chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 〔お知らせ〕gooブログから引越しします

    2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします

  • バッタを倒すぜ アフリカで (前野ウルド浩太郎)

    日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)

  • 〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2 総集編

    1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編

  • 〔映画〕侍タイムスリッパー

    2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー

  • 平城山を越えた女 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)

  • 〔映画〕影武者

    1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者

  • 雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら (東畑 開人)

    いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)

  • 〔ドラマ〕Cat's Eyes

    2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes

  • 〔映画〕阿修羅のごとく

    2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく

  • 黒の狩人 (大沢 在昌)

    このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)

  • 〔映画〕フォールガイ

    2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ

  • 〔映画〕私にふさわしいホテル

    2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル

  • 老人をなめるな (下重 暁子)

    いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)

  • 〔映画〕モスラ3 キングギドラ来襲

    1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲

  • 〔ドラマ〕家電侍スペシャル ストップ!忠臣蔵

    2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵

  • 恐竜最後の日: 小惑星衝突は地球をどのように変えたのか (ライリー・ブラック)

    日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)

  • 〔映画〕駆込み女と駆出し男

    2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男

  • 〔映画〕ビーキーパー

    2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー

  • 伊香保殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕デビルクエスト

    2011年に公開されたアメリカ映画です。中世ヨーロッパ、十字軍の時代の魔女狩りや悪魔祓いをモチーフにした“ファンタジーアドベンチャー”作品ですね。主役はマンネリぎみのニコラス・ケイジなのでほとんど期待していなかったのですが、極く普通に楽しめました。ストーリーやキャラクタ設定はこれといって目を見張るようなところはないのですが、そのあたりの素直な作りが奏功したようです。デビルクエスト[Blu-ray]ニコラス・ケイジKADOKAWA角川書店〔映画〕デビルクエスト

  • 〔映画〕新源氏物語

    1961年に公開された日本映画です。川口松太郎の「新源氏物語」を原作として映画化された作品ですが、その段階で「川口源氏」からの改変があったでしょうから、主要な登場人物は踏襲するとしても、そもそもの紫式部の「源氏物語」と比べるとその描き方にはかなりの隔たりがあるのでしょう。まあ、私の場合、大もとの紫式部版も読んだことがないので、なんとも情けないことにその彼我の違いは分かりようもありません。ともかく、本作、当時の映画作品としては、市川雷蔵が主役を張り、当時のトップ女優の方々が名を連ねた豪華版だったのでしょう。ただ、この手の“湿気の多い人間関係”が人を変え場所を変えて延々と連なるような物語は、ちょっと私にはきついですね。新源氏物語[DVD]市川雷蔵KADOKAWA/角川書店〔映画〕新源氏物語

  • 芸能界を変える ─ たった一人から始まった働き方改革 (森崎 めぐみ)

    いつも利用している図書館の新着本の棚で目についた本です。人気タレントと大手テレビ局におけるコンプライアンス問題が大いに話題になっていますが、従来から“芸能界の特殊な慣行”についてはその存在は黙認されていたというのが現実の姿でしょう。本書の著者の森崎めぐみさんは、俳優であり、一般社団法人日本芸能従事者協会代表理事という立場で、不適切な労働慣行や各種ハラスメントが横行する芸能界における法的ルールの確立に尽力してきました。本書には、芸能界の実態を示す森崎さんたちが実施した調査結果や直接体験した実例が数多く紹介されているとともに、その解決策の提案・改善事例等も随所に記されています。しばしば“芸能界の特殊性”という言を耳にしますが、その背景には、「芸能関係の労働者」と企業や芸能事務所との多様かつ不可思議な関係の存在...芸能界を変える─たった一人から始まった働き方改革(森崎めぐみ)

  • 〔映画〕モスラ2 海底の大決戦

    “平成モスラ”シリーズの第2作目で、こちらも“SFファンタジー”ですね。「こども」が主人公の“ファミリー向けのつくり”に傾いていた一世代前のゴジラやガメラ映画は、“平成ゴジラ”“平成ガメラ”シリーズで「ストーリー」でも楽しめる本格的なエンタメ作品として再生したのですが、そのころに作られたこの“平成モスラ”シリーズは完全に「お子さま向け」です。なので、ターゲット外の私が「映画」としての感想を記すのは控えたいと思います。ただ、とはいえ、私の年代にとっての見どころがなかったわけではありません。主役の満島ひかりさんは子役として映画初出演でしたし、若々しい紺野美沙子さん、細川ふみえさんにも久しぶりにお目にかかれました。モスラ2海底の大決戦[DVD]小林恵東宝〔映画〕モスラ2海底の大決戦

  • 〔映画〕ゴーストバスターズ/フローズン・サマー

    2024年に公開されたアメリカ映画です。1984年公開の第一作目から続く“SFファンタジー”のシリーズ作品で、トータルでは5作目、2021年の「ゴーストバスターズ/アフターライフ」の続編にあたります。こういったシリーズはマンネリ化が不可避ですが、本シリーズの場合は、初期作品と現行作品とをうまく融合させて、十分楽しめるレベルを維持していますね。基本コンセプトを堅持している点や初期のキャストをとても自然に最新作に登場させているところあたりが特に秀逸なのですが、それらが活きるのも、そもそものプロットがしっかりしているところに拠るのでしょう。この最新作も、いい具合でしたね。楽しめました。ゴーストバスターズ/フローズン・サマーブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]通常版ポール・ラッドHappinet〔映画〕ゴーストバスターズ/フローズン・サマー

  • 琵琶湖周航殺人歌 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第38作目」です。今回の舞台は“琵琶湖(滋賀)”。滋賀県は、数えきれない回数、上り下りの新幹線では通っていますが、ゆっくり降りて探訪したことはありません。仕事では、草津に以前勤めていた会社のお客さまの拠点があって2・3ヵ月に1回程度の頻度で訪問していたころもありました。ただ、琵琶湖も遠目に湖面が目に入った程度ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、こ...琵琶湖周航殺人歌(内田康夫)

  • 〔映画〕モスラ (1996)

    1996年に公開された日本映画です。少し前に観た1961年制作の「モスラ」とは全くの別物の“ファミリー向けファンタジー作品”です。メインキャラクタが同じでも、「作品のコンセプト」と「映画づくりへの熱量」が違うとこうまで出来栄えに差がつくのですね。特技監督が“平成ゴジラシリーズ”の川北紘一さんとは思えない映像です・・・。とはいえ、このあと“平成モスラ”シリーズとしてあと2作制作されたのですから、この内容でも興行的にはそこそこの成功の部類だったようです。まあ、この作品を観た私にとっての収穫といえば、挿入歌の作曲が「矢野顕子」さんだったということぐらいでした。モスラ(1996年度作品)[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ(1996)

  • 〔映画〕劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦

    2024年に公開された日本のアニメ映画です。週刊少年ジャンプ連載のコミックが原作で、TVアニメ化されたシリーズの「続編」という位置づけですから、きちんと楽しむには、アニメを観てからというのがベストでしょう。私の場合は、アニメは途中で中断しているのですが、まあ、それでもこの映画で登場するキャラクターたちのここに至る経緯は最低限辿っていたので助かりました。「アニメーション」としては、どうでしょう、綺麗な“絵”を見せるタイプではなく、モチーフ、キャラクタ設定、人間関係、それにエピソードといったところに見せ場がある作品なので、そのあたりに魅力を感じるか否かが評価の分かれ目になりますね。私の場合はどうかといえば、好きな絵のトーンではなかったという点を差し引いて、まあまあ良かったといった印象でした。無難な“優等生”的...〔映画〕劇場版ハイキュー‼ゴミ捨て場の決戦

  • 争いばかりの人間たちへ ゴリラの国から (山極 寿一)

    いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。山極寿一さんの著作は今までも「ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」」「虫とゴリラ」「京大式おもろい勉強法」「動物たちは何をしゃべっているのか?」等々何冊か読んでいます。そして、読むたびに、山極さんの真っ当な思索にいつも数々の気づきをいただいているのですが、本書からもそうでした。それらの中から、特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「人類の社会性」が誕生した経緯についての山極さんの理解。(p118より引用)人間が多産なのは、おそらく森からサバンナへ出てきた時代に高い捕食圧に直面して子ども死亡率が高まったためであり、それを現代まで受け継いでいると考えられるのだ。しかも、脳が増大するようになってから...争いばかりの人間たちへゴリラの国から(山極寿一)

