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  • 茶話135 / 野の花

    岡山の旅は四日のうち三日が雨。帰ってからも雨続き。畑活したいが閉店がらがら休業状態。うらやましげに空見上げても今にも降りそな空模様。降りそでもこっちは振る袖もなき年金暮らし。まま食うままもままならぬ身。朝起きると今日もやはり雨。さて、どうしよう。月に一度の掛かりつけ医に行って、血圧計って、薬局に行って薬をもらって帰宅。さて、どうしよう。そうだ。去年、近くの河川敷にモヂズリが咲いているのを見つけた。あれを採って来て植えよう。ちょうど雨も止んでいる。おおよその場所の目星はつけてある。スコップとバケツを持って河川敷へ。確かこの辺りだとうろうろする。あったあった!おお、こっちにも!都合六株。持って帰って、植木鉢を探して植えてやる。陸奥(みちのく)のしのぶもぢずり誰(たれ)ゆゑに乱れそめにしわれならなくに/河原左大...茶話135/野の花

  • 茶話134 / 老いの小文⑥

    ※「老いの小文⑤」からのつづきです。かげろうが揺らぐ春の日、野辺に出て、ふりさけ見れば足ひきの山の尾の上の雲霞み。色添え、匂う桜の花盛り。折々通う春風にもなんとも言えぬ花の香がする。なんぞと書き始める予定の備前の旅のはずだったが、花のつぼみはまだ固い。おまけに、三日目から雨模様。しかたなく、素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した剣を洗った滝から、男根を祀る金勢大明神をめぐり、道を南へとって日生の海に着いた。瀬戸内に面した日生の海は、波静かに鏡のごとくして陽に輝き、突如として現れる数十の島々の松樹の碧緑を映す。青垣なす山々を背に、春うらうらの浦風うけて海浜にたたずめば、白砂青松まことに書にも及ばない絶景である。なんぞと書きたかったのだが、日生の名のごとき日は生ぜず、島々は降る雨にかすんで下手な水墨画を見ているようだ。...茶話134/老いの小文⑥

  • 茶話133/老いの小文⑥

    備前の旅三日目は朝から霧雨。傘もささずに野辺の道を通って川沿いの県道にでる。この地はどこの河畔にも桜の木を植えていて、一輪なりとも咲いていないかと探すが蕾は固く閉じたままだ。いたしかたなく旧友の家に戻ろうとして、村に入る道の傍らに背の高い石碑を見つける。「素戔嗚尊血洗之滝(すさのおうのみことちあらいのたき)」と標されている。ずいぶんと物騒な場所があるものだと、家に戻って旧友に尋ねると、素戔嗚尊が、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した剣に着いた血を洗って禊(みそぎ)をした滝が近くにあるのだと言う。「天の岩戸伝説の後、素戔嗚尊は高天原を去って根の国(島根)へ行き、そこで八岐大蛇を退治したのではないか。なぜ、備前までわざわざ血を洗いに来るのだ?」と問うと、「そこが備前の備前たるところやがな」と釈然としない答え。...茶話133/老いの小文⑥

  • 茶話132/老いの小文⑤

    戦後すぐに建てられたかと思われる碍子(がいし=電気の絶縁線)むき出しの座敷に、厚手の布団を敷いてもらって備前国の旅寝の一夜目。ネコかイタチかの天井這いまわる音で一人寝の寂しさをまぎらわし、翌朝は各戸に引かれた防災無線のけたたましい音楽で嫌でも目を覚ます。パジャマのまま外に出ると春霞(かすみ)が立ち込めている。夕べの酒宴の残りのコロッケとコーヒーという妙な組み合わせの朝食をとりつつ、旧友が言うには、霞ではなく霧で、こんな日は天気が良いのだと言う。その言葉通り、霧が引き出すと陽も長閑に顔を出す。さて、今日こそは一宿一飯の恩義に報いる日と、ゴムの長靴ゴム手袋に身をかため、のこぎり鎌に草刈り鎌、備前小早川家の違い鎌、作州出身は宮本武蔵の二天一流の鎌使いで、ばったばったと草を抜く。緑満ちたる雑草の中に咲く何やらゆか...茶話132/老いの小文⑤

