昨日来たお客様と、引っ越してきて10年過ぎた話をしていたら、「私がここに来るようになった頃には、よくお父さんのピアノの音が聞こえてきてましたよね」と言われた。そう、午前中のお客様の時間に、父がピアノを弾いていることがよくあった。そんな穏やかな時が確かにあったなとしみじみする。突然に弱っていってしまうこともある。そして徐々に弱っていく人を家で看取ることの難しさを、父から学んだ。自分はどうなるんだろうな...
しっかり者の母がレビー小体型認知症に?! 父が肺がんで要介護2? 突然始まったW介護の戸惑いをリアルタイムで吐き出します。
28年ぶりに地元に戻り、ゆったり平和な生活を…と思いきや、母がまさかの認知症に。誰にも言えない日常の変化、うつろいやすい母の記憶について記録していきます。
昨日は訪問看護師さんの日で、自分では困難な足の爪切りなどフットケアを中心にやってもらったようだ。本当に至れり尽くせり。足先にタコがあり、痛みもあるとのこと。巻き爪が酷く歩き方が悪いのだろうと思う。靴はいつも同じもので、爪先には余裕があるので、締め付けはないのだけど。圧倒的に室内にいて歩くことがなくてもタコって出来るんだなあ。それで、乾燥対策でクリームを次回処方してもらおうと思っているが、それまでク...
母は朝から3つもコーヒーを淹れていたらしい。決してお供えなどではない。私には見えない誰かが来ていて、用意していたのであろう。度々、こんなことがあって、3つはまだいい方で、ありったけの湯呑みを用意してお茶が並んでいたこともある。これはレビーの症状なのだと思う反面、一人暮らしが寂しいのかなと思ったりもする。でも、もし自分が年を取った時に今の母の状況だったとしたら、こんなに恵まれた一人暮らしはない! と...
今日はデイサービスで、喫茶店へみんなでお出かけしてケーキセットを食べると言うイベントの日。申し込み制なので、イベントカレンダーを見てすぐに申し込んだ。先週は、デイで床屋さんの日だったので、母の顔そりだけを申し込んだ。眉毛も顔の産毛もスッキリして700円が引き落とされる。お得でありがたい!ヘルパーさんが言うには、母は独歩のためお出かけイベントは選ばれやすいそうだ。喫茶店でケーキを食べるのは、私たちでも...
やっと…やっと…選挙が終わってくれた…。もう、毎日選挙が選挙が、と母が混乱して大変だった。高齢者は何であんなに選挙が好きなんだ? 父が生きていた頃も、両親揃って教会へ行く前に朝イチの7時とかから投票所へと足を運んでいた。えらい。えらかった…。もうそれは過去形である。数週間前から、選挙のハガキがあるだのないだの言って部屋中をひっくり返して、「ハガキ見つかったわ!」と嬉しそうに言う母だったが、もう誰かを適...
土曜日は、一番仕事が忙しく、1週間の疲れがドッと押し寄せる。夫も朝から畑仕事で疲れていたので、今日の夜はピザでも注文しようかと言うことになって、アプリからポチ。日が暮れてきたので、エントランスのライトを点けておこうと1階に降りると、母に捕まった。玄関を全開にして弁当屋の保冷バッグを出したり入れたり出したり入れたりしていたので、「何してるの?」と声をかけると、「あら、いらっしゃい。あなた、学校から何...
訪問診療は第二、第四の木曜日。10月の暦周りの関係で、次回まで3週間空くことになる。つまり、次回はショートステイの前日だ。あと3週間したら、次のショートステイがやってくる。しかもそれまできっちり週に3回デイサービスがある。連休だってある。頑張ろう。後期高齢者用にインフルエンザとコロナワクチンの接種券が届いた。インフルエンザは毎年打っているが、コロナはどうしようかなと思っていたら、母は打ちたいと言った...
訪問診療の日だった。隔週木曜は特に忙しい。朝8時にヘルパーさんが入り、9時15分過ぎから訪問診療、9時45分にはデイサービスのお迎えがやってきて、母は10時から15時の短時間デイサービス。15時20分には帰宅して、15時30分に宅配弁当屋さん。16時45分から1時間ヘルパーさんが入る。あまりに慌ただしいので、隔週木曜は仕事をぎっちり入れられない。ずっと家に居られるよりは短時間でもデイに行ってくれた方がいいだろうと思っ...
