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  • 「リベルテ」でランチ

    このところの暑さで家籠り。たまの散歩は日が落ちてからだし、毎月届く花も、7月と8月は花もちが悪いので断っている。ということで一時は一か月以上先行予約UPしていたこのブログも、ネタ切れで、ついに明日を心配する羽目に。用があって2カ月ぶりだろうか、吉祥寺に出て用事を済ますと、気が付けば11時で、東急を出て、大正通りをブラブラ。「月和茶」を過ぎ、つぎの西三条通りを北に入ってすぐ右側の「リベルテ・パティスリー・ブーランジェリ-」に入った。「リベルテ・パティスリー・ブーランジェリ-」は、パリには1,200店以上ブーランジェリー(パン屋)があるが、3年前創業にもかかわらず人気店となった。世界展開1号店として2018年3月24日に本社を吉祥寺にオープンした。1階は、店内で毎日作るスイーツやパンを販売している。2階はカフ...「リベルテ」でランチ

  • 高田郁の略歴と既読本リスト

    高田郁(たかだ・かおる)1959年、兵庫県宝塚市生れ。中央大学法学部卒。1993年、川富士立夏の名前で漫画原作者としてデビュー。高田郁は本名。2006年、短編「志乃の桜」2007年、短編「出世花」(『出世花新版』、『出世花蓮花の契り』)2009年~2010年、『みをつくし料理帖』シリーズ『第1弾「八朔の雪」、第2弾「花散らしの雨」、第3弾「想い雲」』2010年『第4弾「今朝の春」』2011年『第5弾「小夜しぐれ」』『第6弾「心星ひとつ」』2012年『第7弾「夏天の虹」』『みをつくし献立帖』2013年『第8弾「残月」』2014年『第9弾「美雪晴れ』『第10弾「天の梯」』2016年『あきない世傳金と銀源流篇』、『あきない世傳金と銀二早瀬篇』、『あきない世傳金と銀三奔流篇』2019年『花だよりみをつくし料理帖特...高田郁の略歴と既読本リスト

  • 高田郁『晴れときどき涙雨』を読む

    高田郁著『晴れときどき涙雨』(ハルキ文庫た19-30、2023年2月18日角川春樹事務所発行)を読んだ。高田郁(かおる)の初のエッセイ集『晴れときどき涙雨高田郁のできるまで』(創美社)に加え、同名の本(幻冬舎)が刊行されていて、今回の本は、2012年と2014年刊行分にその後の九年間の出来事を加筆した3冊目のエッセイ集。川富士立夏のころ(2005~2009)45編+現在のコメント高田郁のできるまで(~2014)1冊目と2冊目のあとがきの2編明日に繋ぐ想い(~2023)10編法曹界を志し10年ほど頑張ったが挫折、交通事故に遭い後遺症に苦しんだ日々、阪神淡路大震災、作者の歩みは順風満帆ではなかった。山本周五郎に衝撃を受け、生きることの切なさを表現できる作家になりたいと漫画原作者から時代小説作家への転身に苦労す...高田郁『晴れときどき涙雨』を読む

  • 帯状疱疹ワクチンを打つ

    愛読ブログに「もはやコロナワクチンはパスするが、帯状疱疹ワクチンを打つことにした」との記述を見た。その上、相方の知人から帯状疱疹の痛みが酷くて、一週間まともに横になれなかったという話を聞いた。とくに高齢者は、後遺症や合併症が酷い場合もあるらしい。我々は子供の頃、水疱瘡(みずぼうそう)にかかったかどうか、もはや確かめるすべはないが、日本人の成人の90%以上が水疱瘡ウイルスを持っているという。その上、このところTVやSNSで帯状疱疹予防の宣伝を見ることが多い。オッチョコチョイの私は、デメリットよりメリットが多ければ、予防はした方が良いに決まっていると、相方と共にさっそく帯状疱疹ワクチンを打つことにした。二人とも何回目かのコロナワクチン接種を月の中頃に既に済ませていたのに、趣味がワクチンと言われそうだが、続いて...帯状疱疹ワクチンを打つ