    地域タグ:岡山県

  • 茶話131 / 老いの小文④

    備前の国に旅するのは、去年の春を初めとして今春で四たびになる。昼前に旧友の愛車に便乗して大阪を出発する。時折り降る雨の中を神戸に入ると小雪にかわる寒さ。明石、姫路、相生を抜けると風景は一変し、山あいの平野を縫うようにして走り、山陽道の要所、播磨国と備前国を隔てる船坂峠にいたる。鎌倉幕府を倒さんとして隠岐に流罪される後醍醐天皇を奪回せんと、備前の児島高徳(たかのり)が一族郎党二百余騎をしたがえて天皇護送団を待ち伏せした地である。しかし、移動ルートを見誤り、天皇救出の義挙は失敗に終わる。春しぐれ義挙空拳をいかんせんその後、高徳は天皇一行を播磨・美作の国境の杉坂まで追うのだが、天皇一行は既に津山へ達しており、完全な作戦失敗となって軍勢は雲散霧消してしまう。しかし、高徳は天皇の奪還を諦めず、夜になって天皇の宿舎に...茶話131/老いの小文④

    地域タグ:岡山県

  • 畑137 / 土と草

    先週は少し暖かだったので一週間休みなしの畑活。畑一面をびっしりと覆った冬草の草抜き。そろそろ花を咲かせようとしているから、今抜いておかないとたいへんなことになる。五月に落花生を植える予定の場(1/4)と畑の周りは除草剤に頼ってしまった。体も本調子ではないから、気持ちがずいぶんと楽になる。畑でストレスは感じたくない。畑は癒やしの場なんだから。人は自分の幸せのために活動、労働するのだが、ストレスがつきまとう。家族、親戚、友人、同僚、ご近所の付き合いは、自分を助けてくれて幸せにしてくれるのだが、ストレスになることもある。我々は、いろんな人と幸福とストレスを相殺しながら生きているのかもしれない。そんな中で、スポーツやペット・グルメ・旅行に「癒やし」を求める。「癒(ユ)」の訓読みは「いや・いえ」で、「心を癒す」「病...畑137/土と草

  • 茶話130 / 卒業

    今日は子供見守り隊の当番日。いつもの時間に、いつもの交差点へ。ところが、10分ほど経っても子供が来ない。15分ほどして、ようやく三人がやって来た。「今日は学校で何かあるのか?」と尋ねると、「今日は卒業式やがな」と男の子の元気な返事。「そうかいな、おめでとう!」と言うと、「僕はまだ5年生やがな!今日は5年と6年生だけが登校や」」と教えてくれた。小学校の卒業式って全校生徒出席と違うたんかいな?……と思い出そうとしたしたものの、50年以上も前のことなど思い出せない。当然、自分の小学校卒業の時にどんな気持ちだったのかなど、頭の中の記憶の引き出しの奥に押し込まれて出てこない。人間なんぞは、古い記憶をどんどん御国押し込めて成長していくものなのだ。そう独り納得して、6年生らしき子どもには「おめでとう!これから、もっとえ...茶話130/卒業