昨日は週に一度の訪問看護の日だった。父が生きていた時代から、毎週水曜日の朝イチは訪問看護師さんが来る予定になっている。前日の夜に「明日は看護師2名で伺いますが、よろしくお願いします」とメールが来ていた。最近、訪問診療と訪問看護の施設では、看護師さんが何人か同時にやめてしまって、人手が足りないと聞いていた。若い看護師さんが多かったから、結婚とか産休とか育休とか、そう言うのが重なるのかもしれないなー、...
イライラの続き。私が散々ひどいことを言っても、母は少しすると忘れてしまう。本当に忘れてしまっているのか、忘れることにしているのか、忘れているように見えるのか…。本当のところは母にしかわからないけれど、しばらくすると何もなかったようにまたチャイムを鳴らしてきたりする。私のイライラは忘れないし、イヤなことを言ってしまったことも心に残る。なんでこんなことばっかり続くんだろうってモヤモヤする気持ちも結構引...
昨日は、またイライラして、母にひどいことを言ってしまった。ひどい言葉を投げたからと言って、スッキリするわけじゃなく、それでも通じないイライラは余計につのり、ぶつけようのない胸の中のモヤモヤは、5センチほど残ったペットボトルのルイボスティーをゴミ箱に思いっきり投げ入れるくらいじゃ晴れるわけもなく。どれだけ言ってもわかってもらえない。言い合いにもならない。なんて言えばいいのかわからない。結局ただ傷つけ...
もうすぐ父の命日。丸2年になるので、一般的には三回忌ってことになるのかな。はやいね。キリスト教では、そう言う法事的なことはなくて、一応記念の会みたいなことをする場合もあるけど、我が家は親戚も全員遠く離れているし、何もしない。ただ、2年なんて早いねって思うだけ。私たちは、母に父の死を理解してもらい、父の世話を何かしたいと言う想いを少しでも満たしてもらうために、命日に近かった昨日の日曜日に一緒に教会へ...
ショートステイから帰宅して、間髪入れずに翌日はデイサービスへ。ここが結構重要なところ。うまく在宅の日常に戻ってもらわねばならない。母には忙しいぐらいがちょうどいいのだ。家でぼーっとされると、余計なことをあれこれ考え出して大変だ。デイから戻ってきた気配を察して、おかえりと訪問すると、「あら、あなたたちこれから行くんでしょ? ほら、あそこ、ばあちゃんがもう行ってるでしょ。お風呂」と、意味不明なことを言...
夕方に母が帰宅した。その少し前に、お弁当屋さんがドタンバタンと出入りして、ああまた始まったんだなーって思う。私は午後の早めの時間にスーパーに行き、母の食材を買って収納し、冷蔵庫にあった期限切れのヨーグルトを破棄。電気ポットのお湯を入れ替えてスイッチオン。留守電にしていた電話には、母の東京の友達から2回もメッセージが入っていた。認知症とわかっていても、定期的に連絡をくれるようだ。「どう? 体調崩して...
夢のような1週間が終わり、今日の夕方には母が帰ってくる。母がいないのが夢のようなんじゃなくて、楽しみにしてた旅行があったからね、母を送り出したと同時に現実逃避できて、めっちゃ楽しかったから、ああ、1週間なんて早いなあってしみじみ。先週の今頃は、ワクワクのピークだったんだけどね。こうして日常は過ぎていくのよ。母がいない間に一つ年も取ったし、うだうだしててもウキウキしてても時は進む。元気出そうぜ!(は...
1週間なんて早いもので、もう明日には母が帰ってくる…。今日から母帰宅のために、食材の準備など始めなければいけない。3月の鎖骨骨折をきっかけに、ショートステイをルーティーンに組み込んで半年くらいになった。相変わらず、ショートの前後は慌ただしい。準備やアフターフォローももちろんだけど、自分の精神的にも浮き沈みがあって忙しい。母自身も、行く前はどうして行かなきゃいけないのかわからず、なんとなく不安そうでウ...
「1年先はどうなっているのかわからないよね」と、言いながら夫と2人でフレンチを食べた日から、あっという間に月日は流れ、今日は私の誕生日と結婚記念日。今年はフライングで旅行に行き、盛大に祝ったので今日はただの平日で。静か〜に人としても夫婦としても年を一つ重ねました。去年は母がカレンダーを見ながら、私の誕生日を自力で思い出し、新品のまま使っていなかったブランド物のお財布ポーチをプレゼントだと言って持っ...
