2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。五木寛之さんのエッセイを見つけると、いまだについ手が伸びてしまいます。「地図のない旅」というタイトルの本ははるか昔読んだ記憶があるのですが、長い年月を経ての“新”版です。先日来読んだ「Ⅰ」「Ⅱ」に続いて、本書「Ⅲ」が“完結編”となるようですが、内容は特段“完結”を意識したものではなく、前作、前々作と同様に五木さんの普段と変わらぬ筆致で綴られたエッセイそのものです。ということで、今までどおり、私の関心を惹いたところをひとつ覚えとして書き留めておきます。「虚像と実像のあいだに」との小文の中で心を止めたくだりです。モハメド・アリとのインタビューの際のエピソードは、五木さんの他のエッセイでも紹介されていますが、本書ではこんな内容でした。(p...新・地図のない旅III(五木寛之)
1995年に公開されたアメリカ映画です。スティーヴン・セガールが制作・主演の“アクション作品”ですが、私は、いままでもほとんどスティーヴン・セガールの出演作を観ていません。何となく“あか抜けない”んですね。本作を観て改めて感じたのですが、他の人気シリーズでは、主人公を中心に“いつものチーム”が活躍したり、主人公以上に話題を振りまく“パートナー”が登場したりと楽しみの幅が広いのに対し、このシリーズの場合は、ともかく“セガールが唯一のスーパーヒーロー”というスタンスに尽きるので、好き嫌いがはっきりしてしまうように思います。作品自体も、ストーリーは平凡ですし、映像は、ところどころに迫力のあるシーンもあるのですが、これといった目新しさがありません。まあ、そうは言ってもせっかくですから、もう1作ぐらいトライしてみま...〔映画〕暴走特急
2015年に公開されたアメリカ映画です。強いていえば“アクション・コメディ”というのでしょうが、まあよくわからない映画でしたね。設定もストーリーも・・・。感想も言いようがありません。まあ、目についたものを手当たり次第観ていれば、こういった作品にもぶつかりますね。バッド・バディ!私とカレの暗殺デートスペシャル・プライス[Blu-ray]アナ・ケンドリックHappinet〔映画〕バッド・バディ!私と彼の暗殺デート
2016年に公開されたアメリカ映画です。1960年の映画「荒野の七人」のリメイクとのことですが、今作り直すとこんな感じになるんですかね。さすがに1954年の「七人の侍」の時代ではないのですが、「荒野の七人」はリアルタイムではないにせよはるか昔に観たことがあって、とても印象深かっただけに、このリメイク版は正直言ってかなりがっかりです。「荒野の七人」では、ユル・ブリンナーの人集めの過程がひとつの面白みであり、集まったガンマンも、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ロバート・ヴォーン、ジェームズ・コバーンといった個性的な超大物でしたが、本作ではそのあたりも大きく見劣りしてしまいます。ストーリー展開も、住人たちとの関わりに深みがなく、観ていても心情的な思い入れには至りませんでした。マグニフィセント・...〔映画〕マグニフィセント・セブン
1986年に公開されたアメリカ映画です。「スタートレック」シリーズは新旧合わせてかなり見ていますが、この作品は抜けていました。しかしこの作品、シリーズの中でもかなり変わったテイストですね。舞台の大半は”宇宙“ではなく“20世紀のサンフランシスコ”ですし、“クジラ”がキーアイテムになった設定は唐突感max。正直な印象では理解不能なのですが、いつものエンタープライズ号のメンバーによる“SFコメディ”だと思えばそれはそれで楽しめます。スター・トレックⅣ故郷への長い道/リマスター版スペシャル・エディション[DVD]ウィリアム・シャトナーパラマウントホームエンタテインメントジャパン〔映画〕スタートレックIV故郷への長い道
2008年に公開されたアメリカ映画です。こういった時の政権を揺るがすような“暴露報道”をモチーフにしたサスペンスタッチの作品はよくあるタイプですね。本作品も実際にあった事件に着想を得たものとのことですが、描かれた物語は、モデルのケースとはかなり異なる内容になっています。正直なところ、中盤のストーリー展開が冗長なのと、結末がぼやけてしまったので、作品の出来栄えは今一つといった印象でした。ジャーナリストとしての職業倫理と国家安全保障上の危機管理との法的な優劣が、合衆国法においてどう規定されているのか不勉強なのですが、もしこの映画のとおりであるなら、結局のところこういったラストの持って行き方はうまく進めた方なのでしょうね。ザ・クリミナル合衆国の陰謀[DVD]ケイト・ベッキンセールHappinet(SB)(D)〔映画〕ザ・クリミナル合衆国の陰謀
