二条城新緑金澤ひろあき古城古木新たな新緑湧き上がる二条城新緑
二条城新緑金澤ひろあき古城古木新たな新緑湧き上がる二条城新緑
御衣香金澤ひろあき御衣香の花天平の樹下美人※御衣香(ぎょいこう)は桜の品種。御衣香は風の衣ずれ待っている御衣香
二条城と花水木金澤ひろあき武を棄てた城に禁色花水木花水木今瞑想から覚めました花水木
長岡天神初夏景色金澤ひろあき青草をついばみ遊ぶ鵜の夫婦竹馬の猿のご機嫌今一つ猿まわしシナリオ通りいかぬ猿アドリブのほうが大ウケ猿まわし留鳥の淡いつき合い鯉と亀たけのこの露地販売の日永かな長岡天神初夏景色
見返りの桜の石碑芝桜金澤輝※長岡天神境内。見返りの桜の石碑。菅原道真が見返ったという伝説がある。今は数代目の若木。見返りの桜
風渡るキリシマツツジ花の波金澤ひろあきキリシマツツジの橋へ見えない招待状※長岡天神のキリシマツツジ。細川家寄進の石橋にて。キリシマツツジ
ブランコに孤独を一つ乗せている金澤ひろあきもっともっと天を蹴りたいブランコよブランコに
桜の終わり金澤ひろあき桜の終わり見ている地上に留まる私ひろあき尊敬していた先生、親友、両親、見守って下さった方々、先に逝ってしまわれました。残った私は、今年も桜を見ているのです。ダンテの「神曲」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のように、魂の旅路でもう一度巡り逢えたらなどと考えていました。桜の終わり
桜から山吹へ新しい職場金澤ひろあき桜から山吹へ
巫女の舞い花の下には恋みくじ金澤輝花の中龍馬の恋のゆかりの社※京都市中京区武信稲荷の神楽舞台にて。坂本龍馬の逸話も残る。巫女の舞い
花曇り狛犬の顔照れ笑い金澤輝※京都市中京区武信稲荷にて花曇り武信稲荷
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめながら割りきれず花筏水に映した涙色(誤字訂正です)花筏(訂正)
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめはがら割りきれず花筏水に映した涙色花筏
2025年4月京都童心の会通信句会作品この中より、十句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1梅一輪車椅子におすそわけ2車椅子梅一輪に誘われてる3オペの傷春へ着地点さがす4梅一輪腫れがひかない車椅子5現役へ、見直すための病廊下塩見すず子6霜の声、獄舎となる病廊下7折り紙おりざんぶり神秘な病廊下8ポケットにひな菓子つめて病廊下9退院は春寒夕日ありがとう10雪消道走る夫婦の背に赤子11仕事帰り優しい角度の春雨12黒電話鳴り続ける啓蟄13地下鉄サリン事件30年の希薄14ふはっ水木しげる生きている怪火15「漫画家残酷物語」ぬくもりの雪16デコポンがゆったりすわる竹のカゴ17イチゴ達とんがっている自己主張18三月はゆらゆら揺れて待たされる19進級は一回死んでやり直...2025年4月京都童心の会通信句会作品
花曇りの二条城金澤ひろあき花曇り幾度か主変わる城老い散歩若きジョギング花曇り※二条城のまわり、良いコースになっている。花曇り自転車暴走する歩道※何とかならんかな。京都観光にお越しの方は、お気をつけ下さい。花曇りの二条城
2025年3月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天42寺山修司の居る指先の傷口野谷真治寺山修司!その名を聞くだけで、自分の青春の頃とオーバーラップする。私が好んだのは、彼の俳句であり、短歌だったが、当時劇団で影響力を持っていた。彼の書くものは、必ず傷があり、欠落がある。それが私の内なる傷や欠落と響き合った。そして、私があそこまで引き付けられた人は、足早にこの世を去って行った。地4天気図と気になる本の三行目塩見すず子あまり大したことではない、何気ないことだが、けっこうずっと心に引っかかることがある。この句はそういったものの具体例をあげているのだが、「本の三行目」などは、超具体的。最初の一文ではなく、「三行目」というのがミソなのかもしれない。人15母キトクどの道帰った涙の記憶遠藤修司思い詰め...2025年3月京都童心の会通信句会結果選評
2025年3月京都童心の会通信句会結果雅楽の蛇金澤ひろあき3月2日、京都御所の一般公開。雅楽を見る。胡蝶とゲンジョウ楽。ゲンジョウは異国の名らしいが、どんな字を書くのだろう。「幻城」だったら、格好いいかな。好物の蛇を得て喜ぶ様を表しているらしい。舞い手の手にしっかりて蛇の人形が握られていた。そういえば昔、中国に行った時、蛇料理を見た。腹を壊しては嫌なので、食べなかった。舞では喜びを表して、万歳をしているシーンもあるので、よほど美味かもしれない。ともかく雅楽は、太平を祈ったり、めでたい内容であるようだ。蛇穴を出て雅楽の役をつかまつる金澤ひろあき幻の城から胡蝶舞い降りる※「ゲンジョウ」は調べてみると、「還城」でした。皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・・金澤ひろ...2025年3月京都童心の会通信句会結果
トラ猫の風を起こして知らんぷり金澤ひろあきトラ猫の
関税のトランプ吠える草むしり金澤ひろあき草むしり
音もなく降る花故に慰まず金澤ひろあき音もなく
金柑のたわわに父母のなき家に金澤ひろあき金柑の
咲き揃う梅と桜と義経と金澤ひろあき※首途八幡。義経ゆかりの地。源平紅白梅と桜の共演。咲き揃う
日記より4月6日金澤ひろあきもともとの予定では、父の三回忌。母と会う予定だった。母が亡くなり、三回忌は行けぬことになり、京都にいる。人生さまざまなことが起こる。だから、できる時にできることを少しずつでもやることにしているのだが。三回忌でふるさとへは行けないが、朝近くの西山別院へ行き、遠い父母へ念仏を唱える。雨上がりのお寺は清々しい。慰めてくれるようだ。Kさんと会う予定だったが、体調不良とのこと。息子さんより連絡あった。お大事に。気になっていた首途八幡へ行く。金売り吉次が源義経を連れて、平泉へ旅立った所という。源平紅白梅という、一本の梅に紅と白が混じって咲くのがある。隣の公園は桜が満開。梅と桜が共演している。転変の人生だった義経を慰めているかのように。転変のただ中紅の梅白の梅ひろあき遠い父母へ念仏桜ただ中日記より4月6日源平紅白梅