  • 〔映画〕モスラ(1961)

    1961年に公開された日本映画です。当時の世界最高水準の特撮映画でしょう。設定やストーリーはともかく、CG登場するはるか以前、架空世界の創造や現実世界の再現にこれだけのエネルギーをつぎ込んだ映像は驚愕です。圧巻だったのは、渋谷界隈のミニチュアセットの精巧さと、それを破壊していくシーンのリアリティ。看板ひとつ、電線一本までも実際に作り込んでいるのですから、この執着たるや筆舌に尽くしがたいものがあります。見事の一言ですね。60年以上前の映画ですが、この渋谷の映像を見るだけで、いまだに関係者の熱量が伝わってきますね。制作は田中友幸さん、監督は本多猪四郎さん、そして特技監督は円谷英二さんという最高の制作スタッフに、音楽は古関裕而さん、さらにモスラ幼虫のスーツアクターは中島春雄さん。これだけ並べば文句のつけようがあ...〔映画〕モスラ(1961)

  • 〔映画〕ザ・フラッシュ

    2024年に公開されたアメリカ映画です。DCコミックスのキャラクターを主人公にしたヒーロー映画ですが、「フラッシュ」は、数あるヒーローたちの中ではかなり地味な存在です。そのフラッシュが“時間を操る力”を持ったという設定の「タイム・ループ」もの。なので、ストーリーも自由に作り上げることができます。ただ、「自由」な分だけ、つくりはかなり無理筋で雑になりますね。展開の奇抜さを楽しむか、それとも物語の深みを味わうか、作品に期待するものによって評価は分かれますね。あとは、キャスティング。メインキャラクターの配役は若手ですが、その他のお馴染みのキャラクターは、それぞれハリウッド映画の主役が張れるビッグネームがそれこそ綺羅星の如く登場しています。まあ、「演じる」というよりは「一瞬の顔見世興行」といったところですが。それ...〔映画〕ザ・フラッシュ

  • 罪を犯した人々を支える ─ 刑事司法と福祉のはざまで(藤原 正範)

    いつも利用している図書館の新着本の棚で目についた本です。私の実生活の中では馴染みの薄いテーマですが、「闇バイト」のように誰もが犯罪者になる可能性が高まっている今日、その犯行後の矯正の問題はますます重要性を増してくるでしょう。そのあたり、少しでも現状を頭に入れておこうと思い手に取ってみました。著者の藤原正範さんは長年にわたり家庭裁判所調査官として少年犯罪に向き合ってきたとのこと。藤原さんの実務経験と裁判傍聴等から得た多くの実例をもとに、司法と福祉の現代的課題を指摘してくれています。それらの中から、特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「更生」についての藤原さんの思いを表しているくだりです。本書で藤原さんが第1章で提示している刑事裁判例は、窃盗、詐欺といった比較的軽い犯罪が対象...罪を犯した人々を支える─刑事司法と福祉のはざまで(藤原正範)

  • 〔映画〕春に散る

    2023年に公開された日本映画です。原作は、沢木耕太郎さんの小説ですが、今回の映画化にあたって登場キャラクターやストーリーには結構手が入ったようですね。まあ、小説の映画化にあたってはよくあることですし、そもそも原作と映画とどちらがいいかといった問題ではありません。それぞれ、別個の“表現作品”として楽しめばいいだけです。さて、本作品、「ボクシング」がモチーフです。同様の映画はそれこそ山のようにありますが、「ボクシング」は映像やストーリーにする場合扱いやすいんでしょうね。この作品も、概ね想像通りの予定調和的展開でした。キャスティング面でいえば、横浜流星さん、窪田正孝さんのボクサー役は見事にはまっていましたし、片岡鶴太郎さんも独特の存在感でいい味を存分に発揮していました。あとは、山口智子さん。映画出演は久しぶり...〔映画〕春に散る

  • 〔映画〕レディ加賀

    2024年に公開された日本映画です。最近では珍しい“ベタなモチーフ”で、ストーリー展開も一昔前のノリですね。ご当地ものですが、如何せん“地味”です。主演は、今まさにNHK大河ドラマで大いに話題になっている小芝風花さんですが、この作品では、キャラクタとの相性が???で今ひとつ輝きませんでした。残念です。残念といえば、森崎ウィンさん。過度な演出のせいもありますが、こちらも完全にミスキャストでしたね。映画「レディ加賀」[DVD]DVD小芝風花ポニーキャニオン〔映画〕レディ加賀

  • 60代からの資産「使い切り」法 今ある資産の寿命を伸ばす賢い「取り崩し」の技術 (野尻 哲史)

    いつも利用している図書館の新着本リストで目について手に取った本です。タイトルに「60代からの」とありますが、私も60代半ばを過ぎ、まさに本書のターゲット層にドンピシャのライフステージに至ってしまいました。なので、まずは、こういった“HowTo本”で基本を頭に入れておこうと読んでみたのですが、著者の野尻哲史さんの解説はとても分かりやすく、示されたアドバイスも具体的で大いに参考になりました。本書での野尻さんのアドバイスの要諦は、資産の取り崩し期における「資産活用」の薦めです。そして、その際に留意すべきポイントは「収益率配列のリスク」の存在だと指摘しています。(p121より引用)こうした収益率の並び方が資産残高に影響するという考え方は、海外ではSequenceofreturnsriskと呼ばれて、よく知られてい...60代からの資産「使い切り」法今ある資産の寿命を伸ばす賢い「取り崩し」の技術(野尻哲史)

  • 〔映画〕マダム・ウェブ

    2024年に公開されたアメリカ映画です。マーベル・コミックスのキャラクターを主人公にしたスーパーヒーロー映画で「スパイダーマン」の系列ですね。なので、かなり地味です。つくりとしては、コミックそのものというかベタな素人作品といった感じで、ストーリー展開も意味不明です。キャラクタとしての“造型”もなしに等しく、持っている特殊能力も極めて限定的でワクワク感は感じられません。さすがに、このレベルではシリーズ化は到底無理でしょう。マダム・ウェブブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]通常版ダコタ・ジョンソンHappinet〔映画〕マダム・ウェブ

  • 〔映画〕ジョン・ウィック:コンセクエンス

    2023年に公開されたアメリカ映画です。2019年公開の「ジョン・ウィック:パラベラム」の続編で、キアヌ・リーブス主演の「ジョン・ウィック」シリーズの第4作。今までの3作品も観ていますが、本作品はそのなかでも最もストーリー性に乏しく、同じようなテンポの単純なアクションシーンがこれでもかと続いて、かなり食傷ぎみになりました。さすがにこれでシリーズも打ち止めでしょうね。ジョン・ウィック:コンセクエンス[DVD]DVDキアヌ・リーブスポニーキャニオン〔映画〕ジョン・ウィック:コンセクエンス

  • 消費される階級 (酒井 順子)

    いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の酒井順子さんがゲスト出演していて紹介していた本です。酒井さんは、以前「負け犬の遠吠え」で大いに有名になったエッセイストですが、それも、もう20年も前なんですね。本書もその酒井さんによるエッセイ。最近のSNSでも頻繁に見られる“マウンティング”や“過度な公平要求”等をはじめとした「今日的な階級問題」の実態を材料に、酒井さん一流の感性でウィットに富んだ小文に仕立て上げています。なるほど、といった刺激や気づきに溢れた内容でしたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきます。「男性アイドルは無常の風の中に」とのタイトルの一文より、「ジャニー喜多川事件」の影響について言及したくだりです。(p202より引用)ジャニー喜多川氏が築いた帝国...消費される階級(酒井順子)

