「水無月」一考(令和5年度版)
まぁ、新暦に基づいて考えても意味は無いのだが、とりあえず今日は6月に入って中旬にもなってしまっているので、和名である「水無月」について、考えたいと思う。よく、梅雨に入っているため「水の月」だと解釈する事例があるようだが、それはやはり新暦に引っ張られている印象である。何故ならば、江戸時代以前にはそういう解釈が一般的ではなかったためである。○六月和名をみな月と云、当月は雨ふりがたく、水なし月と云事也とぞ。三田村鳶魚先生『江戸年中行事』新潮文庫、43頁・・・普通に「水無し月」の意味で解釈されているのである。だが、三田村先生が引用されている『江府年行事』(享保20年)は珍しく典拠・故実への言及が無い。他の月なら『奥義抄』などの引用がされているのに、である。そこで、少し当方でも調べてみた。万葉集にも六月をみな月との...「水無月」一考(令和5年度版)
2023/06/12 22:20