夕方、所用で銀座に向かう。地下鉄を下りたところで、その人込みに何か違和感を覚えたのだけれど、階段を上って四丁目の交差点に出たとき、そこは自分の知っている四...
友人から紹介してもらった『三月一一日のシューベルト 音楽批評の試み』(船木篤也、音楽之友社)を読了。音楽批評には、吉田秀和のような美の思索と知悉を厳しく極...
今期の芥川賞『ゲーテはすべてを言った』(鈴木結生、朝日新聞出版)を読了。芥川賞なのだけれど、知的なエンターテイメント小説だった。ゲーテを始めとしてさまざま...
このあいだ渋谷区郷土博物館・文学館を観覧しに行ったが、地下の文学館の一番の目玉は、何と奥野健男だった。→https://shibuya-muse.jp/p...
特別展『鍋島侯爵家と松濤』の図録を読んでいて、背筋がぞくっとした。牧野伸顕宅:渋谷区神山町45番地・・・吉田茂一家はこの隣地に住んでいた。吉田健一は193...
昨日は。国學院大學への坂を上って渋谷区郷土博物館・文学館に出掛けた。『鍋島侯爵家と松濤』展。このあいだ散策した松濤のことをもうすこし知ろうと思ったのだ。→...
こちらのペルゴレージのスターバト・マーテルの音盤は聖歌というよりも、静謐なオペラを聴いているかのよう。ブレシア&ベルガモ国際フェスティバルでのライヴ録音だ...
『石橋湛山を語る』(田中秀征、佐高信、集英社新書)を読了。田中秀征のことを殆ど知らなかったので本当に勉強になった。彼が主導して新党さきがけを作り細川内閣成...
ペルゴレージのスターバト・マーテル、こんどはボーイソプラノを伴うものを聴いている。わずかな時期だけの脆く儚いボーイソプラノは格別で、極めて清く澄みきってい...
いまの社会情勢、世界各拠点での想像を超えた展開。政治のみならず芸能に至るまでの思いもかけない事柄を目の当たりにして、果てしない無力感を覚える。友人とは「終...
映画を観たあとの震撼がまだ続いていてどうしようもなく、音楽に救いを求める。それはどうしてか、あるいは必然なのか聖歌だった(友人がドイツ・レクイエムに没入し...
観終えたら喉がカラカラになっていた。醒めながら見る夢というのはこのことを言う。映画『敵』(吉田大八監督、筒井康隆原作、2023年)。→https://ha...
とうとうこの日が来てしまった。1984への途が始まったように思う。・自国第一主義・地球温暖化対策への逆行・SNSの無管理・無節操化・誹謗中傷の容認・ポピュ...
とうとうこの日が来てしまった。1984への途が始まったように思う。・自国第一主義・地球温暖化対策への逆行・SNSの無管理・無節操化・誹謗中傷の容認・ポピュ...
先週、駒場~松濤~神泉~円山~道玄坂界隈を散策したけれど、この地区は小さな区域ごとに、街の様相が極めて大きく変わっていることに気付く。道筋一本違うだけで猥...
〝湛山〟の読み方を知らなかった。本を買い求めたあとに漸く〝たんざん〟だと知るほど呑気だったからちょっと落ち込む。そして読み進めて再び力が漲っていった。『戦...
映画『アプレンディス』(原題:Apprentice、アリ・アッバシ監督、2024年、米国)が公開されるということで、観なければという心の声に従って封切り日...
Netflixのドラマは観たいものが無くなってしまい、毎月の視聴料が勿体なく思っていた。いっそ解約してしまおうかと思っていた矢先に、オリジナルドラマがリリ...
今月の神保町シアターは「女優・佐久間良子」特集。気になって水曜の夜の部で『孤独の賭け』(村山新治監督、1965年、東映)を観た。神保町シアター→https...
駒場東大駅前の古書店はどことなく昏さがあって入るのに勇気がいった。奥の方に座っている店主が実に気難しそう。鞄は中央の台に置いてくださいと貼り紙があり、その...
昨日は友人との新年会。酒を酌み返すだけでは何なので、彼の提案で、その前に駒場の日本近代文学館や松濤美術館に赴く。その途中で三島が全共闘と討議を交わした東大...
2024年下半期の芥川賞を得た『東京都同情塔』(九段理江)に圧倒された。ザハ・ハディドが設計した国立競技場が廃案にならず実際に建設され、建築家の牧名沙羅は...
映画『オークション 盗まれたエゴン・シーレ』(原題:Le Tableau vole、監督:パスカル・ボニゼール、2023年)を観た。→https://au...
NHKの大河ドラマ『べらぼう』の初回をようやく観た。18世紀後半の吉原や江戸を舞台に、商売の隆盛を如何に図っていくのかを描こうとしている。初見したところで...
