小説を披露するブログ。かわいらしさと鋭さを兼ねそろえた小説を書きたいです!
アドバイス、感想お待ちしています! もちろん、褒めてほしいだけじゃなくって、誤字脱字の指摘でも、なんでも受け付けます!!
「赤人…さん?」縁が振り返ると赤人の顔があった。だが、声は赤人の声ではなかったような…そんなことを縁が考えた瞬間、手首と足首を結束バンドで縛られ、ひょいっと身…
「苦しくも 降り来る雨か神の崎 狭野の渡りに家もあらなくに」(巻3、265)縁が志貴を探そうと外に出ると雨が降っていた。さっきまで晴れていた空は嘘のように暗く…
「志貴を連れて行くなんて絶対無理だよ。あいつ、逃げるもん」赤人は旅人に抗議する。「そこをなんとか」「無茶言うなよ。もういっそ、兄貴が家持さん連れて志貴のところ…
「万代に照るべき月も雲隠り苦しきものぞ逢はむと思へど」家持は窓の前に立ち呟くように言った。そこからは月も星も見えず、ただ黒い空が見えるだけ。《いついつまでも照…
前回のお話はこちら→☆志貴が出ていくと部屋は急に静まり返った。母の日記帳を見つめながら、縁は志貴を追い出したことを後悔していた。母の不倫のこと、離婚のこと。こ…
「み、見ないで下さい!」縁は急いで日記を閉じた。「えー、いいじゃん、見せてよ」「嫌です!」志貴の軽い言葉に、縁は日記を元の場所に戻す。小さく舌打ちする志貴と、…
縁はこれまで、志貴の言うような考え方をしたことはなかった。(お母さんは私に優しい言葉をかけてくれることなんてなかったし。お兄ちゃんだって、私から連絡をするまで…
「ふーん」志貴のあっさりとした返答に、縁は戸惑い立ち止まった。「それはかわいそうに…」志貴はすぐに悲しげに言い直した。けど、縁はまだ戸惑った顔をしたまま。志貴…
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