河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
天も我もほのあかく生く西行忌山頭火放哉の背しぐれる西行忌西行忌椀に降るたましいを食らう西行忌寝て死にたいと缶が鳴る西行忌みがいた靴で草鞋追う
天の雫のしぐれてる糸桜糸桜赤ながれゆき青に落ち水のなかきみも満開糸桜糸桜つめたい指が天もとめ糸桜いろはに惚れて口ふさぐ
春空にまだ恋文が透けている紅くっきり実に残っている春の空春空に干すヒール、ディオールにこころ酒に春空てんてんと山頭火柩より飛ぶもののある春の空
ノクターンの鍵盤踏みて春の道日付変更線超え滑空するカザルスの鳥此岸は桜彼岸の眼は水おおう春空の風翔けるカンパネラ春空を仮りの衣に鴉のファルセット
天のどの使い円窓を開けたのは寝床から寝床へつなぐ夢泳ぐカクテルに青い地球が浮かんでる天使らの翔けてひきずる白い衣鴉が引っかいたあとの澄んだ月
鳥はまだもどり来ず春の空には春空のトランペットの耳鳴りよ色加えたい春の空の透きガラス春の空かなしみは無し風もなし春空よ生すべてまぼろしと言うか
窓くもり紅濡れている初花の初花のいつかの香りいつの夢朝陽は笑みのなか染める初花を老いたれば初花口にふくみたく耳たぶに色匂わせて初花は
鎮める音の水底より春の河春の河渡れど渡れど空ひとつ泡溢れひとつとなりて春の河春の河天を溶かして海に入り脚ひかり滴のなかの春の河
春分大路のひかりの曲がる角春分の生きのび蕾の柔らかさ羽ひかる少女の背は春分陽直ぐにすすみ春分の天割れる春分にいつもの砂場へイエロー合羽
まっすぐに彼岸からひかるきみの笑み淡いあわい青隙間より彼岸見え彼岸菩薩の臍に風さらさらと彼岸にゆれる赤スカートと花雌蕊彼岸だねむしゃむしゃ一気にお茶も終え
水温み赤児あふれる朝明かし水温み青に天使が羽ひろげ水温むチェロに吹かれバスを待つ夕暮れのヒールゆっくりと水温む赤い指ワインゆらして水温む
ピアスを揺らし卒業の門をでる卒業写真ルーペの中のへの字口詰襟の子の背をさがす卒業式卒業す並木の陰の列くぐる卒業式子等の指先天を指す
玉葱にあふれた朝に涅槃西風涅槃西風黄色の衣をくぐり行く写経の腕止め受ける涅槃西風涅槃西風新疆葡萄を三粒噛む涅槃西風スカート周りで戯れる
啓蟄の地踏めば波ときみの声接木跡手を当て握る腕ひとつ初雷のあたらしい雨まだ痛く天頂より燕一声立ちどまるたらの芽の天地集めて静かなり
仮住いと大連ミモザ揺らす風ミモザと歴史抱き降りるバスステップ瀬戸内文庫ミモザ残す影の綾チキンソテーにミモザ今も黙りいてミモザ蝶になれ揺れ翔けるセーラーの背
天からの春雨受ける傘の先春雨の夢まであふれぽつぽつと春雨に遠いかなしみの香りあり春雨におおわれ星の透きとおり赤黄青春雨はねるドレミファソ
雛と我いづれ流すか鏡見る娘無く老いるとも雛細きまま雛の唄一節止まりて波止まる雛出せば声聞こえくる家捨てるあられつまみに酔う夜の雛の前
ネーブルに噛みつき吸う十五歳カリフォルニア香るネーブル二個の夜臍のキス隠しバス待つ手にネーブルネーブルを並べて眠る午後三時ネーブル噛む歯のかがやきと丸い紅
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河童忌や緑は揺れれどきみは来ず古池やひなたに河童胡瓜の香神田川、河童となりてクワァクワァア梅雨明けや河童ベッドか地の下か捌かれし河童まわりくる皿乾き
