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  • 杉原千畝とユダヤ人

    〈正義〉とは何か、などと難しいことを考えるのは後回しにして、〈正義〉がないと世界はどうなるのか、それを考えてみよう。困っている人を見れば、心が痛む。困っている人を助ければ、気持ちがいい。ナチスの迫害から逃れて、リトアニアに押し寄せた多数のユダヤ人たち。その彼らにパスポートを発給して、彼らが窮地から脱出するのを手助けした杉原千畝は、さぞ気持ちが好かっただろう。「第二次世界大戦である1939年からリトアニアのカウナス領事館に赴任していた杉原は、ナチス・ドイツの迫害によりポーランドなど欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情。1940年7月から8月29日にかけて、大量のビザ(通過査証)を発給し、根井三郎と共に日本経由で避難民を救ったことで知られる。その避難民の多くがユダヤ系であった。」(ウィキペディアより)言...杉原千畝とユダヤ人

  • 石破新総裁と戦略的互恵関係

    公明党はきのう28日の党大会で山口代表の後任に石井幹事長を選出した。石破新総裁は同日、その公明党の党大会に来賓として出席し、次のようにあいさつしたという。「あと1年以内に国政選挙があり東京都議会議員選挙など多くの選挙がある。公明党の候補者がすべて勝利するよう自民党総裁として全力を尽くしていく。共に助け合い、日本のため、政権を維持するために全身全霊を尽くしていく。」(NHKNEWSWEB9月28日配信)共に助け合い、か。自民党は公明党と今後も「持ちつ持たれつ」、「相見互い」の関係で行くということである。ここで私は、妙なことを思い起こした。武田鉄矢扮する国語教師の「金八先生」が、中学3年B組の生徒たちに、「人という字は、人と人とが支え合っている姿を表したものなんだよ」と教えているシーンである。金八先生のこの教...石破新総裁と戦略的互恵関係

  • 過去にこだわりつつ今を生きるには

    哲人アリストテレスを引き合いに出すまでもなく、我々人間は社会的動物である。そうである以上、この私が社会的な問題のあれこれに関心を持ったとしても、それは決して不自然なことではない。けれども、この私は社会の中で、一個の私として、ーー他人とは違った一人の個人として生きている。パーソナルな問題も私の関心をとらえて離さない所以(ゆえん)である。私がほぼ毎日覗かせてもらっている「団塊シニア」さんのブログは、どちらかといえば社会的というより、パーソナルな問題に焦点を当てている。ブログ「団塊シニアのひとりごと」のきょうの表題は、「過去にこだわらないで今を生きる」。こんなことが書いてあった。「私自身は過去をあまり引きずらないで生きてきたつもりだ、それは齢を重ねてなお強くなってきた気がする、どんなに疲れてもどんなに行く手を塞...過去にこだわりつつ今を生きるには

  • 次の首相と対中問題

    きょうの朝日新聞は、第1面でこそ「袴田さん、無罪」を大きく取り上げたものの、第1、3面では、「海自艦、台湾海峡を通過活発化する中国、牽制首相判断」、「対中抑止戦略、次の段階不測の事態招くリスクも海自艦、台湾海峡通過」の見出しをかかげ、国家の安全保障問題にかなりのスペースを割いていた。私が注目したのは、次の条(くだり)である。「海軍艦艇による台湾海峡通過は、米国を始め、英独などが実施していたが、日本は中国の近隣であるうえ、台湾を『核心的利益の中の核心』と位置付ける中国の立場を尊重し自制してきた。しかし、最近の中国による日本周辺での軍事活動の活発化に、防衛省内では『中国になめられ続けてはいけない。日本側も台湾海峡を堂々と通るべきだ』(幹部)との強硬論が強まっていた。」(朝日新聞9月27日)この記事の「中国にな...次の首相と対中問題

