夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
廃業の看板金澤ひろあき梅雨空に高く掲げる廃業の看板梅雨なんかに負けへんカラスゴミあさり梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌熱帯夜ペットボトルきしんでるよ廃業の看板
青島巡紅氏遺作2024年分※2024年7月、心友青島巡紅(本名佐久間昭三)さんが亡くなりました。30年以上の長いおつきあいで、俳句・短詩文芸の同志でした。語りたいこと、大切な思い出はいっぱいあります。でも、遺された句以上が一番大切です。そう思い、遺句を読み返しました。ペダル漕ぐ青島巡紅(佐久間昭三)新年の鐘が鳴る時銃も止む膝をつき皆祈り出す大きな虹まだ翠残る銀杏のほっといて冬時雨笑顔濡れない傘となる逃げ水を追いかけ走る選手たち冷めた粥タッパから食うシンク前火の用心お巡りさんに舞妓さん斑鳩を旅する一人下弦の月藷を焼く皆んなの笑顔午後三時木枯らしや手にした札が飛んで行く車待つ半身沈むオリオン座蜜蝋の火に誘われて日記買う元旦や湯を抜き行くぞと頬叩く休みたしでもでもでもと手足動く橋揺らし川面を渡る月明かり木守柿雪...ペダル漕ぐ
泣いている笑顔もあるんだ紫陽花金澤ひろあき泣いている
星の声青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作大欠伸天頂の星輝けり川沿いの並ぶ灯誘う朧星狼の遠吠えいずこ朧月四年ぶりはねず踊りの随心院春雷やワクチンの是非再浮上自堕落の夢に親出て春彼岸湯煙や星まで届け酒交わす班ごとにカレーを作る春暑し群青の刹那の直線雉翔る春の海着艦歓声米無人機徳川の日の出と入りを大広間逃げる子を笑い追う親樹々の間を地蔵堂の花活ける人黙々と剪定の街路樹の笑む小雨かな語り種余さず使い春火鉢灯に浮かぶ白花水月紅仄か思い出は葡萄の皮の酵母菌薫風や新郎新婦入場す円山の葉桜の下で夢を見る顔洗う笑うか泣くか夜の酒頭寄せ寝過ごすことも旅のうち日が昇る歩く足止め手を合わす水田と東の空に日が浮かぶ冬の月夫婦二人で屋台から木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ雨季終わる朽ちた戦車の...星の声
タワマンの林金澤ひろあきタワマン次々に建つ地面陥没する国※いつも安全は後回し。事故が起きてから慌てる。雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンの林
桔梗が招く白い石畳のお寺金澤ひろあき※京都七条、真言宗智積院。去年の今頃、友の病気回復を願ってお参りしたのです。同じように桔梗が咲いていました。白い参道に落ちる桔梗の影も、今年は同じように。ただ、友と一緒に来ることはかなわなくなりました。2025年6月21日。空海の縁日にて。桔梗が招く
祭待つ大安売りの商店街金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街祭待つ
亡母みたいな子犬松村芳子奈良町に墓だけ残し梅供う紅白梅枝しなやかに争わず梅の実や人のうわさも転びづめ梅粥やバターの堅き二月果つ老いてこそ遊び心を雛かざる雛かざり背なにねんねこ幼な児としなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し舞う雪にゴルフボールの吸われゆく道たづね上ガル下ガルに京余寒話す役聞く児のありて日向ぼっこ鳥翔ちて桜の小枝弾みけり真理春風邪や亡母みたいな子犬いてつばめ舞う空は自在の初舞台髪染めし亡母に似て来し花鏡電線はシャープフラット初つばめうす緑草餅送る文添えて近道は山椒のみどり敵のごと緑陰や悲しき事は傘の中緑立つ力抜ければ飛ぶボール母の日や白カーネーション詫びの色母の日にさくらんぼ着き子の個性紫の法衣に休みし黄金虫カーネーション又一鉢着き笑い合う母の日や今なら出来る親孝行ばらの刺みどりの先はとんがり帽会えば...亡母のような子犬(童心会員作品)
川端康成記念館にて金澤ひろあき2025年6月20日、休みを利用して訪問した。「眠れる美女」の原稿を見ることができた。鎌倉にあった書斎が再現されている。そこで原稿を書くという、作家になったような体験をさせて頂いた。毛筆のタッチの万年筆で、文豪気分になる。打ち水の柄杓の先に作る虹ひろあき踊り子の文書き写す熱さかな川端康成記念館
ゆっくりほどけて塩見すず子雨傘に梅の花びら客迎え客の雨傘梅の花びら一つ二つしなやかな指揮者の梅の花ざかり書き終えて雛の細い目に膝まづく歩いた休んだ梅のひらく音聴いた桜ふぶきに守られ人のお世話になりたくないさくらのスケッチに色をさすさくらの道ふいにかけ出すランドセルさくらさくらスケッチに色を差す上から見おろす桜異人たち桜の帯です同世代の話題ですしばらくはじっとして桜と青空と花見スポットゆっくりほどけてゆく私緑の陰マスクはずせばきれいな汗エプロンのカラーの白さ深まる夏無口なサイフ並べ緑の手づくり市エプロンで手を拭く母の小さな癖母のぬくもり好きな黄色のカーネーション遠くの電車今朝も死者により添ってくちなしの花医師の無用の聴診器宅急便です頭陀袋に入れる赤ワイン死に装束下草あたりで飛ぶホタル糸の雨降る三途の川のど真...ゆっくりほどけて(童心会員作品)
梅雨にもう真夏日たまげている蚕金澤ひろあき※まだ6月18日だというのに、京都ではもう36度を越え真夏日。蚕もびっくりだろう。真夏日の蚕
不器用ですから遠藤修司片付けを後回しする悪いクセこれを報告句会に出そうか昼食後薬がわりのコーヒーブレイクメタボに効いてよ目が見えぬ友が見抜くは私のずるさじいさんや右はキラキラ左は苦労どっちを選ぶ高倉健さんに私は学ぶ「不器用ですから」交差点会った女性スマホでウ・フ・フ今日は晴天足悪く会社に向かう背から見えたよ強力(ごうりき)が家族にあふれる笑み運ぶおっはようー交わすあいさつルーティーン元気よびこむファンファーレ酒に飲まれ記憶が飛んで約束忘れ信用失ふおもちゃを渡した御礼「電池が無いって」それを言わないで今の私「電池切れ」アサイチ自転車ギーコギーコ生きてくメロディー一声をかけ忘れ見事にケンカバクダンと生命をハカリにかける戦争なんてクソ食らえだカギかけてキーを無くして自転車のれず心のカギが外れてる朝日さす雪やなぎ...不器用ですから(童心の会会員作品)
花菖蒲水辺無数の銀河系金澤ひろあき花菖蒲
えみふる岡畠真理子もう梅雨明けだと伝えたいのか蝉の声この日だけは笑顔いっぱい球宴のベンチ台風も近づけない猛暑列島夏の風チリンと風鈴柄杓水石段上りほっとひといき木陰の涼風ススキたなびく城址青い空庭園一望城主の気分わかるかも初秋の陽射しどんぐりの木陰でひと休み赤とんぼに誘われ歩く城の道すごいなぁゴロゴロお供に城址巡りぜんざいとお抹茶アイス迷う季節通りすがりの金木犀に母想う金木犀を手土産に叔母の思い出靴下ろしそろそろ歩く踵に絆創膏初詣の長い列お願いごとをじっくり考えるおみくじをそっと結んで気を引き締める境内の屋台に混じりキッチンカー初売りスーパーお正月BGMでのんびりムードスーパー出てひんやり外気心地よく住宅街散歩小鳥の囀りに立ち止まる早咲きの桜揺らす小鳥一羽ぽかぽか陽気に雪やこんこんのメロディまだ要る日来るか...えみふる(童心の会会員作品)
河骨金澤ひろあき河骨は梅雨前ぐらいから、黄色いかわいらしい花をつけている。千利休が茶室では使ってはならない花にしたので、茶では使えないそうだ。利休さん、何が気に入らなかったのだろう。茶室には入れぬ河骨雨に侘びひろあき河骨