春を噛むきみのからだのあたたかさ ブラウスのブルー春の波池の端 天の雲、ぼたもちの色のこりおり 昼も夜も天をわけつつ春すすむ 春の襟、濡れた昨夜のかおりあり …
言の葉のいざなうままに枯れゆかむ愛しさに泡を流しつ泡となり日に月に未生の時のひかりかな先に行く囁き夜空揺らしけり月のごと白腕落ちて眠りたり
マント蹴りヒール響かすソラミゾレバスを待つマントのなかで長いキスマント羽織れば白鳥座渡りゆく焼き芋をマントくるんでホッホッホマントくるまり凍る星抱いている
舞う銀杏バイクが時を疾走す銀杏葉の音なく降りて振りかえる舌のうえ秋の香りの重なりてひと色に銀杏天地を染めにけりランドセル銀杏とびだしハメハメハ
見あげれば頬を銀杏滑りおつ銀杏落つ裾揺らしゆく風は金銀杏さらさら子等の背でささやけり雨に濡れ銀杏音なく息を吐く銀杏舞来て二枚噛む明日かおる
空さきて振りくる銀に時は無し銀杏ながれゆく先の闇に娘立つ泣きたしと金の銀杏の川に立つ都市のアスファルト銀杏の裏表夜の水銀杏ときみをながしゆく
イースターわたしどれから生まれたのイースターいのち受けとる手いろいろイースター額の印うれしけりイースターびっしょり濡れきみを抱くスカートをイースター卵右左
からだの隅に塩かおる四月尽四月尽時をパレットで擦り付けるきみの白ワンピース溶かす四月尽地の渇き天へのぼりゆく四月尽四月尽ガサッと空をめくりたり
夏雨や赤花濡れてすれちがう夏雨やいくところなしドガの白夏の雨我と黒石濡れており靴音なき道迷いけり夏の雨夏雨や星と我かなし動悸する
衣更脱いで脱いでもきみは空唇あふれるシャツを干す衣更葬儀の熱のこりきみと衣更 キスするところすこし残る衣更パステルの襟キラキラと衣更
葉桜の色が満たしたバスに乗り葉桜ゆらしあゆみくる夏しずか葉桜擦れすれる衣きみに触れたり青い指さき触れていく葉桜や一夜にて身は葉桜に染まりたり
息とめる地ひかりあふれ立夏かな立夏ひらにあるれるブルーを握りしめ立夏目に天のパステルふりそそぎブルーとピンク立夏アイス並び溶け立夏絹のキスでまだいかんかな
季かわり天張り替える春の雷春雷や花弁それぞれ濡れている春雷に鎮まり揃って首あげる春の雷浅緑の地につきささり春雷やカーテン肩を隠したり
何待つか忘れるほどの朧月朧月モノクロドレス頬のごと朧月一夜おぼろの夢のなか朧月盃をゆらし渡りけりあの夜の肌を触れるごと朧月
ヒールの汗も冷えている春驟雨春驟雨セレナーデから泡の夢一日すべて星に沁む春驟雨ポツポツ天がひとりごと春驟雨春驟雨歩道の花なまめかしく
名忘れし勿忘草に空があり勿忘草ブルードレスとすれ違い勿忘草花弁濡らして声聞こえ唇に勿忘草をうつしとり勿忘草夢とからだを染めにけり
影ノワールのあざやかさ四月尽パステルが都市に染みこみ四月尽四月尽青が星を満たしけり天透けて背に地ひんやり四月尽四月尽天ガサッとめくれ目覚めけり
花時やピンクの風が足染めて花時やいのちあつめ一気に果てぬ花時を駈けぬけていく娘かな花時や天をレースがおおいけり振りむけば落ちていく夕花時や
春光や天のひらよりあふれけり春光を子午線はまっすぐ青し春光の大路にいでし赤ヒール春光や銀を降らせ満たしたり春光や波ときみ踏む星の音