むうん金澤ひろあき汗むうん窓をあける青葉の香りむうん散歩する空無雲(むうん)おやすみなさいの時はムーン(月)むうん
むうん金澤ひろあき汗むうん窓をあける青葉の香りむうん散歩する空無雲(むうん)おやすみなさいの時はムーン(月)むうん
素顔にかえるひとりの牡丹金澤ひろあき牡丹
玉ねぎの皮金澤ひろあき玉ねぎの皮むいていったら無になった借り物の思想むいていったら無になった借り物じゃ僕の心慰められないから無のほうがいいよ玉ねぎの皮
理系俳句スキマ金澤ひろあきたんぽぽやスキマに生きていて豊か五月晴れスキマ時間に名案が※都会のアスファルトやコンクリートのスキマに、結構多様な植物が生きています。スキマには競争相手がいないので、日光を独占でき、生きやすいそうです。(塚本裕一氏の著作による。)スキマ
ミジンコの拡大写真レントゲン金澤ひろあき※小さな生き物ですが、ちゃんと内臓などがあり、見えるんですね。ミジンコの
2025年4月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天67リュックより遺影取り出す花見かな三村須美子亡くなった方と、本当は共に春を迎え、花見をしたかったという思いが、切実に伝わってきます。真情が心を打つ句です。地3オペの傷春へ着地点さがす塩見すず子手術後、自由が利かなくなった体とどう折り合いをつけるのか。回復まで、どうするのか。その心情が「春へ着地点」という言葉にこめられていますね。人74季節外れの自分の花だれかが見てるよ遠藤修司誠実に生きている中で、大切な出会いや、認められることの喜びなどがある。たとえ小さくても、喜びや手ごたえは大切にしたいですね。その他、心に響いた句です。8ポケットにひな菓子つめて病廊下松村芳子入院中のひな祭りですね。入院中はいろいろ制約があって不自由です。節目の行事の...2025年4月京都童心の会通信句会結果
2025年4月京都童心の会通信句会結果花の下金澤ひろあき桜の頃に、父も母も仲良く逝ってしまった。淋しさが深まる。職場のほうは異動で、大きくメンバーが入れ替わった。そして、新年度のことで忙しくなる。こんな折なので、人がごった返す名所の花見は遠慮した。近所のお寺で静かに花を見ようと思った。近所の親子連れの人達がお花見をしている。小さな子供たちが、楽しそうに走り回っている。子供たちの何人かは、アイドルのような服を着ている。本人の希望なのか、親の趣味なのか。ともかく、のどかな花見となった。浄土真宗のお寺で、父母の宗旨と同じなので、父母のことを祈った。花の下アイドル服の子が走るひろあき阿弥陀寺がらんと桜また桜皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・・金澤ひろあき須・・三村...2025年4月京都童心の会通信句会結果
2025年5月京都童心の会通信句会作品この中より、十句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1八重の花学び舎六年高唱す2バラ園のあるようないよう曲がり道3バラの刺心尖りても人を好(こう)4一人静楚々と平城山(ならやま)人恋し5蓬摘みいつしか二人相寄りて6草餅の緑と香り紙折に7シャボン玉世界は拡し旅立ちの日8口休めシャボン玉吹く一人ッ子9何も言わなくなった母に思い出話する10父母を見送る私の中に落ちる花11もう母もいない花冷えのふるさと12花びら拾う母の骨拾う13母いない庭に残る切り株14東山笑う行列できる餅15草餅も事件の鍵の時代劇16極甘の餅あり昭和のふるさとは17よく笑う花よりダンゴの仲間たち18妹と兄の競演しゃぼん玉19あと少し届かない夢しゃぼん玉...2025年5月京都童心の会通信句会作品
土から出る昭和金澤ひろあき「長い間、眠っていたんだねえ。」近所の道のアスファルトが剥がされていた。工事をやっている。土が見えている。ああ、昔の土の色は、こんな色だったんだと懐かしい。よく見ると土の中に十円玉が。昭和四十五年発行とある。私が十歳ぐらいの時に作られたのか。それが落とされ、アスファルトにおおわれてしまったのかな。その後、世の中とても変わったんだよ。十円玉君、びっくりするかも。アスファルトめくる土から出る昭和ひろあき土から
お米が高い金澤輝夢の中にお稲荷様が出て来られた。お稲荷様はお米の神様であるので、きいてみた。「昨年に比べ、お米の値段が二倍になり、困っております。備蓄米を出しても、値上がりが続くのは、何故でしょうか。」答えて言われるには、「解り易く言うと、商売で損は出来ないからだ。米が高くなり出した時に、仕入れをしたらどうなる。」「仕入れの値段が高くなります。」「高く仕入れた米を、安く売れるだろうか。」「高く仕入れて、安く売れば赤字になります。」「その通り。だから、高く仕入れた米は、安く売ることはできない。高値をつけて売ろうとする。高く仕入れた米が手元に在庫としてある以上は、まずは在庫が残っている間は、値段を下げられない。」「その後、備蓄米を放出してもですか。」「備蓄米を、昨年高い米を仕入れた同じ業者が買うと、どうすると...お米が高い
雨を聴く金澤ひろあききっと和解が来る静かな海を描く雲も凍て雛の笑顔の待つ実家炉に憩う口癖ヨイショ母の歳香り来る柱時計のある実家和む椅子順位付けやめ秋うらら和む椅子見逃してやる小さな罪津波です逃げて下さい元旦暮れる雲も凍て二年の戦出口なし戦争ない町プレゼントしたい今年のクリスマスまっすぐな瞳が言った戦争がない国に行きたい餓死のある地球で売れているダイエット本学徒出陣八十年同じ場所の平和な野球冴返るまだ「思想犯」ある地球ビル都会アナログ世代息苦し卒業と一緒に消えるなごり雪恋の猫雅な雛をひとまたぎ赤字路線春の空気をたっぷり乗せる熱気充つ明日を論じる若き顔ゆとり席主と客醸し出す余白郊外バス遠足心跳ねやまず青む視野山に死す友本望と無聊な日音なく落ちる砂時計雨の五月一日削減された社員の行方星を灯そう語ること禁じられた...雨を聴く
絵の中に永遠の気を吐く牡丹かな金澤ひろあき※村上華岳の牡丹。嵐山文華館にて。本物の牡丹が終わりかかっているだけに、絵の牡丹がいっそう鮮やかに見えました。絵の中の牡丹
新緑が包む日中不戦の碑金澤ひろあき※嵐山小倉山にて。嵐山新緑
山吹の一枝金澤輝山吹の一枝に一献酒の神輝※5月4日に松尾大社に山吹を見に行く。終わりかけだった。今は亡き友と吟行したこと等、思い出す。その時、会場にした川沿いの小さな喫茶店が無くなっていた。時の流れを思う。この世で遅咲き私と山吹輝山吹の一枝
『羅生門』の「雨」金澤ひろあき芥川龍之介の『羅生門』は、高校国語の定番として何回も味わった。今は高校国語「言語文化」(1年次)に載っていることが多い。『羅生門』冒頭は、こういう文で始まっている。「ある日の暮れ方のことである。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。」平安末期の羅生門の下にいる主人公の下人。行く当てのない下人は、秋の雨に降りこまれている。その後も、「雨」の描写が続く。「下人は七段ある石段のいちばん上の段に、洗いざらした紺のあおの尻を据えて、右の頬にできた、大きなにきびを気にしながら、ぼんやり、雨の降るのを眺めていた。」「雨は羅生門をつつんで、遠くから、ざあっという音をあつめてくる。」「雨風の憂えのない、人目にかかるおそれのない、一晩楽に寝られそうな所があれば、そこでともかくも、夜を明か...『羅生門』の「雨」
