2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
2011年に公開されたアメリカ映画です。中世ヨーロッパ、十字軍の時代の魔女狩りや悪魔祓いをモチーフにした“ファンタジーアドベンチャー”作品ですね。主役はマンネリぎみのニコラス・ケイジなのでほとんど期待していなかったのですが、極く普通に楽しめました。ストーリーやキャラクタ設定はこれといって目を見張るようなところはないのですが、そのあたりの素直な作りが奏功したようです。デビルクエスト[Blu-ray]ニコラス・ケイジKADOKAWA角川書店〔映画〕デビルクエスト
1961年に公開された日本映画です。川口松太郎の「新源氏物語」を原作として映画化された作品ですが、その段階で「川口源氏」からの改変があったでしょうから、主要な登場人物は踏襲するとしても、そもそもの紫式部の「源氏物語」と比べるとその描き方にはかなりの隔たりがあるのでしょう。まあ、私の場合、大もとの紫式部版も読んだことがないので、なんとも情けないことにその彼我の違いは分かりようもありません。ともかく、本作、当時の映画作品としては、市川雷蔵が主役を張り、当時のトップ女優の方々が名を連ねた豪華版だったのでしょう。ただ、この手の“湿気の多い人間関係”が人を変え場所を変えて延々と連なるような物語は、ちょっと私にはきついですね。新源氏物語[DVD]市川雷蔵KADOKAWA/角川書店〔映画〕新源氏物語
芸能界を変える ─ たった一人から始まった働き方改革 (森崎 めぐみ)
いつも利用している図書館の新着本の棚で目についた本です。人気タレントと大手テレビ局におけるコンプライアンス問題が大いに話題になっていますが、従来から“芸能界の特殊な慣行”についてはその存在は黙認されていたというのが現実の姿でしょう。本書の著者の森崎めぐみさんは、俳優であり、一般社団法人日本芸能従事者協会代表理事という立場で、不適切な労働慣行や各種ハラスメントが横行する芸能界における法的ルールの確立に尽力してきました。本書には、芸能界の実態を示す森崎さんたちが実施した調査結果や直接体験した実例が数多く紹介されているとともに、その解決策の提案・改善事例等も随所に記されています。しばしば“芸能界の特殊性”という言を耳にしますが、その背景には、「芸能関係の労働者」と企業や芸能事務所との多様かつ不可思議な関係の存在...芸能界を変える─たった一人から始まった働き方改革(森崎めぐみ)
“平成モスラ”シリーズの第2作目で、こちらも“SFファンタジー”ですね。「こども」が主人公の“ファミリー向けのつくり”に傾いていた一世代前のゴジラやガメラ映画は、“平成ゴジラ”“平成ガメラ”シリーズで「ストーリー」でも楽しめる本格的なエンタメ作品として再生したのですが、そのころに作られたこの“平成モスラ”シリーズは完全に「お子さま向け」です。なので、ターゲット外の私が「映画」としての感想を記すのは控えたいと思います。ただ、とはいえ、私の年代にとっての見どころがなかったわけではありません。主役の満島ひかりさんは子役として映画初出演でしたし、若々しい紺野美沙子さん、細川ふみえさんにも久しぶりにお目にかかれました。モスラ2海底の大決戦[DVD]小林恵東宝〔映画〕モスラ2海底の大決戦
2024年に公開されたアメリカ映画です。1984年公開の第一作目から続く“SFファンタジー”のシリーズ作品で、トータルでは5作目、2021年の「ゴーストバスターズ/アフターライフ」の続編にあたります。こういったシリーズはマンネリ化が不可避ですが、本シリーズの場合は、初期作品と現行作品とをうまく融合させて、十分楽しめるレベルを維持していますね。基本コンセプトを堅持している点や初期のキャストをとても自然に最新作に登場させているところあたりが特に秀逸なのですが、それらが活きるのも、そもそものプロットがしっかりしているところに拠るのでしょう。この最新作も、いい具合でしたね。楽しめました。ゴーストバスターズ/フローズン・サマーブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]通常版ポール・ラッドHappinet〔映画〕ゴーストバスターズ/フローズン・サマー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第38作目」です。今回の舞台は“琵琶湖(滋賀)”。滋賀県は、数えきれない回数、上り下りの新幹線では通っていますが、ゆっくり降りて探訪したことはありません。仕事では、草津に以前勤めていた会社のお客さまの拠点があって2・3ヵ月に1回程度の頻度で訪問していたころもありました。ただ、琵琶湖も遠目に湖面が目に入った程度ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、こ...琵琶湖周航殺人歌(内田康夫)