母の手野原加代子彼岸花生きてる印赤く染め赤とんぼ人恋しさと飛び回り尺取り虫やゆっくり歩く人生を秋の海故郷景色澄み渡り三日月に見惚れて歩く夜道かな故郷は冬景色かな目に浮かび母の手が大根洗い冷たかろ湯豆腐や家族を囲む湯けむりや毛糸編む孫の顔思い冬帽子赤く染め南天の実や亡き母に柚子風呂に孫と入りし冬の夜生きている歩けていると去年今年水仙や一輪挿しに背が高く寒椿寒さに堪えて群れ咲きてろう梅やクルザード色に咲きて光浴びバレンタインねぎらい言葉貰いして春うらら空見渡して気は晴れし春日和友の足追いウォーキング春の雪父の手見えプラットフォーム手の平にアリンコ歩き愛おしく春雨や袖通して衣替え食卓や新玉ねぎの香りして母の日や帽子かぶりし背丸め風薫る地蔵手合わせ微笑みし夏日和姉に会いして亡母似し青紅葉そよぐ風には雨しずくねむの...母の手野原加代子作品
白百合や勝どきあげて城包囲金澤ひろあき※大阪、池田城。百合咲き出す。白百合や
2025年5月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天7シャボン玉世界は拡し旅立つ日松村芳子シャボン玉が生きていて、自分の意志で飛び立つような表現になっています。「世界拡し」ととらえることで、私達にも希望を与えてくれるような明るさもあっていいですね。地59牡丹の崩れ金魚隠れて一つの死三村須美子ドキュメント風に見えます。華やかだった「牡丹の崩れ」と「金魚」の配合、二物衝撃が映像を浮かび上がらせ、印象を鮮明にしています。人32晴時々雨ポケットの風船野谷真治「晴時々雨」というのは、微妙な心境や状態を示しているようです。「ポケットの風船」は、何の象徴なのでしょう。考えさせられます。ポケットから取り出して膨らます。何かの可能性を暗示しているかのようです。他、印象深い句。24小さなプライド散りばめシャボ...2025年5月京都童心の会通信句会評
2025年6月京都童心の会通信句会作品(追加訂正)この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1咳一つ港のチューリップ2雨ぶっきらぼう芍薬の赤3裸足のあと追う行き場のない風4一度しか死ねない靴下捜す5モーニングティサイレントタウン6花つかれ行き交う鹿の迷い道7雑草かなひとしく迷う茅花満ちて8雨宿り暮らしの声も筒抜けに9長湯して窓越し眺む菜種梅雨10大雨や平穏無事にとどまれり11うり漬けや歳ごと思う運不運12プランターホロリポロン初きうり13古茶新茶目立たず一人生きて来し14新茶点て古茶となりつつ我米寿15日傘さす雨のうつ気を陽が反らす16新茶の茶柱うれし別腹へ17身勝手にキューリのひげのびのびと18月の光が照らしてくれる迷い道19雨あがり私か...2025年6月京都童心の会通信句会作品追加訂正
2025年5月京都童心の会通信句会結果花よりも金澤ひろあき4月の祝園句会に行く途中、沢山の桜を見ました。東寺の五重塔のまわり、桜が取り囲んでいます。五重塔は、宇宙の構成要素である五大を示すと共に、仏のシンボルでもあるそうですから、仏を花が囲んでいるイメージも浮かびます。花囲む仏身五重塔五大ひろあき祝園では、遠藤修司さんが車で迎えに来て下さいました。ありがとうございます。そして、元気になられた松村芳子さん、塩見すず子さん。仲間が元気になると、嬉しいものです。よく笑う花よりダンゴの仲間たちひろあき花と新緑元気になった仲間たち花よりも今日の主役はお芋巻き枚方より遠藤さんが、お芋巻きを持って来て下さいました。もとは徳島県の御菓子らしいです。金時芋をカステラで包んでいます。楽しいひとときに合う甘さです。皆さんの選で...2025年5月京都童心の会通信句会結果
2025年6月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1咳一つ港のチューリップ2雨ぶっきらぼう芍薬の赤3裸足のあと追う行き場のない風4一度しか死ねない靴下捜す5モーニングティサイレントタウン6花つかれ行き交う鹿の迷い道7雑草かなひとしく迷う茅花満ちて8雨宿り暮らしの声も筒抜けに9長湯して窓越し眺む菜種梅雨10大雨や平穏無事にとどまれり11うり漬けや歳ごと思う運不運12プランターホロリポロン初きうり13古茶新茶目立たず一人生きて来し14新茶点て古茶となりつつ我米寿15日傘さす雨のうつ気を陽が反らす16新茶の茶柱うれし別腹へ17身勝手にキューリのひげのびのびと18月の光が照らしてくれる迷い道19雨あがり私から出す虹の橋...2025年6月京都童心の会通信句会作品
町の中に枇杷京町屋床屋銭湯枇杷実る金澤ひろあき町の中に枇杷
日本を照らした町金澤ひろあき大山崎は今も京都と大阪の境。秀吉と光秀の天下分け目の戦いがあった地。秀吉が作った三重の塔も残っています。秀吉以前にも、大山崎は天下を仕切っていたのをご存知ですか。大山崎の八幡宮に、その名残があるのです。中世の日本の夜は、エゴマという植物からとった油が照らしていました。その油の製法を発明し、販売を仕切っていた座が大山崎にあったのです。下剋上で美濃の大名になった斎藤道三は、京の西ノ岡出身で、油商人だったそうですから、大山崎とゆかりがあったのかもしれません。エゴマ油はずいぶんと高価だったそうですが、広い範囲で流通しており、ネットワークの中心が大山崎だったのです。油作りの製法を発明した翁の像が建てられ、当時の繁栄を伝えています。風薫るともし灯作る偉人像ひろあき日本を照らした町
恵解山古墳(長岡京市)金澤ひろあき2025年6月7日、恵解山古墳を見る。阪急西山天王山駅より西国街道沿いに進む。立命館付属中学・高校の前から、JRの跨線橋を渡るとすぐ。仁徳天皇陵、継体天皇陵を見てきた後では少し小さく見えるが、前方後円墳で堂々たるもの。円筒ハニワの復原も並べられ、祭祀場を囲っていたりする。鉄器が大量に出土したそうな。「古事記」の世界観を感じたりしていた。梅雨入り前の空気の重さ古墳見にひろあき恵解山古墳(長岡京市)
高値で山積み無かったはずのお米金澤ひろあき※慌てて放出?写真は長岡京時代の食事。無かったはずのお米
つばめの子町屋の奥に親を呼ぶ金澤ひろあき※今年もつばめが京都に来ました。2025年6月5日京都市上京区にて。つばめの子
「さんしょ」192号を読んで金澤ひろあき今年も新茶の季節になったのですね。「さんしょ」192号と御地の新茶と頂き、ありがとうございます。古茶新茶農水大臣交代するひろあき5月に入っても、高値が続くお米。担当大臣が交代し、打開できるのかどうか。生活に直結し、他への影響も大きいだけに、重い課題です。備蓄米山積み見せても米高騰山口美代子米価が高くなっても、大半の農家の方の収入増にはつながらないと聞きます。このような生きて行くのに大切な問題を、口語俳句はしっかり詠む。その良さを実感します。チラチラ桜鍬の手入れせなきゃならん鈴木和枝先年「離農」という句集を出されましたが、まだ耕すことを続けられているのでしょうか。桜の花の様子で、農作業という生活に結びつくことを考えるのです。「せなきゃならん」という話し言葉も実感を伝え...「さんしょ」192号を読んで
昭和遠し父母逝き背番号3が逝き※長嶋茂雄氏が亡くなる。戦後の昭和の大スターでしたね。父母と同世代でした。昭和遠し