ガンデンガンデン合いの手鳩のドポッポー金澤輝※壬生寺。壬生狂言をやっていた。狂言は撮影禁止ということで、本堂辺りを撮影。鳩の天国である。壬生狂言思いは届く無言劇壬生狂言晴れて舞台を踏み鳴らす壬生狂言鳩百八羽ほど集う壬生狂言
神泉苑つつじ金澤輝早く来よつつじの向こう赤い橋※神泉苑。つつじ咲き始める。蝶のうたつつじの向こう赤い橋神泉苑つつじ
爆睡するけどよろしく帰りの電車金澤ひろあき※水間鉄道の車内。昭和調ですね。水間鉄道車内
優駿はドラマを乗せて風になる金澤ひろあき※平安神宮にて。センテニアルナイトを見る。京都競馬場百周年、奉納ライトアップとか。私もこの句を書いて献灯。優駿は
水間鉄道金澤輝4月28日。N先生と水間鉄道へ。初乗りである。10時、阪急四条河原町で淡路。堺筋線乗り換えで天下茶屋。ここで南海に乗り換えた。特急、急行混んでいるので、各駅停車で貝塚へ。知らない所を各駅停車で行くと、町の様子や駅舎をゆっくり見る楽しみがある。貝塚では時間の都合で昼はパンを買い、コンビニコーヒーで済ませた。この辺りで雨になった。水間鉄道は、貝塚-水間観音の間を走る私鉄。うどん屋さんが経営している。二両編成の癒し系とも言えそうな電車。のどかな山里、宅地の中をゆっくり走る。高速化、スピード競走と無縁なのがいいのかもしれない。昼間も、三十分毎に走っている。一日乗車券で往復した。N先生の趣味で郵便局に寄り、そこから水間街道を通り、水間観音へ。五重塔が現れた。雨が強くなったので、駅に戻る。駅舎の中にうど...水間鉄道
並木の道紅白つつじ染め分ける金澤ひろあき並木の道影絵となった過去のこと並木の道
露地奥に聖地の山や五月晴れ金澤輝※西京区から愛宕山をのぞむ。愛宕山は京都市の最高峰。火伏の神様の地。露地奥に
人類よりも先に現れている若葉金澤輝※西山別院の大イチョウ。人類より先に現れて、生きた化石だそうだ。このイチョウも、私より先にこの世に現れ、私が死んだあとも生き続けるのだろう。人類よりも
もっと生きててほしかった四十九日の花水木金澤ひろあきもっと生きてて
草むしり老いの日課を一つ足す金澤ひろあき※写真は長岡京、朝堂院跡。草むしり
二条城新緑金澤ひろあき古城古木新たな新緑湧き上がる二条城新緑
御衣香金澤ひろあき御衣香の花天平の樹下美人※御衣香(ぎょいこう)は桜の品種。御衣香は風の衣ずれ待っている御衣香
二条城と花水木金澤ひろあき武を棄てた城に禁色花水木花水木今瞑想から覚めました花水木
長岡天神初夏景色金澤ひろあき青草をついばみ遊ぶ鵜の夫婦竹馬の猿のご機嫌今一つ猿まわしシナリオ通りいかぬ猿アドリブのほうが大ウケ猿まわし留鳥の淡いつき合い鯉と亀たけのこの露地販売の日永かな長岡天神初夏景色
見返りの桜の石碑芝桜金澤輝※長岡天神境内。見返りの桜の石碑。菅原道真が見返ったという伝説がある。今は数代目の若木。見返りの桜
風渡るキリシマツツジ花の波金澤ひろあきキリシマツツジの橋へ見えない招待状※長岡天神のキリシマツツジ。細川家寄進の石橋にて。キリシマツツジ
ブランコに孤独を一つ乗せている金澤ひろあきもっともっと天を蹴りたいブランコよブランコに
桜の終わり金澤ひろあき桜の終わり見ている地上に留まる私ひろあき尊敬していた先生、親友、両親、見守って下さった方々、先に逝ってしまわれました。残った私は、今年も桜を見ているのです。ダンテの「神曲」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のように、魂の旅路でもう一度巡り逢えたらなどと考えていました。桜の終わり
桜から山吹へ新しい職場金澤ひろあき桜から山吹へ
巫女の舞い花の下には恋みくじ金澤輝花の中龍馬の恋のゆかりの社※京都市中京区武信稲荷の神楽舞台にて。坂本龍馬の逸話も残る。巫女の舞い
花曇り狛犬の顔照れ笑い金澤輝※京都市中京区武信稲荷にて花曇り武信稲荷
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめながら割りきれず花筏水に映した涙色(誤字訂正です)花筏(訂正)
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめはがら割りきれず花筏水に映した涙色花筏
2025年4月京都童心の会通信句会作品この中より、十句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1梅一輪車椅子におすそわけ2車椅子梅一輪に誘われてる3オペの傷春へ着地点さがす4梅一輪腫れがひかない車椅子5現役へ、見直すための病廊下塩見すず子6霜の声、獄舎となる病廊下7折り紙おりざんぶり神秘な病廊下8ポケットにひな菓子つめて病廊下9退院は春寒夕日ありがとう10雪消道走る夫婦の背に赤子11仕事帰り優しい角度の春雨12黒電話鳴り続ける啓蟄13地下鉄サリン事件30年の希薄14ふはっ水木しげる生きている怪火15「漫画家残酷物語」ぬくもりの雪16デコポンがゆったりすわる竹のカゴ17イチゴ達とんがっている自己主張18三月はゆらゆら揺れて待たされる19進級は一回死んでやり直...2025年4月京都童心の会通信句会作品
花曇りの二条城金澤ひろあき花曇り幾度か主変わる城老い散歩若きジョギング花曇り※二条城のまわり、良いコースになっている。花曇り自転車暴走する歩道※何とかならんかな。京都観光にお越しの方は、お気をつけ下さい。花曇りの二条城
2025年3月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天42寺山修司の居る指先の傷口野谷真治寺山修司!その名を聞くだけで、自分の青春の頃とオーバーラップする。私が好んだのは、彼の俳句であり、短歌だったが、当時劇団で影響力を持っていた。彼の書くものは、必ず傷があり、欠落がある。それが私の内なる傷や欠落と響き合った。そして、私があそこまで引き付けられた人は、足早にこの世を去って行った。地4天気図と気になる本の三行目塩見すず子あまり大したことではない、何気ないことだが、けっこうずっと心に引っかかることがある。この句はそういったものの具体例をあげているのだが、「本の三行目」などは、超具体的。最初の一文ではなく、「三行目」というのがミソなのかもしれない。人15母キトクどの道帰った涙の記憶遠藤修司思い詰め...2025年3月京都童心の会通信句会結果選評
2025年3月京都童心の会通信句会結果雅楽の蛇金澤ひろあき3月2日、京都御所の一般公開。雅楽を見る。胡蝶とゲンジョウ楽。ゲンジョウは異国の名らしいが、どんな字を書くのだろう。「幻城」だったら、格好いいかな。好物の蛇を得て喜ぶ様を表しているらしい。舞い手の手にしっかりて蛇の人形が握られていた。そういえば昔、中国に行った時、蛇料理を見た。腹を壊しては嫌なので、食べなかった。舞では喜びを表して、万歳をしているシーンもあるので、よほど美味かもしれない。ともかく雅楽は、太平を祈ったり、めでたい内容であるようだ。蛇穴を出て雅楽の役をつかまつる金澤ひろあき幻の城から胡蝶舞い降りる※「ゲンジョウ」は調べてみると、「還城」でした。皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・・金澤ひろ...2025年3月京都童心の会通信句会結果