西山別院の桜花の下アイドル服の子が走る金澤ひろあき※西山別院は浄土真宗。桂にある。西山別院の桜
母亡くすしだれ桜の虚空より金澤ひろあきしだれ桜
宝山寺般若窟金澤ひろあき仙窟は立ち入り禁止蜂注意ひろあき※般若窟は、役行者ゆかりの地。宝山寺本堂の後にそびえる。宝山寺般若窟
軍歌はイヤだ昭和百年の桜金澤ひろあき軍歌は
「あまのがわ」282号を読んで○金澤ひろあき「あまのがわ」282号をありがとうございます。父母を見送る私の中の落花ひろあき三年前に父を、昨年親友を、そして今春、母を亡くしました。父も母も九十代で、いつその時を迎えてもとは思っていたのですが、実際亡くなると、私の中に空白が出来ています。そして、夢に九州にいた頃のことが出て来ます。私よりも先に死ぬ人は思い出ばかり遺していく佐藤ローリエ何だか私の心の中の声を述べてくれたようで、共鳴し慰められました。哀しみのひとえから崩れはじめる花筏ますだよりこ「死」や「別れ」といった言葉を使っていないのですが、読んでいるうちに、そういったものを感じさせてくれる句です。この「花筏」、どこへ流れて行くのでしょうか。光風水命の音を胸にため込む裏文子本当にそれらを胸にしまったつもりでも...「あまのがわ」282号を読んで
終わりかけの水仙私がここに金澤ひろあき終わりかけの
また来るね花冷えしんしん父母のお墓金澤ひろあきまた来るね
何も言わなくなった母に思い出話する金澤ひろあき何も言わなくなった
花冷えのふるさともう母もいない金澤ひろあき※写真は太宰府天拝山。父母のお墓の近く。花冷えのふるさと
母を亡くしてふるさと黄砂金澤ひろあき母を
宝山寺梅に教わる道しるべ金澤輝※宝山寺は、奈良と大阪の境、生駒山中にある。歓喜天・不動尊をお祀りする。ここのケーブルは日本最古らしい。宝山寺
おせったい金澤ひろあきおせったいお昼お握り鳩よひろあき「おせったい」は、お遍路さんをおもてなしすること。寺社巡りしている時、公園のベンチでお昼のお握り。こぼしたのを、ひもじそうな鳩が来て食べる。鳩へのおせったいだね。句は五七三の無垢句で書いてみた。おせったい
3月22日急に暖かくなる。初めて鶯を聞く。嵐山急に出番のほうほけきょ金澤ひろあき嵐山急に
山内信一の絵につけ句山鳥の夢に花舞う花に酔う金澤ひろあき※山内信一は、明治の頃の京都の画家。鳥達の体温が伝わって来る。嵯峨嵐山文華館にて。山内信一の絵につけ句
「さんしょ」191号を読んで○金澤ひろあき「さんしょ」191号、ありがとうございます。遠い隣駅まで広がっていた菜の花田んぼひろあき「さんしょ」を読むと、何だか懐かしいなという気持ちになるのです。私が十八歳で離れた故郷の風景が、ふと心に浮かぶのです。静岡の島田から、同じ雰囲気を感じとるからでしょうか。・西風に囃されて干し大根踊る萩原君代こういう光景を当たり前に見ていた農村。今はもう変貌して、ほとんど見られなくなった光景でもあるので、なおのこと私の琴線に触れて来るのでしょうか。・田起こし後路上の泥蹴り膝痛む池田弘農村の土の道、泥道。田起こしの頃には、ツンと匂う。そんな光景が確かにありました。文字通り土相手の仕事と生活がありました。・寒波襲来ズボラ生活してござる杉山朝子北国から来た友人がいました。今はもう亡くな...「さんしょ」191号を読んで
白梅の虚空にほのか舞い姿金澤ひろあき※中京区武信稲荷にて白梅の
再会の春灯ほのぼの金澤ひろあき再会のおしりあたたかい※1年ぶりに、知り合いの方に会う。新年度より就職、正式採用。新しい出発を祝う。再会の
俳句という物語序章二先にも述べたように、「五七五七七」から「七七」を切断し、俳句という詩が成立した時、「物語性」「完結性」を切断したはずであった。ところが、成立してから百年経過するうちに、「物語性」も内包するようになったのではなかろうか。これは例えば、小林一茶の句などに顕著である。秋の風乞食は我を見くらぶる一茶我と来て遊べや親のない雀散文と短詩は、文体も世界も違うものの、「物語」構築にとって必要な要素をシンプルに述べると、「いつ」「どこで」「誰(何)が」「どうした(どうなる)」があげられよう。ただし、日本語では、「主語」と「時制」を細かく言及しないことがあるので、「いつ」と「誰(何)が」を省略しても、物語が成立することもある。(時制に関していえば、古語で細かいニュアンスの違いを示していた、過去「き」「けり...俳句という物語序章二
俳句という物語序章金澤ひろあき一2024年の秋、奈良で開催された現代俳句協会大会の一番末席で、私は知り合いと一緒に、坪内稔典氏の講演を聞いていた。その中で坪内氏は、「皆さんの俳句は残らんでしょう。」と言われた。その言葉が、私の心に残った。日々多くの句が生み出されている。それらの句の中で、「残る句」と「残らない句」があるのは事実だ。残らない句のことを考えても空しいので、では残る句とは何だろうと考えてみた。俳句とは面白さと共に、やっかいさを持つ短詩だ。説明ではいけないと言われる。短歌「五七五七七」は、抒情的な物語を描くことができる。「物語」だから、説明も入っている。そして、結論を歌い上げることができる。自己完結の世界であると言えよう。「五七五七七」の「七七」を切断し、俳諧連歌として出発した時、俳諧は一句での自...俳句という物語序章一
長岡天神雨に梅古今伝授の神の庭金澤ひろあき※細川幽斎が古今伝授を受けた地。雨に梅合格どら焼き販売機雨に梅
去る人の長い話梅香っている金澤ひろあき去る人の
二月堂お水取り暗がりより懺悔の声明観世音金澤ひろあき懺悔の声明余寒の扉の向こうより二月堂お水取り
病院の廊下金澤ひろあき入院中の句友、塩見さんから「病院の廊下」の句が送られて来ました。私もそれに和して。腫れひいて歩幅取り戻すあたたかさ手術で運ばれた廊下自分の足で帰る命の火燃やしている病院の廊下の奥手術説明の声漏れている病院の廊下咲いたら退院病院の廊下から見る桜病院の廊下
病院の廊下金澤ひろあき入院中の句友、塩見さんから「病院の廊下」の句が送られて来ました。私もそれに和して。腫れひいて歩幅取り戻すあたたかさ手術で運ばれら廊下自分の足で帰る命の火燃やしている病院の廊下の奥手術説明の声漏れている病院の廊下咲いたら退院病院の廊下から見る桜病院の廊下
時差で鳴る金澤ひろあきずいぶんあたたかチョッチョと鳥の恋三月十一日まだ傷跡はなおらない三月十一日避難警報時差で鳴る時差で鳴る