旅行って言っても、1泊2日なんてささやかなものだったけど、それで十分特別な時間だった。お天気にも恵まれて、夫の歯も当日からピタリと痛みが引いて、前日まで昼食はゼリードリンクだったのに、昼から豪華なハンバーガーが食べられた! 噛める幸せ(笑)。私たちはリーズナブルな夫婦なので、母が元気にショートステイで過ごしていて、天気が良くて、歯が痛くなくて、ワンコが嬉しそうで、もうそれだけで100点なのだった。片道...
帰ってきました!! 帰ってきちゃいまいした〜〜!!母をショートステイに送り出して、朝から夕方まで仕事をして、慌てて旅行の準備をして、静かな家を出たのは朝4時〜。伊豆遠かったわ〜。遠かったけど、2匹のワンコを連れて旅した思い出の場所。2人と1匹になっちゃったけど、また来られて感無量でした。ワンコ連れにはありがたい、客室温泉付きの宿を奮発して予約していたのだけど、本当に素敵だった〜。ワンコ連れへの配慮...
無事に母は、ショートステイのバンに乗り込んで行った。先月末の姉の帰省もあって、溜まっていたモヤモヤイライラを吹き飛ばす! 私は自由だ〜〜!! と、大声で叫びたいような気持ちで昨日1日はせっせと仕事をしていた。ケアマネからは「1月のショートステイの日程についてご相談なんですが〜」と言う電話がかかってきた。もう気分は来年なのだ。1年って早い。1月からはしばらく、電気代削減のため1週間ではなく10日間のショ...
今日!今日を乗り切れば! 今から母をショートステイのバンに乗せてしまえば、自由な1週間がやってくる。ここ数日無駄にアタフタしている母を見ていると、毎月とはいえ、ショートステイに行くのも不安なのかなあ。本当は家でゆっくり過ごしたいよね…。ごめんよ。でも、施設に行ったら必ず誰かがいて寂しくないし、話も聞いてくれるし、困ったこともすぐ解決してくれる。なんだかんだ言いつつも一人暮らしである母にとっては、安...
ショートステイまであと1日。私は逃避旅行に向けて、買い物へ。急に寒くなってきたので、母の冬用の靴下を買い足した。真夏であろうと、寒いのに敏感な高齢者。常に靴下を履き続けているので、すぐに毛玉だらけのボロボロになってしまう。これからショートステイも続くわけだし、気付いた時に買い足さなければ。むくみがひどいので、履き口緩めのものを選ぶ。高齢者向けの店なので、種類が豊富で助かる…。そして、100円ショップで...
朝から元気なデイのお迎えの方が来る。「今日は書道教室の日ですよ〜! さあ、行きましょう!」母も「お待たせして申し訳ありません」とニコニコしながら出かけていった。私は階段のちょっと上から、「行ってらっしゃい!」と手を振る。よしよし、いい感じ。このままあと2日。何事もなく母がショートに行ってくれますように。ショートの話をすると、「行かなきゃいけないかしら?」と眉間にシワを寄せて悲しそうな顔をするので、...
ずーっと雨で気が滅入る。週末はなんとか晴れ予報だけど、この体調管理にピリピリしている時に、夫が歯が痛いと言い始めた…。すぐ歯医者に行かせたものの、虫歯じゃなくて根っこの炎症っていうタチの悪いやつで。歯だけは自力で治らないからね…。暗雲が立ち込める。早く薬でおさまってくれないかしら。このままじゃ何も食べられないし、楽しめない…。はあ。まさかの展開だよ。夕方15時半に毎日来る弁当屋のお兄さんと顔を合わせた...
母は昨日は無事に教会に出かけていったものの、出がけに荷物がわからなくなったようで、財布も何もかも忘れて出ていったようだった。デイと違って午前中2時間弱だし、お金なくても大丈夫だし、手ぶらでも問題ないけど、周りでお世話してくださってる方のご迷惑になっていないか心配だ。教会で送迎してくださってる方も、実は負担になってるんじゃないかなあと、姉が来ていた時につぶやいたところ、姉は「えー、皆さん全然そんなこ...
昨日はデイサービスの日だったのだけど、私は朝からずっと仕事が忙しくて、夕方にはぐったり疲れていて、母が帰宅した時にも出迎えをしなかった。夫は休みだったけれど、朝から車のメンテナンスに行ったり、畑仕事に行ったり、夕方から美容院に行ったりとバタバタしていてこれまた母をスルー。1日2人とも声をかけなかったら、夜にチャイムが鳴りまくる…。夕食の餃子が上手に焼き上がった瞬間に鳴るチャイム。下はパジャマで上は普...