いつも利用している図書館の新着本リストで、タイトルに惹かれて手に取ってみました。1984年に出版された「古代エジプト動物記」を改題したものとのことでちょっと古い本ですが、変わった切り口なので気になったものです。読み通しての感想ですが、私が勝手に思い描いていた内容とはかなりズレていました。もう少し対象の“動物”にフォーカスして、その生態や当時の人々との関わり方をもっと立体的に解説しているのかと思っていたのですが、実際は、王家や宗教等を柱にエジプト王朝の中でのそれぞれの動物の位置づけを多くの“ピラミッド・テキスト”からの引用を示しながら顕かにしようと試みた著作でした。もちろん、それでも数々の興味深いトピックは紹介されていました。それらの中から特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきましょう。対象は“馬...古代エジプト動物誌(酒井傳六)
2022年に公開された日本映画です。落ち着いたトーンというか“地味”な作品ですが、扱っているモチーフ自体繊細なものなので、むべなるかなではあります。物語の構成も素直で訥々と進んでいくのですが、それだけに役者の方々の技量に加え、もっている人柄がそのままに伝わってくるように感じました。いい映画だと思います。森の中のレストラン[DVD]通常版船ヶ山哲オデッサ・エンタテインメント〔映画〕森の中のレストラン
2019年に公開された日本映画です。中島美嘉さんの代表曲である「雪の華」をモチーフにしたラブストーリーですが、まあ、予想どおり、これでもかという我田引水的設定のコテコテの作りですね。ただ、これはこれで正解だったように思います。いたずらに感動や涙を煽るような過度な演出もなく、素直に予定調和のエンディングにもっていったところなどは、中途半端かもしれませんが、私は嫌いではありません。中条あやみさんの台詞や演技もこういったテイストにはマッチしていましたね。あと、弦楽器で奏でるメロディをメインにした葉加瀬太郎さんの音楽。こちらもとても自然で効果的でした。雪の華[DVD]登坂広臣ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕雪の華
1999年に公開された韓国映画です。アクション映画としての評価が高く、その後の“韓流ブーム”の嚆矢となった作品とのことだったので、興味を持って観てみました。しかしながら、私には全く響きませんでした。現実感が感じられない設定と、ディーテイルを無視した雑な演出はありえないレベルだと思います。あれだけの銃撃戦を繰り広げておきながら一発の弾も当たらないとか、潜伏場所の周りを包囲しないで突入作戦を実行するとか・・・。アクション映画なら最低限のリアリティに拘るべきですし、ラブストーリーを求めるのならこういった設定を選択すべきではないでしょう。シュリ[DVD]キム・ユンジンカルチュア・パブリッシャーズ〔映画〕シュリ
2019年に公開されたオーストラリア映画です。実話にもとづく作品とのことですが、こういった過度な修飾を施さないストレートな物語は観ていてとても気持ちがいいですね。もちろんモチーフがシンプルなので、そもそも変な小細工は不要だったでしょう。キャスティング面では、父親役にはサム・ニールというビッグネームが据えられて、要としての安定感をもたらしていることに加え、そのほかの出演者はそれぞれに新鮮味があって好感が持てました。ライド・ライク・ア・ガール[DVD]テリーサ・パーマーHappinet〔映画〕ライド・ライク・ア・ガール
2001年に公開されたイギリス・アメリカ合作映画です。このところ気楽に楽しめる映画にあたっていないので、無難な作品を選んでみました。一世を風靡した「ハリー・ポッター」シリーズの第1作目ですが、独特のファンタジックな世界観が見事にあたりましたね。キャスティング面でも、ハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフ、ロン・ウィーズリー役のルパート・グリント、ハーマイオニー・グレンジャー役のエマ・ワトソンというコンビが、それぞれに個性的だったことに加え、シリーズ中不変だったのも、好印象を持続するのに大きな力になったようです。ハリー・ポッターと賢者の石[DVD]ダニエル・ラドクリフワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ハリー・ポッターと賢者の石
