夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
母を亡くしてふるさと黄砂金澤ひろあき母を
宝山寺梅に教わる道しるべ金澤輝※宝山寺は、奈良と大阪の境、生駒山中にある。歓喜天・不動尊をお祀りする。ここのケーブルは日本最古らしい。宝山寺
おせったい金澤ひろあきおせったいお昼お握り鳩よひろあき「おせったい」は、お遍路さんをおもてなしすること。寺社巡りしている時、公園のベンチでお昼のお握り。こぼしたのを、ひもじそうな鳩が来て食べる。鳩へのおせったいだね。句は五七三の無垢句で書いてみた。おせったい
3月22日急に暖かくなる。初めて鶯を聞く。嵐山急に出番のほうほけきょ金澤ひろあき嵐山急に
山内信一の絵につけ句山鳥の夢に花舞う花に酔う金澤ひろあき※山内信一は、明治の頃の京都の画家。鳥達の体温が伝わって来る。嵯峨嵐山文華館にて。山内信一の絵につけ句
「さんしょ」191号を読んで○金澤ひろあき「さんしょ」191号、ありがとうございます。遠い隣駅まで広がっていた菜の花田んぼひろあき「さんしょ」を読むと、何だか懐かしいなという気持ちになるのです。私が十八歳で離れた故郷の風景が、ふと心に浮かぶのです。静岡の島田から、同じ雰囲気を感じとるからでしょうか。・西風に囃されて干し大根踊る萩原君代こういう光景を当たり前に見ていた農村。今はもう変貌して、ほとんど見られなくなった光景でもあるので、なおのこと私の琴線に触れて来るのでしょうか。・田起こし後路上の泥蹴り膝痛む池田弘農村の土の道、泥道。田起こしの頃には、ツンと匂う。そんな光景が確かにありました。文字通り土相手の仕事と生活がありました。・寒波襲来ズボラ生活してござる杉山朝子北国から来た友人がいました。今はもう亡くな...「さんしょ」191号を読んで
白梅の虚空にほのか舞い姿金澤ひろあき※中京区武信稲荷にて白梅の
再会の春灯ほのぼの金澤ひろあき再会のおしりあたたかい※1年ぶりに、知り合いの方に会う。新年度より就職、正式採用。新しい出発を祝う。再会の
俳句という物語序章二先にも述べたように、「五七五七七」から「七七」を切断し、俳句という詩が成立した時、「物語性」「完結性」を切断したはずであった。ところが、成立してから百年経過するうちに、「物語性」も内包するようになったのではなかろうか。これは例えば、小林一茶の句などに顕著である。秋の風乞食は我を見くらぶる一茶我と来て遊べや親のない雀散文と短詩は、文体も世界も違うものの、「物語」構築にとって必要な要素をシンプルに述べると、「いつ」「どこで」「誰(何)が」「どうした(どうなる)」があげられよう。ただし、日本語では、「主語」と「時制」を細かく言及しないことがあるので、「いつ」と「誰(何)が」を省略しても、物語が成立することもある。(時制に関していえば、古語で細かいニュアンスの違いを示していた、過去「き」「けり...俳句という物語序章二
俳句という物語序章金澤ひろあき一2024年の秋、奈良で開催された現代俳句協会大会の一番末席で、私は知り合いと一緒に、坪内稔典氏の講演を聞いていた。その中で坪内氏は、「皆さんの俳句は残らんでしょう。」と言われた。その言葉が、私の心に残った。日々多くの句が生み出されている。それらの句の中で、「残る句」と「残らない句」があるのは事実だ。残らない句のことを考えても空しいので、では残る句とは何だろうと考えてみた。俳句とは面白さと共に、やっかいさを持つ短詩だ。説明ではいけないと言われる。短歌「五七五七七」は、抒情的な物語を描くことができる。「物語」だから、説明も入っている。そして、結論を歌い上げることができる。自己完結の世界であると言えよう。「五七五七七」の「七七」を切断し、俳諧連歌として出発した時、俳諧は一句での自...俳句という物語序章一
長岡天神雨に梅古今伝授の神の庭金澤ひろあき※細川幽斎が古今伝授を受けた地。雨に梅合格どら焼き販売機雨に梅
去る人の長い話梅香っている金澤ひろあき去る人の
二月堂お水取り暗がりより懺悔の声明観世音金澤ひろあき懺悔の声明余寒の扉の向こうより二月堂お水取り
