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  • 『洗礼ダイアリー』/文月悠光

    詩人の文月悠光によるエッセイ集。タイトルにある「洗礼」というのは、「社会に入るために経験しなければならないこと」とされているような物事、通過儀礼のようなものだと言ってもいいだろう。幼いころからちょっと「人とズレて」いたという文月は、学校で、職場で、SNSで、家庭で、友人関係で、さまざまな「洗礼」を浴びては、そのたびに動揺したり混乱したりする。各エピソードの中心になっているのは、彼女の感じる違和感、所在なさ、悔しさ、寂しさ、もどかしさ、やりきれなさ、不安、戸惑い、といった感情の揺れ動きで、なんとも不器用で不安定な、自意識が強くて潔癖な、傷つきやすい魂が感じられる。

  • 『「残業ゼロ」の人生力』/吉越浩一郎

    トリンプ・インターナショナル・ジャパン元社長の吉越による、人生後半をたのしむためのかんがえ方をまとめた一冊。 吉越は人間の人生を、 * 勉学中心の「学生期」 * お金を稼ぐ「仕事期」 * 何にも縛られず自由に生きる「本生(ほんなま)期」 の3つに分けるとするならば、人生の価値は「本生期」にこそある、と言う。「本生期」というのは吉越の造語で、「本当の自生、本番の人生、本来歩むべき人生」という意味であるらしい。「余生」とは真逆のかんがえ方、とのこと。

  • 『インプットした情報を「お金」に変える黄金のアウトプット術』/成毛眞

    タイトルはど派手だが、内容的には結構まっとうなことが書いてある一冊。たしかにいまの世の中でふつうに生活していると、インプットばかりになってしまいがちだ。音楽も映画も聴き放題、見たい放題のサービスがあるし、電子書籍、オーディオブックだって同様、おまけにSNSには絶えず大量の情報がアップされ続けている。これらを日々摂取しているだけで、消化不良になってしまう…というのはおそらく誰しもがわかっていることなのだけれど、でもインプットは簡単でたのしいし、アウトプットは面倒でなかなか続かない、というのが本当のところだろう。なにしろアウトプットというやつのためには頭を使わなければならないし、自分のおもうような品質のものを出力し続けるというのはなかなかに難しい。自然、多くの人がアウトプットから遠ざかってしまっているわけだ。成毛は、こんな文言で読者を執拗にアジテートしてくる。

  • 『私の財産告白』/本多静六

    明治から昭和にかけて日比谷公園の設計や明治神宮の造林など行い、「公園の父」とも呼ばれた男、東京大学教授にして大資産家でもあった本多静六による資産/人生論。60年以上前の本だけれど、そのエッセンスはいまでも古びていない。というのも、彼の主張はきわめてシンプルかつまっとうなもので、煎じ詰めれば、 1. 収入の四分の一を貯金する 2. 種銭が作れたら投資する という、ただこれだけに過ぎないからだ。一代で巨大な資産を築き上げたとはいえ、いわゆる成金、一攫千金的なところはまったくなく、とにかく健全、堅実、実直というコツコツ型の権化みたいな人なんである。「金儲けとは、理屈や計画ではなく、実際であり、努力である。予算ではなく、結果である」と語る本多の言葉には、まったく曇りや迷い、浮ついたところがない。地に足ががっちりとついているのだ。

  • 『新・メシの食える経済学』/邱永漢

    邱永漢によるお金に関するエッセイ集。「お金の神様」として有名な著者だけれど、お金儲けに関するノウハウ集というよりは、お金という側面から人生について語った、人生論のような趣の一冊だ。本当に人生のありとあらゆることをお金に結びつけて語っているところがすごい。

  • 『リベラルアーツの学び方』/瀬木比呂志

    東京地裁、最高裁の元裁判官であり法学者である著者による、リベラルアーツ指南本。世のなかに大量に流布しているリベラルアーツ本、教養本の書き手たちと同様、瀬木も、実践的な意味における生きた教養としてのリベラルアーツを学ぶことの意味は、いまなお、というか、いまでこそ大きい、と言う。さまざまな書物や作品と真摯に向き合い、そこから得られる知恵から帰納的に思考していくことで、自分の頭でかんがえ、自分なりの思想を形作っていくための基盤を手に入れることができるだろうから、というのがその理由だ。

  • 『ゼロ・トゥ・ワン』/ピーター・ティール

    ピーター・ティールがスタンフォード大学の学生向けに行った「起業論」の講義をベースに書かれた一冊。ティールは、自身が採用面接を行う際、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」と質問するという。なかなか難しい質問だが、これに対する正しい回答は、「世の中のほとんどの人はXを信じているが、真実はXの逆である」という形になるはずだ、とティールは語る。彼が求めているのは、この世界でいまだ明らかになっていない真理や知識を発見し、社会を大きく変えていく、そういったラディカルな思考なのだ。

  • 『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想 』/木澤佐登志

    新反動主義(暗黒啓蒙)と呼ばれる、なんともキナ臭い思想的ムーブメントの概要と、それが形成されるに至った流れについてまとめられた一冊。ペイパル共同創業者のピーター・ティール、Tlon経営者のカーティス・ヤーヴィン、哲学者のニック・ランドという三人に焦点を絞って、この思想がどのようにして生まれ、どのような影響を与えてきたのかが描かれている。以下簡単にノートを取っておく。

  • 『思考力』/外山滋比古

    本書の主張はシンプルだ。「知識・教養などといった他人の考えに依存することなく、自分の頭で考えろ!」ということだ。外山はいままでの自身の人生経験から、知識偏重の日本の教育はダメだし、日本の文系の学問も同様だ(海外の論文をパクって組み合わせているだけじゃないか!)、自身の経験から導かれたかんがえをベースにしなければオリジナルなものなど生み出せない、と語る。情報を集めれば集めるほど思考力は低下し、知的メタボの教養バカ、コピペ人間に成り下がってしまう、と言うのだ。

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