トラ猫の風を起こして知らんぷり金澤ひろあきトラ猫の
関税のトランプ吠える草むしり金澤ひろあき草むしり
音もなく降る花故に慰まず金澤ひろあき音もなく
金柑のたわわに父母のなき家に金澤ひろあき金柑の
咲き揃う梅と桜と義経と金澤ひろあき※首途八幡。義経ゆかりの地。源平紅白梅と桜の共演。咲き揃う
日記より4月6日金澤ひろあきもともとの予定では、父の三回忌。母と会う予定だった。母が亡くなり、三回忌は行けぬことになり、京都にいる。人生さまざまなことが起こる。だから、できる時にできることを少しずつでもやることにしているのだが。三回忌でふるさとへは行けないが、朝近くの西山別院へ行き、遠い父母へ念仏を唱える。雨上がりのお寺は清々しい。慰めてくれるようだ。Kさんと会う予定だったが、体調不良とのこと。息子さんより連絡あった。お大事に。気になっていた首途八幡へ行く。金売り吉次が源義経を連れて、平泉へ旅立った所という。源平紅白梅という、一本の梅に紅と白が混じって咲くのがある。隣の公園は桜が満開。梅と桜が共演している。転変の人生だった義経を慰めているかのように。転変のただ中紅の梅白の梅ひろあき遠い父母へ念仏桜ただ中日記より4月6日源平紅白梅
西山別院の桜花の下アイドル服の子が走る金澤ひろあき※西山別院は浄土真宗。桂にある。西山別院の桜
母亡くすしだれ桜の虚空より金澤ひろあきしだれ桜
宝山寺般若窟金澤ひろあき仙窟は立ち入り禁止蜂注意ひろあき※般若窟は、役行者ゆかりの地。宝山寺本堂の後にそびえる。宝山寺般若窟
軍歌はイヤだ昭和百年の桜金澤ひろあき軍歌は
「あまのがわ」282号を読んで○金澤ひろあき「あまのがわ」282号をありがとうございます。父母を見送る私の中の落花ひろあき三年前に父を、昨年親友を、そして今春、母を亡くしました。父も母も九十代で、いつその時を迎えてもとは思っていたのですが、実際亡くなると、私の中に空白が出来ています。そして、夢に九州にいた頃のことが出て来ます。私よりも先に死ぬ人は思い出ばかり遺していく佐藤ローリエ何だか私の心の中の声を述べてくれたようで、共鳴し慰められました。哀しみのひとえから崩れはじめる花筏ますだよりこ「死」や「別れ」といった言葉を使っていないのですが、読んでいるうちに、そういったものを感じさせてくれる句です。この「花筏」、どこへ流れて行くのでしょうか。光風水命の音を胸にため込む裏文子本当にそれらを胸にしまったつもりでも...「あまのがわ」282号を読んで
終わりかけの水仙私がここに金澤ひろあき終わりかけの
また来るね花冷えしんしん父母のお墓金澤ひろあきまた来るね
何も言わなくなった母に思い出話する金澤ひろあき何も言わなくなった
花冷えのふるさともう母もいない金澤ひろあき※写真は太宰府天拝山。父母のお墓の近く。花冷えのふるさと
母を亡くしてふるさと黄砂金澤ひろあき母を
宝山寺梅に教わる道しるべ金澤輝※宝山寺は、奈良と大阪の境、生駒山中にある。歓喜天・不動尊をお祀りする。ここのケーブルは日本最古らしい。宝山寺
おせったい金澤ひろあきおせったいお昼お握り鳩よひろあき「おせったい」は、お遍路さんをおもてなしすること。寺社巡りしている時、公園のベンチでお昼のお握り。こぼしたのを、ひもじそうな鳩が来て食べる。鳩へのおせったいだね。句は五七三の無垢句で書いてみた。おせったい
3月22日急に暖かくなる。初めて鶯を聞く。嵐山急に出番のほうほけきょ金澤ひろあき嵐山急に
山内信一の絵につけ句山鳥の夢に花舞う花に酔う金澤ひろあき※山内信一は、明治の頃の京都の画家。鳥達の体温が伝わって来る。嵯峨嵐山文華館にて。山内信一の絵につけ句
「さんしょ」191号を読んで○金澤ひろあき「さんしょ」191号、ありがとうございます。遠い隣駅まで広がっていた菜の花田んぼひろあき「さんしょ」を読むと、何だか懐かしいなという気持ちになるのです。私が十八歳で離れた故郷の風景が、ふと心に浮かぶのです。静岡の島田から、同じ雰囲気を感じとるからでしょうか。・西風に囃されて干し大根踊る萩原君代こういう光景を当たり前に見ていた農村。今はもう変貌して、ほとんど見られなくなった光景でもあるので、なおのこと私の琴線に触れて来るのでしょうか。・田起こし後路上の泥蹴り膝痛む池田弘農村の土の道、泥道。田起こしの頃には、ツンと匂う。そんな光景が確かにありました。文字通り土相手の仕事と生活がありました。・寒波襲来ズボラ生活してござる杉山朝子北国から来た友人がいました。今はもう亡くな...「さんしょ」191号を読んで
白梅の虚空にほのか舞い姿金澤ひろあき※中京区武信稲荷にて白梅の
再会の春灯ほのぼの金澤ひろあき再会のおしりあたたかい※1年ぶりに、知り合いの方に会う。新年度より就職、正式採用。新しい出発を祝う。再会の
俳句という物語序章二先にも述べたように、「五七五七七」から「七七」を切断し、俳句という詩が成立した時、「物語性」「完結性」を切断したはずであった。ところが、成立してから百年経過するうちに、「物語性」も内包するようになったのではなかろうか。これは例えば、小林一茶の句などに顕著である。秋の風乞食は我を見くらぶる一茶我と来て遊べや親のない雀散文と短詩は、文体も世界も違うものの、「物語」構築にとって必要な要素をシンプルに述べると、「いつ」「どこで」「誰(何)が」「どうした(どうなる)」があげられよう。ただし、日本語では、「主語」と「時制」を細かく言及しないことがあるので、「いつ」と「誰(何)が」を省略しても、物語が成立することもある。(時制に関していえば、古語で細かいニュアンスの違いを示していた、過去「き」「けり...俳句という物語序章二
俳句という物語序章金澤ひろあき一2024年の秋、奈良で開催された現代俳句協会大会の一番末席で、私は知り合いと一緒に、坪内稔典氏の講演を聞いていた。その中で坪内氏は、「皆さんの俳句は残らんでしょう。」と言われた。その言葉が、私の心に残った。日々多くの句が生み出されている。それらの句の中で、「残る句」と「残らない句」があるのは事実だ。残らない句のことを考えても空しいので、では残る句とは何だろうと考えてみた。俳句とは面白さと共に、やっかいさを持つ短詩だ。説明ではいけないと言われる。短歌「五七五七七」は、抒情的な物語を描くことができる。「物語」だから、説明も入っている。そして、結論を歌い上げることができる。自己完結の世界であると言えよう。「五七五七七」の「七七」を切断し、俳諧連歌として出発した時、俳諧は一句での自...俳句という物語序章一
長岡天神雨に梅古今伝授の神の庭金澤ひろあき※細川幽斎が古今伝授を受けた地。雨に梅合格どら焼き販売機雨に梅
去る人の長い話梅香っている金澤ひろあき去る人の
二月堂お水取り暗がりより懺悔の声明観世音金澤ひろあき懺悔の声明余寒の扉の向こうより二月堂お水取り
病院の廊下金澤ひろあき入院中の句友、塩見さんから「病院の廊下」の句が送られて来ました。私もそれに和して。腫れひいて歩幅取り戻すあたたかさ手術で運ばれた廊下自分の足で帰る命の火燃やしている病院の廊下の奥手術説明の声漏れている病院の廊下咲いたら退院病院の廊下から見る桜病院の廊下
