空港からはタクシーでホテルに向かうことになり、無秩序になんとなく客待ちをしているタクシーの群れの中にいたミニバンの一人とRajさんが交渉し、すぐに皆でそのタクシーに乗り込んだ。丁度ヒンドゥーの大きなお祭りの最中で、多くの人々は田舎に帰っていると説明を受けたように、通りにはシャ...
クッカバラの囀りを皆さんにお届けし、思いを共感、共有できたら嬉しいです。快い囀りと響きますように。
学生時代、車窓からのぞく青く輝く稲穂に願いをし、三つ目の願い叶って故郷を離れ、海外で家庭を築くも気がついたら一人。3匹のバッタ達も、次々に高校を卒業し、進学と同時に家を出て行きました。そこに新たな相棒トンカを迎え入れ、人生を謳歌しようじゃないか、との境地に至っています。そんなクッカバラの囀りを皆さんにお届けし、思いを共感、共有できたら幸いです。
猛暑が続いていて、特に日中はへばってしまっている。さすがのトンカも、外に遊びに行きたいとねだるので庭に出してあげても、すぐに家の中に戻ってくる。こう暑くては、どうしようもない。 そんな時は、贅沢にレモンを使って、爽やかなドリンクを作ろう。 レモンは薄いくし切りにし、大きめのグ...
トンカと森の奥で散歩をしていた時、木の枝に鍵が引っかかっていることに気が付いた。見たところ家の鍵で、門扉用と思われるリモコンキーも付いていた。この辺はマウンテンバイクに乗ったサイクリストがいるので、彼らの一人が落としてしまったのだろうか。或いは、散歩やジョギングをしている時に誰か...
トンカと森を散策していると、色々な人に出会う。そのうちの一人が、クロケットおじさん。おじさんといっても、サンタクロースの様な白髪と見事な髭をたくわえているので、ご隠居されていると思われるが、クロケットお爺さんではゴロが悪いし、ニックネームなどはぱっと閃く類のものなので、クロケ...
音楽家の友人に誘われて訪れた、近所のホームコンサートからの帰り道、音楽ってやっぱりいいよね、と酔いしれていたところ、トンカの散歩仲間、漆黒の毛並みが美しいラブラドールの2歳のラムセスからメッセージが届く。「これから散歩するけど、一緒にどう?」勿論、書き手はラムセスの飼い主。 ...
バッタ達と同年代のお子さんがいたお隣さんが、旦那の仕事で英国に引っ越すことになり、家を売ろうと試みるも買い手が現れず、結局貸家にすることにしたところ、未就園児の男の子ふたりを抱えるカナダ人の家族が入居することになった。 まあ、にぎやか、にぎやか。大家の家族も、旦那がアメリカ人...
冷蔵庫の片隅に鎮座している生クリームの存在が、このところずっと気になっていた。いつ、何のために購入したのだろうか。封が切られていないので、取り敢えずは悪くはなっていまいが、これまで何度青カビちゃん発生で捨てただろうか。 生クリームを使ったケーキといえば、チーズケーキだろうか。...
昨年暮れに作って、風呂敷に包んでベースメントに保管していた 味噌 の出来具合を確かめようと、思い切って封印を解くことに。さあさあ、お立合い、お立合い。 ガラス瓶なので、外側から様子を見ることが出来るが、どうやらいい塩梅に色付いてきているように思われる。蓋を開けてみると、思った...
日本で作った色鮮やかな 蓬団子 をフランスでも、との思いを抱えながら、トンカと散歩をしていた時に、元気良く育っているオーティ、すなわちイラクサに目がいった。もしかしたら、もしかすると、そう思って、いつだって携帯しているナイロン袋にオーティの葉を摘んで入れた。棘があるので、でき...
日本にて新緑まばゆい山道を散策していた時のこと。もう少し早い時期なら蕗の薹や土筆が楽しめたのにと思っていると、やわらかな蓬を発見。周りには熊笹が繁っているし、これは笹団子を作れとの自然界からの仰せに違いないとばかりに、蓬の葉をせっせと摘んだことがあった。一方熊笹といえば、葉自...
