自作小説(BL中心、一般ファンタジーなど)を連載しています。 kindle作家天瀬由美子の個人ブログになります。 june世代の作風で、長編が得意です。 よろしくお願いします。
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「そろそろ出発だ。準備は良いか」 アルシュは小さなリュックサックに当座の旅に必要なものを詰めると、ウーディを振り返った。ウーディはアルシュよりずっと大きなリュックを担いで、「ああ」と答える。アルシュは世話になった家に別れを告げるように言った。「短い間だったけど、有難う。おかげで体も元通りになりました。多分、いつか俺たちが向こうの世界で寿命を終えてこっちに来る時が来ても、ここには来ないと思うけど、...
霊界の、明るい不思議な部屋で彼らは心ゆくまで愛し合った。 雲のベッドで絡みあうふたつの体から、切なげな溜息がもれる。ウーディはアルシュの再生された体を確かめるように何度もその部分をさすったり、撫でたりしながら、ゆっくりアルシュを貫いていた。「あっ……アァン、くふっ……ん――あ……」「アルシュ、俺の――」 ウーディがひときわ大きく突いた。アルシュの背中が弓なりになった。ウーディを受け入れたアルシュのそこは淫...
「アルシュ、帰ったぞ。村で食料をたっぷり貰ってきた」 明るいウーディの声が聞こえてきて、アルシュは心地よい微睡から覚めた。かれは雲のベッドから上体を起こすと、再生したばかりの両足を慎重に動かした。「おかえり。そっちに行くよ」「いや、俺から行こう。お前の体はまだ不完全だ」 ウーディが白い部屋のドアを開けた。すると、部屋の中がキラキラ輝き、一斉に床や壁などが現れ、色づきはじめる。いつ見ても、不思議な光...
アルシュは深い眠りから覚めた。かれは明るい、心地よい世界にいた。(あ……) やさしい陽光がエラルド王宮の庭の木漏れ日に似ていて、一瞬、現実の世界に戻ったのかと思ったが、そうではなかった。(ここは――……) あたりは真っ白だった。ガウラの深淵の底が漆黒の闇しかなかったように、この場所には白いものしかない。かれはその白いものが凝り固まったベッドのようなものに包み込まれていた。じんわり温められ、栄養を与えら...
アルシュは犯された。 塔のような樹木の枝の先端にあらわれた巨大なペニスに貫かれ、何度も出し入れを繰り返され、あまり強くないその部分の肉が破れても、さらに犯された。「あっ――うっ――ウッ――ハァッ!」 かれは痛みに耐えかねて、狂ったように身をねじった。だが、四肢は枝に押さえられていて、びくともしない。唐突に巨大なペニスが抜かれると、今度は周囲の枝先の先端が、開ききって閉じることができないアルシュのそこに...
(5) あまりに一方的な破壊だった。 結界をこじ開け、ガウラの手先の化け物どもがなだれ込んでくる。その中には先刻、アルシュを追いかけまわした幽鬼たちよりもっと邪悪そうな、異質で恐ろしい怪物が何体もいた。「なぜ、ここが――」「こんな……あり得ない」「怯むな。やつらを焼き払うのだ! 地獄の化け物どもは火に弱い!」 白魔法使いたちは恐慌に陥りかけたが、声を張りあげた。地上では、魔法使いと名乗るほどの...
その場所に下り立って、アルシュは両手と膝を地面についた。「……ここは」 絞りだすように言う。 奇妙な夢にさまよいこんでしまった感覚で、あまり助かった気分ではなかった。なぜなら霊界の、地獄であるはずのこの場所に、地上の魔法使いたちの里と同じ建物と森がある。 もっともそれは初めに見た風光明媚なものではなく、アルシュたち一行が立ち去った後の、寂れたほうの景色に似ていた。 分かるのは、ここが現実でないこと...
「どうだ。“はぐれ者たちの里”の魔法使いどもと上手くやれそうか? エラルドは連中と協定を結ぶことにしたんだろう?」 ひと月後、ウーディは温めなおしたシチューをうまそうに食べながら言った。アルシュはウーディの食べっぷりが面白くて、椀が空になるとすぐシチューをつぎ足す。山のようにあったパンも見る間に減ってゆく。一日中、山を歩き回っていたウーディは余程、腹が減っていたようだった。「まあね。多少もめてるけど...