病院の廊下金澤ひろあき入院中の句友、塩見さんから「病院の廊下」の句が送られて来ました。私もそれに和して。腫れひいて歩幅取り戻すあたたかさ手術で運ばれら廊下自分の足で帰る命の火燃やしている病院の廊下の奥手術説明の声漏れている病院の廊下咲いたら退院病院の廊下から見る桜病院の廊下
時差で鳴る金澤ひろあきずいぶんあたたかチョッチョと鳥の恋三月十一日まだ傷跡はなおらない三月十一日避難警報時差で鳴る時差で鳴る
2025年3月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき特選天23生きる手をつないでつないで震災の灯塩見すず子阪神大震災以来、本当に多くの地震が起こった。その度に大切なものが失われた。失われたものは戻ってこないけれども、この句の「つないでつないで」のリフレインに、回復への祈りを感じる。のこされた私達の願いがこめられている。地5しがみつく夜の底の古時計野谷真治もう手放すべきなのだろうけれども、執着してしまうもの。この句の「古時計」にそんなものを感じる。「夜の底」の闇が葛藤を表しているような。人14煮大根今年食べたし命あり野原加代子健康を失った時、「命あり」をしみじみと思う。日頃当たり前と思っている生活の中のささいなことの中に。8ドジャーズに3人トリオ楽しみに蔭山辰子私が若い頃、日本人選手がメジャーリーグ...2025年3月京都童心の会通信句会結果
2025年2月京都童心の会通信句会結果堺へ金澤ひろあき一月最後の日。この冬一番の寒さだという。着膨れて今日の私はだんご虫ひろあき大阪の堺市(JR堺市)へ行き、アルフォンヌ・ミュシャの絵を見る。アールヌーボーの浪漫に酔う。美しいデザイン、女性像。大戦前のパリの自由、前衛、そして市民が愛した芸術に心が響く。円光を背にアールヌーボーの四季の巡りの四人の女神啓明JR堺市駅から西へ歩く。方違神社があり、反正天皇陵が隣接している。堺市は百舌鳥古墳群があり、巨大な古墳地帯。瀬戸内海に面し、巨大な王権があったようだ。南海電車の堺東へ着く。堺市役所があり、その21階展望階へ。六甲山や大阪湾が見える。南東に仁徳天皇陵の全容が見える。近い所では大き過ぎて、かえって全容がわからない。眼下の緑大王の墳昭和百年ひろあき同じ階で「さい...2025年2月京都童心の会通信句会結果
仁王門長い日暮れに浮き上がる金澤ひろあき※東大寺お水取りで訪れる。仁王門
水を汲むお堂に春が湧いている金澤ひろあき※東大寺お水取り。2025年3月10日。お水取り
2025年3月京都童心の会通信句会作品この中より、8句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。180才着ぶくれて出る映画館2買いだめの足音集め雪の街3迷いつつ着ぶくれて買う宝くじ4天気図と気になる本の三行目5本に折り目つけせっせと家事につく6片結びする花びら色の母の靴7田舎娘クローバーの緑にまぎれこむ8老いた今です同じ目線の父の本棚9ゆらゆら月の田舎の村の救急車10コーヒー飲んでしきり直し‘’思い出のメロディ”が耳にやさしく11平行線死の間際には合流か12列車待ち新刊マンガ良き香り13田舎者話のメインお母さん14片結びほどけ易きは両結び15母キトクどの道帰った涙の記憶16詩との出会いサトウハチローお母さん17マンガのひとコマ叶えたかった親子の立ちション18...2025年3月京都童心の会通信句会作品
雅楽-自分以外の何か金澤ひろあき雅楽や能舞台のゆるやかな舞いを見ていると、今流れている時間とは違う時の中にいるような気がする。雅楽では、舞い手は蝶になったり、龍になったり、異国人になったりする。能の多くは、二人の対話劇で、ワキという人物が、シテという突然現れた謎の者に出会う。シテは幽霊であったりするのだが、なぜ自分が成仏できずにここにいるのか、どういう思い(悲しみ、恨みが多いのだが)なのかをワキに述べて消えて行く。恐ろしさよりも、かなしさと美しさが漂っている。舞い手は、見ている人の心をうつ「表現」をしているのは確かだ。ただ、その表現は、「自己表現」なのだろうか。雅楽や能の素人である私には、断言できる根拠がないのだが、どうも「自己表現」ではないような気がする。舞い手は、自己の身体を使って龍や幽霊を表現してい...雅楽ー自分以外の何か
遅い梅金澤ひろあき今年は寒いようで、梅の花が遅い。滋賀県長浜の盆梅も開花せず、延期とか。御所の梅もつぼみであった。職員の方も、「例年でしたら、開いているのですがね。」と。そんな中でも、行事は例年通り行われる。振り袖や袴姿で大学の卒業式に向かう若者達の姿も目を引く。今、勤めている通信制の高校でも卒業式。頑張った皆さん、これからご活躍下さい。あたたかや確かな一歩この日よりひろあき※京都御所の梅。遅い梅
弘法さん金澤ひろあきシミとか雲が、人の顔など、何か別のものに見えることがある。中学の頃だっただろうか。昭和五十年ぐらいだったと思う。福岡の北部に居たが、家のあった集落は、山や田畑に囲まれていた。その山の奥にバイパスが通った。山の中に、高速道路が、突如出現したのである。道路はかつての山を削った。昔の山道が寸断されるので、コンクリートの橋を作り、昔の山道をつないだ。そのコンクリートの橋脚の面に、「弘法さんが現れた」と評判になった。地元の新聞も取り上げて、大騒ぎになった。私も見に行った。東側のコンクリートの橋脚の面に、くっきりと人が立つ姿が浮き出ている。背丈は三メートルほどある。坊主頭で、お地蔵さんか弘法大師のようにも見える。お花や線香などのお供えもされている。これは何かの知らせ、メッセージだという人もいる。一...弘法さん
青島巡紅様を偲んで蔭山辰子京都童心の会通信句会に参加させて頂き、会員の皆様の句を毎月楽しみにしております。青島巡紅様の数多くの句の中、好きな御句を思い出されます。2023年10月号の、17番雲切れてここにいるぞとオリオン座18番散歩道双子座の間を流れ星19番背伸びして歩いた道の蝉時雨21番素振りする少年無心空を切る夏の暑さが十月過ぎまで続いた年でした。ようやく朝夜の外気が快よくなって来た頃の御作だったのです。同じ号、私の句にも評をいただきました。63番ああ今日は何もせず風と共に去る62番スカーレット・オハラ少し見たら昼寝しようの二句に、風通しをよくしたパロディーのような面白さがあると、云って下さいました。嬉しかったです。私には知らないことが多く、これからも教えて頂きかったです。合掌青島巡紅様を偲んで
赤猿金澤ひろあき私が小学生の頃だったから、昭和四十年代である。福岡北部、福間という所にいた。新しく作られた住宅街に住んでいたが、周りは山や田畑に囲まれていた。山には、杉や松、ハゼや樫の木に覆われ、夜は本当にまっくらだった。その山に「赤猿が出る」という噂が広がった。赤猿は狂暴なので山に入ってはならないと言われた。赤猿はその名の通り真っ赤で、家の大きさぐらいだったと言い出す者もいた。しかし、山と山の谷間にある田畑で仕事をする人は、どうすればよいのだろう。ある日の午後三時頃、ついに地元の消防団や若い男たち四十人ほどが集まった。手には木刀や鎌を持つ者もいる。男たちの一団は、赤猿を退治すると言い、山の方へ向かう。子供たちや女たちは、後ろから恐る恐る、野次馬でついて行く。山の入口に着いた。男たちの行進はそこで止まった...赤猿
雅楽胡蝶金澤ひろあき胡蝶舞う抜け出る源氏物語幻の城から胡蝶舞い降りる胡蝶舞い蛇穴を出る雅楽の音胡蝶舞う人垣の中ちらちらと雅楽胡蝶