昨日の夕方、契約しているケーブルテレビの会社が、新しいチューナーに交換する作業をすると行って訪問してきたのだけど、その人が車庫入れしてうちのインターフォンを押そうとした瞬間に、家から母が飛び出してきて「不在です!」と断っていた(笑)。インターフォンのモニターで見ていて、業者の人が来たみたいだから、ワンコを隔離して…って思ってたけど、慌てて降りていって、「すみません、2階です!」と案内した。母の家の...
昨日、一昨日と、叔母が夜に母を訪問してくれていた。私を介さず、母に直接電話して約束をして、さっと顔を出しておしゃべりして帰っていく。叔母が帰省中の間は、毎日夜に顔を出してくれる。姉妹の仲が良いんだなあとほのぼのするし、任せていて安心だ。しかし昨日母に聞いた時には、一昨日叔母が来たことは忘れているようだった。「来た…かしら? ばあちゃんなら来たわよ。すごく怒られたのよ」と、言っていたので、「それは夢...
姉がいてもいなくても、私の日常は続く。朝から玄関のチャイムが1時間おきに鳴り響く。「私のこれからはどうしたらいいのかしら?」朝から母の質問が壮大すぎて、ちょうどいい答えが思い浮かばない。「ヘルパーさんが来て、それからお迎えの人が来るからデイサービスに行くんだよ」と、言いながら母の足元を見ると、デイサービスの内ばきを履いている。「それ、内ばきだから袋から出したらダメって言ってるよね。元の袋に戻してお...
姉の帰省疲れが残る私が、はああと溜息をついていると、夫が「もういいじゃん、あの人たちやり遂げた!と思って機嫌良く帰って行ったんだから…」と言った。それがイラモヤっとするわけよ。ちょっと介護とはズレるかもだけど、私がモヤっとした話、書いておくわ。月曜日のランチに、近所のホテルの1階にあるカフェを予約することになった。そう言うふうに予定してきたようで、「ルミコも行く?」と珍しく誘われたので、じゃあ…行こ...
疲れが残る…。胃が痛いし口内炎が3個もできた。ヒシヒシと降り積もる姉ストレスの余波で体調を崩した。姉夫婦は昨日の夕方帰っていった。7ヶ月前と全く同じプランで、初日の夕方に来てカレーを作り(前回シチュー)、2日目の朝に教会に一緒に行き、帰りにファミレス(前回と同じ店)に寄り、夜は母と姉夫婦3人で寿司をとり、3日目の昼は近くのホテルのレストランを予約してランチに行き、戻ってから母の夕ご飯を作って、そして...
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昨日来たお客様と、引っ越してきて10年過ぎた話をしていたら、「私がここに来るようになった頃には、よくお父さんのピアノの音が聞こえてきてましたよね」と言われた。そう、午前中のお客様の時間に、父がピアノを弾いていることがよくあった。そんな穏やかな時が確かにあったなとしみじみする。突然に弱っていってしまうこともある。そして徐々に弱っていく人を家で看取ることの難しさを、父から学んだ。自分はどうなるんだろうな...
6月になった。今年も半分に差し掛かっているかと思うと、本当に時間が過ぎるのが早過ぎる。私自身も、大きな節目を迎えた。夫と2人でこちらに移住してから10年になった。東京の家の契約期間が5月末までで、それに合わせて引っ越してきた。自宅は大規模なリノベーションをしている途中で、今は駐車場になっているところに、木造の古い母屋がまだ建っていた。私たちは、親の衰えを考えて戻ってきたわけじゃなかった。自分たちが住...
昨日は、重い腰を上げて、母の家の衣替えをやった。ニット類を選択しようかと思ったのだけど、ヘルパーさんがきっちり畳んで整理しておいてくれたので、そのまま片付けることにした。大きな衣装ケースがまるっと1つ空いた。空いたスペースに入れるものがあるのかと思ったけど、何もなかった。母の衣類は、ほとんどが冬物で成り立っているのだな。改めて洋服を片付けながらよく見ると、どれもこれも毛玉がすごい。新しく買う服は、...
ネガティブ記事を暖かく受け止めていただけて感謝です。私が毒を吐くことによって、読んでくださっている方の中にある黒いものも一緒に出てってくれるといいのですが。そして今日もまたネガティブシリーズ。友人のお母様が、脳出血で突然亡くなられたと聞いた。まだ76歳だった。前日の夜まで家族でお寿司を食べたりして、楽しく幸せに過ごしていたとのことで、喪主をつとめたという友人はショックでなかなか立ち直れず、1ヶ月後に...