  • 藤崎彩織『ざくろちゃん、はじめまして』を読む

    藤崎彩織著『ざくろちゃん、はじめまして』(2023年4月25日水鈴社発行、発売所文藝春秋)を読んだ。水鈴社の作品紹介結婚を決めたとき、すぐにSEKAINOOWARIのバンドメンバーとスタッフに言わなくては、と思ったことがある。「結婚するということは、妊娠したら出産するということだからっ」啖呵を切ってみた私にも、実際よくわかってはいなかった。それは、未開の地を開拓するようなものだった――。(本文より)妊娠後、コントロールできなくなった体と心。膨らむ被害妄想。愛しい息子の誕生後、夫婦に襲いかかった産後うつ――。こんなに幸せなのに、幸せだと気づくのはなんて大変なのだろう。スタジオから直行した出産、ステージ上での失禁、そしてメンバーからのメールに涙した日……。アーティストとして、一人の女性として、妊娠・出産、育児...藤崎彩織『ざくろちゃん、はじめまして』を読む

  • 至福の時

    はるか昔、息子がまだ幼かった時、妻と私で真ん中の息子の両手をつないで歩いていて、水たまりにぶつかった。二人で息子を持ち上げ、ひょいと水たまりの向う側へ降ろした。幼い子供を持つ家族のよくある風景だ。我が息子は自分で飛んだ気分になって二人の顔をみて嬉しくてたまらないと身体をよじってケラケラと笑った。あの時が、私たち家族の若葉の時だった。年老いた今でも、幼い息子の笑顔と笑い声がよみがえり、おもわず微笑んでしまう。すでに数年前のことになったが、同じように妻と私で幼い孫娘の両手をつないで歩いていて、マンホールのところで持ち上げて飛び越した。孫娘は本当に楽しそうに笑って、「すっごく楽しい!」と叫んだ。「おお、女の子ってまた違うな!」と思った。小学生になった頃、同じように、二人で孫娘の両手をつないで歩いていた。私が孫の...至福の時

  • 中村富士美『「おかえり」と言えるその日まで』を読む

    中村富士美著『「おかえり」と言えるその日まで山岳遭難捜索の現場から』(2023年4月15日新潮社発行)を読んだ。新潮社の内容紹介発見の鍵を握るのは、行方不明者の「癖」。プロファイリングによる捜索実話。「せめてお別れだけでもしたい」――いくら探しても見つからないという家族から依頼を受け、著者は山へ向かう。たとえ身近な低山でも、運命の分かれ道は登山道の随所に潜んでいるのだ。家族のケアをしながら丹念に話を聞き、プロファイリングで消えた足跡を辿る6つのエピソード。予防と早期発見に役立つコラム付き。山での遭難者の探索・救出は警察主体の山岳救助隊が行う。一方、民間の捜索チーム、例えば著者が代表のLiSS(リス)への捜索依頼の多くは、山岳救助隊の捜索が打ち切られたあとに寄せられる。生存の可能性が著しく低くなった遭難者、...中村富士美『「おかえり」と言えるその日まで』を読む

  • 吉田修一『ミス・サンシャイン』を読む

    吉田修一著『ミス・サンシャイン』(2022年1月10日文藝春秋発行)を読んだ。文藝春秋BOOKSの内容紹介僕が恋したのは、美しい80代の女性でした…。大学院生の岡田一心は、伝説の映画女優「和楽京子」こと、鈴さんの家に通って、荷物整理のアルバイトをするようになった。鈴さんは一心と同じ長崎出身で、かつてはハリウッドでも活躍していた銀幕のスターだった。せつない恋に溺れていた一心は、いまは静かに暮らしている鈴さんとの交流によって、大切なものに触れる。まったく新しい優しさの物語。吉永小百合、推薦。「彼女は亡くなり、私は生きた」以下略和楽(わらく)京子:鈴(すず)さん。80代。昭和の大女優。本名は石田鈴。ヴィンテージマンションの最上階に住む。自宅とは別のマンションにある荷物を歴史的資料として整理し、五十嵐教授に渡す仕...吉田修一『ミス・サンシャイン』を読む