  • 〔映画〕仕掛人・藤枝梅安2

    2023年に公開された日本映画です。多くの役者の方々が演じた「藤枝梅安」ですが、豊川悦司さん版の2部作の後編です。第1作の続編なので、梅安を取り巻く登場人物は前作を観ていないと各々のキャラクタ設定は理解できません。ただ、メインのエピソードは独立したものなので、本作だけでもそれなりには楽しめますが・・・。こちらの作品もエンターテインメント作品としては、しっかりした作りです。ストーリー展開もそうですが、登場人物の時折の“台詞”が“和製ハードボイルド”としても効果的ですね。それらが池波正太郎さんの原作にあるものなのか、シナリオ作成時に織り込まれたものなのか、機会があればチェックしてみたいものです。仕掛人・藤枝梅安2河毛俊作〔映画〕仕掛人・藤枝梅安2

  • 〔映画〕ゴールド・ボーイ

    2024年に公開された日本映画です。中国のミステリー小説が原作というのは珍しいですね。ストーリーは、リアリティには乏しいですが、展開にメリハリがあってよく練られていたと思います。また、主人公のキャラクター設定が最後まで効いていましたね。まさにこの作品の“コア”ですが、そのあたり羽村仁成さんがうまく演じていました。あと、岡田将生さんや黒木華さんといった中堅の実力派を配したキャスティングもよかったですが、監督はあの金子修介さんなんですね。「平成ガメラ3部作」は私の好きな映画シリーズです。ゴールド・ボーイ[DVD]通常版岡田将生Happinet〔映画〕ゴールド・ボーイ

  • 神戸殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第37作目」です。今回の舞台は“神戸”。神戸には、小学校のときの六甲山での林間学校をはじめとして、もちろんプライベートでも何度か訪れています。ただ、“神戸”の記憶で極め付きはかなり以前の会社時代のものです。神戸を仕事で訪れたのは、1994年12月、阪神・淡路大震災の1ヵ月前でした。震災時は、訪問先のビルがあった長田地区の被害は甚大で、センターに勤務されていた方々、ご家族の多くが被災されま...神戸殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

    2016年に公開されたアメリカ映画です。マーベル・コミックのキャラクターでスーパーヒーローである「キャプテン・アメリカ」が主人公のアベンジャーズシリーズで、作品としては「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の続編にあたります。ヒーローの活躍に隠れた犠牲者の立場がモチーフですが、その点は「ガメラⅢ」でも使われたものですね。ただ、本作品の場合は、それが“仲間割れ”を産み、多くのアクションシーンが“ヒーローどおしの戦い”になってしまいました。そこには、敵味方という動機しかなく、落ち着いて考えると、“登場人物たちの、冷静な判断を欠いた短絡的な行動”を延々と見せられたということでもあります。まあ、クリス・エヴァンス、ロバート・ダウニー・ジュニア、スカーレット・ヨハンソン、セバスチャン・スタン、ドン・チード...〔映画〕シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

  • 〔映画〕劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-

    2010年に公開された日本映画です。テレビアニメの「機動戦士ガンダム00ファーストシーズン・セカンドシーズン」に引き続いて製作された作品ですが、完全にテレビ版の続編なので、いきなりこの劇場版だけ観てもストーリーにはスッと入っていけないでしょうね。とはいえ、作品のテーマは“独立”しています。しかし、機械生命体という異種との相互理解をこういった表現で語るのはかなりチャレンジングでしたね。正直、成功だったとは言いがたい出来だったように思います。劇場版機動戦士ガンダム00-AwakeningoftheTrailblazer-水島精二〔映画〕劇場版機動戦士ガンダム00-AwakeningoftheTrailblazer-

  • 中東危機がわかれば世界がわかる (中川浩一)

    いつも利用している図書館の新着本の棚で目についた本です。イスラエルとハマスとの間の「ガザ紛争」に代表されるように、中東紛争は拠って立つところにより、その善悪、正否の判断は全く異なります。それらの争点を俯瞰した視座から捉えるには中東地域における歴史的・政治的は背景の理解が不可欠なのですが、私の場合、そのあたりの知識は、遥か昔の学生時代の「世界史の教科書」レベルでしかありませんし、その僅かな知識も恥ずかしながら急激に減衰しています。著者の中川浩一さんは外務官僚として在イスラエル日本国大使館、対パレスチナ日本政府代表事務所等、現地での豊富な勤務経験を有しています。その中川さんによる「中東政治状況の入門書」は基礎的な知識から整理し直すにはとても有用でした。いくつもの重要な指摘の中から、特に私の印象に残ったところを...中東危機がわかれば世界がわかる(中川浩一)

  • 〔映画〕翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~

    2023年に公開された日本映画です。2019年公開の「翔んで埼玉」の完全な続編で、主要な登場人物も引き継いでいます。内容は、前作とまったく同じトーンの“ナンセンスギャグ”路線で、キャスティングも各々のキャラの設定を重視したものになっています。逆に、キャスティングされた役者さんの来歴等を、ここまでやるかというほどのイジリに活かした演出もありました。いずれにしても、埼玉、大阪・神戸・京都、滋賀・奈良・和歌山といった各地方の立ち位置や評判、それらの間の関係性、さらには、役者の方々の出自も含めたパーソナリティ等も理解していないとまったく楽しめないつくりです。なので、普遍性は皆無、海外に出しても意味不明なので、本作品の評価如何は、内輪ウケのガラパゴス的な面白味を感じられるかどうかですね。ということは、“コア”なファ...〔映画〕翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~

  • 〔映画〕レジェンド 狂気の美学

    2015年に制作されたイギリス映画です。実在した人物を主人公にした“ギャングもの”で、プロット的には映画による表現に向いた作品なのでしょうが、私の好みではありませんでした。ともかく、主人公(たち)のキャラクタにまったく共感できないというのが最大の理由です。あそこまで“意味不明な行動”にはついていけません。主演はトム・ハーディが一人二役で務めていて、その演技力は出色ではありましたが、それも極端な人物設定だったのでメリハリが付けやすかったようにも感じられますね。レジェンド狂気の美学コレクターズ・エディション[DVD]トム・ハーディHappinet〔映画〕レジェンド狂気の美学

  • 直木賞受賞エッセイ集成 (文藝春秋)

    いつも利用している図書館の「文学書」の書棚で目についたので手に取ってみました。退職を目の前にし、このところビジネス本には見向きもせず、あまり読んで来なかった“文芸書”にトライしています。とはいえ「純文学」は敷居が高く、また正直それほど興味もわかないので、まずは気楽な「エッセイ」あたりで手ごろなものがないかと探していました。本書は、21世紀初の第124回から第150回までの「直木賞受賞作家のエッセイ」を採録したものです。一気に様々な作家のみなさんの作品(筆致)に触れることができるので、手始めには相応しいだろうと楽しみに読み始めたという次第です。全部で36編の作品。出版社からは、「原稿用紙20枚」と作品のボリュームも指定され、テーマも可能な限り「自伝エッセイ」をという同一条件での依頼によるものなので、“比較実...直木賞受賞エッセイ集成(文藝春秋)

  • 〔映画〕山の郵便配達

    1999年に制作された中国映画です。長年、中国山間部で郵便配達人をしている父とその仕事を引き継ぐ息子が主人公で、父の最後の配達の道程を辿るロードムービーです。目にする風景も人々も“山岳村落”の典型的なステレオタイプで、いくつものエピソードを織り込みながら物語も極めて穏やかに進んでいきます。中国映画も最近は“ハリウッド的?”なCGやVFX技術満載のド派手な演出のものが目立つ中、本作は、近年ではなかなかお目にかかれない“超優等生的”作品です。それはそれで素朴な趣があって悪くはないのですが、正直なところ、やはり物足りなさは強く感じますね。山の郵便配達[DVD]廉価版フォ・ジェンチイギャガ〔映画〕山の郵便配達

  • 〔映画〕川っぺりムコリッタ

    2022年に公開された日本映画です。監督・脚本を手掛けた荻上直子さんの小説が原作の作品ですが、なかでも「脚本」が秀逸でした。1シーン、1シーンごとに味があって、荻上さんが描く独特の世界観が、芸達者な面々を揃えた絶妙のキャスティングで見事に表現されていたように思います。そのキャスティングですが、松山ケンイチさんとムロツヨシさんの絡みを軸に、満島ひかりさん、吉岡秀隆さん、緒形直人さんと続き、さらに江口のりこさん、柄本佑さん、笹野高史さん。極めつけは、薬師丸ひろ子さんが「声」だけで出演しているという何とも豪華で贅沢なラインナップでした。川っぺりムコリッタスタンダード・エディション[DVD]DVD荻上直子KADOKAWA〔映画〕川っぺりムコリッタ

