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  • 教科書検定問題に寄せて

    文科省が3月28日、小学校教科書の検定結果を公表した。これに関して、韓国からはさっそく批判の声が上がっている。「外務省報道官は声明で、島根県竹島(韓国名・独島)が『日本固有の領土』と明記されたことを問題視し、『不当な主張が盛り込まれた』と非難した。また声明は、日本の植民地支配下の徴用問題などを巡る記述について『強制動員に関連する表現が強制性を薄める方向に変更された』と批判。『日本政府が表明してきた歴史に関する謝罪と反省の精神を真摯(しんし)に実践する』よう要求した。」(JIJI.COM3月28日配信)相変わらずの日本批判である。領土問題はともかく、徴用問題については、つい先ごろ尹(ユン)大統領が訪日したことで、一応決着がついたのではなかったか。少なくとも、韓国の現政権が決着をめざしたことは事実である。いっ...教科書検定問題に寄せて

  • マスク着用/不着用と社会

    きのうupしたブログ記事について、すこし補足を行いたい。きのうのブログ記事の最後で、私は、(「コクラン」が公表した)研究論文を取りあげたネット記事を紹介したが、よく考えてみると、このネット記事が紹介するこの研究論文は、思いのほか深刻な問題を投げかけているように思えるのである。まずは、(すこし長くなるが)このネット記事の全文を紹介する。以下の通りである。「厚労省は、マスクの着用に関して屋外では原則不要、屋内では原則着用を推奨してきました。しかし、令和5年3月13日から、マスクの着用は個人の判断を基本とする方針に変更されました。行政が一律にルールを策定するのではなく、個人の主体的な選択を尊重するというのが方針変更の大きな理由です。一方で、感染リスクに対するマスクの有効性を疑問視する声も多く、加えてマスクの感染...マスク着用/不着用と社会

  • マスク着用をどうする

    ここ数日、テレビでは、「マスクを着用するかどうか」の話題が取りあげられることが多くなった。去る3月13日から、マスクが解禁になったからだという。それまでは「屋外でのマスク着用は原則不要。屋内ではマスク着用を原則推奨」だったが、3月13日以降は、「屋外、屋内を問わず、マスクを着けるかどうかは個人の判断が基本」になったというのである。新型コロナの感染法上の分類が「5類」になったことに伴う移行措置であるようだが、さて、それでは我々は、これからどういうスタンスでこのマスク問題に臨めば良いのだろうか。「そういうお前はどうなのだ?」と訊く人がいるかもしれない。私の場合は、ひどい花粉症なので、スギ花粉が多く飛ぶこの時期はマスクの着用が欠かせない。私の場合、春のスギ花粉は、秋のセイタカアワダチソウと同様、新型コロナウイル...マスク着用をどうする

  • 習主席の狙いは何か

    中国の習近平国家主席は21日、ロシアを訪問し、プーチン露大統領と会談を行った。彼はこれによって、一体何を狙っているのだろうか。こういう問いをかかげると、「お前は何を寝ぼけたことを言っているだ!」と息巻く向きもおられることだろう。「ロシアとウクライナとの間を取り持つため、仲介するために決まっているではないか。中国は先ごろ、両国の停戦に向けた仲裁案を発表した。それについてプーチン大統領と協議し、停戦が実現することを狙っているのだ」と。この声にお答えする前に、一つお断りしておきたいことがある。本ブログできのう検討した記事《中国のロシア・ウクライナ和平仲裁案が「現実的でも具体的でもない」本当の理由。習近平氏は「待っている」》(3月24日配信、筆者は岡田充氏)によって、私は、中国の仲裁案が12項目からなることを初め...習主席の狙いは何か

  • 中国の仲裁案が現実的でない理由

    きょうはサイト「BusinessInsiderJapan」に掲載された記事《中国のロシア・ウクライナ和平仲裁案が「現実的でも具体的でもない」本当の理由。習近平氏は「待っている」》(3月24日配信、筆者は岡田充氏)を紹介する。この論考はまず、中国が仲裁案を発表した狙いについてふれ、それは「中国抜きのウクライナ和平はないことを印象付ける」ことにあったとしている。その上で、習近平、プーチンの両首脳が会談後に発表した「中ロ共同声明」の読解に取りかかり、ロシアに対する中国のスタンスを読み解こうとする。今回の共同声明について、日本のメディアは、これがロシア軍のウクライナからの撤退を求めていないことを理由に、中国の姿勢を「ロシア寄りだ」と批判するが、そうではない、と筆者は言う。筆者が「そうではない」と断言する理由は、こ...中国の仲裁案が現実的でない理由

  • ロ−ウク停戦はいかに

    中国の習近平国家主席がプーチン大統領の招待に応じ、3月20日、ロシアを訪問した。習主席はさっそくプーチン大統領と会談を行ったというが、会談の議題は当然、中国が先に発表したロシア−ウクライナ間の停戦仲裁案をめぐってだったに違いない。私が何よりもまず知りたかったのは、中国が先に発表したとされるこの仲裁案の中身(具体的内容)である。中国が仲裁案を「発表した」ことは報道されたものの、不思議なことに、この仲裁案の中身は明かされなかった。中国がロシアとウクライナの双方に「停戦」を呼びかけ、対話を求めた、との報道はあったが、これではあまりにも漠然とし過ぎていて、仲裁案の具体的な内容までは判らない。それとも中国の仲裁案は、そもそもが内容空疎な玉虫色の「単なる提案」に過ぎないものだったのだろうか。中国の仲裁案の、その中身を...ロ−ウク停戦はいかに

  • 手塚治虫の「ほんとの戦争」

    きょうの朝日新聞に、「手塚治虫が伝えた本当の戦争」と題された記事が載っていた。手塚は41年、太平洋戦争が始まった年に旧制中学に入学し、勤労動員で軍需工場に働きに行かされた経験を持つ。その手塚が体験した「本当の戦争」とはどんなものなのか。どうせ空襲に見舞われた体験についての回想なのだろう。その体験を、この傑出した漫画家はどう受け止めたのだろうか。私は興味を持って記事を読みはじめた。興味の一端に、次の問いがあったことも否定できない。「この朝日の記事は、太平洋戦争が米軍との闘いだったことを、きちんと伝えているだろうか」この記事では、「米軍」とか「アメリカ」といった言葉の代わりに、手塚が自著「ぼくの描いた戦争」に残した次の言葉が紹介されていた。「戦争とは、かっこいい兵器がでてきて、いさましい突撃があって(中略)と...手塚治虫の「ほんとの戦争」

  • WBC決勝戦 テレビと私

    きょうのWBCの決勝戦は、テレビ中継を通して存分に楽しむことができた。侍ジャパンのピッチャー・大谷が、アメリカ代表の強打者・トラウトを三振に打ち取って勝負を決めた最後の場面では、私の身体が感動でわなわなと震えたほどである。無類の感動を与えてくれたテレビよ、ありがとう。最近の若者はテレビを見なくなったというが、我々ジジババ世代には、テレビはまだまだ有意義な快楽ツールである。テレビといえば、今年はテレビ放送が始まってから70年が経つそうだ。70年前のテレビ草創期の頃の様子を、昨夜の「NHKスペシャル」で特集していたが、その頃は照明ランプの熱のために出演者の髪が燃えたり、思いがけないアクシデントに見舞われたりして、番組を作る局員も出演者も、いろいろと苦労が多かったようだ。この番組を見ていて、不思議に思ったことが...WBC決勝戦テレビと私

  • にわか愛国者がにわかクリスチャンに

    昨夜はほんのちょっとうつらうつらしただけで、朝早く目覚めた。きょうは早朝からWBCの準決勝、対メキシコ戦がある。そう思うと、心が自ずとウキウキして、6時頃にはそのまま起き出してしまった。きょうの準決勝は、侍ジャパンに頑張ってもらわねば、村神様にはぜひとも1発、かっ飛ばしてほしいものだ、ーーそう呟いている自分がいた。きょうのWBCにしても、先ごろのW杯にしても、国際試合となると何やら俄(にわか)愛国者になってしまうおめでたい自分が、我ながら可笑しかった。試合は終盤になってメキシコにリードを許し、5対4で侍ジャパンの敗色が濃厚だった。そんな中、突然テレビの画面に「臨時ニュース」のキャプションが流れ、「岸田首相がウクライナのキーウを訪問、ゼレンスキー大統領と会談の予定」と伝えた。そうか、と私は思った。岸田首相は...にわか愛国者がにわかクリスチャンに

  • 北のミサイルに思う

    事件は、他のどんな事件と結びつけるかによって解釈が違ってくる。たとえば、きのう北朝鮮がミサイルをぶっ放した事件。私が聞いたのは次のニュースだった。(1)「防衛省によりますと、19日午前、北朝鮮から弾道ミサイル1発が発射され、日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したとみられています。ミサイルは変則的な軌道で飛行した可能性があるということです。」(NHKNEWSWEB3月19日配信)私はこのニュースを、夕食の時間にNHKの「ニュース7」で聞いたのだが、テレビのこのニュース番組では、すぐに次のニュースが流された。(2)「防衛省は、航空自衛隊の戦闘機とアメリカ空軍の爆撃機などが19日、日本海の上空で共同訓練を行ったと発表しました。艦艇による共同訓練も行われ、日米同盟の抑止力を強化したなどとしています。共同訓練...北のミサイルに思う

  • 桜の木の下には

    黒海上空を飛行中だったアメリカ軍の無人偵察機が、ロシア軍の戦闘機による妨害行動を受け、その結果プロペラを破損して、墜落したという。ロシアの報道官はこの事実を否定しているが、アメリカ国防省は証拠として、このときの映像を公開した。ロシアの主張に与するのは、かなり難しいように思える。アメリカとロシアのこうした鍔迫り合いは、おそらく日常茶飯事なのだろう。のほほんと平和を享受している我が日本でも、航空自衛隊によるスクランブル(緊急発進)は、22年度前半だけでも446回あったという。その大半は中国機に対するものだというから、日本と中国の間にも、これと似たような鍔迫り合いはしばしば繰り返されているに違いない。私が恐れるのは、こうした鍔迫り合いが偶発的なトラブル(計器の故障など)によって、思わぬ衝突を引き起こし、あれよあ...桜の木の下には

  • 習主席に停戦交渉は

    次の2つの情報を、私はワンセットのものとして受け止めた。(1)中国の習近平国家主席が、ロシア訪問の予定。(2)国際刑事裁判所がプーチン大統領に逮捕状。具体的には、私が受けとったのは次のニュースである。(1)「中国とロシアの両政府は、習近平国家主席がプーチン大統領の招きに応じて、今月20日から22日までロシアを公式訪問すると17日発表し、ロシア側は21日に首脳会談が行われると明らかにしました。両首脳による対面での会談は、去年9月以来で、習主席がロシアを訪問するのは、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、初めてです。(中略)中国は先月、ロシアとウクライナに対話と停戦を呼びかける文書を発表しています。」(NHKNEWSWEB3月17日配信)(2)「オランダ・ハーグにあるICC=国際刑事裁判所は、ウクライナ情...習主席に停戦交渉は

  • シャワー浴にて

    我が家には週に2回、訪看(訪問看護師)さんがやってくる。月曜日と金曜日。やってもらうことは毎回同じで、シャワー浴の介助と、ストーマ・パウチの交換である。月曜日の訪看さん、つまり月看さんよりも、きょうの金看さんは若干齢が若いようだが、はっきりした年齢はわからない。月看さんが40代後半、金看さんは40代前半といったところだろうか。シャワー浴は最近、やっと暖かくなり、厳寒期とは違って、だいぶ楽になってきた。軽口をたたく余裕もでてくる。黙っているのもアレなので、私は金看さんに「ゆうべは野球を見ましたか?」と訊いてみた。というのも、きのう私が「出勤」したデイサービスでは、「今夜は野球(WBC)を見るんですか?」というのが、スタッフとの挨拶代わりの常套句になっていたからである。「良いお天気ですね」と同様の感覚といえる...シャワー浴にて