病院の廊下金澤ひろあき入院中の句友、塩見さんから「病院の廊下」の句が送られて来ました。私もそれに和して。腫れひいて歩幅取り戻すあたたかさ手術で運ばれた廊下自分の足で帰る命の火燃やしている病院の廊下の奥手術説明の声漏れている病院の廊下咲いたら退院病院の廊下から見る桜病院の廊下
病院の廊下金澤ひろあき入院中の句友、塩見さんから「病院の廊下」の句が送られて来ました。私もそれに和して。腫れひいて歩幅取り戻すあたたかさ手術で運ばれら廊下自分の足で帰る命の火燃やしている病院の廊下の奥手術説明の声漏れている病院の廊下咲いたら退院病院の廊下から見る桜病院の廊下
時差で鳴る金澤ひろあきずいぶんあたたかチョッチョと鳥の恋三月十一日まだ傷跡はなおらない三月十一日避難警報時差で鳴る時差で鳴る
2025年3月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき特選天23生きる手をつないでつないで震災の灯塩見すず子阪神大震災以来、本当に多くの地震が起こった。その度に大切なものが失われた。失われたものは戻ってこないけれども、この句の「つないでつないで」のリフレインに、回復への祈りを感じる。のこされた私達の願いがこめられている。地5しがみつく夜の底の古時計野谷真治もう手放すべきなのだろうけれども、執着してしまうもの。この句の「古時計」にそんなものを感じる。「夜の底」の闇が葛藤を表しているような。人14煮大根今年食べたし命あり野原加代子健康を失った時、「命あり」をしみじみと思う。日頃当たり前と思っている生活の中のささいなことの中に。8ドジャーズに3人トリオ楽しみに蔭山辰子私が若い頃、日本人選手がメジャーリーグ...2025年3月京都童心の会通信句会結果
2025年2月京都童心の会通信句会結果堺へ金澤ひろあき一月最後の日。この冬一番の寒さだという。着膨れて今日の私はだんご虫ひろあき大阪の堺市(JR堺市)へ行き、アルフォンヌ・ミュシャの絵を見る。アールヌーボーの浪漫に酔う。美しいデザイン、女性像。大戦前のパリの自由、前衛、そして市民が愛した芸術に心が響く。円光を背にアールヌーボーの四季の巡りの四人の女神啓明JR堺市駅から西へ歩く。方違神社があり、反正天皇陵が隣接している。堺市は百舌鳥古墳群があり、巨大な古墳地帯。瀬戸内海に面し、巨大な王権があったようだ。南海電車の堺東へ着く。堺市役所があり、その21階展望階へ。六甲山や大阪湾が見える。南東に仁徳天皇陵の全容が見える。近い所では大き過ぎて、かえって全容がわからない。眼下の緑大王の墳昭和百年ひろあき同じ階で「さい...2025年2月京都童心の会通信句会結果
仁王門長い日暮れに浮き上がる金澤ひろあき※東大寺お水取りで訪れる。仁王門
水を汲むお堂に春が湧いている金澤ひろあき※東大寺お水取り。2025年3月10日。お水取り
2025年3月京都童心の会通信句会作品この中より、8句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。180才着ぶくれて出る映画館2買いだめの足音集め雪の街3迷いつつ着ぶくれて買う宝くじ4天気図と気になる本の三行目5本に折り目つけせっせと家事につく6片結びする花びら色の母の靴7田舎娘クローバーの緑にまぎれこむ8老いた今です同じ目線の父の本棚9ゆらゆら月の田舎の村の救急車10コーヒー飲んでしきり直し‘’思い出のメロディ”が耳にやさしく11平行線死の間際には合流か12列車待ち新刊マンガ良き香り13田舎者話のメインお母さん14片結びほどけ易きは両結び15母キトクどの道帰った涙の記憶16詩との出会いサトウハチローお母さん17マンガのひとコマ叶えたかった親子の立ちション18...2025年3月京都童心の会通信句会作品