アルシュはレザックをおんぶしながら、ポポの祭壇に向かっていた。 そこは“天上に連なる山々”にあり、人々が鎮守神ドラゴンのポポに供え物をしたり、重要な取り決めの報告をしたり、日々の暮らしの平穏を祈ったり、感謝するための場所であった。 エラルドの王族は慣例として、大きな儀式の際、ポポの祭壇に足を運ぶ。 今年の早春、アルシュも十六歳の成人の儀を迎えたので、生贄の女鹿を捧げに行った。またその少し後には、ポ...
「呼び出してすまなかったな」 兄ワルムが王宮に現れたアルシュを迎えながら言った。集落の家にいたアルシュは早馬の報せを聞いて、レザックをまわりの者に預け、取るものも取り敢えずエラルドにやって来たのだが、まだ状況をのみこめてなかった。「いったい兄上、何が。魔法使いたちが来たって本当ですか」 かれは王宮内の人々がざわめいている雰囲気を感じとって、緊張した面持ちで聞いた。ワルムが渋い顔で答える。「今朝、現...
エラルドの人族には昔から、生まれながらに魔力を持つ者がたまにいて、その者たちが人々の暮らしを助けてくれていた。 魔法とは便利なものだ。 人々が魔法と聞いて、一番先に思い浮かべるのは癒し人だったが、彼らはあらゆる病気や怪我を治療する。もっと弱い魔力しか持たない者は薬師となって薬草から薬を作ったり、“スネークオイル”と呼ばれる万能薬を作ったりする。 その他にも出来ることはたくさんある。 斧やナイフにま...
「真実の――」 korokoro ◇ 少年時代のアスランにとってパトリック・ザラという人間は少し怖い、どちらかといえば、近寄りがたい存在だった。 パトリックは母レノアが愛した男であり、アスランの父親である。 だが、アスランにはパトリックに愛された記憶があまりない。 プラント創設期にかかわり、最高評議会議員として若い頃から立ち働いていたパトリックは忙しく、普段...
テオスは部屋を出て、王宮内の奥庭にある東屋にアルシュを誘った。 壁と屋根で遮られた室内は昼間でもどうしても暗い。テオスの身分ならろうそくの灯りを好きな時につけることが出来たが、原料となる蜜蝋や獣脂は貴重品であったので、エラルドでは灯りは夜間の数時間しか使わないのが普通である。だから天気が良い日はよほど部屋にこもらなければできない仕事でもしてない限り、人々は外に出る。「アルシュ様、お久しぶりです」...
「あらあらあら。あなた、陛下、アルシュがレザックを連れて来てくれましたよ」 エラルド王妃サーニャが弾んだ声をあげた。彼女は侍女に案内されて王と王妃の居室に入ってきたアルシュと大きな荷物を持った従者のカズトを見るなり、スカートをたくしあげていそいそと寄って来た。「どうしたの? 急に。顔を見せてくれるのは嬉しいけど。レザックはご機嫌よさそうね。こんにちは。小さな王子様。今日も可愛いわね」 サーニャがア...
不安というものは常に人の心につきまとう。 アルシュはレザックを抱いて、自宅の裏庭のベンチで日向ぼっこをしながら、そんなことを考えていた。 今のかれは幸福だ。毎日も充実している。レザックを妊娠していた頃の、そのまま臨月を迎えてしまえば出産によって命を失ってしまうかもしれないという恐怖と緊張に比べれば、夢のように平穏な暮らしである。 とは言え、その代わりのように、忙しい。 これまで前例のなかった色々...
困惑した息遣いが、淫らな喘ぎになるまで時間はかからなかった。 アルシュはウーディを体の奥深くに受け入れて、その場所から広がる容赦ない快感にわなないた。「あ……あぁ――ん……ふっ――」 甘い痺れに包まれる。かれのそこは増々、熱を持ち、さらなる刺激を求めるように悶えはじめる。勿論、ペニスもとっくに勃起していた。 ウーディはアルシュの姿を愛おしげに見つめ、後ろから突きあげた。「俺の可愛い、アルシュ。お前は俺の...
エラルドの王子アルシュは途方にくれていた。 生まれて三か月になる息子レザックが、アルシュのはだけた胸をまさぐっているからだった。乳児に授乳する母親(男)。その光景自体は本来、微笑ましいものだ。けれども妊娠時代からの影響なのか、レザックのちいさな手でその部分を執拗に触られると、アルシュの下半身に甘い痺れが走ってしまう。 レザックは母親の当惑など気にせず、赤ん坊の特権と言わないばかりに顔を寄せ、乳首...