  • 日韓VS.北の構図が

    北朝鮮がぶっ放した。またしてもぶっ放した。ICBM級のどでかいのを一発、ぶっ放した。狙いははっきりしている。韓国の尹(ユン)大統領がきょう訪日することへの抗議を込めた牽制である。尹大統領は先ごろ、国内の批判・反対の声を抑え込み、日韓徴用工問題に決着を図ろうとした。きょうの訪日にしても、国内の反対の声は少なくなかったに違いない。にもかかわらず「徴用工問題一件落着!」の手土産を持って来日するのは、日韓関係の改善を意図してのことである。尹大統領が日韓関係の改善を急ぐのはなぜか。ほかでもない、北朝鮮の核武装に対抗して、日米韓軍事同盟の結束を強めたいからである。北朝鮮を敵視し、軍事的に北に対抗しようとする尹大統領の意図は、素人の私でも分かる位だから、北朝鮮の最高指導者・金正恩がこれに神経を尖らせないはずはない。そこ...日韓VS.北の構図が

  • タカイチ騒動のツンデレ

    ツンデレという言葉がある。「普段は『ツンツン』してぶっきらぼうな態度をとっているものの、何かのきっかけで『デレデレ』して好意的な態度をとること」だという。タカイチ姉さんの昨今の騒動も、私にとってはツンデレのようなものだった。初めは、姉さんが「捏造」という言葉まで繰り出してあたふたと自己弁明に努める理由が解らず、この一件は私にはとっつき難い「ツンツン」の顔しか見せなかった。しかし一度解ってしまえば、「な〜んだ、そんなことだったのか」と、一から十まで腑に落ちる。締まりのない「デレデレ」のドタバタ劇がそこに顔を出したのである。そもそも姉さんは、総務省の文書をなぜ「捏造」だと一蹴し、「それが捏造文書でなかったら、自分は辞任する」などと息巻いたのか。「捏造」だとして退けようとしたその「文書」には、一体何が書いてあっ...タカイチ騒動のツンデレ

  • 大江健三郎の訃報に接して

    大江健三郎が亡くなった。享年88歳。この名前を久々に聞いて、私はとても懐かしい思いがした。久しぶりに青春時代の旧友に出遭ったような、そんな感じである。長らく無沙汰をしていたが、この人の仕事ぶりに無頓着だったわけではない。大学生だった頃、私はこの人の小説をよく読んだ。「死者の奢り」、「奇妙な仕事」といった初期の短編小説が主だったと思う。さほど熱心な読者ではなかったものの、瑞々しい感性が印象的だったのを憶えている。その後、長編小説の「個人的な体験」、「万延元年のフットボール」までは読んだが、私は以後の作品を読んでいない。私の関心は文学から離れ、哲学思想の方面へと移っていった。死去の報とともに新聞などに公表された評伝によると、大江は「反戦や護憲を訴え続けた」人物としても有名だったようだが、文学者によるそうした反...大江健三郎の訃報に接して

  • フクシマ記念日に寄せて(その3)

    きょうは残りの1紙、日本経済新聞の社説について見ていくことにしよう。《東北の復興は廃炉と両輪で進めよ》というタイトルが示すように、この社説は「東北の復興には、フクシマ原発の廃炉作業が欠かせない」と主張している。では、この主張はどういう理由に基づいてなされているのか。それを見る前に、ここでいう「廃炉」が何を意味するかをまず押さえなければならない。原発の「廃炉」というと、普通は「溶け落ちた燃料デブリの取り出し」を思い浮かべるが、この社説がいう「廃炉」は、それだけを意味しないからである。燃料デブリを取り出すに当たっては、それに伴って発生する大量の廃棄物の処分法が問題になるし、原発跡地をどう使うかも検討しなければならない。特に、核燃料廃棄物の最終処分法は最大の難問であり、まだ見つかっていないのが現状である。社説は...フクシマ記念日に寄せて(その3)

  • フクシマ記念日に寄せて(その2)

    きのう3月11日で東日本大震災から12年が経つが、12年前のこの大震災について論じた新聞社説のうち、きょうは残る3紙、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞の社説を取りあげよう。まずは読売新聞の社説《大震災12年移住を地域再建の足がかりに》から。この社説の論旨もタイトルがよく示している。タイトルにいう「移住」とは、フクシマ原発事故によって汚染され、ヒトが住めなくなった「帰還困難区域」へと住民が戻り、再び住みはじめることを指している。フクシマ原発事故によって汚染された地区の除染は遅々として進まず、住民の帰還が困難な状況は、12年経った今でも続いている。このことについては(きのうの本ブログで取りあげた)毎日新聞の社説が力説する通りだが、読売は知ってか知らずか、この「困難」がいとも簡単に除去できるかのように捉え、次の...フクシマ記念日に寄せて(その2)

  • フクシマ記念日に寄せて(その1)

    きょうはあれから12年。言わずと知れた東日本大震災である。あれから12年の記念すべき日に、新聞各紙が社説でどういう論調を展開するか、私は大いに関心を持った。私自身について言えば、「あの日」に臨むスタンスははっきりしている。「あの日」は、大津波によって多くの人命が奪われた日であるとともに、フクシマ原発事故によって多くの近隣住民が避難を強いられた日でもある。だからきょうという日は「大津波・被災記念日」であると同時に「フクシマ記念日」でもあるのだ。ところが、このところテレビに代表されるマスコミでは、きょうが「大津波・被災記念日」であることだけを強調し、「フクシマ記念日」であることの意義をなおざりにしようとする傾向が顕著になっている。きっとマスコミは、原発の再稼働に走ろうとするキシダ政権の意向を「忖度」しているの...フクシマ記念日に寄せて(その1)

  • あれから12年

    あれから12年か、ちょうど一回りだな。私は来し方をふり返り、深い感慨にとらわれる。長かったような、短かったような・・・。自分が脳出血に襲われ、片麻痺になってからの歳月を、私は毎年、テレビの報道によって思い起こす。私が救急車でICU(集中治療室)に運び込まれたその日は、忘れもしない、3月11日、東日本大震災が起こった当日だった。「あす3月11日で、東日本大震災が発生してからちょうど**年が経ちます」。毎年、その日が近づくと、テレビはまるでお題目でも唱えるように、必ずその話題にふれる。そのアナウンスを聞いて、私は「ああ、あれから**が経ったのか」と、自分が意識を失って倒れた「その日」を思い出すのである。思い出すといっても、脳裏に浮かぶのは、ベッドの上で大きな揺れを感じたこととか、ICUの看護師さんが「**地区...あれから12年

  • 斜陽の日本はどうなる

    斜陽。かつて勢いのあったものが時勢の変化についてゆけず衰えること(スーパー大辞林)。最近、日本の斜陽ぶりが気になって仕方がない。その痛ましい姿に、老い衰えていく自分の姿をつい重ね合わせてしまうからかもしれない。H3ロケットの打ち上げ失敗。おとといのこのニュースは、「技術のニッポン」の神話が遠い過去のものであることをまざまざと我々に見せつけた。それだけではない。本ブログではこのところ「少子化問題」を取りあげているが、それは、この問題がとても他人事(ひとごと)とは思えないからである。少子化がこのままのペースで進めば、(社会の担い手が少なくなるため)年金が2割以上カットされたり、介護職員が大幅に不足したりする事態が、きわめて近い将来に必ずやってくる。また、きのう本ブログで取りあげた社会学者の山田昌弘氏は、「少子...斜陽の日本はどうなる

  • 日本の少子化対策 失敗の本質(その2)

    きょうはきのうに引き続き、言論サイト「日刊ゲンダイDIGITAL」に掲載された記事《山田昌弘氏に聞く少子化対策“失敗の本質”「最大の原因は未婚化。低収入の男性は選ばれない」》を取りあげる。2回目のきょうは、その後半部分における山田昌弘氏(社会学者・中大文学部教授)の発言を紹介する。後半部分には、インタビューの進行役である「日刊ゲンダイ」編集部の発言が入るが、これもなかなかウイットに富んでいるので、この部分も同時に紹介することにしよう。まずは繰り返しになるが、このインタビュー記事に関する編集部の趣旨説明から。「『異次元の少子化対策に挑戦する』──岸田首相がそう宣言してから2カ月。昨年の出生数が政府予測より8年早く80万人を切るのが確実となり、慌てて対策に乗り出したものの、具体策は先送り。予算倍増の財源もごま...日本の少子化対策失敗の本質(その2)

  • 日本の少子化対策 その失敗の本質

    きょうは「日刊ゲンダイDIGITAL」に掲載された記事《山田昌弘氏に聞く少子化対策“失敗の本質”「最大の原因は未婚化。低収入の男性は選ばれない」》(3月6日配信)を取りあげる。このインタビュー記事を掲載する理由について、「日刊ゲンダイDIGITAL」の編集部は次のように書いている。「『異次元の少子化対策に挑戦する』──岸田首相がそう宣言してから2カ月。昨年の出生数が政府予測より8年早く80万人を切るのが確実となり、慌てて対策に乗り出したものの、具体策は先送り。予算倍増の財源もごまかす無責任だ。そもそも従来の対策に何が足りなかったのか。『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』の著書がある社会学者に『失敗の本質』を聞いた。」はじめはこのインタビュー記事を私なりにまとめてお目にかけようと思っていたが、きょうはこ...日本の少子化対策その失敗の本質

  • 東京大空襲 NHKの報道に寄せて

    昨夜のことである。NHKの大河ドラマ「どうする家康」を見終えてから、そのままスイッチを切らずにいたら、ニュースが流れた。聞くとはなしに聞いていると、原稿を読むアナウンサーの平板な声が耳に入ってきた。「およそ10万人が犠牲となった東京大空襲から今月10日で78年となるのを前に、空襲を体験した人の話を聞いて語り継ぐ催しが開かれました。」私は耳をそばだてた。「これは、あしたのブログのネタに使えるかな」と、一瞬、その気になったのである。案の定、「アメリカ」や「米国」について、アナウンサーはひと言も言及しなかった。「『東京大空襲・戦災資料センター』が開いた催しにはおよそ100人が参加し、小学6年生のときに現在の江東区で東京大空襲を経験した廣山敦さんが、幼いきょうだいを連れて避難した体験を語りました。」「NHKよ、や...東京大空襲NHKの報道に寄せて

  • 反撃能力の問題

    ずっと気になっていることがある。敵のミサイル攻撃に対する「反撃能力」の可否の問題である。こうした「反撃能力」を持つことは、許されないことなのかどうか。私がほぼ毎日覗かせてもらっているブログ「ひとこと・ふたこと・時どき多言」の書き手である「ゴマメのばーば」さんは、2月28日の記事《たとえイバラの道だとしても、・・・》の中で、(毎日新聞に掲載された)阪田雅裕氏(内閣法制局長官)の次のような見解を紹介しておられる。「ミサイル発射基地への攻撃が可能であることと、普段からそうした装備を持つことは全く違う次元の話なのです。反撃能力を持つことは、まさに憲法9条が禁じた戦力を持つことです。」大方の国民と同様、この見解は尤もだと私も思うが、ただし、私はさらに以下のように考える。敵のミサイル攻撃に対する反撃能力を持たなければ...反撃能力の問題