雅楽-自分以外の何か金澤ひろあき雅楽や能舞台のゆるやかな舞いを見ていると、今流れている時間とは違う時の中にいるような気がする。雅楽では、舞い手は蝶になったり、龍になったり、異国人になったりする。能の多くは、二人の対話劇で、ワキという人物が、シテという突然現れた謎の者に出会う。シテは幽霊であったりするのだが、なぜ自分が成仏できずにここにいるのか、どういう思い(悲しみ、恨みが多いのだが)なのかをワキに述べて消えて行く。恐ろしさよりも、かなしさと美しさが漂っている。舞い手は、見ている人の心をうつ「表現」をしているのは確かだ。ただ、その表現は、「自己表現」なのだろうか。雅楽や能の素人である私には、断言できる根拠がないのだが、どうも「自己表現」ではないような気がする。舞い手は、自己の身体を使って龍や幽霊を表現してい...雅楽ー自分以外の何か
遅い梅金澤ひろあき今年は寒いようで、梅の花が遅い。滋賀県長浜の盆梅も開花せず、延期とか。御所の梅もつぼみであった。職員の方も、「例年でしたら、開いているのですがね。」と。そんな中でも、行事は例年通り行われる。振り袖や袴姿で大学の卒業式に向かう若者達の姿も目を引く。今、勤めている通信制の高校でも卒業式。頑張った皆さん、これからご活躍下さい。あたたかや確かな一歩この日よりひろあき※京都御所の梅。遅い梅
弘法さん金澤ひろあきシミとか雲が、人の顔など、何か別のものに見えることがある。中学の頃だっただろうか。昭和五十年ぐらいだったと思う。福岡の北部に居たが、家のあった集落は、山や田畑に囲まれていた。その山の奥にバイパスが通った。山の中に、高速道路が、突如出現したのである。道路はかつての山を削った。昔の山道が寸断されるので、コンクリートの橋を作り、昔の山道をつないだ。そのコンクリートの橋脚の面に、「弘法さんが現れた」と評判になった。地元の新聞も取り上げて、大騒ぎになった。私も見に行った。東側のコンクリートの橋脚の面に、くっきりと人が立つ姿が浮き出ている。背丈は三メートルほどある。坊主頭で、お地蔵さんか弘法大師のようにも見える。お花や線香などのお供えもされている。これは何かの知らせ、メッセージだという人もいる。一...弘法さん
青島巡紅様を偲んで蔭山辰子京都童心の会通信句会に参加させて頂き、会員の皆様の句を毎月楽しみにしております。青島巡紅様の数多くの句の中、好きな御句を思い出されます。2023年10月号の、17番雲切れてここにいるぞとオリオン座18番散歩道双子座の間を流れ星19番背伸びして歩いた道の蝉時雨21番素振りする少年無心空を切る夏の暑さが十月過ぎまで続いた年でした。ようやく朝夜の外気が快よくなって来た頃の御作だったのです。同じ号、私の句にも評をいただきました。63番ああ今日は何もせず風と共に去る62番スカーレット・オハラ少し見たら昼寝しようの二句に、風通しをよくしたパロディーのような面白さがあると、云って下さいました。嬉しかったです。私には知らないことが多く、これからも教えて頂きかったです。合掌青島巡紅様を偲んで
赤猿金澤ひろあき私が小学生の頃だったから、昭和四十年代である。福岡北部、福間という所にいた。新しく作られた住宅街に住んでいたが、周りは山や田畑に囲まれていた。山には、杉や松、ハゼや樫の木に覆われ、夜は本当にまっくらだった。その山に「赤猿が出る」という噂が広がった。赤猿は狂暴なので山に入ってはならないと言われた。赤猿はその名の通り真っ赤で、家の大きさぐらいだったと言い出す者もいた。しかし、山と山の谷間にある田畑で仕事をする人は、どうすればよいのだろう。ある日の午後三時頃、ついに地元の消防団や若い男たち四十人ほどが集まった。手には木刀や鎌を持つ者もいる。男たちの一団は、赤猿を退治すると言い、山の方へ向かう。子供たちや女たちは、後ろから恐る恐る、野次馬でついて行く。山の入口に着いた。男たちの行進はそこで止まった...赤猿
雅楽胡蝶金澤ひろあき胡蝶舞う抜け出る源氏物語幻の城から胡蝶舞い降りる胡蝶舞い蛇穴を出る雅楽の音胡蝶舞う人垣の中ちらちらと雅楽胡蝶
大文字も御殿も雅楽の借景に金澤ひろあき雅楽借景
蛇穴を出て雅楽の役をつかまつる金澤ひろあき春の雨太平豊饒雅楽舞う※3月2日京都御所一般公開にて。雅楽
清涼殿百代の御殿の几帳春の風金澤ひろあき清涼殿