あー、はいはい。またですか? すごいですね! いいですね! もうわかったよ! もうお腹いっぱいなんだよ〜! ここだけで毒づかせて貰います。何度か書いていますが、知り合いのSNSによく登場するのが、私の母と同い年のお母さん。お母さんは関東で一人暮らし。娘さんは近距離他県に住んでいる。度々、お母さんが顔出しで出てくる。毎回同じようににっこり笑ってピースサイン。時々娘とツーショット。お綺麗で、身なりもき...
お迎えは9時40分になると言っておきながら、「困ります〜!」と言ったら、なんと8時10分に来た!!早すぎてびっくりよ。ダッシュで1階に降りていくと、若そうな送迎スタッフ君が、玄関でウロウロとしていた。「あ、荷物これです!」と、階段に置いてあるバッグを渡して、中の様子を伺うと、ヘルパーさんがバタバタ。8時〜8時20分のサービス時間。幸い母は着替えも済んでいて、朝ドラを見ていた。「ご飯も終わって、お薬も終わっ...
ショートステイの朝が来ました。母が脱走していないか、ピリピリで悪夢を見ました。昨日はデイの書道教室の日で、母が送ってもらったバンが到着したときに、ちょうど私がワンコの散歩から戻ってきたところで、エントランスで鉢合わせ。送りのドライバーさんに向かって母は、「こちら、次女のルミコです」と私を紹介した。私のことはまだまだ忘れない母である。ドライバーさんとも、かれこれ2年以上のお付き合いなので、もちろん私...
朝っぱらからチャイムが鳴り、憂鬱な月曜在宅日の始まり。「あら、起きてた〜? 良かったわ〜。みなさんは元気?」みなさん。私しかいない。「学校のほうはうまく行ってるの?」学校ね…。実際学校に行ってた時代は気にもしていなかったくせに、どこの脳の引き出し開けたらこんなセリフが出てくるんだろうなあ。「子供たちはみんな学校に行ったの?」子供たちは、いません。「そんなわけないわよ、小学生くらいの子供たち、いるじ...
日曜日は朝のヘルパーさんが来るのが遅い。8時45分だが、エントランスの鍵を開けに1階に降りると母が起きた気配がなかった。なんか嫌な予感はしたものの、夫が母を教会に送っていくと言いだしたので、様子を見に行くと、どこから出してきたのか、古びた埃だらけの旅行鞄が寝室の前の扉に置いてあった。「これ、何?」と、聞くと、「教会に行くのに持っていかないと…」と言うものの、中身はぎっしりとオムツが詰め込まれていた。...
数日前に母がデイに行っている間に家に入ると、衣装ケースの上に見慣れない洋服が畳んで置いてあった。黒を基調としたいろんな色が入った細かいストライプの柄で、首はハイネックでクシュっとしていて短めのワンピースくらいの丈感。広げてみて、こんな服あったっけ? と考える。着ているのをみたことがない。どこから出て来たの?まず、左脇の洗濯タグを見る。名前が書いてないか確認。名前はなかった。ブランドタグもみたが、記...
ケアマネから8月のショートステイが取れたと電話がかかってきたので、そのついでに一つ弱音を吐いた。来週からのショートステイ、6月2日に戻ってくるように予定されているのだけど、「2日間伸ばせませんか?」と。計算すると、6月は合わせて13日間。まだあと2日増やせる余裕があった。本当は、叔母がいつも月頭の3日や4日に訪問してくれるので、会えないのはかわいそうかと思っていたのだけど、もうそんなことを言っている...
ああ、やっと金曜日になった…。疲労感でいっぱいだが、まだ母が戻ってきて1週間しか経ってない。しばらく1週間帰ってきて、1週間ショートに行ってを繰り返していたから、次のショートまでが長く感じる。しかも今日は在宅日。なにも起こりませんように。ケアマネから連絡があって、7月のショートを予約した。冬の電気代地獄が終わったかと思ったら、次は脱水危機である。極力長めに取れるように、訪問診療と書道教室を避けなが...
朝6時半、夫の弁当を作っていて、フライパンで豚肉の西京焼きを焼いていたら、チャイムが鳴った…。え、なによ、この忙しい時に! と、声に出る。途中でやめられないやつよ! 焦げる!夫が「俺が行くよ」と言って、玄関を開けると、真っ黒のハイネックのセーターに黒いスエットを履いた母がぼーっと立っていて、「ねえ、葬儀はどうなったの?」と言った…。怖っ! 朝からホラーだ。夫も答えに困って、「お父さんの葬式なら3年前...