大文字も御殿も雅楽の借景に金澤ひろあき雅楽借景
蛇穴を出て雅楽の役をつかまつる金澤ひろあき春の雨太平豊饒雅楽舞う※3月2日京都御所一般公開にて。雅楽
清涼殿百代の御殿の几帳春の風金澤ひろあき清涼殿
もの思い続く残り香牛車出づ金澤ひろあき残り香を抱く牛車の朝寝の夢牛車
常春の仙人住まう御所の門ひろあき※御所の正門、建礼門。金具に仙人を描く。常春の
高御座金澤ひろあき京都御所の公開。紫宸殿と高御座を見る。上皇様、今上様と平和な日本が続いているのはありがたい。そんなことを思う。高御座平和な国を継がれる春ひろあき高御座
新聞に出ない「財務省解体」デモが三度あったと金澤輝※新聞には載っていないことが、SNS上では出ていることが多い。このデモもユーチューブで見た。国民民主党の副代表も触れていた。テレビ・新聞で取り上げないことが出ているSNSを信用する風潮になっているのは、こんな所に理由があるのだろうか。新聞に出ない
春の雪金澤ひろあき春の雪が降る昼のことである。ある料理店の、私の隣の席に、三十代に見える男女が座った。恋人のようである。そのうち二人は、共通の知り合いであるSという男のことを話し出した。Sはカリスマ性を持ち、中学時代から、多くの人の憧れであったらしい。現に女性のほうはワインを飲みながら、「憧れていて、真剣に結婚したいと思っていた」と、涙を浮かべながら言う。二人は社会人になってすぐに、Sが興した会社に参加している。Sはカリスマ性を発揮し強気に進んで行くのだが、細かいフォローをせず、あちこちで破綻し迷惑をかけたらしい。結局うまく回らなかったのだが、Sは魅力ある人物なのだろう。もといた会社に戻り、うまくやっている。話をしている二人は、もといた会社にも戻ることができず、借金もかかえ、男のほうは離婚も経験している。...春の雪
【詩】拝啓大統領閣下金澤輝偉大なる大統領閣下強気な大統領令署名で忙しい中おそれいります私のご提案も大統領令署名いただけませんでしょうか世界の平和のため紛争地で苦しむ人々をワシントンDCとニューヨークのロングアイランドに「移住させる」移住費用は「周辺の裕福な州が負担する」そしてワシントンDCとニューヨークを「豪華なリゾート化」し「平和と繁栄」をもたらす閣下こういう主張をする人物をどう評価されますか※写真は一休さん。【詩】拝啓大統領閣下
2025年1月句会選追加○遠藤修司特選69紀元前のミイラの足に絹の赤い靴金澤ひろあきこの世に生を受け、喜び踊る足には赤いクツ。ロマンを感じます。すばらしい句と思いました。選1聖き夜に誕生ローソク八十八松村芳子2手作りのチャンチャンコ綿匂う松村芳子15駅前より鋼の匂い父の街金澤ひろあき20留守宅を守る洗濯物もある金澤ひろあき28春支度諦める長い鼻毛野谷真治38変な夏へんな秋なし急な冬蔭山辰子51夕食にぶり大根や母の味野原加代子55惜しむ年明けても歩き前見たし蔭山辰子65こちらを見ているラクダよ秋ふくらんだ塩見すず子66紀元前の音階にまみれ80代の歩巾塩見すず子68シルクロード砂漠の壺を抱いて寝る塩見すず子74ぽっちゃりの美人ほほえむラクダの背金澤ひろあき※シルクロード展の赤い靴2025年1月句会選追加
昭和百年磁気定期券無くなる春金澤ひろあき※阪急電車、廃止とのこと。困る人、出てこないかな。磁気定期券
乗り手なき冬の真昼のブランコを寄り添う風がそっと揺らすよ金澤輝真昼のブランコ
【自由連句】自由連句「すきま風」の巻すきま風裏に電車が通る家金澤ひろあき友と又風景変わらずつながり強し河本美子冬ごもり友が尋ねしお祭り騒ぎ美子花束くくったままに月日過ぐ美子頭数足りてバランスとれましたひろあき準備中シューズの紐の解けたままひろあき三人句会トライアングル久方ぶり生嶋節子近い山遠い山からつぎつぎに木魂ひろあき次の駅知らぬまま過ぐ玉手箱美子金魚鉢飛んでもはねても飛び出せず節子叱っても猫のちょっかい止みませんひろあき鼻のてっぺん止まったハエに目を回す美子猫派犬派どちらもあの世逢えはせず美子心うわつくひとりごと節子足もとにみえぬしがらみ踏みつけて節子天の邪鬼蛙のようにぺっちゃんこひろあき苦言はリズムと口ずさむ節子にが虫ものみこみのみこみ甘い汁節子酔って止まった指先の蝶ひろあき口ゲンカ止まらぬ心と鉾先...自由連句「すきま風」の巻
日記より金澤輝(ひろあき)2月15日。嵯峨嵐山文華館「アイラブ百人一首」に行けた。百人一首に名画を見立てて配している。加山又造の、垂れ桜におぼろ月の「おぼろ」は幻想的。加山さんの幻想的な裸婦画を見て以来、ファンになっている。横山大観の海の描き方にも感銘を受ける。描かれていない強い風の存在を感じる。それに対し、長沢芦雪「月夜紅葉図」は静の美。日本画は奥深い。伝定家「小倉色紙」も見る。定家筆は連綿でなく、現代の私達にも読みやすい。坂上是則の「朝ぼらけ」であった。加山又造の「おぼろ」に描かれた垂れ桜におぼろ月黄金の光永遠の静けさ金澤輝日記より2月15日
2025年1月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天68シルクロード砂漠の壺を抱いて寝る塩見すず子シルクロードの砂漠の中の都市は、今は廃墟になってしまったものもある。漢から唐にかけては交流が盛んで栄え、ローマやペルシア、インドの文化も運ばれて来た。当時の栄華を知っている壺などを見ると、そのデザインの新しさに心ひかれる。栄華の夢を見させてくれる。人間は昔から、遠い所との交流・交換をして生きている。ある意味、それが「人間らしさ」なのかもしれない。地58ナゼ残るリアルなラクダと想像の龍遠藤修司古代に栄えたシルクロードの遺跡。その出土品に、ラクダの姿と龍の姿が生き生きと描かれる。片や砂漠の実在する身近な動物。片や水に関係する想像上の存在。実在と想像が出会い、長い時間を経て来た不思議に、心動かされる...2025年1月京都童心の会通信句会結果【選評】
2025年1月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天68シルクロード砂漠の壺を抱いて寝る塩見すず子シルクロードの砂漠の中の都市は、今は廃墟になってしまったものもある。漢から唐にかけては交流が盛んで栄え、ローマやペルシア、インドの文化も運ばれて来た。当時の栄華を知っている壺などを見ると、そのデザインの新しさに心ひかれる。栄華の夢を見させてくれる。人間は昔から、遠い所との交流・交換をして生きている。ある意味、それが「人間らしさ」なのかもしれない。地58ナゼ残るリアルなラクダと想像の龍遠藤修司古代に栄えたシルクロードの遺跡。その出土品に、ラクダの姿と龍の姿が生き生きと描かれる。片や砂漠の実在する身近な動物。片や水に関係する想像上の存在。実在と想像が出会い、長い時間を経て来た不思議に、心動かされる...2025年1月京都童心の会通信句会選評
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むうん金澤ひろあき汗むうん窓をあける青葉の香りむうん散歩する空無雲(むうん)おやすみなさいの時はムーン(月)むうん
素顔にかえるひとりの牡丹金澤ひろあき牡丹
玉ねぎの皮金澤ひろあき玉ねぎの皮むいていったら無になった借り物の思想むいていったら無になった借り物じゃ僕の心慰められないから無のほうがいいよ玉ねぎの皮