  • 少子化問題について社説は

    久しぶりに新聞社説に目を向けてみた。今や喫緊の課題となった日本の少子化問題。この問題の解決に向けて、新聞各紙がどんなふうに論じているのか、それを知りたかったからである。少子化問題がどれだけ深刻な問題であるかは、毎日新聞の社説《出生数初の80万人割れ社会を変える覚悟が必要》がコンパクトにまとめている。「少子化は日本が直面する最大の課題だ。子どもが減り続ければ、社会の活力が失われ、経済も衰退する。(中略)高齢化が進む中、想定を上回るペースの少子化だ。人口構成が大きく変わり、社会の持続可能性が揺らぎかねない。地域では学校の統廃合を余儀なくされ、コミュニティーの維持が難しくなる。働き手が減り、経済活動にも打撃が及ぶ。現役世代が少なくなれば、多くの高齢者を支えていけなくなる。」少子化問題の解決が急務である所以(ゆえ...少子化問題について社説は

  • 東京大空襲 その記憶について

    どの新聞もそうだが、朝日新聞にも人物紹介の欄がある。朝日の場合は「ひと」と銘打っている。きょうの「ひと」の欄には、「東京大空襲の証言を集めた映像を5日に上映する多田井利房さん」が取りあげられていた。私がこの人物紹介欄に興味を持った理由はただ一つ、「東京大空襲」がここではどんなふうに描かれているのか、それを知りたかったからである。もっと言えば、当時の「鬼畜米英」の「米」が、どんなふうに言及されているか、私はそれを知りたかった。東京大空襲の証言を集めたとされる多田井さんは、残虐な米軍に対して、さぞ怒りを募らせたに違いない。米軍の「鬼畜」ぶりに対する彼の怒りを、朝日新聞の記者はどう描くのか。読み終えて、私は肩透かしを食らった気分になった。がっかりした。と同時に、「やっぱりなあ」「そういうことなのだよなあ」と白け...東京大空襲その記憶について

  • 未婚問題の壁をどうする 長妻氏の提言

    急激に進む少子化を食い止めるには、どうすれば良いのか。対策をたてるには、まずは少子化の原因を突きとめなければならない。では、少子化の原因は何なのか。その原因はコレだ、と、ズバリ指摘している人に出会った。長妻昭氏(立憲民主党政調会長・元厚労相)である。言論サイト「日刊ゲンダイDIGITAL」に掲載された記事《岸田政権の少子化対策は的外れ!まずは未婚の増加を直視すべき》によれば、長妻氏は「少子化の原因は未婚の増加だ」として、次のように主張している。「結婚したカップルから生まれる子どもの平均は、約50年前は2.2人だったが、2021年は1.9人である。確かに減少しているが激減ではない。結婚後、望めば子どもを持つことができる環境整備は急務であるが、少子化のより大きな原因である、未婚の増加を直視すべきである。50歳...未婚問題の壁をどうする長妻氏の提言

  • すぐにでも少子化対策を

    岸田首相がぶち上げた「異次元の少子化対策」は、その後どうなってしまったのだろうか。2022年の出生数が80万人を割った、と、きのう厚生労働省が発表した。統計をとり始めた1899年以降、初めてのことで、少子化は想定よりも8年ほど早く進んでいるという。これはヤバい。少子化がもたらす人口減は、経済の縮小を引き起こし、国力の低下に直結する。少子化はどうしてヤバいのか。その理由を、私は「経済の縮小、国力の低下」という漠然とした言葉で理解し、だから正直、さほどの危機感を感じてはいなかった。いわば他人事(ひとごと)のようなぼんやりした危機感である。岸田首相が「異次元の少子化対策を」とぶち上げたとき、私はこれにいち早くいちゃもんをつけたが、それは、次のように言いたかったからである。「ほほう、大層なことを言うのなら、やって...すぐにでも少子化対策を

  • 戦争と記憶

    きょうの朝日新聞のコラム「天声人語」は、日米戦争について、いろいろ考えさせられる内容だった。冒頭は次の一節で始まる。白髪の男性がじっと一枚の写真を見つめている。黒い血と灰色の粉じんにまみれ、戦場で呆然(ぼうぜん)とすわる少年の写真だ。男性はつぶやく。「私は、同じようなものですよ。着てたコートは焼けあとで、ボロボロで」▼公開中のドキュメンタリー映画『ペーパーシティ』の一場面である。副題は「東京大空襲の記憶」1945年3月10日、一夜にして街の4分の1が焼かれ、推定で10万人が殺された。生き延びた人の証言が重く静かに響く。ご覧のように、この惨状をもたらした張本、それが米軍の爆撃機であることは明示されていない。米軍の残虐さを糾弾することが、このコラムの目的ではないかのように。このコラムは次のように続く。生存者た...戦争と記憶

  • ロシアと南北問題

    ロシアがウクライナに侵攻して1年がたち、ロシア軍は今、ウクライナ軍の激しい抵抗に遭っている。ロシアとウクライナとのこの激闘は、東西冷戦に起因する一つの(過渡的な)形だということができる。プーチンはウクライナを自陣に引き入れることで、自国の勢力範囲を、旧ソ連の版図と同程度にまで盛り返そうとしたのだと、そう見ることができるからである。だが、この事態をこのように「東−西」という観点から見るだけでは、必ずしも理解できない国際社会の現実がある。たとえば次のような報道を、我々はどのように見るべきだろうか。「ロシアのウクライナ侵攻を受けて今年2~3月に開かれた国連総会緊急特別会合では、ロシアを非難する二つの決議の採決で、アフリカの多くの国が『棄権』や『不参加』を選択した。4月7日の国連人権理事会におけるロシアの理事国資...ロシアと南北問題

  • ウクライナに平和は

    朝日新聞には「日曜に想う」というコラム欄がある。文字通り、日曜日に掲載されるコラム欄だが、きょうのこの欄には、「『平和』だけではなく、『正義』を」という見出しが付けられていた。その冒頭部を引用する。「『平和』は誰もが希求する。まして戦乱の地であれば、その思いはひときわ強いに違いない。しかし、昨年11月にウクライナで実施された世論調査を見ると、ロシア軍による占領が続く状態での停戦を求めた人は、わずか1%だった。停戦の条件として、93%が『クリミア半島を含むウクライナ全土からのロシア軍撤退』を挙げた。多くの人々は、即座に平和を得るよりも、戦う道を選ぶ。つまり『平和』とは別の価値を重視しているのである。」このコラムによれば、93%の人々はロシア軍による占領が続く状態での『平和』を望まず、ロシア軍が全面撤退した状...ウクライナに平和は

  • 戦争の闇は今

    そうだな。久しぶりだけど、やってみようか。朝ドラの『舞いあがれ!』を見ていて、私は、小学生の頃に夢中になったプラモデル作りに、もう一度手を出してみたくなった。テレビの画面に、金属製の小さな(手のひらに乗るほどの)模型飛行機が出てきたからである。市街地にある町工場が、近隣住民の理解を得ようと、「オープンファクトリー」を開催し、その呼び物として、この小さな金属製模型飛行機を作ってもらおうとしている。そういうお話だった。それを見ていて、私は、自分が小学生だった頃を懐かしく思い出したのである。60年ほど前のあの頃、私は学校が終わると、毎日のように近所の模型店に出かけ、ショーウィンドウの中にあるゼロ戦やら、飛燕やら、グラマンやらの模型に見とれていた。月に1台ぐらいの割合でそいつを買ってきて、組み立てた。B−29だっ...戦争の闇は今

  • 国境のない世界は

    長らく自室に引きこもっていると、ちょっぴり外の世界を覗いてみたくなることがある。けれども片麻痺の私は、部屋を出て屋外を自由に歩くことができない。そこで代わりにテレビを付けることになる。きのうの午後のことだった。テレビを付けたら、NHKで「福祉大相撲」を映していた。始まったばかりで、ユーモラスな「しょっきり」が行われていた。その出し物の途中で私はスイッチを切り、しばらくしてからまた付けた。今度は、力士とプロの歌手がコンビを組んで唄う「ナントカ歌くらべ」の最中だった。力士はなぜか唄が上手い。充分聞くに堪える歌唱力だ。しばらく聞き流していると、翔猿(とびざる)関が唄ったあとで、少女たちが舞い踊りはじめた。みんな一様に可愛い少女たちである。孫のような少女たちの華麗なパフォーマンスは、しばし私の目を楽しませた。少女...国境のない世界は

  • プーチンは敗軍の将なのか

    次のニュースを聞いたとき、私は少なからず違和感をおぼえた。何だ、これではロシアがまるでウクライナに侵攻され、ギブアップ寸前みたいではないか。「ロシアは連日、ウクライナ東部に攻勢をかけている」という報道は、ウクライナ側が捏造したフェイクなのか。ロシアにとって、ウクライナとの戦いの実際の戦況は、そんなに酷いのだろうか。「ロシアの首都モスクワ市内のスタジアムでは、プーチン政権の支持者による大規模な集会が開かれ、日本時間の22日夜10時頃、プーチン大統領が演説を行いました。このなかでプーチン大統領は『われわれにとって最も大切なのは家族と祖国を守ることだ。ロシアの歴史的な境界線でわれわれのために戦闘が行われている』と述べ、ウクライナへの軍事侵攻に参加している兵士らをたたえ、国民に結束を呼びかけました。」(NHKNE...プーチンは敗軍の将なのか

  • キーウに立ったバイデンの底意は

    最初にお断りしておくが、私はべつに反米思想の持ち主ではない。ヒロシマ・ナガサキに原爆を落としたアメリカには憤りを覚えるものの、敗戦国の日本を統治したGHQ(連合国総司令部:実質的には米軍による統治機関)の戦後統治はなかなかのものだったと評価している。とりわけ軍閥を解体し、日本を民主化した手腕には、賛辞を送るのにやぶさかではない。アメリカという国に向き合う私の姿勢は、いわゆる「是々非々」である。良いことは良い、悪いことは悪い。それだけのことである。なぜ私はのっけからこんなことを言うのか。それは、きのうに続いてきょうも、アメリカ批判の言辞を吐かなければならないからである。アメリカ批判というより、アメリカの大統領・バイデンに対する批判と言ったほうがよい。事は、バイデンがきのうウクライナの首都・キーウを訪れた一件...キーウに立ったバイデンの底意は

  • ヒロシマとG7サミット

    漫画家の松本零士さんが亡くなった。85歳。「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」などの作品で知られる。ご冥福を祈りたい。漫画つながりで、きょうはひとつ「はだしのゲン」の話題を取りあげることにしよう。作者である中沢啓治氏の実体験に基づき、ヒロシマ原爆の悲惨な実態を描いたこの作品が、広島市立の小学校で使われる平和教育の教材から外されることになった。このことが物議を醸している。市教委の言い分は、この作品の一部を使うのでは「被爆の実相に迫りにくい」からだという。恥ずかしながら、私はこの漫画作品を読んでいない。だからこの作品が「ヒロシマに原爆を落としたのは、アメリカである」という史実にきちんと言及しているかどうかを、私は知らない。知らないが、そのことにはとても興味がある。もしこの作品がアメリカの罪に言及しているとした...ヒロシマとG7サミット