  • 畑 136/ これもまた人生の楽しみ

    朝、目覚めて、布団の中で丸くなりながら雨音を聞いている。もう少し眠ろうか……、どうせ今日は何もできないし、筋肉痛だから……。十日ほど前にジャガイモの種芋を買ったが、寒い日が続いたので植えずにいた。今週あたりから暖かくなりそうだし、どうやら明日(昨日)は雨模様なので、畝を立てるとすれば今日しかない。『ブギウギ』を見てから畑へ。冬草がぼうぼうだし、土もまだ湿っているが、できるところまでやるとしよう。管理耕運機で耕したものの、土が重いので昼まで乾かしてから畝立てをするとするか。それまでは、ひたすら草抜き。◇昼ごはんを食べて、『ブギウギ』の再放送をを見てから畑へ。だいぶん乾いているので、軽く土を寄せて、草を集めてしばらく干す。それまでは、ひたすら草抜き。一箇所に集中して草抜きすると飽きてくるので、場所を変える。此...畑136/これもまた人生の楽しみ

  • 茶話129 / 究極のネタ

    ペット、グルメ、トラベルのブログネタ御三家のどれかでブログを書きたいのだが、とんと縁がない。頭にきて「119/まあええか」で、一度に三つを合わせた夢の話を書いたら、未だによく読まれている。ペットを見てかわいいと思わない人はいないし、グルメして美味しいと感じない人はいないし、トラベルして楽しいと思わない人はいない。そこで、我が家の相方に「犬でも飼おうか?」と言うと、「こっちが先に死んでしまうわ!」。「美味しいものでも食べに行こか?」と言うと、「そんなん食べて出したらしまいやがな!」。「温泉でも行こか」と言うと、「しんどいし、お金がいるがな!」。金どころか、味も素っ気も夢もない。しかたがないので、子どもの頃、魚屋のオッサンに頼まれて猫を捕まえ、河原に捨てに行った話を書いた。ブログに載せようとgooのアピール記...茶話129/究極のネタ

  • 茶話128 / あおる

    「煽る」と書く。「けしかける」の意。「あおり運転」が問題になって久しい2020年6月に道路交通法が改正され、あおり運転に対する罰則が定められたが、あいかわらず後をたたない。あおり運転の原因で多いのが、「追い越されたから」「車線変更で自分の前に出てきたから」という報復行動だという。煽る人には、煽られている人よりも有利な立場でいたいという心理があるのかもしれない。そんな心理からではなく、金儲けで煽る人がいる。能登半島地震の直後、「人工地震が原因」とか、「外国人窃盗団集結」といった偽の情報がX(ツイッター)で拡散した。Xでは、課金しているユーザーが一定の閲覧数(インプレッション)を獲得すると収益が得られる仕組みになっているとか。不安な気持ちの時に不安を煽られるとますます不安になる。そんな人の心理を悪用した金儲け...茶話128/あおる

  • 畑135 / ボーっと生きてんじゃないよ!

    先週の土曜日に蒔いたトマトが芽を出し始めた。ヒーターマットで25℃から28℃くらいを維持して、今日で6日目、ほぼ計算通り。と、言うのは発芽に必要な積算温度というのがある。積算温度=一日の平均気温×日数植物によって発芽日数が変わるのは積算温度のためだ。トマトを例にすると、種の袋の裏に次のように書かれている。発芽適温25℃から30℃(発芽日数4~6日)25℃×6日=150℃30℃×4日=120℃つまり、トマトの発芽積算温度は120℃~150℃ということになる。ナスとピーマンは180℃~200℃(6~8日)なので、あと二日ほどすれば発芽する計算になる。もし、保温なしで今、トマトを植えたとすると、次のようになる。3月の平均気温=最高14℃・最低5度(14℃+5度)÷2×?日=120℃……?=12.7日計算上は13...畑135/ボーっと生きてんじゃないよ!

