退院してきたオヤジがある日突然、覚醒し、しゃべり始めたのは1月半ばのことだった。あう、うう、とうなるばかりで言葉がでてこなかったのに、ある朝「今夜はハリーポッターを見よう」とか言うんだから驚いた。いつも喋れるわけではないし、すらすらとはいか
母は要介護4、父は要介護2、妹は重度障害者。シングル在宅介護をしながらも、私の仕事は介護士で、職場は訪問介護とデイサービス。寝ても覚めても介護な人生。家族と事業所、どっちのキモチも分かってしまう板挟み。なにはともあれ楽しくやるよー!
「在宅介護しながら自分の人生を生きる」を目標にするブログです。 本業は介護士、ときどき作家。2018年、たかはたゆきこの名前で「おでかけは最高のリハビリ! 要介護5の母とウィーンを旅する 」(雷鳥社)を出版。第4回斎藤茂太賞受賞。
昨日、新しいスリッパを買った。いつもよりちょっとだけいいやつを買った。温かくて履き心地のいいスリッパ。なのに。ものの数時間でオヤジの黄色い池を踏んでしまった。なんでこんなところにオシッコ池が!トイレはもうちょっと先だぞ!まあ、間に合わなかっ
先日も書いたが、オヤジが布団をうまくかぶれなくなった。もともとすぐ脱いでしまう人だが、脱ぐだけでなく、かぶれないのだ。毛布と布団の2枚だと、毛布だけしか体にかけられない。何度かけなおしても、布団は体の下に敷いてしまう。これからどんどん寒くな
私は料理が苦手だ。苦手だが、与えられた仕事はこなさなくてはいけない。・・・訪問介護のサービスの中に「調理」という項目があるのですよ。それで今日も必死になって食材と格闘していた。必死すぎて脇目も振らない。利用者さんの様子さえあんまり目に入って
介護福祉士の試験が1月末に迫っている。もう2ヶ月しかない!なのにぜんぜん勉強がはかどらない。勉強しなくちゃとは思うんだけど、とにかく寝てしまうのである。参考書も問題集も開いたとたんに寝落ちする。スマホアプリでも寝落ちする。なんなら「座っただ
お風呂のリフォーム工事2日目。臆病者のシシィさんもちょっとだけ慣れてきた様子。当たり前のことなんだけど、工事中はお風呂が使えない。2週間ほど使えない。これはもう仕方がない。仕方がないんだ。仕方がないから、近所の温泉に行ってきた。行って帰って
ついにリフォーム工事が始まった。初日は浴室を取り壊すという。心配なのは猫たちのことだ。工事の音や器具や職人さんたちの匂い、何が起こっているのかわからないことで、大きなストレスがかかるだろう。それで母に「猫たちをよろしくね」と頼んで出かけてい
いよいよ明日からお風呂とトイレのリフォーム工事が始まる。今日は祝日だというのに大工さんが来てくれて下準備をしてくれた。廊下の養生と、それから・・・猫脱走用ドアの設置。猫たちが工事現場に入り込んだら危ないし、脱走したら大変だから。廊下をふさぐ
うちの両親は同じデイサービスに通っているが、日は別々だ。2人とも「同じ日に行くのはイヤ!」と言うからだ。なにか恥ずかしいんだろう。けれど今日はデイの方から「お二人で来てください」と連絡があった。イベントをやるらしい。11月22日・・・「いい
いよいよ今週からお風呂とトイレのリフォームが始まることになった。オヤジが安全に使うためのバリアフリー・リフォームだ。段差をなくしてユニットバスを入れて手すりをつけまくる。むちゃくちゃお金がかかる!さすがに今回は妹にも出資してもらうことになっ
訪問介護の仕事をしていると、親の介護に活かせるノウハウを仕入れることができる。たとえば、高齢男性はトイレを汚してしまうので、予めペットシーツを敷いておく、というような。90代の男性利用者さん宅のトイレはわりとみんなスゴイことになっている。だ
スーパーの野菜売り場でじゃがいものバラ売りを買った。バラ売りだから、必要なぶんだけを小さなビニール袋に入れる。そのビニール袋が・・・開かない。開かないのです!指先が乾燥しすぎて、カサカサやっても全っ然、開かないのですよ!じゃがいもだから触っ
大したことないけどちょっと怖かったので苦手な方はUターンで。訪問介護の利用者さんで「嫌いなものはオバケ」という方がいる。「怪談とか幽霊とかダメやねん。私、一人暮らしやろ?夜になると怖ぁて…」そんな、オバケなんか実在しませんよ!私は笑いとばす
