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コトバの試し斬り=(どうぶつ番外物語) https://blog.goo.ne.jp/s1504

斬新な切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設17年目に入りました。

自然と共生しながら、生きてきました。 ここでは4,000字(原稿用紙10枚)程度の短い作品を発表します。 <超短編シリーズ>として、発表中のものもありますが、むかし詩を書いていたこともあり、コトバに対する思い入れは人一倍つよいとおもいます。

正宗の妖刀
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2010/09/26

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  • 芭蕉の名句㉜ 『曙はまだ紫に・・』

    「曙はまだ紫にほととぎす」「曙」は言うまでもなく、清少納言の『枕草子』の「春は曙。やうやう白くなりゆく山ぎは少しあかりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。‥を下敷きにしている。曙はまだむらさきにほとゝぎす(真蹟)(あけぼのはまだむらさきにほととぎす)元禄3年(1690)。芭蕉47歳。前書きに、「勢田に泊まりて、暁、石山寺に詣。・・とあるように、やはり芭蕉は近江にも縁が深い。前に「石山の石より白し秋の風」を取り上げた際にも触れたが、奥の細道以前の小紀行文にも優れた句が載せられている。あらためて伊賀時代からの学識の厚みに敬服する。47歳で病没する最晩年の句業「奥の細道」がいかに過酷な行脚だったか、胸が痛む。芭蕉の名句㉜『曙はまだ紫に・・』

  • 俳句川柳 20 『コメがない』

    〇コメがない張り紙貼って店閉じる〈大阪のコメ販売店〉〇江藤農相「コメ買ったことない」で辞任する〈正直な人だ〉〇次期農相進次郎さん就任で失言待ち?〈コメ見たことない・・とでも〉〇備蓄米政府と農協で高値維持〈古米を高く売りさばき新米を高値で買い付ける=政府もJAもホクホク〉〇5キロ袋を買えずに2キロ選ぶ人〈庶民の生活苦は深刻だ〉俳句川柳20『コメがない』

  • 芭蕉の名句㉛ 『湯殿にぬらす袂かな』

    「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」出羽三山の一つ湯殿山には、そこでの修行〈体験〉を他人に漏らしてはいけないという決まりがある。修験者にとっては掟と言ってもいい。芭蕉の句の「語られぬ」は「湯殿山のことは」の意味で「ぬらす袂かな」は修行の有難さに感激して涙で袂を濡らすほどだと詠んでいる。芭蕉が実際にどんな体験をしたのかは知る由もないが、ここで作った句は俳諧師松尾芭蕉の得意とする言葉遊びも若干顔を覗かせている。別の解説を見ると、湯殿山は女人禁制で「恋の山」という別名があるそうだ。また、湯殿山でのことは昔から「語るなかれ、聞くなかれ」とされており、この俳句が収められている「おくのほそ道」の文章の中にも、「惣而此山中、微細(総じてこの山の中の微細)、行者の法式として他言する事を禁ず。」という部分があるらしい芭蕉の名句㉛『湯殿にぬらす袂かな』

  • 紙上大喜利89『じじいの時事ばなし』

    〇「五月場所も中日を過ぎて大の里が全勝で突っ走ってるな」「強いし安定してますね」〇「15日間白星を並べて横綱昇進に花を添えてほしいな」「白鵬みたいに何回でも全勝優勝できそうな逸材ですからね」〇「その白鵬に近々引退のうわさが流れているのを知っているか」「親方になって相撲解説などで活躍してましたが弟子の暴力事件を黙認していた責任を問われてミソを付けましたね」〇「弟子の伯桜鵬が必死に頑張っているみたいで痛々しい」「親がなくとも子は育つんじゃないですか」〇「青い目の力士が強くなって早晩上へあがってきそうだ」「琴欧州みたいな大関が誕生してほしいですね」紙上大喜利89『じじいの時事ばなし』

  • ポエム410 『あの親子』

    最近、佐藤浩市の顔を頻繁に見る「ファミリー・ヒストリー」にも登場したから何ごと?と思っていたら映画で吉永小百合の夫役を演じたのが話題になっているらしい父親の三国廉太郎も吉永小百合と共演しているから親子二代の縁とは珍しい父親は「釣りバカ日誌」のマドンナ吉永と佐藤浩市はエベレスト女性初登頂の田部井順子モデルの夫役佐藤浩市も渋い演技〈田部〉役で存在感を出しているが80歳の吉永小百合の妻役〈登山家〉にはビックリだ映画の完成報告会見だそうだから十何回忌の三国廉太郎も「てっぺんの向こうあなたがいる」を喜んでいるだろうポエム410『あの親子』

  • 紙上大喜利88 『じじいの時事ばなし』

    〇「大相撲五月場所も3日目が終わっておおむね期待通りの成績だな」「大の里の綱取りはほぼ固いんじゃないですか」〇「もう一人の横綱も負けて優勝が見えてきたな」「ご隠居、大の里はまだ横綱じゃないですからね」〇「おまえが固いというからついその気になった」「それにしても王鵬は絶好調ですね、豊昇龍を破って自分も大関を目指してますよ」〇「三役復帰した高安は負け先行だな」「先場所の優勝決定戦に負けてガックリしているんでしょうね」〇「尊富士は3連勝で力通りの相撲を取っている」「精悍で気持ちのいい力士ですよね」〇「心配なのは琴櫻だ、なにが原因なんだ」「先場所やっとカド番を脱したばかりなのにまたカド番もあり得ますね」紙上大喜利88『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句㉚ 『象潟や・・ねぶの花』

    「象潟や雨に西施がねぶの花」象潟に義母の親せきがあるので結婚当初はよく遊びに行った。鳥海山もいいが、親せきが夏には海の家を経営していたので口に余るほどの岩ガキをごちそうになって思い出になっている。さて、この句は「奥の細道」の中でもよく知られた一句である。雨降る象潟で花びらを閉じた合歓の花を見かけたのだろう。「まるでまつ毛を閉じた西施の横顔を見るようだ。憂いに沈んだ表情が胸を打つ。・・」と漢籍にも強い芭蕉が思ったのかどうか。西施は歴史上中国の古代四大美女として楊貴妃らとともに登場した。生没年は不明だが、呉の時代に陰謀を託されて王に献上された美女の一人として古来から人気が高い。芭蕉の俳句も西施の印象を決定づけたのかもしれないが。参考=〈ウィキぺディアより〉本名は施夷光。中国では西子ともいう。紀元前5世紀、春秋...芭蕉の名句㉚『象潟や・・ねぶの花』

  • 俳句川柳 23

    〇走るのも地獄降りても税地獄〈ゴールデン・ウィーク〉〇梅雨寒とともに自動車税期限〈6/2〉〇お土産ははしか?近場の渡航客〇トランプの関税破綻も友〈英国〉ありて〇寝ていても太刀筋きわめホームラン〈早くも11号〉俳句川柳23

  • 芭蕉の名句㉙ 『

    「木啄も庵は破らず夏木立」この句は、芭蕉が自身の禅の師匠が住んでいたという庵を訪ねた時に詠まれた句です。すぐに壊れてしまうだろう庵が未だに残っていたことに感動してこの句を柱に掛けたと言われています。〈俳句仙人〉芭蕉という人は和歌のみならず禅も学んでいたのかと驚いた。江戸初期の元禄時代といえば各種文化の爛熟期として知られているが、時に幕府の手が入るほど風紀の乱れた時期にもあたる。しかし、芭蕉の知識欲はとどまることを知らず高みを目指す。浅薄な現代人〈失礼〉の真似のできない資質ではないだろうか。蛇足なが今の表記では啄木鳥〈キツツキ〉だが木啄の方が簡略でいい。わざわざ「鳥」と付け加えるおせっかいは、文部省の発案だろうか。芭蕉の名句㉙『

  • 新企画『ととのいました』 33

    〇「大相撲夏場所」とかけて「自動車税」とときますそのこころは「どちらもゴールデン・ウィーク明け」にやってきます新企画『ととのいました』33

  • ポエム409 『ナナフシ』

    ナナフシは小枝に擬態する枯れ枝に似ているやつもいるが緑の葉っぱを見せてごまかす知恵者もいる日本だけで18種類世界では約2500種森や雑木林にひそんでいる室内でペット代わりに飼育する者もいるお~いちょっと手を貸してくれ人間が頼んでもいうことを聞かないそれでも物をつかむように手を動かすのだ昆虫の世界でいちばん身長の高い虫昆虫の中でいちばん体重の重い虫それは大ナナフシだと言われている蜂や蝉の生態も面白いがナナフシには不思議がいっぱいナナフシもどきも入れれば世界は謎だらけポエム409『ナナフシ』

  • 新企画 『ととのいました』 32

    〇「元相方・木曽山中について」「お客さん、本気?木枯らし紋次郎とときます」〈ねづっち〉そのこころは「あっしにはかかわりのないことで・・」新企画『ととのいました』32

  • 俳句川柳 22 『その後・・』

    〇M・斎藤パワハラ謝罪も辞める気なし〈失職も選挙違反も知事再選は伝家の宝刀〉〇行政を腑分けするほど力なし〈地検特捜部ならいざしらず司法は静観〉〇今日選挙〈市議会議員選挙鵜〉ひらがな表記の工夫もなし〈難しい漢字のまま登録〉〇眠い目をこすり翔平子育てルーキー〈貴美子夫人と奮闘中〉〇しばらくは打率低迷オオタニ流〈じっと待ってるよ〉俳句川柳22『その後・・』

  • 芭蕉の名句㉘ 『やがて悲しき鵜舟かな』

    「おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」この句は、感情の起伏を詠みこんだ芭蕉らしい名句でぁる。俳句仙人さんの解説によれば、「鵜飼」という謡曲や古典的な和歌を下敷きにしているのだという。しかし、鵜飼の最中の鵜匠と鵜の仕草は説明抜きに面白く、終わった後の寂しはまた説明抜きにこみ上げてくる。解説を必要としないほど完成された名句とされる所以であろう。蛇足ながら、感情の起伏〈対比〉を色鮮やかに示す作法は他のつけ入る隙もない。長良川の下流で繰り広げられる夏の最高級イベントは、現在でも多くの観光客を魅了する。篝火〈かがり火〉が持つ象徴性はいつまでも陰影を伴って思い出を紡ぎ続ける。芭蕉の名句㉘『やがて悲しき鵜舟かな』

