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2012/05/11

  • 山紫水明の地 その7

    今年の桜は早かった。満開の桜の中、父の一周忌法要が心地良く終わった。生前も晴男だった父は、永眠から10日間晴天が続いたし、四十九日法要の日も爽やかな五月晴れだったが、今回もまた、曇天予報を覆しての快晴だった。自宅での法事は初めてなので、右往左往しつつも、家族6人で力を合わせて乗り切った。準備も後片付けも、かなり疲労したが、みんなで笑い合う時間が楽しかった。当ブログのタイトルにある『果て』は、この日の「父の一周忌」かも知れないと思った。山紫水明の地その7

  • 野球小僧たちの栄冠

    WBC・日本代表の世界一、本当に嬉しい。大谷翔平やダルビッシュたち大リーガーを始めとする、最強メンバーが一丸となって結束し、感動的な勝利を積み重ねていった。負けそうになっても選手たちを信じ抜いた、栗山監督の采配が素晴らしかった。(特に奏功したのが、準決勝9回ウラの代走、周東だろう)全員で掴んだ栄冠。沢村栄治、川上哲治、長嶋茂雄、王貞治・・・・歴代の名選手たちから、繋がれてきた日本の野球。「ああいう選手になりたい」野球小僧たちが憧れて、成長して大舞台で輝き、またその姿を見た少年少女が夢を膨らませてゆく。本当に素晴らしい。野球小僧たちの栄冠

  • 高田郁「あきない世傳 金と銀」

    6年半に渡ったシリーズ全13巻の完結編(2022年8月発行)を、ようやく読み終えた。初巻から毎回、出ると同時に購入して、読んでは次巻を首長く待つほど好きな作品なのに、最終巻のみ、半年も遅れてしまった。なので、一層ゆっくり味わいながら読んだ。18世紀後半の江戸の浅草界隈は、きっとこんな感じだったろう。主人公・幸(さち)を始め、魅力的な登場人物が多く、創作ながら、菊栄や惣次のような商才の持ち主も、きっと居たんだろうなぁ、と思った。読後見つけた作者のインタビューで、幸にはモデルが実在したことを知り、感動した。3代の店主に嫁いだ後、自ら店主を継ぎ、幾多の災害を乗り越え、被災者支援にも注力した、女性経営者。五鈴屋のような健気な商家が、きっと実在したのだろう。女性店主の元に、主従一致団結し、暴利を貪ることなく、仲間と...高田郁「あきない世傳金と銀」

  • 鎌倉殿の13人

    2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、1年間本当に楽しませてもらった。感謝している。私が高校3年生の時に、熱心に視聴した『草燃える』の時代と丸々かぶっているのだが、さすが三谷幸喜脚本だけあって、大変分かりやすく軽快で、なおかつ内容が濃厚で、新鮮に感じられた。大勢の登場人物、ほとんど全員に感情移入できた。それはエンタメ上、悪役に描かざるを得なかった人々も含めてである。800年以上昔の鎌倉時代初期を、見事に再現してくれたスタッフたちにも拍手したい。今から42年前のことだが、私が短大入学直後に「日本史上、最も好きな人物は誰か」という課題レポートが出され、私は「北条泰時」と書いた。政子・義時・時房・泰時の4人が人間的にしっかりしていたからこそ、そして大江広元という頭脳的参謀あってこそ、鎌倉幕府が整えられ、...鎌倉殿の13人

  • 三苫選手の1mm

    森保一監督が4年間積み上げてきたことが、W杯本番で、ドイツやスペイン相手に開花して良かった。監督インタビュー「最後の1分くらいにドーハの記憶は出てきた。ちょうどその時に選手が前向きにボールを奪いにいっていて、時代は変わったと、選手たちが新しい時代のプレーをしてくれていると思った」(産経新聞)大会出場メンバーにあえて若手を選出したことが功を奏して、29年前の『ドーハの悲劇』によるトラウマを克服できたとは、一ライトファンに過ぎない私から見ても、感無量だ。大会前「えー原口も大迫も出ないの?」と文句言い、ドイツやスペインにせめて大差で負けないことを祈っていた一ライトファンは、ドイツ戦後半の日本の強さに、文字通りひっくり返って手に汗握った。そしてスペイン戦での、何という感動的な、三苫選手の1mm。諦めずに伸ばした足...三苫選手の1mm

  • 『ハヤブサ消防団』池井戸潤

    ドキドキハラハラしながら読み続け、最後の1ページで落涙して、読み終えた。作者・池井戸潤は、岐阜県加茂郡八百津町の出身である。その自らの出身地を、モデルにして書いたのがこの作品である。実は、私が略歴で書いているY町というのも、八百津町のことである。私の先日亡くなった父が惚れ込み、42年前に永住場所として選んだ「山紫水明の地」である。(ハヤブサ地区とは別の、もっと利便性ある地区だが)そして、略歴にあるように私が行政職員として勤務したのは、八百津町役場本庁だった。池井戸氏が慶応義塾大学進学のため上京したのと、ちょうど入れ違いで、私は長野市の短大寮から、八百津に移り住んだ。だから、移住者の視点も分かる。ハヤブサ地区の知人も10数名いるし、作中の地名がどこを指すかもありありと分かる。小学校で行われる消防団の操法大会...『ハヤブサ消防団』池井戸潤