1996年に公開された日本映画です。少し前に観た1961年制作の「モスラ」とは全くの別物の“ファミリー向けファンタジー作品”です。メインキャラクタが同じでも、「作品のコンセプト」と「映画づくりへの熱量」が違うとこうまで出来栄えに差がつくのですね。特技監督が“平成ゴジラシリーズ”の川北紘一さんとは思えない映像です・・・。とはいえ、このあと“平成モスラ”シリーズとしてあと2作制作されたのですから、この内容でも興行的にはそこそこの成功の部類だったようです。まあ、この作品を観た私にとっての収穫といえば、挿入歌の作曲が「矢野顕子」さんだったということぐらいでした。モスラ(1996年度作品)[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ(1996)
2024年に公開された日本のアニメ映画です。週刊少年ジャンプ連載のコミックが原作で、TVアニメ化されたシリーズの「続編」という位置づけですから、きちんと楽しむには、アニメを観てからというのがベストでしょう。私の場合は、アニメは途中で中断しているのですが、まあ、それでもこの映画で登場するキャラクターたちのここに至る経緯は最低限辿っていたので助かりました。「アニメーション」としては、どうでしょう、綺麗な“絵”を見せるタイプではなく、モチーフ、キャラクタ設定、人間関係、それにエピソードといったところに見せ場がある作品なので、そのあたりに魅力を感じるか否かが評価の分かれ目になりますね。私の場合はどうかといえば、好きな絵のトーンではなかったという点を差し引いて、まあまあ良かったといった印象でした。無難な“優等生”的...〔映画〕劇場版ハイキュー‼ゴミ捨て場の決戦
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。山極寿一さんの著作は今までも「ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」」「虫とゴリラ」「京大式おもろい勉強法」「動物たちは何をしゃべっているのか?」等々何冊か読んでいます。そして、読むたびに、山極さんの真っ当な思索にいつも数々の気づきをいただいているのですが、本書からもそうでした。それらの中から、特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「人類の社会性」が誕生した経緯についての山極さんの理解。(p118より引用)人間が多産なのは、おそらく森からサバンナへ出てきた時代に高い捕食圧に直面して子ども死亡率が高まったためであり、それを現代まで受け継いでいると考えられるのだ。しかも、脳が増大するようになってから...争いばかりの人間たちへゴリラの国から(山極寿一)
1961年に公開された日本映画です。当時の世界最高水準の特撮映画でしょう。設定やストーリーはともかく、CG登場するはるか以前、架空世界の創造や現実世界の再現にこれだけのエネルギーをつぎ込んだ映像は驚愕です。圧巻だったのは、渋谷界隈のミニチュアセットの精巧さと、それを破壊していくシーンのリアリティ。看板ひとつ、電線一本までも実際に作り込んでいるのですから、この執着たるや筆舌に尽くしがたいものがあります。見事の一言ですね。60年以上前の映画ですが、この渋谷の映像を見るだけで、いまだに関係者の熱量が伝わってきますね。制作は田中友幸さん、監督は本多猪四郎さん、そして特技監督は円谷英二さんという最高の制作スタッフに、音楽は古関裕而さん、さらにモスラ幼虫のスーツアクターは中島春雄さん。これだけ並べば文句のつけようがあ...〔映画〕モスラ(1961)