  • 北朝鮮の弾道ミサイルに

    けさもまた北朝鮮がぶっ放した。弾道ミサイルを2発、ぶっ放した。きのうとは違い、今回のミサイルは日本のEEZ(排他的経済水域)の外側に落下したらしい。相次ぐ弾道ミサイルの発射だが、日本政府が積極的に動く気配はない。これが日本を標的にしたものではないと判っているからだ。今回の一連のミサイル発射は、米韓合同軍事演習を牽制する目的でぶっ放されたものであり、矛先は米国と韓国に向けられている。それも本気で噛みつこうとするものではなく、犬の遠吠えのようなものに過ぎない、と。しかし、だからといってこれをのほほんとやり過ごすとしたら、それはちょっとまずいのでないか。北朝鮮の矛先は、いつ日本に向けられないとも限らない。そうであれば、日本は常々、北のミサイル攻撃に警戒を怠ってはならないのである。実際、日本はきのう米軍と共同訓練...北朝鮮の弾道ミサイルに

  • ブログがフォークに

    夜、ベッドに入ると、私はまず「あしたのブログは何について書こうか?」と考える。「何について」の〈何〉が自ずと浮かんでくれば良し、浮かばなければ、スマホを取りだしてネットのニュースサイトを開いてみる。それで〈何〉が見つかれば良し、私は心安らかに眠りにつく。そのままTVerでテレビドラマを見ることもある。とにかく、〈何〉さえ見つかれば、それをどう料理して書くかは、あしたの問題だ。あしたはあしたの風が吹く。まずは〈何〉を見つけることが大事なのだが、毎日のこととなると、これがけっこう難しい。見つからなければ、見つけようと悪戦苦闘する。それでも駄目なら潔く開き直り、運を天に任せて、出たとこ勝負をするまでのことである。そのほうが却って良い文章が書けることもあるから不思議だ。昨夜がそうだった。結局、あした書くべき〈何〉...ブログがフォークに

  • 舞いあがれない「舞いあがれ!」に助っ人が

    NHKの朝ドラ『舞いあがれ!』を、毎朝、食事をとりながら見ている。一時は「町工場残酷物語」のような趣きになってげんなりしたが、一種の惰性で見ていた。そりゃまあ、ヒロイン「舞」の成長のためには、リーマン・ショックの苦労話も欠かせないのだろうけれど・・・。しかしこの朝ドラも、最近になってやっと面白くなってきた。舞と貴司の恋愛模様に話が移っていったからだ。貴司は新進気鋭、売り出し中の歌人という設定であり、幼馴染の舞を思う彼の心の動きが、短歌をとおして表現される。おもしろい趣向と見るべきなのだろう。ところが、これが「本歌取り」とか何とかで、えらく難しい。短歌の素養のない私には、この部分はちんぷんかんぷん、ほとんどがスルーを余儀なくされる。どうでも良いけど、何とかならないものか、と思っていたら、思わぬ助っ人が現れた...舞いあがれない「舞いあがれ!」に助っ人が

  • ネットでチャットを

    チャットGPTなるネット・サービスが始まったようだ。このネット・サービスのことを、読者はご存知だろうか。チャットGPTとは、質問に対して、人工知能により会話をするように(即座に)答えを提供するサービスである。このサービスによって、我々の生活は大きく変わるのではないか。そんな気がする。振り返ってみれば、インターネットの普及は、我々の生活に大きな影響をもたらした。今現在の私の生活も、ネット・サービスと切り離すことができない。ネット・サービスがなかったら、私の生活は味気なく、数段つまらないものになっていたに違いない。その大部分は記憶に関わっている。寄る年波のせいか、最近は物忘れがひどくなった。テレビのCMによく見知った女優の姿が映ると、「ああ、あれは・・・」と、懐かしさが湧き上がるが、いかんせん彼女の名前が浮か...ネットでチャットを

  • 気球が暴いた不都合な真実

    米本土上空をゆっくろ浮遊する謎の気球。この気球を米軍機が撃墜し、残骸を回収したことから、「(不都合な)真実」が芋づる式に明らかになった。1.この気球には情報収集機能が備わっていること。また、中国製と見られること。⇒中国が偵察気球を米本土上空に飛ばしていたこと。これは中国にとって不都合な真実である。2.米国も中国本土上空に偵察気球を飛ばしていたこと(中国側の主張)。やっぱり!これは米国にとって不都合な真実である。3.中国が数年前から(一説では20年前から)、同様の(偵察気球と見られる)気球を、日本上空に飛ばしていたこと(鹿児島県、宮城県、青森県での目撃情報に基づく、防衛省の推測)。これは中国にとって不都合な真実だが、それだけではない。きょう本ブログで問題にしたいのは、この第3の事案である。ここに見られる「不...気球が暴いた不都合な真実

  • 中国人が基地周辺の土地を買えば

    ここ数日、テレビのニュース番組を賑わしている話題がある。一つは米中間の偵察気球問題であり、もう一つは、沖縄県の無人島を中国人女性が「買った」とする問題である。きょうは後者の問題、沖縄県「屋那覇島」の問題を取りあげることにしよう。1月末のことだが、若い中国人女性が「あれが私の買った島です」として、1本の動画をSNSに投稿した。これが物議の発端だが、この話題が世間を賑わす「問題」になったのは、彼女が「買った」とするこの島が、日本の領土内の島だからである。沖縄本島の北に位置し、人口1300人余りの「伊是名村」にあるこの島、「屋那覇島」は、面積が74万平方メートル、東京ドームおよそ16個分の広さで、「沖縄最大の無人島」と言われている。近くの沖縄本島には米軍基地があることから、SNSでは「国防の面で問題なのではない...中国人が基地周辺の土地を買えば

  • 少子化の原因を考える(その2)

    日本財団のアンケート結果を振り返ってみよう。17〜19歳の若者1000人のうち、「将来子どもを持ちたい」と回答した人は、全体の59%(=590人)、そのうちで「実際に将来子どもを持つと思う」と回答した人は46%(全体の27%=270人)だった。この「持つと思う」と答えた人に、子どもを持つ上での「障壁」を複数回答で聞いたところ、▽「金銭的な負担」と回答した人が69%(全体で19%=190人)、▽「仕事との両立」と回答した人が54%(全体で15%=150人)だった。こうした事実を必要な部分に限ってざっくりまとめれば、「将来子どもを持ちたい」と思い、「実際に将来子どもを持つ」と思いながらも、子どもを持つ上での障害は「金銭的な負担」だと考える人は、全体の19%(1000人のうち190人)もいることになる。残念なが...少子化の原因を考える(その2)

  • 少子化の原因を考える(その1)

    きのう夜7時のNHKニュースを見て、「やっぱり、そうじゃないか!」と、私は膝を打った。少子化の原因は、やはり経済問題にあるのだ。あすのブログは、このテーマで書くことにしよう。そう思い、自室に戻ってから、私はNHKNEWSWEBを開いた。ブログで取り上げるからには、正確を期さなければならない。そう思い、私は先ほどのニュース文を(文字として)改めて読み返してみた。「政府が議論を進める『少子化対策』。若い世代はどう考えているのか、日本財団が18歳前後の若者に行った調査では、『将来子どもを持つと思う』という回答は46%で、その半数以上が『金銭的負担』や『仕事との両立』が壁になると答えたことが分かりました。」(NHKNEWSWEB2月12日配信)あれれ。おかしいな。どういうことなのだろう?このニュースによれば、「金...少子化の原因を考える(その1)

  • ルフィと黒田日銀

    日銀の黒田総裁。もうすぐ任期が切れ、後任の総裁も決まったようだが、その日銀の黒田総裁が、広域凶悪犯罪集団「ルフィ」による強盗事件の原因を作った、という説があるらしい。黒田総裁と「ルフィ」、ーーそのつながりについて、読者は、「ああ、そういうことか」とすぐに分かるだろうか。情報サイト「日刊ゲンダイDIJITAL」に、次のようなタイトルの記事が載っていた。《年寄りにはタンス預金しかないルフィの背景に黒田日銀の大罪》(2月11日配信)私はこの記事を読んでいない。この記事は「会員限定」の記事で、会員しか読むことができないのだが、私は会員ではないからである。中身を読まなくても、そのタイトルからおおよその察しはつく。日銀の黒田総裁が大幅な金融緩和策をとり、長期金利を長らく人為的に押さえつけてきたことは、読者もご存知だろ...ルフィと黒田日銀

  • 臓器移植法について考える

    自分ではどうにもできないことがある。台風で水害に見舞われたり、戦争でミサイル攻撃の巻き添えをくったり、新型コレラに罹患したり・・・。こうしたことは〈運命〉としか言いようがない。臓器移植以外には助からない難病に罹ってしまった人も、同様の過酷な〈運命〉にとらわれた人と言えるだろう。それが過酷な〈運命〉と言わざるを得ないのはなぜかというと、日本の国内では、移植を待つ患者に比べて、臓器提供者(ドナー)の数が圧倒的に少ないという現実があるからである。聞くところによれば、1年間に国内で移植を受けられる患者は、希望者の2~3%にすぎず、人口100万人あたりのドナー数では米国の41・88人に対し、日本は0・62人にとどまるという。藁にもすがりたい難病患者は、金銭が許せば、当然、海外での移植に望みを託すことになる。日本での...臓器移植法について考える

  • 新井秘書官 差別発言なのか(その2)

    蓼食う虫も好き好き。好きや嫌いは人それぞれということである。たとえば、米メジャーリーグのオータニ選手の熱狂的なファンもいれば、あんな奴は大嫌いだという人もいる。カレーライスが大好きな子どももいれば、これだけはどうしても食べられない、という子どももいる。テレビ番組に関していえば、妻は恋愛もののドラマ好き、夫は刑事もののドラマ好き、というケースもある。首相秘書官だった荒井氏は、「(同性婚カップルが)隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と述べたというが、これは「カレーライスが給食で出たら嫌だ」、「見るのも嫌だ」と駄々をこねる子どもとちっとも変わらない。いや、同性婚の問題と、給食の問題は問題のレベルが全然違う。結婚の問題、性の問題は、我々の生の最深部に根ざしているが、食の嗜好の問題は、生のごく表層的な問題に過ぎな...新井秘書官差別発言なのか(その2)

  • 新井秘書官 差別発言なのか(その1)

    首相秘書官だった荒井勝喜氏が首相官邸で(記者団に)「(同性婚カップルが)隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と述べたという。同性婚の法制化についても、「認めたら、日本を捨てる人も出てくる」と語ったという。このオフレコ談話はすぐに明るみに出て「事件」になり、さっそく世間を賑わせている。現政権に対して、攻め手を欠く野党の面々は、「これで首相を攻撃する材料が一つ増えたぞ」と、ほくそ笑んでいるに違いない。なんて正直な人だろう。これが私のファーストインプレッションだが、私はすぐにこう思い直した。待てよ、これは新井氏が首相秘書官だったときの発言である。その地位にある人がこういう発言をすれば、それがどういう効果をもたらすかは、彼にもよく判っていたはずだ。それが物議を醸し、首相の責任問題に発展することも、わきまえた上での...新井秘書官差別発言なのか(その1)

  • ルフィに 落としのテクニック

    フィリピンの入管施設に収監されていた「ルフィ」の一味のうち、指示役と目される2名がきのう日本に送還され、警視庁の係官によって逮捕された。これから本格的な取り調べが始まるが、二人は黙秘を貫き、捜査は難航するだろうと見られている。どうしたらこの二人を自供に追い込むことができるのかーー。わざわざこんなことを書くのは、他でもない。この私、不肖の天邪鬼爺が、彼らを落とす妙手を知っているからである。警視庁の刑事さんたちならとっくにご存知だと思うが、天下万民のため、あえてこの「落としのテクニック」を公開することにしよう。送還された二人が黙秘を貫くのは、アタマのボスから、こう言われているからである。「いいか、組織の秘密をバラしたら、お前ら、ただじゃおかないぞ。目ん玉くり抜いて、東京湾に沈めてやるからな。その代わり、黙秘を...ルフィに落としのテクニック