  • 砂の狩人 (大沢 在昌)

    このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、かなり以前によく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”を読み終わり、今度は第2作目の本作というわけです。ミステリーとしての楽しみ方もできる小説なので、ネタバレにならないよう内容には触れませんが、こちらは、かなりベタな“旧来型のハードボイルド作品”ですね。だから物足りないというわけではありません。ラストに近づいての一波乱はちょっと拙速な印象ではありますが、グイグイと少々...砂の狩人(大沢在昌)

  • 〔映画〕砕け散るところを見せてあげる

    2021年に公開された日本映画です。同名の小説が原作の実写版ですが、物語の前半と後半とではテイストが激変します。いきなりシーン自体の描き方がどぎつくなったので、ちょっと違和感の方が先に立ってしまいました。こういった木に竹を接いだような稚拙なストーリー展開は、正直、観る楽しみを減退させます。キャスティング面では、主人公を演じた石井杏奈さんがなかなかの好演で、あと、脇役に回っていた清原果耶さんが流石の存在感を放っていましたね。逆に、原田知世さんは“宝の持ち腐れ”的でもったいない登場でした。砕け散るところを見せてあげるDVD(特典なし)中川大志ポニーキャニオン〔映画〕砕け散るところを見せてあげる

  • 〔映画〕ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

    2008年に公開されたアメリカ映画です。アメリカンコミックが原作のいわゆる“スーパーヒーロー”ものですが、ストーリーの骨格は“魔界の悪者退治”なのでいたって普通です。そうなると、キャラクタの魅力が差別化ポイントになるわけですが、これば全くいただけません。どうしてこうまでアメリカ産のこの手の造型はグロテスクで酷いのでしょうか。ただ、本作品の専門家の評価は揃って高いらしく、そうなると私の審美眼の方が信用ならないレベルということになりますね。ヘルボーイゴールデン・アーミー[DVD]ロン・パールマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

  • 定年後 : 豊かに生きるための知恵 (加藤 仁)

    いつも利用している図書館の新書の棚を眺めていて目につきました。タイトルに「定年後」とありますが、私も60代半ばに至り、まさに今年中には退職する予定です。本書は、ノンフィクション作家の加藤仁さんが3,000人以上の定年退職者へのインタビューをもとに定年後の暮らし方の要諦を紹介したものです。ちょっと以前の本(2007年出版)なので、扱われているのは、時代的には私よりひと世代上の様子になりますが、それでも実践的な多くの具体例が“いろいろな意味”で大いに参考になりました。ここで“いろいろな意味”でというのは、そのまま私のアクションとして実践できるものがなかったということでもあります。「定年退職」を目の前に、その後の生活スタイルについては大いに気になりつつも、何も具体的には決め切れていない私にとって、本書で紹介され...定年後:豊かに生きるための知恵(加藤仁)

  • 〔ドラマ〕黒の斜面

    2016年に放映された日本のテレビドラマです。本作品は「テレビ朝日」版ですが、その前に同じ原作で日本テレビ、TBS、フジテレビでもドラマ化されているようですし、さらに1971年には加藤剛さん、岩下志麻さんが出演した映画も作られているんですね。ストーリー自体、かなりご都合主義的な設定が目立ちますが、これだけ主要テレビ局各社でドラマ化されたということは、お茶の間のライト・サスペンスとしては程よく楽しめると判断されたのでしょう。本作の主要キャストは、檀れいさん、内山理名さん、原田泰造さんですが、TBS版では梶芽衣子さん、片平なぎささん、近藤正臣さんだったとのこと、こちらも観てみたかったですね。ドラマスペシャル黒の斜面2016年1月24日放送伊藤寿浩〔ドラマ〕黒の斜面

  • 〔映画〕仕掛人・藤枝梅安

    2023年に公開された日本映画です。「藤枝梅安」というキャラクタは今までもテレビや映画で何度も映像化され、萬屋錦之介さん、田宮二郎さん、小林桂樹さん、緒形拳さん、渡辺謙さんと幾人もの役者の方々が演じていますが、本作の梅安は豊川悦司さんです。その主人公の「仕掛人梅安」、誰が演じてもそれなりに恰好がつくのは、キャラクタ設定が骨太なのと、“和製ハードボイルド作品”としての原作の秀逸さによるのでしょう。もちろん原作は池波正太郎さんです。本作の場合は、途中で明らかになる“主人公の人間関係”のサプライズがすべてですが、それを必要以上にドラマティックに扱わないところがこのシリーズらしい見事な仕上げ方だと思います。仕掛人・藤枝梅安河毛俊作〔映画〕仕掛人・藤枝梅安

  • 菊池伝説殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第36作目」です。今回の舞台は“菊池(熊本県)”。「熊本」は、転勤で熊本市内に2年間住んでいて、その地の人にも土地柄にもとても良い印象を抱いていたので、かなり思い入れがあります。八代から天草に向けての海沿いの道や阿蘇・小国・九重の山々を巡る道は休日の家族ドライブのお気に入りコースでした。プライベートでは中学校の修学旅行が北九州一周だったので、そのときが熊本初見参でしたね。水前寺公園での集...菊池伝説殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕ヒットマン エージェント:ジュン

    2020年に公開された韓国映画です。このところ、今ひとつ単純に楽しめる映画に出会えない時には“韓国映画”にトライしてみています。この作品も、大作の気配はまるで感じさせないありきたりの“アクション・コメディ”ですが、そのつもりでみると十分満足できました。設定もオリジナリティがありましたし、登場人物も、これでもかというくらいの暗愚なキャラクタが想定どおりの役回りを演じていて、観る者の期待を裏切りません。そのあたりの想定内の演出がかえって“安心感”や“安定感”を醸し出していて、単純にエンターテインメントとして楽しむことができます。そのベースにはアクションとコメディとのバランスが秀逸だという点がありますし、さらにはアクションシーンは結構本格的だというところも効いていますね。ヒットマン(エージェント:ジュン)[DV...〔映画〕ヒットマンエージェント:ジュン

  • 〔映画〕ハケンアニメ!

    2022年に公開された日本映画です。アニメ制作現場を舞台にした“青春映画”で、原作は辻村深月さんの同名小説なんですね。ということで、この作品は、“ストーリーを観る”作品だったと思います。アニメ制作の舞台裏は興味を惹くところですし、新作アニメ対決という設定もワクワク感を感じさせます。あと秀逸だったのはキャスティング。吉岡里帆さん、尾野真千子さんという主役級はもちろん、前野朋哉さん、徳井優さん、六角精児さんといった脇役陣が活きていましたね。さらに特筆すべきは、中村倫也さんと柄本佑さんのお二人、なかでもキャラがドはまりだった中村倫也さんは“余人をもって代えがたし”でした。本作、興行的には今ひとつだったようですが、観ていて気持ちのいい素晴らしい作品、よかったです。ハケンアニメ![DVD]通常版DVD吉岡里帆TOE...〔映画〕ハケンアニメ!