目次 男 其の壱 « 覚醒 » 女 其の壱 « 記憶の断片 » 男 其の弐 « 確信» 女 其の弐 « 記憶の選別 » 男 其の参 « 願望 » 女 其の参 « 真実 » 男 其の肆 « 再生» 女 其の肆 « 渦潮» 男 其の伍 « 懐古 » 女 其の伍 « AI vs ...
思った通り、男からはすぐに返事がきた。小切手についての明確な回答はなかったが、「また友達になりたいと思っている。これまでの人生で君ほどの友人には巡り合えていない。昔の様に連絡を取り合いたい。」と書いてあって、そこに男の孤独を読み取り、彼女は暫し呆然としてしまった。 いかに...
小鳥の囀りに導かれるかのように、毎日の日課になっている散歩に出た男は、考え事をしていたので、気が付くと森の入り口まで来ていた。時間に束縛される日々は、もう遠い過去のこと。特に予定があるわけではない。先日の雨で土はぬかるんでいるかもしれないが、とりとめもなく湧き出てくる思考が漸く...
今年の三月は、気温が早朝に氷点下に落ち込むといった、例年になく寒い日が続いていた。それが4月になる頃には急に暖かくなり、気が付いて見ると春爛漫となっていた。いつもなら、クロッカス、連翹、そして水仙など、先ずは黄色が春の訪れを告げ始め、次第にヒヤシンスが甘美な芳香を運びこみ、...
明け方に入ってから霧のように細かい雨が降ったのだろうか。地面はしっとりとしていて、原っぱの芝生は柔らかく濡れそぼっていた。雨は音を消し、痕跡を消し去る。男の家に泥棒が入った日も雨降りの夜だった。同時に雨には独特のにおいがある、そう男は思った。地下鉄に乗っている時に、停車駅で...
彼女はおもむろに席を立って、戸棚からとっておきの珈琲豆の袋を出した。数年前に行ったブラジルでの珈琲が美味しくて、馥郁たる香りを楽しみながら、当時の思い出も蘇り、心豊かな時間が持てることからも、今でも購入する珈琲豆はできるだけ原産地をブラジルとしていた。珈琲の何が一番好きかと...
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空港からはタクシーでホテルに向かうことになり、無秩序になんとなく客待ちをしているタクシーの群れの中にいたミニバンの一人とRajさんが交渉し、すぐに皆でそのタクシーに乗り込んだ。丁度ヒンドゥーの大きなお祭りの最中で、多くの人々は田舎に帰っていると説明を受けたように、通りにはシャ...
ルクラ入りした時には、ラメチャップから飛行機に乗っており、そのラメチャップにはカトマンズから車で半日かけて行った。帰りも、あのアップダウンの激しい山道を車で行くのかと思うと気が重かったが、なんとカトマンズまでの便が手配されていた。 体調の思わしくないAmmaのことを思えば、ひ...
Ammaにも相棒にも、予め慰労会のことを告げていたし、二人ともそれが重要な儀式であることを十分に理解してくれていた。微熱が続くAmmaは怠そうではあったが、そこは肝が据わっているし、出番となるとどんな状態であっても周囲の期待を裏切らずに、求められる役割を立派に果たすことに掛け...
ルクラのロッジで、未だ微熱があって寝ている相棒ではあったが、どうしても連絡をしなければならない方たちにメッセージを書いていた。部屋ではwifiが怪しげだったので、食堂に行って確実に送信して欲しいとお願いをされた。 お湯を貰いに行ったり、wifiコードを確認に行ったり、メッセー...
ルクラのロッジは、初めてルクラ入りした時に寄った場所だった。食堂には午後の便を待つトレッカー達で賑わっていて、のんびりとした空気が漂っていた。空港の目と鼻の先なので、飛行機の発着による騒音に悩まされるかと思ったが、二度ほど賑やかになっただけで、その後はひっそり閑としてしまった...