  • 吉澤公寿『ローランサン』を読む

    吉澤公寿著、アート・ビギナーズ・コレクション『もっと知りたいローランサン生涯と作品』(2023年1月30日東京美術発行)を読んだ。東京美術による内容紹介女性が画家になることが難しかった時代に自分のスタイルを確立したマリー・ローランサン。ピカソやブラックとの出会い、戦争と亡命、そして画家としての成功――波乱に満ちた人生とその作品の変遷をたどる唯一の入門書。柔らかな曲線と淡い色彩で、綺麗で可愛い女性の絵を描く画家という印象のマリー・ローランサンだが、プロフェッショナルの画家としてはじめて成功した女性でもある。彼女はデッサン力や構成力に秀でていて、ピカソやブラックが集まったアトリエ兼住宅の洗濯船に加わり、そのコミュニティーに入れたたった一人の女性画家だった。華やかな交流関係とともに著名人からの肖像画作成を依頼も...吉澤公寿『ローランサン』を読む

  • 小山登美夫『現代アートビジネス』を読む

    小山登美夫著『現代アートビジネス』(アスキー新書061、2008年4月10日アスキー・メディアワークス発行)を読んだ。表紙裏にはこうある。アンディ・ウォーホルの作品に80億円もの高値が付くのはなぜか?世界の富が現代アートに集まる今、「作品の価値」に基づいた健全なマーケットこそが、芸術文化の底力となる―。種も仕掛けもあるアートビジネスの世界を、奈良美智、村上隆を世に出したギャラリストがすべて教えます。同じ著者の『“お金”から見る現代アート』と重なる部分が多い後半は除き、前半のみご紹介。第1章誰も見たことのないものに価値を見出すギャラリストの仕事著者の小山さんは中学3年生のとき、ジャスパー・ジョーンズの絵にショックを受けた。「何がなんだか、まったくわけがわからない」ものだったから。「わからないもの」に夢中にな...小山登美夫『現代アートビジネス』を読む

  • 小山登美夫『“お金”から見る現代アート』を読む

    小山登美夫著『“お金”から見る現代アート』(講談社+α文庫、2015年1月20日講談社発行)を読んだ。村上隆、奈良美智など数多くの日本人アーティストを世界に紹介してきたギャラリスト・小山登美夫が、現代アートビジネスの仕組み、アートマーケットの実状、オークションの裏側を、初心者に解説する。ギャラリスト:最初に作家の作品が展示・販売されるギャラリーの運営者「なぜこの絵がこんなに高額なの?」という素朴な疑問に答え、現代アートとお金の関係をわかりやすく解説する。お金がわかると現代アートがおもしろくなる。ギャラリストの本音(?)が聞けるので、面白い。はじめに2008年、3月、ニューヨークのオークションで、運慶作と伝えられる「木造大日如来像」が約12億円で落札された。5月、ニューヨークのサザビーズのオークションで、村...小山登美夫『“お金”から見る現代アート』を読む

  • 薬丸岳の略歴と既読本リスト

    薬丸岳(やくまる・がく)1969年兵庫県明石市生まれ。駒澤大学高等学校卒業。2005年、『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。他、連続ドラマ化された刑事・夏目信人シリーズ、『誓約』『ブレークニュース』『友罪』『ガーディアン』『告解』『悪党』『刑事弁護人』『罪の境界』など。薬丸岳の略歴と既読本リスト