  • めざせ! ムショラン三ツ星 刑務所栄養士、今日も受刑者とクサくないメシ作ります (黒栁 桂子)

    いつも聴いている堀井美香さんのpodcastの番組に著者の黒栁桂子さんがゲスト出演していて本書の紹介をされていました。その内容がなかなか面白そうだったので、ちょっと気になって手に取ってみた次第です。黒栁さんは、岡崎医療刑務所勤務の管理栄養士(法務技官)で、刑務所の炊場(炊事工場)で調理員である男子受刑者と一緒に日々の給食づくりに携わっています。本書は、podcastでのお話のとおり、刑務所内の炊場で繰り広げられる受刑者たちとの共同作業の中での数々のエピソードをユーモラスな筆致で紹介したものです。数々の興味深い話題の中から、特に私の関心を惹いたくだりをひとつ書き留めておきます。黒栁さんの炊場での経験を通しての偽らざる思いの吐露です。(p135より引用)娑婆にはもっとおいしいものがある。ここを出たらいくらでも...めざせ!ムショラン三ツ星刑務所栄養士、今日も受刑者とクサくないメシ作ります(黒栁桂子)

  • 〔映画〕大奥〈男女逆転〉

    2010年に公開された日本映画です。「大奥」というタイトルのコミックが原作の“時代劇コメディ”作品なのですが、さて、これはどう評したらいいのでしょう。まあ、ともかくコメディですから、奇天烈な設定や無理筋のストーリーをもってしてあれこれ批判じみたことをいうべきではありませんし、また、表すべき“形容詞”も浮かびません。ただ、それらを度外視した“単純エンターテインメント”だとしても、何とも稚拙で中途半端な出来栄えです。強いてどこかに見どころを探すとしたら、芸達者な阿部サダヲさんの存在感ぐらいですね。これは見事でした。大奥<男女逆転>通常版DVD二宮和也松竹〔映画〕大奥〈男女逆転〉

  • 〔映画〕コリーニ事件

    2019年に製作されたドイツ映画です。いわゆる“法廷モノ”ですが、ドイツならではの“戦争犯罪”が重要なモチーフになっています。事案関係者間の特別な関わりも効果的な設定でしたし、ストーリー展開での二段構えのエンディングはなかなか秀逸だったと思います。また、ドイツ映画なので出演した役者さんに馴染みはありませんでしたが、みなさん、抑制された物語のトーンにマッチしたしっかりした演技を見せてくれました。ラストシーンも印象的で、いい作品でしたね。コリーニ事件[DVD]エリアス・ムバレクTCエンタテインメント〔映画〕コリーニ事件

  • 悩みいろいろ―人生に効く物語50 (金子 勝)

    いつも利用している図書館の新書の棚を眺めていて目についた本です。朝日新聞が出している週末別冊版「Be」の「悩みのるつぼ」というコーナーでの連載を書籍化したものとのことですが、著者(回答者)が金子勝さんということで、ちょっと気になって手に取ってみました。金子さんはマルクス経済学や財政学が専門の慶應義塾大学名誉教授です。最近もメディアやSNS上で時事問題等についても積極的に発信されていますが、その金子さんが、どういう問い(相談内容)を選び、それにどう答えているのか大いに気になります。また、回答にあたっては、関係書籍や落語の紹介もなされているとのこと。そのあたりも私の興味を惹きました。で、読み終えての感想ですが、「やはり他の人の相談に回答するのは難しいんだろうな」と改めて痛感したというところですね。相談されたこ...悩みいろいろ―人生に効く物語50(金子勝)

  • 〔映画〕八犬伝

    2024年に公開された日本映画です。「八犬伝」とのタイトルですが、原作は曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」ではなく、山田風太郎さんの「八犬傳」です。曲亭馬琴と葛飾北斎、そして馬琴の家族が織りなす南総里見八犬伝執筆の姿を辿った「実の世界」と八犬士と玉梓怨霊との闘いを描く「虚の世界」とを交錯させて全体のストーリーが進んでいく構成です。ただ、この形式的なスタイルに拘泥し過ぎたようで、かえってひとつの映像作品として観ると冗長で平板な印象を受けました。もう少し言えば、八犬士が登場する「虚の世界」の方は、フィクションなのである程度大雑把な作りでもいいと思いますが、馬琴を描いた「実の世界」の方は、もう少し丁寧に作り込んで欲しかった気がします。役所広司さん、内野聖陽さん、寺島しのぶさん、黒木華さんといった芸達者の方々がもったい...〔映画〕八犬伝

  • 〔映画〕東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命- -決戦-

    2023年に公開された日本映画です。人気コミックの実写映画版です。2021年に第1作目が公開されましたが、第2作目は前後編2部作での登場です。キャスティングは、北村匠海さん、山田裕貴さん、杉野遥亮さん、眞栄田郷敦さん、磯村勇斗さん、村上虹郎さん、そして、間宮祥太朗さんに吉沢亮さんと当代の若手人気俳優のみなさんがズラッと並び、それはそれは壮観ですね。ただ、映像作品としてはどうでしょう。観る人によって大きく好悪や評価は分かれるでしょうね。私の印象は、×××でした。ともかく設定自体が稚拙。アクションシーンも冗長。加えて、細切れのシーンごとにインパクトを残そうとしているのかもしれませんが、伝えようとしているメッセージが表層的なのでどうにもシラケてしまいます。東京リベンジャーズ2血のハロウィン編-運命-東京リベンジ...〔映画〕東京リベンジャーズ2血のハロウィン編-運命--決戦-

  • 口の立つやつが勝つってことでいいのか (頭木 弘樹))

    いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の頭木弘樹さんがゲスト出演した際に紹介された本です。頭木さんの著作は以前にも「NHKラジオ深夜便絶望名言」「NHKラジオ深夜便絶望名言2」を読んだことがありますが、とても大切な視点からご自身の考え方をしっかりと開陳する姿勢が印象的でした。本書は、その頭木さんの初エッセイ集とのことで手に取ってみました。期待どおり数々の興味深い指摘やエピソードの紹介がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、巻頭の「言葉にできない思いがありますか?」とタイトルされた小文から。(p16より引用)もやもやした思いを、言語化するのは難しい。不可能な場合もある。それなのに、話し合いで解決しようとすると、言語化できることだけで...口の立つやつが勝つってことでいいのか(頭木弘樹))

  • 〔映画〕パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女

    2022年に製作された韓国映画です。“トランスポーター(運び屋)”をモチーフにしたアクション作品ですが、主人公が女性ドライバーというのが目新しいところでしょうか。設定やストーリー展開は月並みというか少々貧相ですが、アクションシーンは予想以上にリアリティがあって、ラスト近くの映像になると正直ちょっとヘビーでしたね。エンターテインメントとしては、“韓国映画”のクォリティを十分キープしているレベルだと思います。あと、キャスティング面では、主人公を演じたパク・ソダムさんが出色でしたね。インパクト十分でした。パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女[DVD]パク・ソダムTCエンタテインメント〔映画〕パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女

  • 〔映画〕ボーダーランズ

    2024年に製作されたアメリカ映画です。コメディテイストの“SFアドベンチャー”作品ですが、主演はケイト・ブランシェット。彼女としては珍しい役どころですね。そもそもビデオゲームシリーズの映画化ということで、ストーリー展開や登場キャラクタもそれっぽい感じです。正直、観終わっても「まあこんなものか」といった印象でした。その点では、制作に関わった方々には失礼ではありますが、ケイト・ブランシェットやジェイミー・リー・カーティスの“無駄遣い”と言っては言い過ぎでしょうか。ボーダーランズイーライ・ロス〔映画〕ボーダーランズ

  • 琥珀の道(アンパーロード)殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第35作目」です。今回の舞台は“岩手”。「岩手」には以前勤めていた会社の地方拠点があったので、年に2回程度は出張に行っていました。行先は盛岡で、訪問先のビルの窓から岩手山の雄姿を正面に見ることができました。プライベートでも、学生時代に平泉中尊寺や三陸海岸の浄土ヶ浜を訪れたことがあります。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品は、シリーズの中で時折見...琥珀の道(アンパーロード)殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕ウィ、シェフ!

    2022年に製作されたフランス映画です。フランスらしい軽いタッチのコメディですが、“移民問題”をモチーフにしている点はとても意欲的なチャレンジですし、結果的にもエンターテインメントとしての映像作品の中にうまく溶け込ませていますね。こういうちょっとスパイスを利かせたようなアレンジは、ハリウッド映画では難しそうです。キャスティング面では、主役のオドレイ・ラミーはもちろんのこと、脇役のシャルタル・ヌーヴィルの天然キャラがとてもよく効いていました。あとは移民の少年役の面々、みなさんオーディションで選ばれたとのことですが、彼らなくしてはこの作品は成功し得なかったでしょう。見事でした。ウィ、シェフ![DVD]オドレイ・ラミーニューセレクト〔映画〕ウィ、シェフ!

