参議院が設置されて75年間の間で、参議院の果たした「成果」が見えていない以上、主義のために必要だとか言われても、今後も維持するだけの意義を見出すことはでぎません。
ミステリーを始めとして、私の趣味で勝手にジャンルをくくって作品20を選びました。書評のブログがたくさんあるので、私独自の感想を書くことを目標にしています。当面は毎週月曜・水曜・金曜と定期刊行(?)を目指します。
名門に生まれた田中玄宰は、祖父の教えで志操堅固な武士に成長する。家老になると会津藩の財政改革を成功させて、一方で教育にも力を入れて尚武の家風を守り抜いた。
16 小説蜂須賀重喜 阿波藩財政改革 童門 冬二(1987)
小藩の四男に生れた佐竹岩五郎は、阿波25万石の藩主となる運が開かれる。蜂須賀重喜と名乗り財政改革に着手するが、家臣だけでなく幕府の思惑にも巻き込まれる。
15 十五万両の代償 十一代将軍家斉の生涯 佐藤 雅美(2007)
11代将軍徳川家斉は、52年に亘り幕政に君臨する。その間寛政の改革、化政時代、天保の改革と政策に定見がない。体制の軋みは広がり、幕府瓦解の原因を築いていった。
14 家康の遺策 関東郡代記録に止めず 上田 秀人(2011)
伊奈家は3千石の旗本だが、実態は関東郡代として20万石を支配する実力を持っている。そして家祖は家康の伊賀越えから付き従い、巨額の遺産を託されたと噂があった。
紀伊藩の足軽の家に生れた田沼意次は、吉宗が将軍就任に伴い旗本となり、9代将軍家重の覚えめでたく老中にまで出世し、破綻した幕府財政を立て直そうとする。
紀州藩主吉宗との将軍家争いに敗れて失意のまま亡くなった尾張藩主の継友。弟の宗春は尾張藩主になると、吉宗の倹約政策を当てつけるような政策を、領内で広める。
大岡忠相は八代将軍吉宗に見出されて江戸南町奉行に出世すると、吉宗が目指す改革の実行を迫られる。物価の安定を目論む忠相は、豪商三井高平との対立を迫られる。
父が江戸から追放となった荻生徂徠は、その後江戸に戻るも貧窮に喘ぎながら学問を続ける。その学識が徳川綱吉に認められて出世を遂げ、自らの学識を深めていく。
貧農から豪商に登り詰めた河村瑞賢は、幕府要人に頼まれて数々の事業をやり遂げる。商人の枠を超えて人に向き合い、仕事をやり遂げるリーダーの姿だった。
旗本の次男坊に生まれた荻原重秀は、大規模な検地を成功させて将軍綱吉に見出され、ついには財政の責任者となって、構造的な赤字を抱えた幕府財政の改革に取り組む。
光圀の望みを知った泰姫は同意するが、嫁いで4年で没する。藩主となった光圀は、後継に頼重の指名し義を完遂する。光圀待望論が広がる中、将軍綱吉は面白くない。
徳川家康の11男頼房を父に持つ光圀。父は長男の頼重を差し置いて光圀を世子に定める。光圀はそれが負担となり、町で暴れ論議をふっかけるなど鬱々とした日を過ごす。
二代将軍秀忠の子に生れながらも正妻から隠されて育った保科正之は、「足るを知る」人物に育ち将軍家光に信頼される。領地経営も善政を施し幕府政道を支え続けた。
5-2 虹の刺客 小説・伊達騒動 ② 森村 誠一(1993)
酒井忠清の将軍を凌駕する野望に気づいた原田甲斐。そして伊達兵部も酒井に危惧を抱き、忠清の密書を世に晒す。窮地に陥った忠清は強引な手を講じようとしていた。
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参議院が設置されて75年間の間で、参議院の果たした「成果」が見えていない以上、主義のために必要だとか言われても、今後も維持するだけの意義を見出すことはでぎません。