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に大沢在昌さんがゲスト出演していて最新作を紹介していました。大沢さんの代表的な作品である“新宿鮫シリーズ”はほとんど読んでいるのですが、この“魔女シリーズ”は初めてでした。お話を聞いていてその主人公の設定にちょっと興味を持ったので、先日まずは第1作目、続けて第2作目も読んでみました。ここまでくると、ものはついでで、第3作目にも手を伸ばしました。小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、今までの大沢さんの作品とはかなり異質な設定でしたね。SFというかオカルトチックで“思い切ったなぁ”というのが率直な印象でした。特異なキャラを登場させたこともありラストの納め方が気になりましたが、読みながら想像したものよりも“手前”で止めたようです。大沢さんにし...魔女の封印(大沢在昌)
2011年に公開されたアメリカ映画です。ニコラス・ケイジとニコール・キッドマンが出演するサイコ・スリラー作品ということだったので、だいたいの感じは想像できましたし、まさに、その通りといった出来栄えです。ともかく、設定やストーリーが大雑把で、何か新しい工夫で楽しませようという意欲のようなものが全く感じられません。安直に、ビッグスターを二人並べておけばいいと割り切っているのでしょうか。ブレイクアウト[Blu-ray]ニコラス・ケイジソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ブレイクアウト
2010年に公開されたアメリカ映画です。こういった設定だと、サプライズで終わるのが“お決まり”ですね。その前提で、伏線の配置や二転三転するエピソードの織り込み方が気になるところですが、それらを押さえる注意力よりも、芸達者な出演者の演ずる映像に素直に引きずられたという感覚です。レオナルド・ディカプリオをはじめとして、マーク・ラファロもベン・キングスレーも、それぞれ流石に見事な演技でした。できればもう一度観て、“謎解き”に挑戦したい気持ちもありますが、今はそこまでのエネルギーが湧いてきません。シャッターアイランド[DVD]レオナルド・ディカプリオパラマウントホームエンタテインメントジャパン〔映画〕シャッターアイランド
2024年に公開された日本映画です。同名の小説が原作で、今までに数えきれないほど取り上げられた“忠臣蔵”をモチーフにしたコメディ作品です。原作の設定の奇抜さも秀逸ですが、やはりこの作品は主演の「ムロツヨシ」さんあっての面白さですね。併せて、相手役の大石内蔵助らしくない永山瑛太さんもよかったです。作り手サイドの凝ったつもりの演出やギャグでみせようとする作品よりも、素直な展開のストーリーと主役の持ち味のキャラクタを活かした作りはとても魅力的だと思います。身代わり忠臣蔵通常版[DVD]ムロツヨシTCエンタテインメント〔映画〕身代わり忠臣蔵
2022年に公開されたイギリス映画です。“アクション・ホラー”というジャンルがあるようですが、確かにその通り。ただ、内容は、ストーリーも登場するキャラクタも“意味不明”“悪趣味”としか言いようがありません。こういったテイストが好きなファンも一定数いるのでしょうから、要は、自分に合わないのなら、とやかく文句をいうのではなく観なければいいだけですね。ヘル・ディセント[DVD]シャーロット・カークTCエンタテインメント〔映画〕ヘル・ディセント
2021年に公開されたイギリス・アメリカ合作映画です。14世紀フランスのプライベートな出来事をモチーフにしていますが、上映時間150分を超える壮大なスケールの大作に仕上がっています。構成は、ひとつのエピソードを主要人物3人の視点から別々に描いてラストに収斂させているのですが、3者の視点からのパートでの微妙な差の描き分けが、ヒロインの心情の複雑さを表現していたようです。もう一度観るにはかなりエネルギーが入用ですが、しっかりした骨格の重厚な出来栄えの作品でした。最後の決闘裁判[AmazonDVDコレクション][DVD]DVDリドリー・スコットウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕最後の決闘裁判
絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ: 文豪の名言対決 (頭木 弘樹)
少し前にNHK〈ラジオ深夜便〉で放送されている「絶望名言」を書籍化した本、「NHKラジオ深夜便絶望名言」「NHKラジオ深夜便絶望名言2」を読んだのですが、その中のブックガイド欄で番組の出演者である頭木弘樹さんがご自身の著作として紹介していた本です。対称的な思想家・作家と言われるフランツ・カフカとヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの数々の名言を並び置いて“希望と絶望”の滋味を味わおうという趣向です。期待どおり数々の興味深い名言や二人を紹介したエピソードに出逢いましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたものを少々書き留めておきましょう。まずは、頭木さんが、カフカの人となりを表した箇所。(p55より引用)「弱い」「小さい」カフカにはそういう言葉がとてもよく似合います。弱くて小さいからこそ、巨人の目にはとま...絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ:文豪の名言対決(頭木弘樹)
2021年に公開されたアメリカ映画です。クライム・ムービーという体を装っていますが、本質はアメリカらしいファミリー・ドラマ?ですね。私たち、少なくとも私には、ある程度年齢を経てのこういったノリの主人公の行動はスッとは理解できません。秀逸なのはラストシーンでしょう。これを観ると、隠れたキーパーソンのエピソードやキャラクタがはっきりと理解できて、また別の意味での“ファミリー・ドラマ”が見えてきますね。デンジャラス・ガイズ[DVD]ジョシュ・ハートネットアルバトロス〔映画〕デンジャラス・ガイズ
2022年に公開されたアメリカ映画です。DCコミックスがベースの作品なので、登場人物の設定やストーリー展開などは観る前からほとんど見当がつきますし、結果としても完全に想定範囲内でした。本作は、映画としては「新たなヒーロー」の登場という売りなのですが、正直、ヒーローを取り換えただけで、作品のテイストはその他のDCヒーローものと変わりありません。まあ、それも100%“エンターテインメントの基本公式”に徹した結果ということで、観客も受容しているのでしょう。しかし、この“ブラックアダム”、他のヒーローと違って、ドウェイン・ジョンソン以外に映像化にあたって替えがきかないキャラクターですね。ブラックアダム[DVD]4548967472424ドウェイン・ジョンソンワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ブラックアダム
2020年に公開された日本映画です。人気コミックの実写版ですが、私は原作のコミックは読んだことがありません。高校自転車競技、ロードレースという設定もオリジナリティが感じられますし、キャスティングもよかったので、原作コニックのさわりだけの映像化ではありますが、映画としてはしっかり完結していると思います。とはいえ、ここまでストーリーが一本調子で単純な作品も珍しいですね。登場人物もこの上なく“いい人”ばかりで、中途半端に敵役やアクシデントを織り込むよりは好感が持てました。弱虫ペダル通常版DVD永瀬廉松竹〔映画〕弱虫ペダル
2022年に配信されたアメリカのテレビシリーズです。“ロード・オブ・ザ・リング”の映画シリーズとは舞台設定あたりに共通性はありますが、今のところストーリ面での密接な関連性はなさそうですね。しかし、配信作品でここまでの映像クォリティーを出せるのはちょっと驚きです。コスト面でも技術面でも。ストーリー自体もサプライズも含めよくできていると思います。このあと「シーズン2」も配信開始されているので、そちらもトライしてみましょう。ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」Blu-ray〔ドラマ〕ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪(シーズン1)