  • 〔ドラマ〕(秘) 必殺現代版 主水の子孫が京都に現われた 仕事人vs暴走族

    1982年に放送された日本の長編ドラマです。必殺シリーズの仕事人の子孫が現代に登場するスペシャル版でストーリー自体は淡白ですが、数ある仕事人の中から選ばれたメンバーがいいですね。藤田まことさんを筆頭に中条きよしさん、三田村邦彦さん、鮎川いずみさんという厳選されたキャスティングは大正解です。みなさんの姿をみると、今から40年以上前の作品だとは到底思えません。中でも、鮎川さんの現代劇ならではの凛々しい姿は、颯爽としていてとても魅力的でした。(秘)必殺現代版主水の子孫が京都に現われた仕事人VS暴走族[DVD]藤田まことキングレコード〔ドラマ〕(秘)必殺現代版主水の子孫が京都に現われた仕事人vs暴走族

  • 北の狩人 (大沢 在昌)

    このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目の本書を読んでみたということです。やはりこの作品も、主人公をはじめ彼を取り巻く登場人物のキャラクタ設定が絶妙ですね。それぞれにエッジが効いていて絵になる面々でした。ストーリー展開の幅も、荒唐無稽とまではいかない程よい広がりをキープしています。このあたりの塩梅もいい感じです。ミステリーテイストのサスペンス小説ですからネタバレになるとまず...北の狩人(大沢在昌)

  • 〔ドラマ〕必殺シリーズ10周年記念スペシャル 仕事人大集合

    1982年に放送された日本のドラマです。必殺シリーズ開始10周年を記念しての長時間スペシャル版ですが、ストーリーはともかく出演者のラインナップが懐かしくてそれだけで満足できます。藤田まことさん、三田村邦彦さん、中条きよしさん、山田五十鈴さん、鮎川いずみさんといったお馴染み、緒形拳さん、沖雅也さん、フランキー堺さん、西郷輝彦さん・・・。これだけ一堂に揃うのはまずあり得ないですね。あと、挿入歌で久々に聞いた西崎みどりさんの“旅愁”。これもお宝ものだと思います。仕事人大集合[DVD]藤田まことキングレコード〔ドラマ〕必殺シリーズ10周年記念スペシャル仕事人大集合

  • 〔映画〕眠りの地

    2023年に製作されたアメリカ映画です。アメリカ映画がとりわけ得意にしている“実話にもとづく法廷モノ”ですから、大きな外れはありません。本作品、「判官びいき」という日本人的?メンタリティの面からも、裁判のプロセスのワクワク感や判決での勝ち負けの爽快感は十分に味わえました。あと、楽しめた要素として大きなウェイトを占めたのがキャスティングの秀逸さでした。大御所たるトミー・リー・ジョーンズ、ジェイミー・フォックスの役作りは流石の見事さでしたし、そんな超ベテランの中で存在感を示したジャーニー・スモレット=ベルとママドゥ・アティエもよかったですね。みなさん、はまり役だったと思います。眠りの地マギー・ベッツ〔映画〕眠りの地

  • 食べてはいけない10大食品添加物 (渡辺 雄二)

    いつも行っている図書館の新着書の棚で目に止まった本です。ともかくタイトルが直截的でインパクト十分ですね。もちろん、どこまで事実なのか、科学ジャーナリスト渡辺雄二さんの取材内容をすべて疑うことなくして信じるというのも正しい姿勢ではないと思いますが、まずは、今後の検証を要するという前提で、気になったところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、“添加物の定義”です。(p152より引用)「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」(食品衛生法第4条)すなわち、(p152より引用)添加物は、食品ではありません。食品は、炭水化物やたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を含んでいて、私たちの体を育むものです。一方、添加物は食品を製造し...食べてはいけない10大食品添加物(渡辺雄二)

  • 食べてはいけない10大食品添加物 (渡辺 雄二)

    いつも行っている図書館の新着書の棚で目に止まった本です。ともかくタイトルが直截的でインパクト十分ですね。もちろん、どこまで事実なのか、科学ジャーナリスト渡辺雄二さんの取材内容をすべて疑うことなくして信じるというのも正しい姿勢ではないと思いますが、まずは、今後の検証を要するという前提で、気になったところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、“添加物の定義”です。(p152より引用)「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」(食品衛生法第4条)すなわち、(p152より引用)添加物は、食品ではありません。食品は、炭水化物やたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を含んでいて、私たちの体を育むものです。一方、添加物は食品を製造し...食べてはいけない10大食品添加物(渡辺雄二)

  • 〔映画〕秒速5センチメートル

    2007年に公開された日本映画です。新海誠さんの原作、脚本、監督というアニメ作品で、この映画の後に、小説版、コミック版が世に出たようです。ストーリーは“青春もの”ですが、いつ頃観るのがいいでしょうね。もちろん今の私の歳ではなんとも不相応ですが、学生時代や社会人になりたてぐらいだと“同時代”過ぎて“切なさ感”は今ひとつのように思います。30代半ばから40代がふさわしいかも・・・。映像的には、今の新海作品の作画のレベルからみるとかなり発展途上に思えますが、登場人物の絡み方やストーリーの進め方は秀逸で心地いいですね。流石です。秒速5センチメートル新海誠〔映画〕秒速5センチメートル

  • 〔映画〕マイ・スパイ2

    2024年に製作されたアメリカ映画です。ちょっと前に第1作目を観たのですが、その続編です。前作と同じく、アクション要素も軽く加味されたホームコメディですね。ストーリーはありません。そもそもストーリー展開を楽しむタイプの作品ではないので。まあ、第2作目にしてはそれなりに楽しめたほうでしょう。デイヴ・バウティスタとクロエ・コールマンとのコンビは、前作よりさらにグレードアップしたようで、とくにデイヴのコメディタッチの演技はより自然になりました。ただ、クロエ・コールマンも“子ども役”が難しくなってくるでしょうから、シリーズ化もこのあたりまででしょうね。よく善戦した作品だと思います。マイ・スパイ2永遠の都へ行くピーター・シーガル〔映画〕マイ・スパイ2

  • 日蓮伝説殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第34作目」です。今回の舞台は“山梨”。「山梨」には、最近、今の会社の出張で太陽光発電設備の視察に行ってきました。プライベートでは、河口湖や山中湖といった富士五湖あたりには家族ドライブで何度も訪れています。山中湖のほとりの「森のアルム」という可愛らしいカフェがお気に入りだったのですが、もう長い間顔を出していないですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、...日蓮伝説殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕アウト・オブ・デス

    2021年に公開されたアメリカ映画です。観る前から結果はわかっているのに、今回もつい観てしまいました。ブルース・ウィリス主演の“アクション”作品(乱造版?)です。しかし、どういう狙いでこういったシナリオが採用されるのでしょうか?全く理解不能ですね。どこか一ヵ所でも観る価値があったというシーンがあればまだ諦めがつくのですが、これでは何とも救いのひと欠片もありません。ちょっと前なら、無意味な銃撃シーンぐらいはあって、少しは観客を楽しませようと意識しているところもあったのですが、それすら無くなっては、あとは、奇特なファンが「ブルース・ウィリス」を観るだけになってしまいましたね。アウト・オブ・デス[DVD]ジェイミー・キング,ブルース・ウィリスハピネットファントム・スタジオ〔映画〕アウト・オブ・デス

  • 〔映画〕ザ・クリエイター/創造者

    2023年に公開されたアメリカ映画です。AIと人間との闘いを描いたSF作品ですが、AIの形状が“完全なヒト型”のロボット形態なので“単なる近未来戦闘映画”にしか見えません。そのうえ、相手がAIであることに特段のメッセージ性があるわけでもなく、「ザ・クリエイター/創造者」というタイトルの意味も定かではありません。正直、まったく期待外れの作品でした。残念です。ザ・クリエイター/創造者ブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]ブルーレイ+DVDギャレス・エドワーズHappinet〔映画〕ザ・クリエイター/創造者

  • 東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」) (佐藤 直樹)