小さな土金澤ひろあきコンクリートの割れ目からのぞいている小さな土に小さな草花たちが生きている限られた地球とはいえこんなに広いのに同じ住人である僕たちはまだ争い続けるのか小さな土
梅雨冷えに沈む五重塔の影金澤ひろあき梅雨冷えに
緑のカバーのエッセイ集金澤ひろあき今年に入って、私の知り合いの方々が沢山本を出された。御恵贈いただき嬉しいが、読むのが遅い私は、お礼もなかなか出せず、失礼申し上げ、恐縮している。その中の一冊。大分の由布院で個性的な美術館をひらき、口語俳句誌「あまのがわ」を出されている裏文子さん。長く交流頂いている方だ。今回、「由布岳の風がわらった」というエッセイ集を頂いた。芸術を通して地域起こし等の地域に根ざした生き方をされる方がいる。と同時に、地域・時代を越えて人々の心に響く芸術を創作されたり、その創作を支えるという普遍性の面で活躍される方がいる。裏さんを見ていると、ごく自然に、この両面に加わっているのに感嘆する。自分の根っ子に深く根ざすと普遍につながるのかもしれない。さて、これらのエッセイは、大分合同新聞コラム「灯」...緑のカバーのエッセイ集
神木倒れる(悲しいお知らせ)金澤ひろあきご神木社殿潰して神あがるひろあき武信稲荷を久しぶりに訪ねると、大楠が倒れている。社殿を大きく覆っていたので、摂社等潰れたものもある。木の倒れたあとのぽっかり空白ひろあき親しんだものが、この世から消えるのは淋しい。(5月26日中京区武信稲荷)神木倒れる
嵯峨祭金澤ひろあき2025年5月25日、嵯峨嵐山文華館へ、木島桜谷展を楽しんだ。目の前の大堰川を描いた屏風と今の景色を見比べたりした。帰り、渡月橋で鉾と神輿に会う。嵯峨祭、愛宕山の祭だという。橋の上で鉾が舞い、鉾の鈴が高らかに鳴る。偶然出会った。神様に呼んで頂いたのかな。嵯峨祭愛宕の風に呼ばれたかひろあきこの嵯峨祭、松尾芭蕉も見たそうだ。嵯峨祭
「嵯峨日記」現代語訳7金澤ひろあき(2025年5月29日)四月二十九日、三十日「一人一首」奥州高館の詩を見る。「高館は天にそびえ立って、星は冑の鋲のようである。衣川は海につながり、月は弓のようである。」奥州高館の風景は、少しもこの詩と合致しない。古人であってもその地に至ってない時は、実際の風景に一致しない。五月一日近江の国、平田、有照寺の(住職)李由、訪問される。尚白、千那の便りがあり。竹の子や喰ひ残されし後の露李由頃日(このごろ)の肌着身に付く卯月かな尚白(一字不明)岐待たれつる五月も近し聟粽尚白五月二日曽良がやって来て、吉野の花を訪ねて、熊野に参詣したことを話す。江戸の旧友、門人の話、あれこれを取り混ぜて談じる。熊野路や分けつつ入れば夏の海曾良大峰や吉野の奥を花の果て夕日近くなってから、大井川に舟を浮...「嵯峨日記」現代語訳7
「嵯峨日記」現代語訳6金澤ひろあき(2025年5月28日)四月二十六日芽出しより二葉に茂る柿の実史邦畠の塵にかかる卯の花芭蕉蝸牛たのもしげなき角振りて去来人汲む間を釣瓶待つなり丈草有明に三度飛脚の行くやらん乙州四月二十七日人がやって来ず、一日中長閑さを得る。四月二十八日夢に(亡くなった愛弟子)杜国のことを言い出して、涙を流して目覚める。『列子』に説くように、精神の作用する時に夢を見る。陰の気が尽きて火の夢を見、陽の気が衰えて水の夢を見る。飛ぶ鳥が髪をくわえる時は飛んでいる夢を見、帯をしいて寝る時は蛇の夢を見ると言っている。『枕中記』、槐安国の物語、荘周が夢に蝶となった話。みな道理にかなっていて、決して奇妙ではない。私の夢は聖人・君子の夢ではない。昼間は一日中妄想で心気が乱れ、夜の夢もまた同様である。本当に...松尾芭蕉「嵯峨日記」現代語訳6
「嵯峨日記」現代語訳5(2025年5月27日)四月二十五日千那、大津に帰る。史邦、丈草に訪問される。落柿舎に題す丈草(原文は漢文)落柿舎は奥深く嵯峨の峰に向かいあい、鳥が鳴き魚が泳いでいる。荒れるに任せて、田舎の農夫の住居のようになっているのを主人は喜んでいる。柿の枝先には今は赤い実がないが、青葉に筆をふるい、題ごとに書を学ぶことはできる。小督の墓をたずねる丈草(小督は高倉天皇との愛を妨げられ)怨み悶えつつ宮中の後宮を出た。隠れ住んだこの地には、一輪の月、淋しい村の風。その昔、仲国がようやく小督の弾く琴の音をたずねることができたが、今は小督の淋しい墓が、竹林のどこにあるのかわからない。芽出しより二葉に茂る柿の実(さね)史邦途中吟ほととぎす啼くや榎も梅桜丈草黄山谷の詩で感銘深い句門を閉じて詩句を求める陳無己...「嵯峨日記」現代語訳5
「嵯峨日記」現代語訳4金澤ひろあき(2025年5月27日)四月二十三日手をうてば木魂に明くる夏の月竹の子や稚き時の絵のすさみ麦の穂や泪に染めて啼く雲雀一日一日麦あからみて啼く雲雀能なしの寝たし我をぎゃうぎゃうし落柿舎に題す凡兆豆植うる畑も木部屋も名所かな夕暮れに及んで、去来が京都より来る。膳所昌房より便り。大津尚白より便り。凡兆が来た。堅田本福寺住職、千那が訪れて、その夜泊まる。凡兆が京都に帰る。「嵯峨日記」現代語訳4
松尾芭蕉「嵯峨日記」現代語訳3金澤ひろあき(2025年5月26日)四月二十二日朝の間、雨が降る。今日は人もなく、淋しいままに無駄書きして遊ぶ。その言葉、喪に居る者は悲しみをあるじとし、酒を飲む者は楽しみをあるじとする。「さびしさなくばうからまし(さびしさがないならば、嫌だろう)」(とふ人も思ひ絶えたる山里のさびしさなくば住みうからまし)と西行上人が詠まれましたのは、さびしさをあるじとしたのだろう。また、西行上人が詠まれた歌、山里にこは又誰をよぶこ鳥独り住まむと思ひしものを独りで住むほどすばらしいものはない。木下長嘯子が言う「客が半日の長閑さを得れば、主は半日の長閑さを失う」と。友人、山口素堂がこの言葉に常に共感している。私もまた、うき我をさびしがらせよかんこ鳥とは、ある寺(三重長島の大智院)で言った句だ。...松尾芭蕉「嵯峨日記」現代語訳3
松尾芭蕉「嵯峨日記」現代語訳2金澤ひろあき(2025年5月26日)四月二十日北嵯峨の祭を見ようと、凡兆の妻、羽紅尼が京都より来る。去来が京都より来る。来る途中の吟詠だと言って語る。つかみあふ子どもの長(たけ)や麦畠落柿舎は、昔の持ち主が作ったままの状態で、あちらこちらが古びて破れている。それがかえって作り磨かれていた昔の有り様より、今のしみじみとした有り様のほうが心にとどまる。彫刻を施した柱の上に渡している横木、絵を描いた壁も風に破れ、雨に濡れて、珍しい形をした庭石、変わった枝ぶりの松も雑草の下に隠れている中に、竹で出来た縁側の前に柚の木が一本、花が芳しいのに気づいたので、柚の花や昔しのばん料理の間ほととぎす大竹薮をもる月夜羽紅尼(の作)又やこんいちごあからめ嵯峨の山去来の兄の妻より、菓子や果物などがおく...松尾芭蕉「嵯峨日記」現代語訳2
松尾芭蕉「嵯峨日記」現代語訳金澤ひろあき2025年5月23日)※『嵯峨日記』は松尾芭蕉が嵯峨嵐山の落柿舎に滞在した時の日記。落柿舎は、芭蕉の弟子、向井去来の別荘であった。嵯峨嵐山観光の折には、ご参考に。1元禄四年(1691年)辛未四月十八日、嵯峨に行って去来の落柿舎に至る。凡兆も一緒に来て、夕暮れに及んで京都に帰る。私はなおしばらく滞在するようにとのことで、障子を修繕し、雑草を引き抜き捨て、落柿舎の中の片隅の一間の所を寝床とする。しつらいは机一つ、硯、文庫。『白氏文集』『本朝一人一首』『世継物語』『源氏物語』『土佐日記』『松葉名所和歌集』を置く。ならびに唐の蒔絵を描いた五重の器に、さまざまの菓子を盛り、名酒一壺を添えている。夜具、副食など、京都より持って来ていて乏しくない。私は貧賎を忘れ、静かでのどかな時...松尾芭蕉「嵯峨日記」現代語訳1
