河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
放哉山頭火焼酎談義薊傷啄木や春驟雨に追われ海の道海は蜃気楼吉郎戻り地図刻むサリンジャーライラックの香の世界生く菜の花の蝶と化しランボー渡る空
満天星の花妻の足音す銀座ぬける風満天星の花谺どこまでも満天星の花満天星の花なかに月一輪天と地を埋める満天星の花
月朧渡れば足に時の音金ふりそそぐ香の髪や月朧月朧頸に軌跡ひかりたりメロン切るルージュの記憶月朧翡翠甘くながれおちる月朧
暮春かなしみとよろこび藍の底ピンク黒服暮春行く道明かし暮春の道未生の海へつながって暮春月と陽落ちており音も無く暮春零れたる星のごと帰る
星と蕾天を飛びかうイースターイースター星の水底ざわめいて丸い赤い口受けとめるイースターイースター風運びたる時を知る生きるかなイースター卵ポケットに
春陰やきみのかたちに残る藍春陰の星は傾きめぐりゆく血と煙春陰向こうにかすむ星春陰やバス追うきみが見えなくて春陰や忌日もかすか昨日今日
蜃気楼背透けて海を渡りゆく見えねども木管聞こえる蜃気楼蜃気楼地球といっしょに呼吸する蜃気楼砂寄せ削る世界地図蜃気楼未生の我と眼をあわす
春が浮く水底の天沈み行き鯉の尾のショールのごとく柔らかく天も地も春銀の峰を残すのみ春河原浅黄の筆をてんてんとまっすぐの紺の背より落つ春数片
エイプリルビールイカリング未来見るエイプリルルイビィトン姉穴あけるエイプリル留守にキスするハイスクールエイプリル上海帰りルルルリルエイプリルガーファンクル聴き…
池の端眠る天の下春ながれる空が散る振りかえると花満開アスファルト隙よりにおう春の星鷗来よきみのため花は海に降るひとつふたつとモノクロの花弁降る
天の使い耳もと過ぎる赤ショールショールゆれ都は赤い空の底オール漕ぐショール開いて水中花ショール下ドガ金文字紀伊國屋 ショールの香サンプルシャネル多慶屋二階
天の鳩まっすぐのぼりて糸のごと鳩の巣に鳴く千年前の声鳩の巣求め永遠の海の青鳩のひそかにもどるルソーの森かなしさはピカソの鳩の青い線
手のひらで光を掬う啄木忌光よりあげる手清く啄木忌「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨を塗りつつ秋風を聴く」啄木忌キムチチヂミの高い声はるかさき金雀枝のとこ啄木忌レク…
春の闇香りでたどりあとわずか春闇やそれぞれなりの旅支度春闇に枕のかおりそれでよしキスの距離だけ春闇の団子坂春闇にわが闇黒く立っている
指おけば新芽やわらか乳かおりみどりごのごと夜明けて新芽伸び新芽の根もとに残るまま蝉骸新芽に露ひとつひとつが陽となりて顔埋める頰と袖新芽の色になり
角からは風のまま生く春埃春塵笑顔消えてより幾世紀足吹きさらう千年の春埃手の隙に春塵天竺の香のほのか浄土春塵の三越のその先に
花冷えの芯抱いてゴッホの夜空鎌倉や花冷えの海が足洗い花冷えに網ひろがりて月を捕る花冷えや月の白さの地球なり花冷えのバイクムラサキ腿熱し
昼の鳥二本そのまま春の雷銀写真の顔黙して春の雷薬ころころ胃ながれる春の雷春の雷水晶の天と去ってゆく春の雷花すべて負い春の水
戦あり天染めつづく春雨は天と地とひとつに濡らし春の雨春雨の傘には春の模様ありきみの名を呟き春雨 夜が鳴る春雨の赤い斑紋鯉くぐる
翁病み花満開の白になり病みたれば花満開に眠りたく色見らん枕まで花飛んで来よ生と死と花弁舞いつつすれちがうまた一度さめても花を夢にみて
ももいろのオールの先から罅はしる音ひとつ地が割れて水あおきまま天落ちて水まえの色今の色ひとの影消えそのままの天地あり春夏秋冬地はうけいれる名は訊かず
島唄や晴明の空にファルセット晴明の日向行き交う虫の群れ晴明や誰とも会わぬ丘の道晴明に枕もと来よ赤い花背あかるし晴明くぐる陰の青
木蓮ののぼりゆくさき天頂に紫を脱ぎて木蓮透きとおり蝶がとぶ木蓮の耳のいろどり白鳥の天のぼるごと木蓮は木蓮の天とブラウスに神聖文字
