chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
りおりお
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2017/11/17

arrow_drop_down
  • 26

    日本に戻った類は、仕事の引継ぎを始める。暫くフランスとナイジェリアを行ったり来たりの予定だ。そして衛生品を扱う部門の中から一人代表者を選んだ。ブラックソープを生産することになった時、販売路線などのチーム作りをしてもらう為だ。類は忙しい日々の合間を縫って桜子の店へ向かう。今回は類が店に入っただけで店員が桜子を呼んでくれた。「ジャングルハニーは手に入りそうにない。でもブラックソープは何とか生産に漕ぎつ...

  • 25

    フランスへ着いた類は、まっすぐ自宅へ戻る。既に20時を回っており会社は終業しているからだ。「ただいま。」「お帰りなさい。大丈夫だった?」「ん。なんとか。」「ケガは何ともない?」自分からは話していない。田村かボディガードが報告したと分かる。「大丈夫。父さんは帰ってる?」「えぇ。さっき帰ってきたところなの。今着替えているわ。」「じゃあ俺もサッとシャワーを浴びて夕食をしながら報告するよ。」「えぇ。」こう...

  • 24

    翌日、オヨ州の州知事に会いに行く。『初めまして。花沢物産の花沢類です。』『初めまして。秘書の田村です。』『初めまして。遠い所お疲れだったでしょう?どうぞおかけください。』『『ありがとうございます。』』二人はソファーに腰かける。『実はブラックソープを何とか生産出来ないかと思っております。ヨルバ族の方が作っておられるそうですが、その方を紹介して欲しいのですが。』『確かにヨルバ族が作っていますが秘伝とさ...

  • 23

    再び村に戻った類は、先ほど取った蜂の巣からの蜂蜜採取方法を見る。巣を分解し中から蜂蜜を絞り出している。日本のように巣箱型ではない為、安定供給は難しいと感じる。類は村長から説明を聞きながら見ていたのだが、不意に問われた。『先ほど先生と違う言葉で話していたようだが?』『はい。私は日本人なのですが、先生は学生時代の私の後輩でして親しくしていました。暫く会っていなかったのですが、こんなところで偶然再会し驚...

  • 22

    村に戻った類。傷を負った腕は田村がハンカチを巻いてくれている。村に診療所があると思っていたらすぐに車に乗るように言われた。『診療所はここに無いんですか?』『あぁ。ここから車で15分ぐらいか?』『じゃあ先ほどの少年はそこまで走って?』『あははっ、まさか!ここに戻り誰かのバイクの後ろに乗って見に行ったと思うよ。まだ戻っていないという事は先生がいるんじゃないか?』診療所まで車で15分。もちろん診療所という事...

  • 21

    ホテルに到着した類。もちろん普段利用するようなホテルではなく簡素なホテルだ。部屋は二人部屋。入ると直ぐに鍵をかける。洗面台へ行き蛇口をひねると勢いの弱い水が出る。もう少し人口が多い都市なら高級ホテルがあるだろうが、ここの州はかなり田舎だ。贅沢は言っていられない。「類様。食事はいかがいたしましょうか?」「ホテル内にレストランはある?」「聞いてみます。」田村はフロントに電話をかけ聞いてみる。すると一階...

  • 20

    翌日、類は田村とともにナイジェリアへ向かった。アブジャ国際空港に着いた類は、地理的にまずナイジャー州へ車で向かった。かなり道が悪く、しかも両サイドはボディガードが乗り狭い。だが途中で休憩を取る事は出来ず、早く現地へ到着することだけを願った。そしてやっと到着し車から降りたところで、類は背伸びをし体の筋肉をほぐす。そして庁舎と言われる建物の中へ入った。部屋に通され、そこには行ってきた州知事と握手を交わ...

  • 19

    類は会社に戻ると直ぐ『ジャングルハニー』と『ブラックソープ』を調べる。ジャングルハニーの方は希少価値が高く安定した生産が難しい。蜂蜜を取るための巣箱を用意するのではなく、木の上に出来ている蜂の巣を見つけそれを採取しているようだ。これでは安定した生産は出来ない。その為、付加価値も付きかなりの高額で販売されている。味はイマイチらしいが免疫効果が高くアフリカでは傷口に塗ったり治療薬に使われたりするらしい...