十薬の小さな庭に天下布武金澤ひろあき十薬の
だましだまし金澤ひろあきだましだまし生きているんだ年とったな体言うこときかんな長く歩くとベンチや椅子のご厄介背は縮む声は小さく根気続かん眠気がこんにちわ疲れ感じてすぐ横になるちょっと体休めてはだましだましちょっとずつちょっとずつ同じことも二倍かかるけどまわりをだましだまし自分をだましだましだましだましだけど働けるだけまだましだとだましだまし※平安神宮にある市電です。だましだまし
椅子二つ一緒に居たい存在は金澤ひろあき※と同時に、一緒に居たくない存在も二重写しになる。その想像力が「悪魔」を生み出したのかな、と古代社会以後の人間の思考にも想像が及ぶ。椅子二つ
八ッ橋の名残も遠きかきつばた金澤ひろあき※長岡天神、八条ケ池。業平ゆかりの地ではある。「伊勢物語」のかきつばたの名残を思う。八ッ橋の
点描の黄菖蒲の黄点灯す金澤ひろあき※長岡天神、八条ケ池の黄菖蒲。睡蓮、かきつばたと風情を添える。点描の
切り株金澤ひろあき突如明るい切り株ばかりの森別荘地・私有地立ち入り禁止の看板そして熊の爪の跡ここにあるルールは何だ切り株
むうん金澤ひろあき汗むうん窓をあける青葉の香りむうん散歩する空無雲(むうん)おやすみなさいの時はムーン(月)むうん
素顔にかえるひとりの牡丹金澤ひろあき牡丹
玉ねぎの皮金澤ひろあき玉ねぎの皮むいていったら無になった借り物の思想むいていったら無になった借り物じゃ僕の心慰められないから無のほうがいいよ玉ねぎの皮
理系俳句スキマ金澤ひろあきたんぽぽやスキマに生きていて豊か五月晴れスキマ時間に名案が※都会のアスファルトやコンクリートのスキマに、結構多様な植物が生きています。スキマには競争相手がいないので、日光を独占でき、生きやすいそうです。(塚本裕一氏の著作による。)スキマ
ミジンコの拡大写真レントゲン金澤ひろあき※小さな生き物ですが、ちゃんと内臓などがあり、見えるんですね。ミジンコの
2025年4月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天67リュックより遺影取り出す花見かな三村須美子亡くなった方と、本当は共に春を迎え、花見をしたかったという思いが、切実に伝わってきます。真情が心を打つ句です。地3オペの傷春へ着地点さがす塩見すず子手術後、自由が利かなくなった体とどう折り合いをつけるのか。回復まで、どうするのか。その心情が「春へ着地点」という言葉にこめられていますね。人74季節外れの自分の花だれかが見てるよ遠藤修司誠実に生きている中で、大切な出会いや、認められることの喜びなどがある。たとえ小さくても、喜びや手ごたえは大切にしたいですね。その他、心に響いた句です。8ポケットにひな菓子つめて病廊下松村芳子入院中のひな祭りですね。入院中はいろいろ制約があって不自由です。節目の行事の...2025年4月京都童心の会通信句会結果
2025年4月京都童心の会通信句会結果花の下金澤ひろあき桜の頃に、父も母も仲良く逝ってしまった。淋しさが深まる。職場のほうは異動で、大きくメンバーが入れ替わった。そして、新年度のことで忙しくなる。こんな折なので、人がごった返す名所の花見は遠慮した。近所のお寺で静かに花を見ようと思った。近所の親子連れの人達がお花見をしている。小さな子供たちが、楽しそうに走り回っている。子供たちの何人かは、アイドルのような服を着ている。本人の希望なのか、親の趣味なのか。ともかく、のどかな花見となった。浄土真宗のお寺で、父母の宗旨と同じなので、父母のことを祈った。花の下アイドル服の子が走るひろあき阿弥陀寺がらんと桜また桜皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・・金澤ひろあき須・・三村...2025年4月京都童心の会通信句会結果
2025年5月京都童心の会通信句会作品この中より、十句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1八重の花学び舎六年高唱す2バラ園のあるようないよう曲がり道3バラの刺心尖りても人を好(こう)4一人静楚々と平城山(ならやま)人恋し5蓬摘みいつしか二人相寄りて6草餅の緑と香り紙折に7シャボン玉世界は拡し旅立ちの日8口休めシャボン玉吹く一人ッ子9何も言わなくなった母に思い出話する10父母を見送る私の中に落ちる花11もう母もいない花冷えのふるさと12花びら拾う母の骨拾う13母いない庭に残る切り株14東山笑う行列できる餅15草餅も事件の鍵の時代劇16極甘の餅あり昭和のふるさとは17よく笑う花よりダンゴの仲間たち18妹と兄の競演しゃぼん玉19あと少し届かない夢しゃぼん玉...2025年5月京都童心の会通信句会作品
土から出る昭和金澤ひろあき「長い間、眠っていたんだねえ。」近所の道のアスファルトが剥がされていた。工事をやっている。土が見えている。ああ、昔の土の色は、こんな色だったんだと懐かしい。よく見ると土の中に十円玉が。昭和四十五年発行とある。私が十歳ぐらいの時に作られたのか。それが落とされ、アスファルトにおおわれてしまったのかな。その後、世の中とても変わったんだよ。十円玉君、びっくりするかも。アスファルトめくる土から出る昭和ひろあき土から
お米が高い金澤輝夢の中にお稲荷様が出て来られた。お稲荷様はお米の神様であるので、きいてみた。「昨年に比べ、お米の値段が二倍になり、困っております。備蓄米を出しても、値上がりが続くのは、何故でしょうか。」答えて言われるには、「解り易く言うと、商売で損は出来ないからだ。米が高くなり出した時に、仕入れをしたらどうなる。」「仕入れの値段が高くなります。」「高く仕入れた米を、安く売れるだろうか。」「高く仕入れて、安く売れば赤字になります。」「その通り。だから、高く仕入れた米は、安く売ることはできない。高値をつけて売ろうとする。高く仕入れた米が手元に在庫としてある以上は、まずは在庫が残っている間は、値段を下げられない。」「その後、備蓄米を放出してもですか。」「備蓄米を、昨年高い米を仕入れた同じ業者が買うと、どうすると...お米が高い
雨を聴く金澤ひろあききっと和解が来る静かな海を描く雲も凍て雛の笑顔の待つ実家炉に憩う口癖ヨイショ母の歳香り来る柱時計のある実家和む椅子順位付けやめ秋うらら和む椅子見逃してやる小さな罪津波です逃げて下さい元旦暮れる雲も凍て二年の戦出口なし戦争ない町プレゼントしたい今年のクリスマスまっすぐな瞳が言った戦争がない国に行きたい餓死のある地球で売れているダイエット本学徒出陣八十年同じ場所の平和な野球冴返るまだ「思想犯」ある地球ビル都会アナログ世代息苦し卒業と一緒に消えるなごり雪恋の猫雅な雛をひとまたぎ赤字路線春の空気をたっぷり乗せる熱気充つ明日を論じる若き顔ゆとり席主と客醸し出す余白郊外バス遠足心跳ねやまず青む視野山に死す友本望と無聊な日音なく落ちる砂時計雨の五月一日削減された社員の行方星を灯そう語ること禁じられた...雨を聴く
絵の中に永遠の気を吐く牡丹かな金澤ひろあき※村上華岳の牡丹。嵐山文華館にて。本物の牡丹が終わりかかっているだけに、絵の牡丹がいっそう鮮やかに見えました。絵の中の牡丹
新緑が包む日中不戦の碑金澤ひろあき※嵐山小倉山にて。嵐山新緑