春光のこぼれるばかりたなごごろ歩むあと春光道にあふれでて春光を額でうけてながれいく天めぐる春光は今ここにある春光の見えないさきを笑いいく
あわくうすくながれる風に春があり頰にかさなるあわいピンク 春くればながれゆく桜をわけて赤ブーツ桜ふるすべてがおちるその間にはわらい泣き角まがる眼に春をみる
闇のなか若芽はひかり伸びゆき曲がり角若芽に光真っ直ぐに幼女頰ちょっと若芽透きとおりブラウスの声に若芽陽に揺れている黒ひかる革靴の音若芽下
藍の夜を雪解け青の雫にし雪解けの夜の長さに地がねむる雪解けは歴史の罅の溶けるごと雪解けて声聞く地にしむ泣き声雪解けは今昔のひかり抱いている
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河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
春を噛むきみのからだのあたたかさ ブラウスのブルー春の波池の端 天の雲、ぼたもちの色のこりおり 昼も夜も天をわけつつ春すすむ 春の襟、濡れた昨夜のかおりあり …
言の葉のいざなうままに枯れゆかむ愛しさに泡を流しつ泡となり日に月に未生の時のひかりかな先に行く囁き夜空揺らしけり月のごと白腕落ちて眠りたり
マント蹴りヒール響かすソラミゾレバスを待つマントのなかで長いキスマント羽織れば白鳥座渡りゆく焼き芋をマントくるんでホッホッホマントくるまり凍る星抱いている
舞う銀杏バイクが時を疾走す銀杏葉の音なく降りて振りかえる舌のうえ秋の香りの重なりてひと色に銀杏天地を染めにけりランドセル銀杏とびだしハメハメハ
見あげれば頬を銀杏滑りおつ銀杏落つ裾揺らしゆく風は金銀杏さらさら子等の背でささやけり雨に濡れ銀杏音なく息を吐く銀杏舞来て二枚噛む明日かおる
空さきて振りくる銀に時は無し銀杏ながれゆく先の闇に娘立つ泣きたしと金の銀杏の川に立つ都市のアスファルト銀杏の裏表夜の水銀杏ときみをながしゆく
イースターわたしどれから生まれたのイースターいのち受けとる手いろいろイースター額の印うれしけりイースターびっしょり濡れきみを抱くスカートをイースター卵右左
からだの隅に塩かおる四月尽四月尽時をパレットで擦り付けるきみの白ワンピース溶かす四月尽地の渇き天へのぼりゆく四月尽四月尽ガサッと空をめくりたり
夏雨や赤花濡れてすれちがう夏雨やいくところなしドガの白夏の雨我と黒石濡れており靴音なき道迷いけり夏の雨夏雨や星と我かなし動悸する
衣更脱いで脱いでもきみは空唇あふれるシャツを干す衣更葬儀の熱のこりきみと衣更 キスするところすこし残る衣更パステルの襟キラキラと衣更
葉桜の色が満たしたバスに乗り葉桜ゆらしあゆみくる夏しずか葉桜擦れすれる衣きみに触れたり青い指さき触れていく葉桜や一夜にて身は葉桜に染まりたり
息とめる地ひかりあふれ立夏かな立夏ひらにあるれるブルーを握りしめ立夏目に天のパステルふりそそぎブルーとピンク立夏アイス並び溶け立夏絹のキスでまだいかんかな
季かわり天張り替える春の雷春雷や花弁それぞれ濡れている春雷に鎮まり揃って首あげる春の雷浅緑の地につきささり春雷やカーテン肩を隠したり
何待つか忘れるほどの朧月朧月モノクロドレス頬のごと朧月一夜おぼろの夢のなか朧月盃をゆらし渡りけりあの夜の肌を触れるごと朧月
ヒールの汗も冷えている春驟雨春驟雨セレナーデから泡の夢一日すべて星に沁む春驟雨ポツポツ天がひとりごと春驟雨春驟雨歩道の花なまめかしく
名忘れし勿忘草に空があり勿忘草ブルードレスとすれ違い勿忘草花弁濡らして声聞こえ唇に勿忘草をうつしとり勿忘草夢とからだを染めにけり
影ノワールのあざやかさ四月尽パステルが都市に染みこみ四月尽四月尽青が星を満たしけり天透けて背に地ひんやり四月尽四月尽天ガサッとめくれ目覚めけり
花時やピンクの風が足染めて花時やいのちあつめ一気に果てぬ花時を駈けぬけていく娘かな花時や天をレースがおおいけり振りむけば落ちていく夕花時や
春光や天のひらよりあふれけり春光を子午線はまっすぐ青し春光の大路にいでし赤ヒール春光や銀を降らせ満たしたり春光や波ときみ踏む星の音