菓子パンバイキングで、買い置きがなくなったので、昨日はスーパーでこれでもか!と、買いまくった。無駄になっても、無くなるよりマシだ。「食べるものが何もない」と言われるのがすごく嫌! 介護が苦しくて、親を殺してしまったと言うニュースのコメント欄を見ていたら、「親を怒鳴りつけるだけでも逮捕される場合がある」と書かれていた(!)。マジか。毎日逮捕されてしまう。本当にそんなことあるの? と、あいつに聞いてみ...
母在宅の月曜日。朝のヘルパーさん(20分)から、夕方のヘルパーさん(16時15分)までの時間が果てしなく長い。午後のお昼ごはん前後が、母の徘徊タイムとなることが多い。案の定、午後になりチャイムが鳴らされ、ため息をつきながら玄関を開けると、トートバッグを持った母が立っていた。トートバッグの中には筆箱が一つ入っていた。「お姉ちゃんの友達が来てるでしょ?」はあ。深いため息が出る。お姉ちゃんの友達どころか、お姉...
急に暑くなってきた。電気代に悩まされるピークは終わった…。とはいえ、母が家にいる間は、リビングも廊下もテレビも全ての電気はつけっぱなしなので、在宅しているだけでお金はかかる。うちは2階なので日当たりがよく、すでに結構暑いのだけど、母は寒いと言っている。うっかりするとセーターを着込んだり、フリースを羽織ってしまうので熱中症に注意しなければいけない。エアコンもつけるなら冷房にしてほしい。電気代節約のた...
ショートから戻った次の日は、デイサービスと決まっていて、母は忙しい。ヘルパーさんが7時45分にやってきて、8時半にはデイのお迎えのバンに乗って出かけていった。私はその間、気配を感じながらも顔を見せることはなかった。私も土曜日は忙しいのだ。しかも、夫の出勤日が重なり、早起きして弁当も作り、送り出してワンコの世話をやり、自分の仕事の準備に入った。ヘルパー連絡帳には、暑くなってきたので、エアコンの暖房が入...
母が戻ってきた。あっという間に16時になり、バンが止まった音がして、ため息をついた。送迎の運転手さんが家の中まで同行し、電気をつけたりわいわいやっていた。私が来るのを待っていたようで、「娘さん来られましたね。テレビのスイッチわからないんで、お願いします」と言って、帰っていった。「あの人、お父さんの会社の人なのよ!」と、母は自信たっぷりに私に説明する。んなわけあるかい。だいたい父が会社に通っていたのな...
あーあ、もう金曜日か〜。また落ち着かない日々が始まるのかと思うと気持ちが沈む。早い時間にスーパーに行ってパンを買い込んで、電気ポットをセッティングして…って言うルーティンから。母が1週間留守にしている間に、季節が進んで、日が落ちてからも暑いなあと感じるようになった。エアコンの「暖房」を入れられないように注意が必要だ…。衣替えもしなきゃだったけど、1週間が忙しすぎてそこまで手が回らなかった。自分の衣替...
明日には母が戻ってくる。はあ。仕事を詰め込んでいると、1週間なんてあっという間。昨日は、仕事の終わりに、東京のネイリスト友達たちと久しぶりにZOOMでおしゃべりした。グループラインでトークしているから久しぶり感がないと言われたけど、なんだかんだで姿を見ながら話すのは去年の11月以来だった。半年ぶりでも長いなーって思うのに、姉が9月末から帰ってきてないことを思うと、どんだけよ!と改めて思った。9ヶ月の間に...
月に一度くらい、不定期に姉から電話がかかってくる。だいたい夕方のこれから忙しくなる時間帯で、姉と電話している隙に母がふらふらと家から出て買い物に行ってしまったこともあった。これと言って何か用事があるわけでもなく、ただ、様子伺いの電話だ。「最近どうですか?」と、だけ聞かれるのが、非常に面倒くさい。日々いろんなことはある。毎日話は噛み合わない。ヘルパーさんやケアマネとのやりとりも頻繁にあるけれど、別に...
5月は長かった。ショートステイの予約が取れず、これまで通りの週3デイサービス、1日2回のヘルパー(20分)でしのいだ。3月、4月と続けてショートのお世話になったので、ぽっかり何もないのがこんなに気が張るのかと思う。週3デイもありがたいのだけど、訪問診療がある週はとても慌ただしく、訪問診療に立ち会って、母をデイに送り出して、すぐ仕事に入り、昼に買い物を済ませて、午後からもう一人仕事に入ったら、その間に...