2024年に公開されたアメリカ映画です。DCコミックスのキャラクターを主人公にしたヒーロー映画ですが、「フラッシュ」は、数あるヒーローたちの中ではかなり地味な存在です。そのフラッシュが“時間を操る力”を持ったという設定の「タイム・ループ」もの。なので、ストーリーも自由に作り上げることができます。ただ、「自由」な分だけ、つくりはかなり無理筋で雑になりますね。展開の奇抜さを楽しむか、それとも物語の深みを味わうか、作品に期待するものによって評価は分かれますね。あとは、キャスティング。メインキャラクターの配役は若手ですが、その他のお馴染みのキャラクターは、それぞれハリウッド映画の主役が張れるビッグネームがそれこそ綺羅星の如く登場しています。まあ、「演じる」というよりは「一瞬の顔見世興行」といったところですが。それ...〔映画〕ザ・フラッシュ
罪を犯した人々を支える ─ 刑事司法と福祉のはざまで(藤原 正範)
いつも利用している図書館の新着本の棚で目についた本です。私の実生活の中では馴染みの薄いテーマですが、「闇バイト」のように誰もが犯罪者になる可能性が高まっている今日、その犯行後の矯正の問題はますます重要性を増してくるでしょう。そのあたり、少しでも現状を頭に入れておこうと思い手に取ってみました。著者の藤原正範さんは長年にわたり家庭裁判所調査官として少年犯罪に向き合ってきたとのこと。藤原さんの実務経験と裁判傍聴等から得た多くの実例をもとに、司法と福祉の現代的課題を指摘してくれています。それらの中から、特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「更生」についての藤原さんの思いを表しているくだりです。本書で藤原さんが第1章で提示している刑事裁判例は、窃盗、詐欺といった比較的軽い犯罪が対象...罪を犯した人々を支える─刑事司法と福祉のはざまで(藤原正範)
2023年に公開された日本映画です。原作は、沢木耕太郎さんの小説ですが、今回の映画化にあたって登場キャラクターやストーリーには結構手が入ったようですね。まあ、小説の映画化にあたってはよくあることですし、そもそも原作と映画とどちらがいいかといった問題ではありません。それぞれ、別個の“表現作品”として楽しめばいいだけです。さて、本作品、「ボクシング」がモチーフです。同様の映画はそれこそ山のようにありますが、「ボクシング」は映像やストーリーにする場合扱いやすいんでしょうね。この作品も、概ね想像通りの予定調和的展開でした。キャスティング面でいえば、横浜流星さん、窪田正孝さんのボクサー役は見事にはまっていましたし、片岡鶴太郎さんも独特の存在感でいい味を存分に発揮していました。あとは、山口智子さん。映画出演は久しぶり...〔映画〕春に散る
2024年に公開された日本映画です。最近では珍しい“ベタなモチーフ”で、ストーリー展開も一昔前のノリですね。ご当地ものですが、如何せん“地味”です。主演は、今まさにNHK大河ドラマで大いに話題になっている小芝風花さんですが、この作品では、キャラクタとの相性が???で今ひとつ輝きませんでした。残念です。残念といえば、森崎ウィンさん。過度な演出のせいもありますが、こちらも完全にミスキャストでしたね。映画「レディ加賀」[DVD]DVD小芝風花ポニーキャニオン〔映画〕レディ加賀
60代からの資産「使い切り」法 今ある資産の寿命を伸ばす賢い「取り崩し」の技術 (野尻 哲史)
いつも利用している図書館の新着本リストで目について手に取った本です。タイトルに「60代からの」とありますが、私も60代半ばを過ぎ、まさに本書のターゲット層にドンピシャのライフステージに至ってしまいました。なので、まずは、こういった“HowTo本”で基本を頭に入れておこうと読んでみたのですが、著者の野尻哲史さんの解説はとても分かりやすく、示されたアドバイスも具体的で大いに参考になりました。本書での野尻さんのアドバイスの要諦は、資産の取り崩し期における「資産活用」の薦めです。そして、その際に留意すべきポイントは「収益率配列のリスク」の存在だと指摘しています。(p121より引用)こうした収益率の並び方が資産残高に影響するという考え方は、海外ではSequenceofreturnsriskと呼ばれて、よく知られてい...60代からの資産「使い切り」法今ある資産の寿命を伸ばす賢い「取り崩し」の技術(野尻哲史)