  • 自民党総裁選 いよいよあしたか

    きのうの朝日新聞は、第1面にでかでかと自民党総裁選の予想記事を掲げていた。「石破・小泉・高市氏が軸自民総裁選、決選投票へ駆け引き」しかしながら最終結果は五里霧中。石破・小泉・高市の3氏のうちの2人が決選投票に進むことがほぼ確実、というだけで、だれが次の自民党総裁になるかは全く見通せない情勢だという。予想の結果は、「結果は予測できない」。これではまるでハイゼンベルクの不確定性原理みたいではないか。「3人はいずれも無派閥ながら、政治的立ち位置が異なる。背後の人間関係も巻き込み、強みと弱みが交錯する『三すくみ』の対立構図が生じている。」(朝日新聞9月25日)結局、だれが次の総裁になると見るかは、「だれが次の総裁になるのを望むか」によって違ってくる。もっとも、「『選挙の顔』として期待される小泉氏が告示後から失速す...自民党総裁選いよいよあしたか

  • 虎に翼 尊属殺に想う

    NHKの朝ドラ「虎に翼」は最後まで重たい。今週はこのドラマの最終週に当たる週で、もう残りわずかだというのに、フィナーレは「尊属殺重罰規定違憲判決」だった。1973年に実際に出された有名な判決で、この判決を知ったときのことを私はよく憶えている。当時23歳だった私は、この判決のことを新聞で知って、「おかしな判決だ!」と思ったのである。半世紀の歳月をへて74歳になった今現在の私は、そうは思わない。「おかしな判決だ!」と思った当時の自分を「おかしな奴だ!」と感じる今現在の自分がいる。この判決を、23歳の私がなぜ「おかしな判決だ!」と思ったのかを改めて検討してみたい。この判決を、なぜ私は「おかしな判決だ!」と思ったのか。当時の私は、こう考えたに違いない。「親を殺すなんて、人間のすることではない。犬畜生にも劣る人非人...虎に翼尊属殺に想う

  • 自民党総裁選と旧統一教会問題(その2)

    朝日新聞が9月17日に報じた特ダネ(スクープ)記事「安倍氏、旧統一教会会長と面談か13年参院選直前、総裁応接室萩生田氏・岸氏も同席」は、小泉進次郎候補を支援する陣営が(ライバルたちを蹴落とすために)投げた陰湿な悪巧みの刃だった。私のこの見方はすでに述べたが、この裏情報のリークを受け、これをスクープとして大きく報じた朝日新聞の、その目論見はリークした側のそれと同じではない。このスクープの翌日、9月18日に掲載した社説で、朝日は次のように書いている。「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との『組織的な関係』を否定してきた自民党の説明に疑義を突き付ける、新たな疑惑が明らかになった。岸田首相が「退陣」を表明した記者会見で、裏金と並んで国民の政治不信を招いた原因に挙げた問題である。不十分に終わった実態解明に改めて取り...自民党総裁選と旧統一教会問題(その2)

  • 自民党総裁選と旧統一教会問題

    朝日新聞が9月17日に報じた特ダネ(スクープ)記事「安倍氏、旧統一教会会長と面談か13年参院選直前、総裁応接室萩生田氏・岸氏も同席」は、小泉進次郎候補を支援する陣営が(ライバルたちを蹴落とすために)投げた陰湿な悪巧みの刃だった。この刃によって、旧統一教会と深い関わりのある安倍派は大きな痛手を受けたが、同時に、(裏金問題で地にまみれた)安倍派が(失地を回復しようとして)もり立てた、タカイチ姉さん(高市早苗候補者)や、コバホーク(小林鷹之候補者)も、相当な痛手を受けたに違いない。その限りでは、このリーク作戦は、進次郎陣営の狙い通りだったといえる。だが、そうは問屋が卸さないのが、世の習いである。この陰湿な刃は、自民党総裁選の他の候補者たち全員をもろともなぎ倒し、ついには進次郎候補者自身にブーメランとして返ってき...自民党総裁選と旧統一教会問題

  • 老年の読書の秋 デイサの一冊(その2)