Ammaは時々鼻をかむために、立ち止まらねばならなかった。咳込むこともあった。それでも、弱音の一つ吐くでもなく、黙々と歩き続けた。歩くペースは、普段以上に遅くなったと思う。そうしながらも、Ammaは自分の足で歩くことを続けた。 私はと言えば、Ammaの後ろをのんびりと、これが...
令和六年 新年明けましておめでとうございます 皆皆さまにとりまして、幸せな一年となりますよう、ご祈念申し上げます 本年も引き続きどうぞよろしくお願い致します クッカバラ
Ammaの体調も振るわなかったが、相棒の体調も怪しげだった。二人には、私の病をバトンタッチしてしまったような思いがあったし、一方の私はすこぶる元気になっていた。ルクラまで、無事に歩いて行くためにも、出来る限りのサポートをしたかった。 そこで、荷物を一切背負わないように、私が二...
人にはそれぞれ矜持がある。母は45歳にして大学生3人を抱えた未亡人になるなんて、思いもよらなかっただろうし、しかも、亡くなった旦那の家業を継ぐことになろうとは、考えてもいなかったであろう。 3年間は父の話題を母にすることはご法度だった。母から話題にする分には問題がないが、子供...
パクディンのロッジでは、遅い昼食をAmmaと私のみでとったように記憶している。相棒の調子は、ここでも今一つで、確か早々に寝入ってしまったように思う。ダールバートに舌鼓を打つ私の傍で、Ammaは所謂チャーハンに、溶き卵をさくっと焼いただけのシンプルな卵焼きが定番となっているオム...
部屋に落ち着くと、ごんごんとしたドゥードコシ川の瀬音が耳に入ってきて、ああパクディンに戻って来たのだとの感慨が強くなった。寒空が広がる部屋の外では、もうすぐ日も暮れるであろうのに、男性が洗濯物をしていた。これから干しても乾くのだろうか。 夕暮れ時の凍てつく中、ナムチェのロッジ...
相棒は高熱は下がったものの、本調子ではなかった。まるで私の体調の悪さをバトンタッチして、引き受けてもらったようなものであった。実際のところ、本当にそうなのかもしれない。私がフランスから風邪のウィルスを持ち込んでしまったに違いなかった。 加えて気になったのが、喉がおかしいと言っ...
最初の計画ではタンボチェに行き一泊、その後キャンジュマまで下山し一泊、そしてモンジョに戻り一泊、としていた。それがタンボチェには行かずにナムチェに戻ってきたことから、予定していたロッジの手配を再度しなければなかった。 もちろん全てRajさんが手配してくれるので、我々は状況を教...
ナムチェを早朝の出発の時点では、37度に熱が下がっていた相棒であったが、次の宿泊場所のジョルサレで、夜になると39度5分という信じがたい数字が出てしまっていた。 シャンボチェの丘 で、私に抱きついて、感極まって泣いた時のことが急激に思い出され、どきりとした。まさか。 ひょっと...
冠雪のコンデ山群が見え始めて暫くすると、眼下にナムチェの家並みが見え、ほんの二日前にことなのに、ひどく懐かしく思われた。その日の朝から頭痛はすっかりとなくなっていて、足取りも軽やかに、それこそ飛び跳ねるようにしてカメラのシャッターを切っていた。 行き交うトレッカー達との挨拶も...
シャンボチェの丘を降りてナムチェに戻るのだが、若干距離的には長くなるが、直滑降になってしまう来た時の道を避け、比較的緩やかな道を下って行くとのことだった。実のところ、来た道を戻るのも悪くないとは思っていた。 人というものは、一般に進行方向にある景色を見て歩く。その意味では、通...
一日中寝ていたからだろうか。朝はかっきりと目覚めることができ、Ammaと相棒と一緒に、ご来光とまではいかないが、夜明けの気配が広がりつつある外の世界の扉を開けた。相棒は大切なブルーのクリスタルボールを抱えていて、いかにも彼女が放つ音の粒で朝をもたらすかのように意気込んでいる様...
