河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
麻婆豆腐四川から夏の風夕焼けとひとつ色麻婆豆腐麻婆豆腐キスの辛さも溶けている紫陽花を煮詰めたり麻婆豆腐麻婆豆腐昨日明日見分けれず
枇杷月天にひとつと口にひとつ枇杷腕伸ばし巡らせる火の星や水風船枇杷ポケットに握りつつ枇杷天にあふれたり木にぶらさがり父のごと枇杷は金色腰曲げて
梅雨晴や空銀粉に砕け降る梅雨晴が乱反射するきみの眼に梅雨晴やヨブの背のごと樹を撫でるソーダ水の梅雨晴を鳩わたり行く青ガラスの馬梅雨晴を駈けぬける
牛蛙わたしを待つか傘もなく牛蛙わたしを見つつ蝿を飲む雨に洗われ三日目まだ牛蛙雨と現れ雨と消え牛蛙牛蛙モウと啼けよと幼女のモウ
魂揺れるごと梯梧揺れ慰霊の日慰霊の日鳥海より生まれおおう慰霊の日神の風地にそよかなり網に添い影立ちてあり慰霊の日三線と梯梧谺す慰霊の日
桑の芽をドレスで染める夜の霊冠の桑の芽濡らし木霊立つ一夜のキスのごと朝桑の芽落ち桑の芽を咥えし鳩は海向かう桑の芽を切り落とす陽の刃かな
パステルを転がしながら夏至が来る上に陽下に地球夏至が立っているパラソルの上に雲その上に夏至夏至の花揃って天に雌蕊伸ばすどこへ行けど夏至陽に貫かれ
一夜だけの蛇衣青く捨ておかれ蛇の衣五枚そろえて嫁入りす赤児乳飲む蛇衣縁の下蛇衣踏みくだき嫁銀ブラへ賛美歌ソプラノに蛇衣光り
実ほどの父見て父となり桜桃忌桜桃忌生まれた罪を飲み込んで来し方を呪うアダムの桜桃忌桜桃忌月も真っ赤かに手のひらに種をならべて生終える桜桃忌
時計草夕陽が散って弾けたり種嚙めばメールのごとき時計草時計草スプーンより金垂れる夜時計草雌蕊は火種隠しもち回帰線絡んだままの時計草
はじめの光見たいかなサングラスサングラス天使舞い降りキスをする天の象形文字サングラスで読む焔の鳥の影よぎるサングラスサングラス未来も藍の霞なり
ほたるぶくろフランシスの舌覆うほたるぶくろに真珠の鼓動海の底ほたるぶくろ青に染まる夜人知れずほたるぶくろラッパと鳴る朝起こしてよ夜の雨ほたるぶくろを宥め降る
薄暑かな海図の風にあたる午後薄暑傘は銀河系を流れゆく枕の底ひとり沈みゆく薄暑過去までも薄暑にひとの並びおり薄暑生きんかなと古い聖衣着る
ガーベラの刃に赤道の記憶ありガーベラの褪せて輪郭はブラウンパステル溶けガーベラの野斑らなり青硝子きみくぐりしかガーベラの香ガーベラの冠擦れる音は藍
梅雨に冷やされよ絶叫絶笑の星もう梅雨ね湿る闇いく金の鯉梅雨の地形図傷残し陽にひかる靴下もつ手に沁みいる蝋の梅雨しとしとと散花と褥梅雨に濡れ
初鰹眼が青あおと漂いて潮が星をめぐりたり初鰹初鰹大葉と生姜戸板は銀初鰹俎板にタオル取り込む初鰹箸を染める太平洋
梅雨入りや地すべてを受けただ待てり鳥と夢濡れ渡りたり梅雨の入り梅雨の入りアダム聞く声我も聞く梅雨入りの水の星樹々波となり梅雨入の地に傘先で占いて
南風宙洗い星の波都は銀紙降るむこうを南風流れ南風に乗りパイセス深夜跳ねにけり鳳凰木と南風の香る朝の青南風響く夢の河バス停の陽射し
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河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