  • 少子化が気球を

    アメリカ本土の上空に気球を飛ばした中国の企ては、アメリカを挑発し、この国との緊張を高めようとする企ての一環だった可能性がある。では、中国はなぜそんな妄挙を企てたのか?それは、中国が少子化に直面しているからである。つまり、「中国の少子化が、アメリカに対する挑発行動を誘発した」ということである。「風が吹けば、桶屋が儲かる」式の珍妙な連鎖だが、きのうの産経新聞の社説(「主張」)を読んで、その思いを強くした。この社説には、《中国人口減少緊張高める行動に警戒を》というタイトルが付けられている。どういうことか。「中国の人口が61年ぶりに減少に転じた」という文章から始まるこの社説は、続いて次のように述べている。「人口減は経済の縮小、ひいては国力の低下に直結する。」人口減少に転じた中国では、人々は経済の低迷に苦しみ、不満...少子化が気球を

  • 激突する米中

    とりこし苦労だろうか。中国が行った挑発に対して、アメリカが示した反応は、私を嫌な気分にさせた。これが米中戦争のトリガーにならなければ良いが、と私は危惧する。こんなニュースを聞いた。「アメリカ軍はアメリカ本土やカナダの上空を横断していた中国の気球を、南部サウスカロライナ州の沖合で戦闘機によって撃墜しました。引き揚げ用の船やダイバーなども投入して残骸の回収作業を行い、中国が気球を利用してどのような情報を収集しようとしていたのか、解明を進めています。気球は偵察が目的だとするアメリカ側と、気象研究用の民間飛行船だとする中国側。(中略)中国国防省の報道官は5日、談話を出し『アメリカ側が武力でわが国の民間の無人飛行船を襲撃したのは明らかに過剰反応だ。アメリカ側のやり方に厳重に抗議し、必要な手段を使って類似の状況に対処...激突する米中

  • N分N乗の可能性

    次のようなタイトルを見かけた。《子供多いほど税負担軽い「N分N乗」方式、少子化対策で浮上》目下、焦眉の急の少子化対策。この問題の解決につながる希望の星が現れたらしい。「N分N乗」方式というようだが、初めて聞く言葉である。さっそく記事を読んでみた。「少子化対策を巡り、子供が多い世帯ほど所得税負担が軽減される『N分N乗』方式の導入を求める声が与野党で上がっている。(中略)N分N乗方式は、第二次世界大戦で減った人口を増やそうと、フランスが1946年に導入した。個人単位で課税する日本の所得税とは異なり、対象が世帯単位になる。世帯の課税所得を家族の人数(N)で割り算した後、1人あたりの税額を算出して、家族の人数(N)をかけ直す方法だ。」(産経新聞2月3日配信)う〜む、どうもピンとこない。グーグル先生に教えを乞うと、...N分N乗の可能性

  • 岸田首相の国会審議

    国会はまさに酣(たけなわ)。首相の施政方針演説に対する与野党の代表質問が終わったというのに、国会審議をめぐる報道は驚くほど少ない。なぜなのか。審議の中身がスカスカで、実質的な審議が見られないためだが、その理由は言うまでもない。朝日新聞は社説で、次のように述べている。「戦後の安全保障政策の歴史的転換だというのに、『手の内を明かせない』などと言って、具体的な説明を避けてばかりでは、一向に議論は深まらない。岸田首相に、本気で国民の幅広い理解を求める気があるのか、疑わしいと言わざるを得ない。」(2月1日配信《安保政策転換首相は具体論に応じよ》)社説が言うように、岸田首相は「具体的な説明を避けてばかり」。これでは「一向に議論は深まらない」。中身はスカスカになるばかりだ。「岸田首相に、本気で国民の幅広い理解を求める気...岸田首相の国会審議

  • ゼレンスキーの敵は何か

    今や全世界の注目の的、(日夜ロシアのミサイル攻撃に晒されている)ゼレンスキーのウクライナだが、この国は今後、どうなってしまうのだろうか。かつて私は本ブログで、次のように書いたことがある。「今は猫も杓子も世界中のほとんどが『ロシア=悪、ウクライナ=善』と考えている。この『世界の常識』をだれも疑おうとしない現在、これに異議をはさむ意見は、それだけで貴重・奇特と言えるのではないか。」(1月27日《正義とは何か森爺の問題提起》)きょう私が注目したのは、朝日新聞の記事である。《ウクライナ汚職一斉捜査石油2社横領・脱税関税庁トップら更迭》と見出しが付けられていた。この記事は、私がずっと以前に聞いた一つの噂を裏付けるものだった。ウクライナは汚職がひどく、欧米から供与された武器類の横流しが横行している・・・。それがどこか...ゼレンスキーの敵は何か

  • 「クロ現」 若者たちの苦境を見よ

    私は毎夕、7時頃に食卓に向かい、夕餉を済ませて自室に戻る。NHKの7時のニュースを見るのには誂え向きの時間帯だ。きのう夕餉を済ませて自室に戻ろうとしのは、ちょうど『クローズアップ現代』が始まる頃だった。「安いニッポンから海外出稼ぎへ」というタイトルを横目に、私は車イスを漕ぎはじめた。「おもしろそうだな」と思ったが、自室に戻る前に、歯をみがき、トイレにも寄らなければならない。それが私の長年のルーチンなのだ。自室に戻ってテレビをつけたら、『クロ現』はすでに終わりかけていた。歯磨きにしろ、トイレにしろ、我が動作ののろまさ加減には我ながら呆れるばかりだ。番組の冒頭で紹介されていたのは、ニッポンの若者たちが続々と海外に出稼ぎに行く現実だった。ニッポンでは低賃金のため、いくら頑張っても生活苦から抜け出せない。そこで「...「クロ現」若者たちの苦境を見よ

  • 広域強盗事件 その傾向と対策

    凶悪な広域強盗犯。その毒牙に対抗するため、窓ガラスの補強を企てた。窓ガラス用の防犯(兼・防寒)シートを貼ることを考えはじめる。だが、シートを窓ガラスに体裁よく貼る作業は、なかなか難しそうだ。手足の自由がきかない私には土台不可能な作業だから、これは妻にやってもらうつもりだが、あまりに難易度が高く、面倒くさそうな作業なので、いくら夫婦でも(いや、夫婦だからこそ!)お願いするこちらの気が引ける。何かうまい手はないものか、と、昨夜はスマホを片手に、ベッドの中でつらつら考えた。そうだ!防寒対策として、断熱カーテンをつるすというのは、どうだろう。これならすでにあるカーテン・フックをそのまま使うことができるから、ほとんど手間いらずだ。よし、これで行くことにしよう!問題は防犯対策だが、これにはガラス破り防止のための強化シ...広域強盗事件その傾向と対策

  • 連続強盗事件 対策への自助努力を

    アマゾンに注文しておいた窓ガラス用の防犯ブザーが、きょう届いた。妻の手を借りて、さっそく両面テープで窓ガラスに取り付ける。スイッチを入れ、杖の先で軽く小突くと、まあまあの音量でアラームが鳴りはじめた。けたたましいほどではないが、賊の気勢を削ぐにはこれで充分だろう。このグッズが「強盗犯の侵入を防ぐ」という所期の目的を果たすかどうかは、神のみぞ知る。あとは運を天にまかせるしかない。きょうの朝日新聞の社説は、《広域連続強盗「闇バイト」の裏に迫れ》というタイトルだった。広域連続強盗のアタックに備え、初歩的な自衛策を講じたあとで読むと、この社説が何とも間抜けたものに思える。「平穏な日常を脅かし、治安への信頼すら揺るがす重大な広域連続強盗事件である。(中略)捜査当局は全容解明を急がなければならない。」この社説が言って...連続強盗事件対策への自助努力を

  • 広域強盗事件 ラスボスは日本に

    広域強盗事件の親玉、「ルフィ」を名乗って実行犯に指示を出していた黒幕の男は、フィリピンの入管施設に収容されている。施設関係者の話では、金さえ払えば「VIPルーム」で快適な暮らしができ、携帯電話も使えるという。けさ読んだ朝日新聞には、そんなことを書いた記事がのっていた。「何を今更!」というのが、私の印象だった。そんなことは、きのう夕方に見たテレビの報道番組ですでに報じられていた。テレビ局は取材スタッフを現地に送り、マニラの入管施設の映像を流すとともに、この施設の収容経験を持つ韓国人に、内部の様子を事細かに語らせていた。そこでは、朝日新聞がけさの記事で報じた内情の他に、次のようなことも語られた。「この施設はカネがあれば居心地が良いし、携帯電話も使えるので、いながらにして日本の犯罪集団に指示を出すこともできる。...広域強盗事件ラスボスは日本に

  • ネット記事の玉石混交

    がっかりした。けさのことである。ブログのネタ探しにネットの森を渉猟していたら、おもしろそうな記事のタイトルを見かけた。《岸田首相「異次元の少子化対策」の呆れた魂胆財務省に操られ消費税20%に!?〈週刊朝日〉》(AERAdot.1月24日配信)「異次元の少子化対策の呆れた魂胆」というキャッチフレーズに野次馬根性をそそられ、「これは使えるかも」と思ったが、いざ中身に目を通してみて、あまりにダサいその羊頭狗肉ぶりに、いたく失望させられたのである。何のことはない、この記事は、「財務省は自分たちのやりたい政策(=消費税増税)を全部、岸田首相にやらせて、最後は“捨て駒”にするつもりだ」という政府関係者から聞いた憶測の受け売りで終わっている。「岸田政権は財務省の操り人形だ」という話は、以前にもよく聞かれた話で、特に目新...ネット記事の玉石混交

  • ルフィは収監中

    ホッとした。一連の強盗事件の親玉ーー「ルフィ」を名乗る事件の黒幕が、現在、フィリピンで拘束中であることが分かったからだ。場所はフィリピンの首都マニラ。その地の入国管理局の収容施設で、日本人のこの男は2021年から拘束されているという。次のようなニュースがある。「日本各地で相次ぐ広域強盗事件で、交流サイト(SNS)を通じて実行役に指示した疑いのある『ルフィ』と名乗る人物が、フィリピンの首都マニラにある入国管理局の収容施設で2021年から拘束されている日本人であることが27日分かった。レムリヤ法相が共同通信に明らかにした。」(KYODO1月27日配信)いやー、お手柄である。といっても、これが一体だれのお手柄なのかがよく分からない。よく分からないことから判断すると、これはたぶんフィリピン捜査当局のお手柄なのだろ...ルフィは収監中

  • 正義とは何か 森爺の問題提起

    森爺がやらかした。またしても、やらかした。いわゆる「失言」である。いや、これがホントの意味で「失言」と言えるのかどうか。森爺は、こう述べたという。「森喜朗元首相は25日、東京都内のホテルで開かれた会合で、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、日本政府の対応を疑問視した。『こんなにウクライナに力を入れてしまって良いのか。ロシアが負けることは、まず考えられない』と述べた。」(KYODO1月25日配信)森爺は何とおおらかで、自分の感情に正直な人なのだろう。自分がおかれた立場や、TPOへの配慮が全く見られない。政界を引退した身とはいえ、元首相として政界に隠然たる影響力を残す立場の人として、この発言はどうなのだろう。ここにあるのは、身贔屓と「勝馬に乗るべし」の発想であり、それ以外には何もない。森爺は首相在職時から、プーチン...正義とは何か森爺の問題提起