    いつも利用している図書館の新着本リストで「東京藝大で教わる西洋美術の謎とき」というタイトルの本が目についたのですが、調べてみるとその本の前に同じ著者佐藤直樹さんが1冊上梓していました。私は“美術”関係はまったくの素人なので、どうせなら“はじめの一歩”の本からトライしてみようと手に取ってみたのが本書です。入門書的な本だといっても「はじめに」によると、佐藤さん(准教授)が東京藝術大学で講義している「美術史概説」の授業をまとめたものとのこと。本書の冒頭、佐藤さんは“美術鑑賞への第一歩”としてその道筋をこう示しています。(p2より引用)時代順に作品を並べていく通史的な見方をとらない本書は、私の興味に「偏った」作品選択がなされています。バランスよく作品を知るより、個々の作品に対する具体的なアプローチを学んだほうが、...東京藝大で教わる西洋美術の見かた(基礎から身につく「大人の教養」)(佐藤直樹)

  • 〔映画〕怪物

    2023年に公開された日本映画です。是枝裕和監督の作品で、主演は安藤サクラさん。国際的にも評価も高い話題作のようですが、正直、私にはそれほど響きませんでした。物語を複数の登場人物それぞれの視点でみせることにより真の姿や裏にある背景を描く構成は、別にオリジナリティのあるものではありませんし、ラストに至ってもこの作品が表現したいメッセージは受け取れませんでした。そのあたり、私の鑑賞眼の拙さによるところも大きいので、本作の評価を否定するものではありませんが、どうもこういったテイストの作品は私には合わないようですね。「怪物」[DVD]DVD通常版是枝裕和東宝〔映画〕怪物

  • 〔映画〕オッペンハイマー

    2023年に公開されたアメリカ映画です。「原爆の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記映画で、批評家からの評価も高く、第96回アカデミー賞では7部門で受賞しました。現代風の“大作”ですが、モチーフがセンシティブなものでもあり、私の感想は、モチーフによるハロー効果を捨象すると“まあ可もなく不可もなし”といったものでした。特に、原爆実験や広島への原爆投下の喝采を描いたシーンは、正直、気持ちが騒めきましたし、終戦後、オッペンハイマーとの会談でみせたトルーマン大統領の思想や態度はショッキングでした。ただ、このあたり、立場の違いで表現や感じるところが異なるというのは、日本が制作した作品でも見られるように、戦争を扱った映画に共通するものでしょう。オッペンハイマーブルーレイ+DVD(...〔映画〕オッペンハイマー

  • おもかげ (浅田 次郎)

    いつも行っている図書館の返却本の棚で目に止まった本です。毎日新聞で連載された小説が単行本化されたものとのことですが、浅田次郎さんの作品を(映画化されたものではなく)「本」として読むのは久しぶりですね。「帰郷」以来だと思います。表紙の帯をみると、物語の主人公は「定年退職したサラリーマン」。まさに私もその時期を目前にしているということもあり手に取ってみました。とはいえ、舞台となった時代も含め、私は主人公そのままのような境遇でありませんから、展開されるエピソードや通底する心情に重なるところがそれほどあったわけではありませんが、あれこれと自らの思いと対比しながら読み進めると、やはりところどころ心に刺さるシーンはありましたね。さて、読み終えての印象です。小説なのでネタバレにならないよう簡単に感想だけ書き留めておきま...おもかげ(浅田次郎)

  • 〔映画〕マイ・スパイ

    2020年に製作されたアメリカ映画です。アクション・コメディに分類されるようてすが、スリリングなシーンはほとんどありません。ホームコメディと言ってもいいほどです。マッチョ系アクションスターのデイヴ・バウティスタが演じた主人公と二人のパートナー(クロエ・コールマンとクリステン・シャール)のキャラクター設定が秀逸だったので、程よい爽やかさを感じさせる作品に仕上がっています。主役の見た目がドウェイン・ジョンソン的タイプですが、ドウェインだと結構コメディにも出演しているので、デイヴほど“ギャップ”の面白みはなかったかもしれません。ミッション・インポッシブルのパロディも楽しめました。こういう軽いノリもいいですね。続編もあるようなので、そちらにもトライしてみようと思います。マイ・スパイ[DVD]デイヴ・バウティスタT...〔映画〕マイ・スパイ

  • 〔ドラマ〕横溝正史シリーズI・悪魔が来りて笛を吹く

    1977年に放映された5回連続ドラマです。横溝正史さんの作品の探偵といえば「金田一耕助」、その耕助を演じた役者さんといえば、私の世代では、まず「石坂浩二」さんを思い浮かべますが、テレビ版ではこの作品の「古谷一行」さんですね。物語自体は、横溝作品でよく使われる「血族関係」がモチーフの月並みなもので、いきおい映像化にあたっての見せ場は、そのオドロオドロしい雰囲気をどうエンターテインメントとして魅せるかというところになります。その点では、登場人物のキャラクタに応じたキャスティングが重要なのですが、さてどうだったでしょう。もう50年近く前ですが、なかなかのラインナップでしたね。私としては、中山麻里さん、児島美ゆきさんあたりに時代を感じました。悪魔が来りて笛を吹く【リマスター版】[DVD]古谷一行キングレコード〔ドラマ〕横溝正史シリーズI・悪魔が来りて笛を吹く

  • 昭和歌謡史 -古賀政男、東海林太郎から、美空ひばり、中森明菜まで (刑部 芳則)

    いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、何の工夫もないベタなタイトルですが、ちょっと気になって手に取った本です。歳をとるにつれて、自分の好みの音楽の原点は“歌謡曲”なんだと感じることが増えましたね。もちろん、昭和歌謡が生まれた当時は私の祖父母の時代ですが、私が幼いころは昭和真っただ中、テレビの“歌番組”の最盛期でしたから、本書で語られている時代感はよくわかります。その中から、特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「第一章昭和歌謡の夜明け―昭和三年~一三年(一九二八~三八)」、歌謡曲黎明期の代表的作詞家西條八十の気概を紹介したくだりです。芸術性を追及する詩を書いていた西條は関東大震災時の避難所で大衆に支持された歌の力に感じ入ります。芸術路線から大衆路線に舵を切った西...昭和歌謡史-古賀政男、東海林太郎から、美空ひばり、中森明菜まで(刑部芳則)

  • 〔映画〕アルマゲドン2024

    2023年に公開されたアメリカ映画です。観る前から想像していたとおりの“スーパーB級”作品ですね。ストーリーラインはともかく、台詞も演技も、鑑賞を前提に制作された映像作品とは到底思えないレベルの酷い出来栄えでした。もちろんSFですから非現実的な設定があるのは当然ですが、それでも、ここまで粗雑なつくりなのは珍しいですね。同じモチーフの“1998年版アルマゲドン”とは天と地ほどの差があります。アルマゲドン2024[DVD]パトリック・ラビョルトーニューセレクト〔映画〕アルマゲドン2024

  • 〔映画〕ミステリと言う勿れ

    2023年に公開された日本映画です。人気コミックが原作で、TVドラマとしてもヒットしたようですね。ストーリーはなるほどミステリーテイストではありますが、展開に緊迫感はなく軽めのエンターテインメント作品といった感じです。先に放映されたTVドラマを見ていれば、何人かの登場人物やいくつかのシーンは思い当たるところがあるのでしょうが、私の場合はTV版は観たことがないのでそのあたりは気づきようもありません。ただ、そういった予備知識がなくても全く問題なく楽しめます。主人公のキャラクタ設定は悪くないので、数作のシリーズものにしてもある程度はいけそうですね。映画『ミステリと言う勿れ』DVD通常版[DVD]DVD菅田将暉ポニーキャニオン〔映画〕ミステリと言う勿れ

  • 讃岐路殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第33作目」です。今回の舞台は“高松(香川)”。勤務していた会社の四国での主要拠点は松山(愛媛)だったので、「高松」には出張では行ったことがありません。プライベートでは、私の出身が瀬戸内海を挟んで対岸の県だったこともあり、幼いころに祖父母と訪れた記憶があります。行先はお決まりの屋島と栗林公園だったと記憶しています。当時は、岡山の宇野から高松まで連絡船で1時間程度でしたね。いまから50年以...讃岐路殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕PERFECT DAYS