理系俳句スキマ金澤ひろあきたんぽぽやスキマに生きていて豊か五月晴れスキマ時間に名案が※都会のアスファルトやコンクリートのスキマに、結構多様な植物が生きています。スキマには競争相手がいないので、日光を独占でき、生きやすいそうです。(塚本裕一氏の著作による。)スキマ
ミジンコの拡大写真レントゲン金澤ひろあき※小さな生き物ですが、ちゃんと内臓などがあり、見えるんですね。ミジンコの
2025年4月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天67リュックより遺影取り出す花見かな三村須美子亡くなった方と、本当は共に春を迎え、花見をしたかったという思いが、切実に伝わってきます。真情が心を打つ句です。地3オペの傷春へ着地点さがす塩見すず子手術後、自由が利かなくなった体とどう折り合いをつけるのか。回復まで、どうするのか。その心情が「春へ着地点」という言葉にこめられていますね。人74季節外れの自分の花だれかが見てるよ遠藤修司誠実に生きている中で、大切な出会いや、認められることの喜びなどがある。たとえ小さくても、喜びや手ごたえは大切にしたいですね。その他、心に響いた句です。8ポケットにひな菓子つめて病廊下松村芳子入院中のひな祭りですね。入院中はいろいろ制約があって不自由です。節目の行事の...2025年4月京都童心の会通信句会結果
2025年4月京都童心の会通信句会結果花の下金澤ひろあき桜の頃に、父も母も仲良く逝ってしまった。淋しさが深まる。職場のほうは異動で、大きくメンバーが入れ替わった。そして、新年度のことで忙しくなる。こんな折なので、人がごった返す名所の花見は遠慮した。近所のお寺で静かに花を見ようと思った。近所の親子連れの人達がお花見をしている。小さな子供たちが、楽しそうに走り回っている。子供たちの何人かは、アイドルのような服を着ている。本人の希望なのか、親の趣味なのか。ともかく、のどかな花見となった。浄土真宗のお寺で、父母の宗旨と同じなので、父母のことを祈った。花の下アイドル服の子が走るひろあき阿弥陀寺がらんと桜また桜皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・・金澤ひろあき須・・三村...2025年4月京都童心の会通信句会結果
2025年5月京都童心の会通信句会作品この中より、十句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1八重の花学び舎六年高唱す2バラ園のあるようないよう曲がり道3バラの刺心尖りても人を好(こう)4一人静楚々と平城山(ならやま)人恋し5蓬摘みいつしか二人相寄りて6草餅の緑と香り紙折に7シャボン玉世界は拡し旅立ちの日8口休めシャボン玉吹く一人ッ子9何も言わなくなった母に思い出話する10父母を見送る私の中に落ちる花11もう母もいない花冷えのふるさと12花びら拾う母の骨拾う13母いない庭に残る切り株14東山笑う行列できる餅15草餅も事件の鍵の時代劇16極甘の餅あり昭和のふるさとは17よく笑う花よりダンゴの仲間たち18妹と兄の競演しゃぼん玉19あと少し届かない夢しゃぼん玉...2025年5月京都童心の会通信句会作品
土から出る昭和金澤ひろあき「長い間、眠っていたんだねえ。」近所の道のアスファルトが剥がされていた。工事をやっている。土が見えている。ああ、昔の土の色は、こんな色だったんだと懐かしい。よく見ると土の中に十円玉が。昭和四十五年発行とある。私が十歳ぐらいの時に作られたのか。それが落とされ、アスファルトにおおわれてしまったのかな。その後、世の中とても変わったんだよ。十円玉君、びっくりするかも。アスファルトめくる土から出る昭和ひろあき土から
お米が高い金澤輝夢の中にお稲荷様が出て来られた。お稲荷様はお米の神様であるので、きいてみた。「昨年に比べ、お米の値段が二倍になり、困っております。備蓄米を出しても、値上がりが続くのは、何故でしょうか。」答えて言われるには、「解り易く言うと、商売で損は出来ないからだ。米が高くなり出した時に、仕入れをしたらどうなる。」「仕入れの値段が高くなります。」「高く仕入れた米を、安く売れるだろうか。」「高く仕入れて、安く売れば赤字になります。」「その通り。だから、高く仕入れた米は、安く売ることはできない。高値をつけて売ろうとする。高く仕入れた米が手元に在庫としてある以上は、まずは在庫が残っている間は、値段を下げられない。」「その後、備蓄米を放出してもですか。」「備蓄米を、昨年高い米を仕入れた同じ業者が買うと、どうすると...お米が高い
雨を聴く金澤ひろあききっと和解が来る静かな海を描く雲も凍て雛の笑顔の待つ実家炉に憩う口癖ヨイショ母の歳香り来る柱時計のある実家和む椅子順位付けやめ秋うらら和む椅子見逃してやる小さな罪津波です逃げて下さい元旦暮れる雲も凍て二年の戦出口なし戦争ない町プレゼントしたい今年のクリスマスまっすぐな瞳が言った戦争がない国に行きたい餓死のある地球で売れているダイエット本学徒出陣八十年同じ場所の平和な野球冴返るまだ「思想犯」ある地球ビル都会アナログ世代息苦し卒業と一緒に消えるなごり雪恋の猫雅な雛をひとまたぎ赤字路線春の空気をたっぷり乗せる熱気充つ明日を論じる若き顔ゆとり席主と客醸し出す余白郊外バス遠足心跳ねやまず青む視野山に死す友本望と無聊な日音なく落ちる砂時計雨の五月一日削減された社員の行方星を灯そう語ること禁じられた...雨を聴く
絵の中に永遠の気を吐く牡丹かな金澤ひろあき※村上華岳の牡丹。嵐山文華館にて。本物の牡丹が終わりかかっているだけに、絵の牡丹がいっそう鮮やかに見えました。絵の中の牡丹
新緑が包む日中不戦の碑金澤ひろあき※嵐山小倉山にて。嵐山新緑
山吹の一枝金澤輝山吹の一枝に一献酒の神輝※5月4日に松尾大社に山吹を見に行く。終わりかけだった。今は亡き友と吟行したこと等、思い出す。その時、会場にした川沿いの小さな喫茶店が無くなっていた。時の流れを思う。この世で遅咲き私と山吹輝山吹の一枝
『羅生門』の「雨」金澤ひろあき芥川龍之介の『羅生門』は、高校国語の定番として何回も味わった。今は高校国語「言語文化」(1年次)に載っていることが多い。『羅生門』冒頭は、こういう文で始まっている。「ある日の暮れ方のことである。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。」平安末期の羅生門の下にいる主人公の下人。行く当てのない下人は、秋の雨に降りこまれている。その後も、「雨」の描写が続く。「下人は七段ある石段のいちばん上の段に、洗いざらした紺のあおの尻を据えて、右の頬にできた、大きなにきびを気にしながら、ぼんやり、雨の降るのを眺めていた。」「雨は羅生門をつつんで、遠くから、ざあっという音をあつめてくる。」「雨風の憂えのない、人目にかかるおそれのない、一晩楽に寝られそうな所があれば、そこでともかくも、夜を明か...『羅生門』の「雨」
ガンデンガンデン合いの手鳩のドポッポー金澤輝※壬生寺。壬生狂言をやっていた。狂言は撮影禁止ということで、本堂辺りを撮影。鳩の天国である。壬生狂言思いは届く無言劇壬生狂言晴れて舞台を踏み鳴らす壬生狂言鳩百八羽ほど集う壬生狂言
神泉苑つつじ金澤輝早く来よつつじの向こう赤い橋※神泉苑。つつじ咲き始める。蝶のうたつつじの向こう赤い橋神泉苑つつじ