もの思い続く残り香牛車出づ金澤ひろあき残り香を抱く牛車の朝寝の夢牛車
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夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
廃業の看板金澤ひろあき梅雨空に高く掲げる廃業の看板梅雨なんかに負けへんカラスゴミあさり梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌熱帯夜ペットボトルきしんでるよ廃業の看板
青島巡紅氏遺作2024年分※2024年7月、心友青島巡紅(本名佐久間昭三)さんが亡くなりました。30年以上の長いおつきあいで、俳句・短詩文芸の同志でした。語りたいこと、大切な思い出はいっぱいあります。でも、遺された句以上が一番大切です。そう思い、遺句を読み返しました。ペダル漕ぐ青島巡紅(佐久間昭三)新年の鐘が鳴る時銃も止む膝をつき皆祈り出す大きな虹まだ翠残る銀杏のほっといて冬時雨笑顔濡れない傘となる逃げ水を追いかけ走る選手たち冷めた粥タッパから食うシンク前火の用心お巡りさんに舞妓さん斑鳩を旅する一人下弦の月藷を焼く皆んなの笑顔午後三時木枯らしや手にした札が飛んで行く車待つ半身沈むオリオン座蜜蝋の火に誘われて日記買う元旦や湯を抜き行くぞと頬叩く休みたしでもでもでもと手足動く橋揺らし川面を渡る月明かり木守柿雪...ペダル漕ぐ
泣いている笑顔もあるんだ紫陽花金澤ひろあき泣いている
星の声青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作大欠伸天頂の星輝けり川沿いの並ぶ灯誘う朧星狼の遠吠えいずこ朧月四年ぶりはねず踊りの随心院春雷やワクチンの是非再浮上自堕落の夢に親出て春彼岸湯煙や星まで届け酒交わす班ごとにカレーを作る春暑し群青の刹那の直線雉翔る春の海着艦歓声米無人機徳川の日の出と入りを大広間逃げる子を笑い追う親樹々の間を地蔵堂の花活ける人黙々と剪定の街路樹の笑む小雨かな語り種余さず使い春火鉢灯に浮かぶ白花水月紅仄か思い出は葡萄の皮の酵母菌薫風や新郎新婦入場す円山の葉桜の下で夢を見る顔洗う笑うか泣くか夜の酒頭寄せ寝過ごすことも旅のうち日が昇る歩く足止め手を合わす水田と東の空に日が浮かぶ冬の月夫婦二人で屋台から木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ雨季終わる朽ちた戦車の...星の声
タワマンの林金澤ひろあきタワマン次々に建つ地面陥没する国※いつも安全は後回し。事故が起きてから慌てる。雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンの林
桔梗が招く白い石畳のお寺金澤ひろあき※京都七条、真言宗智積院。去年の今頃、友の病気回復を願ってお参りしたのです。同じように桔梗が咲いていました。白い参道に落ちる桔梗の影も、今年は同じように。ただ、友と一緒に来ることはかなわなくなりました。2025年6月21日。空海の縁日にて。桔梗が招く
祭待つ大安売りの商店街金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街祭待つ
亡母みたいな子犬松村芳子奈良町に墓だけ残し梅供う紅白梅枝しなやかに争わず梅の実や人のうわさも転びづめ梅粥やバターの堅き二月果つ老いてこそ遊び心を雛かざる雛かざり背なにねんねこ幼な児としなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し舞う雪にゴルフボールの吸われゆく道たづね上ガル下ガルに京余寒話す役聞く児のありて日向ぼっこ鳥翔ちて桜の小枝弾みけり真理春風邪や亡母みたいな子犬いてつばめ舞う空は自在の初舞台髪染めし亡母に似て来し花鏡電線はシャープフラット初つばめうす緑草餅送る文添えて近道は山椒のみどり敵のごと緑陰や悲しき事は傘の中緑立つ力抜ければ飛ぶボール母の日や白カーネーション詫びの色母の日にさくらんぼ着き子の個性紫の法衣に休みし黄金虫カーネーション又一鉢着き笑い合う母の日や今なら出来る親孝行ばらの刺みどりの先はとんがり帽会えば...亡母のような子犬(童心会員作品)