山吹の一枝金澤輝山吹の一枝に一献酒の神輝※5月4日に松尾大社に山吹を見に行く。終わりかけだった。今は亡き友と吟行したこと等、思い出す。その時、会場にした川沿いの小さな喫茶店が無くなっていた。時の流れを思う。この世で遅咲き私と山吹輝山吹の一枝
『羅生門』の「雨」金澤ひろあき芥川龍之介の『羅生門』は、高校国語の定番として何回も味わった。今は高校国語「言語文化」(1年次)に載っていることが多い。『羅生門』冒頭は、こういう文で始まっている。「ある日の暮れ方のことである。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。」平安末期の羅生門の下にいる主人公の下人。行く当てのない下人は、秋の雨に降りこまれている。その後も、「雨」の描写が続く。「下人は七段ある石段のいちばん上の段に、洗いざらした紺のあおの尻を据えて、右の頬にできた、大きなにきびを気にしながら、ぼんやり、雨の降るのを眺めていた。」「雨は羅生門をつつんで、遠くから、ざあっという音をあつめてくる。」「雨風の憂えのない、人目にかかるおそれのない、一晩楽に寝られそうな所があれば、そこでともかくも、夜を明か...『羅生門』の「雨」
ガンデンガンデン合いの手鳩のドポッポー金澤輝※壬生寺。壬生狂言をやっていた。狂言は撮影禁止ということで、本堂辺りを撮影。鳩の天国である。壬生狂言思いは届く無言劇壬生狂言晴れて舞台を踏み鳴らす壬生狂言鳩百八羽ほど集う壬生狂言
神泉苑つつじ金澤輝早く来よつつじの向こう赤い橋※神泉苑。つつじ咲き始める。蝶のうたつつじの向こう赤い橋神泉苑つつじ
爆睡するけどよろしく帰りの電車金澤ひろあき※水間鉄道の車内。昭和調ですね。水間鉄道車内
優駿はドラマを乗せて風になる金澤ひろあき※平安神宮にて。センテニアルナイトを見る。京都競馬場百周年、奉納ライトアップとか。私もこの句を書いて献灯。優駿は
水間鉄道金澤輝4月28日。N先生と水間鉄道へ。初乗りである。10時、阪急四条河原町で淡路。堺筋線乗り換えで天下茶屋。ここで南海に乗り換えた。特急、急行混んでいるので、各駅停車で貝塚へ。知らない所を各駅停車で行くと、町の様子や駅舎をゆっくり見る楽しみがある。貝塚では時間の都合で昼はパンを買い、コンビニコーヒーで済ませた。この辺りで雨になった。水間鉄道は、貝塚-水間観音の間を走る私鉄。うどん屋さんが経営している。二両編成の癒し系とも言えそうな電車。のどかな山里、宅地の中をゆっくり走る。高速化、スピード競走と無縁なのがいいのかもしれない。昼間も、三十分毎に走っている。一日乗車券で往復した。N先生の趣味で郵便局に寄り、そこから水間街道を通り、水間観音へ。五重塔が現れた。雨が強くなったので、駅に戻る。駅舎の中にうど...水間鉄道
並木の道紅白つつじ染め分ける金澤ひろあき並木の道影絵となった過去のこと並木の道
露地奥に聖地の山や五月晴れ金澤輝※西京区から愛宕山をのぞむ。愛宕山は京都市の最高峰。火伏の神様の地。露地奥に
人類よりも先に現れている若葉金澤輝※西山別院の大イチョウ。人類より先に現れて、生きた化石だそうだ。このイチョウも、私より先にこの世に現れ、私が死んだあとも生き続けるのだろう。人類よりも
もっと生きててほしかった四十九日の花水木金澤ひろあきもっと生きてて
草むしり老いの日課を一つ足す金澤ひろあき※写真は長岡京、朝堂院跡。草むしり
二条城新緑金澤ひろあき古城古木新たな新緑湧き上がる二条城新緑
御衣香金澤ひろあき御衣香の花天平の樹下美人※御衣香(ぎょいこう)は桜の品種。御衣香は風の衣ずれ待っている御衣香
二条城と花水木金澤ひろあき武を棄てた城に禁色花水木花水木今瞑想から覚めました花水木
長岡天神初夏景色金澤ひろあき青草をついばみ遊ぶ鵜の夫婦竹馬の猿のご機嫌今一つ猿まわしシナリオ通りいかぬ猿アドリブのほうが大ウケ猿まわし留鳥の淡いつき合い鯉と亀たけのこの露地販売の日永かな長岡天神初夏景色
見返りの桜の石碑芝桜金澤輝※長岡天神境内。見返りの桜の石碑。菅原道真が見返ったという伝説がある。今は数代目の若木。見返りの桜
風渡るキリシマツツジ花の波金澤ひろあきキリシマツツジの橋へ見えない招待状※長岡天神のキリシマツツジ。細川家寄進の石橋にて。キリシマツツジ
ブランコに孤独を一つ乗せている金澤ひろあきもっともっと天を蹴りたいブランコよブランコに
桜の終わり金澤ひろあき桜の終わり見ている地上に留まる私ひろあき尊敬していた先生、親友、両親、見守って下さった方々、先に逝ってしまわれました。残った私は、今年も桜を見ているのです。ダンテの「神曲」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のように、魂の旅路でもう一度巡り逢えたらなどと考えていました。桜の終わり
桜から山吹へ新しい職場金澤ひろあき桜から山吹へ
巫女の舞い花の下には恋みくじ金澤輝花の中龍馬の恋のゆかりの社※京都市中京区武信稲荷の神楽舞台にて。坂本龍馬の逸話も残る。巫女の舞い
花曇り狛犬の顔照れ笑い金澤輝※京都市中京区武信稲荷にて花曇り武信稲荷
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめながら割りきれず花筏水に映した涙色(誤字訂正です)花筏(訂正)
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめはがら割りきれず花筏水に映した涙色花筏
2025年4月京都童心の会通信句会作品この中より、十句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1梅一輪車椅子におすそわけ2車椅子梅一輪に誘われてる3オペの傷春へ着地点さがす4梅一輪腫れがひかない車椅子5現役へ、見直すための病廊下塩見すず子6霜の声、獄舎となる病廊下7折り紙おりざんぶり神秘な病廊下8ポケットにひな菓子つめて病廊下9退院は春寒夕日ありがとう10雪消道走る夫婦の背に赤子11仕事帰り優しい角度の春雨12黒電話鳴り続ける啓蟄13地下鉄サリン事件30年の希薄14ふはっ水木しげる生きている怪火15「漫画家残酷物語」ぬくもりの雪16デコポンがゆったりすわる竹のカゴ17イチゴ達とんがっている自己主張18三月はゆらゆら揺れて待たされる19進級は一回死んでやり直...2025年4月京都童心の会通信句会作品
花曇りの二条城金澤ひろあき花曇り幾度か主変わる城老い散歩若きジョギング花曇り※二条城のまわり、良いコースになっている。花曇り自転車暴走する歩道※何とかならんかな。京都観光にお越しの方は、お気をつけ下さい。花曇りの二条城
2025年3月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天42寺山修司の居る指先の傷口野谷真治寺山修司!その名を聞くだけで、自分の青春の頃とオーバーラップする。私が好んだのは、彼の俳句であり、短歌だったが、当時劇団で影響力を持っていた。彼の書くものは、必ず傷があり、欠落がある。それが私の内なる傷や欠落と響き合った。そして、私があそこまで引き付けられた人は、足早にこの世を去って行った。地4天気図と気になる本の三行目塩見すず子あまり大したことではない、何気ないことだが、けっこうずっと心に引っかかることがある。この句はそういったものの具体例をあげているのだが、「本の三行目」などは、超具体的。最初の一文ではなく、「三行目」というのがミソなのかもしれない。人15母キトクどの道帰った涙の記憶遠藤修司思い詰め...2025年3月京都童心の会通信句会結果選評