  • 人生幕引き顛末記『廃車にまつわる落とし穴』〈3〉

    廃車手続き代行などハナからやる気もなく、クルマだけ持ち去った「カー・ネクスト」の悪質ぶりは後から評判を見てわかったが後の祭り・・。陸運支局のナビダイアルに再び電話すると、正午近くになってやっとつながった。「アドバイス通り強く言ってナンバープレートは取り戻しました」と告げると「あとは自分で廃車手続きをするしかないですね」僕の出発駅から陸運支局の最寄り駅までの交通経路を教えてもらって駆け付けた。最寄り駅からはタクシーで午後3時ごろに陸運酢局に滑り込み、受付窓口で区切りの多い書類を書くように言われたが目が悪いので無理だというと代書をする行政書士事務所を教えてくれた。近くに数軒の行政書士事務所があり、そうちの1軒の事務所に飛び込んで所定の代書代を払って書類を作り、それを持って再び陸運支局へ。ナンバープレート、印鑑...人生幕引き顛末記『廃車にまつわる落とし穴』〈3〉

  • 人生幕引き顛末記『廃車にまつわる落とし穴』〈2〉

    女性ドライバーはさっそく助手席に書類を広げて印鑑を持っているかと僕に聞く。僕が持参のカバンから三文判を取り出して「朱肉はありますか」と問うと、「あ、サインでいいです」とハンコを押し戻す。僕は印鑑を押す行為よりは軽い気持ちで示された欄にサインをした。〈後から思うと古い先入観にとらわれていた〉女性ドライバーは嬉しそうに書類を引き取り、ボードの上で定規を当てて左半分の複写部分を破いて僕に渡してよこした。「私のサインです」苗字だけのサインだったが、僕にサインをさせた対象行為に思えて妙に納得してしまった。ダッシュボードに車検証や整備記録があるから点検するように促したが見もしない。「オドメーターも電話の通り6万キロ以下です」エンジンをかけて内燃関係も点検させようとした。さらに女性ドライバーを運転席に乗り込ませ、数メー...人生幕引き顛末記『廃車にまつわる落とし穴』〈2〉

  • 人生幕引き顛末記『廃車にまつわる落とし穴』〈1〉

    2025年4月某日とうとう85回目の誕生日を迎えた。サプリメントの力を借りながらだが、認知機能はいたって健全と思い込んでいたら、視聴覚機能同様にいささかお粗末な経験をしてしまった。琴の始まりは自家用車の廃車を考え始めてどこに頼んだらいいのだろうと検索したところから・・。いきなり豪勢なホームページが現れて、手続きその他すべてをその会社〈カー・ネクスト〉がやってくれて、おまけに事故車でもなにがしかで買い取ると宣伝文句が並んでいる。こちとらの自動車は大事故など起こさぬうちに廃車にしようという考えだから、走行距離は6万キロ未満で日々の買い物には欠かせない足だった。それでも前回やっと自動車運転免許証の視力検査をパスした苦労を思い出し、次の高齢者認知機能検査や試験場まで行っての実地技能検査が煩わしくなって廃車を思い立...人生幕引き顛末記『廃車にまつわる落とし穴』〈1〉

  • 芭蕉の名句㉗ 『笠島はいづこ』

    「笠島はいづこ五月のぬかり道」笠島にあるという藤原実方の墓を訪ねて五月雨の中を歩いた際の句。実方は藤原行政との口論がもとで奥州に左遷された歌人。墓には後に西行によって「朽ちもせぬその名ばかりをとどめおきて枯野のすすきかたみにぞみる」と詠まれたかたみの薄がある。芭蕉としてはそこをぜひとも訪れたかったのだろう。ところで笠島は宮城県名取市愛島笠島というところに位置する。奥の細道のはじめの方で、芭蕉は心の師である西行の足跡をひたすら追っている。芭蕉庵を出発する前から予定の行程であった。芭蕉の業績は優れたものだが、先人の後を追う姿にはほほえましさを感じる。だからこそ旅を進める中で門人と歌仙を巻くうちに〈発句〉のみが生き残っていった過程に俳句誕生の妙を見るのである。西行の和歌と芭蕉の俳句は質が違う。わび・さび・しおり...芭蕉の名句㉗『笠島はいづこ』

  • 面白駅名『横浜線』

    所用で横浜線に乗る機会があっった。JR横浜駅から東神奈川というまっとうすぎる名前の駅で乗り換え、そこからが横浜線だ。まず大口という駅があって「へえ~」。そのうち出てきたのがネタになった駅。「先輩、次はどこですか」「きくな」「そんな、教えてくれたっていいじゃないですか」「だから、菊名だ」用向きがうまくいくかどうか気になる中で、しょうもないことを考えてしまう僕でした。面白駅名『横浜線』

  • 俳句川柳 21 『相互関税』

    〇トランプが仕掛けりゃ習〈近平〉もすぐ応ず〇トランプさんそのやり方はいかんぜ〈関税〉よ〇株価下落短気〈短期〉な人はすぐ投げる〇長期投資騒ぐな金持ち喧嘩せず〇トランプがババ掴む日はもうそこ〈底〉だ俳句川柳21『相互関税』

  • 芭蕉の名句㉖ 『夏〈げ〉の初〈はじめ〉』

    「暫時は滝に籠りし夏の初」この句は日光を訪れた芭蕉が[裏見の滝」で詠んだ。江戸時代後期の浮世絵師渓斎英泉(1791-1848)による日光山名所浮世絵"日光山名所之内裏見ヶ滝"というのがあるらしいが江戸時前期の松尾芭蕉(寛永21年-元禄7年(1694年〉とは時代が重ならない。裏見ヶ滝は松尾芭蕉も句を詠んだ日光三名瀑のうちの一つで、滝の裏にある洞窟にしばらく籠っていると涼しいというより修行僧になった気分だ・・というところか。なかなか夏〈げ〉の初〈はじめ〉とは読めなくて引っかかったので無学をさらすことにした。NHK大河ドラマの登場人物・蔦屋重三郎も手掛けたかもしれない浮世絵師・英泉の作がきっかけになっていないのは残念だが、日光の名瀑へはいろいろの人が訪れていて芭蕉もその一人だ。歌枕の一つと理解してこの句を鑑賞し...芭蕉の名句㉖『夏〈げ〉の初〈はじめ〉』

  • ポエム408 『スイセンがにょきにょき』

    春になった庭の片隅でスイセンが一塊になって勢いよく葉を伸ばしているマルチシートをかいくぐって槍のように葉先を伸ばすたくましい奴らだ俵星玄蕃も顔負けだテレビでもブログでも桜の名所は賑わって今年の春も健在だだけど庭のスイセンは特別だ生命力チャンピオンと言ってもいいこんな奴らに見守られてこんな奴らに励まされて・・なんという春なんだスイセン〈画像は季節の花300〉よりポエム408『スイセンがにょきにょき』

  • 新企画 『ととのいました』 31

    〇「銚子電鉄」とかけて「三色ボールペン」とときますそのこころは「どちらも赤字を黒字」にするでしょう〇「株価」とかけて「飛行機」とときますそのこころは「どちらも乱気流に突っ込むと激しく上下動」するでしょう〇「四股名」とかけて「銘酒の銘柄」とときますそのこころは「どちらにも海や川が付く」でしょう〇「イセエビ」とかけて「偽学生」とときますそのこころは「どちらも天ぷらに関係がある」でしょう〈昔は正規の大学生でありながら他の大学の聴講をするのが大目に見られていた〉〇「イーロン・マスク」とかけて「コロナ終焉」とときますそのこころは「マスクを外す時期が来た」〈トランプ発言〉新企画『ととのいました』31

  • b賞の名句㉕ 『一夜はやどせ山のいぬ』

    「萩原や一夜はやどせ山のいぬ」芭蕉は旅の途中で萩の枝の下に潜り込むようにして野宿したのだろう。紙子〈紙でできた防寒具〉を頼りに蓑などの寝具にくるまり萩ごしの月を眺めていた気がする。「草臥れて宿かるころや藤の花」の句もそうだが野宿はしょっちゅうだったんだなあと老体へのダメージを考えてしまう。ところでこの句の注目点は「山のいぬ〈犬〉」ではないだろうか。今は絶滅したとされる日本狼だが、芭蕉の時代には山犬〈野犬〉のような動物として獰猛ではあるが人間には身近な存在だったのだろう。アメリカの西部劇では焚火で暖を取りながら寝るカウボーイを遠巻きにして吠えるコヨーテの声を連想してしまう。芭蕉の静謐な世界と比べ思わず笑みが浮かぶ。日米のパフォーマンスの差が歴然ではないか。コヨーテを黙らせた大谷翔平の貢献度はどれほどのものか...b賞の名句㉕『一夜はやどせ山のいぬ』

  • 替え歌 『センバツV・横浜高校』

    街の灯りがとてもきれいね〈昼の光がとてもきれいね〉ヨコハマブルー・ライト・ヨコハマ〈ヨコハマホワイト・ライト・ヨコハマ〉あなたと二人幸せよ〈選手もファンも幸せよ〉いつものように愛のことばを〈いつものようにVのサインを〉ヨコハマブルー・ライト・ヨコハマ〈ヨコハマ昼の光を・ヨコハマ〉私にくださいあなたから〈私にください市民にも〉歩いても歩いても〈歩かせても打たれても〉小舟のようにわたしはゆれて〈ベイエリアのようにこころはゆれて〉ゆれてあなたの腕の中〈ゆれて選手の腕の中〉足音だけがついて来るのよ〈歓声だけがついて来るのよ〉ヨコハマブルー・ライト・ヨコハマ〈ヨコハマ投打にクレバー・ヨコハマ〉やさしいくちづけもういちど〈うれしいⅤサインもういちど〉<19年ぶり4回目の優勝>替え歌『センバツV・横浜高校』

  • ポエム407 『おいらんそう』

    女郎があるなら花魁もと思ったらなんと花魁草があった北アメリカ原産の多年草だそうだ色とりどりの花を咲かせ花魁の衣装そのものだ春の吉原しゃなりしゃなりと高下駄履いて練り歩くおっとごめんよ女郎花あなたを見ながらうつらうつらの白日夢下司な男を許してくんなましおいらんそう画像は〈季節の花300〉よりポエム407『おいらんそう』