    2023年に公開された日本・ドイツの合作映画です。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたり、第96回アカデミー賞では日本代表作品として国際長編映画賞にノミネートされたりと国際的な舞台でも高く評価された作品とのこと。抑揚のないとても単調なストーリーラインでありながら、どこか心に残る余韻を感じさせるのは、まさに“映画”という表現形式でないと成り立たない作品です。独特の世界観で、ともかく、物語の緩やかな進み具合とは裏腹に、頭をフル回転させて作品が発する何かを捕まえようとついつい急かされてしまいました。あと、あがた森魚さんのギターで「朝日のあたる家」を歌う石川さゆりさん、こんなママがいる小料理屋はありえないですね・・・。PERFECTDAYS通常版【2枚組】[DVD]役所広司TCエンタテインメン〔映画〕PERFECTDAYS

  • 〔映画〕クリーン ある殺し屋の献身

    2021年に公開されたアメリカ映画です。“アクション・スリラー”というジャンルの作品のようですが、“アクション”というのは暴力的シーンがあるからでしょうか。躍動感は全く感じられない、暗く沈み込んだ雰囲気ですね。ストーリーに面白みがあるのではなく、主人公のキャラクタをひたすら辿ったような展開です。とはいえ、主人公も“地味”で華があるわけではありません。強いて印象に残ったものといえば“音楽”ですかね、つなぎのシーンでのBGMははまっていました。クリーンある殺し屋の献身[DVD]エイドリアン・ブロディニューセレクト〔映画〕クリーンある殺し屋の献身

  • 今すぐ使えるかんたん いちばんやさしい ChatGPT 超入門 (リンクアップ)

    いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。今頃感はありますが、“「ChatGPT」の超素人用HowTo本”のようなのでザっと眺めておこうと手に取ったものです。私の現時点での“ChatGPT”の利用法は、検索ワードをいれて参考になりそうなサイトを探すかわりに、Geminiと併用しながら、知りたい内容を自然文で尋ねるといった程度です。本書では、その程度の使い方から「第3章ChatGPTを使って仕事や創作の作業を効率化しよう」「第4章ChatGPTを使って成果物や生活の質を向上させよう」といった章立てで、無料版で対応できるもう少し進んだ使い方を紹介してくれています。ともかく、実際に入力する「プロンプト」と、それにより出力される「回答」が具体的に示されているので、まずはすぐChatGPTを使ってみる...今すぐ使えるかんたんいちばんやさしいChatGPT超入門(リンクアップ)

  • 〔映画〕ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

    1997年に公開されたアメリカ映画です。スティーヴン・スピルバーグが強烈なインパクトを残した秀作「ジュラシック・パーク」の続編です。もう何度も観ていますが、久しぶりにまた手を伸ばしてしまいました。ストーリー自体、特筆すべきところはありませんが、30年近く前にSFXで作られた映像としては、今観直しても見事な出来栄えだと思います。凝り過ぎもしない、程よいリアリティを産み出しているのがいいですね。大ヒット作の“二番煎じ”であっても、十分及第点を獲得しています。ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク[DVD]ジェフ・ゴールドブラムジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

  • 〔映画〕アナログ

    2023年に公開された日本映画です。ストーリーラインも登場人物の組み合わせも、ともかくぎらついた設定も織り込まれいない典型的な“純愛物語”です。心穏やかに数々のエピソードが進んでいき、適度なサプライズから程よいHappyEndのラストに至ります。ただ、それでもこの作品は、圧倒的な意外性を発揮しているのです。原作の小説の作者が「ビートたけし」さんなんですね。これには本当にびっくりしました。キャスティング面で特筆すべきは、やはりヒロインの波瑠さんでしょう。彼女が醸し出す独特の軽やかで透明な空気感は他の役者さんからはなかなか感じることはできませんね。アナログ豪華版[DVD]特典なしビートたけし東宝〔映画〕アナログ

  • 男のおばあさん ~楽しく年をとる方法~ (永 六輔)

    いつも利用している図書館の書架を眺めていて目につきました。永六輔さんのエッセイは、今までも「伝言」「芸人」等を読んでいますが、ほのぼのとしたユーモアと鋭いウィットとがとても楽しいですね。本書は、TBSのラジオ番組「永六輔の誰かとどこかで」での話題をもとに書籍化したものとのこと。お年を召してもなおてんこ盛りの“永さん節”の中から、特に私の心に響いたところを覚えとして書き留めておきます。まずは、永さんがラジオとの関わりを語っているくだり。本書で転載された「永六輔の誰かとどこかで」という番組は46年も続いた長寿番組です。永さん自身、ラジオ番組との付き合いはなんと65年にもなるそうです。(p135より引用)毎日やっているっていうことは、怪我をしても、入院しても、何してもやっている。・・・そのくらい、ラジオに毎日関...男のおばあさん~楽しく年をとる方法~(永六輔)

  • 〔映画〕すずめの戸締まり

    2022年に公開された日本のアニメ映画です。原作・脚本・監督は新海誠さん。光の表現が卓越した綺麗な映像は出色の出来栄えです。深津絵里さん、染谷将太さん、伊藤沙莉さん、神木隆之介さん、松本白鸚さん・・と、声の出演者の方々の豪華さにも驚かされます。タイトルからはどんな物語なのか全く想像できませんが、アニメーションならではの“ハートウォーミング・ファンタジー”とでもいうのでしょうか。いまだに何かと「3.11」を背景にもってくるのはどうかと思いますが、“扉”の発するメッセージを伝えるにはこの上ないモチーフではありますね。『すずめの戸締まり』DVDスタンダード・エディション[DVD]特典なし新海誠東宝〔映画〕すずめの戸締まり

  • 〔映画〕黒いチューリップ

    1964年に公開されたフランスのフランス、イタリア、スペインの合作映画です。純粋なアクション作品というよりは、フレンチテイストのコメディですね。アラン・ドロンの一人二役が見ものだったのでしょうが、こうやって比べてみると、正直なところやはりドロンは“クールな二枚目”の方が似合っているようですね。彼にとっては比較的初期の作品ということもあって、あれこれ多彩な役柄にチャレンジしていたころなのかもしれませんが、コミカルなスタイルは、いかにも“お調子者”っぽくて頼りなげに映ります。黒いチューリップHDマスター版[DVD]アレクサンドル・デュマ映像文化社〔映画〕黒いチューリップ

  • 横浜殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第31作目」です。今回の舞台は“横浜”。「横浜」は、プライベートでは何度も訪れていますが、最初の社宅が南区にあって数年住んでいましたし、その後も中華街そばのビルでの勤務経験もあるので、私にとっては殊更馴染みのある土地柄です。まさに“横浜”ならではとしか言い様のない唯一無二の風情が感じられる街なんですね。さて、そういった異国情緒溢れる横浜にまつわるエピソードを盛り込んだこの作品、ネタバレに...横浜殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕ブロンクス物語/愛につつまれた街

    1993年に公開されたアメリカ映画です。アメリカでまだ人種差別が常態だったころのマフィアの世界が舞台ですが、内容は“青春映画”ですね。シンプルでしっかりとしたストーリーラインに丁寧な演出が施された佳作だと思います。織り込まれた各々のエピソードがとても効果的でした。キャスティング面でも、主役格のロバート・デ・ニーロとソニー-チャズ・パルミンテリを二本柱は言うに及ばず、好漢リロ・ブランカート・ジュニアが新鮮な演技で印象的でした。そのチャズ・パルミンテリが原作、ロバート・デ・ニーロが監督というのもすごいですね。ブロンクス物語HDマスター版[DVD]ロバート・デ・ニーロオルスタックソフト販売〔映画〕ブロンクス物語/愛につつまれた街

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、OMOI-KOMI - 我流の作法 -さんをフォローしませんか?

ハンドル名
OMOI-KOMI - 我流の作法 -さん
ブログタイトル
OMOI-KOMI - 我流の作法 -
フォロー
OMOI-KOMI - 我流の作法 -

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用