2024年に公開された日本映画です。もともとはコミックで、テレビアニメ化された第1期は以前観ています。本作品はそのスピンアウト版ですが、テレビアニメを一通り辿っていれば敢えてこちらを観る必要はないように思います。もちろんアニメとは主人公が異なる分、目線の違いはあるので、そのあたりに魅力を感じるファンもいるでしょうが・・・。正直なところ、私がこの作品を観て最もインパクトを受けたのは、小山茉美さんが「ばぁや」の役(声)で出演していたことでした。劇場版ブルーロック-EPISODE凪-(特装限定版Blu-ray).特装限定版島﨑信長〔映画〕劇場版ブルーロック-EPISODE凪-
2022年に公開された日本映画です。コミックが原作ですが、2020年にテレビドラマ化され、その際の主要メンバがそのままに実写映画として制作されました。コメディ映画ですが、私的には、あまり楽しめどころはなかったですね。ギャグの質が私の好みとかなりズレていました。キャスティング的にも、川口春奈さんにはちょっと厳しかったですね。作品の出来自体が今一つだったこともあり、発展途上の役者さんがコメディエンヌとして演じるには相応しくなかったようです。「極主夫道ザ・シネマ」DVDDVD玉木宏バップ〔映画〕極主夫道ザ・シネマ
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。インパクトのあるタイトル、“裏切者”というかなり気になるモチーフに惹かれて手に取ってみました。登場する“裏切者には、”中国史のなかで超有名人もいれば脇役クラスもいますが、一風変わった切り口で深堀りしてみると、いずれもなかなか興味深い人物ばかりですね。紹介されている数々のエピソードの中から、特に私の関心を惹いたところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「第4章持続する裏切り―司馬懿」。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」との故事成語に登場する“司馬仲達”という名前の方が有名かもしれません。魏王朝内に居て簒奪を図り「西晋」の礎をなした人物です。(p136より引用)司馬懿の周到さを受け継いだ息子たちは、魏王朝簒奪にピタリと照準を当てつつ、念入り...裏切り者の中国史(井波律子)
2005年に公開されたアメリカ映画です。こういった“ドタバタ系”のコメディも根強い人気コンテンツのようですね。ただ、この手の大雑把な演出で楽しめるかといえば、お国柄によっても違いがあるように思います。まあ、そうはいいつつ、途中に織り込まれていた結構見え見えの伏線はラストでしっかり回収されて、この部分についてはほっこりと安心できました。デンジャラス・ビューティー2[DVD]サンドラ・ブロックワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕デンジャラス・ビューティー2
2007年に公開された日本映画です。宮藤官九郎さんのオリジナルシナリオによるコメディ作品です。阿部サダヲさんの映画初主演作とのことですが、確かに「阿部さんに完全にチューンした演出」で、そのあたり観る人の好みで評価は分かれるところでしょう。そのほかの出演者の面々は新旧バラエティに富んでいますが、今観ると懐かしい方が印象に残ります。やはり伊東四朗さん、植木等さんの存在感は別格でしたね。特に、植木さん。登場しただけでウキウキしてきます。舞妓Haaaan!!![Blu-ray]阿部サダヲVAP,INC(VAP)(D)〔映画〕舞妓Haaaan!!!
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…
少し前に、大江英樹さんによる「90歳までに使い切るお金の賢い減らし方」という本を読んだのですが、その中で本書が紹介されていました。私も「定年」を目の前に控え、僅かではありますが手元にある“資産の処し方”について考えてみなくてはならない歳になりました。そのあたりのヒントにと手に取った著作ですが、結構参考になるアドバイスや新鮮な気づきが得られました。その中から特に有益だと感じたところを覚えとして書き留めておきます。まずは、著者が本書で伝えたいメッセージを端的に記しているくだりです。(p19より引用)今しかできないことに金を使う。それこそが、この本で伝えたいことの核だ。90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢...DIEWITHZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール(ビル・パーキンス)