川端康成記念館にて金澤ひろあき2025年6月20日、休みを利用して訪問した。「眠れる美女」の原稿を見ることができた。鎌倉にあった書斎が再現されている。そこで原稿を書くという、作家になったような体験をさせて頂いた。毛筆のタッチの万年筆で、文豪気分になる。打ち水の柄杓の先に作る虹ひろあき踊り子の文書き写す熱さかな川端康成記念館
ゆっくりほどけて塩見すず子雨傘に梅の花びら客迎え客の雨傘梅の花びら一つ二つしなやかな指揮者の梅の花ざかり書き終えて雛の細い目に膝まづく歩いた休んだ梅のひらく音聴いた桜ふぶきに守られ人のお世話になりたくないさくらのスケッチに色をさすさくらの道ふいにかけ出すランドセルさくらさくらスケッチに色を差す上から見おろす桜異人たち桜の帯です同世代の話題ですしばらくはじっとして桜と青空と花見スポットゆっくりほどけてゆく私緑の陰マスクはずせばきれいな汗エプロンのカラーの白さ深まる夏無口なサイフ並べ緑の手づくり市エプロンで手を拭く母の小さな癖母のぬくもり好きな黄色のカーネーション遠くの電車今朝も死者により添ってくちなしの花医師の無用の聴診器宅急便です頭陀袋に入れる赤ワイン死に装束下草あたりで飛ぶホタル糸の雨降る三途の川のど真...ゆっくりほどけて(童心会員作品)
梅雨にもう真夏日たまげている蚕金澤ひろあき※まだ6月18日だというのに、京都ではもう36度を越え真夏日。蚕もびっくりだろう。真夏日の蚕
不器用ですから遠藤修司片付けを後回しする悪いクセこれを報告句会に出そうか昼食後薬がわりのコーヒーブレイクメタボに効いてよ目が見えぬ友が見抜くは私のずるさじいさんや右はキラキラ左は苦労どっちを選ぶ高倉健さんに私は学ぶ「不器用ですから」交差点会った女性スマホでウ・フ・フ今日は晴天足悪く会社に向かう背から見えたよ強力(ごうりき)が家族にあふれる笑み運ぶおっはようー交わすあいさつルーティーン元気よびこむファンファーレ酒に飲まれ記憶が飛んで約束忘れ信用失ふおもちゃを渡した御礼「電池が無いって」それを言わないで今の私「電池切れ」アサイチ自転車ギーコギーコ生きてくメロディー一声をかけ忘れ見事にケンカバクダンと生命をハカリにかける戦争なんてクソ食らえだカギかけてキーを無くして自転車のれず心のカギが外れてる朝日さす雪やなぎ...不器用ですから(童心の会会員作品)
花菖蒲水辺無数の銀河系金澤ひろあき花菖蒲
えみふる岡畠真理子もう梅雨明けだと伝えたいのか蝉の声この日だけは笑顔いっぱい球宴のベンチ台風も近づけない猛暑列島夏の風チリンと風鈴柄杓水石段上りほっとひといき木陰の涼風ススキたなびく城址青い空庭園一望城主の気分わかるかも初秋の陽射しどんぐりの木陰でひと休み赤とんぼに誘われ歩く城の道すごいなぁゴロゴロお供に城址巡りぜんざいとお抹茶アイス迷う季節通りすがりの金木犀に母想う金木犀を手土産に叔母の思い出靴下ろしそろそろ歩く踵に絆創膏初詣の長い列お願いごとをじっくり考えるおみくじをそっと結んで気を引き締める境内の屋台に混じりキッチンカー初売りスーパーお正月BGMでのんびりムードスーパー出てひんやり外気心地よく住宅街散歩小鳥の囀りに立ち止まる早咲きの桜揺らす小鳥一羽ぽかぽか陽気に雪やこんこんのメロディまだ要る日来るか...えみふる(童心の会会員作品)
河骨金澤ひろあき河骨は梅雨前ぐらいから、黄色いかわいらしい花をつけている。千利休が茶室では使ってはならない花にしたので、茶では使えないそうだ。利休さん、何が気に入らなかったのだろう。茶室には入れぬ河骨雨に侘びひろあき河骨