2024年に公開されたアメリカ映画です。マーベル・コミックスのキャラクターを主人公にしたスーパーヒーロー映画で「スパイダーマン」の系列ですね。なので、かなり地味です。つくりとしては、コミックそのものというかベタな素人作品といった感じで、ストーリー展開も意味不明です。キャラクタとしての“造型”もなしに等しく、持っている特殊能力も極めて限定的でワクワク感は感じられません。さすがに、このレベルではシリーズ化は到底無理でしょう。マダム・ウェブブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]通常版ダコタ・ジョンソンHappinet〔映画〕マダム・ウェブ
2023年に公開されたアメリカ映画です。2019年公開の「ジョン・ウィック:パラベラム」の続編で、キアヌ・リーブス主演の「ジョン・ウィック」シリーズの第4作。今までの3作品も観ていますが、本作品はそのなかでも最もストーリー性に乏しく、同じようなテンポの単純なアクションシーンがこれでもかと続いて、かなり食傷ぎみになりました。さすがにこれでシリーズも打ち止めでしょうね。ジョン・ウィック:コンセクエンス[DVD]DVDキアヌ・リーブスポニーキャニオン〔映画〕ジョン・ウィック:コンセクエンス
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の酒井順子さんがゲスト出演していて紹介していた本です。酒井さんは、以前「負け犬の遠吠え」で大いに有名になったエッセイストですが、それも、もう20年も前なんですね。本書もその酒井さんによるエッセイ。最近のSNSでも頻繁に見られる“マウンティング”や“過度な公平要求”等をはじめとした「今日的な階級問題」の実態を材料に、酒井さん一流の感性でウィットに富んだ小文に仕立て上げています。なるほど、といった刺激や気づきに溢れた内容でしたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきます。「男性アイドルは無常の風の中に」とのタイトルの一文より、「ジャニー喜多川事件」の影響について言及したくだりです。(p202より引用)ジャニー喜多川氏が築いた帝国...消費される階級(酒井順子)
2023年に公開された日本映画です。多くの役者の方々が演じた「藤枝梅安」ですが、豊川悦司さん版の2部作の後編です。第1作の続編なので、梅安を取り巻く登場人物は前作を観ていないと各々のキャラクタ設定は理解できません。ただ、メインのエピソードは独立したものなので、本作だけでもそれなりには楽しめますが・・・。こちらの作品もエンターテインメント作品としては、しっかりした作りです。ストーリー展開もそうですが、登場人物の時折の“台詞”が“和製ハードボイルド”としても効果的ですね。それらが池波正太郎さんの原作にあるものなのか、シナリオ作成時に織り込まれたものなのか、機会があればチェックしてみたいものです。仕掛人・藤枝梅安2河毛俊作〔映画〕仕掛人・藤枝梅安2
2024年に公開された日本映画です。中国のミステリー小説が原作というのは珍しいですね。ストーリーは、リアリティには乏しいですが、展開にメリハリがあってよく練られていたと思います。また、主人公のキャラクター設定が最後まで効いていましたね。まさにこの作品の“コア”ですが、そのあたり羽村仁成さんがうまく演じていました。あと、岡田将生さんや黒木華さんといった中堅の実力派を配したキャスティングもよかったですが、監督はあの金子修介さんなんですね。「平成ガメラ3部作」は私の好きな映画シリーズです。ゴールド・ボーイ[DVD]通常版岡田将生Happinet〔映画〕ゴールド・ボーイ
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第37作目」です。今回の舞台は“神戸”。神戸には、小学校のときの六甲山での林間学校をはじめとして、もちろんプライベートでも何度か訪れています。ただ、“神戸”の記憶で極め付きはかなり以前の会社時代のものです。神戸を仕事で訪れたのは、1994年12月、阪神・淡路大震災の1ヵ月前でした。震災時は、訪問先のビルがあった長田地区の被害は甚大で、センターに勤務されていた方々、ご家族の多くが被災されま...神戸殺人事件(内田康夫)