  • 連続強盗事件 ついに光が

    不気味だ。関東地方を中心に、最近各地で相次いでいる一連の強盗事件の話である。何が不気味かといって、犯行グループの親玉が謎のベールに包まれ、全く正体不明なことである。強盗の実行犯は、ネット(SNSの闇サイト)でかき集められたその場限りの請負人足のようなもので、親玉が指示する「仕事」を職人ばりに事もなげにこなし、報酬を日当としてもらうだけ、互いの名前も知らなければ、指示を出す親玉の顔も名前も知らない。だから実行犯を逮捕しても、肝心の親玉はまるきり安泰なのである。親玉を捕まえなければ、同類の犯行は限りなく繰り返され、この種の凶悪な犯罪を絶やすことはできない。これではまるで刑事ドラマの大物黒幕か、あの妖怪コロナのようなものである。日本の優秀な警察は、これまでに実行犯を数名逮捕し、所持品等を押収したが、それだけでは...連続強盗事件ついに光が

  • 細田発言 安倍元首相と旧統一教会との「深い関係」

    報道によれば、細田衆院議長はきのう非公開質疑に応じ、その中で安倍元首相と教団(旧統一教会)との関係について、「大昔から関係が深い」と述べたという。べつに驚くような真新しい事実ではない。終戦後、首相になった岸信介が(韓国に根を持つ)この宗教団体と深い関係を持っていたことは、知る人ぞ知るわりと有名な話である。当時、この団体は反共産主義をかかげる政治組織「国際勝共連合」を設立した。岸信介はその活動を積極的に後押ししたが、この岸信介首相こそ、安倍元首相の祖父なのである。安倍元首相と旧統一教会との「大昔からの深い関係」はここに端を発すると見てよい。きのう細田衆院議長に対して行われた非公開質疑のことを新聞で知り、安倍元首相と旧統一教会との「深い関係」を改めて思い起こした私は、「考えてみれば、おかしな話だよな」と思った...細田発言安倍元首相と旧統一教会との「深い関係」

  • コロナ「5類」へ 尾身会長のインタビュー

    おととい1月22日の朝日新聞に、政府のコロナ対策分科会の会長・尾身茂氏のインタビュー記事が載っていた。「ははあ」と私は思った。「朝日は、あのことを問題にしたいのだな。おととい岸田首相が発表したコロナの分類見直しについて、専門家はどういう意見を持っているのだろうか?そもそも岸田首相は、分類見直しの決定をするに当たって、尾身会長ら専門家の意見を聞いたのだろうか?」さらに私はこう考えた。「いや、岸田首相は尾身会長ら専門家の意見を聞かず、独断専行で分類の見直しを決めたに違いない。朝日はこのことを批判しようとして、批判に説得力を持たせるために、ご意見番である尾身会長を持ち出したのだ。うん、そうに違いない。」事実、このインタビュー記事には、「3政権専門家不在の判断あった」、「5類へ『段階的に』」と大きく見出しが付けら...コロナ「5類」へ尾身会長のインタビュー

  • 連続強盗事件とカント

    きのうブログ記事《連続強盗事件に》を書いていて、思い出したことがある。18世紀のドイツの哲学者・カントが、たしかこんなことを言っていた。カネは人間を幸福にしない。むしろ不幸にする。大金を持てば、「泥棒に入られないだろうか。入られたらどうしよう・・・」と、あれこれ取り越し苦労をして、毎日、心労が絶えないからである。カントが正確にどう言っていたかは、もう憶えていない。私が(原文で)その一節を読んだのは、かれこれ40年も昔のことである。趣旨は外していないつもりだが、具体的な文言はもう忘れてしまった。ただ、(常識を覆すような)カントの逆説的卓見は、今でも深く私の印象に残っている。たとえば、「長い人生が長い苦痛の連続だったとしたら、この長い人生は幸福な人生と言えるのか」という(今の私にはちと耳の痛い)カントの問いか...連続強盗事件とカント

  • 連続強盗事件に

    このところそのニュースを聞くと、私は背筋がぞっとするような、身体のこわばりを覚える。こんなニュースである。「関東地方ではことしに入って3人組による事件が相次ぎ、茨城と栃木、埼玉、神奈川では住宅5軒が、千葉では店舗2軒が被害にあい、警察は強盗傷害などの疑いで捜査を進めています。事件は粘着テープのようなもので被害者を縛るなど共通点があることから警察はそれぞれの事件の関連について調べていますが、捜査関係者によりますと複数の実行犯グループが関わっている疑いがあるということです。このうち、防犯カメラの映像などから、茨城県の龍ケ崎市とつくば市の事件とさいたま市の事件、それに千葉県市川市の事件などは同じ実行犯グループが関わった疑いがあるということです。」(NHKNEWSWEB1月20日配信)このニュースを聞いて、「これ...連続強盗事件に

  • コロナ分類変更に対して新聞社説は

    妖怪コロナの分類見直しに関する岸田首相の決定は、言論界にとってすごいインパクトだったようだ。きょうの新聞社説は軒並みこの問題を取りあげている。朝日新聞《コロナ「5類」医療態勢確保が急務だ》毎日新聞《コロナ5類へ首相指示医療逼迫の回避が前提だ》読売新聞《コロナ「5類」へ移行の目的を明確にすべきだ》日本経済新聞《コロナの「5類」移行を円滑に進めよ》産経新聞《コロナ「5類」移行混乱招かぬ段階的緩和を》これらのタイトルからも分かるように、各紙の主張はだいたい似通っている。このうち、きょうは主張内容が比較的明確な、朝日新聞の社説を紹介することにしよう。「コロナが流行を繰り返し、救急搬送などを含め、医療態勢に大きな負荷を与え続けることは間違いない。いつ何がどう変わるのかを的確に国民に説明し、措置の廃止に伴う影響を最小...コロナ分類変更に対して新聞社説は

  • ウソだろキシダくん

    え?ウソだろ??どういうことだ???きのうの夕食の折、NHKの7時のニュースで、アナウンサーはこう報じたのである。「新型コロナの感染症法上の位置づけについて、政府は、ことし春にも、季節性インフルエンザなどと同じ『5類』への移行を目指す方針を固めました。岸田総理大臣が20日に関係閣僚に対し、移行に向けた対応の検討を指示する方向で、調整が進められています。」(NHKNEWSWEB1月19日配信)妖怪コロナを「2類相当」から「5類」に引き下げる分類見直しのプランに対して、岸田首相は「いつになく慎重である」と、私は先日、本ブログで書いた。つい4日前の1月16日のことだが、《やればできるのキシダくん》と題したこのブログ記事は、その数日前(1月14日)に配信された読売新聞のメルマガに依拠している。このメルマガの記事に...ウソだろキシダくん

  • ブログを書く意味・無意味

    私はなぜブログを書くのだろう。特に書きたいことはない。書きたい欲求だけがある。もし私が五体満足だったら、脚を自由に動かせたら、私は(ニーチェのあの「ツァラトゥストラ」のように)ただ意味もなく、考えることもせずに、ひたすら踊り続けただろう。それが叶わないから、私は(唯一自由になる)右手の5本の指を使って、まるでおもちゃを与えられた子どものように、ただただキーボードをたたき続ける。きっとそれだけのことなのだろう。けさの明け方、夢を見た。私は500枚余りの答案用紙を前に、「早く成績を出さねば」と焦っていた。現役時代の夢を見るのは、久々のことだ。たぶん先日、センター試験(今は「大学入学共通テスト」と言うらしい)があり、そのことが報じられたために、その連想から、大学の期末テスト時のしんどかった体験の記憶が蘇ったのだ...ブログを書く意味・無意味

  • 中国経済の行方

    中国経済が低迷している。このことが数値の上で明らかになった。こんなニュースを聞いた。「中国の去年のGDP=国内総生産の伸び率は、前の年と比べてプラス3.0%でした。厳しい行動制限を伴う『ゼロコロナ』政策が影響し、政府が掲げたプラス5.5%前後という目標を大きく下回りました。中国の国家統計局が17日に発表した去年1年間のGDPの伸び率は物価の変動を除いた実質で前の年と比べてプラス3.0%と、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が最初に広がった2020年以来の低い水準となりました。中国政府は去年の経済成長率についてプラス5.5%前後という目標を掲げていましたが、目標を大きく下回るのは極めて異例です。」(NHKNEWSWEB1月19日配信)中国の経済低迷の原因は、言うまでもなく「ゼロコロナ」政策の影響によるものだ...中国経済の行方

  • 解らない

    解らない。何のことやらさっぱり解らない。けさの朝日新聞に、次のような記事が出ていた。《「GX推進法案」の概要判明炭素課金の制度設計、施行後2年以内に》というタイトルである。岸田政権が23日召集の通常国会に提出する「GX(グリーン・トランスフォーメーション)推進法案」の概要が判明した。新法はGXを支援する財源「GX経済移行債」の発行や、国が二酸化炭素(CO2)の排出に課金して削減を促す「カーボンプライシング(炭素課金)」の導入など5本柱で構成。課金などの制度設計は、新法の施行後「2年以内」に取り組む。GXを推進する法案といい、GXを支援する財源といっても、そもそも「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」とは何のことなのか。この記事だけからはGXが何のことやらさっぱり解らず、私は、自分がまるで浦島太郎に...解らない

  • やればできるのキシダくん

    妖怪コロナの感染者が国内で初めて確認されてから、きのうで3年が経つ。新型コロナウイルスなるこの妖怪、当初はすごい怪物が現れたものだと思ったが、時の流れとともに敵の正体が少しずつ明らかになり、ワクチンなど、この難敵に対処する術も生み出されて、これを徒に警戒する姿勢も影を潜めた。3年経った現在では、日本政府は、この難敵を「2類相当」から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを検討しているという。難敵を「軟敵」と同類のものとして扱おうとするのは、萎縮した人流を活性化し、経済回復につなげようとの目論見からだろう。だが珍しいことに、この分類見直しの試みに対して、岸田首相はいつになく慎重である。読売新聞のメルマガによれば、新型コロナの感染症法上の分類見直しについて、加藤厚生労働相から説明を受けた岸田首相...やればできるのキシダくん

  • 「40年ルール」見直しの是非を問う

    私のメールボックスには、毎日、何通かのメルマガが届けられる。そのほとんどは即刻削除してしまうのだが、面白そうな記事があるときには、そのまま残しておく。その一つに、次のような記事があった。《「40年ルール」見直しで再稼働する老朽原発――危険性はないのか?自治体の困惑と期待》配信元は「Yahoo!JAPANSDGs」(1月10日配信)。こちらから配信を依頼した覚えはないが、いつからか定期的に届くようになった。さて、この記事であるが、その主旨は2つの主張から成り立っている。1.「40年ルール」の見直しは危険であり、間違っている。2.「40年ルール」の見直しは手続き的にも間違っている。面白そうなので、きょうはこの記事の主張内容を紹介することにしよう。(筆者はジャーナリスト・小川匡則氏/Yahoo!ニュースオリジナ...「40年ルール」見直しの是非を問う

  • 老いの繰り言

    風邪をひいた。事の発端は発熱である。訪問リハビリの日に、PTさんが体温を測ったら、37.5度の熱があった。身体がだるく、イマイチやる気が出なかったので、「きょうは(リハビリを)止めましょうか」と私が言うと、PTさんは私の腋の下にパタパタと風を送り込み、もう一度、体温計を差し込んだ。今度は37.4度の表示。これを見て、PTさんは「あ、これで大丈夫です。7度5分以下ですから、問題ありません」。仕方なく、私はやる気が出ないまま、40分ほどのリハビリに付き合った。帰宅した妻にこの話をしたら、「37度5分って、コロナなのじゃないかしら」と騒ぎはじめた。このところ近所では、小学校がクラスターで学級閉鎖になるなど、我が○▲市ではコロナの感染者数が急に増えはじめている。私は長らく入院していたため、4度目のワクチンを打って...老いの繰り言