Ammaと相棒がいつ部屋を出て行って、そして再び戻って来たのか、記憶にない。それでも、「お粥を作ってもらったわよ。」とのAmmaの言葉に驚いたことを覚えている。 Ammaは私が前夜頻繁に下痢でトイレに駆け込んでいたことを知っていた。何か食べないとエネルギーが湧いてこないし、こ...
Ammaと相棒が朝食に部屋を出て行ってから、何となく気配を感じてスリーピングバッグから這い出すと、ダウンを着てカメラを取ってトレッキングシューズを履いた。相棒が私の名前を呼びながら、窓の外を走っている姿が確認できた。 ビスターレ、ビスターレ。ふらつきそうな身体に活を入れ、それ...
リゾートの準備してくれた、自慢のセットメニューとやらをご馳走になろうかと皆で食堂に繰り出していった。Rajさん情報では、ミソスープやら白米が出てくるらしい。そんなの無理にいらないのに、と思うものの、それこそRajさん曰く、「リゾートなので、融通が利きません」とのことだった。 ...
Ammaと相棒が朝食に部屋を出て行ってから、何となく気配を感じてスリーピングバッグから這い出すと、ダウンを着てカメラを取ってトレッキングシューズを履いた。相棒が私の名前を呼びながら、窓の外を走っている姿が確認できた。 ビスターレ、ビスターレ。ふらつきそうな身体に活を入れ、それ...
リゾートの準備してくれた、自慢のセットメニューとやらをご馳走になろうかと皆で食堂に繰り出していった。Rajさん情報では、ミソスープやら白米が出てくるらしい。そんなの無理にいらないのに、と思うものの、それこそRajさん曰く、「リゾートなので、融通が利きません」とのことだった。 ...
これまで、どこのロッジでも夕食の前にRajさんは何を食べるか聞いてくれて、時間も予め設定していた。従い、時間通りに食堂に行けば、すぐに熱々の食事が出てくるようになっていた。朝食も然り。飲み物も含め前日に予め注文を取り、席につけば、すぐに熱々の飲み物を持ってきてくれていた。 こ...
気を取り直し、そろそろ夕日が沈む頃だろうからと、相棒と二人で外に出てみた。どうやら高台があるようで、そこまで歩いて行ってみた。雲が山並みを隠しながらも、時々、峻険な雪肌がちらりと見えるものだから、そのあまりの壮大さに声が出なかった。 我々二人だけだと思っていたが、誰かが高台に...
丘の中腹で地元のおばちゃんからアクセサリーを買ってからのシェルパリゾートへの道は、思った以上に時間がかかった。途中で「標高3 775m地点」と明記された水色の看板があった。そこで記念写真をとでも言うのだろうか。 エベレストシェルパリゾートは目の前まで迫って来ているのに、そこに...
次に目指すは、二泊することになるシャンボチェの丘にあるシェルパリゾートだった。展望台にいた時にRajさんが、ほら、あそこがそうですよ、と教えてくれていた。目と鼻の先のようでいて、実のところ2時間はかかる道のりで、我々はそれ以上の時間を掛けてゆっくりと近づいた。 一度ナムチェの...
ほら、あそこの一番端に見えるのがエベレスト。そして、その隣に聳えるのがローツェ。 ぐんと手前の右端にアマダブラムが存在感を持って白く輝いていた。地球の背骨と言われる、世界最高峰となる8000メートル級の山頂には笠雲が芸術的にふんわりと覆っていた。 Rajさんは感動して泣きます...
ナムチェの村の階段を上り、サガルマータ国立公園の入り口に向かって、ゆっくりと歩いて行った。薬局に寄り道をしたからだろうか。道には人影がまばらで、我々4人だけの世界が続いていた。 前夜ナムチェのロッジで旅装を解いたトレッカー達の多くは、高所順応のためにナムチェで一泊する。そして...
ナムチェを出発しシャンボチェの丘に行く前に、サガルマータ国立公園に寄って行くという。その前に、ナムチェの村の薬局で薬を買いたいと願い出た。カトマンズで買ったアスピリンは、もう二錠しか残っていなかった。 ポーターさんが道案内をしてくれるというので、相棒と二人で、未だ朝早いナムチ...