母の手野原加代子彼岸花生きてる印赤く染め赤とんぼ人恋しさと飛び回り尺取り虫やゆっくり歩く人生を秋の海故郷景色澄み渡り三日月に見惚れて歩く夜道かな故郷は冬景色かな目に浮かび母の手が大根洗い冷たかろ湯豆腐や家族を囲む湯けむりや毛糸編む孫の顔思い冬帽子赤く染め南天の実や亡き母に柚子風呂に孫と入りし冬の夜生きている歩けていると去年今年水仙や一輪挿しに背が高く寒椿寒さに堪えて群れ咲きてろう梅やクルザード色に咲きて光浴びバレンタインねぎらい言葉貰いして春うらら空見渡して気は晴れし春日和友の足追いウォーキング春の雪父の手見えプラットフォーム手の平にアリンコ歩き愛おしく春雨や袖通して衣替え食卓や新玉ねぎの香りして母の日や帽子かぶりし背丸め風薫る地蔵手合わせ微笑みし夏日和姉に会いして亡母似し青紅葉そよぐ風には雨しずくねむの...母の手野原加代子作品
水無月や祇園の祭動き初む金澤輝※大宮三条商店街に、祇園祭の提灯登場。京都の西のほうですが、祇園社の御旅所があるのです。水無月や祇園の
横になるああ極楽の四畳半ひろあき※写真は京町家。横になる
桔梗のお寺金澤輝季節的に美しい紫陽花の紹介が多いですが、桔梗も良いものです。京都で桔梗というと、東福寺の天得院や紫式部ゆかりの盧山寺が有名ですが、東山七条にある智積院も良いものです。白い参道沿いに沢山見ることができます。お寺の紋も桔梗です。参道の白きに桔梗の影落とす輝桔梗のお寺
木屋町高瀬川金澤ひろあき木屋町高瀬川というと、三条から四条間の繁華街のイメージが強いです。しかし、四条を下がり五条近くになると、ずいぶん景色が変わります。飛び石で渡れる所も設けてあり、生活の匂いもします。せせらぎを踏む飛び石を踏む半ズボンひろあき紫陽花の王国繁華街横目木屋町高瀬川
【日記より】6月12日童心記念号発行金澤ひろあき6月12日、朝から晴れ。気温は30度を越える。四条河原町へ出る。完成した童心2024年記念号を受け取りに行く。寺町四条を下がった所、石之不動町にある田中プリントさんへ。町名の石不動は、空海が彫った石不動をお祀りするお堂があるため。例年、お詣りしてから受け取っている。今年一年の皆様の無事と健筆を祈願する。一年に一冊出しているが、その年々、いろんなことがあったなと感慨深い。支払いを終え、近くの郵便局より、遠方の会員の皆さんに郵送するのも、恒例。持ち帰って、改めて読み直す。こんな時にこんな句が出たなどと振り返り思い出す。参加の皆様の句より逝きし犬柚子の根元の黄の中に三村須美子蜜蠟の火に誘われて日記買う青島巡紅(佐久間照三)まっすぐな瞳が言った戦争のない国に行きたい...【日記より】6月12日童心記念号発行
フリー句(自由連句)「戦場は」の巻戦場はここかしこにあり頻尿佐久間照三予定表には未定の空白金澤輝ハローワーク経由病院で点滴照三長い雨期友回復の知らせ待つ輝友からのお守り握り頑張るぞ照三また共に紅葉を見ること信じて待つ輝生きるから生かされている心臓よ照三息に合わせて光放っている蛍輝合唱のアベマリアが涙腺緩める照三聖堂の扉開けば百合香る輝マリア様世界の子らに祝福を照三ミレー描く落ち穂拾いの農婦の祈り輝ゴッホが黒人農家に見た馬鈴薯照三驚きがあった無数のまなざしの向こう輝呆然と膝崩す間も無く小便糞漏れる照三悩み苦しみ書いてみると小さくなる輝同行二人と唱えて山谷行く老僧照三奥に歩めばブッポウソウが唱和して輝行く先に安らぎあること虹に願う照三日の入り月と一番星と輝月夜に浮かぶ海月浪任せ照三大きな力に流れて行く先皆同じ...フリー句(自由連句)「戦場は」の巻
蝶々の円舞門を開けようよ金澤ひろあき※つがいで飛んでいる蝶を撮ってみました。難しいですね。蝶々の円舞
5月句会選追加○松村芳子特選36葉桜や神籤の結び増えている佐久間照三神籤も神様からの賜物と思っても凶は嫌です。吉神籤がいただきたいです。並選28夕日落ち薄暗がりに蝶々とび蔭山辰子29黄砂イヤ花粉イヤイヤ風邪でした同33花の舞う遍路の境内握り飯佐久間照三38微風に柳と桜のデュエット同40背伸びする肩凝りほぐす朝日かな同42若者も負ける短パン老夫婦同45月見草夜輝きて道端に野原加代子54曇りなの黄砂なのかな頭なの三村須美子56芽出し良し年越しダリヤ掘り起こす同58筍や甘み歯応えうまし音同60隼人瓜初挑戦の畝作る同61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち同62草刈りの草の香りに身を浸す同71寝そべり人生もいいさ口下手な蛙金澤ひろあき72風船も迷子になりそう黄砂の空同73団地と花知人が去ってあいた穴同78青い目も担ぐ神輿...京都童心の会5月句会選追加