2025年3月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき特選天23生きる手をつないでつないで震災の灯塩見すず子阪神大震災以来、本当に多くの地震が起こった。その度に大切なものが失われた。失われたものは戻ってこないけれども、この句の「つないでつないで」のリフレインに、回復への祈りを感じる。のこされた私達の願いがこめられている。地5しがみつく夜の底の古時計野谷真治もう手放すべきなのだろうけれども、執着してしまうもの。この句の「古時計」にそんなものを感じる。「夜の底」の闇が葛藤を表しているような。人14煮大根今年食べたし命あり野原加代子健康を失った時、「命あり」をしみじみと思う。日頃当たり前と思っている生活の中のささいなことの中に。8ドジャーズに3人トリオ楽しみに蔭山辰子私が若い頃、日本人選手がメジャーリーグ...2025年3月京都童心の会通信句会結果
2025年2月京都童心の会通信句会結果堺へ金澤ひろあき一月最後の日。この冬一番の寒さだという。着膨れて今日の私はだんご虫ひろあき大阪の堺市(JR堺市)へ行き、アルフォンヌ・ミュシャの絵を見る。アールヌーボーの浪漫に酔う。美しいデザイン、女性像。大戦前のパリの自由、前衛、そして市民が愛した芸術に心が響く。円光を背にアールヌーボーの四季の巡りの四人の女神啓明JR堺市駅から西へ歩く。方違神社があり、反正天皇陵が隣接している。堺市は百舌鳥古墳群があり、巨大な古墳地帯。瀬戸内海に面し、巨大な王権があったようだ。南海電車の堺東へ着く。堺市役所があり、その21階展望階へ。六甲山や大阪湾が見える。南東に仁徳天皇陵の全容が見える。近い所では大き過ぎて、かえって全容がわからない。眼下の緑大王の墳昭和百年ひろあき同じ階で「さい...2025年2月京都童心の会通信句会結果
仁王門長い日暮れに浮き上がる金澤ひろあき※東大寺お水取りで訪れる。仁王門
水を汲むお堂に春が湧いている金澤ひろあき※東大寺お水取り。2025年3月10日。お水取り
2025年3月京都童心の会通信句会作品この中より、8句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。180才着ぶくれて出る映画館2買いだめの足音集め雪の街3迷いつつ着ぶくれて買う宝くじ4天気図と気になる本の三行目5本に折り目つけせっせと家事につく6片結びする花びら色の母の靴7田舎娘クローバーの緑にまぎれこむ8老いた今です同じ目線の父の本棚9ゆらゆら月の田舎の村の救急車10コーヒー飲んでしきり直し‘’思い出のメロディ”が耳にやさしく11平行線死の間際には合流か12列車待ち新刊マンガ良き香り13田舎者話のメインお母さん14片結びほどけ易きは両結び15母キトクどの道帰った涙の記憶16詩との出会いサトウハチローお母さん17マンガのひとコマ叶えたかった親子の立ちション18...2025年3月京都童心の会通信句会作品
雅楽-自分以外の何か金澤ひろあき雅楽や能舞台のゆるやかな舞いを見ていると、今流れている時間とは違う時の中にいるような気がする。雅楽では、舞い手は蝶になったり、龍になったり、異国人になったりする。能の多くは、二人の対話劇で、ワキという人物が、シテという突然現れた謎の者に出会う。シテは幽霊であったりするのだが、なぜ自分が成仏できずにここにいるのか、どういう思い(悲しみ、恨みが多いのだが)なのかをワキに述べて消えて行く。恐ろしさよりも、かなしさと美しさが漂っている。舞い手は、見ている人の心をうつ「表現」をしているのは確かだ。ただ、その表現は、「自己表現」なのだろうか。雅楽や能の素人である私には、断言できる根拠がないのだが、どうも「自己表現」ではないような気がする。舞い手は、自己の身体を使って龍や幽霊を表現してい...雅楽ー自分以外の何か
遅い梅金澤ひろあき今年は寒いようで、梅の花が遅い。滋賀県長浜の盆梅も開花せず、延期とか。御所の梅もつぼみであった。職員の方も、「例年でしたら、開いているのですがね。」と。そんな中でも、行事は例年通り行われる。振り袖や袴姿で大学の卒業式に向かう若者達の姿も目を引く。今、勤めている通信制の高校でも卒業式。頑張った皆さん、これからご活躍下さい。あたたかや確かな一歩この日よりひろあき※京都御所の梅。遅い梅
弘法さん金澤ひろあきシミとか雲が、人の顔など、何か別のものに見えることがある。中学の頃だっただろうか。昭和五十年ぐらいだったと思う。福岡の北部に居たが、家のあった集落は、山や田畑に囲まれていた。その山の奥にバイパスが通った。山の中に、高速道路が、突如出現したのである。道路はかつての山を削った。昔の山道が寸断されるので、コンクリートの橋を作り、昔の山道をつないだ。そのコンクリートの橋脚の面に、「弘法さんが現れた」と評判になった。地元の新聞も取り上げて、大騒ぎになった。私も見に行った。東側のコンクリートの橋脚の面に、くっきりと人が立つ姿が浮き出ている。背丈は三メートルほどある。坊主頭で、お地蔵さんか弘法大師のようにも見える。お花や線香などのお供えもされている。これは何かの知らせ、メッセージだという人もいる。一...弘法さん
青島巡紅様を偲んで蔭山辰子京都童心の会通信句会に参加させて頂き、会員の皆様の句を毎月楽しみにしております。青島巡紅様の数多くの句の中、好きな御句を思い出されます。2023年10月号の、17番雲切れてここにいるぞとオリオン座18番散歩道双子座の間を流れ星19番背伸びして歩いた道の蝉時雨21番素振りする少年無心空を切る夏の暑さが十月過ぎまで続いた年でした。ようやく朝夜の外気が快よくなって来た頃の御作だったのです。同じ号、私の句にも評をいただきました。63番ああ今日は何もせず風と共に去る62番スカーレット・オハラ少し見たら昼寝しようの二句に、風通しをよくしたパロディーのような面白さがあると、云って下さいました。嬉しかったです。私には知らないことが多く、これからも教えて頂きかったです。合掌青島巡紅様を偲んで
