河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
生きんとちまき剥く銀と赤の空ちまき噛む屈原と人いない時子よ食べたかちまき杏子噛まずのむちまき食う空泣き地赤く染まれ地荒れる日どこにもちまき無きさみし
罪なきががんぼを潰す硝子の手ががんぼの思い語る眼あおあおとががんぼと眠る明けることなき夜を目つむるががんぼ紫の空を飛ぶががんぼの雲にまぎれて河渡る
あやめ嫗の過ぎゆきし夕の風あやめ揺れ群れなす鳥の雲の色おくる静かな雨あやめに沁みたり夜空降りたりあやめ朝藍になりあやめが乱す夢シャボン玉満ちて
暑き日を今年もめぐる水の星暑き日のアイスと傘のあざやかさ暑き日天の怒り背にはりついて暑き日とともにため息部屋入る暑き日や神忘れよとうつむけり
神通るごと風過ぎる夏の朝夏の朝地に沁む水の音かすかユーラシアの囁き聞ゆ夏の朝天と地緑でつながる夏の朝真っ直ぐな樹となるも良し夏の朝
夏浅しくるくる赤い傘が来るスカイブルー地球包みたり夏浅し揺れる影踏みつつ歩む夏浅し夏浅し鳥のかたちの空を背に夏浅し時がころころ聞こえたり
夏始め引き出し奥の朧かな植栽や生きる痛みの夏始め鳩眠るしずかな桑の夏始め夏始め渡りし鳥のファルセット陽よりも赤い日傘の夏始め
深夜かな青葉潮聞き目覚めたり青葉潮母のごとくに星洗う青葉潮鳳凰の羽根風に揺れ青葉潮時をなぞってハープ鳴る南には水の国あり青葉潮
迎え梅雨星と眠りを濡らしたり 赤に青大輪まわる迎え梅雨藍の海地球浮かべる迎え梅雨迎え梅雨葉の波流れ天流れ傘の列地を静めたり迎え梅雨
春嵐紙吹雪舞うざわめきや春嵐足跡残さず空駆ける目を閉じて立ちどまる角春嵐西東都を通る春嵐春嵐ささやきながら先に行き
のぼりゆき光になりぬ巣立鳥どこ行くのわたし公園よ巣立鳥巣立鳥こくりこくりの朝の青巣立鳥陶器のままで日を過ごし巣立鳥ゆらゆら揺れる風緑
影伸びて畳にのびる子を待てば子らの天ひびく笑みを鴉影黴兜子の声聞かず半世紀幼子やのぼりの鰭は天の音泣き声や朝の窓とおる青帽子
春雷やきみをおくりし帰り道赤蕾春雷にさらにひかりたり春雷に静まる銀座紅の味端に立つ翁どこむく春の雷春雷や肩ふたつ裂き鎮まれり
きみの声春昼の陽をつつみたり春昼や影もゆるりと角まがる都にも春昼頰にひろがりて春昼のここよりひろがるどこまでも春昼や散る赤そのまま残しおき
笑み黄色狐横ぎる春の宵春の宵路地を湿らす声の紅春宵ちらほらこぼれる天の河酒まえに翁何待つ春の宵春宵や赤子をあやす胸のごと
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河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
春を噛むきみのからだのあたたかさ ブラウスのブルー春の波池の端 天の雲、ぼたもちの色のこりおり 昼も夜も天をわけつつ春すすむ 春の襟、濡れた昨夜のかおりあり …
言の葉のいざなうままに枯れゆかむ愛しさに泡を流しつ泡となり日に月に未生の時のひかりかな先に行く囁き夜空揺らしけり月のごと白腕落ちて眠りたり
マント蹴りヒール響かすソラミゾレバスを待つマントのなかで長いキスマント羽織れば白鳥座渡りゆく焼き芋をマントくるんでホッホッホマントくるまり凍る星抱いている
舞う銀杏バイクが時を疾走す銀杏葉の音なく降りて振りかえる舌のうえ秋の香りの重なりてひと色に銀杏天地を染めにけりランドセル銀杏とびだしハメハメハ
見あげれば頬を銀杏滑りおつ銀杏落つ裾揺らしゆく風は金銀杏さらさら子等の背でささやけり雨に濡れ銀杏音なく息を吐く銀杏舞来て二枚噛む明日かおる
空さきて振りくる銀に時は無し銀杏ながれゆく先の闇に娘立つ泣きたしと金の銀杏の川に立つ都市のアスファルト銀杏の裏表夜の水銀杏ときみをながしゆく
イースターわたしどれから生まれたのイースターいのち受けとる手いろいろイースター額の印うれしけりイースターびっしょり濡れきみを抱くスカートをイースター卵右左
からだの隅に塩かおる四月尽四月尽時をパレットで擦り付けるきみの白ワンピース溶かす四月尽地の渇き天へのぼりゆく四月尽四月尽ガサッと空をめくりたり
夏雨や赤花濡れてすれちがう夏雨やいくところなしドガの白夏の雨我と黒石濡れており靴音なき道迷いけり夏の雨夏雨や星と我かなし動悸する
衣更脱いで脱いでもきみは空唇あふれるシャツを干す衣更葬儀の熱のこりきみと衣更 キスするところすこし残る衣更パステルの襟キラキラと衣更
葉桜の色が満たしたバスに乗り葉桜ゆらしあゆみくる夏しずか葉桜擦れすれる衣きみに触れたり青い指さき触れていく葉桜や一夜にて身は葉桜に染まりたり
息とめる地ひかりあふれ立夏かな立夏ひらにあるれるブルーを握りしめ立夏目に天のパステルふりそそぎブルーとピンク立夏アイス並び溶け立夏絹のキスでまだいかんかな
季かわり天張り替える春の雷春雷や花弁それぞれ濡れている春雷に鎮まり揃って首あげる春の雷浅緑の地につきささり春雷やカーテン肩を隠したり
何待つか忘れるほどの朧月朧月モノクロドレス頬のごと朧月一夜おぼろの夢のなか朧月盃をゆらし渡りけりあの夜の肌を触れるごと朧月
ヒールの汗も冷えている春驟雨春驟雨セレナーデから泡の夢一日すべて星に沁む春驟雨ポツポツ天がひとりごと春驟雨春驟雨歩道の花なまめかしく
名忘れし勿忘草に空があり勿忘草ブルードレスとすれ違い勿忘草花弁濡らして声聞こえ唇に勿忘草をうつしとり勿忘草夢とからだを染めにけり
影ノワールのあざやかさ四月尽パステルが都市に染みこみ四月尽四月尽青が星を満たしけり天透けて背に地ひんやり四月尽四月尽天ガサッとめくれ目覚めけり
花時やピンクの風が足染めて花時やいのちあつめ一気に果てぬ花時を駈けぬけていく娘かな花時や天をレースがおおいけり振りむけば落ちていく夕花時や
春光や天のひらよりあふれけり春光を子午線はまっすぐ青し春光の大路にいでし赤ヒール春光や銀を降らせ満たしたり春光や波ときみ踏む星の音