2024年6月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1緑の陰マスクはずせばきれいな汗2エプロンのカラーの白さ深まる夏3無口なサイフ並べ緑の手づくり市4エプロンで手を拭く母の小さな癖5母のぬくもり好きな黄色のカーネーション6うす緑草餅送る文添えて7近道は山椒のみどり敵のごと8緑陰や悲しき事は傘の中9緑立つ力抜ければ飛ぶボール10母の日や白カーネーション詫びの色11母の日にさくらんぼ着き子の個性12紫の法衣に休みし黄金虫13カーネーション又一鉢着き笑い合う14母の日や今なら出来る親孝行15ばらの刺みどりの先はとんがり帽16孤独ではない菜の花の天ぷら17夏隣食べたくなる雲ひとつ18漆黒の紅テント羽撃く唐十郎19いつもふ...2024年6月京都童心の会通信句会作品
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半〇佐久間照三選特選77卯の花腐し原子炉腐りませんか金澤ひろあきオカラを炊いたもの(卯の花とも言う)は間を置けば当然腐臭を発する。原子炉がそうでないと言えるのか。言えませんね。人為的操作ミス、自然災害がいつそのトリガーになるか判らないのに、ありえませんと押し切れるのだろうか。電力需要とか事情とか言う観点からは必要悪。だからこそもっと建設運転には現実的で万が一の基準が低くてはいけないのです。この句は、理屈でなく感性に訴えているところがミソです。団欒の食卓という場面から一気に飛躍するのに不自然でないところが、いいですね。「卯の花」への着眼点がいいですね。並選5花見スポットゆっくりほどけてゆく私塩見すず子一番綺麗に見える場所に来て感動し、見ている自分が解体されて行...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○金澤ひろあき選特選天61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち三村須美子「玉ねぎ」の様子から「球児たち」への連想、とても楽しいです。何かに打ち込む人を見ると、応援したくなりますね。「伸びよ丸まれ」の声による応援も、句の雰囲気を生き生きとさせています。地3桜の帯です同世代の話題です塩見すず子花を見に行って始まった会話。同世代に通じる話題は盛り上がりますね。時代や苦楽を共にしたからでしょうか。人44野球帽とペットボトルの忘れ物佐久間照三休日の翌日なのでしょうか。野球で遊んだ後の忘れ物から、前日の楽しさが余韻のように伝わって来ます。他、心に届く句です。8あと何回61段登り下り朝の出発足たたく遠藤修司マンションの階段なのか、駅の階段なのか。毎日通勤で通っている道。「あと何...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半
2024年5月京都童心の会通信句会結果日記より4月9日ほどほど金澤ひろあき二条城のお堀の桜もそろそろ散り初め。散る姿も美しいのが、桜なのかな。散る桜を見て、いつも買っている丸太町通りのお弁当屋さんへ。行って驚いた。長い行列。三十人ぐらい。車も路上駐車。いつもはこんなに混んでいないのに。並んでいる人に聞くと、TVで紹介されたのでやってきたという。通りがかりの外国人が「famousrestaurant?」と訊いてきた。年輩のご夫婦がやっている店で、ご主人は以前、体調を崩して店を休みにしたことがある。お客さんが沢山になったのはいいが、こんなに忙しくなると、お体大丈夫だろうかと心配になる。いつもなら少しお話もできるのに、そんなゆとりもなかった。ほどほどがいいかも花も散りそめるひろあき皆さんの選です。選者真・・野谷...2024年5月京都童心の会通信句会結果
フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻みどり児へ燕がくるり風を切る金澤輝開けた手から逃げた希望追いかける佐久間照三豪雨が過ぎた街はまだ冷えたまま輝冷めた珈琲チンブランデー入れる照三朝焼けに輝いているゆで卵輝お祖父ちゃんの頭と同じだ照三くつろいだ五百羅漢が「よう来たな」輝地球に生かされている僕たちの日々照三東山滴る友の居る窓辺輝元気が一番青い空照三日帰りの温泉集合藤の棚輝風呂後のビール最高乾杯照三初優勝果たす若き小結が輝粘り腰僕にも欲しいそのパワー照三厄落とし今日の朝日によみがえる輝朝起きて心臓に触れるありがとう照三花の宴生きてるだけで儲けもの輝水田に映える山並み燕飛ぶ照三ローカル線旧街道と並走し輝昔から明日も見守る五重塔照三フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
巡りあえた本金澤ひろあき金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版生きているうちに私達はいろいろな体験をする。他者の体験を伝えられることもある。辛い体験もある。辛い体験から学んだことは、私達の内面を強く揺さぶる。誤りを正す力にもなる。生きる力になる。瀬戸内寂聴さんと金子兜太さん。お二人とも、「戦争は悪」「戦争に向かう動きも悪」という立場を貫かれた。お二人とも戦争を体験されている。体験から出た言葉は重い。金子兜太さんのこの体験記には、戦場の体験もだが、日本全体が戦争に向かう中で体験したこともしっかり伝えようとされている。よく「戦前」と言われるが、対中国戦争ははじまっており、「戦中」が正確なのかもしれない昭和初期。表現の自由を奪い、1940年から特高による新興俳句弾圧事件が起こって...巡りあえた本金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版
フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻梅雨寒や何処にあるのか我が心佐久間照三ミニスカートの子ロングブーツで金澤輝子供達フェンス登って駆け抜ける照三ヒーロー達の握手会場輝往年のヒーローに親も歓声あげる照三同じ世代の懐メロ主題歌輝満月やススキたなびき仮面ライダー照三音なく台風近づく予感輝人には怖い台風も地球には欠かせない照三琵琶湖干上がり坂本城見え輝考古学者大喜びで駆け回る照三遺跡調査でみのる恋愛輝海底神殿でウエディング照三龍宮へ続く井戸湧く花の陰輝微風に紅の帯萌ゆ姫檜扇照三バックパーカー寄り道醍醐味輝川中島鴨の嘴揃って後ろ照三古戦場を照らす月影輝松風や酵母と麹のハーモニー照三*亀屋陸奥発祥。西本願寺の御用菓子。南蛮渡来の芥子の香りよ輝若い二人の笑顔が揺れる照三いないいないばあする入道雲輝フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻
お米つやつや乗っている七福神輝※古い京町屋などにある七福神です。皆様に幸ありますように。お米つやつや
フリー句(自由連句)「草陰で」の巻草陰で燕気になる紋白蝶佐久間照三急に夏日で水遊びの声金澤輝植木剪定コート利用者背中丸くする照三空の玉虫サファイア輝く輝小満や手を合わせ言うありがとう照三海釣出会う鰯の大群輝歩く人皆に挨拶走りたい照三緑陰一息アイスコーヒー輝足取り軽くジャンプ若葉にタッチ照三いつ届く虹の根っ子に金の鍵輝夢から覚めてもう一息だったのに照三下書き完成寸前で止め輝デート前交差点で捕まって照三たまには休め双六の駒輝神様はいつお休みになるのだろうか照三日曜休日聖書が起源輝日本の神様は酒盛りの間にお仕事照三オーロラを呼ぶ太陽フレアー輝イヌイットの長は地球の唄声を黙して見守る照三昔の勇者今は語り部輝西陽受け菜の花の間の草抜く人照三晴耕雨読ひねもす麗らか輝フリー句(自由連句)「草陰で」の巻
追悼峰不二子バカボンのママ永遠に夏空へ金澤ひろあき追悼峰不二子