赤猿金澤ひろあき私が小学生の頃だったから、昭和四十年代である。福岡北部、福間という所にいた。新しく作られた住宅街に住んでいたが、周りは山や田畑に囲まれていた。山には、杉や松、ハゼや樫の木に覆われ、夜は本当にまっくらだった。その山に「赤猿が出る」という噂が広がった。赤猿は狂暴なので山に入ってはならないと言われた。赤猿はその名の通り真っ赤で、家の大きさぐらいだったと言い出す者もいた。しかし、山と山の谷間にある田畑で仕事をする人は、どうすればよいのだろう。ある日の午後三時頃、ついに地元の消防団や若い男たち四十人ほどが集まった。手には木刀や鎌を持つ者もいる。男たちの一団は、赤猿を退治すると言い、山の方へ向かう。子供たちや女たちは、後ろから恐る恐る、野次馬でついて行く。山の入口に着いた。男たちの行進はそこで止まった...赤猿
雅楽胡蝶金澤ひろあき胡蝶舞う抜け出る源氏物語幻の城から胡蝶舞い降りる胡蝶舞い蛇穴を出る雅楽の音胡蝶舞う人垣の中ちらちらと雅楽胡蝶
大文字も御殿も雅楽の借景に金澤ひろあき雅楽借景
蛇穴を出て雅楽の役をつかまつる金澤ひろあき春の雨太平豊饒雅楽舞う※3月2日京都御所一般公開にて。雅楽
清涼殿百代の御殿の几帳春の風金澤ひろあき清涼殿
もの思い続く残り香牛車出づ金澤ひろあき残り香を抱く牛車の朝寝の夢牛車
常春の仙人住まう御所の門ひろあき※御所の正門、建礼門。金具に仙人を描く。常春の
高御座金澤ひろあき京都御所の公開。紫宸殿と高御座を見る。上皇様、今上様と平和な日本が続いているのはありがたい。そんなことを思う。高御座平和な国を継がれる春ひろあき高御座
新聞に出ない「財務省解体」デモが三度あったと金澤輝※新聞には載っていないことが、SNS上では出ていることが多い。このデモもユーチューブで見た。国民民主党の副代表も触れていた。テレビ・新聞で取り上げないことが出ているSNSを信用する風潮になっているのは、こんな所に理由があるのだろうか。新聞に出ない
春の雪金澤ひろあき春の雪が降る昼のことである。ある料理店の、私の隣の席に、三十代に見える男女が座った。恋人のようである。そのうち二人は、共通の知り合いであるSという男のことを話し出した。Sはカリスマ性を持ち、中学時代から、多くの人の憧れであったらしい。現に女性のほうはワインを飲みながら、「憧れていて、真剣に結婚したいと思っていた」と、涙を浮かべながら言う。二人は社会人になってすぐに、Sが興した会社に参加している。Sはカリスマ性を発揮し強気に進んで行くのだが、細かいフォローをせず、あちこちで破綻し迷惑をかけたらしい。結局うまく回らなかったのだが、Sは魅力ある人物なのだろう。もといた会社に戻り、うまくやっている。話をしている二人は、もといた会社にも戻ることができず、借金もかかえ、男のほうは離婚も経験している。...春の雪
【詩】拝啓大統領閣下金澤輝偉大なる大統領閣下強気な大統領令署名で忙しい中おそれいります私のご提案も大統領令署名いただけませんでしょうか世界の平和のため紛争地で苦しむ人々をワシントンDCとニューヨークのロングアイランドに「移住させる」移住費用は「周辺の裕福な州が負担する」そしてワシントンDCとニューヨークを「豪華なリゾート化」し「平和と繁栄」をもたらす閣下こういう主張をする人物をどう評価されますか※写真は一休さん。【詩】拝啓大統領閣下
2025年1月句会選追加○遠藤修司特選69紀元前のミイラの足に絹の赤い靴金澤ひろあきこの世に生を受け、喜び踊る足には赤いクツ。ロマンを感じます。すばらしい句と思いました。選1聖き夜に誕生ローソク八十八松村芳子2手作りのチャンチャンコ綿匂う松村芳子15駅前より鋼の匂い父の街金澤ひろあき20留守宅を守る洗濯物もある金澤ひろあき28春支度諦める長い鼻毛野谷真治38変な夏へんな秋なし急な冬蔭山辰子51夕食にぶり大根や母の味野原加代子55惜しむ年明けても歩き前見たし蔭山辰子65こちらを見ているラクダよ秋ふくらんだ塩見すず子66紀元前の音階にまみれ80代の歩巾塩見すず子68シルクロード砂漠の壺を抱いて寝る塩見すず子74ぽっちゃりの美人ほほえむラクダの背金澤ひろあき※シルクロード展の赤い靴2025年1月句会選追加
昭和百年磁気定期券無くなる春金澤ひろあき※阪急電車、廃止とのこと。困る人、出てこないかな。磁気定期券
乗り手なき冬の真昼のブランコを寄り添う風がそっと揺らすよ金澤輝真昼のブランコ
【自由連句】自由連句「すきま風」の巻すきま風裏に電車が通る家金澤ひろあき友と又風景変わらずつながり強し河本美子冬ごもり友が尋ねしお祭り騒ぎ美子花束くくったままに月日過ぐ美子頭数足りてバランスとれましたひろあき準備中シューズの紐の解けたままひろあき三人句会トライアングル久方ぶり生嶋節子近い山遠い山からつぎつぎに木魂ひろあき次の駅知らぬまま過ぐ玉手箱美子金魚鉢飛んでもはねても飛び出せず節子叱っても猫のちょっかい止みませんひろあき鼻のてっぺん止まったハエに目を回す美子猫派犬派どちらもあの世逢えはせず美子心うわつくひとりごと節子足もとにみえぬしがらみ踏みつけて節子天の邪鬼蛙のようにぺっちゃんこひろあき苦言はリズムと口ずさむ節子にが虫ものみこみのみこみ甘い汁節子酔って止まった指先の蝶ひろあき口ゲンカ止まらぬ心と鉾先...自由連句「すきま風」の巻
日記より金澤輝(ひろあき)2月15日。嵯峨嵐山文華館「アイラブ百人一首」に行けた。百人一首に名画を見立てて配している。加山又造の、垂れ桜におぼろ月の「おぼろ」は幻想的。加山さんの幻想的な裸婦画を見て以来、ファンになっている。横山大観の海の描き方にも感銘を受ける。描かれていない強い風の存在を感じる。それに対し、長沢芦雪「月夜紅葉図」は静の美。日本画は奥深い。伝定家「小倉色紙」も見る。定家筆は連綿でなく、現代の私達にも読みやすい。坂上是則の「朝ぼらけ」であった。加山又造の「おぼろ」に描かれた垂れ桜におぼろ月黄金の光永遠の静けさ金澤輝日記より2月15日
2025年1月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天68シルクロード砂漠の壺を抱いて寝る塩見すず子シルクロードの砂漠の中の都市は、今は廃墟になってしまったものもある。漢から唐にかけては交流が盛んで栄え、ローマやペルシア、インドの文化も運ばれて来た。当時の栄華を知っている壺などを見ると、そのデザインの新しさに心ひかれる。栄華の夢を見させてくれる。人間は昔から、遠い所との交流・交換をして生きている。ある意味、それが「人間らしさ」なのかもしれない。地58ナゼ残るリアルなラクダと想像の龍遠藤修司古代に栄えたシルクロードの遺跡。その出土品に、ラクダの姿と龍の姿が生き生きと描かれる。片や砂漠の実在する身近な動物。片や水に関係する想像上の存在。実在と想像が出会い、長い時間を経て来た不思議に、心動かされる...2025年1月京都童心の会通信句会結果【選評】
