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道
放哉山頭火焼酎談義薊傷啄木や春驟雨に追われ海の道海は蜃気楼吉郎戻り地図刻むサリンジャーライラックの香の世界生く菜の花の蝶と化しランボー渡る空
2019/04/30 20:01
満天星の花
満天星の花妻の足音す銀座ぬける風満天星の花谺どこまでも満天星の花満天星の花なかに月一輪天と地を埋める満天星の花
2019/04/29 06:36
月朧
月朧渡れば足に時の音金ふりそそぐ香の髪や月朧月朧頸に軌跡ひかりたりメロン切るルージュの記憶月朧翡翠甘くながれおちる月朧
2019/04/27 00:28
暮春
暮春かなしみとよろこび藍の底ピンク黒服暮春行く道明かし暮春の道未生の海へつながって暮春月と陽落ちており音も無く暮春零れたる星のごと帰る
2019/04/22 22:28
イースター
星と蕾天を飛びかうイースターイースター星の水底ざわめいて丸い赤い口受けとめるイースターイースター風運びたる時を知る生きるかなイースター卵ポケットに
2019/04/21 13:55
春陰
春陰やきみのかたちに残る藍春陰の星は傾きめぐりゆく血と煙春陰向こうにかすむ星春陰やバス追うきみが見えなくて春陰や忌日もかすか昨日今日
2019/04/20 13:52
蜃気楼
蜃気楼背透けて海を渡りゆく見えねども木管聞こえる蜃気楼蜃気楼地球といっしょに呼吸する蜃気楼砂寄せ削る世界地図蜃気楼未生の我と眼をあわす
2019/04/17 23:08
春の色
春が浮く水底の天沈み行き鯉の尾のショールのごとく柔らかく天も地も春銀の峰を残すのみ春河原浅黄の筆をてんてんとまっすぐの紺の背より落つ春数片
2019/04/17 05:20
April
エイプリルビールイカリング未来見るエイプリルルイビィトン姉穴あけるエイプリル留守にキスするハイスクールエイプリル上海帰りルルルリルエイプリルガーファンクル聴き…
2019/04/16 19:53
四月2
池の端眠る天の下春ながれる空が散る振りかえると花満開アスファルト隙よりにおう春の星鷗来よきみのため花は海に降るひとつふたつとモノクロの花弁降る
2019/04/15 22:47
ショール
天の使い耳もと過ぎる赤ショールショールゆれ都は赤い空の底オール漕ぐショール開いて水中花ショール下ドガ金文字紀伊國屋 ショールの香サンプルシャネル多慶屋二階
2019/04/14 20:30
鳩
天の鳩まっすぐのぼりて糸のごと鳩の巣に鳴く千年前の声鳩の巣求め永遠の海の青鳩のひそかにもどるルソーの森かなしさはピカソの鳩の青い線
2019/04/13 21:32
啄木忌
手のひらで光を掬う啄木忌光よりあげる手清く啄木忌「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨を塗りつつ秋風を聴く」啄木忌キムチチヂミの高い声はるかさき金雀枝のとこ啄木忌レク…
2019/04/13 05:31
春の闇
春の闇香りでたどりあとわずか春闇やそれぞれなりの旅支度春闇に枕のかおりそれでよしキスの距離だけ春闇の団子坂春闇にわが闇黒く立っている
2019/04/12 00:37
新芽
指おけば新芽やわらか乳かおりみどりごのごと夜明けて新芽伸び新芽の根もとに残るまま蝉骸新芽に露ひとつひとつが陽となりて顔埋める頰と袖新芽の色になり
2019/04/11 23:24
春塵
角からは風のまま生く春埃春塵笑顔消えてより幾世紀足吹きさらう千年の春埃手の隙に春塵天竺の香のほのか浄土春塵の三越のその先に
2019/04/10 08:50
花冷え
花冷えの芯抱いてゴッホの夜空鎌倉や花冷えの海が足洗い花冷えに網ひろがりて月を捕る花冷えや月の白さの地球なり花冷えのバイクムラサキ腿熱し
2019/04/09 23:19
春の雷
昼の鳥二本そのまま春の雷銀写真の顔黙して春の雷薬ころころ胃ながれる春の雷春の雷水晶の天と去ってゆく春の雷花すべて負い春の水
2019/04/08 21:29
春雨
戦あり天染めつづく春雨は天と地とひとつに濡らし春の雨春雨の傘には春の模様ありきみの名を呟き春雨 夜が鳴る春雨の赤い斑紋鯉くぐる
2019/04/08 17:59
四月
翁病み花満開の白になり病みたれば花満開に眠りたく色見らん枕まで花飛んで来よ生と死と花弁舞いつつすれちがうまた一度さめても花を夢にみて
2019/04/07 21:03
銃声
ももいろのオールの先から罅はしる音ひとつ地が割れて水あおきまま天落ちて水まえの色今の色ひとの影消えそのままの天地あり春夏秋冬地はうけいれる名は訊かず
2019/04/07 06:01
清明
島唄や晴明の空にファルセット晴明の日向行き交う虫の群れ晴明や誰とも会わぬ丘の道晴明に枕もと来よ赤い花背あかるし晴明くぐる陰の青
2019/04/05 18:31
木蓮
木蓮ののぼりゆくさき天頂に紫を脱ぎて木蓮透きとおり蝶がとぶ木蓮の耳のいろどり白鳥の天のぼるごと木蓮は木蓮の天とブラウスに神聖文字
2019/04/04 21:17
春光
春光のこぼれるばかりたなごごろ歩むあと春光道にあふれでて春光を額でうけてながれいく天めぐる春光は今ここにある春光の見えないさきを笑いいく
2019/04/03 21:49
春
あわくうすくながれる風に春があり頰にかさなるあわいピンク 春くればながれゆく桜をわけて赤ブーツ桜ふるすべてがおちるその間にはわらい泣き角まがる眼に春をみる
2019/04/02 19:40
若芽
闇のなか若芽はひかり伸びゆき曲がり角若芽に光真っ直ぐに幼女頰ちょっと若芽透きとおりブラウスの声に若芽陽に揺れている黒ひかる革靴の音若芽下
2019/04/01 18:44
雪解け
藍の夜を雪解け青の雫にし雪解けの夜の長さに地がねむる雪解けは歴史の罅の溶けるごと雪解けて声聞く地にしむ泣き声雪解けは今昔のひかり抱いている
2019/04/01 00:45
2019年4月 (1件〜100件)
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