爆睡するけどよろしく帰りの電車金澤ひろあき※水間鉄道の車内。昭和調ですね。水間鉄道車内
優駿はドラマを乗せて風になる金澤ひろあき※平安神宮にて。センテニアルナイトを見る。京都競馬場百周年、奉納ライトアップとか。私もこの句を書いて献灯。優駿は
水間鉄道金澤輝4月28日。N先生と水間鉄道へ。初乗りである。10時、阪急四条河原町で淡路。堺筋線乗り換えで天下茶屋。ここで南海に乗り換えた。特急、急行混んでいるので、各駅停車で貝塚へ。知らない所を各駅停車で行くと、町の様子や駅舎をゆっくり見る楽しみがある。貝塚では時間の都合で昼はパンを買い、コンビニコーヒーで済ませた。この辺りで雨になった。水間鉄道は、貝塚-水間観音の間を走る私鉄。うどん屋さんが経営している。二両編成の癒し系とも言えそうな電車。のどかな山里、宅地の中をゆっくり走る。高速化、スピード競走と無縁なのがいいのかもしれない。昼間も、三十分毎に走っている。一日乗車券で往復した。N先生の趣味で郵便局に寄り、そこから水間街道を通り、水間観音へ。五重塔が現れた。雨が強くなったので、駅に戻る。駅舎の中にうど...水間鉄道
日記より「雨の5月1日」金澤ひろあき銀行のキャッシュカードにヒビが入った。長年使っていたからか。四条烏丸の京都支店で再発行手続きをする。今、都市銀行は次々に支店を無人化している。窓口業務を行える支店が激減している。近所から無くなっている。人件費カット・収益を優先している。利用者との、人と人とのつながりを薄くしている。これは長期的に見ると、企業の衰退に向かうのではないか。経済活動は基本的には市場原理で動くが、人の心(動向や予測)も大きいことを忘れてはならない。「物を買うのは人間」という当たり前のことを忘れてはならない。その人間の本音が見えなくなった時、物は売れなくなる。企業の社員も、人と触れ合う機会が減ると、営業力も落ちてゆく。また、行員数を減らすぶん、行員一人当たりの仕事量は増える。ゆとりが無くなるとミス...日記より「雨の5月1日」
フリー句(自由連句)「禁色の」の巻禁色の髪靡かせて藤の房金澤輝ゆるし色若者皆んな手を繋ぐ佐久間照三名刹の娘斎王代となり輝※今年は、壬生寺のお嬢さんだそうです葵祭の行列追いかける自転車照三cs牛歩む都大路に舞う燕輝行列も人波もみな一幅の絵照三八つ橋とアーチを描くかきつばた輝空と海一筋に切る海峡橋照三港町瀬戸の潮風帆に満ちる輝南国の筏の家で昼寝する照三メロディは雲の流れのような笛輝まだ出来ない整理整頓寝ぼけ眼照三ゴールデンウィーク中日の出勤は輝青空に鳶群れ無双人の指照三ナルシズムの塊牡丹立ち姿輝朝日浴ぶ飛行機雲が空をチョキチョキ照三新緑の犬も一緒に泊まれる宿輝誘われてイルカと遊ぶ大型犬照三ビール売るバイトアイドル水族館輝彼女(つれ)から目を離したら足踏まれる照三花火大会橋の上には月も出て輝野球帽とペットボトル...フリー句(自由連句)「禁色の」の巻
フリー句(自由連句)「花の舞う」の巻花の舞う遍路の境内握り飯佐久間照三地蔵の足元風車増え金澤輝ビル増えて京都の街はどこ目指す照三予測したはず観光公害輝道路整備の遅れに花盛り照三万博会場メタンガス爆発輝※事故があったのですが、大丈夫なのかな。メガ都市の生ゴミ埋め立て地の第一幕照三ローマの繁栄パンとサーカス輝夢の跡今日も発掘土の山照三鏡と古墳卑弥呼の本家争い輝西と東に別れても切磋琢磨の本願寺照三流浪の果てに蓮咲いたよ輝珊瑚の白化を防ぐ台風小さく咳払い照三黒潮に乗る椰子の実届く輝ありがとう鳥居を抜ける朝日浴び照三疫病去って神輿復活輝葉桜や神籤の結び増えている照三ビジネス街を渡る涼風輝バイクにはまた乗りたいと杖をつく照三一歩一歩とリハビリの夢輝台所何年ぶりに床掃除照三窓を開けたら青田広がる輝※写真は伏見稲荷の神輿...フリー句(自由連句)「花の舞う」の巻
フリー句(自由連句)「花の舞う」の巻花の舞う遍路の境内握り飯佐久間照三地蔵の足元風車増え金澤輝ビル増えて京都の街はどこ目指す照三予測したはず観光公害輝道路整備の遅れに花盛り照三万博会場メタンガス爆発輝※事故があったのですが、大丈夫なのかな。メガ都市の生ゴミ埋め立て地の第一幕照三ローマの繁栄パンとサーカス輝夢の跡今日も発掘土の山照三鏡と古墳卑弥呼の本家争い輝西と東に別れても切磋琢磨の本願寺照三流浪の果てに蓮咲いたよ輝珊瑚の白化を防ぐ台風小さく咳払い照三黒潮に乗る椰子の実届く輝ありがとう鳥居を抜ける朝日浴び照三疫病去って神輿復活輝葉桜や神籤の結び増えている照三ビジネス街を渡る涼風輝バイクにはまた乗りたいと杖をつく照三一歩一歩とリハビリの夢輝台所何年ぶりに床掃除照三窓を開けたら青田広がる輝※写真は伏見稲荷の神輿...フリー句(自由連句)「花の舞う」の巻
箒掃く音町屋の雨上がりひろあき箒掃く音
箒掃く音町屋の雨上がりひろあき箒吐く音
祭近し金澤輝最近よく立ち寄っている三条大宮商店街を少し南に下がった武信稲荷社。一寸法師や坂本龍馬ゆかりの地だそうですが、お祭があるようです。お祭りのカウントダウン地元の子輝祭近し
フリー句(自由連句)「さよならまたね」の巻さよならまたねふりかえっている花吹雪輝クローン犬にはクローン犬の心が宿る照三おかえりの声が癒してくれました輝犬との朝の散歩がいい運動となるお腹照三花水木紅の道軽やかに輝排気ガスにも強い細腕のお嬢様照三パリ五輪選考会に名の残る輝55年かけてのマラソン完走照三*1912年マラソンに参加した金栗四三。熱中症にかかり民家で保護され目覚めたのは翌日。ゴールは諦めて帰国。1967年記録上競技継続となっていいることが確認され本人に連絡。競技場一周し晴れてゴールとなった。でんでん虫雨の日晴れの日マイペース輝鍼灸院から炭火とワインに看板変わっても表札変わらず照三お月見は江戸の町並残る関輝※関宿は東海道五十三次。伊勢への道でもあった。鳥居から拝む朝日の春霞照三絵葉書のモデルになった同...フリー句(自由連句)「さよならまたね」の巻
「あまのがわ」278を読んで金澤ひろあき空に黄砂海の底には地震の巣ひろあき1月の能登に続き、4月には四国と九州に大きな地震。御地、大事はありませんでしたか。次々と起こるので心配です。大きな地震の起こるたびに、「南海トラフ」という語も出て不安です。地震に限らず、戦争も起こり、私達が生きていくことがしだいに困難になっている気がしてなりません。天地の災いは止められませんが、人が起こした災いは止められると信じています。さて、いつも「あまのがわ」をお送り頂きありがとうございます。NO、278、表紙絵の中にも「あまのがわ」が描かれていて、配色と被写体のバランス、奥行き、本当に芸術の扉という感じがします。星も月も叩くと氷の音がするかな裏文子もしも、この句の情景を絵で表現すれば、どんな絵になるのでしょう。空想して楽しんで...「あまのがわ」278を読んで
雪舟さん金澤ひろあき涙でねずみを描いた小僧さんが明に渡って絵を学んだああ、これ教科書に載っていたねなんて声もするモノクロの中に色がうかんで違う時間に入ってしまう長谷川等伯、狩野探幽伊藤若冲、尾形光琳おや、北斎さんあなたまでもがお手本にしたのですか雪舟さん日本に大きなものを残しましたねところで、今の私達子孫に何を残しているやら雪舟さん
私に合わせた花道作ってくださるかひろあき私に合わせた