2025年3月京都童心の会通信句会結果雅楽の蛇金澤ひろあき3月2日、京都御所の一般公開。雅楽を見る。胡蝶とゲンジョウ楽。ゲンジョウは異国の名らしいが、どんな字を書くのだろう。「幻城」だったら、格好いいかな。好物の蛇を得て喜ぶ様を表しているらしい。舞い手の手にしっかりて蛇の人形が握られていた。そういえば昔、中国に行った時、蛇料理を見た。腹を壊しては嫌なので、食べなかった。舞では喜びを表して、万歳をしているシーンもあるので、よほど美味かもしれない。ともかく雅楽は、太平を祈ったり、めでたい内容であるようだ。蛇穴を出て雅楽の役をつかまつる金澤ひろあき幻の城から胡蝶舞い降りる※「ゲンジョウ」は調べてみると、「還城」でした。皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・・金澤ひろ...2025年3月京都童心の会通信句会結果
トラ猫の風を起こして知らんぷり金澤ひろあきトラ猫の
関税のトランプ吠える草むしり金澤ひろあき草むしり
音もなく降る花故に慰まず金澤ひろあき音もなく
金柑のたわわに父母のなき家に金澤ひろあき金柑の
咲き揃う梅と桜と義経と金澤ひろあき※首途八幡。義経ゆかりの地。源平紅白梅と桜の共演。咲き揃う
日記より4月6日金澤ひろあきもともとの予定では、父の三回忌。母と会う予定だった。母が亡くなり、三回忌は行けぬことになり、京都にいる。人生さまざまなことが起こる。だから、できる時にできることを少しずつでもやることにしているのだが。三回忌でふるさとへは行けないが、朝近くの西山別院へ行き、遠い父母へ念仏を唱える。雨上がりのお寺は清々しい。慰めてくれるようだ。Kさんと会う予定だったが、体調不良とのこと。息子さんより連絡あった。お大事に。気になっていた首途八幡へ行く。金売り吉次が源義経を連れて、平泉へ旅立った所という。源平紅白梅という、一本の梅に紅と白が混じって咲くのがある。隣の公園は桜が満開。梅と桜が共演している。転変の人生だった義経を慰めているかのように。転変のただ中紅の梅白の梅ひろあき遠い父母へ念仏桜ただ中日記より4月6日源平紅白梅
西山別院の桜花の下アイドル服の子が走る金澤ひろあき※西山別院は浄土真宗。桂にある。西山別院の桜
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夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
廃業の看板金澤ひろあき梅雨空に高く掲げる廃業の看板梅雨なんかに負けへんカラスゴミあさり梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌熱帯夜ペットボトルきしんでるよ廃業の看板
青島巡紅氏遺作2024年分※2024年7月、心友青島巡紅(本名佐久間昭三)さんが亡くなりました。30年以上の長いおつきあいで、俳句・短詩文芸の同志でした。語りたいこと、大切な思い出はいっぱいあります。でも、遺された句以上が一番大切です。そう思い、遺句を読み返しました。ペダル漕ぐ青島巡紅(佐久間昭三)新年の鐘が鳴る時銃も止む膝をつき皆祈り出す大きな虹まだ翠残る銀杏のほっといて冬時雨笑顔濡れない傘となる逃げ水を追いかけ走る選手たち冷めた粥タッパから食うシンク前火の用心お巡りさんに舞妓さん斑鳩を旅する一人下弦の月藷を焼く皆んなの笑顔午後三時木枯らしや手にした札が飛んで行く車待つ半身沈むオリオン座蜜蝋の火に誘われて日記買う元旦や湯を抜き行くぞと頬叩く休みたしでもでもでもと手足動く橋揺らし川面を渡る月明かり木守柿雪...ペダル漕ぐ
泣いている笑顔もあるんだ紫陽花金澤ひろあき泣いている
星の声青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作大欠伸天頂の星輝けり川沿いの並ぶ灯誘う朧星狼の遠吠えいずこ朧月四年ぶりはねず踊りの随心院春雷やワクチンの是非再浮上自堕落の夢に親出て春彼岸湯煙や星まで届け酒交わす班ごとにカレーを作る春暑し群青の刹那の直線雉翔る春の海着艦歓声米無人機徳川の日の出と入りを大広間逃げる子を笑い追う親樹々の間を地蔵堂の花活ける人黙々と剪定の街路樹の笑む小雨かな語り種余さず使い春火鉢灯に浮かぶ白花水月紅仄か思い出は葡萄の皮の酵母菌薫風や新郎新婦入場す円山の葉桜の下で夢を見る顔洗う笑うか泣くか夜の酒頭寄せ寝過ごすことも旅のうち日が昇る歩く足止め手を合わす水田と東の空に日が浮かぶ冬の月夫婦二人で屋台から木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ雨季終わる朽ちた戦車の...星の声
タワマンの林金澤ひろあきタワマン次々に建つ地面陥没する国※いつも安全は後回し。事故が起きてから慌てる。雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンの林
桔梗が招く白い石畳のお寺金澤ひろあき※京都七条、真言宗智積院。去年の今頃、友の病気回復を願ってお参りしたのです。同じように桔梗が咲いていました。白い参道に落ちる桔梗の影も、今年は同じように。ただ、友と一緒に来ることはかなわなくなりました。2025年6月21日。空海の縁日にて。桔梗が招く
祭待つ大安売りの商店街金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街祭待つ
亡母みたいな子犬松村芳子奈良町に墓だけ残し梅供う紅白梅枝しなやかに争わず梅の実や人のうわさも転びづめ梅粥やバターの堅き二月果つ老いてこそ遊び心を雛かざる雛かざり背なにねんねこ幼な児としなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し舞う雪にゴルフボールの吸われゆく道たづね上ガル下ガルに京余寒話す役聞く児のありて日向ぼっこ鳥翔ちて桜の小枝弾みけり真理春風邪や亡母みたいな子犬いてつばめ舞う空は自在の初舞台髪染めし亡母に似て来し花鏡電線はシャープフラット初つばめうす緑草餅送る文添えて近道は山椒のみどり敵のごと緑陰や悲しき事は傘の中緑立つ力抜ければ飛ぶボール母の日や白カーネーション詫びの色母の日にさくらんぼ着き子の個性紫の法衣に休みし黄金虫カーネーション又一鉢着き笑い合う母の日や今なら出来る親孝行ばらの刺みどりの先はとんがり帽会えば...亡母のような子犬(童心会員作品)
川端康成記念館にて金澤ひろあき2025年6月20日、休みを利用して訪問した。「眠れる美女」の原稿を見ることができた。鎌倉にあった書斎が再現されている。そこで原稿を書くという、作家になったような体験をさせて頂いた。毛筆のタッチの万年筆で、文豪気分になる。打ち水の柄杓の先に作る虹ひろあき踊り子の文書き写す熱さかな川端康成記念館
ゆっくりほどけて塩見すず子雨傘に梅の花びら客迎え客の雨傘梅の花びら一つ二つしなやかな指揮者の梅の花ざかり書き終えて雛の細い目に膝まづく歩いた休んだ梅のひらく音聴いた桜ふぶきに守られ人のお世話になりたくないさくらのスケッチに色をさすさくらの道ふいにかけ出すランドセルさくらさくらスケッチに色を差す上から見おろす桜異人たち桜の帯です同世代の話題ですしばらくはじっとして桜と青空と花見スポットゆっくりほどけてゆく私緑の陰マスクはずせばきれいな汗エプロンのカラーの白さ深まる夏無口なサイフ並べ緑の手づくり市エプロンで手を拭く母の小さな癖母のぬくもり好きな黄色のカーネーション遠くの電車今朝も死者により添ってくちなしの花医師の無用の聴診器宅急便です頭陀袋に入れる赤ワイン死に装束下草あたりで飛ぶホタル糸の雨降る三途の川のど真...ゆっくりほどけて(童心会員作品)