  • 芭蕉の名句㉔ 『小袖も今や土用干し』

    「無き人の小袖も今や土用干し」芭蕉は史上もっとも有名な刀工を念頭にこの句を詠んだ。村正〈むらまさ、初代の生年は文亀元年(1501年)以前)、通称千子村正(せんごむらまさ)は、現在の三重県桑名市で活躍した。千子派は六代以上あり、中でも右衛門尉村正(文亀・永生頃(1501–1521年頃)に活躍)と藤原朝臣村正(大永・天文頃(1521-1555年頃)に活躍)が最大の名工だが、名跡そのものは少なくとも寛文8年(1668年)[まで存続した。歌人の西行に心酔するばかりでなく、切れ味鋭い戦の武器製作の刀工にも思いが及んでいる。芭蕉の時代にはまだ美術品として扱う意識はなくあくまでも武器としての刀で。戦は日常の一端だったのかもしれない。ちなみに小袖は刀工も作業用の衣類として着用した〈当時〉ことから連想し、〈今は〉虫干しの時...芭蕉の名句㉔『小袖も今や土用干し』

  • 新企画『ととのいました』30

    〇「専業主婦」とかけまして「消防署員」とときますそのこころは「どちらも家事〈火事〉が主な仕事」でしょう〇「引っ越し先が決まった後の本棚の本」とかけまして「腹回りがきつくなった礼服」とときますそのこころは「捨てるに捨てられません」〇「オペラ」とかけまして「ワイン酒場」とときますそのこころは「どちらもグラス」が必要でしょう〇「アシスト自転車」とかけまして「野球のポジション」とときますそのこころは「どちらもバッテリーが重要」でしょう〇「アユ解禁」とかけまして「満員電車」ときますそのこころは「どちらも釣り〈吊り〉川〈革〉に目が行く」でしょう新企画『ととのいました』30

  • 俳句川柳20

    〇高安はトップに立つとすぐ負ける〈昨日は美ノ海にしてやられた〉〇春彼岸暑さ寒さも高安天気〇ちょっと待って大の里が言ったわけじゃなし〈プレイバック、プレイバック〉〇千秋楽に誰が笑うか3敗ふたり〈大の里・高安〉〇琴櫻昨日も負けたりギリチョンパ〈カド番は脱しているが〉俳句川柳20

  • 芭蕉の名句㉓ 『青葉若葉』

    「あらたふと青葉若葉の日の光」芭蕉が旅の途中で目にした日光の山々は、初夏のみずみずしい青葉若葉で覆われていたのだろう。奥の細道の初めのころの作で目に映る風景が日の光を受けて輝いていた。もちろん掛詞ではあるが、そうした常套句を陳腐かさせないのが「あらたふと」と敬虔な思いを隠さない芭蕉の率直さであろう。蕉風の基本に数えられる<わび・さび・しおり・ほそみ>などが、旺盛な若葉の生命力のうちから暗喩されている。ものが枯れる前から蕉風を感じてしまうのは、あるいは思い込みかもしれないが芭蕉の影響力と言っても過言ではないだろう。本格的な夏の暑さにさらされる前の初夏を季語とする代表的な名句が日光で詠まれたことは、後世のわれわれにとっても「あらたふと」〈尊い〉ではないだろうか。近代俳句の提唱者・正岡子規の作「柿くへば鐘が鳴る...芭蕉の名句㉓『青葉若葉』

  • 紙上大喜利87 『じじいの時事ばなし』

    〇「おい、高安が大の里に勝って優勝戦線のトップに立ったぞ」「豊昇龍、琴櫻、大の里と3大関を下しての9勝1敗ですから本物ですね」〇「このままいけば悲願の初優勝もありそうだ」「今日の霧島戦がカギですね。突いたり引いたりバランスを崩すのがうまいから土俵際に気を付けないと・・」〇「高安の優勝パレードを見たいなあ。ああ神様、これまでの悲運を全部吹き払ってください」「何度涙を飲んだか、辛すぎましたからね」〇「大の里はまだ甘い、はたきこみで勝とうとする悪い癖がつい出たんだな」「自分でも苦笑いしてましたね」〇「二所ノ関親方〈稀勢の里〉は愛弟子の大の里にも勝たせたいし代貸の高安にも勝たせたいし悩みは深いな」「強い方が勝つ。達観してますよ」〇「高安優勝なら土浦の街は大盛り上がりするんだがな・・」「まだ5日間も残っていますから...紙上大喜利87『じじいの時事ばなし』

  • 記憶に残る掌編小説『桜の樹の下には・・』

    梶井基次郎という作家をご存じだろうか。代表作『檸檬』と書けば思い出していただけると思う。表題作「桜の樹の下には死体が埋まっている」は、その『檸檬』という小説集の中の一編である。梶井基次郎(かじいもとじろう、1901年〈明治34年〉生まれ、1932年〈昭和7年没。20篇余りの小品を残し、文壇に認められてまもなく、31歳の若さで肺結核で亡くなった。感覚的なものと知的なものが融合した簡潔な描写と詩情豊かな文体で死後次第に評価が高まり、今日では近代日本文学の古典のような位置を占めている。日本の自然主義や私小説の影響をうけながらも、詩人的な感覚の作品が多い。梶井基次郎は明治・大正・昭和の名だたる小説家や批評家から、その魅力を語られ賞讃されている。檸檬や「桜の樹の下には死体が埋まっている」は青空文庫で無料で読めるので...記憶に残る掌編小説『桜の樹の下には・・』

  • 芭蕉の名句㉒ 『しばらくは花の上なる・・』

    「しばらくは花の上なる月夜かな」関東地方は3月下旬にはサクラの開花予報が出ている。高めの気温が続けば4月を待たずに満開になる。千鳥ヶ淵や北の丸公園は例年花見の客でごった返す。芭蕉の目の前にはサクラだけがある。今を盛りと咲き誇る桜の花を上空から月が照らしている。季節的にまだ寒さを感じる夜更け、月光を受けて満開の櫻花が輝いている。見る者は芭蕉ただ一人。ワビ-サビの極致である。桜花が輝いているのは月が上空にある間だけ。ほんのしばらくの間は我が世の春だが、やがて月が傾けば輝きも失われる。〈人生の栄華もつかの間のことでいずれ凋落する〉・・芭蕉がそんな感慨を抱いたとは思えないが自然が織りなす風景は人の心をおのずから無常観に導く。日本人なら誰もが感じるであろうワビ-サビの文化である。芭蕉の名句㉒『しばらくは花の上なる・・』

  • 当世呆れ節 17 『備蓄米入札開始』

    〇備蓄米の入札結果はどうなったアーソレソレコメ高騰を抑える決め手と期待を集めたがソレカラドーシタ集荷業者が高値落札を厭わずに入札したので何も変わらない〇備蓄米が出ても店頭〈スーパーなど〉価格は微動もしないアーソレソレ3,900円台の高値どまりのままだソレカラドーシタ泣きを見るのは消費者ばかり〇放出備蓄米には「備蓄米」の表示をしないらしいアーヤレヤレ低温保管で品質劣化がないとの見解だソレカラドーシタ古米・古古米じゃないかと不満を言うやつにゃこまいこというなと突き放す〇農家の方でもせっかく上がった売り渡し価格を維持したいアーソレソレ農機具〈トラクター1,500万円など支払いに追われている〉と理由付けソレカラドーシタ得をするのはコメ供給側だけ当世呆れ節17『備蓄米入札開始』

  • 紙上大喜利86 『じじいの時事ばなし』

    〇「寒い寒いと引きこもっていたらいつの間にか春場所が始まってたな」「へえ、ご隠居も引きこもりするんですか」〇「力士たちはこの寒空にみんな裸で頑張ってる」「裸が商売ですから」〇「豊昇龍は初日から突き出されて牡丹餅横綱のメッキがはがれた」「阿炎の突き押しは威力がありましたね」〇「大の里は連勝、琴櫻は初日に負けてズルズルかと思ったらなんとか踏みとどまった」「今場所はカド番ですから悲壮感がありますね」〇「霧島が小結まで落ちてたとは知らなんだ」「元大関はなかなか再浮上できませんから辛い位置ですね」〇「尊富士は順調だし、高安は下位力士の壁となって本領発揮だな」「ご贔屓力士にも注目ですね」紙上大喜利86『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句㉑ 『岩にしみいる蝉の声』

    「閑さや岩にしみいる蝉の声」この句もよく知られている。奥の細道の中でもトッップ10に数えられる名作だ。若いころ山寺を訪れたことがあるが、岩と樹木で覆われた急な階段を登りつめると遥か下方に今降りたローカル線の駅が見えた。芭蕉が登ったころは階段途中の出店もなかっただろうから、一歩一歩足元を確かめながら登ったのであろう。昇りつめてふと気が付くと全山が蝉の声で揺れるほどだ。それにしても「閑〈しずか〉さや」と言い「岩にしみいる」と受ける表現は芭蕉ならではのものだ。たぶんアブラゼミ〈油蝉〉の大合唱を聞いたのであろうが、全身で感じた音響を岩に吸収させたのちの静かさを<切れ字>で強調している。昔から蝉の種類を特定〈芭蕉が山寺を訪れた季節から推理〉しようとする方も多いが、ぼくは自分の感覚で油蝉と書いた。縁側で昼寝しながら聞...芭蕉の名句㉑『岩にしみいる蝉の声』

  • ポエム406 『仏の座』

    仏の座がやんわり葉を広げる季節になったこの葉っぱに誰が座るんだろう親鸞や日蓮のような布教者だろうかそれとも昨日まで身近にいた家族や友達だろうか〈画像はウィキぺディア〉よりポエム406『仏の座』

  • 俳句川柳 19 『生きていた「森友学園」事件』

    〇森友学園とつじょ闇から浮上する〈モリカケ論争はあの首相の時だった〉〇赤木さん〈近畿財務局〉告発文書開示なる〈大阪高裁により国が敗訴〉〇隠蔽は隠してもペイしないという言葉〈閻魔さん〉〇赤木さん奥さん無念の日々覆り〈やすらう日は来るか〉俳句川柳19『生きていた「森友学園」事件』