雪舟伝説展覧会金澤ひろあき涙で描いたねずみが本物に見えたという雪舟さん。京都国立博物館で「雪舟伝説」というテーマで見せてくれています。「天橋立図」「四季山水図」などの風景画、「慧可断臂図」の宗教画など、代表作が並びます。雪舟さんは明に行き、名画を模写して技量を高めているのですが、雪舟さんの絵を模写した日本の画家も多いこと。安土桃山時代の長谷川等伯さんは、「雪舟より五代の直系」と称しています。長谷川等伯のライバルだった狩野派も模写。雪舟の「四季山水図」を、徳川吉宗が狩野古信に模写させたものが国宝になっているというから、ややこしい。江戸時代には「画聖」化して、尾形光琳、伊藤若冲、葛飾北斎、曾我蕭白などが影響を受けたといい、スター勢揃いですね。涙のねずみだけでなく、日本の美が動いたのです。「天橋立図」の中の宮津...雪舟伝説展覧会
松尾芭蕉『野ざらし紀行』口語訳金澤ひろあき<後半>桑名本統寺にて冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす旅寝の枕に寝あきて、まだほの暗いうちに浜のほうへ出て、明ぼのやしら魚しろきこと一寸熱田神宮に詣でて社頭は大いに破れ、土塀は倒れて草むらに隠れている。色々な所に縄を張って小さな社の跡を記し、あちこちに石を置いて神の名を記している。よもぎ、しのぶ草が伸び放題に生えているのは、かえってすばらしい状態よりも心がとまるなあ。しのぶさへ枯れて餅かふやどりかな名古屋に入る道中に風吟する。狂句こがらしの身は竹斎に似たるかな草枕犬も時雨るるかよるの声雪見に歩いて、市人よこの笠うらふ雪の傘旅人を見る馬をさへながむる雪の朝かな海辺に日が暮れて、海くれて鴨の声ほのかに白しあちらで草鞋を脱ぎ、こちらで杖を捨てて、旅暮らしのまま年の暮となったの...松尾芭蕉『野ざらし紀行』口語訳<後半>
松尾芭蕉『野ざらし紀行』口語訳金澤ひろあき<前半2>大和の国(奈良)に行脚して、葛下(かつげ)の郡、竹の内という所にこの同行人ちりのふるさとがあるので、数日とどまって足を休める。わた弓や琵琶になぐさむ竹の奥二上山当麻寺に詣でて庭の松を見ると、たぶん千年も経ているのだろう。『荘子』の大木の話と同じく、大きさは牛を隠すとも言っただろう。この松は心がないといっても、仏縁にひかれて伐採の罪を免れたのが、幸いであって貴い。僧朝顔幾死にかへる法の松ひとり吉野にたどり着いた時に、まことに山深く、白雲は峰に重なり、霧雨は谷を埋めて、きこりの家がところどころ小さく、西に木を伐る音が東に響き、寺々の鐘の音は心の底にこたえる。昔よりこの山に入って世を忘れた人が、多くは詩に逃れ、歌に隠れた。いやもう唐土の聖地盧山と同じようだと言...松尾芭蕉『野ざらし紀行』口語訳<前半2>
松尾芭蕉『野ざらし紀行』口語訳金澤ひろあき<前半1>千里にわたる旅に出て、太平の世だから旅路のための食糧を持たず、夜半の月の下、『荘子』の説く理想郷に入ると言った昔の人の教えの杖にすがって、貞享元年甲子の年、秋八月、墨田川のほとりのあばら家(芭蕉庵)を出る時、風音がむやみに寒げである。野ざらしを心に風のしむ身かな秋十とせかへって江戸を指す古郷箱根の関をこえる日は雨が降って、山はみな雲に隠れている。霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白きなにがしのちり(千里)という人は、今回の旅路の助けとなって、万事いたわり心を尽くしています。常に心許した友情が深く、親友の誠実さがあるな、この人は。深川や芭蕉を富士に預け行くちり富士川のほとりを行くと、三歳ぐらいの捨て子で、あわれな様子で泣く子がいる。この川の早い流れにたとえられる浮世...松尾芭蕉「野ざらし紀行」口語訳前半1
フリー句(自由連句)「蔵之介の」の巻蔵之介の大願成就枝垂れ桜佐久間照三定め受け入れ行雲流水金澤輝花冷えやコートの数がまた増える照三ふたば餅前絶えぬ人波輝花吹雪人波何処タクシー乗り場照三待ちぼうけしてぶらんこを漕ぐ輝雨降れば傘さしかける影に笑む照三二人のナイショ小さな指切り輝花筏分け漕ぎ池の真ん中で照三黄砂の空に消える風船輝雨の降る葉桜になり元気増す照三今年の四月現役続行輝雨の日も京都タワーは天を向く照三インスタ映えする撮影ポイント輝宇宙からまた地球の一枚届く照三戦火の廃墟傷塞がらず輝縄文時代にもあった殺戮の跡照三神話の中に語り継がれて輝人はいつ変われるのだろうワンネス照三サナギを脱いで飛翔する蝶輝未来はそれぞれの手の中にある照三日本人初月面着陸輝フリー句(自由連句)「蔵之介の」の巻
若葉に稲荷神輿金澤輝JR京都駅の西南、東寺の東にお稲荷様のお旅所が。例年、若葉の時期に、伏見稲荷の神輿が巡行していますが、コロナのため、去年までは中止。今年は再開されるようで、お神輿が並んでいます。疫去って若葉に稲荷神輿かな輝若葉にお稲荷様の赤が鮮やかです。若葉に稲荷神輿
大学寮金澤ひろあき二条城の西側を南に下り、中京中学校がある辺り。平安時代に大学寮があった跡だそうです。光源氏の息子夕霧が、父の方針で大学に入れられるのですが、ここに通ったのですね。恋人雲居の鴈とも引き離され、父の教育方針で、六位の低い地位から出発した夕霧は、自分の実力で夢を実現して行く決意をします。花の通りの大学寮に夢ありしひろあき大学寮
2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】後半○青島巡紅改めて佐久間照三選特選34冴え返るまだ「思想犯」ある地球金澤ひろあき日本にはなくても世界には確かにまだある。自分の思想信条をいつどこでもはつらつと言える星にしたいものですね。この句の季語のように。並選2客の雨傘梅の花びら一つ二つ塩見すず子ぼかしから一点へのフォーカスが効いています。鮮やかです。13次世代へのバトンタッチが見えてきた墓参老境のポジティブな心境がいいですね。また一つ肩の荷が降りたという安心感も伺えます。17猫寝顔ポケットの春がある野谷真治気持ちよさそうに眠る猫の顔には木漏れ日が当たっていてポケットに手を入れたような温もりが伝わってきた感じがよく出ています。38プーチンの顔から消えたしなやかさ金澤ひろあきいつまで悪役を演じているのでしょ...2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】後半
2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○金澤ひろあき選特選天79自然災害国会戦争もう「イヤ」という訳にもいかない蔭山辰子「肉声」が強く伝わります。社会に向けられた作者の肉声。不幸な、そして起こってしまい、もう避けては通れない現実、いつ終わるか分からない苦しみを見つめています。地62鶏を褒めていただく寒卵三村須美子食べる時の「頂きます」。尊い命を頂いているのです。その思いが伝ってきますね。人54奈良町に墓だけ残し梅供う松村芳子古都奈良の一番古い町。今は他に移り住んでいるのですが、親の思い出、親族への思いを残す様が伝わってきます。お寺があるのですね。春のお彼岸に先立って梅をお供えする心情も伝わります。他、印象に残る句です。5歩いた休んだ梅のひらく音聴いた塩見すず子体験をじかに伝える書き方で、強い印...2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】前半