『宗門往来』に見る日本仏教の宗派観について
江戸時代、初等教育に用いられたテキストとして「往来物」が存在している。「往来」とは手紙のやりとりのことで、その手紙に模した文章を書き写すことで、文字や文章を自主学習する意味がある。そして、「往来物」の一つに『宗門往来(または『宗門往来起原抄』)』が存在している。書誌情報としては、全1巻で東里山人(鼻山人とも)、栄林堂森屋治兵衛の印刷で、文政7年(1824)版となっている。つまりは、江戸時代末期の印刷になるのだが、転ずればその頃の仏教宗派観が知られるわけで、その辺を読み解いてみようということである。なお、当方も一部所持しているのだが、先の通り「新日本古典籍総合DB」へのリンクを貼っておいたので、興味のある方は是非、画像でご覧いただくと良いと思う。ところで、宗派別という観点では、同書の頭註の位置に「江戸諸仏閣...『宗門往来』に見る日本仏教の宗派観について
2022/09/13 15:04