前回投稿しました「対談 中国を考える」で歴史小説編が終了しました。ミステリー編、経済小説編も含めると、ブログのスタートから4年3ヵ月が経ちました。 実は前回投稿の下書きが完成したのは2022年の11月。今から2年半以上前のことです。 当初の予定では、この後ミステリー編に戻って「くくり」を続ける予定でした。けれども歴史小説編を書き終えた際、自分でも予期しなかった達成感と、それを上回る喪失感に包まれました。 tails-of-devil.hatenablog.com *ブログの開始当初に参考にさせて頂いた、同世代の悪魔の尻尾 (id:tails_of_devil)さん。広い守備範囲の話題を自然体で…
中国史については造詣が深い司馬遼太郎と陳舜臣の対談は、春秋戦国時代かあら20世紀まで、ポンポンと話が飛びながら進んでいき、そこから日本の問題点を指摘します。
毛沢東支配が始まる。作者は父の不器用な生き方によって虐げられながらも、希望を持って勉学に励む。母の尽力もあり、イギリス留学生に選ばれ、自由の翼を得た。
満州で生れた祖母から著者までの、時代に翻弄された女性三代の物語。馬賊から日本軍、赤軍、国民党と支配者が代わる中、母は共産党に望みを託して生きていく。
満州が日本軍に侵掠される。様々な勢力が中国に混在して未来が見えない中、溥儀は日本軍に近づき皇帝即位を強行する。梁文秀と李春雲の2人のみが登極の儀に従う。
清が滅亡する。最後の皇帝の溥儀は、間もなく紫禁城から追い出されて日本軍を頼る。張作霖は中原に侵入したが満州に戻ると日本軍の謀略によって、命を落とす。
華南の農家に生れた孫文は、合理的な精神から清国の国体に疑問を持つ。やがて革命を志し、海外を飛び回って金策と武力を準備すると、辛亥革命として実を結ぶ。
張作霖は満州で巨大な軍閥を築き、袁世凱の北洋軍と対立する。そんな中南方では孫文の革命勢力が拡大する。3歳の幼帝、溥儀に抑える力はなく、清国は滅亡する。
清国創生の聖地の満州で頭角を現わした張作霖。勢力を拡大する中、皇帝乾隆帝が隠した「天命の証」龍玉を見つける。一方王宮では袁世凱が権力の座を狙っていた。
政界の大立者の李鴻章も、凋落する清国を支えることはできなかった。若き梁文秀は「変法」の仲間たちと体制内改革を志すが、反動によって同士たちが刑死してしまう。
貧乏だが屈託なく生きる李春雲と親から期待されない梁文秀は友達同士。しかし李春雲は宦官として、梁文秀は首席の郷試合格者として西太后政権下の王宮で再会する。
イギリスは圧倒的な武力と金に物を言わせたやり方で、中国人同士が戦う凄惨な戦いの後方で果実を得る。清は穆彰阿が林則徐を排して実権を握るが、敗色濃厚となる。
18世紀の清。貿易収支の赤字に苦しむイギリスはアヘンを輸出するターゲットとした。道光帝は自らアヘン中毒となった経験から、林則徐を使って取り締まりを図る。
李基信はその才能から清の防諜組織の配下となり、最初は台湾に、次いで雲南省の呉三桂の元に侵入する。果たして呉は清に反乱を起こすが、ここぞの時に煮え切らない。
明の崇禎帝は猜疑心が強く部下を死罪にして人心は離れ、李自成によって滅亡する。明の軍隊を率いていた呉三桂は、山海関を開いて韃靼の騎馬隊を本土に入れてしまう。
平戸島に漂着しうた韃靼人のアビアを助けた庄助は、韃靼に送る主命を受ける。明、金、そして朝鮮の民族が入り乱れ思惑が錯綜する中、庄助はアビアと行動を共にする。
朱元璋の四男に生れた朱棣は、皇位を簒奪して永楽帝として即位する。大航海を指示し明を最大版図に広げたが、人心からは離反されていた。
平戸島に漂着しうた韃靼人のアビアを助けた庄助は、韃靼に送る主命を受ける。明、金、そして朝鮮の民族が入り乱れ思惑が錯綜する中、庄助はアビアと行動を共にする。