  • 薬丸岳『罪の境界』を読む

    薬丸岳著『罪の境界』(2022年12月15日幻冬舎発行)を読んだ。幻冬舎の内容紹介無差別通り魔事件の加害者と被害者。決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる感動長編ミステリー。「約束は守った……伝えてほしい……」それが、無差別通り魔事件の被害者となった飯山晃弘の最期の言葉だった。自らも重症を負った明香里だったが、身代わりとなって死んでしまった飯山の言葉を伝えるために、彼の人生を辿り始める。この言葉は誰に向けたものだったのか、約束とは何なのか。明香里は、26歳の誕生日に恋人の航平が予約していた松濤の高級イタリアンに向かっていた。途中で航平は仕事で来られなくなったと連絡が入る。明香里が怒ったまま渋谷のスクランブル交差点を横断中に、若い男(26歳の小野寺圭一)と目が合って、突然斧で襲...薬丸岳『罪の境界』を読む

  • 「菜な」でランチ

    久しぶりの銀座線渋谷駅。天井の形が独特。子供の頃から慣れ親しんだ渋谷駅だが、最近はランチ処もおなじみがない。歩き回るのもいやだと、井の頭線に近くて、レストランが並ぶマークシティ4Fのアベニュー通りに行った。12時半過ぎなので、行列ができている店が多い。パスして、しばらく行くと、「京都のおばんざいと旬の素材を活かした炙り焼きを中心に、京モダンのシンプルな和の空間」とうたう「菜な」という店があった。一組待っているだけなので、この店にする。入ると値段も雰囲気も気軽で、新しそうなきれいな店だった。私は、「本日のおすすめ御膳」(\1,250)に、相方に対抗してコーヒー(¥250)を付ける。おばん菜3種、メインは鶏肉、白米、赤だし味噌汁、お漬物。パサつかない鶏肉や、お久しぶりの赤だしがおいしい。多くの小皿が並ぶのが好...「菜な」でランチ

  • 防衛費増額はクラウドファンディングで

    中味の議論もなく、国民への必要性の説得もなく、防衛費の増加額だけが決まっていうように見える。そして、反対を、票の減少を恐れて増税は避け、NTT株売却など新たな財源探しが始まっている。そこで、今はやりのクラウドファンディングで金を集めることを提案したい。防衛費増額が必須と考える方々は金額の多少にかかわらず寄付するのではないだろうか。他のクラウドファンディングでも、そうなのだが、意外と驚くほど集まるかも?防衛費増額はクラウドファンディングで

  • マチス展に行って、ついでにパンダを拝んで来た

    ネットで予約して上野の東京都美術館でのマチス展を見に行った。これほどマチスの生涯の作品が一度に見られる機会はもうないだろうと言われている。8月20日までだそうだから、まだ間に合う。上野駅の公園口に出て、動物園の方向に進むと、変わった建物のスタバがあった。ちょっと覗いてみたかったのだが、先を急ぐ。9時半開館で、20分ほど前に着いたが、既に結構ならんでいる。地下には若いころの作品が並ぶ。センスの塊のようなマチスも、色彩感覚は優れているがごく普通の作品を描いていた。1階はフラッシュなしなら撮影可能。スマホを構える人が目立つ。へそ曲がりな私は、ごく好きな作品だけにする。手前の右手の大きなこと。のびやかに、いかにも心地よい眠り。私でも描けそうな気がするが、マチスは10回以上描いては消しているそうだ。ゴタゴタいろんな...マチス展に行って、ついでにパンダを拝んで来た

  • 一穂ミチの略歴と既読本リスト

    一穂ミチ(いちほ・みち)1978年生まれ。大阪出身で在住。現在も会社勤めの合間に執筆している。2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。以後、様々な筆名でBL系短編小説50編以上発表BL(ボーイズラブ)ジャンルで活躍。2014年『イエスかノーか半分か』以後、シリーズ化2016年「きょうの日はさようなら」が第8回天竜文学賞候補2021年『スモールワールズ』で一般小説デビューし、第43回吉川英治文学新人賞を受賞、2022年本屋大賞第3位。第165回直木賞にノミネート、山田風太郎賞候補。2022年『光のとこにいてね』が第168回直木賞候補、2023年本屋大賞にノミネートその他、『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『うたかたモザイク』など一穂ミチの略歴と既読本リスト