2016年に公開されたアメリカ映画です。マーベル・コミックのキャラクターでスーパーヒーローである「キャプテン・アメリカ」が主人公のアベンジャーズシリーズで、作品としては「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の続編にあたります。ヒーローの活躍に隠れた犠牲者の立場がモチーフですが、その点は「ガメラⅢ」でも使われたものですね。ただ、本作品の場合は、それが“仲間割れ”を産み、多くのアクションシーンが“ヒーローどおしの戦い”になってしまいました。そこには、敵味方という動機しかなく、落ち着いて考えると、“登場人物たちの、冷静な判断を欠いた短絡的な行動”を延々と見せられたということでもあります。まあ、クリス・エヴァンス、ロバート・ダウニー・ジュニア、スカーレット・ヨハンソン、セバスチャン・スタン、ドン・チード...〔映画〕シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
〔映画〕劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-
2010年に公開された日本映画です。テレビアニメの「機動戦士ガンダム00ファーストシーズン・セカンドシーズン」に引き続いて製作された作品ですが、完全にテレビ版の続編なので、いきなりこの劇場版だけ観てもストーリーにはスッと入っていけないでしょうね。とはいえ、作品のテーマは“独立”しています。しかし、機械生命体という異種との相互理解をこういった表現で語るのはかなりチャレンジングでしたね。正直、成功だったとは言いがたい出来だったように思います。劇場版機動戦士ガンダム00-AwakeningoftheTrailblazer-水島精二〔映画〕劇場版機動戦士ガンダム00-AwakeningoftheTrailblazer-
いつも利用している図書館の新着本の棚で目についた本です。イスラエルとハマスとの間の「ガザ紛争」に代表されるように、中東紛争は拠って立つところにより、その善悪、正否の判断は全く異なります。それらの争点を俯瞰した視座から捉えるには中東地域における歴史的・政治的は背景の理解が不可欠なのですが、私の場合、そのあたりの知識は、遥か昔の学生時代の「世界史の教科書」レベルでしかありませんし、その僅かな知識も恥ずかしながら急激に減衰しています。著者の中川浩一さんは外務官僚として在イスラエル日本国大使館、対パレスチナ日本政府代表事務所等、現地での豊富な勤務経験を有しています。その中川さんによる「中東政治状況の入門書」は基礎的な知識から整理し直すにはとても有用でした。いくつもの重要な指摘の中から、特に私の印象に残ったところを...中東危機がわかれば世界がわかる(中川浩一)
2023年に公開された日本映画です。2019年公開の「翔んで埼玉」の完全な続編で、主要な登場人物も引き継いでいます。内容は、前作とまったく同じトーンの“ナンセンスギャグ”路線で、キャスティングも各々のキャラの設定を重視したものになっています。逆に、キャスティングされた役者さんの来歴等を、ここまでやるかというほどのイジリに活かした演出もありました。いずれにしても、埼玉、大阪・神戸・京都、滋賀・奈良・和歌山といった各地方の立ち位置や評判、それらの間の関係性、さらには、役者の方々の出自も含めたパーソナリティ等も理解していないとまったく楽しめないつくりです。なので、普遍性は皆無、海外に出しても意味不明なので、本作品の評価如何は、内輪ウケのガラパゴス的な面白味を感じられるかどうかですね。ということは、“コア”なファ...〔映画〕翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~
2015年に制作されたイギリス映画です。実在した人物を主人公にした“ギャングもの”で、プロット的には映画による表現に向いた作品なのでしょうが、私の好みではありませんでした。ともかく、主人公(たち)のキャラクタにまったく共感できないというのが最大の理由です。あそこまで“意味不明な行動”にはついていけません。主演はトム・ハーディが一人二役で務めていて、その演技力は出色ではありましたが、それも極端な人物設定だったのでメリハリが付けやすかったようにも感じられますね。レジェンド狂気の美学コレクターズ・エディション[DVD]トム・ハーディHappinet〔映画〕レジェンド狂気の美学