  • 芭蕉の名句⑳ 『雲雀より空にやすらふ』

    「雲雀より空にやすらふ峠かな」(ひばりよりそらにやすろうとうげかな)引用した解説によれば、<意味>は峠の風に吹かれていると、下の方から雲雀の鳴く声が聞こえて来た。なんと雲雀より高いところで休息しているのだなあ。雲雀は雀よりやや大きく褐色の地味な色をしているが、鳴き声が良く、高空をさえずりながら飛ぶ。雲雀が鳴く高いところより上で休息しているので、臍〈ほぞ〉峠からの眺望の素晴らしさが暗示されている。その眺望を目の前にした時の愉快な気持ちが「やすらふ」という言い方になっている。峠の頂上まで歩いて来たという旅の心地よい達成感や疲労感まで詠んだ句である。〈注〉臍(ほぞ)峠=奈良県桜井市と吉野郡吉野町との境にある峠。標高467m。上下とも急峻な坂である。ぼくは若い時に桜井市や吉野町の史跡も含め多くの場所を訪ねて出歩い...芭蕉の名句⑳『雲雀より空にやすらふ』

  • 新企画『ととのいました』29

    〇「安売りのポテトチップス」とかけまして「大相撲の懸賞金」とときますそのこころはどちらも「ゴッツァン」です〇「将棋の内藤国夫」とかけまして「にっぽん昔話」とときますそのこころはどちらにも「おゆき〈雪〉という女」が出てきます〇「フキノトウ」とかけまして「時代劇のワキ役」とときますそのこころはどちらも苦みが受けます〇「めじろ」とかけまして「蔦屋重三郎〈NHKドラマ〉での人物」とときますそのこころは読み本〈黄表紙〉に客がいっぱいでどちらも「目白押し」でしょう〇「大谷翔平」とかけまして「ヒロシです」㋨芸人とときますそのこころはどちらも「キャンプに注目」でしょう新企画『ととのいました』29

  • 俳句川柳 18 『ああ、ウクライナ』

    〇レアメタル採掘拒否もすぐ折れた〈ゼレンスキー大統領〇軍事費のねこばばバレて帳消しか〈バイデン米大統領時代の旧悪〉〇トランプはすかさず付けこみ味方顔〈戦争を止めさせたと吹聴〉〇こっちにもよこせとプーチン利権ねだる〈近々米ソ会談の予定〉〇ドナルドとウラジーミルの脅迫仲間〈ファーストネームで呼び合う仲〉〇ゼレンスキーは正規の大統領選経てないと〈レアメタル得るために非難も〉〇石破ーもトランプの強請〈ゆすり〉に白旗か〈応分の防衛予算なんちゃって〉俳句川柳18『ああ、ウクライナ』

  • 心に残る『幻想小説』2

    ぼくが読んだ幻想小説をもう一編紹介しよう。その作品はニコライ・ゴーゴリの「死せる魂」である。ニコライ・ヴァシリエヴィチ・ゴーゴリ(1809-1852)は、ロシアに初めてリアリズム文学を確立した人物として知られています。代表作には、「鼻」、「外套」、「検察官」、「死せる魂」などがあり、いずれも独特の人物描写が印象的な作品になっている。「死せる魂」は青空文庫で無料で詠めるのであらすじは省略する。ただ、いかにもロシア文学という登場人物について触れておく。『死せる魂』は、1842年に出版された長編小説である。彼はロシア版のダンテ『神曲』を作り出すつもりだった。1814年に第1部が完成するが、モスクワでは検閲に通らず、翌年サンクトペテルブルクで出版された。本来は第2部も書かれたが、最晩年になってゴーゴリが暖炉に投げ...心に残る『幻想小説』2

  • ポエム405 『タゲリ』

    タゲリという野鳥がいる名前が面白いからいろんなことを想像するこの野鳥は田圃を歩き名ながら足で表面を蹴って水中昆虫を慌てさせ浮き上がったところをウマウマと啄むんだろうな実際はどうなんだろう調べてみるとドンピシャリではなかった北印旛沼や牛久沼では稲刈り後の田起こしした田圃で採餌する足で蹴って虫を啄む手間はいらないすでに用意された餌が狙いの冬鳥だった氷や凍土に覆われる北方からのお客さんだ貴婦人〈冠羽のある〉とも称される美しい鳥だった関東地方では千葉県〈印旛沼〉や茨城県〈牛久沼・涸沼〉で見られ野鳥観察のメッカらしいさて命名の由来はどうなのか足で地面をたたいたり揺するようにしてミミズなどを捕食する日本名のように思いたいが生息地〈北方ユーラシア大陸〉でタゲリ族の名があるはずだ小規模の群れを作り上空から襲い掛かるノスリ...ポエム405『タゲリ』

  • 芭蕉の名句⑲ 『むざんやな』

    「むざんやな甲の下のきりぎりす」タイトルは奥の細道に収められた芭蕉の句「むざんやな甲の下のきりぎりす」から取った。当時は「きりぎりす」は「こおろぎ」をさしていう言葉で現在の「キリギリス」は「はたおり」と呼んだようだ。ここに登場する甲〈かぶと〉は恩人実盛の首に涙した義仲は、多太神社に兜を奉納したという史実が句の背景にある。〈義仲=清和源氏の祖〉また「むざんやな」は謡曲『実盛』の一節「あなむざんやな」を踏まえる。再掲すると句意は「意に添わぬ戦い」に巻き込まれて命を落とした敵将実盛の首に涙した義仲は、小松市〈石川県〉多太神社に兜を奉納した。〈実盛は老いを隠すために白髪を染めて出陣したと伝えられ、そのことが「むざんやな」であり涙を誘う因である〉芭蕉の名句⑲『むざんやな』

  • 俳句川柳 17 『コメ高騰』

    〇白米が恋し懐かしコメ高騰〇居候でなくとも三杯目はそっと出し〇お代わり自由そんな時代もあったのに〈昭和・平成〉〇大盛めしあったればこそ大盛り上がり〈何杯食べたか競い合った〉〇コメ操る流通業者にタックルだ〈ラグビー部員〉〇食レポも味のことより量のこと〇大食い女王流行らぬ時代にトドメ刺す〇植田総裁あなたに追加消費税〈トランプの追加関税に倣って〉〇消費者物価2%〈超え〉維持民殺し〈日銀・政府政策〉〇物価高騰スマホ片手に食品選び〈スーパーマーッケット風景〉俳句川柳17『コメ高騰』

  • 芭蕉の名句⑱ 『あけぼのや』

    「あけぼのや白魚白きこと一寸」この句は「のざらし紀行」に典拠する。「まだほの暗きうちに浜のかたに出でて」との前詞がある。鋭い感覚的な句であり、桑名の東郊、浜の地蔵堂で詠まれた。「白魚」は一般的には春の季語であるが、この句では「白魚一寸」として冬に扱った。初案は「雪薄し・・・・・」であったが、雪の白と白魚の白とで印象が分裂する。後に「雪薄し」の五文字を「明けぼのや」に変えて完成した。優れた解説なのでそのまま披露する。ことさら付け加えることは何もない。芭蕉の句は各方面で研究されていて、二つ三つの解釈を合わせ読むと芭蕉の試行錯誤まで浮き彫りになって興味深い。有名な句でも完成形になるまでには何度か手を入れている。言葉〈感覚〉を大切にする芭蕉ならではの作業である。芭蕉の名句⑱『あけぼのや』

  • ポエム404 『なぜかトニー・ベネットが・・』

    トニー・ベネットの歌も知らないのになぜかニコニコ顔が目に浮かぶ鼻が大きくて声に艶があるから印象深いそうだ「思い出のサンフランシスコ」は大好きだシナトラよりもトニー・ベネットだゆったりしていて懐が深そうだ亡くなったのは残念だが96歳まで長生きしたらしい孫子に囲まれて幸せな人生を送ったと思う晩年にはレデイー・ガガと共演して長老の余裕を示したいい時代だったんだよな1950年代ぼくらにも夢をいっぱい与えてくれたもん<ウェブ画像>ポエム404『なぜかトニー・ベネットが・・』

  • 当世呆れ節 16

    〇兵庫県知事アドバイザーのPR会社に司直の手が入ったアーソレソレ公職選挙法違反の立件ができるのかソレカラドーシタ神戸県警・検察のメンツもあるから何とかするのだろう〇兵庫県知事斎藤さんは相変わらずの平身低頭アーソレソレ一方で裁判に訴え県民の支持受けたと開き直るソレカラドーシタ選挙参謀のPR会社と首突き合わせ総べてはボランティアと言い張ることにする〇一部の主婦や若者の頭にアホウドリが舞い降りたアーヤレヤレ柵の外からガンバツテなんて手を振ってソレカラドーシタヒーロー気取りでカメラにVサイン当世呆れ節16

  • 芭蕉の名句⑰ 『行く春や』

    「行く春や鳥啼き魚の目に涙」あまり知られていない句を二回続けたので今回は誰でも知っているが句の意味がイマイチ理解しづらい作品を取り上げた。この句が読まれた状況は、芭蕉がいよいよ奥の細道の旅に出発するのを俳諧の弟子たちが見送る場面である。この時、芭蕉は40歳だから45歳の没年から考えると最晩年に近い。当時、未開の東北地方〈失礼〉を徒歩で旅するということは命がけであった。そのことを芭蕉も弟子たちもよく知っているから見送りの際の惜別の感情は特別のものであった。行く春「や」と初句切れで「や」を使ったあたりに芭蕉の詠嘆の情が見て取れる。あとは弟子たちの様子を「鳥啼き」「魚の目に涙」と擬人化の表現で詠み下している。旅に出発する段階で誰もが過酷な旅と死の危険を感じている。あらためて当時の旅の困難さを思い知らされる。ゆく...芭蕉の名句⑰『行く春や』

  • 心に残る『幻想小説』

    ぼくが読んだ小説の中でもう一度読んでみたい作品が数編ある。「香水・ある人殺しの物語」はその一つだ。パトリック・ジュースキントの小説で、18世紀のフランスを舞台に展開する物語だ。超人的な嗅覚を持って生まれた孤児ジャン・バチスト・グルヌイユの生涯を描いた作品で、著者の初の小説作品。1985年の刊行以降シュピーゲル紙のベストセラーリストに316週連続で載り続ける記録を打ち立てたほか、46の言語に翻訳され全世界で2000万部以上を売り上げるベストセラーとなった。1987年度世界幻想小説大賞を受賞した。2006年に映画化されているので、そちらで知っている方が多いかもしれない。旧作ではあるが、あらすじを紹介すると興ざめ〈ネタばれ〉なので興味のある方は邦訳のタイトルをもとに取り寄せてみたらいかがだろうか。奇想天外な異能...心に残る『幻想小説』