年末に友人から、「新潮」の新年号が「よみがえる三島由紀夫」という特集だよと教わって、予約しておいたやつが届いた。読み始めたのは「三島由紀夫への手紙」という...
「新潮」の新年号「よみがえる三島由紀夫」特集の続き。平野啓一郎の講演録は実に明晰で唸った。まだ彼による『三島由紀夫論』さえ読んでいないのに(積読状態)こう...
学生時代の知人から中野りなというヴァイオリニストのことを教わった。8月末に一度コンサートも聴きに行けるチャンスが有ったのだけれど、朝から動き回ったことが良...
「友人からの年賀状が昨年も今年も来なかった」と父が呟いた。実家を訪れて暫く話をしたあとだ。ここ数年、父からも年賀状を全く出していないから相手から来ないのも...
元旦に地元の鎮守に初詣したが、所縁がある場所であれば別の社を詣でてもよいと知り、昨日は家人たちと再び初詣。御利益を増すべく市ヶ谷から番町、麹町、永田町まで...
正月三が日と言えば、子供のころから百貨店やスーパーに足を向けていた。親が新春売りだしファンで、唆されて列に並ばされ買わされていたのだ。大人になってからもし...
映画『TAR』は2023年に観た映画のマイベスト2だった。→https://hankichi.exblog.jp/32986086/そのサウンドトラックC...
『つげ義春日記』(講談社文芸文庫)を読了。昭和50年11月から55年9月までの日記が唐突に始まり、唐突に終わる。僕の高校~大学時代と重なるので妙に郷愁が湧...
正月二日は家人たちの集合。お節料理とお酒をたらふく食べ飲んだらふらふらになり、いつしか午睡をしてしまう。夕方に目覚めて居間に行ったら誰もいない。散歩に出か...
ブログ知人の紹介で取り寄せて読んだのが『私の絵日記』(藤原マキ、ちくま文庫)。著者は、つげ義春の奥様だ。この書の英訳版は、2024年に漫画界のアカデミー賞...
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夕方、所用で銀座に向かう。地下鉄を下りたところで、その人込みに何か違和感を覚えたのだけれど、階段を上って四丁目の交差点に出たとき、そこは自分の知っている四...
話題の韓国ドラマ『財閥家の末息子』(原題:재벌집 막내아들、英題:Reborn Rich,製作:jtbc、2022年)が今月からNetflixでも観られる...
友人が読んでいた本『文学を探せ』(坪内祐三、講談社文芸文庫)を貸してもらって読んでいたら、友人が言っていたように、「怒りながら書く人」だった。→https...
このあいだ聴講した講座‘「カンダ・オチャノミズ」を探る’(日本大学理工学部図書館公開講座)の結びのなかで、実は今日話した内容は司馬遼太郎の『街道をゆく 3...
新聞に連載されている美術コラム「塔のものがたり 十選」(山尾悠子)は、その初回がヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck)の「聖バルバラ」が題材だっ...
『李朝残影』(梶山季之、光文社文庫)を読了。サブタイトルは「反戦小説集」だ。著者は1930年京城(現ソウル)生まれ。敗戦で広島に引き上げ学生時代から小説を...
"「カンダ・オチャノミズ」を探る"という講義で、お茶の水が舞台という映画を観た。『自由学校』(渋谷実監督、獅子文六原作、1951年、松竹)。南村五百助(い...
昨夕は都市の変遷史の講座を聴講。題して‘「カンダ・オチャノミズ」を探る’。日本大学理工学部の図書館公開講座だ(講師:建築学科 宇於崎勝也教授、後援:千代田...
『ミュージック・ヒストリオグラフィ』(松本直美、ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)を何とか読了。僕は音楽は好きなものを聴いていればよいじ...
『日吉アカデミア一九七六』(原武史、講談社)を読了。「群像」の2024.1月号から2025.1月号に連載されたものだそうだ。中学受験で慶應義塾普通部に入学...
友人から手渡された『対馬の海に沈む』(窪田新之助、集英社)を読了。2024年の開高健ノンフィクション賞を得た作品だった。読み終えてとても酷く昏い気持ちにな...
『荷風の昭和 《後篇》』(川本三郎、新潮選書)を読了。副題は「偏奇館焼亡から最後の日まで」。前後篇あわせて壮大な作品だった。東京大空襲では火消しをやらない...
昨年に引き続き、昨日は甲斐路・南アルプス市へ。カタカナが入っている唯一の市だという。予約できたのは昨年とは別の果樹園。車を駐めることが出来るのは公民館の駐...
家人たちに連れられて歌手MISIAのコンサートに出掛けた。「STARTS presents THE TOUR OF MISIA 2025 LOVE NEV...
荷風の本を読み進めていると荒川放水路のことがやはりどうしても気になって、その源をこの目で確かめたくなった。岩淵に行ってみると、赤門と呼ばれる旧水門と青門と...