  • 18

    類は仕事の合間に総二郎から聞いた桜子の店へ向かった。そこには類の知らない女性がいる。もしかして今日は店に来ていないのか?と不安に思いながらも聞いてみる。「いらっしゃいませ。」「あのっ、西門桜子さんはいらっしゃいますか?」「オーナーですね?失礼ですがお客様のお名前をお伺いしてもよろしいですか?」「花沢類です。」「少々お待ちください。」店員は電話を手に取ると話し始めた。するとすぐに後ろのドアが開き、桜...

  • 17

    更に5年後、司が結婚することになった。お相手はカーネギー財閥の三女のキャサリンだ。突然の事に類を始めあきらと総二郎は驚いた。だが親友の門出を祝う為NYへ向かった。「驚いたな。突然だよな?」「あぁ。パーティーで何度かエスコートしたのは知っているがあまりにも突然だよな?」「ん。でもまあ、、理由は二つのうちのどちらかだと思う。」類の言葉に、あきらと総二郎もその二つが思い浮かぶ。一つは政略結婚だ。カーネギー...

  • 16

    類は一年半後に無事大学を卒業した。そこから本格的に仕事を始めた。あきらと総二郎は類から遅れ半年後に卒業した。それから更に一年後、類は日本勤務となり久しぶりに日本に戻ってきた。日本を離れてから実に5年の歳月が経っていた。数か月後、司の日本出張を知ったあきらが皆に声をかけ久しぶりに集まる事になった。場所は美作が経営しているレストラン。食材にこだわったレストランで多少値段は高いが、個室になっておりかなり...

  • 15

    つくしは大学の寮に着いた。玄関を入ると管理人のような人がいる。「こんにちは。初めまして。牧野つくしと言います。」「牧野さんね。ちょっと待ってね。」管理人の男性は紙をペラペラと捲り「えっと、牧野つくしさんは301号室だね。鍵を渡すからちょっと待って。」そう言うと一つのカギを持ち管理人室から出てきた。「はい。これがカギ。3階の301号室ね。ここは女子寮だけど3階は医学部の生徒が集まってる。だから同室の人...

  • 14

    つくしは卒業式に臨んだ。そして卒業生代表として答辞を読み上げた。これでつくしの英徳生活は終止符を打つ。色々あった三年間だ。その中で最も濃い時期を過ごしたのが一年半前。司に宣戦布告してから目まぐるしく人生が変わった。もちろんそのおかげで沢山の人達と知り合い、今も交流が続いている。それは自分の人生にとってプラスになる事は間違いない。ただ大学生になる事で、そこにも一線を引くつもりだ。つくしは最後に非常階...

  • 13

    年が明け、つくしは共通テストを受ける。それを自己採点したうえで、国公立大学医学部の二次試験の願書を出した。それは寮が完備されている九州の大学だ。寮費と食事代で月4万円ほど。水道光熱費込みで二人部屋。だが大学から近く交通費がかからない。今住んでいるアパートの家賃と水道光熱費、食費を考えると十分賄えるしお釣りも来る。そのお釣り部分を医学部の施設使用料に回せば奨学金の額を減らせる。特待生になる事を期待し...

  • 12

    つくしは英徳の経済学部、都内の医学部の私学を受験する。すると両方とも合格を勝ち取った。だが特待生になるには、入試試験の上位10人で入学した者のみだ。つまり自分がその特待生になるかどうかは入学手続きをするまでわからない。しかも特待生と言っても授業料の250万円が免除されるだけ、残り施設使用料を合わせた400万円近くはかかる。「凄いな。無事合格できたじゃないか。」「はい。」「英徳は特待生間違いない。こ...