在宅日の金曜日、夕方の18時半ごろ、母から夫の携帯電話に電話がかかってきたそうだ(!)。度重なる母の徘徊と不穏に、夫が私の負担を減らそうと「何かわからなくなったら俺に電話かけて! 出かける前に電話して!俺はいつでも電話に出られるから」と言って、固定電話の子機に番号を登録してきたのだが、本当にかかってきてしまった。「あなたは誰ですか?」自分からかけてきたのに、第一声はそれだった。夫とわかると、「ルミコ...
数週間前に、母が夕方脱走してスーパーに行って白米3パックとほうれん草とキャベツ半玉を買ってきた。白米3パックは翌日には消費期限がきて、キャベツもすぐにダメになり、廃棄された。ほうれん草は、ヘルパーさんが茹でてカットしてラップに包んで冷凍にしてくれた。タッパーの中で小分けにラップされて、味噌汁の具が足りない時とかにちょっと使えるようにと言っていた。しかし、翌日見るとキッチンカウンターの上で常温に戻さ...
先週の土曜日から増量した認知症の薬は、効果が出てるのかは謎。魔の水曜日、昼の時間帯はGPSを気にしながら、在宅を確認して、いつも出かけてしまう13時前後を外して14時半にスーパーへ買い物へ出かけた。30分ほどして戻ってくると、母の家の玄関が10センチほど開いていた。そっと覗くと、スニーカーがあったので、家にいるんだなと安心。自分の家に帰ると、うちの玄関も10センチほど開いていた…来たな。きっちり閉めたはずの玄関...
母があまりにも日々「ばあちゃん来てる?」「ばあちゃんはどこへ行ったのかしら?」と、祖母のことを聞いてくるので、その都度、32年前に死んだよ、などと受け流していたけど、何かいい方法はないものかと夫と2人で考える。「おばあちゃんの遺影がないから、死んだことを思い出せないんじゃないの?」と、夫が言った。確かに、ない。9年前にこの家をリノベーションした時に、古い家を家財道具ごとぶっ壊した。もちろん大事そうな...
今期は主人公が「記憶喪失」になるっていう設定のドラマが多い。流し見していると、「え? それは覚えてるの? 思い出したの?」みたいなシーンがあったりする。前日のことを忘れてしまう「アンメット」は、それでもなぜか医者の仕事と技術は忘れない。「記憶を無くす」という意味では、認知症も記憶喪失とちょっと似ている。記憶を都合の良いストーリーに妄想トッピングで仕上げてしまうところが、認知症の特徴だろうか。記憶喪...
土曜の朝から認知症の薬のひとつ「メマンチン」が増量になっている。良い変化があることを期待しつつ、また月曜在宅日が始まって憂鬱である。だんだんと、話が通じないことが増えた。会話はしたいのだろうけど、訪ねてきてチャイムを押して、でも、何が言いたいのか全然理解できない。一生懸命、推理を働かせるのだけど、妄想と思い込みとちょっとの事実と、入り混じって何が言いたいのかわからない。出来るだけ明るく対応して、家...
徘徊事件から1週間経った、在宅の金曜日。私は朝からピリピリである。昼休みにはGPSを何度か確認して自宅にあることで安堵した。午後から仕事がびっしり詰まっていて、お客さんとお客さんの間が30分しか空いていない。何かあったら嫌だなと思いながら、仕事をしていると、ちょうど施術が折り返したぐらいの途中も途中で、ドアの外からガラガラと母の家の扉が何度か開いたり閉まったりする音が聞こえ、そのうちに「ルミちゃん!ル...
訪問診療の日だった。先生には徘徊のことは話していないが、今までなかった「外出禁止」の貼り紙に、なんとなく何かを察したようだった。いつも通り穏やかに、「最近のお身体の調子はいかがですか?何か困ったことはありませんか?」と母に聞く。「嫌な夢をしょっちゅう見るんです。それで目が覚めて眠れなくなってしまったりします」と、母が言った。「最近はどんな夢を見たか覚えていらっしゃいますか?」と、聞かれ、「子供達を...
一応、穏やかな日が続いている。油断はできない。もうだいぶ暖かい日が多くなったが、気がつくと母の家はストーブがつけられている。慌てて家に入って、「ストーブはもう勘弁して!(本音)」と言うと、「だって寒いのよ〜」と言いながら、母はヒーターのスイッチをオフ。エアコンは暖房でオンされている。もう電気代がとんでもないのだからダブル使いは本当に本当にもうやめて欲しい。ヘルパーさんたちは、さりげなく衣替えを進め...