朝から掃除・洗濯・粗大ゴミの運搬をすませ、猫にゴハンを食べさせて。両親を起こして着替えさせて朝ごはんを食べさせて服薬させて。オヤジをデイに送り出し、母をショートに送り出し。そうして私は休みになった。仕事は休み、介護も夕方まで休み。「2ヶ月ぶ
オヤジがどんどんケモノじみていく。顔を洗わない・歯みがきしない・ヒゲをそらないのはもちろんのこと、今年は着替えもしなくなったし布団もかぶらなくなった。目の前に食べ物があると座りもせず手も洗わず、そのまま立ったまま手づかみで食べたりする。「そ
仕事で失敗して凹んでた。「私はなんてダメなんだろう」と落ち込んでた。私はあまりにも粗雑で、いい加減で、ツメが甘い。家のことならそれでいいけど仕事ではダメだ。もっと落ち着いて確実に作業をしなければ・・・。そんなことをデイで愚痴ったら「いいのよ
家に引きこもっているオヤジをどうにかリハビリしたい。どうやって外に連れ出すか?だいぶ迷ったのだけど、タバコを買いに行くことにした。週1回、1箱だけタバコを買う。普段はテレビから離れないオヤジも「タバコのためなら」頑張れる。私の足なら歩いて5
私にとって秋は鬼門だ。ろくでもないことばかり起こる。頭を抱える問題も多い。お風呂をバリアフリーリフォームするんだけど、工事のあいだお風呂が使えないだけでなく、脱衣所に置いてある洗濯機も使えないことが発覚した。「洗濯機が使えない」、しかも10
久しぶりに風邪ひいたみたい。デイサービスのレクで紅葉狩りに行ったんだが、妙に薄着の利用者さんがいて、ものすごく寒がるもんだから、私のジャケット脱いでお貸しした。「脂肪着てるから大丈夫ですよー!」・・・うん、実はぜんぜん大丈夫じゃなかった。も
昨日から急に冷え込んできた。寒気が戻ってきたらしい。露の美しい朝になった。職場のデイサービスで利用者さんに「あなた、ご主人は?」ときかれたので、ついうっかり「独身なんです」と正直に答えちゃったら、さあ大変!そのあと延々、昭和ヒトケタもしくは
淡路島、四天王寺、動物王国、舞鶴、福崎。冬が来る前に行きたいところがたくさんある。だが「次の休みはお出かけしよう!」と決めた日に限っていつも邪魔が入るのだ。私の用事が入ったり。母の体調が悪くなったり。今日は天気が荒れるという予報だったのであ
学生時代、後悔ばっかりしている友人がいた。「後悔してるわー後悔してるわー」が口癖の。学食にいけば「やっぱりB定食にすればよかった。後悔してるわー」バスに乗れば「やっぱり歩けばよかった。後悔してるわー」という具合に。私はうんざりして、一生「後
仲睦まじい夫婦の話をしよう。認知症のご主人を、奥さんが一人で介護をして、もう10年になるだろうか。奥さんはしっかり者で愛情深く、それはそれは甲斐甲斐しくお世話をされている。「結婚したのが遅かったから子供はいないんよ。ほいでもべつに寂しいとも
やっと。やっと。やっと!施設入所中の妹に、やっと会うことができた。コロナの前は毎月ドライブへ連れていったり帰省させたりしていたのに。外へ連れ出すどころか長らく面会もできなかった。両親が面会できたのは1年ぶりだろうか。ビニールシートに囲まれた
来年、介護福祉士の国試を受ける予定で勉強をしてるんだけど。進まないの。ぜんっぜん進まないの・・・。べつに勉強が嫌いとかじゃなくて、ただただ、、寝落ち率が高いのだ。教科書ひらいたら5秒で寝る!問題集をひらいたら1問目の問題文を読んでる途中で夢
「明日はおでかけをしよう」ボスが言い出したのは昨日の夕方のことだった。うちのデイサービスはとにかく少人数なので融通がきく。その日の天候や利用者さんの体調に応じて(そしてボスの気分に応じて)「お天気がよくなったからそのへんを散歩しよう」とか「
午後、職場のデイサービスに顔を出すと「ちょっとちょっと!」ボスに呼ばれた。「ちょっとこっち来て!」えっ、私、また何かやらかした?と不安に思いながら事務所に上がっていくと。「そのへん片付けてたら昔のアルバムが出てきてね。これあげる!」ボスに渡
「毎日毎日同じことの繰り返しで退屈だ」そう言った人がいた。ちょっとびっくりした。仕事が退屈な人なのかな。昨日と今日とが同じだなんてありえない。完全にまっすぐな道も、完全に平らな道がないのと同じ。私たちはいつも、でこぼこして曲がった道を歩いて