  • 畑 134/ 地の恵み

    去年の夏、畔にサニーレタスのこぼれ種が一つ芽を出した。いずれ食べてやろうと思っているうちに薹立ち(とう立ち)してしまって花が咲いた。その種が落ちて芽を出した。こぼれ種のこぼれ種。こういうのはありがたい。年末ジャンボで三百円当たったうれしさ。いやいや、ネット販売で知らないうちにポイントが千円貯まっていたうれしさだ。★間引き替わりに10株ほどをビニールポットに植えて苗にする。あとはそのまんまにして自然栽培。こぼれ種は力強い。さぞかし栄養も豊富だろう。天の恵み地の恵みだ。畑134/地の恵み

  • 畑133 / 調子にのって初出勤

    昨日は晴天。朝は寒かったが、昼からは13度になるというので、11時頃に暇つぶしに畑へ。もう三か月も何もしていない畑は草ぼうぼう。そろそろ成長しだす玉葱の畝も草だらけ。こりゃいかんわい!じっとしていると寒いので草抜き開始。30分ほどやっても体の調子はいい。その調子にのって昼過ぎまで。★家に帰って、昼ご飯食べて、しばらくぼぉっとして、そして、もう一つ調子に乗って、水筒に熱い紅茶を入れて、バイクで畑へ。玉葱の畝の残りの草を抜いて、ニンニクの草を抜いて、ワケギの草を抜いて、そして、島らっきょの草を抜くころには、少し寒くなってきた。椅子に座って、冷ましておいた熱い紅茶(?)を飲みながら写真を撮っておこうか……いやいや、こんなのブログに書いたとて面白味があるまいというので、写真は撮らずに家路へ。エクセルの十文字日記に...畑133/調子にのって初出勤

  • 畑132 / 種まき

    先週の火曜日に温熱ヒーターを利用して蒔いた白菜、キャベツ、ブロッコリーが芽を出した。早いものは次の日に土をもたげ、三日目には多くが土をもたげて発芽した。発芽していないのは、一昨年や去年に買った残りを蒔いたからで、諦めはつく。さて、芽は出たものの、陽にあててやらなければ、ヒョロヒョロと茎が長くなって徒長してしまう。部屋の中で育てているのだから、多少の徒長はしかたがない。そう思っていたら、徒長しない。成育に必要な温度が維持されていれば、徒長しないのだ。成長に必要な栄養をつくるための光合成をしたいがために、陽をもとめて徒長するのではない。我々が寒いときに日向に出るのと同じなのだ。彼らは成育温度に達していないとき、葉や茎の温度を上げるために、陽にあたりたくてヒョロヒョロと茎を伸ばすのだ。よう知らんけど。白菜、キャ...畑132/種まき

  • 茶話127 / わてほんまによういわんわ

    知り合いと話していて「パソコンが突然壊れて難儀したわ」という話に。「やっぱりバックアップはとっておかんとあかんなあ」そう言われてみれば、我が家のパソコンはバックアップしていない。中古を買って三年目だから、いつプッツンがきてもおかしくはない。そこで、早速にアマゾンで外付けのハードを注文した。朝ドラ『ブギウギ』の中で歌われている「買い物ブギ」。その歌詞の中で繰り返される「わてほんまによういわんわ」は、かなり究極な関西弁だ。「わて」は、私。ワタシからワタイになり、ワテに変化した。「ほんま」は、本当であること。「本真」は当て字で、「本間=正式・本当」が正しい。「よう言わんわ」は、古文の「え~ず(否定)」と同じで、「え行かず」で〈行くことができない〉の意味になる。「よう~ん(否定)」で不可能の意味を表す……。……と...茶話127/わてほんまによういわんわ

  • 茶話126 / パリは近し

    フランス語である。ぜひ、声を出して読んでいただきたい。Commontallez-vous?(コモンタレヴー=お元気ですか)Attends!(アッタン=ちょっと待って!)ahbon?(アボン?=えー本当に?)Jet'aimedetoutmoncoeur(ジュテームドゥトゥーモンクール=心から君を愛している)Ondryananisitekettkannen?Tyoimatutareya.Andarahayokonkai!Moakanharahetanjya!Jakawasimonkutarenna!河内弁はフランス語に近い。※二年前の3月から「茶話」を開始した。その頃のふざけた記事のリメーイク。茶話126/パリは近し

    地域タグ:大阪府

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