后)がびしっとした女性でした。姚子衿とよく似ていますから好きになるのは当然です。 その姚子衿と皇…

  • 『Le Sommet des Dieux/神々の山嶺』パトリック・アンベール

    気になっていたアニメ作品がアマプラで配信始まったので鑑賞しました。 もうこれ私にとっての今年最高アニメ映画では、というのはちょろすぎでしょうか。 フランス製作アニメというのを聞いた時は何故日本製でできなかったのかと思ったのですが鑑賞して考えは変わりました。フランス製作で良かったのではないでしょうか。 日本人がこの手のアニメを作ることはできない、とは言いませんが商業作品にするのは難しい。 ネタバレしますのでご注意を。 そして感想第一はというか観ている間ずっと思っていたのは「絶対登山はしないぞ」ということです。 アニメを観ていてまじで肝が冷えました。恐怖で体を固くしてしまうなんてアニメではなかなか…

  • 劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」

    やっとラストまで鑑賞できました。 しかし逆にTV版を最初から観なおしたくなったw ネタバレしますのでご注意を。 富野監督によるガンダムの集大成でありつつガンダムへの抗議でもあるのですがやはり大人への憎悪は同じ。 ファーストガンダム世代の私たちにとってファーストガンダムの呪いはあまりにも強すぎる。 岡田斗司夫氏でさえ『ファーストガンダム』しか認めないとか言っているのですが時代によって作品が変わっていくのは当たり前のことです。 本作の主人公ベルリがアムロに対するカウンターなのは勿論作品設定のもろもろがファーストの逆を描いていると思えます。 絵柄自体どこか重みと哀愁のある安彦良和氏のキャラデザインと…

  • 『LAMB ラム』バルディミール・ヨハンソン

    とても面白く良い映画見つけてよかった。 なんとなく迷っていたのですが観始めたら止めることなく観てしまいました。 アマゾンプライムにて鑑賞。 ネタバレしますのでご注意を。 ポスターに写っているマリアという女性が優し気に子羊を抱いている、という図はそれほどキリスト教に詳しくなくても連想できるものです。 場所はアイスランドの牧場、お隣さんなどの姿もなく一組の中年夫婦だけが広大な牧場で羊を飼って暮らしている。 ふたりには娘がいたようなのだが幼い頃に死なせてしまい傷心のまま日々の仕事に追われている。 そんなある日羊たちの出産が続く中に奇妙な姿の子が生まれた。 様々な比喩を含んだ作品で明確な言及がなされる…

  • 『主戦場』ミキ・デザキ

    いきなり『主戦場』の配信が表示され慌てて観てしまいました。 が観始めてすっかり時機を逸してしまった感が心に迫ってきたのは否めませんでした。 この配信もさらに遅れてはますます観客が離れてしまうことを恐れての判断なのでは、と考えます。勿論それは正しい考えでしょう。観る側もできるだけ早く観たほうがまだ批判の気持ちが残っているのではないでしょうか。 とはいえ観る価値のあるドキュメンタリーであるのは間違いありません。 本作中「歴史修正主義者」と称される人々にここまで赤裸々な証言をさせた技量に驚きますし畳みかけるような編集も痛快です。 しかし本作が話題になった頃は本当に彼ら歴史修正主義者が活躍しSNS上も…

  • 『MOTHER マザー』大森立嗣

    若い頃この映画を観ていたらその内容に物凄く賞賛していたのですがすっかり年を取ったのを感じました。 映画の作り方としてはもうすばらしくて大絶賛です。 昨今の日本映画のていたらくがまったくない優れた才能と技術を感じます。 映画の評価としては満点以上の点数を付けます。 やるせない気持ちにさせ問題提議を引き起こさせる威力としても満点です。 しかし年を取った人間としてこの映画を好きだとは言いたくないのです。 それすらもこの映画の凄さだとも思いますが。 例えば昨日観た『犬王』は本作に比べればぬるいのです。(『犬王』のネタバレします) 『犬王』では父が毒親で我が子を犠牲にしてしまうのですが犬王自身がそれを見…

  • 『犬王』湯浅政明

    楽しみました。 ずっと観たいと思っていたものを今年初めての映画鑑賞にできて嬉しい限りです。 ネタバレしますのでご注意を。 湯浅監督作品は一度パッと見てすぐに理解できるものではないと思っていますが本作は最近観ていた他作品とのつながりも感じてなるほどと思えるものでした。 やはり最近のドラマの核はどうしても「親の因果が子に報い」にあると思えます。 「身勝手な親の行動によって子どもが苦しむ」という題材はこれまでどれほど描かれてきたでしょうか。 かつてその親を呼ぶ呼称がなかったのが最近は「毒親」という言葉で人々に理解され始めました。 犬王の父親はまさに毒親です。いえば母親もその父から逃れていなかったとい…

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