2025年1月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天68シルクロード砂漠の壺を抱いて寝る塩見すず子シルクロードの砂漠の中の都市は、今は廃墟になってしまったものもある。漢から唐にかけては交流が盛んで栄え、ローマやペルシア、インドの文化も運ばれて来た。当時の栄華を知っている壺などを見ると、そのデザインの新しさに心ひかれる。栄華の夢を見させてくれる。人間は昔から、遠い所との交流・交換をして生きている。ある意味、それが「人間らしさ」なのかもしれない。地58ナゼ残るリアルなラクダと想像の龍遠藤修司古代に栄えたシルクロードの遺跡。その出土品に、ラクダの姿と龍の姿が生き生きと描かれる。片や砂漠の実在する身近な動物。片や水に関係する想像上の存在。実在と想像が出会い、長い時間を経て来た不思議に、心動かされる...2025年1月京都童心の会通信句会選評
2025年1月京都童心の会通信句会結果玄武金澤ひろあき京都の四方を神が守って下さっているそうだ。北方は玄武が守っている。朱雀や青龍はある程度お馴染みかもしれないが、玄武は今一つ知名度が低そうだ。格好も蛇と亀が合体したもので、朱雀や青龍のような早そうな格好ではない。しかし、私は玄武が気に入っている。まず、玄武のいる北方は、帝に一番近い。天体でも北極星があり、動かず宇宙の中心と信じられていた。動かないから、じっとしている蛇や亀がいいのだ。帝より目立ってはまずいので地味に、でもどっしりとかまえている。玄武の「玄」は「黒」の意味だ。年をとってくると、黒やグレーに魅力を感じるようになってきた。落ち着くし、瞑想にも誘ってくれる。書の墨も黒の芸術だ。そして、2025年は巳年。蛇の年だ。玄武の片方が主役となる。玄武の蛇と...2025年1月京都童心の会通信句会結果
妄執の金澤ひろあき「世は全て妄執にてはべり」と言う。妄執のかなしき芽吹き能舞台ひろあき妄執の
希望とは雪の下から青き苔金澤ひろあき青き苔
日記より2月9日冠句会雪あがる。道にはたくさん残っているが。今月ようやく冠句会に参加できた。白い視野親しい人ら待つ句会ひろあきという感じ。本当に久しぶりの句会。懐かしく、和やかだった。私の出句。白い視野木魂がかえる友死す山(天)混んだ席神楽の神話動き出す(人)共に思いが深い句で、評価されて嬉しい。特に前句の「友」とは、色々な事があっただけに。日記より2月9日冠句会
ペンギン歩き金澤ひろあき2月8日午後、少し雪やみ、買い物で外出。近くの桂地蔵の雪景色にほっとする。雪道を恐る恐る年令が出るひろあき子供らは新雪の所、楽しげに歩く。私達は雪の無い所を選んで、恐る恐る。雪景色雪避けペンギン歩きかな一二三家族総出よ雪だるまペンギン歩き
日記より2月8日京都大雪金澤ひろあき昨夜より雪。朝は雪の匂いで起きた。天気が良ければ、嵐山文華館へ行く予定だったが、無理そうだ。雪見て過ごすも楽し。すべるなこけるな老人と受験生ひろあき雪匂う愛も哀もあった町雪ごもり読めなかった新聞ゆっくりと贅沢な汗かいていたスキー場※若い頃、スキーを教えて下さった先輩方が亡くなった。あの頃を振り返ると、いい時間だったと思う。白い視野嵯峨野縦切り桂川日記より2月8日京都大雪
受験期や「すべった」禁句玉霰金澤ひろあき※道路も凍結。お気をつけて。玉霰
低気圧縦縞模様阪神の吉田義男氏亡くなった日に金澤啓明縦縞
この冬の一番寒い日の夢に別れた人の声が聞こえた金澤啓明この冬の
追悼吉田義男氏ダメ虎が無敵になったあの年はダメな私も就職した年金澤啓明※写真大阪法善寺横丁追悼吉田義男氏
春灯や手まりの歌が町屋より金澤ひろあき春灯や
池に映す神話の姿冬木立金澤ひろあき※堺市。反正天皇陵。池に映す
眼下の緑大王の墳昭和百年金澤ひろあき※堺市役所展望階から、仁徳天皇陵を見る。眼下の緑
スナイパー劇画最上展望階金澤ひろあき※堺市役所21階展望所にて。「ゴルゴ13」の作者、さいとうたかお氏は、堺市出身。スナイパー
アルフォンヌ・ミュシャの絵を見る堺市にて円光を背にアールヌーボーの四季の巡りの四人の女神金澤啓明アルフォンヌ・ミュシャの絵を見る
善想寺石仏(中京区)金澤ひろあき石仏の笑みのお迎え日向ぼっこひろあき※平安末阿弥陀仏善想寺石仏
無限の螺旋金澤ひろあき土器の壺神話の蛇の永き冬眠縄文から無限の螺旋の蛇が出る何もかも忘れ正月休みの茶正月の罪も無さげな瑠璃の空豪雪のキャベツ一玉千円の朝裸木よ私も一人の山頭火秘曲舞う雨から雪に緋の袴一月十七日合掌する老いたうしろ姿動けるうちは働くでっかい足裏バビロンの塔神様雷(いかづち)落とさないかしめ縄やいかづちともいい蛇ともいい無限の螺旋
じゃんじゃん金澤ひろあき大阪、天王寺に行った時、「じゃんじゃん横丁」に寄りました。食べ物屋さんが並び、庶民的な通りです。大学時代、大阪の友人に連れて来てもらって以来、何度か来ています。将棋・囲碁会所があって、見知らぬ人とさせたのもこの町ならでは。なんせ〚王将〛のモデル大阪名人坂田三吉の地元。じゃんじゃん横丁の名前は、昔この辺り、三味線がじゃんじゃん鳴っていたからだそうな。三吉の頃三味線の響く町ひろあきじゃんじゃん
節分近し金澤ひろあき今年ももう節分の声を聞くようになりましたね。毎年、京都は節分はなぜかとても寒くなります。観光の方など、寒さ対策十分に。お多福に言い寄る鬼の片思いひろあきお多福に払われ鬼の片思い節分近し
高層のビルから眺むその下の小さな町に生きて寄り添う金澤ひろあき※あべのハルカスにて。高層の
夢二好み瞳けだるい秋の風ひろあき※大阪天王寺、あべのハルカス美術館にて。夢二好み
「さんしょ」190号を読んで金澤ひろあき「さんしょ」190号、ありがとうございます。戦争の足音背中あわせの夢二の画ひろあき大阪で竹久夢二展があったので、見て来ました。大正ロマンを推し進め、叙情的な画を沢山残した竹久夢二ですが、震災にあったり、愛する人を喪ったりで、苦しい人生を生きた人でもありました。洋行した時、パリの自由な雰囲気を好み、ドイツのしだいにファシズム化していく社会を嫌う手記も見ることができました。私達も今、同じような状況なのかもしれないと、自分事のような気がします。和服着た淑女の背中越し化粧富士池田弘竹久夢二の画にも出て来そうな構図。こういう穏やかな光景が、ずっと続いてほしいです。自画像からとび出す戦死した若者の声鈴木喜夫長野県上田にある無言館の絵画でしょうか。短い生の中、絵画を描くことを本当...「さんしょ」190号を読んで