梅雨にもう真夏日たまげている蚕金澤ひろあき※まだ6月18日だというのに、京都ではもう36度を越え真夏日。蚕もびっくりだろう。真夏日の蚕
不器用ですから遠藤修司片付けを後回しする悪いクセこれを報告句会に出そうか昼食後薬がわりのコーヒーブレイクメタボに効いてよ目が見えぬ友が見抜くは私のずるさじいさんや右はキラキラ左は苦労どっちを選ぶ高倉健さんに私は学ぶ「不器用ですから」交差点会った女性スマホでウ・フ・フ今日は晴天足悪く会社に向かう背から見えたよ強力(ごうりき)が家族にあふれる笑み運ぶおっはようー交わすあいさつルーティーン元気よびこむファンファーレ酒に飲まれ記憶が飛んで約束忘れ信用失ふおもちゃを渡した御礼「電池が無いって」それを言わないで今の私「電池切れ」アサイチ自転車ギーコギーコ生きてくメロディー一声をかけ忘れ見事にケンカバクダンと生命をハカリにかける戦争なんてクソ食らえだカギかけてキーを無くして自転車のれず心のカギが外れてる朝日さす雪やなぎ...不器用ですから(童心の会会員作品)
花菖蒲水辺無数の銀河系金澤ひろあき花菖蒲
えみふる岡畠真理子もう梅雨明けだと伝えたいのか蝉の声この日だけは笑顔いっぱい球宴のベンチ台風も近づけない猛暑列島夏の風チリンと風鈴柄杓水石段上りほっとひといき木陰の涼風ススキたなびく城址青い空庭園一望城主の気分わかるかも初秋の陽射しどんぐりの木陰でひと休み赤とんぼに誘われ歩く城の道すごいなぁゴロゴロお供に城址巡りぜんざいとお抹茶アイス迷う季節通りすがりの金木犀に母想う金木犀を手土産に叔母の思い出靴下ろしそろそろ歩く踵に絆創膏初詣の長い列お願いごとをじっくり考えるおみくじをそっと結んで気を引き締める境内の屋台に混じりキッチンカー初売りスーパーお正月BGMでのんびりムードスーパー出てひんやり外気心地よく住宅街散歩小鳥の囀りに立ち止まる早咲きの桜揺らす小鳥一羽ぽかぽか陽気に雪やこんこんのメロディまだ要る日来るか...えみふる(童心の会会員作品)
河骨金澤ひろあき河骨は梅雨前ぐらいから、黄色いかわいらしい花をつけている。千利休が茶室では使ってはならない花にしたので、茶では使えないそうだ。利休さん、何が気に入らなかったのだろう。茶室には入れぬ河骨雨に侘びひろあき河骨
母の手野原加代子彼岸花生きてる印赤く染め赤とんぼ人恋しさと飛び回り尺取り虫やゆっくり歩く人生を秋の海故郷景色澄み渡り三日月に見惚れて歩く夜道かな故郷は冬景色かな目に浮かび母の手が大根洗い冷たかろ湯豆腐や家族を囲む湯けむりや毛糸編む孫の顔思い冬帽子赤く染め南天の実や亡き母に柚子風呂に孫と入りし冬の夜生きている歩けていると去年今年水仙や一輪挿しに背が高く寒椿寒さに堪えて群れ咲きてろう梅やクルザード色に咲きて光浴びバレンタインねぎらい言葉貰いして春うらら空見渡して気は晴れし春日和友の足追いウォーキング春の雪父の手見えプラットフォーム手の平にアリンコ歩き愛おしく春雨や袖通して衣替え食卓や新玉ねぎの香りして母の日や帽子かぶりし背丸め風薫る地蔵手合わせ微笑みし夏日和姉に会いして亡母似し青紅葉そよぐ風には雨しずくねむの...母の手野原加代子作品
水無月や祇園の祭動き初む金澤輝※大宮三条商店街に、祇園祭の提灯登場。京都の西のほうですが、祇園社の御旅所があるのです。水無月や祇園の
横になるああ極楽の四畳半ひろあき※写真は京町家。横になる
桔梗のお寺金澤輝季節的に美しい紫陽花の紹介が多いですが、桔梗も良いものです。京都で桔梗というと、東福寺の天得院や紫式部ゆかりの盧山寺が有名ですが、東山七条にある智積院も良いものです。白い参道沿いに沢山見ることができます。お寺の紋も桔梗です。参道の白きに桔梗の影落とす輝桔梗のお寺
木屋町高瀬川金澤ひろあき木屋町高瀬川というと、三条から四条間の繁華街のイメージが強いです。しかし、四条を下がり五条近くになると、ずいぶん景色が変わります。飛び石で渡れる所も設けてあり、生活の匂いもします。せせらぎを踏む飛び石を踏む半ズボンひろあき紫陽花の王国繁華街横目木屋町高瀬川
【日記より】6月12日童心記念号発行金澤ひろあき6月12日、朝から晴れ。気温は30度を越える。四条河原町へ出る。完成した童心2024年記念号を受け取りに行く。寺町四条を下がった所、石之不動町にある田中プリントさんへ。町名の石不動は、空海が彫った石不動をお祀りするお堂があるため。例年、お詣りしてから受け取っている。今年一年の皆様の無事と健筆を祈願する。一年に一冊出しているが、その年々、いろんなことがあったなと感慨深い。支払いを終え、近くの郵便局より、遠方の会員の皆さんに郵送するのも、恒例。持ち帰って、改めて読み直す。こんな時にこんな句が出たなどと振り返り思い出す。参加の皆様の句より逝きし犬柚子の根元の黄の中に三村須美子蜜蠟の火に誘われて日記買う青島巡紅(佐久間照三)まっすぐな瞳が言った戦争のない国に行きたい...【日記より】6月12日童心記念号発行
フリー句(自由連句)「戦場は」の巻戦場はここかしこにあり頻尿佐久間照三予定表には未定の空白金澤輝ハローワーク経由病院で点滴照三長い雨期友回復の知らせ待つ輝友からのお守り握り頑張るぞ照三また共に紅葉を見ること信じて待つ輝生きるから生かされている心臓よ照三息に合わせて光放っている蛍輝合唱のアベマリアが涙腺緩める照三聖堂の扉開けば百合香る輝マリア様世界の子らに祝福を照三ミレー描く落ち穂拾いの農婦の祈り輝ゴッホが黒人農家に見た馬鈴薯照三驚きがあった無数のまなざしの向こう輝呆然と膝崩す間も無く小便糞漏れる照三悩み苦しみ書いてみると小さくなる輝同行二人と唱えて山谷行く老僧照三奥に歩めばブッポウソウが唱和して輝行く先に安らぎあること虹に願う照三日の入り月と一番星と輝月夜に浮かぶ海月浪任せ照三大きな力に流れて行く先皆同じ...フリー句(自由連句)「戦場は」の巻
蝶々の円舞門を開けようよ金澤ひろあき※つがいで飛んでいる蝶を撮ってみました。難しいですね。蝶々の円舞
5月句会選追加○松村芳子特選36葉桜や神籤の結び増えている佐久間照三神籤も神様からの賜物と思っても凶は嫌です。吉神籤がいただきたいです。並選28夕日落ち薄暗がりに蝶々とび蔭山辰子29黄砂イヤ花粉イヤイヤ風邪でした同33花の舞う遍路の境内握り飯佐久間照三38微風に柳と桜のデュエット同40背伸びする肩凝りほぐす朝日かな同42若者も負ける短パン老夫婦同45月見草夜輝きて道端に野原加代子54曇りなの黄砂なのかな頭なの三村須美子56芽出し良し年越しダリヤ掘り起こす同58筍や甘み歯応えうまし音同60隼人瓜初挑戦の畝作る同61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち同62草刈りの草の香りに身を浸す同71寝そべり人生もいいさ口下手な蛙金澤ひろあき72風船も迷子になりそう黄砂の空同73団地と花知人が去ってあいた穴同78青い目も担ぐ神輿...京都童心の会5月句会選追加