    本の話に戻ることにしよう。デイサのスキマ時間に読む「この一冊」の話である。前回とりあげた「この一冊」は、『老年の読書』(前田速夫著、新潮選書)だった。この本を読みたいと思っているのに、なかなかたどり着けない。そういう話をした。きょう取りあげようと思う「この一冊」は、『寿命が尽きる2年前』(久坂部羊著、幻冬舎新書)である。この本も『老年の読書』と同様、ブログ「一日の王」で紹介されていたのだが、この本を紹介するこのブログを読みながら、私はアンビバレントな感情にとらわれた。読みたくもあり、読みたくもなし・・・。どうやらこの本は、「ピンピンコロリ」の幻想を打ち砕く内容らしいのである。かつて私は、本ブログで次のように書いたことがある。「だれもが触れたがらない真実、アンタッチャブルで、不都合な真実。高齢者の何割かがあ...老年の読書の秋デイサの一冊(その2)

  • 朝日のスクープ記事 その続報に想う

    「老年の読書の秋デイサの一冊」の、その続編を書く予定だったが、予定が狂った。これは次回に先送りすることにする。というのも、けさ「朝日新聞紙面ビューアー」を開いたら、第1面にでかでかと次の見出しが打たれていたからである。「教団系支援、党本部に報告安倍氏面談で支援確認の北村氏13年参院選、19年も」これは、先にとりあげたスクープ記事「安倍氏、旧統一教会会長と面談か13年参院選直前、総裁応接室萩生田氏・岸氏も同席」の続報である。私がとっさに頭に浮かべたのは、すぐ間近に迫った自民党総裁選の日程である。自民党員向けのこの選挙の、その投票日は9月27日。折も折、朝日はどんな意図があって、きょうこんな続報記事をぶち上げたのか。私は、このスクープ記事をとりあげた自分のブログ記事《自民党総裁選朝日スクープの裏を覗く》(9月...朝日のスクープ記事その続報に想う

  • 老年の読書の秋 デイサの一冊

    このところデイサでは、スキマ時間にずっとR・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』(村上春樹訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んでいる。昔々、別の訳者になる単行本を読み、面白かった記憶があるので、今度はあの(万年「ノーベル賞候補」作家の)村上春樹の訳ではどうかと、新たに買ってみたのである。買ったはいいが、この文庫本、なにせ600頁もある大部のもの、(それに加えて、デイサの喧騒もあって)なかなか読み終らない。実は、次に読みたい本があり、これはアマゾンで買ってすでに手元にある。早くこの本を読みたいのだが、上のような事情からこの本までたどり着けないのが、もどかしい。私は左手が麻痺しているので、デイサのしっかりしたテーブルでないと、紙媒体の「本」を読むことができないのである。なかなかたどり着けないでいるこの本は、『老...老年の読書の秋デイサの一冊

  • いいぞ!石破候補者

    今や佳境に入った自民党総裁選だが、私はこれに特段の関心があるわけではない。そもそも党員でない私は、この選挙に投票権を持たない。しかし、全く関心を持たないかといえば、そうではない。マジョリティーである自民党のトップ、すなわち自民党総裁がほぼ自動的に日本国首相になる以上、一国民である私がこの選挙に無関心でいられるわけがない。だれが自民党総裁にふさわしいのか。だれが日本国首相にふさわしいのか。けさ朝日新聞を読んで、私は「ふさわしいのは、石破さんかな」と思うに至った。きのうの「北の打ち上げ花火」に刺激を受けたからではない。国防政策に力を入れる石破氏は「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設を提唱しているが、これに対して茂木氏は「現状では集団的自衛権の全面的な行使は憲法との関係でどうなるのか。欧州と異なりアジ...いいぞ!石破候補者

  • 北の打ち上げ花火が

    けさ朝ドラ「虎に翼」が終わったあとで、NHKは「北朝鮮がミサイルをぶっ放した」と臨時ニュースを伝えた。「防衛省などによりますと18日朝、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが2回発射されました。いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側にすでに落下したとみられていて、防衛省が警戒と監視を続けています。」ははあ、またか、と私は思った。北朝鮮は日本の政治イベントを意識して、盛大な「花火」を打ち上げたに違いない。これまでもそうだった。細かいことはもう忘れたが、北の豚魔大王は、安倍首相の時代から日本で何か事があるたび、何度もミサイルをぶっ放してきた。今回は、今や宴もたけなわの日本的政治イベント「自民党総裁選」を意識してのことに違いない。「俺たちのことも忘れるなよ」ということだろう。でも、北朝鮮は一体何をねらっ...北の打ち上げ花火が

  • 自民党総裁選 朝日スクープの裏を覗く

    けさの起きがけに「朝日新聞紙面ビューアー」を開いたら、第1面にでかでかとこんな見出しが打たれていた。「安倍氏、旧統一教会会長と面談か13年参院選直前、総裁応接室萩生田氏・岸氏も同席」安倍元首相が取り巻き連と一堂に会した証拠写真も大きく掲げられている。これはスクープだ!私はそう思った。でも、朝日は一体どんな意図からこんなスクープを打つのだろう。自民党の総裁選が間近に迫ったこの時期に、こんな記事をのせるのには、何か大きな理由があるはずだ。では、総裁選の候補者のうち、この記事によって得をするのはだれなのか、損をするのはだれなのかーー。旧統一教会といえば、自民党支持団体の中でもいわば保守派の総本山、「選択的夫婦別姓」問題については、一貫して反対の姿勢を貫いている。「選択的夫婦別姓」問題といえば、小泉進次郎候補が保...自民党総裁選朝日スクープの裏を覗く

  • 自民党総裁選 候補者たちによる地方遊説

    きのうの夕刻、いつものように食卓でNHKテレビの「ニュース7」を見た。「自民党総裁選の候補者たちによる地方遊説」、それがトップニュースだった。全員がそろって「復興」、「復興」と叫んでいる。はじめ私は、これは能登半島震災の復興のことかと思い、この地方遊説は石川県で行われたのかと思ったが、そうではなかった。会場はなんと福島県。候補者たちがこぞって「復興」と叫んでいたのは、あの東日本大震災の復興のことだった。そうと判ると、候補者たちの「復興」演説に、私は強い違和感を覚えずにはいられなかった。当選が有力とされる候補者の演説は、こんな具合だった。「石破元幹事長は地震や台風など自然災害への備えをめぐり『遊びや冗談で「防災庁」をつくると言っているのではない。避難所で被災者が雑魚寝するのは先進国では日本だけだ。自分や家族...自民党総裁選候補者たちによる地方遊説

  • 自民党総裁選 公開討論会で

    きのう9月14日のこと、自民党総裁選の候補者9人が日本記者クラブ主催の討論会で議論をかわした。私はそれをNHKの生中継テレビで見た。全体の印象からいうと、一人を除いて、全員がそこそこの受け答えでほぼ及第点。及第点をとれなかったその一人とは、上川外相である。彼女の発言はどれをとっても内容空疎で、およそ総裁候補のそれとは思えない。麻生の爺さんにおだてられ、勢いで木に登ったものの、このおばさん猿は見えた景色に戸惑い、しっかり恥をかいたといったところだろうか。これとは反対に、「おっ、この人はなかなかだな」と思わせたのは、茂木幹事長である。ぬーぼーとした風貌に似つかわしくない鋭い受け答えで、「おお、この人、なかなかやるじゃないか」と思わせた。その受け答えの一々は憶えていないが、けさの朝日新聞に、こんな記事がのってい...自民党総裁選公開討論会で

  • 自民党総裁選 偏向メディアの天邪鬼

    私がふだん接することの多いメディアは、私のひねくれた性格を反映してか、だいぶ偏向しているようだ。眠くならない夜など、私はYouTubeを見て時間を潰すことが多いのだが、そこには元朝日新聞記者のフリージャーナリスト氏が出てきて、自民党の若きホープ・小泉進次郎のことをけちょんけちょんにこきおろす。「こんな男が総理大臣になったら、日本は大変なことになる。ヨーロッパの首脳たちと渡り合える教養のかけらも持っていないのだから」といった具合である。ネットだけではない。私は昼食時、テレ朝の「大下容子のワイドスクランブル」を見ることが多いのだが、「小泉進次郎のバックには父親の小泉純一郎、菅元首相、森元首相がいる」と報じていた。菅義偉とか森喜朗と聞いただけで私はアレルギー反応を起こし、つい「若手のホープもこれじゃ台無しだな。...自民党総裁選偏向メディアの天邪鬼

  • 石破発言の波紋が(その2)

    石破発言は「(金融所得課税の強化を)実行したい」というものだった。この発言はどこがマズいのか。この石破発言に対して、小泉進次郎元環境相は「貯蓄から投資への流れに水を差すような議論をするタイミングではない」と批判した。林芳正官房長官も「貯蓄から投資へという流れとどう調和を取っていくのかも考えなければならない」と批判している。「貯蓄から投資へ」ーーどこかで聞いた言葉だが、これは岸田政権が掲げたスローガンにほかならない。朝日新聞は次のように書いている。「岸田政権が目を付けたのは、家計の金融資産だった。半分以上を占める現預金が投資に向かえば企業の成長の支えとなり、果実を家計に還元すればさらなる投資や消費につながる――。そんなもくろみから、『資産所得倍増』『資産運用立国実現』などの政策を打ち出し、投資を促した。その...石破発言の波紋が(その2)

  • 石破発言の波紋が

    「次の首相にふさわしい人」として国民の間に圧倒的な人気を博する石破元幹事長だが、つい最近、うっかりミスをして、ライバルの総裁選候補者たちから反論が相次いだという。こんな記事を読んだ。「自民党総裁選への立候補を表明した石破茂元幹事長(67)=無派閥=の金融所得課税の強化をめぐる発言が、党内に波紋を広げている。『ポスト岸田』候補からは否定的な意見が相次ぎ、石破氏は発言を修正。総裁選の争点になりそうだ。石破氏は2日、BS日テレの番組で『(金融所得課税の強化を)実行したい』と語った。金融所得課税は株式の売却益などへの課税で、現在の税率は約20%。」(朝日新聞9月4日i)うっかりミスと言ったが、この「(金融所得課税の強化を)実行したい」発言がなぜマズいのか、私にはわからない。石破氏にも(当初は)わからなかったに違い...石破発言の波紋が

  • 茂木幹事長の出馬表明 「増税ゼロ」は可能なのか

    自民党の幹事長といえば、政権与党のど真ん中に位置する役職であり、政権の政策立案に深くコミットする、そういう役柄である。岸田政権は防衛力強化の軍拡路線をとるとともに、少子化対策にも力をそそいだ。その結果、予算規模を大幅にふくらませ、その不足分を増税によって賄おうとしたことは、まだ記憶に新しい。岸田首相が「増税メガネ」と揶揄されるゆえんだが、この増税政策は岸田首相一人が責任を負うべきものではない。政策立案のプロセスにはいろんなケースがあるが、政権のナンバー2である幹事長にもその責任の一端があることは言うまでもない。ところがである。その幹事長である茂木氏が、今回の自民党総裁選への出馬を表明し、「私が総裁になったら(つまり、首相になったら)、『増税ゼロ』政策を実行する」と宣言したのである。「(茂木氏は)岸田政権の...茂木幹事長の出馬表明「増税ゼロ」は可能なのか

  • 朝ドラにアオハルを想う

    きょうの朝ドラ「虎に翼」は一挙に時代が飛び、昭和43年の(全学連による)東大安田講堂立てこもり事件から、45年の安保闘争(いわゆる70年安保)へ、という政治の季節が話題の中心だった。昭和43年といえば、私が大学に入学した年であり、それからの数年間は私の青春(アオハル)時代だった。懐かしくないわけがない。いわゆる学園紛争といい、安保闘争といい、これらは私のすぐ身近で起こった出来事だから、関心を持たないわけにはいかなかったのである。いつぞやのブログにも書いたことだが、昭和43年のあの「新宿争乱事件」があった当日、私は友人から「新宿の西口に行ってみないか」と誘われ、それを断った。機動隊から暴行を受け、ブタ箱行きになるのを恐れたためだが、この判断は正解だった。断っていなかったら、私はホントに機動隊にボコボコにされ...朝ドラにアオハルを想う