「あまのがわ」281号を読んで拝復「あまのがわ」NO、281拝受。いつもありがとうございます。アメリカのレモン自由の香りしたものだったひろあき若い頃と比べると、世界がとても変化しました。例えば、アメリカは、多くの問題を抱えつつも「自由」の象徴でもあったのですが、今後どうなるのでしょうか。なんだか不安の要素が増えているような。そして何か希望となるものを求めたいような。そんな日々です。微力な自分は、自分の生きている地域で考え、微力ながら、短い言葉で綴っていくしかなのですね。「あまのがわ」の皆様の作品にも、同じような生き方・書き方をされている人がいらっしゃっるので、響くものを感じます。そういう方々と、心開いて対話してみたいという気持ちもあります。おしゃべりも日差しも公園のベンチで待っている副枝保子待ってくれる人...「あまのがわ」281号を読んで
やられたらやり返す猫の喧嘩も戦争も金澤ひろあき※早朝から猫が大喧嘩。起きてしまいました。でも同じ愚行を人間も続けている。猫を責められないか。猫喧嘩
当麻寺大わらじにつけ句金澤ひろあき動けるうちは働くよでっかい足裏金澤ひろあき※若者に人気がない教員を長くやっています。働きながら学べたし、良い出会いも体験もありました。しんどいばかりではありませんよ。当麻寺大わらじにつけ句
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二条城新緑金澤ひろあき古城古木新たな新緑湧き上がる二条城新緑
御衣香金澤ひろあき御衣香の花天平の樹下美人※御衣香(ぎょいこう)は桜の品種。御衣香は風の衣ずれ待っている御衣香
二条城と花水木金澤ひろあき武を棄てた城に禁色花水木花水木今瞑想から覚めました花水木
長岡天神初夏景色金澤ひろあき青草をついばみ遊ぶ鵜の夫婦竹馬の猿のご機嫌今一つ猿まわしシナリオ通りいかぬ猿アドリブのほうが大ウケ猿まわし留鳥の淡いつき合い鯉と亀たけのこの露地販売の日永かな長岡天神初夏景色
見返りの桜の石碑芝桜金澤輝※長岡天神境内。見返りの桜の石碑。菅原道真が見返ったという伝説がある。今は数代目の若木。見返りの桜
風渡るキリシマツツジ花の波金澤ひろあきキリシマツツジの橋へ見えない招待状※長岡天神のキリシマツツジ。細川家寄進の石橋にて。キリシマツツジ
ブランコに孤独を一つ乗せている金澤ひろあきもっともっと天を蹴りたいブランコよブランコに
桜の終わり金澤ひろあき桜の終わり見ている地上に留まる私ひろあき尊敬していた先生、親友、両親、見守って下さった方々、先に逝ってしまわれました。残った私は、今年も桜を見ているのです。ダンテの「神曲」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のように、魂の旅路でもう一度巡り逢えたらなどと考えていました。桜の終わり
桜から山吹へ新しい職場金澤ひろあき桜から山吹へ
巫女の舞い花の下には恋みくじ金澤輝花の中龍馬の恋のゆかりの社※京都市中京区武信稲荷の神楽舞台にて。坂本龍馬の逸話も残る。巫女の舞い
花曇り狛犬の顔照れ笑い金澤輝※京都市中京区武信稲荷にて花曇り武信稲荷
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめながら割りきれず花筏水に映した涙色(誤字訂正です)花筏(訂正)
花筏神泉苑の艮へ金澤輝※社寺の艮は、何かあるような気がする。花筏あきらめはがら割りきれず花筏水に映した涙色花筏
2025年4月京都童心の会通信句会作品この中より、十句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1梅一輪車椅子におすそわけ2車椅子梅一輪に誘われてる3オペの傷春へ着地点さがす4梅一輪腫れがひかない車椅子5現役へ、見直すための病廊下塩見すず子6霜の声、獄舎となる病廊下7折り紙おりざんぶり神秘な病廊下8ポケットにひな菓子つめて病廊下9退院は春寒夕日ありがとう10雪消道走る夫婦の背に赤子11仕事帰り優しい角度の春雨12黒電話鳴り続ける啓蟄13地下鉄サリン事件30年の希薄14ふはっ水木しげる生きている怪火15「漫画家残酷物語」ぬくもりの雪16デコポンがゆったりすわる竹のカゴ17イチゴ達とんがっている自己主張18三月はゆらゆら揺れて待たされる19進級は一回死んでやり直...2025年4月京都童心の会通信句会作品
花曇りの二条城金澤ひろあき花曇り幾度か主変わる城老い散歩若きジョギング花曇り※二条城のまわり、良いコースになっている。花曇り自転車暴走する歩道※何とかならんかな。京都観光にお越しの方は、お気をつけ下さい。花曇りの二条城
2025年3月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天42寺山修司の居る指先の傷口野谷真治寺山修司!その名を聞くだけで、自分の青春の頃とオーバーラップする。私が好んだのは、彼の俳句であり、短歌だったが、当時劇団で影響力を持っていた。彼の書くものは、必ず傷があり、欠落がある。それが私の内なる傷や欠落と響き合った。そして、私があそこまで引き付けられた人は、足早にこの世を去って行った。地4天気図と気になる本の三行目塩見すず子あまり大したことではない、何気ないことだが、けっこうずっと心に引っかかることがある。この句はそういったものの具体例をあげているのだが、「本の三行目」などは、超具体的。最初の一文ではなく、「三行目」というのがミソなのかもしれない。人15母キトクどの道帰った涙の記憶遠藤修司思い詰め...2025年3月京都童心の会通信句会結果選評
