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Tomo俳句 https://ameblo.jp/tomohaiku/

俳句は日々の日記であり、世界のイメージであり、心の表れです。

Tomo
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文京区
出身
奄美市
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2018/01/31

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  • 八月尽

    八月尽皮を残してまだ生きる死とよろこびの声掠れ八月尽レクイエムとつぜん響く八月尽八月尽風今日より色を変え八月尽闇ふりかえり炎見る

  • カンナ

    濡れている赤カンナなが日に買えりカンナの雄蕊折りゆく指の赤さ渋谷裏夢にならびて紅カンナ夕空にまっすぐ茜のカンナ立つ赤坂をひとつ曲がれば赤カンナ

  • 秋澄む

    秋澄めば枯木の影に横になり秋澄みて風のかたちに息を吐く娘のきみ来るまぼろしの秋が澄む古い黒鍵たたきながら秋が澄む三歩先で新たに秋澄んでいく

  • あき

    天地洗い秋はじまる手はポッケに夢の雨秋かおるまで聞いている羊羹に虫の来ぬ秋しずかなり口閉じて歩むさきは秋なにもなし胸埋めたくて青い杯秋こぼす

  • 葡萄

    葡萄青い星それぞれ隠しおる青い記憶のまま葡萄もがれたりふところに葡萄隠してまくらもと葡萄噛む口一日の重さあり葡萄剥く光うまれる暗さかな

  • 夕焼け

    夕焼けが路地駆けぬけて胸あつし靴止まる夕焼け鳥と飛びたくて夕焼けに苺クリーム溶けて来る夕焼けに列車の音八分音符夕焼け挟んだ日記煙草すいこむ

  • 爽やか

    身爽やか忌日の風にあらわれて闇すべて地に沁みた朝爽やかさ鳶ちぎり空爽やかに吹かれゆくきみの背の透ける道爽やかたどる重ねし暦の爽やかに吹かれおり

  • 桃割れど生まれる子なし月見えず赤いミニ桃の白切るイタリアン桃固し忌日のひとに切りわたす桃を蟻が這っている救急車流星のごと桃に傷腿にキス

  • 電線鳴る蝉の地から聞こえくる蝉の声の細さよ卒塔婆の列蝉ひきづられアボカドサラダ掬うシッ夜耳奥で鳴っている蝉の声赤日傘蝉のどしゃ降り回りゆく

  • 野分

    野分に黙りくだかれただ立てり野分爪青も傷のみ地に空に歩けばちりぢりの地図野分跡野分の夜闇集まりて駆けぬける野分下天と地息をとめている

  • 盆休み

    摺りあしの服擦れている盆休み動かぬ盃に盃合わせ盆休み盆休みパシフィック渡る茜雲天のラッパ足とまりたる盆休み帰る道たどれぬままに盆休み

  • 敗戦日

    敗戦日タバコ一本に神霞む敗戦日ハンバーガーの汁溢れしかたなし神おおらかに敗戦日敗戦日裂かれた魚の風にゆれ敗戦日空閉じて地水に沈む

  • 濡れた髪カレーの国の雲のごと雷や髪おおうスカーフ黄色夕立や髪にからむ煙の青虹色のヒール手に髪かきあげる夏の風髪乾くまで神田川

  • 胸にキス柘榴味する夕暮れよアイスティー胸の形に透きとおり烏賊釣れば胸裂く記憶列をなし胸のなか西茜見し帰り道胸ひろげ蝶の少女のほそい腕

  • 紅ひろがれり夢の波空の蓮蓮揺れて雲流れゆく鳥の跡蓮に光降りたる日の夜は深く蓮の葉のかさかさなれば鳥眼閉じる蓮の実の並んだ氷のとけており

  • 長崎忌

    鐘鳴りて影立ちあがる長崎忌長崎忌白百合に露鳥涙長崎忌花枯れるまで光刺す鳥一声で終わりたり長崎忌灯籠の先もまた闇長崎忌

  • 立秋

    立秋や溶ける道に影細く立つ時過ぎる首落とし立つ立秋なりアスファルト鳥の声なき朝立秋飛ぶものなし立秋のブルーの星や立秋や鳥声かれ魚ひとつ打つ

  • 夏透ける

    夏透けて天への梯子銀の足過去未来万華鏡夏透ける罪夏透けて星誕生の声を聞く刃銀額切る夏透けている時を駆ける青い影夏透ける

  • 広島忌

    銀の空黒文字ならぶ広島忌広島忌天の弦の音我黙す幻の星を見あげる広島忌広島忌ブルーの空にきみの声広島忌星の波立つ音を聞く

  • 向日葵

    種を噛むきみの向日葵空ゆらす向日葵に記憶のきみがならびおり向日葵といっしょになみうつ銀河かな首落とす向日葵と立つ隅田川向日葵と見あげる天と青い星

  • 暑き日

    暑き日や傘の陰銀の鳥飛ぶなめくじの動かず三日暑き日や暑き日やマングローブが覆っている暑き日や猫の木陰桃源郷暑き日や昼寝を赤い虫が飛ぶ

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