火曜日、安らぎのデイサービスの日だった。朝のヘルパーさんの連絡ノートを見ると、「入室すると、フォーマルウエアーを着ておられました。教会へ行くとおっしゃいましたが、今日はデイサービスですよと言って着替えていただきました」と書かれていた。淡々と職務をこなすヘルパーさん。いちいちビックリもしないのだろう。私だったら大騒ぎして怒ってそうだ。教会行くにしてもフォーマルウエアーの必要はないし、また誰かの葬式と...
月曜在宅日。私も仕事が入っていて、ピリピリ。昼前には母がやってきて、デイサービスの施設にはどうやって行くのか? お昼はどうするのか?と聞いてきた。同じパターンである。勝手に行ってもどうにもならないことをまた繰り返し説明して、ついつい語気が荒くなる。「私だけなら別にいいんだけど、子供達が来てるでしょう? あの子達はどうしたらいいのかしら?」と、言いだした。これもレビー小体型の定番パターンである。子供...
土日は何事もなかった。土曜日は、母はいつものようにデイサービスに行き、よさこいの演舞を楽しんで、小さな子供たちが可愛かったと言っていた。日曜は、朝から出かける準備万端でヘルパーさんを迎え、その後、お迎えの人の車に乗って教会へと出かけていった。私たちは、母が出かけている間にスーパーに行き、母の昼ごはんを用意して、足りない食材を買ったりした。傾向として、日曜日は教会に行って疲れるからか、在宅でも勝手な...
あーあ、またやっちゃったなー。なんかもっと違う言い方出来なかったかなー、私。もっと優しく諭してあげること、出来なかったのかなー、私。怒ったって仕方ないし、忘れちゃうのも仕方ないし、でもどうしても言わずにはいられない。母を再び叱り飛ばした午後、私は自分の家に戻って泣いた。もうすぐ13時になろうかと言う時間に、私のスマホにデイサービスの施設から電話がかかってきた。「こちら○○苑デイサービスですが、こちらに...
朝6時50分から、家のチャイムが鳴りまくる。「今日はゴミの日じゃないかしら?」そうですけど…。母は、すでにアウターを着込んでマスクをして、外出する気満々の姿で玄関に立っていた。「ゴミを出すネットは、係りの人が7時までにセッティングしてくれるから、それまで待って!」認知症に「待て」は出来ない。自分でネットを出そうとしたが、うまく出来ないと言っていた。余計なことはしないでいただきたい。重たいネットを動かし...
魔の水曜日だが、訪問看護師さんには、浣腸の処置をスルーしてもらうようにノートに書いた。デイの連絡帳にもヘルパー連絡帳にも毎日のように便のことが書かれている。自力でどうにかなっている。これ以上の修羅場は避けたい。看護師さんからは電話がかかってきて、「記録を見るといい感じなようなので、今日もやめておきますね〜」と言われた。前の夜、ヘルパーさんの責任者の方から電話があった。私が「外出禁止」の貼り紙をした...
母がデイサービスに行き、留守になった家に入っていつものように食材のチェック。冷蔵庫を開けると、スーパーで買ったらしきパックのご飯が3つも入っていた(!)。ただの白米が3パック!180円が3個も! 日付を見ると5月13日。消費期限も5月13日。ああ、やられたな、脱走。昨日か…。寝起きで私のところに来て、「ばあちゃん来てる?」と聞いてきた後、私が油断している間にふらふらと出て行ったのだろう。全然気がつかなかっ...
私のモチベーションが上がらない理由はわかっている。昨日から、東京で大規模な美容のイベントが開催されていて、数年前までは欠かさずに参加していた。東京に住んでいた時はもちろん、こちらに来てからも当たり前のように新幹線に乗って、宿泊先をキープして、キャリーバッグをガラガラ引っ張って行っていた。コロナ禍でイベント自体が中止になったり、愛犬が病気になったり、ここ3年ほど遠のいた。いや、最後に行ったのは2019年...
モチベーションが落ちている。何もしたくないモードに入ってしまった。昨日は母の日だったけれど、1日早く土曜の夜にプレゼントを渡した。しまむらの母の日ラッピングは、赤いカーネーション色の袋にゴールドのリボン。ザ・プレゼントな趣だ。姉から送られてきたクッキーも持って行って、「これはお姉ちゃんから送られてきた」と言って手渡した。あまりにそっけない包みと軽さに、母も「あら、送られてきたの?」と言いながらも、...