chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 『フリー <無料>からお金を生みだす新戦略』/クリス・アンダーソン

    『WIRED』誌の編集長だったクリス・アンダーソンによる2009年の著作。10年も前の本だけれど、書かれている内容はいまなお進行中のものばかり。アンダーソンの洞察力はすごいな、と感じ入った。 アンダーソンは、20世紀のマーケティング手法にも「フリー」(=費用からの自由)を利用するものはあったけれど――安全剃刀をタダで配って、替刃を販売して利益を得る、無料でレシピ本を配布して食品の売り上げを伸ばす、など――デジタル技術を利用した21世紀の「フリー」は、「将来のためのエサではなく、本当にタダ」である点が重要なのだと語る。アナログで試供品を作ったり配布したりするのにはいちいちコストがかかっていたけれど、デジタルの世界においては、情報処理や通信にかかるコストが、ひいてはオンラインサービスに必要となるコストが、激しい競争を通じて限りになくゼロに近づいていくことになる。おまけに、デジタルであれば全世界のユーザに対して一度に「フリー」のサービスを提供することだってできる。

  • 『in our time』/アーネスト・ヘミングウェイ

    『われらの時代』(原題:”In Our Time”)の出版される前年、1924年にわずか170部だけ刷られたという書物、”in our time”の柴田元幸による全訳。『われらの時代』の各短編の扉部分にある超短編(1ページくらいの小品)のみを18章集めたものが一冊になっている。 『われらの時代』が優れた作品集であることはもちろんだけれど、そこから簡素な素描と言ってもいいような部分のみを抜き出した本作も、これはこれでなかなか趣がある。各章で扱われているのは、いずれも戦場や闘牛場における闘いや死にまつわるちょっとしたエピソードだ。トピックとしては血なまぐさい暴力が描かれていることが多いのだけれど、全体的に「暴力性」というものが明らかに欠けていて、むしろ倦怠感、疲労感といったものが強く喚起されるようになっているところが特徴的だ。

  • 『戦略読書日記 本質を抉りだす思考のセンス』/楠木建

    楠木は、昨今のビジネス書は「スキル」を追求することに傾斜しているが、戦略そのものを作成し、商売を組み立てていく経営者の仕事に必要なのは、「スキル」ではなく、「センス」だと言う。楠木によれば、「センス」とは、「文脈に埋め込まれた、その人に固有の因果論理の総体」であって、「スキル」のように教科書的に体系立てて教えたり学習することのできないものである。要は、その時々の文脈における発想力や対応力のベースにあるもののことを「センス」と呼んでいる、ということなのだろうけれど、だからこそ、「センス」は、それまでの経験の量、質、幅、深さといったものによって形成されるものでしかあり得ず、「センス」の良さとはすなわち「引き出しの多さ」ということになる。

  • 『サブスクリプション ―― 「顧客の成功」 が収益を生む新時代のビジネスモデル』/ティエン・ツォ

    サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル作者:ティエン・ツォ,ゲイブ・ワイザート出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー) サブスクリプション・モデルがどのように産業を変化させているか、そして、サブスクリプション・モデルをどのようにして企業に適用していくべきか、について具体的な方策が語られている一冊。かなりよくまとまっていて、サブスクリプション・ビジネスの現状が把握できるようになっている。 本書でもっとも重要なのは、企業がサブスクリプション・モデルを導入するということは、単に課金形態を月額に変更するということ…

  • 『サピエンス全史』/ユヴァル・ノア・ハラリ

    さんざん話題になった本書だけれど、たしかに非常に明快で、「人間とは全体としてこういうものだ」ということが腹落ちするようになっているところがよかった。大きな枠組みで体系的に語っていながらも、しっかりとしたストーリー性を持ち合わせているから理解しやすくなっているのだ。もっとも、当然ながら、本書を読めば人間の進化のあらゆる側面がわかる、というわけではない。たとえば、ホモ・サピエンスの「虚構」を信じる力、協働する力が他の生物種を圧倒する原因になった、ということはわかったけれど、ではなぜそういった能力が発現したのか、といった点には、本書ではあまりページが割かれていない。そういった細々した疑問をいろいろとおもいつかせてくれるという意味でも、たのしい読書だった。

  • 『スタンフォードの自分を変える教室』/ケリー・マクゴニガル

    心理学、神経科学、医学などの分野から、自己コントロールにまつわる知見を解説し、自分の「意志力」を強化するためのさまざまな方法を紹介している一冊。紹介されているアイデアとしては、 * 定期的な瞑想を行う(5〜15分) * 定期的な運動を行う(5分〜) * 呼吸を1分間4,5回に抑える * 屋外の自然に触れる(5分〜) * 睡眠時間を確保する(6時間未満はNG) * 誘惑に負けそうになったとき(例:ダイエット中のケーキ)は、「誘惑してくる対象そのものを思考すること」を禁止せず、欲求が存在することを受け入れてしまう。その上で、自分の目標をおもい出しつつ、行動を意識的に選択するようにする。

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、hayamonoguraiさんをフォローしませんか?

ハンドル名
hayamonoguraiさん
ブログタイトル
Show Your Hand!!
フォロー
Show Your Hand!!

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用