  • 自民党総裁選 「朝生」方式の提言

    今は昔、「朝まで生テレビ」という深夜討論番組があった。主に政治的なイシューをめぐり、名だたる論客たちが喧々諤々の議論を交わす。「俺が!」、「いや、俺が!」の目立ちたがり屋ばかりとあって、議論は紛糾し、結論に至らないことがほとんどだったが、それはそれで面白かった。当時、東大助教授だった政治学者の舛添要一が、ーーその後、参院議員に転身し、東京都知事になったあの舛添要一が、青筋立てて論陣を張っていた記憶がある。こんなことを書くのは、他でもない、今や宴もたけなわの自民党総裁選だが、この場にこの「朝生」方式を持ち込んだらどんなものか、と考えたからである。自民党総裁選は我々一般国民には投票権がなく、その意味では縁もゆかりもない遠い世界の出来事でしかないが、この選挙戦に勝利して自民党総裁になった候補者がほぼ自動的に日本...自民党総裁選「朝生」方式の提言

  • 自民党総裁選 候補者たちの政策信条(その3)

    「自民党総裁選政策検証」というタイトルで始まった朝日新聞のシリーズは、自民党総裁選の候補者たちがテーマごとのイシューに関して、どういう政策信条を持っているかを検証しようとする興味深い企画である。第3回の水曜日は、「金利と株価、問われる両立」がテーマだった。第4回の木曜日は、「『デフレ脱却』宣言はいつ」がテーマだった。だが、この第3回と第4回の記事を、私はあえてスルーしなければならない。「金利と株価、問われる両立」にせよ、「『デフレ脱却』宣言はいつ」にせよ、ここではこれらのテーマについて「自民党総裁選の候補者たちがどういう政策信条を持っているか」の検証が全くなされていないからだ。代わりに、これらのテーマがどういう意味を持っているのか、また、岸田政権がこれらのテーマにどう関わってきたのか、その解説が延々と続く...自民党総裁選候補者たちの政策信条(その3)

  • 優未、小学生になる

    私はかなりのテレビドラマ・フリークであるが、夜10時以降のドラマはTVerのリアルタイム配信で見ることにしている。ベッドに横になり、アーム・スタンドに取り付けたスマホでテレビドラマを見る。「寝タバコ」ならぬ「寝テレビ」の悦楽は、何ものにも替えがたい。昨夜はTBSの「笑うマトリョーシカ」を見た。スマホでTVerを開くと、驚いたことに、なんと(6年ほど前に放映された)「妻、小学生になる」が配信されているではないか。「名作ドラマ特集」と銘打っているが、6年も前のドラマが再放映されるのは異例のことだ。私が驚いたのには、理由(わけ)がある。きのうNHKの朝ドラ「虎に翼」を見ていたら、ヒロイン・寅子の一人娘・優未が登場した。役どころは高校生だが、優未を演じた女優がなかなか味のある演技をしていた。顔に見覚えがある。「あ...優未、小学生になる

  • 自民党総裁選 候補者たちの政策信条(その2)

    「自民党総裁選政策検証」というタイトルで始まった朝日新聞のシリーズは、自民党総裁選の候補者たちがテーマごとのイシューに関して、どういう政策信条を持っているかを検証しようとする企画である。第2回の火曜日は、「少子化対策、財源どこから」がテーマだった。【石破茂氏】「『社会保障全般を見直し、安心していただける年金、医療、介護、子育てを確立する』と言及。」【河野太郎氏】「『子育てサービスのオンライン手続きの一元化』を掲げる。」え?たったこれだけ?そう、「自民党総裁選政策検証」という企画の趣旨に合致する記事は、たったこれだけである。あとは、「少子化対策」がいかに岸田内閣の眼目だったか、その財源をどこからひねり出すか、それがいかにこの内閣のアポリアだったかを示すことに記事の大半が注がれている。こんな具合だ。「『待った...自民党総裁選候補者たちの政策信条(その2)

  • 自民党総裁選 候補者たちの政策信条

    今週の月曜から、朝日新聞で興味深い企画が始まった。「自民党総裁選政策検証」というタイトルの企画で、自民党総裁選の候補者たちがテーマごとのイシューに関して、どういう政策信条を持っているかを検証しようというものである。第1回の月曜日は、「選択的夫婦別姓」の問題がテーマだった。内容は以下の通りである。【小林鷹之前経済安全保障担当相】「8月24日のテレビ出演で『不利益や不便を感じる方がいることは認識している』としたうえで、『旧姓の通称使用が制度改正によって拡大している』と述べた。」ただ朝日は、これをもって小林氏が「選択的夫婦別姓の導入に消極的な考えを示した」としているが、この見解は私には理解できない。初回からミスリードの意図が先に立つようでは、先が思いやられる。【高市早苗経済安保相】「7月23日のネット番組で『安...自民党総裁選候補者たちの政策信条