  • 芭蕉の名句⑯ 『窓の月』

    「盗人に取り残されし窓の月」この句の出典は生涯寺を持たなかった良寛禅師の作に拠る。句意は「盗人はモノにばかり目が行って窓にかかる美しい月は盗んで行かなかったよ」といったところだろうか。子供にも親しまれている良寛さんは生活に不可欠の茶碗ぐらいしか持っていなかったが泥棒はその茶碗まで盗っていった。そんなものまで盗むほど世情は困窮しているのだろうか。良寛さんは自分のことより世の中のことを心配している。それはさておき、禅僧良寛の作は人々の心を掴んでいたのだろう。すでに歌枕として定着していたのかもしれない。芭蕉は良寛の意を受けて「盗り残されし窓の月」の句を残した。貧しい人からもモノを取っていく盗人を咎めるのではなく、盗んでいけなかった窓の月の美しさに禅の神髄を感じ取っていた。良寛といい芭蕉といい、先人の心の在り方は...芭蕉の名句⑯『窓の月』

  • 紙上大喜利85 『じじいの時事ばなし』

    〇「きのうはちゃんと豆撒きしたか」「えっ、ご隠居あっしに言ってるんですか」〇「いや、そっちの青いの二人だ」「それじゃ、やっぱり孫とあっしのことを言ってるんだ・・」〇「おまえ青鬼になって、豆を投げつけられていたじゃないか」「かみさんまで一緒になって豆をぶつけてくるんですから堪りませんよ」〇「我慢しろ、天気予報の兄さんによれば明日になれば立春だ」「節分と立春は同じじゃないんですか。もっとも立春と言っても、今季最強の寒波が来るというじゃないですか」〇「寒波の後ろに春がついてきている」「へっ、ご隠居にsちゃあ気の利いたことをおっしゃいますね」紙上大喜利85『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句⑮ 『万歳』

    「山里は万歳遅し梅の花」芭蕉の作品の中ではあまり知られていない句を取り上げた。三河万歳という伝統芸能は昭和の初めごろまでは残っていた。新年になると各家の戸口に立って縁起のいい万歳を披露し祝い金をもらう。実入りの良い都会を先に回るので辺鄙な山里へやってくるのは梅の花が咲くころになる。ちょうど今頃~3月初旬の時期になろうか、それでも山里の村人は万歳を迎えてめでたい気分を味わうのである。現在では「漫才」は知っていても「万歳」は知る人も少なくなった。ほとんど死語に近くなった。わたくしたちは身の回りからこうした言葉がなくなっていくのを意識することもなく受け入れている。毎年、国語審議会が使われなくなった言葉と新語を入れ替えて発表しているのでニュースなどで話題になることも多い。また、名前に使用できる漢字にも変遷があり、...芭蕉の名句⑮『万歳』

  • ポエム403 『思い出は若い』

    その人のことは茶色いレッドリバーとともに思い出すエリザベス・カラーを着けたその犬は疾うに虹の橋を渡ったが一匹というより一人の仲間だった海の見える高台に住んでいて沖を通る外国航路の汽船を眺めてマドロスパイプを咥えた横縞シャツの船員を想像していたに違いないソフトバンクの主砲・柳田がホームランを打つたびにその人は「ギタ~」と言って喜んでいた想い出は遠いぼくのブログの最初の読者で永いこと相互訪問が続いたがいつしか途絶えたそんなことは何とも思わないがときどき高台からの写真を目にするとぼくの知っている美しが原の風景を思い出すのだもっとも遥か下方にあるのは松本市の家並だが双眼鏡さえあれば汽船の代わりにお城が見えたと思うぼくも4月には85回目の誕生日を迎えるがどうやらあと10年は持ちそうだ作家の宇野千代さんは「なんだかわ...ポエム403『思い出は若い』

  • 紙上大喜利84 『じじいの時事ばなし』

    〇「大相撲初場所の総括をしておこうか」「ご隠居の優勝力士予想は見事に外しましたね」〇「金峰山は惜しくもカザフスタンに錦を飾れなかったがいずれ役力士になる器だ」「今回の巴戦は相手が悪かったですね」〇「きのうは豊昇龍の横綱伝達式もあって異変の琴桜より先に横綱になった」」「ちょうど照ノ富士の引退で横綱が欲しい状況でした」〇「尊富士が14日目に琴桜を突き落とした一番がSNSで評判だった」「合気道の達人か・・と大騒ぎでしたね」〇「高安は8勝7敗で勝ち越したし、錦木も最終日に勝ち越した」「ご贔屓はまずまずですが金峰山は残念でした」紙上大喜利84『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句⑭ 『天の川』

    「荒海や佐渡によこたふ天河」この句は松尾芭蕉の俳文「銀河の序」に掲載されている。日本海の荒波を隔てて、流人の島佐渡が島が横たわり、天の川がそのうえにかかっている。七夕の夜だから空の二星〈牽牛・織女〉も年に一度逢うと言い伝えられているが、島に流された人々は、どんな思いで故郷を偲び、あの星を仰ぐのだろう・・と感慨にふけっている様が想像されるところが別の資料では、芭蕉はこの時期に病気をしていて「荒海や佐渡によこたふ天河」は「奥の細道」では省略されているとされている。新潟県の出雲崎に泊まった時に詠んだ句らしいがが、芭蕉は句を残しただけで出雲崎や佐渡については「奥の細道」では何も触れていないという。ことほど左様に後から編集された紀行文には事実と異なる部分がたくさんあるようだ。現地を訪れたことのある方は、実際に残され...芭蕉の名句⑭『天の川』

  • 紙上大喜利83 『じじいの時事ばなし』

    〇「大相撲も今日が千秋楽だがやっぱり異変があったな」「ご隠居の言った通り、琴桜は優勝した次の場所で負け越しでしたね」〇「優勝は金峰山〈きんぽうざん〉でほぼ決まりだ」「今日の相手の王鵬〈おおほう〉だって侮れませんよ」〇「まあ勝負事だから絶対はないがカザフスタンに優勝をもたらそうと気合が入っている」「強いですよね、大関陣も次々と撃破されましたし」〇「終盤に弱い豊昇龍もなんとか3敗でついてきた」「あわよくば優勝をと虎視眈々と狙ってますね」〇「尊富士は10勝4敗だし高安も8勝5敗と勝ち越したしいうことなしだ」「錦木は7勝7敗で今日勝ち越しがかかっています」紙上大喜利83『じじいの時事ばなし』

  • 単発短編小説 『夢を見た』2

    みなさんは日本のまいまい井戸をご存じだろうか。地面をカタツムリのように左巻きに降りて行って、地底にある井戸から天秤棒に下げた桶で水をくみ上げていた地方があった。つまり本来の地面の位置には水が出ないので、かなり深い場所の湧き水とか突き抜き井戸の水を天秤棒と二つの桶で担ぎ上げていたのである。ところ変わってどうやらアメリカ合衆国の似たような場所に僕のクルマは止まっていた。僕のいる場所からはらせん状に巻いた谷のようなところを急行列車が通過する踏切がある。対岸へ渡るにはその踏切を渡るしかないので、車は我先に踏切めがけて降りていく。その中に何と防弾仕様の大型車が混じっていて、どうやらトランプ大統領が乗っているのではないかと興奮した。以下は夢の中の話だから承知しておいてほしい。とにかく一台の大型車が大慌てで戻ってきた。...単発短編小説『夢を見た』2

  • 芭蕉の名句⑬ 『さみだれ』

    五月雨を集めてはやし最上川このところ芭蕉の出身地「伊賀の里」にこだわったので今回は「奥の細道」に戻り初夏の季語からよく知られた名句を取り上げた。句意は「降り続く梅雨の雨を一つに集めたように、何とまあ最上川の流れが速くすさまじいのだろう・・と、感嘆の思いを吐露したもの。酒田の寺島彦助亭で、歌仙の発句として作ったとのこと。別の解釈では「(ようやく夕方になったが、)暑い一日を海に流し入れてしまった最上川の河口のあたりから涼しい夕風が吹いてきたとしている。最上川とはどういう特徴を備えた川なんだろう。山形県と福島県の境にある西我妻山」付近を源流部として山形県の中央部を北に流れ、新庄市付近で西に向きを変え酒田市で日本海に注ぐ。一つの県(山形県)で源流から河口まで流れる。かつては河川舟運の道として利用され、内陸部の紅花...芭蕉の名句⑬『さみだれ』

  • 紙上大喜利82 『じじいの時事ばなし』

    〇「初場所は異変の場所だな」「琴桜のことですか」〇「昨日は土俵際の逆転でやっと2勝5敗になったが豪ノ山に突き出されそうだった」「どこかケガをしているんじゃないでしょうか」〇「この分だと優勝の次の場所で大関のカド番になりそうだ」「大関昇進したばかりで陥落の心配とは前代未聞ですね」〇「もい一ついいか?韓国の大統領が逮捕されて今拘置所の中だ。それでも支持者の抗議デモに感謝のメッセージを発している」「ひかれ者の小唄・・ですか」紙上大喜利82『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句⑫ 『春は鶯』

    「鶯や柳のうしろ藪のまえ」今回は新年にふさわしい芭蕉の名句を探しました。鶯は春を代表する季語で本来は旧暦の1~2月〈新暦3~4月〉を言いますが、待ちきれずに登場させました。低地を好み人間の近くに生息している鳥なのになかなか姿を見せてくれません。前に歌舞伎の名科白の項目で「ほんにお前は〇のように・・」を紹介しましたが、鶯もまた歌舞伎に登場する盗賊のように声だけしか聴かせてくれません。芭蕉はこうした鶯の特性を見事に俳句にしていますね。俗に鶯と梅の花が対とされる世界で、ほかにも椿の句があったりして<俗>を嫌う芭蕉の面目躍如じゃないでしょうか。芭蕉の名句⑫『春は鶯』

  • 紙上大喜利81 『じじいの時事ばなし』

    〇「大相撲1月場所ももう3日目が過ぎたが綱取り期待の琴桜が2敗とはな・・」「先場所は優勝したのにどうしたんでしょう」〇「まだ綱に見合う実力がついていないということだ」「代わりに豊昇龍ががんばっていますが」〇「いつものことだ。後半に乱れるから信用できん」「ご隠居のご贔屓の尊富士は3連勝ですね」〇「大の里や錦木、高安は安定しないが相手があることだから仕方がない」「おやおや諦めムードですか」〇「大の里は押っつけ1本で大関になったが相撲を覚えれば横綱が見えている」「照ノ富士が長くはもたないでしょうから大の里に期待しましょう」紙上大喜利81『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句⑪ 『しぐれ』