  • 野田元総理の、追悼演説

    日本中の全ての人が記憶に留めてほしいほど、世紀の名演説だった。(NHKノーカット動画と全文)国民の命と生活がかかっているマイクを握り、日本の未来について、前を向いて訴えている最中に、後ろから銃撃され、命を失うことの無念。皇居の待合室で、勝者と敗者の2人っきりになり、重苦しい沈黙の中、まるでカウンセラーのように温かな慈愛を注いでくれた安倍さん。その優しさは、持病の悪化でわずか1年で首相辞任した無念の経験、初めての大きな挫折と屈辱感によって培われた、力強いものであったことに、後から気付いた―――分刻みのスケジュール。海外出張の高速移動と時差で疲労は蓄積。その毎日は、政治責任を伴う果てなき決断の連続。批判という容赦ない言葉の刃を投げつけられ、在任中、真の意味で心休まる時などなかったはず。第一次政権から数え、通算...野田元総理の、追悼演説

  • 安倍元総理の国葬

    4日前、リアルタイム中継を、熱心に見た。故人自らが弾くピアノをBGMに、首相時代の経歴を政府がまとめた映像が良かった。岸田首相、菅元首相の弔辞も、それぞれ良かった。特に、菅さんが熱く読み終えた弔辞を式壇に置いた時は、安倍さんの遺影が、にっこり笑って応えたかのようにさえ感じられた。官房長官だった菅さんをあれほどに惚れさせる、安倍さんの人間的魅力が偲ばれた。献花の際に、森・小泉・福田元首相らと並んで、野田元首相が同列だったのも良かった。翌日のニュース映像で、一般献花台に数キロに渡って並ぶ長蛇の列と、街中の巨大スクリーンに黙祷を捧げる人々を見て、日本人に生まれた幸せを感じた。海外メディアには、賛否二分した国葬を通じて、反対者の声ばかりを集めるのではなく、静かに敬虔に安倍首相の魂に合掌する人々の姿を、報道してほし...安倍元総理の国葬

  • 山紫水明の地 その6

    夏が行く。今年は雨が多かったが、夏野菜やスイカ、トウモロコシの他に、ブルーベリーが豊作だった。実家の庭の外れに、父が知人からもらった苗を2本植えたもので、足場の悪い場所にある上、ちょっとした林をかき分けて行かなければならないので、家族の誰からも振り向かれず、数年間放置されていた。それが今年、父が亡くなってから、私の夫がブルーベリー専用肥料を購入して、試験的にまいてみたら、大豊作。鳥に狙われないようネットを被せ、1日置きに小ザル一杯、約1ケ月に渡って収穫できた。夫が週1、私が週2の来訪で、農作業は辛いけど、何とか畑を守っている。売り物ではなく、趣味の野菜作りなのに、やっとこどっこいだ。そして最たる問題は、雑草との戦い。山紫水明の地その6

  • 山紫水明の地 その5

    実家の正面100m先には、こんもりとした低い山の森が連なっており、春夏秋冬、様々な四季の美を一望できる。山桜、藤、つつじ、新緑、深緑、紅葉、冬枯れ、雪景色など。夏盛りの今は、万緑とヒグラシ蝉の風情が素晴らしい。早朝と夕暮れ時には、「カナカナカナカナ・・・・」の大合唱に包まれる。昔、父が「死ぬ時はヒグラシの声を聞きながら逝きたいなぁ。臨終の枕元で録音したのを流してくれ」と冗談半分で言っていたが、その気持ちがよく分かる。山紫水明の地その5

  • 山紫水明の地 その4

    今年の梅雨明けは早く、もう真夏の酷暑がやってきた。実家の畑仕事も、今までは鳥のさえずりや吹き渡る涼風と共に、爽やかにこなすことができたが、最近は、厳しい日差しや虫との戦いが辛くなってきた。容赦なく雑草は伸びるし、しなければならないことは山積している。追肥せよと言われても、菜種油か化成肥料かその混合か、何をどのように施せば良いのやら。土寄せや畝づくりなど、鍬の扱いも苦手だ。今までずっと未知だった、農作業の過酷さに、思いを馳せる。山紫水明の地その4

  • 山紫水明の地 その3

    父の四十九日法要が、無事済んだ。父は地域にとっても、親族の間でも、それなりに大きな存在感の有る人だったが、他界してしまえば、「日々に疎し」なのだろうか。毎日の暮らしに手一杯の現世人にとっては、あの世の人は、もう遠い存在になってゆくのだろう、寂しいことだが。私は、永遠に忘れない。――ものを大切にお金を大切に時間を大切にそして、人の心と命を大切に――そのように言葉ではなく、日常の繰り返しの中で、自らの生き様によって、幼い頃から叩き込まれてきたから。父は社会科教師志望だったが、高3の時に祖母・父・母を相次いで病で亡くし、一気に保護者を失ったため、進学も就職もできないまま、高校を卒業することになった。以降は苦労しながらも、楽しみながら、人生を切り開き、築き上げていった。文学・歴史・地理・文化に造詣深く、自然や動物を愛し...山紫水明の地その3

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