母がデイサービスに行くの月・木・金の週3回と決まっている。だが、デイでイベントがあるときはたまに行くことがある。先日は「ハロウィン・イベントをするのでぜひ来てください!」と招待され、土曜なのにデイへ行った。利用日以外にもデイへ、・・・行くの
本日、初めてのことに挑戦してきました。人前でしゃべるという挑戦。三田市の「さんだ生涯学習カレッジ」にて90分の講座をさせていただきました。いまだコロナ禍なので受講生は数人限定。換気・消毒を徹底されてます。タイトルは『おでかけは最高のリハビリ
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退院してきたオヤジがある日突然、覚醒し、しゃべり始めたのは1月半ばのことだった。あう、うう、とうなるばかりで言葉がでてこなかったのに、ある朝「今夜はハリーポッターを見よう」とか言うんだから驚いた。いつも喋れるわけではないし、すらすらとはいか
オヤジがそこらへんにオシッコをまき散らすようになり「話が違うー!無理ー!」とケアマネさんに泣きついたその夜。オヤジはまた転倒をした。ケガはなかったが、とっさに縋った手すりが壊れるありさまだった。そのあと、私はまじめに話てきかせた。周囲からは
退院に際し、病院からの報告では「柔らかいものしか食べられない」「ほぼ歩けない」「活力、気力の低下がみられる」と言われていたオヤジ。退院してからの3日間で・・・大方の予想どおり、めちゃくちゃ元気になっていった。だって、家には孫たちがいるんだも
病院からは「もう少し入院されたほうが」「このまま施設入所はどうか」とすすめられたが、ぜんぶ断って帰宅した。理由は、孫に会わせてやりたかったから。小学4年生の龍と、高校生になった梅(もう一人の椿は今回来日しなかった)。オーストラリアで暮らす孫
前回の記事からまた数か月あいてしまった。現在、オヤジは退院して両親ともに在宅介護となった。相変わらずいろんなことがある。相変わらずバタバタしている。気が向いたときに少しずつ書いていこうと思う。------------------------
退院から20日。母は元気だ。絶好調といっても良い。薬こそ続けているものの、喘息なんて本当にあったのかと思うくらい元気。「酸素ボンベつけて帰宅」とか言われていたのが夢だったのかなくらいに元気。毎日のようにCMに乗せられて「ほら、『人生にもっと
「筋力低下で立位がとれません。在宅介護は厳しいでしょう」と言われたのに「私ならできます!」と言い切って母を退院させることに決めたけれど。私はちょとドキドキしていた。先週、病院ではちゃんと介助できたけど、あれはきっと、すごく調子がよかったから
「在宅介護は厳しいでしょう」気管支炎で入院した母。転院をくりかえし「あと1、2週間で退院できそう」というところまできた。呼吸も落ち着き、酸素ボンベももう要らない。いよいよ退院して元の生活に戻れる!と、思いきや。「正直、厳しいと思います」と言
7月に脳梗塞を起こすも「風邪じゃないですか」と処置されず、救急でようやく入院させてもらったオヤジ。8月に気管支炎となるも入院させてもらえず、悪化してようやく入院できた母。・・・やれやれ。私は過労で熱なんか出してしまった。それでも入院させたら
母は風邪をこじらせて気管支炎となり、紆余曲折の末ようやく入院することができた。そこは7月からオヤジが入院している市民病院。「夫婦2人で同じ病院だ!」と私は喜んだ。「通う手間が省ける!」入院したって放ったらかしにはできない。オムツなどの消耗品
療養型病院(1回目)在宅医の紹介をもって救急にいったのに「これくらいじゃ入院させられない」と帰宅させられた母。翌朝になっても状態は芳しくなかった。まったく飲み食いできないし、息も苦しそうだ。血中酸素飽和濃度は90を切っている。・・・本当はも
母が入院しました。経過とご報告です。長くなるんで分けます。風邪前回、私が風邪をひいて熱を出した話を書いた。39度くらいの熱が1週間ほど続き、ようやく引いてきたと思ったら・・・母に風邪がうつった。まあ、そりゃ、うつるよね。移乗も排泄も食事介助
熱が出た。火曜の夜のことだ。ちょっと喉が痛いな、程度だったのが夜遅くなって突然、関節が痛くなって、気が付いたら高熱だった。「これは、アカンやつや!」とうとうコロナが来てしまったのか。もちろんこういう仕事をしているので5類だろうが酷暑だろうが
水頭症の手術から2週間近くがたつ。手術によってオヤジはどうなったのか?少しでもよくなったのか?気になるところだが全然わからない。だって、ぜんぜん面会できていないからだ。術後すぐに「病棟でコロナがでました。面会は完全禁止です」となり、私はただ
オヤジが手術を受けることに決めたはいいが、さあ、大変だ。なにしろ手術は「明後日です」ときたもんだ。「ご家族さん、明日と明後日は病院に詰めてください」2日間、体をあけなくてはいけない!申し訳ないけど仕事は休む。母はデイサービス・ヘルパーさん・
脳梗塞で入院したら、なんと水頭症が発覚したオヤジ。根性なしのオヤジがリハビリをするとは思えなかったため「手術は受けない」と決めたのだが…。●オヤジの決意担当医と話した翌日。私は仕事でイベントに出席していたが、自分の講演だけ終わらせるとそのま
●手術をするかどうか「さて本題ですが」病院食をさんざんディスったあと、担当医はMRIの画像を見せながら話を切り替えた。「お父さんの脳の隙間、異常に大きいんですよ。これ水痘症ですね」・・・あ。水痘症。「脳に髄液がたまる水痘症で、失禁、歩行障害
オヤジが脳梗塞を発症して約1ヶ月がたつ。入院先の病院からは何の連絡もなくちょっとやきもきしていたところ、入院3週間でようやく進展があった。長いので分けて投稿していく。病院の待ち時間にポメラで書いて投稿しているため読みにくかったらすみません。
脳梗塞で入院したオヤジ。面会は午後2時~4時の2時間だけと制限されているから、仕事のある日は行けないが、休日には顔を見ることができる。いつもベッドで横になっていて、体位変換用のクッションが当てられ、自力で起き上がることもできないのは見てとれ
ちょっと調子が悪いだけオヤジの調子がおかしくなったのは2週間ほど前だ。その木曜は朝から少し調子が悪かった。寝起きのせいかふらふらしている。でもそれだけで、朝ごはんも普通に食べていた。デイサービスから帰ってきたとき、スタッフさんからも「ちょっ
両親がショートステイに行ってくれたので、姪っ子の椿と2人でUSJに行ってきた。三が日は過ぎたとは言え、かなりの混雑。「うわあ2時間待ち・・・」「でもこっちは190分待ちだよ」「2時間のほうがまだマシかあ」いや、文句なんか言ってる場合じゃない
新年あけましておめでとうございます。昨年は気を抜きすぎてしまいましたが、今年もきっと気を抜くでしょう。在宅介護生活もそろそろ10年。なるべく手を抜いて、ゆるゆるやっていく所存です。今年もよろしくお願いします。さて、昨夜。オーストラリアに住む
2022年も残りわずか。今年一年を振り返ってみると・・・ああ・・・書かなかったな・・・としか言いようがありません。介護福祉士の資格をとったり、仕事の種類が増えたり。講演の仕事がちらちら舞い込んできた李、オヤジの介護度が上がったり。今年も一年
サンタさんお願いですお金をください現金をください電気代とガス代とオムツ代と薬代をください袋いっぱいの万札をくださいそれができないのなら戦争を止めてください魔法使いがいないのは知っていますそれでも願うことが許されるなら今夜だけ望みを口にするこ
子供の頃、本が好きで、ずっと本ばかり読んでいた。冒険の話が好きだった。トム・ソーヤーにロビンソン・クルーソー。小人のニルス・カールソンに長靴下のピッピ。ETやグーニーズのノベライズも好きだったな。現実がおもしろくなかったから物語の中に逃げて
案内ハガキが届いたのはいつだっただろうか。オヤジの職場のOB会のお知らせはがき。退職した人たちでゴルフをしてお茶会をする会で、コロナで中止が続いていたけれど「今年は集まります」と。「行きたい!」とオヤジは言った。オヤジがこんなにはっきり意思
火曜は私は仕事の日。両親は家にいて、ヘルパーさんや訪問看護にみてもらう、そういう日だ。昨日も安心して出かけていった。午前中の仕事が終わり、さあ家に帰ろうというタイミングで。着信があった。ケアマネさんである。車を停めて電話にでると、ケアマネさ