  • 日米安保と経済安保

    きょうの朝日新聞は、「防衛力強化米『強い支持』敵基地攻撃協力深化」という1面の見出しだった。岸田政権はあれこれボロを出しながらも、自民党政権の一環として、一応、なすべきことはきちんとこなしているということだろう。自民党が国家防衛のためになすべきこと、それは、日米安保体制を強化し深化させることである。岸田政権は自衛隊に「盾」の役割のほかに「矛」の役割を担わせることで米側の要求に応え、日米協力体制を滞りなく深化させた。日米両政府が共通の仮想敵国とみなすのは、膨張主義の覇権国家として米国を凌ぐまでになった、お隣の中国である。けさの朝日新聞の見出しを見て、私の頭をよぎったのは、「これで大丈夫なのか?」という心配の念だった。私はきのうのブログで「習近平と経済対策」について書いたばかりなので、「軍事面はこれで良いとし...日米安保と経済安保

  • 習近平と経済対策

    習近平はなぜ何の対策も講じないのか。「ゼロコロナ」を撤回したことでコロナ感染が爆発的に拡大してしまったというのに、習近平は「ゼロコロナ」政策を再開するなど、何らかの対策をなぜ講じようとしないのか。この国家主席は人民の反乱に恐れをなし、たじろいで金縛り状態になってしまったのではないか、と私は以前、本ブログで書いた。だが、こう書きながらも、私は自身で、もう一つ納得できないものを感じていた。では、我々は習近平国家主席の心境をどう読み解けばよいのか。私はそこに、「経済」というファクターを入れて理解すべきではないか、と思うに至ったのである。「下部構造が上部構造を規定する」。これはマルクスを祖とする唯物論・共産主義の、その基本中のキである。中国共産党の親玉である習近平が「下部構造」である経済の重要性を忘れるはずがない...習近平と経済対策

  • 久々の病院で

    きょうは久しぶりに妻の運転で、筑波記念病院に出かけた。整形外科のA先生の診察を受けるためである。骨折した箇所のレントゲン撮影をして、手術した部位に異常がないかどうかを調べるためである。今のところ回復は順調で、きょうの診断結果も異常なしだった。自分の身体のことだから、ある程度は分かってはいたが、これでほっと一安心である。整形外科のA先生といえば、私の入院中、何かと励ましの言葉をかけてくれ、消化器外科のヤブ医者・Iドクターなどとは違って、私が「救いの神」のように感じていたドクターだが、きょう久しぶりにお会いした印象は、以前とはちょっぴり違っていた。まあ、向こうからすれば、私はもはや自分が主治医として担当する入院患者の一人ではなく、一日にわんさと訪れる外来患者の一人でしかないから、そういう患者のワン・オブ・ゼム...久々の病院で

  • 成人の日に寄せて

    きのうきょうはテレビをつけると、成人式の話題がしきりに取りあげられている。きのう1月9日は「成人の日」だった。昨年の改正民法の施行によって、18〜20歳の若者が新たに「成人」になり、その数は341万人だという。テレビの話題はただ一つ、各自治体が「20歳の祝い」などと称して、20歳の若者だけを対象に式典を行い、18歳、19歳の若者をオミットしていることである。18歳や19歳の若者は、受験や就職などが重なり、成人式どころではないという事情があるらしい。こうした風潮に対して、私はひとこと物申したいのである。改正民法の施行により、選挙権が20歳以上から18歳以上に引き下げられた。また、18歳以上の若者は親の同意がなくても、自分の意思で様々な契約が結べるようになった。政治面でも、経済面でも、「もうお前たちは一丁前の...成人の日に寄せて

  • 習近平とゼロコロナ

    中国の国家主席・習近平が「ゼロコロナ政策」を放り投げてしまったようだ。こんなニュースを聞いた。「中国政府は、感染症への対応について、8日から新型コロナウイルスを最も厳しい対策が求められる水準から1段階引き下げました。これにより、感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策は終了することになります。(中略)具体的には、患者を強制的に隔離したり、感染が集中した地域を封鎖したりする措置をやめるほか、濃厚接触者の特定も行いません。」(NHKNEWSWEB1月8日配信)習近平ーー。この独裁者はなぜ「ゼロコロナ」政策を放り投げてしまったのか。自由を奪われた人民の、その不満の高まりを受けて、一時は規制を緩和したものの、それによってコロナの感染が急拡大した現実がある。この「不都合な現実」を前にして、この独裁者は一体、何を考え...習近平とゼロコロナ

  • キシダくんの年頭記者会見

    正月気分の1月4日、岸田首相が行った年頭記者会見を見て、「ええっ?」と呆気にとられた人は多かったのではないか。岸田首相はこう宣(のたま)ったのである。「特に、2つの課題、第1に、日本経済の長年の課題に終止符を打ち、新しい好循環の基盤を起動する。第2に、異次元の少子化対策に挑戦する。そんな年にしたいと考えています。」私が耳を疑ったのは、「異次元の少子化対策」という言葉である。「異次元の」とは、「次元を異にした」という意味だろう。そもそもこの「次元」とは何のことなのか。何ごとでもグーグル先生に聞いてみる癖がついた私は、さっそくタブレットを取りだし、ネットを開いてみた。ウィキペディアにはこうある。「次元(じげん、英:Dimension、中国語:維度)は、空間の広がりをあらわす一つの指標である。座標が導入された空...キシダくんの年頭記者会見

  • 再エネについて考える(その3)

    今問題にしているのは、サイト「現代ビジネス」に掲載された記事である。《【衝撃ルポ】再生可能エネルギーは「無条件で善」なのか《消費税10%上げ相当、土砂崩れで12人犠牲》》というのが、この論考のタイトルである(筆者は「週刊現代」編集部、1月4日配信)。この論考が批判の俎上にのせる第一の点は、再エネ・システムの開発がトンデモないカネ食い虫であり、国民にかなりの税負担をかけるという、トンデモな現実である。10年間で150兆円の投資、1年あたり15兆円という金額を高いと見るべきか、安いと見るべきか、私にはわからない。毎日、千数百円を節約するのに四苦八苦している私の庶民感覚からすれば、15兆円はべらぼうに高いが、何しろ再エネ・システムの開発といえば、我が国の行く末を左右するほどの大事業である。1年あたり15兆円の投...再エネについて考える(その3)

  • 再エネについて考える(その3)

    きょうはサイト「現代ビジネス」に掲載された記事の中身を紹介しよう。《【衝撃ルポ】再生可能エネルギーは「無条件で善」なのか《消費税10%上げ相当、土砂崩れで12人犠牲》》と題された記事(筆者は「週刊現代」編集部、1月4日配信)である。中身よりも前にまず着目しなければならないのは、「再生エネルギーは『無条件で善』なのか」という、表題に掲げられた問いの文言である。この論考の筆者は、私のような意見の持ち主を「再生エネルギーは『無条件で善』である」とする見解の持ち主だと規定した上で、この「再生エネルギーは『無条件で善』である」という見解は果たしてホントなのか、と疑問を投げかけるのである。断っておくが、私は「再生エネルギーは『無条件で善』である」などとはこれっぽっちも考えていない。再生エネルギーにもそれなりに欠点はい...再エネについて考える(その3)

  • 再エネについて考える(その1)

    これまで私は、2つの大きな政策転換を行った咎で岸田政権を批判してきた。その一つは軍拡路線への政策転換であり、もう一つは、原発再稼働を積極的に前面に打ち出したことである。しかも岸田政権は、この2つの重大な政策転換を「閣議決定」というごく内輪の稟議だけで済まそうとしたのだ。この2つのうち、きょうは後者、原発再稼働の問題を取りあげてみたい。原発再稼働はなぜいけないのか、いけないとなぜ私が考えるかといえば、それは、原発がきわめて大きな被害をもたらす事故を起こすような、危険な可能性を持つ発電システムであること、また、とんでもないカネ食い虫であり、経済合理性に反する発電システムであること、さらに、使用済み核燃料の処分方法が見つからないなど、未成熟な技術から成り立つ発電システムであること、等々の理由があるからである。岸...再エネについて考える(その1)

  • 新聞社説に見る今年の展望

    娘たち一家が我が家に来ていた正月のあいだは、新聞を読むことができなかった。落ち着いて読める雰囲気ではなかった。そこできょうは、ネットを開き、遅まきながら朝日新聞の元日の社説に目を通してみた。というのは半分は嘘で、ホントは、(いつものように)ブログのネタを探すために、新聞社説に救いを求めたのである。《空爆と警報の街から戦争を止める英知いまこそ》これが年頭に掲げられた社説のタイトルだった。社説はまずロシアの攻撃下にあるウクライナの惨状をルポルタージュ風に描くことから始まり、次のように書いている。「国際社会のさらなる支援を市民は欲していた。だが、紛争解決の責任を担う国際機関にはすっかり失望していた。」ここまではいわば前ふりに過ぎない。年頭のためか、つい気負いすぎ、必要以上に長ったらしい前ふりになってしまったよう...新聞社説に見る今年の展望

  • 上昇か下降か 正月雑感

    新年を迎える。そのリセット感覚は、老齢になると、いわく言い難い感慨を呼び覚ます。1年分の歳を重ね、その分だけ残された時間を徒に過ごしてしまった、という苦々しい思いがある。そんな鬱陶しい思いとは関係なく、私をとらえる一つのイメージがある。3年前の正月、私はブログにこんなことを書いた。「時間とは、らせん階段のようなものではないか。新年を迎えるたび、そんな思いが強くなる。歳を重ねるとは、きっとそういうことなのだろう。階段を一段昇って、えっこらさと見晴らしのよい踊り場にでる。ここから眺める光景は、だが、見覚えのある日常の風景でしかない。『新年』という名の、見慣れた時間。きのうまでの毎日と、ちっとも変わらない。何の変哲もない、無聊な味気ない日常と向き合う、重たく軽い私がいる。さて、今年はどんな事件が私の無聊を慰めて...上昇か下降か正月雑感

  • 年頭所感

    年が改まると、気分までがリセットされ、「今年の抱負」などを述べたくなるものらしい。私も世の顰(ひそみ)にならい、年頭にあたって、まずは今年の抱負を書いてみたい。抱負といっても、書くべきことはただ一つ、「健康に留意」である。健康、特に身体の健康に気を配り、これを第一に考えること。これは当たり前のようだが、私が長らく生業(なりわい)としてきた哲学の分野では、異端に属する考えであるらしい。哲学の分野では、アリストテレスの「人間は理性的動物である」を嚆矢として、人間のアイデンティティーを理性に見る理性中心主義の考え方が主流だった。しかし私は、「身体こそは大いなる理性である」としたニーチェの、その独特な考え方に同調するのである。身体の健康に気を配り、これを第一に考える、ーーこれは私の場合、具体的には、転倒しないよう...年頭所感

  • キシダくんの秘密(その3)