2025年3月京都童心の会通信句会結果雅楽の蛇金澤ひろあき3月2日、京都御所の一般公開。雅楽を見る。胡蝶とゲンジョウ楽。ゲンジョウは異国の名らしいが、どんな字を書くのだろう。「幻城」だったら、格好いいかな。好物の蛇を得て喜ぶ様を表しているらしい。舞い手の手にしっかりて蛇の人形が握られていた。そういえば昔、中国に行った時、蛇料理を見た。腹を壊しては嫌なので、食べなかった。舞では喜びを表して、万歳をしているシーンもあるので、よほど美味かもしれない。ともかく雅楽は、太平を祈ったり、めでたい内容であるようだ。蛇穴を出て雅楽の役をつかまつる金澤ひろあき幻の城から胡蝶舞い降りる※「ゲンジョウ」は調べてみると、「還城」でした。皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・・白松いちろう修・・遠藤修司辰・・蔭山辰子ひ・・金澤ひろ...2025年3月京都童心の会通信句会結果
トラ猫の風を起こして知らんぷり金澤ひろあきトラ猫の
関税のトランプ吠える草むしり金澤ひろあき草むしり
音もなく降る花故に慰まず金澤ひろあき音もなく
2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】後半○青島巡紅改めて佐久間照三選特選34冴え返るまだ「思想犯」ある地球金澤ひろあき日本にはなくても世界には確かにまだある。自分の思想信条をいつどこでもはつらつと言える星にしたいものですね。この句の季語のように。並選2客の雨傘梅の花びら一つ二つ塩見すず子ぼかしから一点へのフォーカスが効いています。鮮やかです。13次世代へのバトンタッチが見えてきた墓参老境のポジティブな心境がいいですね。また一つ肩の荷が降りたという安心感も伺えます。17猫寝顔ポケットの春がある野谷真治気持ちよさそうに眠る猫の顔には木漏れ日が当たっていてポケットに手を入れたような温もりが伝わってきた感じがよく出ています。38プーチンの顔から消えたしなやかさ金澤ひろあきいつまで悪役を演じているのでしょ...2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】後半
2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○金澤ひろあき選特選天79自然災害国会戦争もう「イヤ」という訳にもいかない蔭山辰子「肉声」が強く伝わります。社会に向けられた作者の肉声。不幸な、そして起こってしまい、もう避けては通れない現実、いつ終わるか分からない苦しみを見つめています。地62鶏を褒めていただく寒卵三村須美子食べる時の「頂きます」。尊い命を頂いているのです。その思いが伝ってきますね。人54奈良町に墓だけ残し梅供う松村芳子古都奈良の一番古い町。今は他に移り住んでいるのですが、親の思い出、親族への思いを残す様が伝わってきます。お寺があるのですね。春のお彼岸に先立って梅をお供えする心情も伝わります。他、印象に残る句です。5歩いた休んだ梅のひらく音聴いた塩見すず子体験をじかに伝える書き方で、強い印...2024年3月京都童心の会通信句会結果【選評】前半
2024年3月京都童心の会通信句会結果春桃会金澤輝三月三日雛祭。京都東山七条の三十三間堂は春桃会(もものほうえ)で拝観無料。嬉しいですね。晴れてはいますが、寒いです。でも人はいっぱいです。まずはお堂の周りを一周。桃の節句ですが、実際は梅が咲いています。三十三間堂一周日の永く輝お堂の長さを実感します。お堂の中に入るのは、何年ぶりでしょう。千体の千手観音立像が雛壇のように立ち並んでいます。まん中に大きな千手観音座像。縁を結ぶための紐をお持ちです。観音立像の前には、風神、雷神、四天王、修羅、仁王、自在天など、個性的な神が守っています。全て国宝。大迫力です。千の手に千の春乗せ千一体輝※輝(かがやき)は、ひろあきのペンネームです。社寺を訪れた時の文は、輝を使おうと思っています。皆さんの選です。選者真・・野谷真治白・...2024年3月京都童心の会通信句会結果
寝そべり人生もいいさ口下手な桜ひろあき寝そべり人生
フリー句(自由連句)「上着のボタン」の巻上着のボタンみんな外して春が来る金澤輝四月一日朝風呂の後暖房つけず佐久間照三花の数観光客とどちらが多い輝市民生活ずたずたのツケはどこ行く照三新年度人手不足で回らない輝なるようになる世の不思議照三地上スレスレふたたび凧が舞い上がる輝手にも汗まだまだ続く喧嘩凧照三祭の後乾杯をするノーサイド輝酒好きな日本の神様花の宴照三唄い踊り笑って開く天岩戸輝おはようと肩凝り解す朝日浴ぶ照三手術跡時々チクリまだ厚着輝それぞれの朝来て夕の鐘が鳴る照三アニメ聖地の次は心霊スポットへ輝微風に柳と桜のデュエット照三マフラーもコートも急に色あせる輝冷房や膝のカイロは色あせず照三スーツにネクタイ真夏の営業こたえるよ輝オアシスはもうどこにもない電子戦照三月からの映像かぐや姫は居ず輝心の片隅あって欲し...フリー句(自由連句)「上着のボタン」の巻
一寸法師の奉公地金澤輝四条大宮から大宮通りを北へ。三条商店街の手前の六角通りを左手(西)へしばらく行くと、木がこんもりと茂ったお社へ。武信稲荷とあります。花や楠が美しいので入ると、ここは一寸法師が奉公した邸跡だそうな。一寸法師はお碗の舟に乗り、針の刀を差して、立派な武士になるために京の都へ。そこで西三条殿に気に入られ、奉公します。このお社は、西三条殿の邸跡に建てられのだそうです。西三条殿のお姫様を襲った鬼を退け、鬼が落とした打出の小槌で背丈が伸び、立派な武士になって、めでたしめでたし。そんなお話でしたね。一寸法師背丈の伸びた花社輝一寸法師の奉公地
2024年4月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1自転車倒す草の上の春眠2ひとりごと食べる虫の余寒3亡き女(ひと)おいとま庭先の雪間4ゆららゆれおちる街灯の初蝶5糸桜応じる公衆電話6穴のあいた財布をポイ!おニューにしたら福が残った7コンビニトイレ一目散扉に手をかけ引いたなら「入ってます」とオナラで返事8良い友人とつきあいたいならばなれよ自分が先に良き友人に9果物はクサる前が一番おいしいって自分も頑張れ!クサる手前で10「私人間卒業します」一同大爆笑!11中学卒業金ぱつ頭今2児のお父さんで光ってる12手をさすり土たがやして種まき桜13降る雪にゴルフボールの吸われゆく14道たづね上ガル下ガルに京余寒15話す役聞く...2024年4月京都童心の会通信句会作品
夜もすがら雨の音聞く桜かなひろあき夜もすがら