闇があった。 そこはどこまでも広がりが続く、空と地面の境すらない世界だった。いや、はるか遠くの、永遠の時空をこえた先の空のほうだけがうっすら青白い。また歩くと、足の動きにあわせて波紋のような円が広がってゆく。 男はそこにいた。 深淵の底と呼ばれるその場所を住処にしてから、地上ではどれくらいの年月が流れただろう。男の肉体はとっくに滅びて、精神だけが微睡みの中にいたが、少し前からかれは目覚めていた。...
~作成中~...
遠くで自分を呼ぶ声が聞こえた気がして、アオイは目を開けた。 朝だった。 時計を見ると、目覚めなければならない時間より少し早い。だが、既にカーテンの下からは陽光が漏れていた。(あ……俺は――俺たちは――) スイートの寝室の天井が見える。あれだけひしめいていたゴーストたちの姿は消えていて、リコやトゥーリオの気配も感じられない。あたりはしんとしていて、部屋にはアオイとセラしかいないようだった。「セラ。無事か...
それは淫らで不可思議な一夜だった。 セラとアオイはベッドの上でもつれあっていた。もしその様子を見る者がいれば、彼らは日常のセックスを楽しんでいるようにしか見えなかっただろう。だが、そうでありながら、けしてそうではなかった。彼らの肉体には異質なものが入り込み、部屋には彼らのセックスを見守る大勢の幽霊たちがいる。「あぁっん! あ……う――ひッ……あぁ……」 アオイはセラに貫かれて体を揺らしながら、まわりのゴ...
「セ、セラッ――」 セラの前歯がアオイの首にめりこんだ。鋭い痛みに圧迫される。首が熱い。アオイはセラを信頼していたし、必要ならセラのために身を投げだしても良いと思っていたが、やはり本能的な恐怖は抑えられなかった。「痛いっ。本当に痛いぞ、幻覚じゃない。やめてくれ」 セラはさらに深く噛みついてきた。アオイは眩暈のような感覚にとらわれた。頭の芯がぼうっとし、ふわりとしてくる。噛まれた場所は相変わらず痛かっ...
ツイッターでのタグ遊び。自作のお気に入りのセリフや場面を抜き出してみました!ネタばれあります。未読の方はご注意下さい。※ツイッターは長すぎて途中でやめてしまったんですが、こちらで勝手に続きを掲載します。●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●憧憬(華KAGEROU外伝1巻)【あらすじ】高級売春クラブのボーイをしているケアカは男娼セラと出会う。 天使のような美貌を持つセラはクラブ内の有名な異端児...
ベッドに押し倒され、セラの重みを感じながら、アオイは途方にくれていた。「お前、本気か」 セラがアオイの首筋に唇をつけ、胸のあたりをさすってくる。いつもならそれだけでこの後、もたらされる快感を想像して体の芯が熱くなってくるのに、今はそれが全くなかった。 しかも二人が裸になり、体をかさねあわせるとそれを待っていたように例の――ゴーストたちのひそやかな話し声も聞こえはじめた。 一人や二人の声ではなかった...
アオイからリコとトゥーリオの事情を聞き終えたセラは何とも言えない顔をした。 セラはアオイの横にいるリコが見えていないらしい。だが、トゥーリオが突然、スイートの奥の寝室に煙のように現れたことは理解している。現実主義者のかれがその不思議をどのように解釈したかはわからなかったが、セラはアオイとトゥーリオを順番に眺め、首を横に振った。「待ってくれ。少し考える時間を――ゴーストとヴァンピーロのカップルがどう...
ツイッターでのタグ遊び。自作のお気に入りのセリフや場面を抜き出してみました!ネタばれあります。未読の方はご注意下さい。●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●君は天からの贈り物1巻 友情と恋の狭間で=・=・=・=・=・=・=・=・=悪漢たちに襲われて、危機一髪のところで救出されたアスラン。そのショックでアスランは寮から自宅に戻って引き籠ってしまう。そのアスランの実家に訪ねてきたルーク...
ツイッターでのタグ遊び。自作のお気に入りのセリフや場面を抜き出してみました!ネタばれあります。未読の方はご注意下さい。●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●華KAGEROU1巻 専制君主の無茶ぶり💖=・=・=・=・=・=・=・=・=紙本を適当に開いたところで目についたセリフを選んでみたんですが、一発目はミシェルだったー(笑)プライム・レジェクトの絶対君主として君臨するオーナーのミシェル。セ...