高山病に関して、多くの医療機関や厚生労働省が特徴についてとりまとめている。 高山病は標高2,000 m以上の高所で低酸素によって生じる身体症状の総称で、「山酔い」とも呼ばれ1~2日で軽快する軽症の病態から、「高地肺水腫・脳浮腫」や「急性低酸素症」のように早急に治療を必要とする...
標高2800メートルとなるジョルサレでランチ休憩となった。テラスに腰を下ろすと、太陽がぽかぽかと背中を温めてくれて気持ちが良かった。ビスターレ、ビスターレ、ゆっくり、焦らず、マイペースで、とRajさんが呪文のように唱えてくれるので、疲れを感じることもなく問題なくたどり着いたと...
トレッカー達の朝は早い。山では午後から天候が崩れることも多く、また、出来るだけ早いうちに出発し、早めの時間帯に目的地に到着し、宿を確保しようとの思惑も背景にある。しかも、エベレスト街道は一つだけであり、主要な場所では皆が同じ道を通る。従い、出発時は賑やかな混雑状態になるのが常...
今回のトレッキングルートの中で、最初の山が距離的に8キロ程度となるパクディンからナムチェへ到る道だった。出発地点のパクディンは標高が2 610 m程度だが、到着地点のナムチェは標高が3 440 mとなる。しかも、2本の吊り橋で有名な「ヒラリーブリッジ」を過ぎてからナムチェまで...
パクディン自体が川に沿って出来た集落なのだろう。ロッジは村の奥の高台にあり、崖下にはヒマラヤの氷河を源流とした、鉱物を多く含み乳白色をしたドゥードコシ川が音を立てて流れていた。スイスのマッターホルンの麓に流れる川と同じ色をしていて、なんだか懐かしく思われた。 Rajさんがパク...
ルクラのロッジ。これからエベレスト街道にて、カラパタールやゴーキョピークなどそれぞれの目的地に向かってトレッキングを開始する前に立ち寄った人々でごった返していた。前回は悪天候で飛行機が飛ばず、このロッジに4泊したとはRajさんの言。 ロッジの多くは、大きな食堂の窓際に沿っ...
世界一危険な空港としてその名を馳せるルクラだが、確かに滑走路は驚く程短く、着陸時にはジェットコースターに乗っている様な気分で、気が付くと目の前に座っている相棒の座席にしがみついていた。 もともとジェットコースターの類は子供の頃から苦手だった。ところが、相棒ときたら遊園地が大好き、...
ラメチャップの空港は、お宿から目と鼻の先だった。未だ暗い中、空港に近付くとトレッカー達が賑わっていて、ペルーのマチュピチュ行きの電車に乗る駅を思い起こさせた。と、中型車が柔らかなクラクションを鳴らし、すっと隣に寄って来た。Rajさんが何か話している。運転手がにこやかに手を振るもの...
そんなに急いで行っても、ラメチャップには何も見るものがないですよ、とは旅行会社のオーナーのラクスマンさんの言葉だった。確かに、ラメチャップと言う村は車が通る道が一本あるだけの、小さな村だった。恐らくルクラに向かうトレッカー達にとって、日程と予算のしがらみで、ラメチャップは空港...
カトマンズからラメチャップへの道は、前半は比較的平坦な道だったが、後半になるとアップダウンが激しく、時に山を駆け上がり、時に駆け降りる、スピンのきついカーブあり、と、ジェットコースター並みだった。これが夜中の運転だったら、どんなに恐ろしいことだろうと思い、日中に出掛けることに...
エベレスト街道の出発点ルクラは、ネパール北東部のサガルマータ県にある小さな町で、走行距離がこの上なく短い滑走路が一つだけある空港を有していた。この「サガルマータ」という名称こそ、ネパール語で「エベレスト」を指すのであった。 天候さえ許すのであれば、カトマンズとルクラ間では毎日飛行...