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「ラス・メニーナス/ディエゴ・ベラスケス」と「騎士団長殺し」 ―― 1/3
縦3m を超える大きさに圧倒されて、しかし、上半分は、壁と天井しか描かれていない。―― あり得ない構図だ。フェリペ4 世の愛娘マルガリータが主題らしい。中央に描かれて、しっかりとこちらを見ている。 ―― ラス・メニーナス(女官たち)/ディエゴ・ベラスケス ―― Las Meninas/Diego Velázquez、1656、油彩、318×276 cm王女のほかに視線を感じるのが、宮廷道化師。右側に立つ小人症のマリア・バルボラ。...
「ラス・メニーナス/ディエゴ・ベラスケス」と「騎士団長殺し」 ―― 2/3
僕が、小人症、で思い出したのは、村上春樹の「騎士団長殺し」。小説の主人公は、肖像画家で、身長60cm ほどの騎士団長が登場する。 ―― 道化師セバスティアン・デ・モーラ/ディエゴ・ベラスケス ―― Bufón don Sebastián de Morra/Diego Velázquez、1645、油彩、106×81 cmディエゴ・ベラスケスの絵に、「道化師セバスティアン・デ・モーラ」ってのがあって、連想ゲームが始まる。「ラス・メニーナス」に描...
「ラス・メニーナス/ディエゴ・ベラスケス」と「騎士団長殺し」 ―― 3/3
描かれるはずの人たちの視点で、描かれるはずのない人たちを描く。描かれている対象ではなく、形式を鑑賞する態度を求めてくる。分かりかりにくい作品というのは、分かりやすい作品への抵抗として作られる。内容や実用性と切り離して、描き方を受容する能力を求めてくる。「ラス・メニーナス」は、1656年の現代アート。お見事、ベラスケス。 ―― ラス・メニーナス(女官たち)/ディエゴ・ベラスケス ―― Las ...