フリー句(自由連句)「自転車を」の巻自転車をネットにテニスするカップル佐久間照三二人の間に見えない糸が金澤輝幸せな一時がやがて大輪の花照三遣唐使船持ち帰った種輝伝播した国々の土壌に息づく仏教照三柚子香り精進料理ととのえる輝石の上に三年柚子の実なるのに十年照三四千歳の屋久島の杉輝宇宙の時間一瞬の生の光照三もしかして夢だったかも走馬灯輝花開く一瞬逃すなカメラマン照三スキをうかがい猫パンチ出す輝猫の尾を烏突いて飛んでいく照三高き梢で勝利宣言輝勝利宣言浮かんでこない春の泥土照三桜日和であくび沢山輝心も体もお布団の中で猫になる照三高価なサプリ使わず健康輝起きてすぐウォーキングでおはよう照三長寿の村に移住希望者輝百歳まで生きるぞとラジオ体操照三御所の花見はこれからですね輝※京都御苑の桜です。フリー句(自由連句)「自転車を」の巻
鐘響きやまず花降りやまず金澤輝※写真は西京区西山別院。鐘響き
徳山とスペースワールドと金澤ひろあき父の一周忌で福岡へ行く途中、徳山と北九州市八幡を通りました。昭和の頃、日本の産業の中心は重化学工業でした。金属産業や石油化学産業が盛んだったので、徳山も北九州の工場もフル稼働でした。徳山のコンビナートは、煙突から煙が出ていましたし、夜景が話題になっていました。その頃、大学生だったのですが、九州と関西を行き来するフェリーから、徳山の色鮮やかな夜景を楽しんだこともありました。父も元気だった昭和の徳山の夜景ひろあき北九州市八幡は、巨大な製鉄所があり、高炉が象徴のような街でした。私の父もここの社員でした。今は高炉も製鉄所も全てなくなってしまいました。跡地に建ったスペースワールドも無くなったようで、駅も寂しいです。おもかげを残す駅の名雨の音ひろあき※徳山とスペースワールド駅です。徳山とスペースワールドと
徳山とスペースワールドと金澤ひろあき父の一周忌で福岡へ行く途中、徳山と北九州市八幡を通りました。昭和の頃、日本の産業の中心は重化学工業でした。金属産業や石油化学産業が盛んだったので、徳山も北九州の工場もフル稼働でした。徳山のコンビナートは、煙突から煙が出ていましたし、夜景が話題になっていました。その頃、大学生だったのですが、九州と関西を行き来するフェリーから、徳山の色鮮やかな夜景を楽しんだこともありました。父も元気だった昭和の徳山の夜景ひろあき北九州市八幡は、巨大な製鉄所があり、高炉が象徴のような街でした。私の父もここの社員でした。今は高炉も製鉄所も全てなくなってしまいました。跡地に建ったスペースワールドも無くなったようで、駅も寂しいです。おもかげを残す駅の名雨の音ひろあき※秋月城と徳山です。徳山とスペースワールド
雨の中の花がうつむく一周忌ひろあき※福岡県、秋月城への桜並木です。雨の中
フリー句(自由連句)「春の午後」の巻春の午後バイクに乗って墓参り青島巡紅鼻歌が出るいい日旅立ち金澤ひろあき高一から通う喫茶店の珈琲とマスター巡紅片や白髪で片や禿げてるひろあき桜の下ビンゴ大会大当たり巡紅ナニワの春は青空カラオケひろあき花吹雪舞う公園は行き場なし巡紅馬券売場に並ぶおっちゃんひろあき穴馬の春一番に紙吹雪巡紅帰りの電車大いびきかくひろあき担当のクラスの子らがくすくす笑う巡紅英語の発音関西なまりでひろあき旅先では外国人の人気者巡紅ロサンゼルスで大谷さんとひろあきヒーローに国籍問わないお国柄巡紅ゴジラがとったアカデミー賞ひろあき80歳なっても宮崎駿世界に吠える巡紅夢を伝えに来る花の精ひろあき雨上がり虹を仰いでペダル漕ぐ巡紅嵯峨野竹林風を追い抜くひろあき雪柳をより白くする名残り雪巡紅春分の日の翌日の朝...フリー句(自由連句)「春の午後」の巻
鴨去ってお城の堀の花騒ぐひろあき※二条城のお堀です。鴨去って
鴨去ってお城の堀の花騒ぐひろあき※二条城のお堀です。お城の堀の花騒ぐひろあき※二条城のお堀です。鴨去って
北の花南の花へ橋渡るひろあき※京都府南部、井手町玉川の花。北の花
「さんしょ」185号を読んで金澤ひろあき「さんしょ」185号、ありがとうございます。今、若い人逹の間で、1970年代頃がブームになっているそうです。私もユーチューブ上で見てみました。月着陸、最初の大阪万博。女性のミニスカート、ホットパンツ、パンタロン。男性のジーンズと長髪。歩行者天国で初めて登場したカップ麺、学生運動の様子など。スマホもパソコンもなく、今よりも貧しかったはずですが、当時の若者の表情が、今に比べて遥かに明るいのです。自分達の意志で社会が動くという手応えと未来が明るいという予想。そして好景気。それらが当時の若者を明るい表情にさせていたのかもしれません。そしてその明るさを、五十年後の若者が「素敵だ」という。今の自分にない物を見つけ、憧れているような気がします。「さんしょ」を読んでいると、当時の若...「さんしょ」185号を読んで
幻住庵記口語訳3今の暮らしたまたま気分の良い時は、谷の清水を汲んで自分で調理する。西行ゆかりのとくとくの雫を侘びてあこがれ、家の中にはたった一つの炉がある軽々とした暮らしだ。また、昔住んでいた人が特に心高く住みなしていまして、手の込んだ趣味的な造作もない。持仏一間を隔て、夜具を収めることができる所など少し設けている。そのように何もない小さい庵だが、筑紫高良山の僧正は、加茂神社の神官甲斐なにがしの令息で、このたび京都に来ていらっしゃったのを、ある人を通して庵の額を乞うた。僧正はとてもやすやすと筆を染めて、「幻住庵」の三文字を書いて送られた。そのまま草庵の記念とした。まったく山居といい旅寝といい、これといった調度品をたくわえる必要もない。木曽特産の桧笠、越路産の菅でできた蓑ぐらいを机の上の柱に掛けている。昼は...幻住庵記口語訳3
幻住庵記口語訳2眺望四月初めという時期だけに春の名残りも遠くなく、つつじが咲き残り山藤が松にかかって、ほととぎすがしばしば立ち寄るほど、宿を貸すかしどり(かけす)の訪れまでもあるのを、キツツキがつつくのもかまわないとそぞろに興じて、魂は(杜甫の詩に詠われたように)呉と楚の国が洞庭湖を分けているように、琵琶湖の景観が開け、身は(黄山谷の詩に詠われたように)洞庭湖に瀟水と湘水が注いでいるように、琵琶湖に注いでいる瀬田川を見る所に立っている。山は西南にそばだち、人家はよい距離に隔たり、南方から青葉の香りを吹き送る風が吹きおろし、北からの風は湖をひたして涼しい。比叡山、比良山の高い峰より辛崎の松は霞をたちこめて、膳所城があり、瀬田の唐橋があり、釣りをしている舟があり、笠取山に通う木こりの声、ふもとの小田に早苗とる...幻住庵記口語訳2