春を噛むきみのからだのあたたかさ ブラウスのブルー春の波池の端 天の雲、ぼたもちの色のこりおり 昼も夜も天をわけつつ春すすむ 春の襟、濡れた昨夜のかおりあり …
言の葉のいざなうままに枯れゆかむ愛しさに泡を流しつ泡となり日に月に未生の時のひかりかな先に行く囁き夜空揺らしけり月のごと白腕落ちて眠りたり
マント蹴りヒール響かすソラミゾレバスを待つマントのなかで長いキスマント羽織れば白鳥座渡りゆく焼き芋をマントくるんでホッホッホマントくるまり凍る星抱いている
舞う銀杏バイクが時を疾走す銀杏葉の音なく降りて振りかえる舌のうえ秋の香りの重なりてひと色に銀杏天地を染めにけりランドセル銀杏とびだしハメハメハ
見あげれば頬を銀杏滑りおつ銀杏落つ裾揺らしゆく風は金銀杏さらさら子等の背でささやけり雨に濡れ銀杏音なく息を吐く銀杏舞来て二枚噛む明日かおる
空さきて振りくる銀に時は無し銀杏ながれゆく先の闇に娘立つ泣きたしと金の銀杏の川に立つ都市のアスファルト銀杏の裏表夜の水銀杏ときみをながしゆく
イースターわたしどれから生まれたのイースターいのち受けとる手いろいろイースター額の印うれしけりイースターびっしょり濡れきみを抱くスカートをイースター卵右左
からだの隅に塩かおる四月尽四月尽時をパレットで擦り付けるきみの白ワンピース溶かす四月尽地の渇き天へのぼりゆく四月尽四月尽ガサッと空をめくりたり
夏雨や赤花濡れてすれちがう夏雨やいくところなしドガの白夏の雨我と黒石濡れており靴音なき道迷いけり夏の雨夏雨や星と我かなし動悸する
衣更脱いで脱いでもきみは空唇あふれるシャツを干す衣更葬儀の熱のこりきみと衣更 キスするところすこし残る衣更パステルの襟キラキラと衣更
葉桜の色が満たしたバスに乗り葉桜ゆらしあゆみくる夏しずか葉桜擦れすれる衣きみに触れたり青い指さき触れていく葉桜や一夜にて身は葉桜に染まりたり
息とめる地ひかりあふれ立夏かな立夏ひらにあるれるブルーを握りしめ立夏目に天のパステルふりそそぎブルーとピンク立夏アイス並び溶け立夏絹のキスでまだいかんかな
季かわり天張り替える春の雷春雷や花弁それぞれ濡れている春雷に鎮まり揃って首あげる春の雷浅緑の地につきささり春雷やカーテン肩を隠したり
何待つか忘れるほどの朧月朧月モノクロドレス頬のごと朧月一夜おぼろの夢のなか朧月盃をゆらし渡りけりあの夜の肌を触れるごと朧月
ヒールの汗も冷えている春驟雨春驟雨セレナーデから泡の夢一日すべて星に沁む春驟雨ポツポツ天がひとりごと春驟雨春驟雨歩道の花なまめかしく
名忘れし勿忘草に空があり勿忘草ブルードレスとすれ違い勿忘草花弁濡らして声聞こえ唇に勿忘草をうつしとり勿忘草夢とからだを染めにけり
影ノワールのあざやかさ四月尽パステルが都市に染みこみ四月尽四月尽青が星を満たしけり天透けて背に地ひんやり四月尽四月尽天ガサッとめくれ目覚めけり
花時やピンクの風が足染めて花時やいのちあつめ一気に果てぬ花時を駈けぬけていく娘かな花時や天をレースがおおいけり振りむけば落ちていく夕花時や
春光や天のひらよりあふれけり春光を子午線はまっすぐ青し春光の大路にいでし赤ヒール春光や銀を降らせ満たしたり春光や波ときみ踏む星の音