2024年6月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1緑の陰マスクはずせばきれいな汗2エプロンのカラーの白さ深まる夏3無口なサイフ並べ緑の手づくり市4エプロンで手を拭く母の小さな癖5母のぬくもり好きな黄色のカーネーション6うす緑草餅送る文添えて7近道は山椒のみどり敵のごと8緑陰や悲しき事は傘の中9緑立つ力抜ければ飛ぶボール10母の日や白カーネーション詫びの色11母の日にさくらんぼ着き子の個性12紫の法衣に休みし黄金虫13カーネーション又一鉢着き笑い合う14母の日や今なら出来る親孝行15ばらの刺みどりの先はとんがり帽16孤独ではない菜の花の天ぷら17夏隣食べたくなる雲ひとつ18漆黒の紅テント羽撃く唐十郎19いつもふ...2024年6月京都童心の会通信句会作品
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半〇佐久間照三選特選77卯の花腐し原子炉腐りませんか金澤ひろあきオカラを炊いたもの(卯の花とも言う)は間を置けば当然腐臭を発する。原子炉がそうでないと言えるのか。言えませんね。人為的操作ミス、自然災害がいつそのトリガーになるか判らないのに、ありえませんと押し切れるのだろうか。電力需要とか事情とか言う観点からは必要悪。だからこそもっと建設運転には現実的で万が一の基準が低くてはいけないのです。この句は、理屈でなく感性に訴えているところがミソです。団欒の食卓という場面から一気に飛躍するのに不自然でないところが、いいですね。「卯の花」への着眼点がいいですね。並選5花見スポットゆっくりほどけてゆく私塩見すず子一番綺麗に見える場所に来て感動し、見ている自分が解体されて行...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○金澤ひろあき選特選天61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち三村須美子「玉ねぎ」の様子から「球児たち」への連想、とても楽しいです。何かに打ち込む人を見ると、応援したくなりますね。「伸びよ丸まれ」の声による応援も、句の雰囲気を生き生きとさせています。地3桜の帯です同世代の話題です塩見すず子花を見に行って始まった会話。同世代に通じる話題は盛り上がりますね。時代や苦楽を共にしたからでしょうか。人44野球帽とペットボトルの忘れ物佐久間照三休日の翌日なのでしょうか。野球で遊んだ後の忘れ物から、前日の楽しさが余韻のように伝わって来ます。他、心に届く句です。8あと何回61段登り下り朝の出発足たたく遠藤修司マンションの階段なのか、駅の階段なのか。毎日通勤で通っている道。「あと何...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半
2024年5月京都童心の会通信句会結果日記より4月9日ほどほど金澤ひろあき二条城のお堀の桜もそろそろ散り初め。散る姿も美しいのが、桜なのかな。散る桜を見て、いつも買っている丸太町通りのお弁当屋さんへ。行って驚いた。長い行列。三十人ぐらい。車も路上駐車。いつもはこんなに混んでいないのに。並んでいる人に聞くと、TVで紹介されたのでやってきたという。通りがかりの外国人が「famousrestaurant?」と訊いてきた。年輩のご夫婦がやっている店で、ご主人は以前、体調を崩して店を休みにしたことがある。お客さんが沢山になったのはいいが、こんなに忙しくなると、お体大丈夫だろうかと心配になる。いつもなら少しお話もできるのに、そんなゆとりもなかった。ほどほどがいいかも花も散りそめるひろあき皆さんの選です。選者真・・野谷...2024年5月京都童心の会通信句会結果
フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻みどり児へ燕がくるり風を切る金澤輝開けた手から逃げた希望追いかける佐久間照三豪雨が過ぎた街はまだ冷えたまま輝冷めた珈琲チンブランデー入れる照三朝焼けに輝いているゆで卵輝お祖父ちゃんの頭と同じだ照三くつろいだ五百羅漢が「よう来たな」輝地球に生かされている僕たちの日々照三東山滴る友の居る窓辺輝元気が一番青い空照三日帰りの温泉集合藤の棚輝風呂後のビール最高乾杯照三初優勝果たす若き小結が輝粘り腰僕にも欲しいそのパワー照三厄落とし今日の朝日によみがえる輝朝起きて心臓に触れるありがとう照三花の宴生きてるだけで儲けもの輝水田に映える山並み燕飛ぶ照三ローカル線旧街道と並走し輝昔から明日も見守る五重塔照三フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
巡りあえた本金澤ひろあき金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版生きているうちに私達はいろいろな体験をする。他者の体験を伝えられることもある。辛い体験もある。辛い体験から学んだことは、私達の内面を強く揺さぶる。誤りを正す力にもなる。生きる力になる。瀬戸内寂聴さんと金子兜太さん。お二人とも、「戦争は悪」「戦争に向かう動きも悪」という立場を貫かれた。お二人とも戦争を体験されている。体験から出た言葉は重い。金子兜太さんのこの体験記には、戦場の体験もだが、日本全体が戦争に向かう中で体験したこともしっかり伝えようとされている。よく「戦前」と言われるが、対中国戦争ははじまっており、「戦中」が正確なのかもしれない昭和初期。表現の自由を奪い、1940年から特高による新興俳句弾圧事件が起こって...巡りあえた本金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版
フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻梅雨寒や何処にあるのか我が心佐久間照三ミニスカートの子ロングブーツで金澤輝子供達フェンス登って駆け抜ける照三ヒーロー達の握手会場輝往年のヒーローに親も歓声あげる照三同じ世代の懐メロ主題歌輝満月やススキたなびき仮面ライダー照三音なく台風近づく予感輝人には怖い台風も地球には欠かせない照三琵琶湖干上がり坂本城見え輝考古学者大喜びで駆け回る照三遺跡調査でみのる恋愛輝海底神殿でウエディング照三龍宮へ続く井戸湧く花の陰輝微風に紅の帯萌ゆ姫檜扇照三バックパーカー寄り道醍醐味輝川中島鴨の嘴揃って後ろ照三古戦場を照らす月影輝松風や酵母と麹のハーモニー照三*亀屋陸奥発祥。西本願寺の御用菓子。南蛮渡来の芥子の香りよ輝若い二人の笑顔が揺れる照三いないいないばあする入道雲輝フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻
お米つやつや乗っている七福神輝※古い京町屋などにある七福神です。皆様に幸ありますように。お米つやつや
フリー句(自由連句)「草陰で」の巻草陰で燕気になる紋白蝶佐久間照三急に夏日で水遊びの声金澤輝植木剪定コート利用者背中丸くする照三空の玉虫サファイア輝く輝小満や手を合わせ言うありがとう照三海釣出会う鰯の大群輝歩く人皆に挨拶走りたい照三緑陰一息アイスコーヒー輝足取り軽くジャンプ若葉にタッチ照三いつ届く虹の根っ子に金の鍵輝夢から覚めてもう一息だったのに照三下書き完成寸前で止め輝デート前交差点で捕まって照三たまには休め双六の駒輝神様はいつお休みになるのだろうか照三日曜休日聖書が起源輝日本の神様は酒盛りの間にお仕事照三オーロラを呼ぶ太陽フレアー輝イヌイットの長は地球の唄声を黙して見守る照三昔の勇者今は語り部輝西陽受け菜の花の間の草抜く人照三晴耕雨読ひねもす麗らか輝フリー句(自由連句)「草陰で」の巻
追悼峰不二子バカボンのママ永遠に夏空へ金澤ひろあき追悼峰不二子