食に事欠き托鉢僧になった朱元璋は、紅巾族の反乱に参加するが、持ち前の洞察力で頭角を現わし、間もなく大勢力を率いる。人材も集り元を駆逐して中華統一に導いた。
減知と浪費が重なり、名門上杉家は藩存亡の危機に陥っていた。養子で藩主となった後の鷹山は、反対勢力を粛清して藩立て直しに尽力するが、改革の実は結ばない。
軍神謙信の後継、上杉景勝。豊臣政権を支え秀吉薨去後は、側近直江兼続は天下を望む徳川家康を征伐する「密謀」を石田三成と交わす。しかし景勝の思いば別にあった。
儒者として生き、生活に困窮する新井白石だが、徳川綱豊に使えてから運命が代わる。綱豊は将軍家宣となり、白石は政治顧問として政策を立案、運営していく。
酒造りの家に生れた清河八郎は、文武に秀でて志士として名を挙げる。しかし出身の庄内藩は眠ったままで、志を遂げるために、様々な力を利用しなくてはならなかった。
松平斉典は将軍家斉の子を養子に迎え、財政難の領地を豊な庄内への国替えを画策する。将軍の意向を背に動き出す幕閣に対し、庄内藩は領民も合わせて対抗策を講じる。
一茶は継母と折り合いが悪く江戸に出奔して、賭け俳句で頭角を現わす。父の遺産を義母から奪い取り、若い妻を娶って家名存続に執念を燃やす激しい心を持っていた。
旗本の次男坊に生まれた神名平四郎は、剣術道場を建てる資金を騙し取られ、やむなく長屋で「よろずもめごと仲裁」を稼業にする。そこで様々な人と出会うことになる。
1読者としてこの短篇集を読み終えると、最後の作品「川霧」のように、橋とは出会いと別れ、そして過去と未来を繋げる象徴だと、心に刻まれます。
藤沢周平が挑んだ「橋」とテーマにした連作短篇集。前後編に分けましたが、こちらでは「小ぬか雨」と「小さな橋で」の2編が最近ドラマ化されました。
全作品を通して、藤沢周平作品としては、いつもと違ったテイストを感じさせる短編集。それだけに特徴が出ています。映画化された「小川の辺」が収録されています。
こちらも初期の短編集。市井者として、町人が生活する中で味わう喜怒哀楽が全て詰まっています。「しぶとい連中」は、その中でも珍しいユーモアを感じさせます。
こちらは1編が20~30ページと短い作品ばかりですが、全てにおいて藤沢周平が手を変え品を変え、味わいを感じさせてくれます。名作「山桜」が収録されています。
市井物と呼ばれる中では初期の短篇集、「果し合い」は仲代達矢主演で映画化されました。故人と基には「鱗雲」に特に味わいを感じます。
藩の近習頭取の浅沼半十郎は、家老の小出帯刀から呼び出され、6年前の望月家老暗殺で使われた秘太刀「馬の骨」の伝承者を、甥の銀治郎と共に探す使命を受ける。
三屋清左衛門はほどほど出世をし、藩主の死去を機に隠居を願い出る。隠居後も相談事を持ち込まれたりで忙しい毎日を送り、自分の居場所が増えていくことになった。
隣家のふくに恋心を抱いていた牧文四郎。父が切腹し転居を強いられてふくから離れてしまう。そしてふくも文四郎に自分の気持ちを伝えられないまま殿に召し出される。
表題作を含む8編からなる短篇集。タイトルの言葉選びが見事で、また最後のヒネりまで気を使って、良質のミステリーを読んでいる錯覚に陥ります。
植村隼太は部屋住みの身分から出世を果たし、子供の頃からの友だった杉山忠兵衛を追い落とすことに成功した。権勢を握った首歌こと又左衛門は、その人生を振り返る。
隠し剣シリーズの2冊目。名作「武士の一分」を始め、秘剣が手を変え品を変え、様々登場します。この作品集は、藤沢周平の引き出しを多さを感じさせます。
藤沢周平が様々な「秘剣」をテーマにして、下級武士の男女の生態を描きます。内容もさることながら、秘剣のネーミングも、一つ一つに、ニヤリとさせられます。