今週(第1週)の朝の連続テレビ小説『あんぱん』のテーマは「生きろ」。これは大きな転換への始まりとして心に刻んだ。のぶ(今田美桜)が夫の次郎(中島歩)と話を...
和製ミュージカル映画の代表作という触れ込みに惹かれて、神保町の夜の上映で『君も出世できる』を観た。ストーリーは月並みな陳腐なもので余り関心しなかったが、そ...
川本三郎の『荷風の昭和』(新潮選書)、その《前篇》を読了。沢山の触発があったけれど、荷風がドビュッシーをかなり早期に日本に紹介していたことを知った。“一方...
久しぶりに千桜小学校の学区に足を運んだ。千代田区岩本町は、神田岩本町の一部のほか、神田大和町、神田松枝町、神田元岩井町の全部、神田豊島町、神田東松下町の各...
『ALWAYS 三丁目の夕日 '64』を観てしまった。最初に観たのが2012年だったけれど、そのときのメモを振り返る。同じように同じようなところで感銘した...
随分と前のことになる。入った大学はクラブ活動だけでなく地域名を冠した同窓会が盛んだった。当時住んていた東京の隣町にもそれは有って、だから自動的にそこの地域...
先週末の金曜日は関東もようやく梅雨に入ったが、そんな夕べに演奏会で「春」を聴いていた。シューマンの交響曲第1番だ。トレヴァー・ピノックの指揮するものを初め...
川本三郎の『日本映画を歩く ~ロケ地を訪ねて~』(JTB刊)を読了。雑誌『旅』の1997年5月号~1998年4月号、1998年9月号の「映画の舞台へ」とい...
夜につらつらとBS放送のチャンネルを繰っていたら、WOWOWで韓国のテレビ番組が放映されていた。今年4月に行われたMBNの「トロット・ガールス・ジャパン」...
高橋源一郎の『「不適切」ってなんだっけ』(毎日新聞出版)を読了。「サンデー毎日」の連載をもとにした『これは、アレだな』シリーズの第3弾だ。→https:/...
イングリッシュ・コンサートという古楽器オーケストラをトレヴァー・ピノックが遥か昔に創設したことは知っていた。→https://englishconcert...
昨夕は子供たちが集まっての夕食。北海道から大量に取り寄せたというアスパラガスに挽き肉を巻いて焼いたり、ベーコンと炒めたりしたものが出てくる。新鮮で美味くて...
『花街の引力』(三浦展、清談社)を読了。副題は「東京の三業地、赤線跡を歩く」。薄々は知ってはいたけれども、東京のそれぞれの場所の三業地や赤線、青線、そして...
NETFLIXでちょっと前の映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(堀江貴大監督、2021年)を観た。→https://filmarks.com/...
内田樹の『だからあれほど言ったのに』(マガジンハウス新書)を読了。まさに書名通りの口調で云われてしまった思いがした。薄々は気づいていたのだけれど、そこまで...
映画『碁盤斬り』をもう一度観に行った。あまりにも素晴らしかったから、こんどは客観的に個々の役者の演技や撮影構図の仔細などをよく観ようと思ったのだ。その計画...
佐藤忠男というと少し癖のある映画評論家としか思っていなかった。個々の映画評は良く読んでいたし、『小津安二郎の芸術』(朝日選書)も読んでいた。そんななか四方...
昨晩のこと。帰り道に社の傍を通ったら、鳥居のあいだに光るものが見える。三日月だった。その社には神が居るわけではない。戦で亡くなった人たちが祀られているとい...
『ニューヨークより不思議』(四方田犬彦、河出文庫)を読了。1987年4月から1988年3月まで1年間ニューヨーク・マンハッタンに滞在した手記に2015年の...
夜に寝入っていたところで夢を見た。というか夢がどんどんと僕に迫って来た。読み終えた小説の劇伴音楽がどうのこうのというのだ。夢のなかの相手が言うには、大佛次...
このあいだ観た映画『帰郷』には肩透かしを食った。→https://hankichi.exblog.jp/33377417/原作が大佛次郎とあったので、いっ...
昨日の午後は、秋に慶事を控えた家族間の懇親。手作り料理を大いに楽しみ、良酒もその空間を更に和らげていった。ひよこ豆を茹でてマッシュしたフムス、チリコンカン...
このあいだのコンサートのアンコールで聴いたR. Strauss の“Morgen!”「あしたに」が忘れられない。家の棚を調べてみると、エリザベート・シュワ...
昨夕は大学時代のクラブ仲間のT氏から教わって「紀尾井・明日への扉」という若手奏者による演奏会に出掛けた。日本製鉄文化財団が主催、三菱地所がスポンサーだ。→...
神保町シアターの今月は「1960年代――吉永小百合と私たちの青春」。→https://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-thea...