    ええ?逮捕されるかもしれない、だって?君がかね?君はだいぶ「特定秘密保護法」を氣にしているようだが、考え過ぎではないのかな。今年ももう残りわずか、じきに新年だというのに、君はどうも被害妄想が過ぎるようだ。来年こそはその悪い癖(へき)を治さないとな。大体、君は「特定秘密保護法」違反の容疑で、というが、一体どんな秘密をばらしたというのだ。あ、通りすがりのAさん、ーーあなたはそう、読者のAさんですよね。私がどんな秘密をばらしたのか、ですって?それはですね、ここだけの話ですが、ほら、アレですよ、「キシダくんはアレである」というアレですよ。キシダくん、つまり岸田文雄氏といえば、曲がりなりにも日本国の国家元首ですからね。この方が実はアレだということは、知られてはならない重大な国家機密、特定秘密ということになるのではな...キシダくんの秘密(その3)

  • キシダくんの秘密(その2)

    12月29日の朝日新聞「天声人語」は、次のように書いている。「特定秘密保護法は漏洩(ろうえい)を厳しく禁じている。海上自衛隊の1等海佐が機密情報を漏らしたとして書類送検された事件だ。▼『どの部分が特定秘密に当たるのかは分からなかった』。機密を教えられた元海将は警務隊の取り調べのときでさえ、黒塗りの文書を見せられたと共同通信に語っている。『真っ黒だから何か分からず、話が通じない状態だった』▼あなたは秘密を聞きましたか。何が秘密かは秘密ですけど――。まるでそんな法律である。」(朝日新聞12月29日)自分がどんな秘密を漏らしたか、どんな罪を犯したかを、私は(法律によって!)教えてもらえない、ーーこれは相当厄介な法律である。しかも、そういう例は実際にあったというから、この「特定秘密保護法」は、かなりの曲者だと見な...キシダくんの秘密(その2)

  • キシダくんの秘密(その1)

    「おまえを逮捕する!」「え?私ですか?刑事さん、私が何をしたと?」「『特定秘密保護法』違反の容疑で、おまえを逮捕する」「え?私が何か秘密を漏らしたとでも?」「そうだ。おまえは漏らしてはいけない秘密を漏らしたのだ」「私がどんな秘密を漏らしたというのですか?」「それがどんな秘密かは、秘密だから言うことができない」「なぜ秘密なのでしょうか?」「漏らしてはならないから、それは秘密なのだ」「なぜ漏らしてはならないのでしょうか?」「それは秘密だからだ」こうして冗談のような、漫才のような珍問答は延々と続く。だが、これは冗談でも架空の漫才話でもない。細部は違っていても、これは実際にあった話である。(つづく)キシダくんの秘密(その1)

  • 今年を振り返る年の瀬

    今年ももう残りわずかである。テレビでは年の瀬の街の風物が映し出されたり、特別番組が組まれたりと、年末の雰囲気が漂っている。しかし私の生活はといえば、ふだんと全く変わらず、年の瀬の雰囲気とはおよそ無縁の安閑とした毎日である。そうういえば、訪看さん(訪問看護師のおばさん)が先週、「次回は済みませんが、人手のやり繰りがつかないので、シャワーの介助は抜きにします。ストーマ・パウチの交換だけにしたいのですが、いいですか?」と言っていた。それがあしたである。きょうはデイサービスがある日だが、はて、デイサービスは年末で休業だったか、それとも休業は正月だけだったか、どうもそのあたりが判然としない。「来週はお休みです」と言われた記憶がないのだから、きょうのデイサービスはたぶんお休みではないのだろう。それならそれで、心構えを...今年を振り返る年の瀬

  • 妖怪コロナがひたひたと

    魔界・東京に住む長男夫婦がコロナに罹った。妻のLINEに、そういうメールがあったという。だから正月は我が家に帰省することは叶わない、と。妖怪コロナがひたひたと我が身辺に迫っている実感がある。4回目のワクチンを打ったほうが良いかな、と思わないではない。でも、ま、別にいいや、と思い直す。4回目のワクチンを打っても、妖怪コロナの魔の手を逃れられない人も多いと聞く。それに、ワクチンの副反応が原因で死亡した人もいると聞いたりもするからである。この夏、骨折して魔の筑波記念病院に入院していたときのことだが、患者や病院スタッフに何人か感染者が出たという話を聞いた。それでも罹患しなかった私だから、「自分はコロナには罹らないのだ」と勝手に決めつけ、ワクチンを打つことなど端から念頭になかった。それが、ここに来て長男のコロナ罹患...妖怪コロナがひたひたと

  • 岸田内閣と徴兵制の可能性

    岸田内閣はそのうち徴兵制を言いだすのではないかーー。そんな警戒の声が最近、SNSを賑わしているという。さもありなん。この内閣には、何をしでかしてもおかしくない怖さがある。この暴走内閣は事実、軍拡路線への政策転換、原発再稼働策への転換と、重大な政策転換を(閣議決定だけで!)立て続けにやらかしてきた前科がある。軍拡路線を例にとれば、岸田首相は「敵基地攻撃能力の保有」の次に「兵力の増強を」と言い出しかねず、その延長線上に「徴兵制」をすえる恐れがある。なるほど日本国憲法はその第18条で「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」と規定しているから、岸田内閣がただちに徴兵制をしくのは難しいかもしれない。だが岸田内閣は、自衛隊員の給与を倍増するなどして、若者の大半を兵士へと誘導・大量動員する算段を編みだすかもしれないので...岸田内閣と徴兵制の可能性

  • 岸田政権は解散総選挙を

    重大な政策変更を行ったときは、解散をして国民に信を問うべきだ。軍拡のための増税は良いが、増税をするのなら、まずは衆院を解散して総選挙を実施すべきだ。その通りである。さすがは政権与党の政調会長、良いことをおっしゃいますな。こんなニュースがある。「自民党の萩生田光一政調会長は25日、フジテレビの番組で、防衛費増額の財源を確保するため増税する時期を決定した際は衆院解散・総選挙で信を問うのが筋だとの認識を示した。『財源を増税で賄うことは7月の参院選で約束していない』と指摘した上で、『明確な方向性が出た時は国民に判断してもらう必要も当然ある』と語った。」(JIJI.COM12月25日配信)たしかに、岸田首相は先ごろ「敵基地攻撃能力の保有」を打ち出し、そのための費用は増税で賄うと言明した。のみならず、(国民を重大な危...岸田政権は解散総選挙を

  • 最強の国、最高の国、そして日本は

    《世界「最強の国」ランキングトップ20日本はトップ10入り米誌》(NewSphere2021/4/23)あしたのブログでは何を書こうか・・・。次のテーマが見つからないまま、ネットの森を彷徨っていた。「おっ、これは使えるかも」そう思ったのは、この記事のタイトルを目にしたときである。自分の国が世界で何番目くらいにランク付けされているのか、私は好奇心をそそられた。とりあえず整理してみた。結果は以下の通りである。(「最も強い国」のランキング)20位:シンガポール19位:ブラジル18位:スペイン17位:スイス16位:オーストラリア15位:イタリア14位:トルコ13位:インド12位:カナダ11位:イスラエル10位:アラブ首長国連邦(UAE)9位:サウジアラビア8位:大韓民国7位:フランス6位:日本5位:イギリス4位:...最強の国、最高の国、そして日本は

  • キシダくんの正体が

    「悪びれる」という言葉がある。「悪びれることもなく」といえば、いささかも自分の行いを悪いとも思わず、恥じる様子もない、という意味である。悪びれることもなく悪事をはたらく輩(やから)は、根っからの悪人なのか、それとも単なるアホなのか。こんなことを言うのは、岸田首相のやり方を見て、そういう疑問が沸いたからである。悪びれることもなく軍拡路線を推し進め、原発再稼働に走るこの人は、根っからの悪人なのか、それとも単なるアホなのだろうか。まあ、軍拡や原発再稼働を悪事と見るかどうかは立場によるから、今はこれを問わないことにしよう。だが、次のニュースはどうなのだろう。「政府は23日の臨時閣議で一般会計の総額が過去最大の114兆3800億円程度となる来年度・令和5年度予算案を決定します。防衛費の増額などで規模が大きく膨らみま...キシダくんの正体が

  • ゼレンスキーの訪米は

    ウクライナの大統領ゼレンスキー。この男の正体がよくわからない。この男がアメリカを訪れ、バイデン米大統領と会談するとともに、米議会で演説を行ったというニュースを聞いた。この男の意図が「もっと武器の支援を!」と援助の要請にあったことは間違いない。ゼレンスキーはなぜロシアとの停戦交渉に臨もうとしないのか。ロシアのミサイル攻撃によって生活インフラがことごとく破壊され、被害がどんどん拡大する中、なぜ徹底抗戦を叫び続けるのか。国民の困窮を尻目に、ひたすら勝負に固執する意味が、私にはわからない。これでは「徹底抗戦!」を叫びながら、自滅していったかつての日本帝国軍人と変わらないではないか。武器の支援を要請されたバイデン米大統領も、困ったのではないか。プーチンを追いつめ、「窮鼠猫を噛む」ならぬ「窮鼠核を振りかざす」というよ...ゼレンスキーの訪米は

  • 体験の格差は

    Bildungsroman(教養小説)と呼ばれる小説のジャンルがある。ウィキペディアの説明を借りれば、「主人公がさまざまな体験を通して内面的に成長していく過程を描く小説のこと」である。ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』が代表とされるが、このタイプの小説の根っこにあるのは、「体験は成長の糧になる」という発想だと言えるだろう。なぜこんなことを持ち出すのかというと、次の記事を読んだからである。「年収300万円未満の低所得世帯の小学生のうち3人に1人がこの1年、習い事や旅行などの体験活動を何もしていないことが、子ども支援団体が15日に公表した調査で分かった。団体は「『体験の貧困』は将来の職業選択、所得にも影響を及ぼす」として国に対策を求める。」(dmenuニュース12月19日配信)このニュースにある子...体験の格差は

  • 無責任だよキシダくん

    岸田政権はオープンな議論を怠ったまま、国家の安全保障政策という重大な課題に手を染めている。具体的に言えば、密室での閣議決定だけで、国防に関わる政策転換を押し進めている。毎日新聞は数日前の社説で、《安保戦略の閣議決定国民的議論なき大転換だ》と題し、次のように論じている。「専守防衛の原則に基づく、戦後日本の安全保障政策の大転換である。本来、国会で熟議を重ねて、国民に説明を尽くさなければならない。それを怠ってきた岸田文雄首相の責任は極めて重い。」(12月17日配信)国会での熟議をあえて回避しようとする。岸田首相の無責任さを最もよく示すのが、トマホークなど軍事装備品の購入問題である。次のような報道がある。「政府が年末に改定する国家安全保障戦略など安保3文書の骨子案が9日、明らかになった。敵の射程圏外から攻撃できる...無責任だよキシダくん

  • 曲学阿世と中国・習政権(その2)

    「自由をよこせ!」人民の激しい抗議デモに直面した中国共産党・習政権は、それまでのゼロコロナ政策を撤回し、厳しい行動規制の緩和措置に踏み切った。この規制緩和の措置は案の定、コロナの感染拡大を呼び覚ましたが、この事態を知ったとき、習近平国家主席はこうほくそ笑んだに違いない。「ほら見たことか。わが政権が実施したように、行動規制を徹底しないと、コロナを抑え込むことは出来ないのだ。」とはいえ今のところ、習政権が規制を再開したという話は聞かれない。人民の怒りを恐れてか、匙を投げたようにも見える習近平の、その腹の中は、どうなのか。「我々共産党が天下を治めてこそ、万事はうまく行くのだ。お前たちの要求を呑んだ結果が、このザマではないか。コロナが蔓延すれば、お前たちは毎日感染を恐れ、死の恐怖とともに暮らさなければならなくなる...曲学阿世と中国・習政権(その2)

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