    人々をしぐれよ宿は寒くともひとびとをしぐれよやどはさむくとも・・季語は時雨で、この句が詠まれた元禄2年(1689)寒い年だった。出典は蕉翁全伝で句意は句会の座敷がたとい寒くなろうともかまわないから時雨よ、一雨降って、風雅を求めて集まった人々に侘びた風趣を添えてくれないか。秋の季語でいかにも<時雨>の俳人と言われた芭蕉らしい。因みに伊賀上野の門弟配力<はいりき>亭に伊賀蕉門のほとどが集まったとされる歌仙が催された。配力は杉野房通、伊賀藩作事目付けという役職だから蕉門のメンバーはタダ者ではない。芭蕉の名句⑪『しぐれ』

  • コピペの功罪

    資料などをコピペして参考にした後消しても痕跡が残る場合があるらしい。一昨日愛に切り替えてぼくはその事象に翻弄された。下書きができてプレビューで確認し、これで良しと公開したところ文章の一部が表示できないのである。変だなと思い合い。つつ自分の文章をコピーして新規投稿してみたが全く同じ結果だった。対処方法があるはずだがこういうことに弱い者でお手上げ状態。そこでこのコラム投稿となった次第です。コピペの功罪

  • 芭蕉の名句⑪ 『しぐれ』

    人々をしぐれよ宿は寒くとも芭蕉と同行していた河合曽良が体調を崩し別行動をとることになった翌日二詠まれたものである。曽良が居なくても同好の士の句会は楽しくやりましょう・・と、芭蕉がメンバーに呼び掛けている。この句は伊賀の連衆が集まって歌仙を巻いた時の作。みんな俳諧の世界に没入していて一座はしんとした静寂に包まれている。ここに時雨が皆を包んだらなお一層侘びの情緒が醸されるであろう。寒くてもその方がこの場に相応しい。曽良がいない寂しさを時雨にかけて流石に芭蕉らしい。芭蕉の名句⑪『しぐれ』

  • ポエム402 『松の内』

    関東の松の内は1月7日らしいので今朝早く松飾を外す予定江戸時代までは15日までだったが家光公の死によって変更した鏡開きと重なるのはよくないと行事の方を変えたのだから徳川様の御威光はすごいそもそも松の内は年神様が各戸に滞在する期間松を頼りにとどまってくれた神様だぼくらは15日の方がいいが外したからには近くの神社のお焚き上げにお願いする今年の10大ニュースが気になるが世界のリーダーがいなくなるリスクを考えれば家光公の存在はありがたかったのかもポエム402『松の内』

  • 芭蕉の名句⑩ 『河豚汁』

    冬の季語を用いた芭蕉の俳句は比較的少ないが、この回は「あら何ともなや昨日が過ぎて河豚汁」の登場となった。河豚汁は〈ふくと汁〉と読ませるようで、意味は<昨日河豚汁を食べたが一日過ぎてもなんともない。ああ、よかった・・>安堵している品なった様子がほほえましい。初五の字余り〈八文字〉は「あら何ともなや」と状況を示しながら安堵の気持ちを表現したわけで無理に五七五にしなかった感覚は後世の自由律俳句をも先取りしている。河豚の調理については、現在では国による免許制度があるが芭蕉が食した延宝年間には経験豊富な調理人の腕を信用するしかなかった。河豚の内臓を傷つけることでフグ毒が身に回り、それを食べて死亡する例が江戸時代には少なくなかった。明治時代の政府高官や有名作家なども恐る恐る口にしたことを書き残している。「河豚は食いた...芭蕉の名句⑩『河豚汁』

  • 紙上大喜利81 『じじいの時事ばなし』

    〇「新年を迎えたが去年から持ち越しのUSスチール買収は決着がついたか」「バイデン大統領があらめて阻止の声明を出しましたね」〇「カナダの小売り大手〈リマンタシォン・クシュタール〉によるセブン&アイの買収劇は一部合意したはずだが」「イトーヨーカ堂だけじゃ満足しないでしょう、コンビニが狙いですから」〇「韓国のゆユン・ソギル大統領への逮捕状は執行されたのか」「警護庁による警護が厳しくて実質不可能。検察も逮捕状執行は中断しましたよ」〇「今年も巨大権力横暴がまかり通りそうだな」「嘆かわしい世の中です」紙上大喜利81『じじいの時事ばなし』

  • 当世呆れ節 15

    〇トラン米プ大統領の就任式がもうすぐだアーソレソレ主要閣僚の名前もほぼ出そろったソレカラドーシタイーロン・マスクの推しが目立って他のスタッフの不満が膨張中〇イーロン・マスクはトランプ操り実質大統領アーソレソレ宇宙はスペースX地上はテスラで埋め尽くすソレカラドーシタあとは海だが新型潜水艦でも作ろうか〇イーロン・マスク実質大統領説にトランプ猛反発アーソレソレ怒って見せたがトランプ当選はマスクのカネと策略のお陰ソレカラドーシタ頭がいいからオレに逆らうはずがない当世呆れ節15

  • 俳句 『除夜の鐘』

    〇除夜の鐘聞き入る奈良の油塀奈良の旧家の次男坊だった先輩がある年の年末に実家へ招待してくれた。広い屋敷は油塀で囲まれ長男家族と酒を酌み交わしながら除夜の鐘をきいた。遠近から届く鐘の音を油塀も聞いているのだなあと感慨深かった。俳句『除夜の鐘』

  • 紙上大喜利80 『じじいの時事ばなし』

    〇「おい、年越しそばは食ったか?」「ご隠居はもう召し上がったんですか」〇「ああ、藪が込まないうちに行ってきた」「去年は更科だったように思いますが気に入らなかったんですか」〇「そんなことはない、たまたまだ」「今年はうんちくナシですか」〇「蕎麦は皮ごと石うすで挽くほうが腰があっていい」「茶色っぽいソバですね?」〇「ザルの上に薄く延べたやつを箸でかき寄せてそばつゆに尻を付け・・」「わかりました、講釈が始まるとソバが伸びますよ」〇「おまえはまだらしいな」「へい、若い連中と一緒でコンビニで買うつもりです」〇紙上大喜利80『じじいの時事ばなし』

  • ポエム401 『捩花の思い出』

    捩花〈ねじばな〉の好きな女性がいたあの花は螺旋形に巻きながら小さな花をつけるどうして好きなのか聞いたことはないがなんとなく似合っているように感じていたその女性の小説集が大寒のさなかに送られてきた送ってきたのはその女性が「気付」にしていた住所から小説集とともにその女性が亡くなって生前に発注していた小説集を代わりに送る挨拶状がついていたああ捩花そのものだ・・妙に納得できた哀れとか不幸という感覚ではない団人雑誌の選評の中で作品を取り上げられた人だ「気付」の男性も挨拶状にそのことを書いていた生きていくのは定型ではない捩花のように互いにそっぽを向きながららせん状につながっている人生もあるそれを「らしい」と思わせるのも一つの生き方だ<参考=捩花の画像>〈季節の花300〉よりポエム401『捩花の思い出』

  • 紙上大喜利79 『じじいの時事ばなし』

    〇「クリスマスも今日で終わりだな」「ご隠居、ほんとは正月の話をしたいんでしょう」〇「一富士・ニ鷹・三茄子〈なすび〉は知ってるよな」「へいへい縁起の良い初夢のことですね」〇「だけど、それは江戸時代の話で今はまったく違うらしい」「どんな夢を見たらいいですか」〇「虹の夢がいいらしい。虹を見ると日頃の念願が成就する吉兆なんだとさ」「虹の橋が湖中で切れてすとんと落ちるのは嫌ですよ」〇「誰も渡れとは言っていない。見るだけでいいんだ」「ダブルレインボーはどうですか」〇「相変わらず素直じゃないな。来年は好きな女性の写真でも枕の下に入れて早く彼女を作れ」「へい、ありがとうございます。頼んでみますが写真くれますでしょうか」紙上大喜利79『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句鑑賞⑨ 『名月や』

    名月や池をめぐりて夜もすがらこの句は「古池や・・」とともに取り分け知られた一句である。古池や蛙飛び込む水の音・・は春の季語であるのに対し、名月や・・は中秋の名月だから秋の季語である。意味は名月の美しさに見とれて夜通し池をめぐり歩いていたら、いつの間にか東の空がほんのりと明けてきた・・ということだろう。月そのものを愛でるほかに池の水面に映る月影も眺めてはため息を漏らしたのかもしれない。芭蕉が学んだ俳諧は洒脱な言葉遊びで成り立っていたが「おくの細道」の旅を続けるうちに自然が見せる不意流行の姿に<わび・さび・しおり・軽み>などの理念を確立していった。当時は何人かの詠み人が共同で歌仙を巻いたが、その中の最初の句〈発句〉を「俳句」として独立させ、〈付け句〉などは省略するようになった。現在の俳句の誕生である。芭蕉は俳...芭蕉の名句鑑賞⑨『名月や』

  • ポエム400 『名探偵多羅尾伴内』

    多羅尾伴内を知っている者はあまりいなくなった片岡千恵蔵が演じる名探偵の名前だ「ある時は〇〇ある時は××しかして実態は〈・・・・〉最後に名乗りを上げる間の持たせ方が心憎い子供も大人もみんなが真似した名セリフ大映で4作東映で7作制作されいずれも興行的に大ヒットしたシリーズで片岡千恵蔵の代表作だ「笑点」に出演の林家木久蔵〈扇〉がよく口まねをして笑わせていたあれだ多羅尾伴内の七変化ぶりが痛快でリメイク映画も作られたが成功せず片岡知恵蔵の印象が強烈だから最初の映画から100年後の今でも黒ハット姿の多羅尾伴内が目の前に忽然と現れるのだ〈画像は多羅尾伴内役の片岡千恵蔵〉ポエム400『名探偵多羅尾伴内』