  • 一穂ミチ『光のとこにいてね』を読む

    一穂ミチ著『光のとこにいてね』(2022年11月文藝春秋第一刷発行)を読んだ。文藝春秋BOOKS一穂ミチ、最新長篇にして文句なしの最高傑作第168回直木賞候補作&2023年本屋大賞第3位(略:誇大宣伝)……――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった――古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。――二人が出会った、たった一つの運命切なくも美しい、四半世...一穂ミチ『光のとこにいてね』を読む

  • 私と計算

    私は算数も数学も才能はないのですが、好きでした。ロマンがあって、面白いですよね!でも、単純計算は嫌いでした。小学生の夏休みの宿題で、大量の計算問題が出ました。やり方は分かっているのに同じ事を繰返しても意味がないと単純に考え、答えの欄にでたらめな数値を延々と書いて提出しました。休み明けに答え合わせがあり、順番で答えを読み、皆が「あってます」と唱和する。私の番になり、でたらめの答えをそのまま読むと、皆が「違ってます」と声をあげる。「いけねえ」と頭を書きながら座りました。その場はしのぎましたが、罰は社会に出てからやってきました。電卓がどこにでもある時代になっても、手計算、暗算は必要で、私は早くできず、ちょっとしたハンデになっています。以下、計算機の話研究所務めだったので計算機はとくに若いときは良く使ったが、コン...私と計算

  • 凪良ゆう『汝、星のごとく』を読む

    凪良ゆう『汝、星のごとく』講談社BOOK倶楽部の内容紹介2023年本屋大賞受賞作その愛は、あまりにも切ない。正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。――わたしは愛する男のために人生を誤りたい。風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。――まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。瀬戸内海の小さな島で、17歳の高校生、井上暁海(あきみ)と青埜櫂(あおのかい)は出会った。この島で生まれ育...凪良ゆう『汝、星のごとく』を読む

  • 昔の言葉が出てきます

    国電を降りると、テクシーで家に向かう。前を行くギャルの柳腰が気になり、追い越して振り向くと、バックシャンだった。「ガチョーン!」格子戸を開けて、玄関で、こうもり傘を置いて、シャッポを脱ぎ、襟巻きをはずし、ズックを土間に脱ぎ捨てる。居間のちゃぶ台とおひつをチラッと見て、奥の間に入り、国防色のズボンを脱ぎ、股火鉢で暖まりながら、「ああ、俺ってナウイなあ」と思う。国電:JRが国有鉄道(国鉄)だったので国電という。私の親父は省電と言っていた。鉄道省だったから。テクシー:タクシーに乗らずテクテク歩くこと。親父はタクシーを円タクと言っていた。1円で乗れたから?ギャル:軽薄だが元気な若い女性のこと。ギャル曽根って知らない?バックシャン:後姿だけが美しい人。シャンはドイツ語で美しいことガチョーン:クレージーキャッツの谷敬...昔の言葉が出てきます

  • 高瀬乃一『貸本屋おせん』を読む

    高瀬乃一著『貸本屋おせん』(2022年11月30日文藝春秋発行)を読んだ。舞台は文化年間の江戸浅草。幼くして天涯孤独の身の上になり、本が好きで、女手ひとつで貸本屋を営んでいる“おせん”が、本にまつわる事件を次々に解決していく。江戸時代の豊饒な読本文化に驚かされ、彼女のいわば捕物帖も、裏の裏と次々明かされる秘密に、ついつい読み進めてしまう。満場一致でオール讀物新人賞を受賞した「をりをりよみ耽り」の世界を5篇の連作とした作品。おせん:父・平治が幼い時から本を読み聞かせてくれたおかげで、本好きが高じて今は、うず高く積んだ貸本を背負って得意先を回る梅鉢屋という名の貸本屋を一人で営んでいる。禁書「倡門外妓譚」の試し摺りを持つ。平治:“おせん”の父。腕の良い彫師だったが、幕府の禁書「倡門外妓譚」を彫って、版木を壊され...高瀬乃一『貸本屋おせん』を読む

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