  • ドイツで極右政党が

    人体が異物の侵入を防ごうとするように、人の集合からなる共同体、つまり社会も異物の侵入を防ごうとする。ーー先日のブログで、私はこう書いた。こう書いたとき、私はもう一つの記事を思い浮かべていた。「ドイツの州議会選挙で移民や難民に対して排他的な主張を掲げ、極右と批判される右派政党『ドイツのための選択肢』が、第1党となりました。ナチスへの反省から寛容さや多様性を重視してきたドイツで、極右とされる政党が主要な選挙で第1党になるのは初めてで、地元メディアは『将来世代への警告だ』などと大きく伝えています。」(NHKNEWSWEB9月2日配信)ドイツに限らず、ヨーロッパでは今、(移民を敵視する)極右政党の増殖が著しい。この極右化現象は、私が先に述べたことと関係しているのではないか。(移民という)社会の異物を排除しようとす...ドイツで極右政党が

  • ブタクサの季節に

    おとといから咳がでるようになった。きのうから眼がかゆくなった。涙がでて、眼球がいたみ、眼を開けていられなくなる。このところずっとご無沙汰だったが、何を隠そう、典型的な花粉症の症状である。でもこの時期、いったい何の花粉が悪さをしているのだろうか。妻に話したら、「ブタクサじゃないかしら」という。「ああ、あの黄色い色のやつか。でも、あの黄色のやつはまだ見かけないけど」「あの黄色いのは、セイタカアワダチソウ。ブタクサとは別よ」「そうなのか。まあブタクサでもセイタカアワダチソウでもどっちでもいいけど、どっちも9月になってからだろう。まだその季節ではないぜ」「あら、もう9月よ。大丈夫?」「ああ、そうか。そうだった。このところ暑い日ばかりで、ちっとも涼しくならないから、まだ8月かと思っていた。それにしても、まだまだ夏の...ブタクサの季節に

  • ウソのようなホントの話と、ホントのようなウソの話

    デマは恐ろしい。情報化社会の現代では、それはまたたく間にSNSで拡散され、ホントの情報と見分けがつかないものになる。いたずら心で何気なくSNSに投稿したニセの情報が、当人の与り知らぬうちにあれよあれよと猛スピードで世の中に拡散され、思わぬ結果を引き起こす。「風が吹けば桶屋が・・・」ではないが、いたずら心が大規模な暴動を引き起こすこともあるのだ。断るまでもないが、これは嘘八百の与太話ではなく、イギリスで実際にあった出来事である。私はこの話をNHKのニュースサイトで知った。「国民の皆様の公共放送・NHK」だから、嘘八百の偽情報をばら撒くようなことはしないだろう。今の時代では、ニュース・ソースを確かめることも欠かせない。以下はNHKが発信元の、ホントの情報である。「7月下旬からイギリスで広がり、1000人以上が...ウソのようなホントの話と、ホントのようなウソの話

  • 岸田政治とは何だったのか

    きょうの朝日新聞に「(日曜に想う)岸田首相の『政治家の意地』とは」というタイトルの記事がのっていた。この記事に触発されて、私なりに「岸田首相にみる『政治家の意気地なし』」について考えてみた。記事によれば、岸田首相は自民党総裁選への不出馬を表明した会見の席で、次のように語ったという。「政治家としてやりたかったこと、そしてやるべきこと、これをいま一度しっかりと整理し、そして方向性を示す。それだけは総裁選挙から撤退するに当たっても、しっかりと示していく。そういった政治家の意地みたいなものはあった。」この記事は、ここで言われた「政治家の意地みたいなもの」をテーマにしているが、私が着目したのは、岸田氏が「政治家としてやりたかったこと」である。3年前の8月26日、総裁選への出馬会見で、岸田氏は「国民政党であったはずの...岸田政治とは何だったのか

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