  • 芭蕉の名句鑑賞⑧ 『栗の毬』

    〇行く秋や手をひろげたる栗の毬今回は続・猿蓑からの一句である。〈ウェブ画像からお借りしました〉芭蕉は伊賀の里の出身だけに栗の毬と伊賀の忍者のしがらみを掛けて解釈する方もいるようだ。確かに伊賀の人々の結束は固く、外部へ出ていくことは難しかったのではないかと想像できる。ただ、芭蕉は幼少のころから江戸の俳諧に憧れていて、機会を見て江戸に行くことを考えていた。「奥の細道」の旅へ出立するのを機に一気に伊賀の里のしがらみからも解放されたいと願っていたのではないか。〈余談だが、ぼくが伊賀へクルマで行ったとき、反対車線をかなりのスピードで追い抜いていく軽自動車があったので「おおッ」と驚いてたしかめると、麦藁帽の上からタオルを姉さんかぶりした女性だった。〉芭蕉は大人が投稿する俳諧誌にちゃっかり投稿していてすでに才能を知られ...芭蕉の名句鑑賞⑧『栗の毬』

  • 俳句川柳 16 『柄本 佑の「光る君へ」』

    〇どこもかしこも柄本も光る佑君〈きみ〉へ〇元禄も顔色なしの御簾〈みす〉の内〇吉高の味〈演技〉は如何か佑君〈きみ〉〇目くばせはSNSよりすごいワザ〇平安の顔ならずとも烏帽子つけ〈馬子にも衣裳〉俳句川柳16『柄本佑の「光る君へ」』

  • 紙上大喜利78 『じじいの時事ばなし』

    〇「おい、前原誠司はいつ維新の代表になったんだ?」「なんだか、元大阪市長の吉村さんと共同代表になったらしいですよ・・」〇「けったいな話だな、昔の銀行再編を思い出すな」「富士とか第一勧銀の名前が消えて別の銀行になっています」〇「吉村は国政の経験がないから代表質問に立たないのか?」「たぶん、議員にならないと無理なんじゃないですか」〇「前原誠司は雇われマダムみたいなものか」「維新の組織は吉村さんが握っているから共同代表にしたんでしょう」〇「ついでだが韓国の尹〈ユン〉大統領の弾劾が可決したな」「軍隊を動かした非常事態宣言が内乱罪に当たるというんでしょう。でも、まだ失職までには何段階もありますからどうなりますか」紙上大喜利78『じじいの時事ばなし』

  • 今年の漢字に「金」が選ばれた

    京都の偉いお坊さんが墨滴る筆で「金」と書いた。キンともカネとも読めるがパリ五輪の金メダルラッシュが念頭にあるのは言うまでもないだろう。そこで当方は今年の「四文字熟語」を作ってみた。便乗発表だからノンと思う方は文句を滴らせてほしい。「輝度eue楽」すでに存在する「喜怒哀楽のもじりである。意味はパソコン画面の明るさが眩しいので輝度を落としたら目が楽になった。ぼくの実感である。お粗末でした。今年の漢字に「金」が選ばれた

  • 紙上大喜利77 『じじいの時事ばなし』

    〇「おい、韓国の伊〈ユン〉大統領が発した戒厳令の顛末はどうなった?」「民衆が街へ出て暴動になりそうで軍隊の出動を命じたようですね」〇「最初は国会で多数派を占める<共に民主党>が大統領の弾劾裁判を決議し、否決されたが再度弾劾を訴えたんだろう?」「そこで窮地に陥った伊〈ユン〉大統領が大統領特権の戒厳令を行使したんですね」〇「もともとは大統領夫人が知り合いの会社を使って株価操作をした疑惑で騒いでいたが、そのうち最大野党の<共に民主党>が選挙不正をしたから議員数が逆転したというので収拾がつかなくなった」「従・北朝鮮と名指しして軍隊の出動を要請したようですね」〇「軍を使って取り締まったものだから<大統領によるクーデター>というので混乱に拍車がかかった」「何が真相か見当もつきませんが最大野党の李・在明党首は不正蓄財で...紙上大喜利77『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句鑑賞⑦ 『月山』

    雲の峰いくつ崩れて月の山「奥の細道」の中でも芭蕉が一番行きたかった場所が月山ではなかったか。歌枕でもあり憧れの地だったと思う。出羽三山の最も奥に位置し、湯殿山などを経たのちに到達できる霊峰である。季節は夏で険しい道を道をたどる芭蕉の目の前には次々と入道雲が湧き視界を遮る。月山はどこにあるのか。不安の思いで登っていくと、雲の峰がいくつもいくつも崩れた果てに月山が見えたのであろう。<いくつ崩れて>は時間経過を表す表現であり心中の不安と期待感が見て取れる。芭蕉の旅そのものが巡礼と言ってもいい行脚だから雲の峰の合間から月山の姿が現れたらどれほど嬉しかったか。夏の季語に名句が多いのはこの時期に旅の頂点を置いたからだろう。参考=月山について標高1,500mの湯殿山、418mの羽黒山とともに月山は出羽三山の一つ。修験者...芭蕉の名句鑑賞⑦『月山』

  • ポエム399 『鬼火』

    鎌倉時代は戦が多かった名のある武将は墓を持てるが関東各地から集まった雑兵は死んでもその場で野ざらしにされた月日が経って白骨は一カ所に集められた海からそう遠くない湿地帯だそのころからあたりには鬼火が出た青白い蝋燭の炎に似た発光体だ鬼火の正体は人間の怨念だという人魂だと信じる人もいる深夜そうした怪火を見たら怪し火の正体は怨念に行きつくだろういっぽう春から夏にかけての湿地帯で雨の降る生暖かい時期に注目し人骨からリンが溶け出し発光するのではないかという説もあるポッポッと地上数十センチで怪火が動いたら誰でも魂消てしまうよね現在では湘南モノレールの駅がある場所だが戦に明け暮れた鎌倉時代がそこにあるポエム399『鬼火』

  • 芭蕉の名句鑑賞⑥ 『のっと日の出る山路哉』

    梅が香にのっと日の出る山路哉今日の名句は厳しい冬を旅の中で過ごした芭蕉が春を感じた瞬間の喜びを表した作品である。山吹の句の「ほろほろ」もそうだがこの句の「のっと」の俗っぽい表現は芭蕉の真骨頂である。平明さを心掛ける軽ろみがいっそう梅の香りを引き立てている。山吹の句の場合は「滝の音」が聴覚を強調していたが、今回は「梅の香」が嗅覚を刺激する。山並みの上から「のっと」〈ぬっと=突然〉日が出るのだから朝日をさしている。梅花と日の出、誇張していえば五感総動員の表現であり旅だったのだろう。地方の門人に頼る場合はいいが、寒空のもと堂宇の軒先に宿を借りたり、たまには野宿といったこともあるだろうからヌクヌクとした路銀豊富な旅とは一線を画す。芭蕉のモットーは不易流行〈時流に流されず本質を見極める〉古人の跡を求めず、古人の求め...芭蕉の名句鑑賞⑥『のっと日の出る山路哉』

  • 単発短編小説 『夢を見た』

    ぼくが白の浴衣をひっかけて縁側に寝そべっていると、いきまり秋吉久美子に似た若い美形女子が現れて何やら本を注文したいという。帯もしていないぼくは慌てて立ち上がり、浴衣の左右を引っ張って押さえて応対した。美形女子は自分の要件をいうだけ言うといつの間にか姿を消した。呆然としながらもぼくは今起こったことを思い出そうとした。しかし思い出せない。悩んでいるうちに再び人が現れた。今度は60歳代と思われる恰幅の良い女性だ。そして先ほど注文した本は届いているかと問う。ええッ?!まだ数時間前の注文なのに・・と思うそばから、もしたしたら先ほどの秋吉久美子似の美形女子が目の前の恰幅のいい女性その人?ぼくは混乱のうちに目が覚めた。たしかに僕は書籍の編集をしていたことがあるからその頃のことだろうか。秋吉久美子に似た女性から本の出版を...単発短編小説『夢を見た』

  • 芭蕉の名句鑑賞⑤ 『石より白し秋の風』

    今回注目するのは「石山の石より白し秋の風」という芭蕉の名句である。この句は越前の国の古刹(こさつ=古い寺)那谷寺に立ち寄った時に詠まれたとされている。那谷寺は灰灰白色の凝灰岩でできた山腹の洞窟の中に観音堂がある。千手観音を祀るお寺で、奇岩として知られている。「石山」と言えば、普通は近江の石山寺を指すが、那谷寺〈石川県〉の石は近江の石山よりも山肌が白いので、この句は那谷寺について詠んだ句と考えられている。一方、芭蕉は石山寺と関わりが深いので、この「石山」が「石山寺」のことという説にも否定できないところがある。どちらにしても、僕はこの句の「石より白し秋の風」の表現に芭蕉の思いを見る。侘び・寂・軽ろみに該当しない突き抜けた境地ではないか。芭蕉の俳句が一段の高みに到達した名句・・などと言ったら生意気だが。おのずと...芭蕉の名句鑑賞⑤『石より白し秋の風』

  • 当世呆れ節14

    〇近頃世の中物騒だアーソレソレ「もしトラ」に続いて「またトラ」が出たソレカラドーシタメキシコ・中国からの輸入に関税上乗せとのたもうた〇ワタシの辞書には「関税」という言葉しかないアーソレソレなんという美しい言葉だと自画自賛ソレカラドーシタNATOの代表はトランプあてにせず自力で欧州守る覚悟を口にした〇兵庫県知事まんまと再選果たしたがアーソレソレPR会社に選挙戦略依頼したのがアウトらしいソレカラドーシタポスター代金は払ったがそれ以外はボランティアと言い訳した〇陳謝しつつ強弁続ける斎藤知事アーソレソレこれが通れば世の中ウソの花魁道中ソレカラドーシタしゃなりしゃなりと倫理を踏みにじる当世呆れ節14

  • 芭蕉の名句鑑賞④ 『蚤虱・・』

    今回は下記の解説をそっくり引用させてもらった。俳句の教科書https://haiku-textbook.com/nomishirami【蚤虱馬の尿する枕もと】俳句の季語や意味・表現技…この句の作者は、「松尾芭蕉(まつおばしょう)」です。松尾芭蕉は『野ざらし紀行』『おくの細道』などの紀行文で知られる江戸時代前期の俳人で、俳諧の基礎を作った人物です。一門から多くの弟子を…さらに表示「蚤虱馬の尿する枕もと」の表現技法句切れなし句切れは、切れ字などで句点を付けられる調子の切れ目です。切れ字は「…さらに表示俳句の教科書「蚤虱馬の尿する枕もと」の鑑賞文この俳句は「ノミやシラミのわく家で馬の尿の音が聞こえる」とそのまま詠むと、山中の粗末な家での夜を嘆いたように感じてしまいます。しかし、現存する封人の家こと旧有路…さらに...芭蕉の名句鑑賞④『蚤虱・・』