  • 11

    類はあきらからの報告を受け驚いていた。てっきり就職、あるいは専門学校へ行くと思っていた。ところが医学部を受験するとは想定外だ。でも、、、何となく牧野らしいと思ってしまう。いつもいつも自分の前に大きな壁を作りそれに登ろうと必死にもがいていた。実際、それを登り切っていたし、時には俺が引っ張り上げた事もある。でも今度は自分一人。俺に出来る事はここから応援するのみだ。頑張れ!!牧野!!「類君?何かいいこと...

  • 10

    一学期も終わろうとしていた。つくしは個人面談の為担任と向き合っている。「成績は申し分ない。よく頑張っているな。」「ありがとうございます。特待生なので必死です。」「TOEICも786点は流石だ。これなら一流企業にも十分入れる。」「ありがとうございます。」「それでなんだが、、、このまま英徳大学へ進学するのはどうだろう?英徳大学も特待生制度がある。充分特待生になれると思うんだが。」担任は学園長から頼まれてい...

  • 9

    類は母親と共に本屋に来ていた。平日に読む本を選ぶためだ。「電子書籍とかも出始めてるけど、やっぱり紙の本の方が目が疲れなくて好きだわ。」「確かに。」「類君は何系が好き?」「推理小説かな?」「推理小説は一気に読みたくなるのよね。こういう文庫本は文字もこんなに小さな文字で、なかなか読めなくなってきたのよね。認めたくないけど確実に老眼になってきているわ。」「こればかりは仕方ない。いやかもしれないけど老眼鏡...

  • 8

    つくしは高校三年になった。進は終業式後に北海道へ行った。突然家族がいなくなり寂しい気持ちはあるが、逆に言えば自分のペースで勉強が出来る。夜も進に気を遣って明かりの位置を調整する必要はない。その為、のびのびと勉強に打ち込んだ。そしてGWになり、桜子に誘われ久しぶりに総二郎、あきら、滋と食事会をした。「牧野。お前、一回り痩せたんじゃねぇか?」「そうかな?」「うん。やつれてるように見える。ちゃんと食べてる...

  • 7

    プロムから帰宅すると、そこには母親の犬である三沢が待っていた。司は身構える。「お帰りなさいませ。」「なんだ?」「お迎えに参りました。これからNYへ向かいます。」「はあ?」突然の事に司は呆けた声を出す。そして隣の海を見る。海もどういう事?という気持ちだ。「海も一緒か?」「いえ。司様お一人です。」「どういう事だ?」「初めからその約束でございました。日本へは一時帰国でございます。ですが司様が暴漢に刺された...

  • 6

    司と海が出口へ向かうのを見て、二組もダンスが終わると直ぐにフロアの隅へ移動する。あきらと総二郎は、滋と桜子にドリンクを渡す。「ありがとう。」「すみません。」喉を潤した後、、、「あったね。」「ありましたね。」「くっきりとあったな。」「あんな目立つ場所につけるなよな。」四人は海の胸にくっきりと点けられたキスマークをチェックしていた。「という事は昨夜も張り切ったという事だね。」「ですね。」「チェリーだっ...

  • 5

    英徳の卒業式そこにF4の姿はない。類はもちろんだが司、あきら、総二郎もサボった。既に卒業は決まっているし、堅苦しい式は元々参列するつもりはなかった。そして夕方からのプロム。ここには卒業生がドレスアップして参加する。もちろんパートナーは誰でも構わないし、一人で出席してもOKだ。そこに総二郎は滋を、あきらは桜子を同伴して現れた。その姿に生徒達は黄色い声を上げる。卒業式に参列しなかった為、プロムも欠席とばか...

  • 4

    つくしは桜子に連れられ英徳のラウンジに居た。そこであきらの驕りでランチを食べている。「牧野。本当に参加しねぇのか?」「うん。桜子と滋さんを誘ってよ。元々あたしはそんな場所に行きたくないし。」「先輩。お二人のどちらかと参加して道明寺さんの鼻を明かすという方法もありますよ?」「ううん。そんな事したくないし会えば必ず嫌味を言われるでしょ?そうなったら折角のプロムが台無しになるじゃない?だからあたしの分ま...

  • 3

    つくしは相変わらずあまり寝られなかった。そして勉強をつづけた結果、思いのほか好成績を残すことが出来た。それは自分でも信じられない成績だ。その日、担任に呼ばれたのだが、それは特待生に推薦するという話だった。思いがけない話につくしは驚くが嬉しくて仕方ない。英徳には特待生制度がある。つまり一年間の授業料が免除される。ほとんどの学生は特待生に推薦された時点で辞退する。お金持ちの子息ばかりでお金に困っていな...

  • 2

    「類君。ありがとう。」「いや。これくらいどうって事ない。」類は花瓶の水を入れ替え病室に置いたところだ。母親が病気で手術をすると聞いたのはNYから帰国後すぐの事。急いで帰って来いという雰囲気ではなかったが、日本では大河原主導の元、司と牧野の恋を応援するプロジェクトが立ち上がっていた。早々に参加するつもりはないと告げていたが、あのまま日本にいたら二人の状況を逐一報告される。それが嫌でとりあえずフランスへ...

  • 1

    「姉ちゃん。もう勉強は良いから寝よう?」「ごめん。眩しかった?」つくしはライトの角度を変える。「大丈夫。でもあまり寝てないよね?」「あぁ。ちょっと眠れなくて。勉強していたらそのうち眠くなるからもう少ししたら寝るね。」つくしは目の下に隈が出来ている。ずっと眠れない日々が続いている。なぜなら、司がつくしの記憶だけを忘れたから。それだけではなく司は海という女性を傍に置き、つくしに向けていた笑顔を彼女に向...

  • お知らせ

    おはようございます。新連載の『違う、あんた誰?』を一旦引き下げます。もう一度再考してみますが、そのままお蔵入りするかもしれません。今の所、他にストックが三作ありますのでそちらをアップさせていただきます。それで終了かな?と思っています。と言うのも書いていて他作品に似ている部分や同じ展開だよなぁ、、、と思う事が多々あり、しかも最近は思っている事がなかなか文字にならないんです。既に類つくを書き始めて10...

  • 3

    自宅に入ったつくしは扉に体を預ける。これで類との関係は終止符を打つ。もちろん友人関係はこれから先もずっと続くが、休みが合えば二人で行動したりは出来ない。ほんの散歩程度の事でもボディガードのような物がつくと聞いている。それも仕方ない事。それだけの地位のある人と結婚するんだから。でも、かなり不安がある事に間違いない。その不安を口にできるのは類の前だけだった。『結婚は誰でもそんなもんじゃないかな? それ...

  • 2

    送別会もお開きの時間となり、類がつくしを送る事になった。「じゃあ、元気でな。」「まあ一週間後のお前たちの結婚式には出席するんだけどよ。」「その時に、先輩の一世一代の晴れ姿を目に焼き付けますので。」「つくし。 元気でね。 式の後に写真だけでも送ってね。」優紀だけは仕事があり出席できない。だが他のメンバーは出席することになっており、一週間後には再会する。それでも著名人が集まる式ではあまり会話も出来ない...

  • 1

    類、総二郎、あきら、桜子、優紀はつくしの送別会を行っていた。今日はつくしの大学卒業式があったばかり。だが明日にはNYへ行くことになっている。そして一週間後には結婚式が行われる予定だ。そんな中、既に仕事を始めている類、総二郎、あきらも駆けつけた。四年の約束はつくしが大学を卒業するのを待ってとなり、一年延び五年になっている。遠距離もやっと実を結ぶ事となり、皆安堵していた。「しかし、、、いよいよかぁ。」「...

  • 51

    類とつくしは片づけをしながら話をする。「牧野。今の仕事なんだけど、年が明けたら止められる?」「やっぱりアルバイトというのはヤバイ?」「いやそう言うんじゃないけど、どうせなら花沢物産で働いて欲しいかな?と思ってさ。」「大卒でもないしスキルも何もないのに花沢物産で勤まるとは思えない。もちろん類の彼女である事は嬉しいしこれからも一緒に居たいとは思ってる。」(つ:類と一緒に居たいと思うけど不安が大きい。あ...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、りおりおさんをフォローしませんか?

ハンドル名
りおりおさん
ブログタイトル
さくらいろ
フォロー
さくらいろ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用