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Tomo俳句 https://ameblo.jp/tomohaiku/

俳句は日々の日記であり、世界のイメージであり、心の表れです。

Tomo
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文京区
出身
奄美市
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2018/01/31

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  • 梅雨明け

    梅雨明けや扉たたいてとおりすぐ梅雨明けよ二十歳の肩の丸さかな夢の水紋しずかなり梅雨明けへ撒く霧を梅雨明けゆらりのぼりくるスーツ肩濡れ梅雨明けのしのび足

  • きみによりそい蝿と僕横丁へ手する蝿渋谷回り乾き固く蝿落ちる終わりはプリン匙のなか星見えるか蝿に尋ね駅を出る蝿西瓜帰りのきみのかおり追う

  • 河童忌

    河童忌や列車は人なく名知らぬ地へ雷に生死わからぬ河童忌の夜河童忌やクラッカーにカマンベールのせ河童忌や想い屋根空より高く地と身震える河童忌まだ生きむかな

  • 冷夏

    冷夏のなかを走る子の足しずか冷夏の底くねって鰭で叩きたりレモン歯にしむ冷夏の太平洋西瓜割る地もまた白い冷夏かなサザン鳴るとなりでキスを冷夏にも

  • 帰る床なければ蝶と軒のした蝶の青南からまっすぐ線を引く蝶の右ひだり上下と時を待つ夜の灯のそのうえまでも蝶のぼる蝶ひらりほそい足首は見えもせず

  • 抱く耳のかたい世界を噛んで寝るピアスの耳のはるかまで藍ふかし屍の足耳の奥へはしり去り青はずかしげ地に落ちる耳透けて夏を聞く耳にひろがる南北線

  • 蟾蜍(ひきがえる)

    蟾蜍黙る煙草に火がついて家流されて蟾蜍遠く鳴く雨打ちつづけ悟りしか蟾蜍蟾蜍銀に濡れつつ月をこゆ蟾蜍仇待ちつつ石になり

  • 鬼灯

    浴衣中鬼灯と我軽く揺れ鬼灯口に赤赤とした月空に鬼灯と一緒に帰りしもの明かし透かし見る鬼灯怒る顔ならぶ星取ったよ幼女鬼灯握りしめ

  • 冷酒

    地と身を冷やす冷酒の透けたブルー冷酒黒きものを洗い流したり冷酒ながるる夜氷河削りゆく音青冷酒星屑かけら踏み帰る冷酒底にのこりし陽に咽喉焼いて

  • 七夕

    波わけて人魚降りくる七夕や七夕に星を踏む音さらさらと七夕にベッドに溢れる砂の音七夕に夏濡れたままはしりくる七夕やなんどもめぐる水の星

  • 白夜

    白夜の旅人をひかり迷わして獣が純白失う白夜の日千年の青流れ落つ白夜かな春白夜をあたたかさが駆けてくる白夜の銀の高きまで声とどきたり

  • 梅雨寒

    梅雨寒や鬼が列島をはしりぬけ待ち人の白い顔出す梅雨寒や梅雨寒や国凍え鳥戻り来ず眠りでは梅雨寒の海渡りたり梅雨寒箒は記憶を掃き集め

  • 半夏生

    半夏生削ればのこる生きる意味生けずり湯に入れる朝半夏生道なかば既に濡れている半夏生半夏生きみのファルセット夜をみたす観るのみ残した半夏生かなしき

  • 梅雨

    一粒を受けて梅雨の浅草へ梅雨と梅雨合間をぬって逢引す蛇乱れ道滑りつつ梅雨を来る梅雨溢れ地までひろがる天の水梅雨に追われて避難所のビスケット

  • サングラス 2

    都の底はサングラスばかりなりひとの隙間の炎見るサングラスサングラス天の劔で割れにけり光の国にサングラスで入るかないつまでも時かわらずかサングラス

  • 杏子

    数千年の陽杏子に詰まっている瓶のなか杏子夜中に泳ぎだす杏子金の卵を皮ままかじるポケットであたためても杏子は杏子杏子キスの香のただよう首まわり

  • 伽羅蕗

    死んだきみは好きだろか伽羅蕗をぬるぬると記憶から出る伽羅蕗や駅みっつもどる伽羅蕗に母隠れ伽羅蕗の音たて折れる祖先かな伽羅蕗をつめたい青に染める水

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