  • 紙上大喜利76 『じじいの時事ばなし』

    〇「ご隠居、豊昇龍は負けちゃいましたね」「・・・・」〇「優勝した琴桜は攻められても下半身が崩れずに相撲の理想形を会得したようですよ」「んだな・・・・」〇「大の里はきのう豊昇龍にとったりで逆転されたように決め手が完成してないですから来場所に課題を残しました」「・・・・そこで御託並べてろ」〇「おっと、もうやめます。機嫌なおしてくださいよ」「琴桜はいつのまにか強くなっていたということだ」紙上大喜利76『じじいの時事ばなし』

  • 紙上大喜利75 『じじいの時事ばなし』

    〇「大相撲も今日が14日目か、豊昇龍は昨日大の里に勝って星を伸ばしたが琴桜も1敗でついてきている」「ご隠居は豊昇龍のりでしたね」〇「琴桜が意外にも崩れなかったのでこの二人の優勝争いになった」「千秋楽の直接対決が楽しみですね」〇「阿炎は得意のはたきこみで尊富士に勝って10勝3敗だ」「ご隠居、得意のはたきこみって皮肉っぽく聞こえるんですが・・」〇「オランダ・ハーグにある国際司法裁判所がイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したぞ」「そうですね、実際に捕まる国に行くバカはいないでしょうが心理的な抑止効果はあるでしょうね」〇「おい、めでたいニュースだ。大谷翔平が満票でナショナルリーグのMVPに選ばれた」「事前に予想されたことなんでオメデタ感がいまいちですよね。むしろベストファミリー賞の方が新鮮じゃないですか」紙上大喜利75『じじいの時事ばなし』

  • 芭蕉の名句鑑賞③ 『山吹』

    〇ほろほろと山吹散るか滝の音この句は『笈の小文』〈おいのこぶみ〉に収録された名句である。笈の小文=芭蕉が貞享4年(1687年)10月に江戸を出発し、東海道を下り、尾張・伊賀・吉野・和歌の浦などを経て、須磨・明石を遊覧した際の道中に詠んだ俳句を交えて記録した紀行文である。山吹の花は風もないのにほろほろと散る。吉野川の支流の岩間からは滝が流れ落ちていてあたかも滝の音が山吹の花びらを散らしているように見える。吉野地方は桜とともに山吹の花が有名で芭蕉がこの地の名勝を訪れた際目にしたものだろう。山吹と滝の音が響き合う情景を芭蕉は自らの旅の無常観と重ね合わせているのだろうか。芭蕉の名句鑑賞③『山吹』

  • 俳句川柳 15

    〇斎藤前知事再選〈11月17日選挙結果〉SNS拡散で〈予想通り先行稲村さんを逆転〉〇SNSの威力玉木・トランプ・斎藤元彦〈勝たせた有権者には責任も〉〇県議会百条委員会はなお調査〈メンツもあるが前回のように全会一致はあり得ない〉〇デマまじりの情報に振り回される県政いつまで〈県議会議長は斎藤糾弾に及び腰?〉〇豊昇龍は勝ち越し〈8勝1敗〉叔父〈朝青龍〉なみに荒々しく〈今場所は優勝する気〉〇琴桜勝って〈8勝1敗〉はいるがなお不安〈地力に圧倒的なものがない〉〇降の勝やっぱり下位では一枚上〈8勝1敗〉〈先々場所の強さ復活〉〇大の里2敗してるがまだ勝つ〈優勝〉目〈対大関戦3勝狙う〉俳句川柳15

  • 芭蕉の名句鑑賞② 『すみれ』

    〇山路来て何やらゆかしすみれ草芭蕉この句は奥の細道に収録されている作品で芭蕉が山路を歩いていて足元にふと菫の花を見つけた時のほっとした心境を詠んだものである。菫という花は可憐に見えるがなかなか強靭な植物で、木の枝の陰などでもちょっとした陽だまりを見つけて花を開く。意識せずとも心細さを感じていた芭蕉は陽だまりに咲く菫を見つけてなんとなく共感を覚える。曽良や去来などの同行者もいたが必ずしも心の同行者であったかはわからない。江戸深川の庵を出る時から生死の運を託した旅路だから自然を見る目にも慈しみが感じられる。芭蕉が俳諧〈言葉遊び〉を芸術にまで高めたといわれるのはこうした慈しみがあったればこそと首肯される。参考=芭蕉の「奥の細道」出発点をめぐっては現在の千住大橋・清澄あたりといわれているが、確かに深川の庵をたたん...芭蕉の名句鑑賞②『すみれ』

  • 芭蕉名句鑑賞① 『遊行柳』

    〇田一枚植えて立ち去る柳かな芭蕉一般的には、歌枕にある遊行柳の木の下にたたずんで懐古の情にふけっている間に、農民たちは田を一枚植え終わり立ち去った。思わず時が経ったことに気づき芭蕉もも柳の元を立ち去った。他の解釈もあるようだが、ぼくはいかにも芭蕉らしいと思うのでこの解釈に賛同する。参考=遊行柳は栃木県那須町芦野に所在していて、芦野の町並みや芦野氏陣屋跡が見える水田の中にある。芦野温泉神社参道の鳥居前に植えられているそうです。芭蕉名句鑑賞①『遊行柳』

  • 紙上大喜利74 『じじいの時事ばなし』

    〇「大相撲が始まって観ようと思ったら政治に邪魔されたぞ」「ご隠居、そんなこと言うと怒られますよ。首班指名の投票でしたから仕方がないでしょう」〇「案の定、立憲民主の野田は他の野党の票をまとめられず自民石破との決選投票で1票ももらえなかった。こんなの見るより尊富士の相撲の方を観たかったぞ」「ご心配なく、ちゃんと勝って〈3勝1敗〉いますよ」〇「そうこうしているうちに、大の里に土がついた」「二所ノ関親方〈稀勢の里〉直伝の押っつけに甘さが出て阿炎に掬われました」〇「琴桜はこんなもの〈3勝1敗〉だが、今場所の豊昇龍は馬力がある〈4連勝〉から優勝争いに残りそうだ」「大関霧島は4敗で元気がありませんね」〇「期待の熱海富士が4連勝とがんばっているな」「もう一人のご隠居推しの平戸海は今場所はダメですね」〇「優勝は大の里、豊昇...紙上大喜利74『じじいの時事ばなし』

  • ポエム398 『蜂の子捕り』

    ある県の蜂の子捕りの名人がスズメバチの巣を突き止める方法は肉片〈裂きイカだったか〉に目印の白い紙を糸で結び蜂が巣に運び込むのを確認するという方法だテレビ番組でその蜂をロバートの3人が追いかけた低空飛行で飛んでいくのを目を離さずに追うのだから秋山たちは林の下草に足を取られてコケるという抱腹絶倒の番組だった「光る君」に出演中の秋山竜次は顔真似や憑依芸をやらせたら並ぶものなしでロバートの馬場裕之は創作料理で料理人の土井善晴をうならせたもう一人の突っ込み担当山本博を誘ってお笑いトリオのロバートを結成し九州からユニークな芸人グループがリーダー秋山のもと誕生した蜂の子捕りに話を戻すとその名人は防蜂用のネットをかぶり木の根元や地中の蜂の巣を煙攻めにしながら掃除機のホースで吸い込む取り付けた厚手のビニール袋の中はスズメバ...ポエム398『蜂の子捕り』

  • 当世呆れ節 13

    〇兵庫知事選挙17日に投開票アーソレソレ6人立候補で票が割れそうソレカラドーシタ知名度のある斎藤元彦前知事に有利な展開か〇陳謝と強弁繰り返す前知事にアーソレソレ若者人気が爆上がりらしいソレカラドーシタメデイアの餌食と反発してSNSで支持呼びかけ拡散か〇反権力というだけでノレル若年層が国を席巻かアーソレソレ選挙に行かない層から行く層に変わったのはいいけれどソレカラドーシタ選んだ人物に期待できるかは皆目わからない〇前知事がほんとに勝ったらどうなるの?アーソレソレ議会が再度不信任可決なら失職だがソレカラドーナル県民の負託があるものをクビにはできなさそう当世呆れ節13

  • 紙上大喜利73 『じじいの時事ばなし』

    〇「今更だけどトランプが勝ったな」「ご隠居の予想は外れたみたいですね」〇「ラスト・ベルト〈石油産業や自動車産業など衰退している工業地帯〉のアフリカ系黒人票がごっそりトランプ支持に鞍替えしたことが民主党大敗の一因らしい」「トランプさんは所得を増やすという約束を守れますかね」〇「EUや国連もあわてているだろうな、分担金の増額を求められそうだ」「トランプさんは自分なら世界の紛争を収められると言っていますが」〇「イスラエルのネタ二エフ首相が早々と祝電を打ってトランプの懐柔に出ているからガザ消滅の危機は避けられないだろう」「それじゃ前政権と同じじゃないですか」〇「ウクライナとロシアの停戦を目論むプーチンに領土分割併合を約束させられる恐れがある」「とりあえずウクライナへの軍事支援はストップするでしょうね」〇「日本も米...紙上大喜利73『じじいの時事ばなし』

  • ポエム397 『ゆめ』

    ゆめ見る夢でなく妄想まじりの夢ぬきあしさしあし寝床から見上げる川端康成目が合ってペコリ退散夢芝居のちに俳句のおっちゃん夢で嫣然と微笑むありえない妄想明け方ぬきあし差し足で去ってゆくポエム397『ゆめ』

  • 心に残る詩人たち 13

    小椋佳〈写真はウィキぺデイア〉より小椋佳の「渡良瀬逍遥」というLP盤を買って聴き続けた時期があった。布施明の「シクラメンのかほり」が大流行して<真綿色したシクラメンほど清〈すが〉しいものはない出逢いの時の君のようです>という表現にすっかり魅了されたせいである。小椋佳は1971年に歌手としてデビュー。当初はフォークソングあるいはニューミュージックに分類されていたが、次第にジャンルを広げていった。銀行員としてエリートコースを歩む一方デビューから20年以上もの間、ほとんど表舞台に出ないアーティストとして活躍する。1993年、銀行を退職すると、音楽活動の一方で再び母校の東京大学に学士入学し、1995年に法学部第3類(政治コース)を卒業。さらに東京大学文学部思想文化学科とその大学院(人文社会系研究科の思想文化コース...心に残る詩人たち13

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