いつも利用している図書館の「文学書」の書棚で目についたので手に取ってみました。退職を目の前にし、このところビジネス本には見向きもせず、あまり読んで来なかった“文芸書”にトライしています。とはいえ「純文学」は敷居が高く、また正直それほど興味もわかないので、まずは気楽な「エッセイ」あたりで手ごろなものがないかと探していました。本書は、21世紀初の第124回から第150回までの「直木賞受賞作家のエッセイ」を採録したものです。一気に様々な作家のみなさんの作品(筆致)に触れることができるので、手始めには相応しいだろうと楽しみに読み始めたという次第です。全部で36編の作品。出版社からは、「原稿用紙20枚」と作品のボリュームも指定され、テーマも可能な限り「自伝エッセイ」をという同一条件での依頼によるものなので、“比較実...直木賞受賞エッセイ集成(文藝春秋)
1999年に制作された中国映画です。長年、中国山間部で郵便配達人をしている父とその仕事を引き継ぐ息子が主人公で、父の最後の配達の道程を辿るロードムービーです。目にする風景も人々も“山岳村落”の典型的なステレオタイプで、いくつものエピソードを織り込みながら物語も極めて穏やかに進んでいきます。中国映画も最近は“ハリウッド的?”なCGやVFX技術満載のド派手な演出のものが目立つ中、本作は、近年ではなかなかお目にかかれない“超優等生的”作品です。それはそれで素朴な趣があって悪くはないのですが、正直なところ、やはり物足りなさは強く感じますね。山の郵便配達[DVD]廉価版フォ・ジェンチイギャガ〔映画〕山の郵便配達
2022年に公開された日本映画です。監督・脚本を手掛けた荻上直子さんの小説が原作の作品ですが、なかでも「脚本」が秀逸でした。1シーン、1シーンごとに味があって、荻上さんが描く独特の世界観が、芸達者な面々を揃えた絶妙のキャスティングで見事に表現されていたように思います。そのキャスティングですが、松山ケンイチさんとムロツヨシさんの絡みを軸に、満島ひかりさん、吉岡秀隆さん、緒形直人さんと続き、さらに江口のりこさん、柄本佑さん、笹野高史さん。極めつけは、薬師丸ひろ子さんが「声」だけで出演しているという何とも豪華で贅沢なラインナップでした。川っぺりムコリッタスタンダード・エディション[DVD]DVD荻上直子KADOKAWA〔映画〕川っぺりムコリッタ
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…
少し前に、大江英樹さんによる「90歳までに使い切るお金の賢い減らし方」という本を読んだのですが、その中で本書が紹介されていました。私も「定年」を目の前に控え、僅かではありますが手元にある“資産の処し方”について考えてみなくてはならない歳になりました。そのあたりのヒントにと手に取った著作ですが、結構参考になるアドバイスや新鮮な気づきが得られました。その中から特に有益だと感じたところを覚えとして書き留めておきます。まずは、著者が本書で伝えたいメッセージを端的に記しているくだりです。(p19より引用)今しかできないことに金を使う。それこそが、この本で伝えたいことの核だ。90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢...DIEWITHZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール(ビル・パーキンス)
2015年に公開されたアメリカ映画です。“火星でのサバイバル”がモチーフのSF作品ですが、万人向けのエンターテインメントとしてはよくできていますね。もちろん純粋に科学的裏付けがあるものではありませんが、それなりにもっともらしく、また超人的な能力で切り抜けるといったシーンもなく、“人間の知恵と意思”“仲間たちの想い”で奇跡を生んだストーリーは素直に楽しめます。マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、キウェテル・イジョフォーといった面々も、それぞれに役柄にフィットしたキャスティングで、こちらも見事だったと思います。あとは、1970年代のディスコミュージック、これも効いていましたね。オデッセイ[DVD]マット・デイモンウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕オデッセイ